JP2010269379A - ホーニング加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チャンバを介して同軸かつ同径に形成された2つの筒孔を、少ない加工工数で高精度に加工するホーニング加工装置を提供する。
【解決手段】 同径の第1ガイド孔102および第2ガイド孔104が燃料溜り部103を介して同軸に設けられたインジェクタノズル100に対し、ホーニング加工を行うホーニング加工装置1であって、第1および第2ガイド孔の研磨に供される砥石4と、砥石4を第1および第2ガイド孔の軸線方向に往復動させる保持筒2およびアクチュエータ3とを備え、砥石4は、第1ガイド孔側に最も移動した第1位置において、一端が第1ガイド孔の外端から突出するとともに他端が第2ガイド孔の内部に位置し、かつ、第2ガイド孔104側に最も移動した第2位置において、前記一端が第1ガイド孔の内部に位置するとともに前記他端が第2ガイド孔の外端から突出することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 同径の第1ガイド孔102および第2ガイド孔104が燃料溜り部103を介して同軸に設けられたインジェクタノズル100に対し、ホーニング加工を行うホーニング加工装置1であって、第1および第2ガイド孔の研磨に供される砥石4と、砥石4を第1および第2ガイド孔の軸線方向に往復動させる保持筒2およびアクチュエータ3とを備え、砥石4は、第1ガイド孔側に最も移動した第1位置において、一端が第1ガイド孔の外端から突出するとともに他端が第2ガイド孔の内部に位置し、かつ、第2ガイド孔104側に最も移動した第2位置において、前記一端が第1ガイド孔の内部に位置するとともに前記他端が第2ガイド孔の外端から突出することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明はホーニング加工装置に係り、詳しくは、チャンバ(空隙)を介して同軸かつ同径に形成された2つの筒孔をホーニング加工する装置に関する。
従来、鋳抜きや切削等によってワークに形成された筒孔(円孔)を研磨仕上げする方法として、ホーニング加工が一般的に使用されている。ホーニング加工を行うホーニング加工装置は、筒孔の内面に当接する砥石と砥石を駆動する駆動装置とから構成されており、駆動装置が砥石を筒孔の軸線回りに回転駆動するとともに、軸線方向にも往復駆動することによって、筒孔の内面を研磨する(例えば、特許文献1)。
ワークには、2つの同径の筒孔が、チャンバを介して同軸に形成されることがある。このような筒孔は、例えば、内燃機関用のインジェクタにみられ、燃料を一時的に貯留する燃料溜り部(チャンバ)の両端に、ニードルバルブを案内する2つの筒孔を同軸に設けることで、ニードルバルブの振れ(倒れ)を抑制する(例えば、特許文献2)。
チャンバを介して同軸かつ同径に形成された2つの筒孔をホーニング加工する場合、比較的短い砥石を一方の筒孔から進入させ、軸線方向に移動させることによって筒孔を1つずつホーニング加工する方法を採ることがある。しかしながら、このような方法でホーニング加工すると、各筒孔を比較的精度良く真円に研磨することができるものの、各筒孔を個別にホーニング加工するため両筒孔の同軸度を修正することができない(すなわち、両筒孔の軸線を一致させるべく研磨することができない)という問題がある。また、ホーニング加工時におけるワークに対する砥石の進入長さが筒孔間で異なるため、砥石の駆動精度に差が生じ、両筒孔の円筒度に差が生じるという問題がある。また、筒孔毎にホーニング加工を行うため、加工工数が増大するという問題がある。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであって、チャンバを介して同軸かつ同径に形成された2つの筒孔を、少ない加工工数でホーニング加工するとともに、加工精度の向上が図れるホーニング加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、第1筒孔(102)と、前記第1筒孔の一端に連続するとともに前記第1筒孔よりも大径のチャンバ(103)と、一端が前記チャンバに連続するとともに前記第1筒孔と同径かつ同軸の第2筒孔(104)とを有するワーク(100)に対し、前記第1筒孔および前記第2筒孔のホーニング加工を行うホーニング加工装置(1)であって、前記第1筒孔および前記第2筒孔の軸線方向に延在し、当該第1筒孔および当該第2筒孔の内周面の研磨に供される砥石(4)と、前記砥石を少なくとも前記軸線方向に往復動させる駆動装置(2,3)とを備え、前記砥石は、前記第1筒孔側に最も移動した第1位置において、一端が前記第1筒孔の外端から突出するとともに他端が前記第2筒孔の内部に位置し、かつ、前記第2筒孔側に最も移動した第2位置において、前記一端が前記第1筒孔の内部に位置するとともに前記他端が前記第2筒孔の外端から突出することを特徴とする。なお、第1筒孔および第2筒孔の外端とは、それぞれチャンバと連続する端部と相反する側の端部をいう。
