JP2010267394A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、固体酸化物型の燃料電池を用いる発電装置2として具現化される。燃料ガスを水蒸気改質させて改質ガスとする改質器26と、改質ガスを酸素含有ガスと反応させて発電する固体酸化物型の燃料電池セル40と、改質器26を加熱する加熱体64を備え、加熱体64によって加熱された改質器26で改質及び熱交換した改質ガスを燃料電池セル40に供給する。
【選択図】図2
Description
特許文献1の発電装置は、燃料ガスを水蒸気改質した改質ガスを酸素含有ガスと反応させて発電する固体酸化物型の燃料電池セルを備えている。この発電装置は、燃料電池セル群を収容するセル群収容室内に、燃料電池セルを側方から加熱するための加熱体を設けている。前記加熱体は燃料ガスを燃焼させて熱を発生させ、その熱で燃料電池セルの側面を加熱し、燃料電池セルの温度を作動温度まで上昇させる。
そのため、燃料電池セルが作動温度に達する前に、改質器が作動温度に達する。燃料電池セルが作動温度に達する前に、十分に改質した改質ガスを燃料電池セルに供給することができる。十分に改質された改質ガスには煤の原因となる炭化水素分が含まれず、煤で燃料電池セルの改質ガス通路が閉塞してしまうこともなくなる。
また、燃料電池セルが作動温度に達する前に、即ち、燃料電池セルの燃料極が酸化する温度に上昇する前に、燃料電池セルの改質ガス通路内に改質ガスが供給されるため、燃料極に含まれるニッケルが酸化して燃料極が破損してしまうこともなくなる。
よって、燃料電池セルを破損させることなく、速やかに燃料電池を起動させることができる。
さらに、加熱された改質器で改質及び熱交換された高温の改質ガスを燃料電池セルに供給できるため、燃料電池セルにおける発電を効率よく行うこともできる。
(形態1) 加熱体は、改質器に供給する燃料ガスと同種のガスを燃焼するバーナであって、バーナによって加熱された高温気体を改質器に当てて改質器を加熱する。
(形態2) 加熱体は燃料ガスを燃焼させて火炎を形成する形態の燃焼バーナ、例えばブンゼン燃焼バーナとする。
(形態3) 加熱体は燃料ガスを表面燃焼させる形態の燃焼バーナ、例えば耐熱セラミックプレートを備える赤外線バーナとする。
(形態4) 加熱体は、改質器、又は、改質器と燃料電池セルの双方が好適な作動温度に到達した場合に停止する。
(形態5) 発電装置は、排ガス通過室内を通過する排ガスと、酸素含有ガス通過室内を通過する酸素含有ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備える。
図1は本実施例に係る発電装置の正面断面を模式的に示す図であり、図2は発電装置の側面断面を模式的に示す図である。図3は燃料電池セルの断面を模式的に示す図である。
図1、図2に示すように、発電装置2は、断熱材で形成された箱状の本体ケーシング4を備える。本体ケーシング4の内部は間仕切り板6によって、バーナ64を収容するバーナ収容室8と、発電ユニット側空間10とに区画されている。発電ユニット側空間10の内部は更に、複数のセルスタック24等を収容するセル群収容室12と、セル群収容室12内で発生した排ガスを通過させる排ガス通過室14と、発電に用いられる酸素含有ガスを通過させる酸素含有ガス通過室16とに区画されている。セル群収容室12は、発電ユニット側空間10内の最も内側の空間として設けられている。排ガス通過室14は、前記セル群収容室12の外側に設けられている。酸素含有ガス通過室16は、前記排ガス通過室14の外側に設けられている。
前記各セルスタック24は、図2、図3に示すように、燃料電池セル40が複数個配列されて構成されている。
改質器26には外部から燃料ガス及び水蒸気を供給するための燃料ガス供給路46と水蒸気供給路48が備えられている。本実施例では、燃料ガスには例えばメタンを主成分とするガスを使用する。このようなガスとしては例えば都市ガスが挙げられる。
改質器26は、金属製の扁平な箱型のケーシングと、その内部で蛇行する経路が形成されており、その経路内に改質触媒が充填されている。外部から供給された燃料ガスと水蒸気の混合ガスは、改質器26内を通過する間に、改質触媒によって水素と一酸化炭素からなる改質ガスに改質される。この改質反応は吸熱を伴うものである。そのため、改質器26は好適な温度に加熱されている必要がある。本実施例のようにメタンを主成分とする燃料ガスの好適な改質温度は600℃以上であるため、改質器26が600℃以上になるように加熱されていることが好ましい。なお、改質後の改質ガスは、改質器26からの熱を受けることによって高温となる。この改質器26の加熱は、バーナ64の燃焼熱及び上記したオフガスの燃焼熱を用いて行われる。
