JP2010267712A - 多層回路基板の製造方法 - Google Patents

多層回路基板の製造方法 Download PDF

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Aluthge Rasika Dasanayake
アルツゲ ラシカ ダサナヤケ
Hiroshi Koyanagi
博司 幸柳
Isao Suzuki
鈴木  勲
Takayuki Kobayashi
剛之 小林
Tomoteru Kunikawa
智輝 國川
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Abstract

【課題】ビア等の貫通孔を樹脂層に形成した後にデスミア処理された場合に、ビア内の底部に形成されたスミアを容易に除去できる多層回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】回路基板2の上面2aに、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4とをこの順で積層する工程と、回路基板2の上面2aに積層された第1,第2の樹脂層3,4に、貫通孔6を形成する工程と、貫通孔6の形成の後に、薬液を用いてデスミア処理する工程とを備え、第1の樹脂層3として、第2の樹脂層4よりも上記薬液により浸蝕されやすい樹脂層を用いる多層回路基板1の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、多層プリント配線板等に用いられる多層回路基板の製造方法に関し、より詳細には、層間接続用のビア等の貫通孔を樹脂層に形成した後に、デスミア処理する多層回路基板の製造方法に関する。
多層回路基板としては、回路基板と、該回路基板上に積層された絶縁性を有する樹脂層と、該樹脂層上に積層された導体層とを有する多層回路基板が挙げられる。
上記多層回路基板の製造方法の一例が、下記の特許文献1,2に開示されている。
特許文献1に記載の多層回路基板の製造方法では、先ず、回路基板上に、樹脂層を積層する。この樹脂層は、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む。次に、炭酸ガスレーザー加工により、ビアを、樹脂層に形成する。このとき、樹脂層を構成する樹脂の残渣であるスミアが、ビア内の底部に形成される。このスミアを除去するために、デスミア処理する。デスミア処理の後に、金属めっきにより、ビア内及び樹脂層上に導体層を形成する。ビア内に充填された導体層により、樹脂層の両面に積層された各導体層間が導通される。
また、特許文献2に記載の多層回路基板の製造方法では、導体層としての金属箔の片面に、2層以上の樹脂層が積層された樹脂層付き金属箔を用意する。この樹脂層は、ベンゾシクロブテン樹脂と、球状の無機充填材とを含む。次に、回路基板上に、上記樹脂層付き銅箔を樹脂層側から積層し、加熱し、加圧することにより、プリント配線板を得る。また、ここでは、レーザー加工によりビアを、樹脂層に形成することが記載されている。
特開2004−71703号公報 特開2004−223837号公報
前述のように、多層回路板を作製する際には、ビアを形成するためのレーザー加工により、ビア内の底部に樹脂の残渣であるスミアが形成されることが知られている。スミアが残っていると、樹脂層の両面に積層された各導体層間の導通信頼性が低下する。このため、スミアを除去するためのデスミア処理が行われている。
特許文献1,2では、デスミア処理により、スミアを充分に除去することが困難なことがある。
さらに、上記デスミア処理は、樹脂層の表面に凹凸を形成するための粗化処理を兼ねることがある。粗化処理を兼ねたデスミア処理により、樹脂層の表面に微細な凹凸を形成できる。絶縁層の凹凸表面に導体層を形成することにより、絶縁層と導体層との接着強度を高めることができる。
特許文献1では、粗化処理を兼ねたデスミア処理により、樹脂層の上面の樹脂が必要以上に除去されることがある。さらに、樹脂層の上面に微細な凹凸を形成することが困難なことがある。
また、特許文献2では、上記樹脂層付き銅箔が、回路基板上に積層されているにすぎない。回路基板上に、上記樹脂層付き銅箔が積層された後に、デスミア処理は行われていない。
本発明の目的は、ビア等の貫通孔を樹脂層に形成した後にデスミア処理された場合に、ビア内の底部に形成されたスミアを容易に除去できる多層回路基板の製造方法を提供することである。
本発明の限定的な目的は、スミアを容易に除去できるだけでなく、樹脂層の導体層が積層される表面に微細な凹凸を形成できる多層回路基板の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、回路基板の上面に、第1の樹脂層と、第2の樹脂層とをこの順で積層する工程と、前記回路基板の上面に積層された第1,第2の樹脂層に、貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔の形成の後に、薬液を用いてデスミア処理する工程とを備え、前記第1の樹脂層として、前記第2の樹脂層よりも前記デスミア処理の前記薬液により浸蝕されやすい樹脂層を用いる、多層回路基板の製造方法が提供される。
本発明に係る多層回路基板の製造方法のある特定の局面では、前記デスミア処理する工程において、第2の樹脂層の上面を粗化処理する。
本発明に係る多層回路基板の製造方法の他の特定の局面では、前記デスミア処理の後に、前記第2の樹脂層の上面に導体層を形成する工程をさらに備える。