この構成によれば、単一の加工工程で第1筒孔と第2筒孔とを同時にホーニング加工するため、加工工数の低減が図れる。また、第1筒孔と第2筒孔とを同時にホーニング加工するため、第1筒孔と第2筒孔との軸線を一致させるべく、両筒孔を修正加工することができる。第1筒孔側に最も移動した第1位置においても砥石は第2筒孔内に位置し、かつ第2筒孔側に最も移動した第2位置において砥石は第1筒孔内に位置するため、第1筒孔および前記第2筒孔の軸線方向における砥石の往復運動が円滑に行われる。
第2の発明は、第1の発明において、前記駆動装置は、アクチュエータ(3)によって少なくとも前記軸線方向に往復駆動される円筒部材(2)と、前記円筒部材の内部に保持され、前記軸線方向に移動するカム部材(7)と、前記円筒部材に保持され、当該円筒部材の径方向に移動するとともに、前記径方向における外方部分に前記砥石が固着され、前記径方向における内方部分に前記カム部材が当接し、前記カム部材に押圧されることによって前記径方向に移動する砥石ホルダ(6)とを備え、前記砥石ホルダと前記カム部材とが磁力によって密着していることを特徴とする。
この構成によれば、砥石ホルダとカム部材とが密着するため、砥石とカム部材との相対位置が安定し、加工精度を向上させることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記砥石は、研磨面側の前記軸線方向における両端が面取りされていることを特徴とする。
この構成によれば、砥石の欠けを防止することができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記円筒部材は、その先端が面取りされていることを特徴とする。
この構成によれば、円筒部材と第2筒孔との接触が防止される。
第5の発明は、前記砥石は、前記第1位置において、前記他端が前記第2筒孔の内部に少なくとも1mm没入し、かつ前記第2位置において、前記一端が前記第1筒孔の内部に少なくとも1mm没入していることを特徴とする。
この構成によれば、砥石の長さを短くすることによって砥石の軽量化が図れ、砥石に作用する慣性力を低減させることができる。砥石に作用する慣性力が小さくなることによって、砥石の位置が安定し、加工精度が向上する。
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明において、前記砥石は、前記第1位置において、前記一端が前記第1筒孔から少なくとも2mm突出するとともに、前記第2位置において、前記他端が前記第2筒孔から少なくとも2mm突出することを特徴とする。
この構成によれば、砥石のストロークに2mmのマージンを設定することによって、加工精度を向上させることができる。
第7の発明は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記ワークは、内燃機関用インジェクタのインジェクタノズルであり、前記第1筒孔および前記第2筒孔は、前記インジェクタのバルブ軸を摺動自在に支持するガイド孔であり、前記チャンバは、燃料を一時的に保持する燃料溜り部であることを特徴とする。
この構成にように、本発明のホーニング装置はインジェクタノズルのガイド孔の研磨に適している。
以上の構成によれば、チャンバを介して同軸かつ同径に形成された2つの筒孔を、少ない加工工数でホーニング加工することができるとともに、加工精度の向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明を内燃機関用インジェクタのホーニング加工装置に適用した一実施形態を詳細に説明する。
図1〜図4に示すように、ホーニング加工装置1は、保持筒(円筒部材)2と、アクチュエータ(アクチュエータ)3と、砥石4とを主要構成要素として備えている。保持筒2は、両端が開放した中空状の円筒であり、その一端において保持筒2を駆動するアクチュエータ3に連結されている。以下の説明では、保持筒2のアクチュエータ3側(図1中で上方)をホーニング加工装置1の基端側として単に基端側といい、他側(図1中で下方)をホーニング加工装置1の先端側として単に先端側という。また、保持筒2の径方向外側を単に径方向外側といい、保持筒2の径方向内側を単に径方向内側という。