改質器26で改質された高温の改質ガスは、改質ガス供給管28を通って改質ガス室30に送り込まれ、改質ガス室30、導入管32、マニホールド34を通過して各燃料電池セル40の改質ガス通路42内へと送り込まれる。
この排ガス通過室14は、図1に示すような、内側ケーシング18と外側ケーシング50との間に設けられる空間であって、セル群収容室12の底面及び一対の側面を覆うようにして設けられている。
外側ケーシング50は、前記発電ユニット側空間10内部の、内側ケーシング18の外側を区画する上方が開放した箱状部材である。図1に示すように、外側ケーシング50の側壁の上端は内側に折り曲げられ、更に底面に向かって折り曲げられ、内側壁50a、外側壁50b、上端縁50cを形成している。内側壁50aは、内側ケーシング18内に差し込まれて備えられている。
内側壁50aの上端付近には排ガス通過孔52が開口され、上記邪魔板20の排ガス通過孔22とダクト54で連通されている。従って、セル群収容室12内で発生した排ガスは、邪魔板20の排ガス通過孔22からダクト54及び排ガス通過孔52を通って排ガス通過室14内に供給される。
外側ケーシング50の外側壁50bには熱交換用の複数枚のフィン56が備えられている。各フィン56は、半分が排ガス通過室14内に突出するように備えられ、他の半分が酸素含有ガス通過室16内に突出するように備えられている。
外側ケーシング50の底面50dには、外部と連通した排ガス排出管58が設けられ、排ガス通過室14を通過してきた排ガスを外部に排出可能としている。
従って、燃料電池セル40での発電反応及びオフガスの燃焼によって発生した高温の排ガスは、改質器26を加熱した後、邪魔板20の排ガス通過孔22からダクト54を通って排ガス通過室14の上部に流入する。排ガス通過室14の上部から流入した排ガスは、フィン56で熱交換を行いながら排ガス通過室14内を下方に向けて流れる。改質器26の加熱及びフィン56による熱交換によって排ガスの温度は下げられる。フィン56での熱交換を終えた排ガスは、排ガス通過室14の底面50dの排ガス排出管58から排出される。
この酸素含有ガス通過室16は、図1に示すように、外側ケーシング50の外側壁50b、上端縁50c、底面50dと本体ケーシング4の内側との間、及び、外側ケーシング50の内側壁1と邪魔板20との間に設けられる空間である。
上記のように、酸素含有ガス通過室16内には、上記外側ケーシング50の外側壁50bに備えられた複数枚のフィン56の半分が突出している。
本体ケーシング4の底面には、外部と連通した酸素含有ガス供給管60が設けられ、外部の酸素含有ガスとしての空気を酸素含有ガス通過室16内に供給可能としている。
酸素含有ガス供給管60から酸素含有ガス通過室16内に供給された酸素含有ガスは、フィン56で熱交換を行いながら酸素含有ガス通過室16内を上方に向けて流れる。フィン56による熱交換によって酸素含有ガスは加熱される。フィン56での熱交換を終えた酸素含有ガスは、外側ケーシング50の上端縁50cと本体ケーシング4の内側との間、及び、外側ケーシング50の内側壁50aと邪魔板20との間の空間を通り、セル群収容室12内へ供給される。セル群収容室12内に供給された酸素含有ガスは、燃料電池セル40での発電反応や、オフガスの燃焼に利用される。
バーナ燃焼ガス通路62は、バーナ収容室8内に上下方向に配設された管路であり、その上端は間仕切り板6に取り付けられ、前記セル群収容室12と連通された噴出し口66とされている。この噴出し口66は改質器26の出口側に対向して設けられている。ここに言う「改質器26の出口側」とは、改質後の改質ガスが改質ガス供給管28から送り出される側を言う。
バーナ燃焼ガス通路62の下端付近にはバーナ64が備えられている。バーナ燃焼ガス通路62の下端には、外部から燃焼用空気をバーナ64に供給する燃焼用空気供給管68と、外部から燃料ガスをバーナ64に供給する燃料ガス供給管70とが備えられている。
本実施例で用いられるバーナ64は、燃料ガスを燃焼させて火炎を形成する形態の燃焼バーナである。このようなバーナ64としては例えばブンゼン燃焼バーナが挙げられる。また、バーナ64の燃料となる燃料ガスは、前記改質器26に供給される燃料ガスと同じものが用いられる。従って、バーナ64専用の燃料を準備する必要はない。図2に示すように、バーナ64で燃料ガスを燃焼させると火炎が形成され、燃焼排ガスが噴出し口66から噴き出されて改質器26の出口側に当てられ、改質器26を加熱する。