本発明に係る多層回路基板の製造方法の別の特定の局面では、前記第1の樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含む第1の樹脂組成物により形成されており、前記第2の樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含む第2の樹脂組成物により形成されている。
本発明に係る多層回路基板の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記第1の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をX1、かつ前記硬化剤の硬化剤の反応基の個数をX2とし、前記第2の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をY1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をY2としたときに、下記式(1)が満たされる。
0.1≦(X1/X2)−(Y1/Y2)≦1.2 ・・・式(1)
本発明に係る多層回路基板の製造方法の他の特定の局面では、前記第2の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をY1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をY2としたときに、Y1のY2に対する比(Y1/Y2)が1.0以上、1.3以下である。
本発明に係る多層回路基板の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記第1の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をX1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をX2としたときに、X1のX2に対する比(X1/X2)が1.6以上、1.8以下である。
本発明に係る多層回路基板の製造方法の別の特定の局面では、第1,第2の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーがそれぞれ同一の化合物である。
本発明に係る多層回路基板の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の樹脂層を積層する工程において、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との積層体を前記第1の樹脂層側から、回路基板の上面に積層する。
本発明に係る多層回路基板の製造方法では、回路基板上に、第1の樹脂層と第2の樹脂層とをこの順で積層した後に、第1,第2の樹脂層に貫通孔を形成するので、貫通孔内の底部には、第2の樹脂層ではなく第1の樹脂層に由来するスミアが形成されやすい。さらに、第1の樹脂層は第2の樹脂層よりもデスミア処理の薬液により浸蝕されやすいので、デスミア処理により、第1の樹脂層に由来するスミアを容易に除去できる。
さらに、第2の樹脂層は第1の樹脂層よりも薬液により浸蝕されにくいので、第2の樹脂層の表面がデスミア処理されても、第2の樹脂層の表面の樹脂は必要以上に除去され難い。
さらに、第2の樹脂層として、上記薬液により浸蝕されやすい樹脂層を用いなくてもよいため、第2の樹脂層を幅広い樹脂組成物により構成することができる。例えば、第2の樹脂層の表面を粗化処理する場合には、粗化処理により微細な凹凸を形成できるように、第2の樹脂層を構成する第2の樹脂組成物を選択することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層回路基板の製造方法により得られた多層回路基板を示す部分切欠断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る多層回路基板の製造方法の各工程を説明するための部分切欠断面図であり、図2(a)は積層工程の後の状態、図2(b)は貫通孔形成工程の後の状態、図2(c)はデスミア処理工程の後の状態を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態及び実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る多層回路基板の製造方法により得られた多層回路基板を部分切欠断面図で示す。
図1に示す多層回路基板1は、回路基板2を有する。回路基板2の上面2aに、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4とがこの順で積層されている。回路基板2は、ガラスエポキシ基板2bと、ガラスエポキシ基板2bの上面2aの一部の領域に設けられた導体層2cとを有する。第1,第2の樹脂層3,4は、絶縁性を有する絶縁層である。第2の樹脂層4の上面4aの一部の領域には、導体層5が積層されている。第1,第2の樹脂層3,4は、層間接続のために開けられた貫通孔としてのビア6を有する。ビア6は、第1の樹脂層3の下面3aと、第2の樹脂層4の上面4aとを貫通するように形成されている。ビア6内には、導体層7が充填されている。導体層2cと導体層5とが、導体層7により電気的に接続されている。
以下、図2(a)〜(c)を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る多層回路基板1の製造方法を具体的に説明する。