保持筒2の先端部(ヘッド部)2aには、その外周面から内周面に貫通する貫通孔5が形成されている。貫通孔5は矩形状を呈し、その長辺が保持筒2の軸線A1と概ね平行に延設されている。貫通孔5には、砥石ホルダ6が嵌挿されており、砥石ホルダ6は保持筒2の径方向に移動自在に保持されている。砥石ホルダ6の径方向外側の面には、軸線A1の方向に延在する砥石4が固着されている。
図3は、保持筒2の先端部がインジェクタノズル(ワーク)100内に挿入された状態を示している。保持筒2の内部には、保持筒2に対して摺動自在に保持されたシャフト(カム部材)7が保持されている。シャフト7は、その先端部7aが先細となる円錐状に形成されている。砥石ホルダ6の径方向内側の面は、シャフト7の先端部7aに対応するテーパ状に形成されている。すなわち、砥石ホルダ6は、保持筒2の先端側ほど径方向における厚みが大きくなっている。以上の構成により、シャフト7が保持筒2に対して先端側に相対移動すると、砥石ホルダ6は径方向外側に押し出される。
砥石ホルダ6は、永久磁石となっている。一方、シャフト7の先端部7aは、磁性を有する金属から形成されている。そのため、シャフト7の先端部7aと砥石ホルダ6とは、磁力によって互いに吸着している。なお、他の実施形態においては、シャフト7の先端部7aを永久磁石とし、砥石ホルダ6を磁性を有する金属から形成してもよい。
図5は、ホーニング加工装置1の砥石4を拡大して示す断面図である。図3〜図5に示すように、砥石4は直方体状に形成されるとともに、その研磨面4a(すなわち、径方向外側の面)の軸線A1方向における両端部には、面取り部4bが形成されている。それぞれの面取り部4bがなす面と、軸線A1に直交する面とがなす角度θ1,θ2は、30°以上であることが好ましい。
また、図1〜図4に示すように、保持筒2の先端の径方向外側における部分には、周方向にわたって面取り部2bが形成されている。
図1に示すアクチュエータ3は、いずれも図示しない往復駆動モータ、回転駆動モータ、シャフト駆動モータと、往復駆動モータおよび回転駆動モータの駆動を減速して保持筒2に伝達する減速機構とを備えている。往復駆動モータは、保持筒2を軸線A1方向に往復駆動し、回転駆動モータは、保持筒2を軸線A1回りに回転駆動する。シャフト駆動モータは、NCサーボモータであって、シャフト7を保持筒2に対して軸線A1方向に相対移動させる。アクチュエータ3は、加工対象としてのインジェクタノズル100に対して相対位置が固定される。
図3および図4に示すように、インジェクタノズル100は、先端側が先細に形成され、その中心部に、基端側に開口するとともに先端側の内部まで軸線A2に沿って延在した弁孔101が形成されている。弁孔101は、基端側から、第1ガイド孔102、燃料溜り部103、第2ガイド孔104、第3孔105、弁座部106、第4孔107を軸線A2と同軸に有している。第1ガイド孔102と第2ガイド孔104との径は同径となっており、燃料溜り部103および第3孔105はそれぞれ、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104よりも大径となっている。燃料溜り部103には、一端がインジェクタノズル100の基端部に連通する燃料供給孔108の他端が連通している。燃料溜り部103は、燃料供給孔108を介して燃料の供給を受け、一時的に燃料を貯留する。第4孔107には、インジェクタノズル100の先端外面と連通する噴射孔109が複数個形成されている。
図6は、インジェクタノズル100を示す断面図であって、インジェクタノズルの使用状態を示す図である。図6に示すように、弁孔101には、ニードルバルブ110が挿入され、インジェクタノズル100はインジェクタボディ200に取り付けられる。ニードルバルブ110は、図の上側の基端側から、基端部110a、中央部110b、先端部110cを有している。ニードルバルブ110は、圧縮コイルばね111によって先端側に付勢され、円錐状の先端部110cが弁座部106に着座している。ニードルバルブ110の基端部110aは、その円周面において第1ガイド孔102の内周面と摺接している。ニードルバルブ110の中央部110bには、第2ガイド孔104の内周面に摺接するガイド部112が形成されている。ガイド部112は、中央部110bよりも幅広に形成された部分の円周面に軸線A2方向に延びる溝112aを複数箇所切欠することによって形成される。以上のように、基端部110aと第1ガイド孔102と摺接し、ガイド部112と第2ガイド孔104とが摺接することによって、ニードルバルブ110のインジェクタノズル100に対する倒れが防止され、ニードルバルブ110は軸線A2に沿って摺動する。なお、図示しないがインジェクタはピエゾアクチュエータを備え、ニードルバルブ110はピエゾアクチュエータによって軸線A2の方向に移動させられる。