上記バーナ64の燃焼排ガスによって改質器26を加熱できるので、起動直後から改質器26が安定した作動温度で連続運転されるまでの間に、改質器26を速やかに作動温度まで上昇させることができる。また、作動開始後の改質器26の温度を燃料電池セル40の温度より高くすることもできるので、燃料電池セル40が作動温度に達する前に十分に改質された改質ガスを改質ガス通路42内に供給することができ、燃料電池セル40の燃料極40aを保護することもできる。
発電装置2を作動させると、同時にバーナ64が作動する。バーナ64によって燃料ガスを燃焼させると、燃焼によって生じた燃焼排ガスが噴出し口66から噴出されて改質器26に当てられ、改質器26が燃料電池セル40に先行して加熱される。そのため、改質器26の単位時間当たりの温度上昇幅は、燃料電池セル40の単位時間当たりの温度上昇幅より大きくなる。改質器26の温度が、燃料電池セル40の温度より高くなる。この時点では、改質器26は未だ作動していないため、燃料電池セル40の改質ガス通路42内には空気が入り込んでいる。しかし、燃料電池セル40が未だ好適な作動温度である600℃以上に達していないため、改質ガス通路42内に入り込んだ空気によって燃料極40aが酸化することはない。なお、上記燃焼排ガスは改質器26を加熱した後、邪魔板20の排ガス通過孔22からダクト54を通って排ガス通過室14内に入り、排ガス排出管58から外部に排出される。
このように、改質器26と燃料電池セル40の双方が好適な作動温度で安定して連続運転される状態となったときは、バーナ64の燃焼を停止させる。
前記第1実施例では、本体ケーシング4内にはバーナ64を収容するためのバーナ収容室8が設けられていた。
本実施例では、図4に示すように、バーナ164を、燃料ガスを表面燃焼させる形態の燃焼バーナとした。このような燃焼バーナとしては、例えば耐熱セラミックプレートを備える赤外線バーナがある。本実施例のバーナ164は、前記第1実施例記載のバーナ164のように火炎が非常に短いため、設置スペースが少なくすむ。本実施例では、バーナ164は、本体ケーシング4の改質器26の側方部分に形成された貫通孔部166内に設けられ、改質器26を出口側から加熱できるようにしてある。本体ケーシング4の貫通孔部166には、バーナ164に燃焼用空気と燃料ガスを夫々供給する燃焼用空気供給管168とガス供給管170が備えられている。従って、本実施例の発電装置2では、バーナ設置のためのバーナ収容室8、バーナ燃焼ガス通路62が省略され、装置全体の小型化が図られている。
従って、例えば、改質器26が好適な作動温度に達した時点で、燃料電池セル40の温度にかかわらず停止させることもできる。一方、改質器26と燃料電池セル40の双方が好適な作動温度に達した後も加熱体の運転を継続させることもできる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4 本体ケーシング
6 間仕切り板
8 バーナ収容室
10 発電ユニット側空間
12 セル群収容室
14 排ガス通過室
16 酸素含有ガス通過室
18 内側ケーシング
20 邪魔板
24 セルスタック
26 改質器
28 改質ガス供給管
30 改質ガス室
32 導入管
34 マニホールド
40 燃料電池セル
40a 燃料極
40b 固体電解質層
40c 酸素極
40d インターコネクタ
42 改質ガス通路
44 集電部材
50 外側ケーシング
54 ダクト
56 フィン
58 排ガス排出管
60 酸素含有ガス供給管
62 バーナ燃焼ガス通路
64 バーナ
66 噴出し口
Claims (2)
- 固体酸化物型の燃料電池を用いる発電装置であり、
燃料ガスを水蒸気改質して改質ガスとする改質器と、
改質ガスを酸素含有ガスと反応させて発電する固体酸化物型の燃料電池セルと、
改質器を加熱する加熱体を備え、
加熱体によって加熱された改質器で改質ならびに加熱された改質ガスを燃料電池セルに供給することを特徴とする発電装置。 - 加熱体は、改質前の燃料ガスと水が供給される入口側の加熱量よりも改質後の改質ガスが送り出される出口側の加熱量が大きくなるように改質器を加熱することを特徴とする請求項1の発電装置。
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JP2009115299A JP2010267394A (ja) | 2009-05-12 | 2009-05-12 | 発電装置 |
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