図2(a)に示すように、先ず、回路基板2の上面2aに、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4とをこの順で積層する。第1,第2の樹脂層3,4を積層する際には、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4とが予め積層された積層体11を第1の樹脂層3側から、回路基板2の上面2aに積層することが好ましい。積層体11を用いた場合には、第1,第2の樹脂層3,4を段階的に積層する場合に比べて、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との密着性を高めることができる。さらに多層回路板1の製造効率を高めることができる。ただし、回路基板2の上面2aに、第1の樹脂層3を積層した後に、第2の樹脂層4を積層してもよい。積層体11の作製方法は特に限定されない。PET等の基材の上に第2の樹脂層4を塗工乾燥により形成してから、その上に第1の樹脂層3を塗工乾燥により形成して積層体11としてもよい。また、別の基材の上に第1の樹脂層3と第2の樹脂層4とをそれぞれ塗工乾燥により独立に形成してから、ラミネート等により2層を貼り合わせ、第1の樹脂層側の基材を除去して積層体11としてもよい。
回路基板2は特に限定されない。回路基板2としては、ガラスエポキシ基板の少なくとも一方の面に導体層が設けられた回路基板等が挙げられる。導体層は、銅により形成されていることが好ましい。導体層は、マイクロエッチング処理により形成されていることが好ましい。マイクロエッチング処理に用いられる薬剤としては、商品名「CZ8101」(メック社製)等が挙げられる。
第1の樹脂層3は、第1の樹脂組成物を用いて形成されている。第2の樹脂層4は、第2の樹脂組成物を用いて形成されている。例えば、上記第1,第2の樹脂組成物を予備硬化(半硬化)させることにより、第1,第2の樹脂層3,4を形成できる。なお、上記第1,第2の樹脂組成物の詳細は、後述する。
上記予備硬化の後の第1,第2の樹脂層3,4には、完全な硬化状態にある樹脂層だけでなく、半硬化状態にある樹脂層も含まれる。半硬化状態とは、完全に硬化していない状態である。半硬化状態の樹脂層は、硬化がさらに進行され得る。
上記第1,第2の樹脂組成物を予備硬化させる際の加熱温度は特に限定されない。加熱温度の好ましい下限は130℃であり、より好ましい下限は150℃であり、好ましい上限は190℃である。上記加熱温度が低すぎると、第1,第2の樹脂組成物が充分に硬化されないため、デスミア処理の後の第2の樹脂層4の上面4aの凹凸が大きくなりやすい。加熱温度が高すぎると、第1,第2の樹脂組成物の硬化反応が急速に進行しやすくなるため、硬化度が部分的に異なりやすく、粗い部分と密な部分とが形成されやすい。この結果、第2の樹脂層4の上面4aの凹凸が大きくなる。
上記第1,第2の樹脂組成物を反応させる際の加熱時間は特に限定されないが、30分以上であることが好ましい。上記加熱時間が30分以上であると、第1,第2の樹脂組成物を充分に硬化させ、デスミア処理の後の第2の樹脂層4の上面4aの凹凸を小さくすることができる。生産性の観点からは、上記加熱時間は1時間以下であることが好ましい。
また、上記第1,第2の樹脂組成物をシート状に成形したシート状成形体、又は第1,第2の樹脂組成物を多孔質基材に含浸させたプリプレグを用いて、第1,第2の樹脂層3,4を形成してもよい。
次に、図2(b)に示すように、第1,第2の樹脂層3,4に、貫通孔を形成する。ここでは、貫通孔としてビア6が形成されている。例えば、ビア6は、COレーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビア6の直径は特に限定されないが、60〜80μm程度である。ビア6内の底部には、第1の樹脂層3に由来する樹脂の残渣であるスミア15が形成される。なお、下層が第1の樹脂層3であるので、スミア15は、第2の樹脂層4ではなく第1の樹脂層3を構成する樹脂の残渣であることが多い。
図2(c)に示すように、ビア6の形成の後に、薬液を用いて、デスミア処理する。デスミア処理により、スミア15が除去される。第1の樹脂層3は第2の樹脂層4よりもデスミア処理の薬液により浸蝕されやすいので、デスミア処理により、第1の樹脂層に由来するスミア15を容易に除去できる。
上記デスミア処理する工程において、第2の樹脂層4の上面4aを粗化処理することが好ましい。すなわち、デスミア処理は、粗化処理を兼ねていることが好ましい。この場合には、多層回路基板の製造効率を高めることができる。また、粗化処理により、第2の樹脂層4の上面4aに凹凸を形成できる。このため、第2の樹脂層4と導体層5との接着強度を高めることができ、第2の樹脂層4と導体層5との接合信頼性を高めることができる。第2の樹脂層4は第1の樹脂層3よりも薬液により浸蝕されにくいので、第2の樹脂層4の上面4aがデスミア処理されても、第2の樹脂層4の上面4aの樹脂は必要以上に除去され難い。
第2の樹脂層4の上面4aを粗化処理する場合には、上記粗化処理の前に、膨潤処理が行われることが好ましい。ただし、膨潤処理は必ずしも行われなくてもよい。
上記膨潤処理の方法として、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、第2の樹脂層4の上面4aを処理する方法が挙げられる。上記膨潤処理には、40重量%エチレングリコール水溶液が好適に用いられる。
上記膨潤処理は、50〜80℃で5〜30分間行われることが好ましい。膨潤処理が複数回行われる場合、上記膨潤処理の時間は、合計の時間を示す。
