JP2010266629A - ソーラーシステム用フレネルレンズ及びソーラーシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一つの面上に多数並べられたプリズム部は、光軸Aに近い側に位置する第一の群のプリズム部11と、光軸Aから遠い側に位置する第二の群のプリズム部12とから成る。第一の群の各プリズム部11は、第一の面3に達した光が第一の面3で屈折して出射するすることで集光レンズ作用を為すよう形成され、第二の群の各プリズム部12は、第一の面3に達した光が第一の面3で全反射した後、第二の面4で屈折して出射することで集光レンズ作用を為すよう形成されている。第一の群又は第二の群の各プリズム部11,12の入射面2は、集光レンズ面となっている。
【選択図】 図1
Description
フレネルレンズは、通常のレンズを多数のプリズム状のセグメントに分割し、セグメントを平面上に並べることでシート状又はプレート状に変換した光学部品である。したがって、フレネルレンズは、プリズム部1を同一平面上に多数並べて設けたものとなっている。このようなフレネルレンズは、一方の側の面が平坦面2で、他方の側の面がプリズム部1によって形成される凹凸面である場合が多い。
フレネルレンズの効率を高くするには、非レンズ面102の部分で光の損失がないようにすることが重要である。非レンズ面102での損失を無くすには、ドラフト角をゼロにすれば良い。ドラフト角は、非レンズ面102が平坦面2の法線に対して成す角である(図10にθdで示す)。しかしながら、ドラフト角θdがゼロであると、フレネルレンズを成型法で製作する際の離型が難しいという問題がある。離型とは、成型後に製品を型から引き離すことを指す。このため、多少のドラフト角θdをつけた設計とされることが多い。
このようなことから、一般的には、凹凸面を出射側にするよりも入射側にした設計や配置の方が、ドラフト角を多少つけても光の利用効率が高くできると言われており、凹凸面を入射側にする方が好ましいとされている。
即ち、焦点距離を短くする場合、レンズ面が光軸に垂直な面に対して成す角を大きくする必要がある。この角を、以下、「立ち上がり角」と呼び、図10(2)にθuで示す。集光作用を為させる場合、立ち上がり角θuは、光軸Aから遠い位置に位置するプリズム部のレンズ面ほど大きくする。言い換えれば、光軸Aから遠ざかるに従って立ち上がり角θuを漸増させれば、計算上は凸レンズと同様の集光作用が得られるということである。しかしながら、立ち上がり角θuがあまり大きくなると、レンズ面への光の入射角が臨界角に近くなる。臨界角を越えてしまうと、光はレンズ面で全反射し、設計通りの集光作用が得られなくなってしまう。
光軸に近い位置のプリズム部では、立ち上がり角θuはそれほど大きくしなくて済むので、光軸に近い位置にだけプリズム部を配置し、臨界角を超えないようにすることも考えられる。しかしながら、プリズム部の数が少なくなり、全体として小さいフレネルレンズにならざるを得ず、集光量が少なくなってしまう問題が生ずる。
しかしながら、発明者の研究によると、全反射系のプリズム部を配置した場合、出射した光が、内側に隣接する別のプリズム部に遮蔽される、いわゆるケラレが発生してしまう。このケラレによる損失が無視できず、光の利用効率が悪いという問題がある。
また、頂角が鋭利な製品は、頂角の欠けが生じ易く、取り扱いを慎重にせざえるを得ない煩わしさがある他、製品としての耐久性の点でも問題が生じ易い。このため、頂角を鋭利なものにしなくても必要な性能が得られる構造であることが望ましい。
本願の発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、光の利用効率の高い優れた性能のソーラーシステム用フレネルレンズを提供する技術的意義を有するものである。
多数のプリズム部は、光軸に近い側に位置する第一の群のプリズム部と、光軸から遠い側に位置する第二の群のプリズム部とから成り、
各群のプリズム部は、フレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されているとともに、各プリズム面は、入射面から入射した光が最初に到達する第一の面と、第一の面とは別の第二の面とを有しており、
第一の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部の入射面は、集光レンズ面となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記第二の群の各プリズム部の入射面は、入射面から入射した光が前記第一の面上の所定の領域で全反射するよう集光するものであり、この所定の領域は、前記第一の面で全反射して前記第二の面から出射する際、実質的にすべての光が、内側に隣接するプリズム部に遮蔽されることなく進む位置に設定されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第二の群の各プリズム部の第一の面又は第二の面は、入射面により集光された光を平行光に戻すコリメータ面となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記入射面は、前記コリメータ面となっている第一の面又は第二の面の入射側近傍位置に光を集光する集光レンズ面となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記第二の群の各プリズム部の第二の面は、光軸に対して非平行であるとともに光軸に対して入射面の側で交差するよう形成されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造のソーラーシステム用フレネルレンズであって、
