JP2010266623A - 外装キャビネットの成形加工方法 - Google Patents

外装キャビネットの成形加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薄型表示装置用外装キャビネットを高精度で簡単に成形加工することができる成形加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】外装キャビネットの枠部及びカバー部に対応する部分100a及び100bが長手方向に沿って形成された金属製の加工材100を所定の長さLに切断する。切断された加工材100のカバー部に対応する部分100bの複数個所を切断してV字状の切欠き100dを形成する。切欠き100dに対向する個所を曲げ加工して枠状の外装キャビネットを成形する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、あるいは有機EL等のエレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオード、蛍光表示管等の発光素子を用いたディスプレイといった表示ユニットを用いた薄型表示装置に用いられる外装キャビネットの成形加工方法に関する。
上述した薄型表示装置は、近年製品開発の量産化が進み、世界的な規模で急速に普及している。こうした薄型表示装置では、上述した表示ユニットがフラットパネルに構成されてモジュール化されており、表示ユニットの前後にフロントキャビネット及びバックキャビネットといった外装キャビネットを取り付けて構成されている場合が一般的である。
フロントキャビネットは、製品の外観デザインを決める上で重要な部材であり、樹脂材料及び金属材料を用いて外観デザインに合わせて成形加工されている。
例えば、樹脂材料を成型して表面塗装することでキャビネットを製造することが行われている。また、ベース部材を樹脂材料により成型し、ベース部材の前面に金属材料からなる飾り板を取り付けることも提案されている。
こうした樹脂材料を用いる方法は、複雑な外観デザインにも対応することができるものの工程数が増加してコスト負担が大きく、歩留りも悪いといった課題がある。近年薄型表示装置の低価格化の傾向が大きくなっており、高コストの樹脂加工によるキャビネットの製造はこうした傾向に十分対応することができなくなっている。
金属材料を用いてキャビネットを製造する方法としては、例えば、特許文献1では、金属薄板を切断又は打ち抜き加工により切り出してキャビネットに成形加工する方法が記載されている。また、特許文献2では、アルミニウムの押出加工により形成された4個のフレーム部材を長方形に連結してフロントキャビネットを構成した点が記載れている。また、特許文献3では、ステンレス等の板材を打ち抜き加工した複数の構成部材を組み合わせて連結してフロントフレームを構成した点が記載されている。また、特許文献4では、ダイカスト加工により製造した構成部材を組み合わせて画像表示装置用の構造体を構成した点が記載されている。また、特許文献5では、薄型表示装置のフレームの構成部材を、押出成形加工により形成した長尺物を必要な長さで切断して枠状に組み立ててフレームを構成する点が記載されている。
特開平9−247585号公報 特開2002−190997号公報 特開2002−290873号公報 特開2004−191969号公報 特開2006−343439号公報
上述した特許文献では、金属板を打ち抜き加工してフレームを構成する点が記載されているが、枠状に打ち抜き加工して製造することは無駄が多くなり、現実的ではない。また、枠状のフレームを分割した四辺のフレーム構成部材を打ち抜き加工してそれらを組み立ててフレームを構成すれば、金属板を無駄なく使用することができるが、構成部材の組立工程が必要になり、構成部材の接続部分の強度が低下しないように加工しなければならない。また、複数の構成部材を組み立てるため、組み立て後のフレームに製造誤差が生じやすくなり、薄型表示装置に高精度に組み付けることが難しいといった課題がある。
また、金属材料を押出加工又はダイカスト加工した構成部材を用いる場合についても、構成部材を組み立てて枠状のフレームに構成する際に製造誤差が生じやすく、高精度で形成されたフレームを得ることが難しい。
そこで、本発明は、薄型表示装置用外装キャビネットを高精度で簡単に成形加工することができる成形加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る外装キャビネットの成形加工方法は、薄型表示装置の表示ユニットの外周を囲む枠部及び表示ユニットの縁部を覆うように当該枠部から内方に向かって延設されたカバー部を有する外装キャビネットの成形加工方法であって、前記枠部及び前記カバー部に対応する部分が長手方向に沿って形成された金属製の加工材の前記カバー部に対応する部分の複数個所を切り欠き、切り欠かれた部分の前記枠部に対応する部分を曲げ加工し、曲げ加工された加工材を用いて枠状の外装キャビネットを成形することを特徴とする。さらに、前記加工材は、金属材料を押出加工により長尺状に形成した後所定長さに切断して形成することを特徴とする。さらに、前記加工材は、金属材料をプレス加工して形成されることを特徴とする。さらに、前記加工材は、外装キャビネットの少なくとも三辺に対応するように曲げ加工されることを特徴とする。
本発明は、上記のような構成を有することで、予め外装キャビネットの枠部及びカバー部に対応する部分を形成した加工材を用いて、カバー部分の複数個所に切欠きを形成して枠部を曲げ加工するので、外装キャビネットを組み立てる際の構成部材を最小限に抑えることができ、成形工程を簡略化して加工コストを低減させることが可能となる。