上記デスミア処理及び粗化処理に用いられる薬液としては、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの酸化剤等が用いられる。これらの酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いることができる。スミア15をより一層効率的に除去でき、かつ第2の樹脂層4の上面4aにより一層微細な凹凸を形成できるため、上記薬液は、過マンガン酸イオンを含むことが好ましい。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム及び過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム及び無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記デスミア処理及び粗化処理に用いられる薬液として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸もしくは過マンガン酸塩溶液、又は30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液が好適に用いられる。
デスミア処理及び粗化処理の回数が多いとスミア15の除去効果も大きい。デスミア処理の回数が3回を超えると、スミア15の除去効果が飽和することがある。また、粗化処理の回数が3回を超えると、第2の樹脂層4の上面4aの樹脂が必要以上に削られて、上面4aにフィラー等が脱離した形状の孔が形成されにくくなる。このため、デスミア処理及び粗化処理は、1回又は2回行われることが好ましい。
上記デスミア処理及び粗化処理は、50〜80℃で5〜30分間行われることが好ましい。上記デスミア処理及び粗化処理が複数回行われる場合、上記デスミア処理及び粗化処理の時間は、合計の時間を示す。
上記のようにして粗化処理された第2の樹脂層4の上面4aの算術平均粗さRaは0.3μm以下であり、かつ十点平均粗さRzは3.0μm以下であることが好ましい。上面4aの算術平均粗さRaは、0.2μm以下であることがより好ましい。上面4aの十点平均粗さRzは、2μm以下であることがより好ましい。上記算術平均粗さRaが大きすぎると、上面4aに配線が形成された場合に、該配線における電気信号の伝送速度を高速化できないことがある。上記十点平均粗さRzが大きすぎると、上面4aに配線が形成された場合に、該配線における電気信号の伝送速度を高速化できないことがある。算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzは、JIS B0601−1994に準拠した測定法により求めることができる。
第2の樹脂層4の上面4aに形成された複数の孔の平均径は、5μm以下であることが好ましい。複数の孔の平均径が5μmより大きいと、上面4aにL/Sが小さい配線を形成することが困難なことがあり、かつ形成された配線間が短絡しやすくなる。
上記デスミア処理の後に、第2の樹脂層4の上面4aに導体層5を形成することにより、図1に示す多層回路基板1を得ることができる。導体層5の形成方法は特に限定されない。導体層5は、例えば公知のめっき用触媒を施したり、無電解めっきを施したりした後、電解めっきを施すことにより形成できる。
以下、微細な配線としての導体層5の形成方法の一例を説明する。
先ず、第2の樹脂層4の上面4aを無電解銅めっき処理する。次に、熱ロールラミネーター又は真空加圧ラミネーターにより、感光性ドライフィルムを無電解銅めっき処理された上面4aにラミネートする。上記感光性ドライフィルムは、ネガ型のフィルムであってもよく、ポジ型のフィルムであってもよい。上記感光性ドライフィルムをラミネートするかわりに、液状レジスト材料を無電解銅めっき処理された上面4aに塗工し、乾燥することにより、上面4aに感光性ドライフィルムを形成してもよい。
上記感光性ドライフィルムのラミネートの後に、所定のパターンを有するマスクを介して、感光性ドライフィルムに部分的に光を照射する。光の照射には、平行光露光装置及び投影型露光装置等が用いられる。光の照射後に、現像液を用いて、感光性ドライフィルムを現像する。現像により、第2の樹脂層4の上面4aに、上記マスクのパターンに由来するパターン状のフィルム層が形成される。
次に、電解銅めっき処理し、銅パターンを形成する。電解銅めっき処理の後、上記フィルム層を除去する。次に、上記銅パターンをエッチングすることにより、微細な配線としての導体層5を形成できる。
導体層5の形成の際に、又は導体層5の形成とは別の工程で、ビア6内に導体を充填させ、導体層7を形成することにより、導体層2aと導体層5とを導通させることができる。
(第1,第2の樹脂組成物の詳細)
以下、第1,第2の樹脂層3,4を形成するための上記第1,第2の樹脂組成物の詳細を説明する。
第1,第2の樹脂組成物は、第1の樹脂層が第2の樹脂層よりもデスミア処理の薬液により浸蝕されやすい樹脂層となるように選択されれば、特に限定されない。
第1の樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含むことが好ましい。また、第1の樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことが好ましい。第2の樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含むことが好ましい。第2の樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことが好ましい。これらの好ましい成分を第1,第2の樹脂組成物が含む場合には、デスミア処理の際のスミアを容易に除去でき、又は第2の樹脂層の上面がデスミア処理されても、上面の樹脂が必要以上に除去され難くなる。さらに、粗化処理の際の凹凸を容易に形成できる。