多数のプリズム部は、光軸に近い側に位置する第一の群のプリズム部と、光軸から遠い側に位置する第二の群のプリズム部とから成り、
各群のプリズム部は、フレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されているとととに、各プリズム面は、入射面から入射した光が最初に到達する第一の面と、第一の面とは別の第二の面とを有しており、
第一の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第一の群の各プリズム部の入射面は、集光レンズ面となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項6の構成において、前記第一の群の各プリズム部の第一の面は、入射面により集光された光を平行光に戻すコリメータ面となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズを備え、太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が前記光軸に平行に進んで前記入射面に入射するよう前記フレネルレンズを配置したという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が光軸に平行に入射する姿勢で取り付けられているとともに、一つの面上に並べられた複数のフレネルレンズと、各フレネルレンズを保持する保持枠とを備えており、
各フレネルレンズは、太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造を有しており、
各プリズム部は、複数のフレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されており、
各プリズム面は、光軸から遠い側に位置する第一の面と、光軸に近い側に位置する第二の面とから成っており、
複数のフレネルレンズのうちの一つは、請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズであって、このフレネルレンズは光軸上に配置されており、他のフレネルレンズは、その周囲に配置されており、
周囲に配置されたフレネルレンズの各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
この周囲に配置されたフレネルレンズのうちの第二の群の各プリズム部の入射面は、光を集光する集光レンズ面となっているこという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が光軸に平行に入射する姿勢で取り付けられているとともに、一つの面上に並べられた複数のフレネルレンズと、各フレネルレンズを保持する保持枠とを備えており、
各フレネルレンズは、太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造を有しており、
各プリズム部は、複数のフレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されており、
各プリズム面は、光軸から遠い側に位置する第一の面と、光軸に近い側に位置する第二の面とから成っており、
複数のフレネルレンズのうちの一つは光軸上に配置されており、他のフレネルレンズは、その周囲に配置されたものであって請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズであり、
光軸上に配置されたフレネルレンズの各プリズム部は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されているという構成を有する。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、出射した光が、隣接したプリズム部に遮蔽されるのが実質的にゼロになるので、光の利用効率を最も高くすることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、出射した光が、隣接したプリズム部に遮蔽されるのが実質的にゼロになるので、光の利用効率を最も高くすることができる。その上、集光レンズ面である入射面の曲率を、フレネルレンズ全体の集光レンズ作用における焦点距離とは無関係に定めることができるので、設計の自由度が高い。そして、入射面から入射して進む光束をより細く絞ることができるので、第二の面に対して大きなドラフト角を付与できる効果や、頂角を鋭利なものにする必要がないという効果が、より著しい。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、第二の面にドラフト角が与えられているので、成型により製造する場合にも離型性が良くなる。
また、請求項6記載の発明によれば、第一の群の各プリズム部の入射面が集光レンズ面となっているので、第二の面に対してドラフト角を付与したり、第一の面と第二の面とが成す頂角を鈍化させたりしても、光の利用効率が低下することは無い。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、集光レンズ面である入射面の曲率を、フレネルレンズ全体の集光レンズ作用における焦点距離とは無関係に定めることができるので、設計の自由度が高い。そして、入射面から入射して進む光束をより細く絞ることができるので、第二の面に対して大きなドラフト角を付与できる効果や、頂角を鋭利なものにする必要がないという効果が、より著しい。