また、1つの加工材を曲げ加工するので、複数の構成部材を接続する必要がなく、また接続する際の製造誤差が生じることがなくなるので、精度よく外装キャビネットを成形加工することができる。さらに、複数の構成部材を接続する場合には接続部分が強度低下することが懸念されるが、本発明では1つの加工材を曲げ加工するので、曲げ加工した部分にも十分な強度を持たせることができ、外装キャビネット全体の強度が向上するようになる。そのため、薄型表示装置が大型化した場合にもキャビネット形状の変形を抑えて安定した状態で取り付けることができる。
また、加工材に外装キャビネットの枠部及びカバー部を高精度で成形しておけば、以後のカバー部の切欠き及び枠部の曲げ加工の際に高精度を維持した状態で成形加工することができるので、最終的に高精度の枠状の外装キャビネットに仕上げることが可能となる。
また、1つの加工材を曲げ加工して外装キャビネットを成形するので、外装キャビネットの外観デザインを切れ目のない連続したデザインに仕上げることができ、角部の形状についても曲面状に仕上げることが可能で、薄型表示装置のデザイン設計の自由度が大きくなる。外装キャビネットのカバー部の外表面に表面処理を行って装飾を施すことで、外装キャビネットを装飾板とすることもでき、従来のように樹脂フレームに飾り板を取り付けた場合と比較して部品点数を少なくしてさらに薄型化することが可能となる。
そして、加工材を押出加工又はプレス加工により形成することで、複雑な工程を要することなく高精度で外装キャビネットの枠部及びカバー部を形成することができる。
本発明に係る外装キャビネットを備えた薄型表示装置に関する概略斜視図である。 表示ユニットに関する分解斜視図である。 フロントキャビネットの角部に関する拡大図である。。 表示ユニットの組立状態に関する概略断面図である。 フロントキャビネットを成形加工する工程に関する説明図である。 フロントキャビネットの成形加工に関する変形例を示す概略構成図である。 フロントキャビネットの変形例に関する断面図である。 表示ユニットの組立状態の変形例に関する概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る外装キャビネットを備えた薄型表示装置に関する概略斜視図である。薄型表示装置1は、表示ユニット2、スピーカユニット3及びスタンド4を備えている。表示ユニット2は、液晶表示パネル10の周縁部にフロントキャビネット11が取り付けられている。薄型表示装置1は、外部装置と接続するか又はテレビジョン放送により映像信号及び音声信号を受信し、受信した信号を公知の信号処理回路により処理して液晶表示パネル10に映像を出力表示するとともにスピーカユニット3から音声を出力するようになっている。こうした映像表示処理及び音声出力処理は公知である。
図2は、表示ユニット2に関する分解斜視図である。液晶表示パネル10は液晶表示体10a及びバックライトユニット10bからなり、液晶表示パネル10の前側にフロントキャビネット11が取り付けられ、後側にバックキャビネット12が取り付けられる。
液晶表示パネル10は、バックライトユニット10bの周囲に取付孔が形成された複数の取付金具10cが突設されている。
フロントキャビネット11は、液晶表示パネル10を囲むように枠状に形成されており、液晶表示パネル10の外周を囲む所定幅の枠部11aを備えている。枠部11aの前側には、全周にわたって内方に延設された液晶表示パネル10の周縁部を覆うカバー部11bが形成されている。枠部11aの後側には、全周にわたって内方に延設された取付縁部11cが形成されている。取付縁部11cには、取付金具10cに対応する位置にネジ穴が穿設されている。
フロントキャビネット11の4つの角部11dは、後述するように曲げ加工により成形されており、図3に示すように、内側から外側に向かって細長い切れ目11eが形成されている。切れ目11eは、後述するようにカバー部11bを切り欠いた部分の端面が曲げ加工により近接した状態になって形成されている。切れ目11eは、溶接により接着させてもよく、内側に当て板を接着させるようにしてもよい。
フロントキャビネット11は、アルミニウム等の金属材料を成形加工して構成されており、枠部11a及びカバー部11bの外表面には、研磨、ブラスト、塗装、陽極酸化、染色、湿式メッキ、乾式メッキ等の表面処理が施されている。
バックキャビネット12は、外周縁が取付縁部12aに形成されて、取付縁部12aで囲まれる部分が外方に膨出するように収容部12bが湾曲形成されている。取付縁部12aには、取付金具10cに対応する位置に取付孔12cが穿設されている。
図4は、表示ユニット2の組立状態に関する概略断面図である。液晶表示パネル10の取付金具10cの取付孔に対して、前面側にフロントキャビネット11の取付縁部11cに形成されたネジ穴を位置合せし、後面側にバックキャビネット12の取付縁部12aの取付孔12cを位置合せする。そして、固定ネジ13を取付孔12cから挿入して取付縁部11cのネジ穴に螺合して締め付け固定し、液晶表示パネル10に対してフロントキャビネット11及びバックキャビネット12を両側から囲むように取り付ける。
フロントキャビネット11のカバー部11bの先端部11fは、液晶表示パネル10の前面側に密着するように保持されて、液晶表示パネル10の外周縁部が全周にわたってフロントキャビネット11により保護されるようになる。