上記エポキシ樹脂とは、少なくとも1個のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂の1分子当たりのエポキシ基の数は、2以上であることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。上記エポキシ樹脂には、エポキシ樹脂の誘導体及びエポキシ樹脂の水添物も含まれる。上記エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルアクリル型エポキシ樹脂及びポリエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記第1,第2の樹脂組成物の固形分100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20〜50重量%の範囲内であることが好ましい。第1,第2の樹脂組成物の固形分100重量%中の上記エポキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は25重量%であり、より好ましい上限は40重量%である。上記エポキシ樹脂の含有量が上記好ましい範囲内にあることにより、樹脂層のハンドリング性を高くすることができ、かつ粗化処理により樹脂層の表面に微細な凹凸を形成できる。
上記第1,第2の樹脂組成物の固形分とは、第1,第2の樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分であり、液状エポキシ樹脂も固形分に含まれる。また、上記第1,第2の樹脂組成物の固形分100重量%とは、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラー等の成分と、必要に応じて配合される他の成分のうち、成型、加熱時に揮発しない不揮発分との総和をいう。
上記硬化剤は、特に限定されず、従来公知の硬化剤を用いることができる。上記硬化剤としては、例えば、アミン硬化剤、3級アミン硬化剤、イミダゾール硬化剤、ヒドラジド硬化剤、メラミン硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール硬化剤、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びこれらの誘導体等が挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂100重量部に対して、上記硬化剤の含有量は1〜200重量部の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ樹脂100重量部に対する上記硬化剤の含有量のより好ましい下限は30重量部であり、より好ましい上限は140重量部である。上記硬化剤の含有量が少なすぎると、第1,第2の樹脂層が充分に硬化しないことがある。上記硬化剤の含有量が多すぎると、上記エポキシ樹脂を硬化させる効果が飽和することがある。
上記硬化促進剤は、特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。上記硬化促進剤は、イミダゾール系硬化促進剤であることが好ましく、特に、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾールからなる群から選択された少なくとも一種であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は0.01〜3重量部の範囲内であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が上記好ましい範囲内にあることにより、第1,第2の樹脂層をより一層効率的に硬化させることができ、かつ硬化むらを抑制できる。
上記フィラーとしては、例えば、層状ケイ酸塩、シリカ及び水酸化アルミニウム等が挙げられる。なかでも、シリカが好ましい。上記フィラーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フィラーの形状は球状であることが好ましい。球状フィラーの場合には、粗化処理により球状フィラーが容易に脱離する。このため、粗化処理された樹脂層の表面により一層微細な凹凸を形成できる。なお、「球状」とは、例えば、アスペクト比が1〜2の範囲内であることを意味する。
フィラーの平均粒子径は、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。フィラーの平均粒子径が小さいと、粗化処理によりフィラーが脱離しやすく、樹脂層の表面に微細な孔を形成できる。このため、粗化処理された樹脂層の表面により一層微細な凹凸を形成できる。
上記フィラーの平均粒子径は、レーザー回折法により測定できる。上記フィラーの平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値を採用できる。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定できる。
上記シリカとしては、天然球状シリカ原料を粉砕して得られる結晶性球状シリカ、天然球状シリカ原料を火炎溶融し、粉砕して得られる破砕溶融球状シリカ、天然球状シリカ原料を火炎溶融、粉砕及び火炎溶融して得られる球状溶融球状シリカ、フュームド球状シリカ(アエロジル)、及びゾルゲル法球状シリカなどの合成球状シリカ等が挙げられる。
純度が高いことから、溶融シリカが好適に用いられる。
フィラーは、溶剤に分散された状態でスラリーとして用いられてよい。スラリーの使用により、第1,第2の樹脂組成物の製造の際に、作業性及び生産性を高めることができる。また、上記フィラーは、シランカップリング剤により表面処理されていてもよい。