また、請求項8乃至10いずれかの発明によれば、上記いずれかの効果を有するフレネルレンズを用いているので、光の利用効率が高いソーラーシステムが得られる。
図1は、本願発明の第一の実施形態に係るソーラー用フレネルレンズの断面概略図である。図1に示すフレネルレンズは、多数のプリズム部11、12を、一つの面上に並べた構造を有する。各プリズム部11、12は、入射面2と、入射面2とは反対側に突出しているプリズム面とから成っている。
尚、図1は、光軸Aの右側の部分のみを示しており、且つ説明に必要な部分のみを抜粋して概略的に示している。本実施形態では、各プリズム部11,12は円周状に延びており、光軸Aを中心として同心上に配置されている。
より具体的に説明すると、本実施形態のフレネルレンズは、全体として集光レンズ作用を為すものである。集光レンズには色々なものがあるが、本実施形態のフレネルレンズは、図10(2)と同様、出射側が凸である平凸レンズと等価なものとなっており、平行な太陽光を一点に集光するものとなっている。
光がPMMA樹脂の媒体内から外部(空気中)に出射する場合、臨界角は42度程度であり、入射角が42度を超えると全反射する。したがって、第一の群のプリズム部11は、入射角が42度を超えないようになっている。各プリズム部11,12において、光は入射面2に垂直に入射するので、第一の面3への光の入射角θiは、第一の面3が入射面2と平行な面に対して成す角(立ち上がり角θu)に等しい。したがって、第一の群の各プリズム部11は、立ち上がり角θuが42度を超えないようになっている。
第二の群の各プリズム部12では、第二の面4から出射する光が第一の群の各プリズム部11からの光と同じ位置(焦点)に結ぶことと、第一の面3の立ち上がり角θuが臨界角より大きいことの二つを条件とする以外、本質的に制限はない。したがって、これら二つの条件を満たすよう第一第二の各面3,4を設計すればよい。
入射面2が平坦面である場合も集光レンズ面である場合も、前述したように、第一の面3の光軸Aに対する角度が漸次変化しているため、第一の面3で屈折又は全反射した光は、焦点の位置に結ぶ。このようなフレネルレンズの作用において、入射面2が平坦面である場合と集光レンズ面である場合とでは、第二の群の各プリズム部12での効率に大きな違いが出る。
このような光軸側に位置する別のプリズム部で出射光が遮蔽される問題は、ケラレと呼ばれる。フレネルレンズが大型化したり、フレネルレンズ全体としての焦点距離が短くなったりすると、このケラレの問題が顕在化してくる。
一方、図2(2)に示すように、入射面2が集光レンズ面であると、入射面2から入射した光は、少しずつ絞られながら第一の面3で全反射し、第二の面4で屈折しながら出射する。したがって、隣接するプリズム部12に遮蔽されないようにすることが可能であり、光の利用効率を高くすることができる。
一方、図2(2)に示すように、入射面2を集光レンズ面として光を少しずつ絞りながら第一の面3に向かわせると、第二の面4に多少のドラフト角を付与しても、光が第二の面4に最初に達してしまうことがない。このため、ドラフト角を付与して離型性を向上させても光の利用効率が低下することはない。
尚、第一の群の各プリズム部11では、本実施形態ではドラフト角ゼロとなっている。即ち、第二の面4は、光軸Aに対して平行である。これは、前述したように、ドラフト角をつけると損失が生じるためである。
この第二の実施形態においても、第の群のプリズム部12において、入射面2は集光レンズ面となっている。この第二の実施形態が第一の実施形態と異なるのは、入射面2により集光された光を平行光にするコリメータ面が設けられている点である。この第二の実施形態では、第一の面3においてコリメータ面を設けている。即ち、図3に示すように、第一の面3は、コリメータ面に形成された部位(以下、コリメータ部)31を有している。コリメータ部31は、全反射によりコリメート作用を為すので、コリメータミラーと同様のものということができる。
図2(2)と図3とを比較すると解るように、第二の実施形態によれば、第一の実施形態に比べてさらに光の利用効率が高くなる。即ち、図2(2)に示すように、第一の実施形態では、効率は良くなるものの、光軸Aからより遠い位置のプリズム部12では、より出射角θeが小さくなってくるため、出射する光がケラレる恐れが出てくる。入射面2の集光レンズ面の焦点距離を短くして光をより絞るようにすれば、ケラレを無くすことはできるが、フレネルレンズ全体の焦点位置よりも手前の位置で光が結んでしまい、その位置から光は広がってしまう。したがって、結局は損失が大きくなってしまう。
図4に示すように、第三の実施形態では、コリメータ面が第二の面4に形成されている。第二の面4におけるコリメータ面も、第二の面4内の限られた部位(以下、コリメータ部)41となっている。第一の面3については、第一の実施形態と同様、平坦面となっている。
コリメータ部41は、屈折によって光を平行光にするものであり、出射側に凸である凸レンズ(コリメータレンズ)と同様のものとなっている。コリメータ部41は、第二の面4のうち、第一の面3からの光が到達する部位にのみ形成されている。この部位は、図4に示すように、頂角よりの位置である。また、集光メンズ面である入射面2の焦点は、コリメータ部41の僅かに入射側の位置に設定されている。