図5は、フロントキャビネット11を成形加工する工程に関する説明図である。まず、長尺状に形成された加工材100をフロントキャビネット11の外周の長さLに対応した長さに切断する(図5(a))。加工材100には、長手方向に枠部11a、カバー部11b及び取付縁部11cに対応する部分100a、100b及び100cが長手方向に形成されて断面コ字状に形成されている。加工材100は、アルミニウム等の金属材料を押出加工により成形加工すればよい。なお、加工材100は、帯状の板状体を折り曲げるようにプレス加工して成形加工してもよく、その場合には予め長さLに板状体を切断してプレス加工すればよい。
切断した加工材100は、カバー部に対応する部分100bにおいて4個所に切欠き100dを形成する(図5(b))。切欠き100dは、打ち抜き加工等によりV字状に切断して形成される。切欠き100dの間の間隔は、フロントキャビネット11の四辺の長さに対応して設定し、両端部の長さは、それぞれ一辺の長さの半分に設定する。
次に、切欠き100dが形成された加工材100対して、枠部に対応する部分100aの切欠き100dに対向する箇所を曲げ加工する(図5(c))。まず、V型のダイ101の上に切欠き100dに対向する箇所を位置合せしてセットする。そして、上方からパンチ102により枠部に対応する部分100aを押してダイ101に沿うように曲げ加工を行う。その際に、点線で示すように、ほぼ90度に枠部に対応する部分100aが曲げられて切欠き100dの端面が近接した状態になる。以上の曲げ加工を4か所の切欠き100dに対向する箇所で行う。
曲げ加工により加工材100は枠状に形成されて、加工材100の両側の端面100eが当接した状態になる。端面100eが当接した部分は、裏側から当て板を溶接により接着して固定し、フロントキャビネットが成形加工される(図5(d))。
成形加工されたフロントキャビネット11は、適宜表面処理が行われる。例えば、アルミニウム製の加工材を用いた場合には、まず研磨加工又はブラスト加工により表面状態を調整した後アルマイト加工等の下地処理を行い、下地処理された表面に電着塗装及び吹き付け塗装が施されて表面仕上げが行われる。
以上説明したように、フロントキャビネット11を1つの加工材から成形加工することができるので、加工工程を簡略化できるとともに部品点数が最小限に抑えられて製造コストを低減することが可能となる。
図6は、フロントキャビネット11の成形加工に関する変形例を示す概略構成図である。この例では、フロントキャビネット11の三辺を上述した加工材100を用いて成形加工し、残りの一辺には別の構成部材14を用いている。構成部材14の両端部は溶接等により加工材の両端部に固定すればよい。この場合でも、フロントキャビネット11に用いる部材は2つで済み、製造コストを抑えることができる。
図7は、フロントキャビネット11の変形例に関する断面図である。この例では、カバー部11bと取付縁部11cとの間にリブ11gが立設されている。リブ11gを設けることで、フロントキャビネット11の強度を向上させるとともに、リブ11gの先端が液晶表示パネル10の側面に当接することでより安定した状態でフロントキャビネット11を取り付けることができる。また、図7(b)に示すように、枠部11aを後側に延設して幅を広げることでフロントキャビネット11の強度を向上させるようにしてもよい。
図8は、表示ユニット2の組立状態の変形例に関する概略断面図である。この例では、液晶表示パネル10のバックライトユニットにネジ穴を穿設しておき、そのネジ穴に位置合せしてフロントキャビネット11の取付縁部11c及びバックキャビネット12の取付縁部12aを重ね合わせてネジ13により締め付け固定するようにしている。フロントキャビネット11が液晶表示パネル10の外周に密着した状態で取り付けることができるので、薄型表示装置全体のサイズをよりコンパクト化することが可能となる。
1 薄型表示装置
2 表示ユニット
3 スピーカユニット
4 スタンド
10 液晶表示パネル
11 フロントキャビネット
12 バックキャビネット
13 ネジ
14 構成部材

Claims (6)

  1. 薄型表示装置の表示ユニットの外周を囲む枠部及び表示ユニットの縁部を覆うように当該枠部から内方に向かって延設されたカバー部を有する外装キャビネットの成形加工方法であって、前記枠部及び前記カバー部に対応する部分が長手方向に沿って形成された金属製の加工材の前記カバー部に対応する部分の複数個所を切り欠き、切り欠かれた部分の前記枠部に対応する部分を曲げ加工し、曲げ加工された加工材を用いて枠状の外装キャビネットを成形することを特徴とする外装キャビネットの成形加工方法。
  2. 前記加工材は、金属材料を押出加工により長尺状に形成した後所定長さに切断して形成することを特徴とする請求項1に記載の成形加工方法。
  3. 前記加工材は、金属材料をプレス加工して形成されることを特徴とする請求項1に記載の成形加工方法。
  4. 前記加工材は、外装キャビネットの少なくとも三辺に対応するように曲げ加工されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成形加工方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の成形加工方法により成形された外装キャビネット。
  6. 請求項5に記載の外装キャビネットを備えた薄型表示装置。
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