上記第1,第2の樹脂組成物の固形分100重量%中、上記フィラーの含有量は5〜60重量%の範囲内であることが好ましい。上記第1,第2の樹脂組成物の固形分100重量%中の上記フィラーの含有量のより好ましい下限は15重量%であり、より好ましい上限は50重量%である。上記フィラーの含有量が少なすぎると、樹脂層を粗化処理した際に、フィラーの脱離により形成される孔の総表面積が小さくなる。このため、樹脂層と導体層との接着強度を充分に高めることができないことがある。上記フィラーの含有量が多すぎると、樹脂層が脆くなりやすく、かつ粗化処理された樹脂層の表面の表面粗さが大きくなりやすい。
第1の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂のエポキシ基の個数をX1、かつ硬化剤の反応基の個数をX2とし、第2の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂のエポキシ基の個数をY1、かつ硬化剤の反応基の個数をY2としたときに、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.1≦(X1/X2)−(Y1/Y2)≦1.2 ・・・式(1)
上記式(1)が満たされる場合には、第1の樹脂層が、第2の樹脂層よりもデスミア処理の薬液により一層浸蝕されやすくなる。このため、デスミア処理によりスミアをより一層容易に除去できる。また、第2の樹脂層の上面をデスミア処理しても、上面の樹脂が必要以上に除去され難くなる。さらに、粗化処理により第2の樹脂層の上面に微細な凹凸を形成できる。
なお、上記エポキシ樹脂を2種類以上併用する場合には、「エポキシ樹脂のエポキシ基の個数」とは、各々のエポキシ樹脂のエポキシ基の個数を合計したものとする。上記硬化剤を2種類以上併用する場合には、「硬化剤の反応基の個数」とは、各々の硬化剤の反応基の個数を合計したものとする。また、1級アミン硬化剤、2級アミン硬化剤、ジシアンジアミドなど、1つの官能基に2以上の反応部位が含まれる場合は、反応部位1つを反応基の個数と数える。また、「エポキシ樹脂のエポキシ基の個数」は、用いたエポキシ樹脂の重量とエポキシ当量とから求めることができる。「硬化剤の反応基の個数」は、用いた硬化剤の重量と硬化剤当量とから求めることができる。
上記Y1の上記Y2に対する比(Y1/Y2)は、1.0以上、1.3以下であることが好ましい。この場合には、粗化処理により第2の樹脂層の上面の樹脂が必要以上により一層除去され難くなる。
上記X1のX2に対する比(X1/X2)は、1.6以上、1.8以下であることが好ましい。この場合には、デスミア処理により、スミアをさらに一層容易に除去できる。
第1,第2の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーはそれぞれ、同一の化合物であることが好ましい。第1,第2の樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合には、第1,第2の樹脂組成物に含まれている硬化促進剤も同一の化合物であることが好ましい。同一の化合物の使用により、第1の樹脂層と第2の樹脂層との剥離を抑制できる。さらに、基板設計時のインピーダンスマッチングを取ることが容易になる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
実施例及び比較例では、第1,第2の樹脂層を形成するために、以下に示す材料を用いた。
(エポキシ樹脂)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「RE−410S」)
(硬化剤)
フェノール系硬化剤(明和化成社製、商品名「MEH7851−H」)
(硬化促進剤)
イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業社製、商品名「2PZ−CN」、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)
(フィラー)
平均粒子径0.3μmのシリカ(アドマテックス社製、商品名「SO−C1」)
(溶剤)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、特級、和光純薬工業社製)
(実施例1)
(1)第1,第2の樹脂組成物の調製
上記シリカ30.0重量部と、N,N−ジメチルホルムアミド67.0重量部とを混合し、均一な溶液となるまで、常温で攪拌した。その後、上記イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業社製、商品名「2PZ−CN」)0.3重量部をさらに添加し、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、溶液を得た。
次に、得られた溶液に、エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「RE−410S」)38.4重量部を添加し、均一な溶液となるまで常温で攪拌した。次に、硬化剤としてのフェノール系硬化剤(明和化成社製、商品名「MEH7851−H」)31.3重量部をさらに添加し、均一な溶液となるまで常温で攪拌して、第1の樹脂組成物を調製した。
配合成分の配合量を下記の表1に示すように変更したこと以外は、第1の樹脂組成物の調製と同様にして、第2の樹脂組成物を調製した。
(2)第1,第2の樹脂層の積層体の作製