次に、図3および図4を参照して、砥石4の長さおよび砥石4のストローク位置と、第1ガイド孔102、燃料溜り部103、第2ガイド孔104の位置関係について説明する。図3および図4に示すように、保持筒2は、保持筒2の軸線A1と、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104の軸線A2とが一致するように第1ガイド孔102および第2ガイド孔104に挿入される。図3は、ホーニング加工装置1によって第1ガイド孔102および第2ガイド孔104を研磨する際に、アクチュエータ3によって、保持筒2および砥石4が最も第1ガイド孔102側(すなわち、基端側)に移動させられた状態を示している。この状態における砥石4の位置を第1位置とする。第1位置においては、砥石4が第1ガイド孔102を貫通するとともに、所定の長さだけ第2ガイド孔104に没入している。一方、図4は、アクチュエータ3によって、保持筒2および砥石4が最も第2ガイド孔104側(すなわち、先端側)に移動させられた状態を示しており、この状態における砥石4の位置を第2位置とする。第2位置においては、砥石4が第2ガイド孔104を貫通するとともに、所定の長さだけ第1ガイド孔102に没入している。保持筒2および砥石4は、第1位置と第2位置の間で、ストロークSをもって往復動する。
ここで、砥石4の研磨面4aの軸線A1方向における長さ(研磨面長)をLとすると、砥石4の研磨面長Lは次の条件式(1)で設定される。
L=X+Y+Z+D・・・・・(1)
ここで、Xは、第1位置における砥石4の研磨面4aの第1ガイド孔102外端(基端側の端部)からの軸線A1方向における突出長X1(mm)と、第2位置における砥石4の研磨面4aの第2ガイド孔104外端(先端側の端部)からの軸線A1方向における突出長X2(mm)とのいずれか小さい方の値である。Yは、第1ガイド孔102の軸線方向長B(mm)と第2ガイド孔104の軸線方向長C(mm)のいずれか大きい方の値である。Zは、第1位置における砥石4の研磨面4aの第2ガイド孔104への没入長Z1(mm)と、第2位置における砥石4の研磨面4aの第1ガイド孔102への没入長Z2(mm)とのいずれか小さい値である。Dは、燃料溜り部103の軸線方向長さ(mm)である。なお、砥石4の研磨面長Lは、砥石4の軸線方向長さLtから両端の面取り幅ΔL1,ΔL2を減じたものである(図5参照)。ここで、X1およびX2は少なくとも2mm以上の値であり、好ましくは2mmである。また、Z1およびZ2は少なくとも1mm以上の値であり、好ましくは1mmである。
L=X+Y+Z+D・・・・・(1)
ここで、Xは、第1位置における砥石4の研磨面4aの第1ガイド孔102外端(基端側の端部)からの軸線A1方向における突出長X1(mm)と、第2位置における砥石4の研磨面4aの第2ガイド孔104外端(先端側の端部)からの軸線A1方向における突出長X2(mm)とのいずれか小さい方の値である。Yは、第1ガイド孔102の軸線方向長B(mm)と第2ガイド孔104の軸線方向長C(mm)のいずれか大きい方の値である。Zは、第1位置における砥石4の研磨面4aの第2ガイド孔104への没入長Z1(mm)と、第2位置における砥石4の研磨面4aの第1ガイド孔102への没入長Z2(mm)とのいずれか小さい値である。Dは、燃料溜り部103の軸線方向長さ(mm)である。なお、砥石4の研磨面長Lは、砥石4の軸線方向長さLtから両端の面取り幅ΔL1,ΔL2を減じたものである(図5参照)。ここで、X1およびX2は少なくとも2mm以上の値であり、好ましくは2mmである。また、Z1およびZ2は少なくとも1mm以上の値であり、好ましくは1mmである。
以上のように構成したことによって、ホーニング加工装置1の保持筒2は、ストロークSの範囲で往復動し、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104を同時に研磨する。そのため、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104を個別に研磨する場合に比べて加工工数を削減することができる。また、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104を1つの砥石4で同時に研磨するため、両ガイド孔102,104の同軸度を修正加工することが可能になる。