第三の実施形態においても、光は細く絞られた後に平行光になって出射するため、隣接するプリズム部12によるケラレは実質的にゼロであり、光の利用効率を最大にすることができる。また、入射面2からの光束は少しずつ絞られるので、第二の面4に大きなドラフト角を付与して離型性をより向上させることができる。
第四の実施形態のフレネルレンズは、上記第三の実施形態と同様、コリメータ部41が第二の面4に形成されている。この第四の実施形態のフレネルレンズが第三の実施形態と異なるのは、図5に示すように、集光レンズ面である入射面2の焦点の位置よりも手前側にコリメータ部41が位置している点である。
この第四の実施形態では、入射面2の曲率を緩くすることができる長所がある。入射面2の曲率がきつく(曲率半径が小さく)なると、周辺部で光が全反射する恐れも出てくるが、この第四の実施形態ではこのような問題は無い。
第五の実施形態のフレネルレンズの特徴点は、上記第二の実施形態の構成において、第一の群の各プリズム部11においても入射面2を集光レンズ面としている点である。そして、第一の面3においてコリメータ部31を設けている。コリメータ部31は、第三又は第四の実施形態においけるコリメータ部41と同様に、出射側に凸であるコリメータレンズ面の構成となっている。
このような寸法例において、例えば第二の実施形態の構造を採用する場合、第二の群のプリズム部12の各入射面2は、曲率半径が0.2〜1.0mm程度の凸レンズの構成とされ、第一の面3のコリメータ部31は、曲率半径が1.0〜2.0mm程度のコリメータミラーの構成とされる。
また、上記各実施形態において、集光レンズ面である入射面2やコリメータ部31,41は、球面又は断面が円弧面である必要はなく、いわゆる非球面レンズの構成が採用されることもあり得る。
実施形態のソーラーシステムは、上述したいずれかの実施形態のフレネルレンズを使用したシステムである。本願において、「ソーラーシステム」とは、太陽光を利用したシステムを広く意味する用語である。「利用する」とは、熱エネルギーとして利用する場合や、太陽電池のように光電変換して電気エネルギーとして取り出す場合を含む。但し、実施形態のソーラーシステムは、太陽光を集光してエネルギー密度を高くした上で利用することが想定されており、このような利用の仕方が望ましい分野に用途に好適に適用されるものである。
図7に示すソーラーシステムは、同一平面上に並べられた複数のフレネルレンズF1〜F9と、各フレネルレンズF1〜F9を保持する保持枠71と、各フレネルレンズF1〜F9の姿勢を制御する姿勢制御装置とを備えている。
各フレネルレンズF1〜F9が並べられた平面は、太陽光の入射方向に垂直である。したがって、太陽光は各フレネルレンズF1〜F9に垂直に入射する。
各フレネルレンズF1〜F9は、例えば1100×1100mm程度の大きなものである。保持枠71全体としては例えば3300×3300mm程度の大きなものであり、受光面の大きさが10m2程度のシステムとなっている。
また、支柱74は、回転台77の上に固定されている。経度追従制御機構73は、この回転台77を鉛直な回転軸の周りに回転させる機構となっている。この回転軸も、保持枠71の中心を通る位置である。
尚、このソーラーシステムは、複数のフレネルレンズによる太陽光の集光位置に、受光部(不図示)を備えている。受光部の構成は、集光された太陽光をどのように利用するかによって異なる。本実施形態では、集光された太陽光の高いエネルギーを利用して試料の加工を行うことが想定されており、試料を入れる容器が受光部として採用されている。
実施形態のソーラーシステムは、複数のフレネルレンズF1〜F9が全体として一つのレンズと等価になるような構成である。光軸Aは、中央のフレネルレンズF1の中心を通り、各フレネルレンズF1〜F9が並べられた平面に対して垂直な方向に設定されている。中央のフレネルレンズF1では、各プリズム部は光軸Aを中心とする同心円周状であり、自身の中心と同心である。一方の周辺のフレネルレンズF2〜F9では、各プリズム部が同じ光軸Aに対して同心円周状となっており、自身の中心とは同心ではない(いわゆるオフアクシス)。言い換えると、フレネルレンズF2〜F9では、各プリズム部は光軸Aを中心とする円弧状である。
前述したように、第一の群のプリズム部11は光軸Aに近い位置に位置するものであり、第二の群のプリズム部12は光軸Aから遠い位置に位置するものである。この場合、複数のフレネルレンズにおける区分けは、二つのパターンがある。
さらに別のパターンとしては、中央のフレネルレンズF1は全て第一の群のプリズム部11とし、周囲のフレネルレンズF4,F8は全て第二の群のプリズム部12とする場合もあり得る。
尚、上述したように複数のフレネルレンズを光軸に垂直な同一平面上に配置する構成は、「フレネルレンズ組立体」の発明として捉えることができる。このようなフレネルレンズ組立体は、上記ソーラーシステムの用途以外にも使用することができる。
12 第二の群のプリズム部
2 入射面
3 第一の面
31 コリメータ部
4 第二の面
41 コリメータ部
71 保持枠
72 高度追従制御機構
73 経度追従制御機構
Claims (10)
- 太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造のソーラーシステム用フレネルレンズであって、
多数のプリズム部は、光軸に近い側に位置する第一の群のプリズム部と、光軸から遠い側に位置する第二の群のプリズム部とから成り、
各群のプリズム部は、フレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されているとともに、各プリズム面は、入射面から入射した光が最初に到達する第一の面と、第一の面とは別の第二の面とを有しており、