離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「PET5011 550」、厚み50μm、リンテック社製)を用意した。このPETフィルム上にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが20μmとなるように、得られた第2の樹脂組成物を塗工した。これを100℃のギアオーブン内で2分間乾燥することにより、縦200mm×横200mm×厚み20μmの大きさの第2の樹脂層を作製した。次に、第2の樹脂組成物上にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが20μmとなるように、得られた第1の樹脂組成物を塗工した。これを100℃のギアオーブン内で2分間乾燥することにより、縦200mm×横200mm×厚み40μmの大きさの第1,第2の樹脂層の積層体を作製した。
得られた第1の樹脂層は、第2の樹脂層よりも、後述のデスミア処理に用いられる過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP)により浸蝕されやすい樹脂層であった。
(3)多層回路基板の作製
得られた第1,第2の樹脂層の積層体を用いて、以下の各工程を経て、多層回路基板を作製した。
積層工程:
回路基板として、薬剤(メルク社製、商品名「CZ8101」)によりマイクロエッチング処理された15cm×15cmの大きさの両面銅張ガラスエポキシ基板を用意した。この回路基板上に、第1,第2の樹脂層の積層体を第1の樹脂層側から、真空ラミネートし、プレスすることにより、回路基板と積層体とを接着させた。第1,第2の樹脂層付き回路基板をギアオーブン内に入れ、150℃で1時間、第1,第2の樹脂層を予備硬化させた。
ビア(貫通孔)形成工程:
COレーザー(日立ビアメカニクス社製「LC−11C21」)を用いて、下記の条件で、予備硬化した第1,第2の樹脂層に、直径60μmのビアを形成した。
マスク直径(アパーチュア) :φ3.1
パルス幅 :18μsec
パルスエネルギー :1.75W
ショット数 :2回
膨潤処理工程:
80℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップセキュリガントP)に、上記ビアが形成された第1,第2の樹脂層付き回路基板を入れて、20分間揺動させた。その後、純水で洗浄した。
デスミア処理(粗化処理)工程:
スミアを除去し、第2の樹脂層の上面に凹凸を形成するために、膨潤処理された第1,第2の樹脂層付き回路基板を、デスミア処理(粗化処理)した。
80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP)に、膨潤処理された第1,第2の樹脂層付き回路基板を入れて、20分間揺動させた。その後、25℃の洗浄液(アトテックジャパン社製、リダクションセキュリガントP)により10分間洗浄した後、純水でさらに洗浄した。
導体層を形成する工程:
デスミア処理(粗化処理)された第2の樹脂層の表面を、60℃のアルカリクリーナ(ATOTECH社製、クリーナーセキュリガント902)で5分間処理し、脱脂洗浄した。洗浄後、第2の樹脂層の表面を、25℃のプリディップ液(ATOTECH社製、プリディップネオガントB)で2分間処理した。その後、第2の樹脂層の表面を40℃のアクチベーター液(ATOTECH社製、アクチベーターネオガント834)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、第2の樹脂層の表面を30℃の還元液(リデューサーネオガントWA)により、第2の樹脂層を5分間処理した。
次に、第2の樹脂層を化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK)に入れ、無電解めっきをめっき厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解めっき後に、残留している水素ガスを除去するため、120℃で30分間アニールをかけた。
次に、熱ロールラミネーターにより、厚み25μmのネガ型の感光性ドライフィルムを、無電解銅めっき処理された第2の樹脂層の表面に100℃でラミネートした。その後、60分間放置した。次に、所定のパターンを有する石英ガラスマスクのパターンを感光性ネガ型ドライフィルムに、露光装置によりイメージングした。その後、60分間放置した。
次に、スプレー式現像装置を用いて、28℃の1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液により現像した。なお、感光性ドライフィルムの最小現像時間に対し、2倍の時間現像した。このようにして、無電解銅めっき処理された第2の樹脂層の表面にパターン状のフィルム層を形成した。
次に、第2の樹脂層の表面を電解銅めっき処理し、厚み10μmの銅パターンを形成した。その後、スプレー式剥離装置を用いて、50℃の2.0重量%水酸化ナトリウム水溶液により上記フィルム層を剥離した。
次に、スプレー式エッチング装置を用いて、30℃の銅エッチング液により無電解銅めっきをエッチングし、導体層を形成した。
(実施例2,3及び比較例1,2)
配合成分の配合量を下記の表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、第1,第2の樹脂組成物を調製した。また、得られた第1,第2の樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1,第2の樹脂層の積層体を作製し、かつ多層回路基板を作製した。
なお、実施例2,3で得られた第1の樹脂層は、第2の樹脂層よりも、デスミア処理に用いられる過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP)により浸蝕されやすい樹脂層であった。
他方、比較例1,2で得られた第1の樹脂層と第2の樹脂層とでは、デスミア処理に用いられる過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP)による浸蝕されやすさが同等であった。