砥石4は、条件式(1)を満たすことによって、そのストロークSの範囲内で、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104のそれぞれの内部に少なくとも一部が確実に存在するため、往復動を円滑に行うことができる。すなわち、砥石4は第1ガイド孔102および第2ガイド孔104のいずれかの孔から完全に離脱することがないため、その離脱した孔に再突入することがなく、その再突入する際の孔の端部との引っ掛かり等を回避することができる。
砥石ホルダ6とシャフト7とは磁力によって密着しているため、砥石ホルダ6のガタつきや振れ等が防止され、砥石4のシャフト7および保持筒2に対する相対位置が安定する。そのため、ホーニング加工装置1の加工精度が向上する。
砥石4は、研磨面4aの軸線A1方向における両端に面取り部4bを備えているため、砥石4の軸線A1方向における往復動に対して、欠けを防止することができる。また、研磨面4aの軸線A1方向における両端が、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104に過荷重を加えることを抑制できるため、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104は均一に研磨されるようになる。
また、保持筒2は、先端に面取り部2bを備えているため、軸線A1に対して振れる(変位する)際にも、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104との接触を避けることができる。
次に、上述した実施形態の実施例について説明する。インジェクタノズル100は、第1ガイド孔102の軸線方向長さBが6.0mm、第2ガイド孔104の軸線方向長さCが5.3mm、燃料溜り部103の軸線方向長さDが5.0mm、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104の直径が3.4mmに設定した。ホーニング加工装置1は、砥石4の研磨面長Lが14.0mm、第1位置における突出長X1が2.0mm、第2ガイド孔104への没入長Z1が1.0mm、第2位置における突出長X2が2.0mm、第1ガイド孔102への没入長Z2が1.7mm、ストロークSが6.3mmに設定した。以上の設定条件は、上述した条件式(1)を満たしている。
以上のようにインジェクタノズル100およびホーニング加工装置1の寸法を設定し、保持筒2を軸線A1方向に速度3m/min、回転速度900rpmで駆動してインジェクタノズル100を研磨した際の結果を図7に示す。図7は実施例に係るホーニング加工装置1の加工精度を示す表である。図7では、実施例に係るホーニング加工装置1の加工精度における向上を明確にするために、比較対象として砥石の研磨面長を6mmとしたホーニング加工装置による加工結果を示す。比較対象に係るホーニング加工装置は、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104をそれぞれ個別に研磨した。図7の表中に示すnは、サンプル数を示している。
図7に示すように、本実施例に係るホーニング加工装置1は、比較対象としてのホーニング加工装置に対して、第1ガイド孔102と第2ガイド孔104との同軸度と、第2ガイド孔104の真円度と、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104の円筒度とにおいて加工精度の向上が確認された。加工結果における標準偏差は、加工結果のばらつきを表し、値が小さいほど加工が一定に行われていることを示している。なお、第1ガイド孔102および第2ガイド孔104の円筒度は、第1ガイド孔102と第2ガイド孔104とを1つの連続する円筒とみなして円筒度を測定した。
次に、第1位置における砥石4の突出長X1を変化させてホーニング加工装置1を構成した実施例について説明する。この実施例では、砥石4の研磨面長Lと突出長X1のみが上述した実施形態と異なり、他の条件は同一である。結果を図8の表に示す。図8の表中に示すnは、サンプル数を示している。
図8に示すように、突出長X1を0mmから1.0mm、2.0mmへと増加させることによって、円筒度が改善されることが確認されたが、突出長X1を2.0mmから3.0mmに増加させても、円筒度に変化は確認されなかった。この結果から、円筒度は突出長X1が2.0mmになるまでは向上するため、突出長X1は少なくとも2.0mmであることが好ましいことがわかる。
1・・ホーニング加工装置、2・・保持筒(円筒部材)、2b・・面取り部、3・・アクチュエータ、4・・砥石、4a・・研磨面、4b・・面取り部、6・・砥石ホルダ、7・・シャフト(カム部材)、7a・・先端部、100・・インジェクタノズル(ワーク)、102・・第1ガイド孔(第1筒孔)、103・・燃料溜り部(チャンバ)、104・・第2ガイド孔(第2筒孔)、110・・ニードルバルブ