第一の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部の入射面は、集光レンズ面となっていることを特徴とするソーラーシステム用フレネルレンズ。 - 前記第二の群の各プリズム部の入射面は、入射面から入射した光が前記第一の面上の所定の領域で全反射するよう集光するものであり、この所定の領域は、前記第一の面で全反射して前記第二の面から出射する際、実質的にすべての光が、内側に隣接するプリズム部に遮蔽されることなく進む位置に設定されていることを特徴とする請求項1記載のソーラーシステム用フレネルレンズ。
- 前記第二の群の各プリズム部の第一の面又は第二の面は、入射面により集光された光を平行光に戻すコリメータ面となっていることを特徴とする請求項1又は2記載のソーラーシステム用フレネルレンズ。
- 前記入射面は、前記コリメータ面となっている第一の面又は第二の面の入射側近傍位置に光を集光する集光レンズ面となっていることを特徴とする請求項3記載のソーラーシステム用フレネルレンズ。
- 前記第二の群の各プリズム部の第二の面は、光軸に対して非平行であるとともに光軸に対して入射面の側で交差するよう形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のソーラーシステム用フレネルレンズ。
- 太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造のソーラーシステム用フレネルレンズであって、
多数のプリズム部は、光軸に近い側に位置する第一の群のプリズム部と、光軸から遠い側に位置する第二の群のプリズム部とから成り、
各群のプリズム部は、フレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されているとととに、各プリズム面は、入射面から入射した光が最初に到達する第一の面と、第一の面とは別の第二の面とを有しており、
第一の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第二の群の各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
第一の群の各プリズム部の入射面は、集光レンズ面となっていることを特徴とするソーラーシステム用フレネルレンズ。 - 前記第一の群の各プリズム部の第一の面は、入射面により集光された光を平行光に戻すコリメータ面となっていることを特徴とする請求項6記載のソーラーシステム用フレネルレンズ。
- 請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズを備え、太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が前記光軸に平行に進んで前記入射面に入射するよう前記フレネルレンズを配置したことを特徴とするソーラーシステム。
- 太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が光軸に平行に入射する姿勢で取り付けられているとともに、一つの面上に並べられた複数のフレネルレンズと、各フレネルレンズを保持する保持枠とを備えており、
各フレネルレンズは、太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造を有しており、
各プリズム部は、複数のフレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されており、
各プリズム面は、光軸から遠い側に位置する第一の面と、光軸に近い側に位置する第二の面とから成っており、
複数のフレネルレンズのうちの一つは、請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズであって、このフレネルレンズは光軸上に配置されており、他のフレネルレンズは、その周囲に配置されており、
周囲に配置されたフレネルレンズの各プリズム部のプリズム面は、第一の面に達した光が第一の面で全反射した後、第二の面で屈折して出射することで前記集光レンズ作用を為すよう形成されており、
この周囲に配置されたフレネルレンズのうちの第二の群の各プリズム部の入射面は、光を集光する集光レンズ面となっていることを特徴とするソーラーシステム用フレネルレンズ。 - 太陽光を利用するソーラーシステムであって、太陽光が入射面に垂直に入射する姿勢で取り付けられているとともに、一つの面上に並べられた複数のフレネルレンズと、各フレネルレンズを保持する保持枠とを備えており、
各フレネルレンズは、太陽光が入射する側に位置される入射面と、入射面とは反対側に突出しているプリズム面とより成るプリズム部を、一つの面上に多数並べた構造を有しており、
各プリズム部は、複数のフレネルレンズ全体として一つの集光レンズ作用を為すよう形成されており、
各プリズム面は、光軸から遠い側に位置する第一の面と、光軸に近い側に位置する第二の面とから成っており、
複数のフレネルレンズのうちの一つは光軸上に配置されており、他のフレネルレンズは、その周囲に配置されたものであって請求項1乃至7いずれかに記載のフレネルレンズであり、
光軸上に配置されたフレネルレンズの各プリズム部は、第一の面に達した光が第一の面で屈折して出射するすることで前記集光レンズ作用を為すよう形成されていることを特徴とするソーラーシステム。
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