(評価)
(1)デスミア性
上記デスミア処理(粗化処理)工程の後、かつ上記導体層を形成する工程の前の、第1,第2の樹脂層付き回路基板のデスミア性を評価した。
FE−SEM(JEOL社製「JSM−6700F」)を用いて、ビア内の底部の樹脂の残渣であるスミアの有無を観測した。ビアの内壁から内側に向かって広がるスミアの距離を調べて、下記の判定基準でデスミア性を評価した。
[デスミア性の判定基準]
○:スミアが残存していない、又はビアの内壁から内側に向かって広がるスミアの距離が3μm未満
×:ビアの内壁から内側に向かって広がるスミアの距離が3μm以上
(2)算術平均粗さRa及び十点平均粗さRz
上記デスミア処理(粗化処理)工程の後、かつ上記導体層を形成する工程の前の、第1,第2の樹脂層付き回路基板の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzを評価した。
非接触3次元表面形状測定装置(Veeco社製「WYKO NT1100」)を用いて、94μm×123μmの測定領域におけるデスミア処理(粗化処理)された第2の樹脂層の表面の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzを測定した。
(3)微細配線形成性
第2の樹脂層の上面に、JPCA−B001−2007の8.13節「高温高湿バイアス試験で用いられる層間マイグレーション評価用パターン」に基づいてL/S=8/8の櫛状銅パターンを形成し、微細配線形成性を下記の判定基準で評価した。
[微細配線形成性の判定基準]
○:櫛状銅パターン間が導通していない
×:櫛状銅パターン間が導通している箇所がある
結果を下記の表1に示す。
Figure 2010267712
1…多層回路板
2…基板
2a…上面
2b…ガラスエポキシ基板
2c…導体層
3…第1の樹脂層
3a…下面
4…第2の樹脂層
4a…上面
5…導体層
6…ビア
7…導体層
11…積層体
15…スミア

Claims (9)

  1. 回路基板の上面に、第1の樹脂層と、第2の樹脂層とをこの順で積層する工程と、
    前記回路基板の上面に積層された第1,第2の樹脂層に、貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔の形成の後に、薬液を用いてデスミア処理する工程とを備え、
    前記第1の樹脂層として、前記第2の樹脂層よりも前記デスミア処理の前記薬液により浸蝕されやすい樹脂層を用いる、多層回路基板の製造方法。
  2. 前記デスミア処理する工程において、第2の樹脂層の上面を粗化処理する、請求項1に記載の多層回路基板の製造方法。
  3. 前記デスミア処理の後に、前記第2の樹脂層の上面に導体層を形成する工程をさらに備える、請求項1又は2に記載の多層回路基板の製造方法。
  4. 前記第1の樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含む第1の樹脂組成物により形成されており、
    前記第2の樹脂層が、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを含む第2の樹脂組成物により形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層回路基板の製造方法。
  5. 前記第1の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をX1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をX2とし、
    前記第2の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をY1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をY2としたときに、
    下記式(1)を満たす、請求項4に記載の多層回路基板の製造方法。
    0.1≦(X1/X2)−(Y1/Y2)≦1.2 ・・・式(1)
  6. 前記第2の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂のエポキシ基の個数をY1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をY2としたときに、
    Y1のY2に対する比(Y1/Y2)が1.0以上、1.3以下である、請求項4又は5に記載の多層回路基板の製造方法。
  7. 前記第1の樹脂組成物に含まれている前記エポキシ樹脂のエポキシ基の個数をX1、かつ前記硬化剤の反応基の個数をX2としたときに、
    X1のX2に対する比(X1/X2)が1.6以上、1.8以下である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の多層回路基板の製造方法。
  8. 第1,第2の樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーがそれぞれ同一の化合物である、請求項4〜7のいずれか1項に記載の多層回路基板の製造方法。
  9. 前記第1,第2の樹脂層を積層する工程において、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との積層体を前記第1の樹脂層側から、回路基板の上面に積層する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層回路基板の製造方法。
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