Claims (7)
- 第1筒孔と、前記第1筒孔の一端に連続するとともに前記第1筒孔よりも大径のチャンバと、一端が前記チャンバに連続するとともに前記第1筒孔と同径かつ同軸の第2筒孔とを有するワークに対し、前記第1筒孔および前記第2筒孔のホーニング加工を行うホーニング加工装置であって、
前記第1筒孔および前記第2筒孔の軸線方向に延在し、当該第1筒孔および当該第2筒孔の内周面の研磨に供される砥石と、
前記砥石を少なくとも前記軸線方向に往復動させる駆動装置と
を備え、
前記砥石は、前記第1筒孔側に最も移動した第1位置において、一端が前記第1筒孔の外端から突出するとともに他端が前記第2筒孔の内部に位置し、かつ、前記第2筒孔側に最も移動した第2位置において、前記一端が前記第1筒孔の内部に位置するとともに前記他端が前記第2筒孔の外端から突出することを特徴とするホーニング加工装置。 - 前記駆動装置は、
アクチュエータによって少なくとも前記軸線方向に往復駆動される円筒部材と、
前記円筒部材の内部に保持され、前記軸線方向に移動するカム部材と、
前記円筒部材に保持され、当該円筒部材の径方向に移動するとともに、前記径方向における外方部分に前記砥石が固着され、前記径方向における内方部分に前記カム部材が当接し、前記カム部材に押圧されることによって前記径方向に移動する砥石ホルダと
を備え、
前記砥石ホルダと前記カム部材とが磁力によって密着していることを特徴とする、請求項1に記載のホーニング加工装置。 - 前記砥石は、研磨面側の前記軸線方向における両端が面取りされていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のホーニング加工装置。
- 前記円筒部材は、その先端が面取りされていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のホーニング加工装置。
- 前記砥石は、前記第1位置において、前記他端が前記第2筒孔の内部に少なくとも1mm没入し、かつ前記第2位置において、前記一端が前記第1筒孔の内部に少なくとも1mm没入していることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のホーニング加工装置。
- 前記砥石は、前記第1位置において、前記一端が前記第1筒孔から少なくとも2mm突出するとともに、前記第2位置において、前記他端が前記第2筒孔から少なくとも2mm突出することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のホーニング加工装置。
- 前記ワークは、内燃機関用インジェクタのインジェクタノズルであり、
前記第1筒孔および前記第2筒孔は、前記インジェクタのバルブ軸を摺動自在に支持するガイド孔であり、
前記チャンバは、燃料を一時的に保持する燃料溜り部であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載のホーニング加工装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101329918B1 (ko) | 2013-06-18 | 2013-11-14 | 김준모 | 커먼레일 시스템 인젝터용 보수장치 및 그 보수방법 |
KR20150138740A (ko) | 2014-06-02 | 2015-12-10 | 진재철 | 노즐헤드 연마기구 |
KR20160075424A (ko) | 2016-06-09 | 2016-06-29 | 진재철 | 노즐헤드 연마기구 |
WO2021129418A1 (zh) * | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 苏州信能精密机械有限公司 | 一种精密自定心内喷油珩磨刀具 |
CN115488709A (zh) * | 2022-09-02 | 2022-12-20 | 成都中科卓尔智能科技集团有限公司 | 一种对圆筒形内外壁高精度均匀打磨装置 |
-
2009
- 2009-05-19 JP JP2009121164A patent/JP2010269379A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101329918B1 (ko) | 2013-06-18 | 2013-11-14 | 김준모 | 커먼레일 시스템 인젝터용 보수장치 및 그 보수방법 |
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