JP2010266461A - 走査型共焦点顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物レンズの集光位置と試料の相対的な位置を集束光の光軸方向に治って離散的に繰り返し往復動作させて光強度情報を取得し、抽出した光強度情報に適合する変化曲線上の最大値と相対位置を推定し、輝度情報と高さ情報として取得し、移動機構の反転動作から次の反転動作までの間に取得される各相対位置での試料からの光強度情報を光強度情報群として取り扱い、試料からの非共焦点画像情報を光強度情報とは別に取得し、移動機構の反転動作位置から次の反転動作位置の間に得られる試料の高さ情報を、取得した非共焦点画像情報とともに同一画面上に、移動機構が反転動作位置から次の反転動作位置に移動する毎に試料形状の3D画像、非共焦点画像を更新して表示する。
【選択図】図1
Description
図30に示す走査型共焦点顕微鏡では、光源1から出射した光が、ビームスプリッター2を透過した後、2次元走査機構3に入射する。2次元走査機構3は、第1の光スキャナ3aと第2の光スキャナ3bとからなり、光束を2次元に走査し、対物レンズ7へと導く。対物レンズ7へ入射した光束は、集束光となって試料8の表面上を走査する。
ここで、対物レンズ7による集光位置は、ピンホール10と光学的に共役な位置にあり、試料8が対物レンズ7による集光位置にある場合は、試料8からの反射光がピンホール10上で集光してピンホール10を通過する。試料8が対物レンズ7による集光位置からずれた位置にある場合は、試料8からの反射光はピンホール10上では集光しておらず、ピンホール10を通過しない。
以下この関係をI−Zカーブと呼ぶ。
具体的には、高さ方向において光量が最大となる第1高さ位置D(m)を求めるとともに、第1高さ位置D(m)での第1光量Fm(x,y)と、第1高さ位置D(m)の上方側および下方側でそれぞれ近接する第2および第3高さ位置D(m−1),D(m+1)での第2および第3光量Fm−1(x,y),Fm+1(x,y)を求める。そして、これらに基づき、高さ位置に対する光量の変化を示す2次曲線を求め、この2次曲線から光量の極値を求める。さらに、この極値に対応する高さ位置Dmaxを表面高さデータH(x,y)とするものである。
しかしながら、以下のような前提のもとに使用されていること、及びそのために3次元の情報を得るための事前操作において不便さを感じることが時々ある。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の走査型共焦点顕微鏡は、光源からの光を試料に対して集束させる対物レンズと、前記集束光の光軸方向に沿って、前記対物レンズの集光位置と前記試料の位置を相対的に移動させる移動機構と、前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された共焦点絞りと、前記共焦点絞りを通過する光の強度を検出する光検出器とを備えた走査型共焦点顕微鏡であって、前記移動機構によって前記対物レンズの集光位置と前記試料の相対的な位置を前記集束光の光軸方向に治って離散的に繰り返し往復動作させる手段と、各相対位置での前記試料からの光強度情報をそれぞれ取得する手段と、それら光強度情報群から複数の光強度情報を抽出する手段と、前記抽出した複数の光強度情報に適合する変化曲線上の最大値と、それを与える前記相対位置を推定する手段と、その推定した光強度情報の最大値と相対位置をそれぞれ輝度情報と高さ情報として取得し、前記移動機構の反転動作から次の反転動作までの間に取得される各相対位置での前記試料からの光強度情報を前記光強度情報群として取り扱い、前記移動機構の往復動作に合わせて前記輝度情報と高さ情報とを連続的に取得する輝度及び高さ情報演算手段と、前記試料からの非共焦点画像情報を前記光強度情報とは別に取得する非共焦点画像情報取得手段と、前記移動機構の反転動作位置から次の反転動作位置の間に得られる前記試料の高さ情報に基づいて前記試料形状の3D画像を作成し、前記非共焦点画像情報取得手段によって取得した非共焦点画像情報とともに同一画面上に、連続的に更新しながら表示する表示手段とを備え、前記表示手段が、前記移動機構が反転動作位置から次の反転動作位置に移動する毎に前記試料形状の3D画像を1回更新して表示し、前記移動機構が前記各相対位置に移動する毎に前記非共焦点画像を更新して表示することを特徴とする。
また、本発明の走査型共焦点顕微鏡は、前記表示手段が、前記画像の更新のタイミングに示す画像更新表示部を備えることが望ましい。
図1は、本発明の第1の実施の形態を適用した走査型共焦点顕微鏡の構成を示す図である。
図2は、計測する試料の形状例を説明するための図である。
まず、走査型共焦点顕微鏡の2次元走査を開始し、試料8のc面に焦点を合わせる。このとき、モニタ15には、図3に示すような画像が表示される。具体的には、「走査開始/停止」ボタンにより走査型共焦点顕微鏡が画像取得を開始し、「対物」ボタンで所望の倍率の対物レンズ7を選択し、「ズーム」スクロールバーと合わせて観察部位が所望の大きさで表示されるように調節する。そして、「Z位置」スクロールバーでZレボルバ6を上下に移動させ、対物レンズ7の焦点面を試料8のc面に合わせる。
焦点面を試料8のc面に合わせた後に、Z方向の走査範囲を決定する。このZ方向の走査範囲を条件設定するのは図4に示した「Z走査範囲」で示された領域を対象とすることとしている。これまでの走査型共焦点顕微鏡は、焦点位置を上下に移動させてこの試料8のおおよその形状と「Z走査範囲」の領域を2次元画像を見ながら推測し決定していたが、本発明では以下に述べるプロセスの働きにより、モニタ15に直接表示される試料8の表示からZ走査範囲の設定が可能となる。イメージ的には、「対物」ボタンでXY方向の基準視野範囲を選択し、「Z位置」スクロールバーでZ方向の基準位置を選択している。そしてさらに、「ズーム」及び「Z範囲」スクロールバーによって3次元走査の範囲を設定している。
Z範囲のスクロールバーをゼロ以外の値に設定すると、図4のようにZレボルバ6は現在の焦点位置(c面)を中心にスクロールバーでの設定値に対応したZ走査範囲の間を上下にステップ移動し始める。使用者はモニタ15に表示される試料8の画像を見ながら、上記操作画面より希望するZ走査範囲を設定することとなる。設定されたZ走査範囲内をあらかじめ決められた移動ピッチΔZでZレボルバ6は移動し、Z相対位置毎に、共焦点画像が取得される。説明を簡単にするため共焦点画像取得は5枚、即ち、Zレボルバ6の移動回数が4回であるとし、それぞれZ(−2)、Z(−1) 、Z(0)、Z(1)、Z(2)の位置であるとする。この時の試料8の任意の点(例えば、a面、b面、c面上の点)の光強度情報を得る。
上記a面、b面、c面上の点の光強度群は、図5に示した各点のようにI−Zカーブ上の値となる。
この共焦点画像5枚で1回の輝度・高さ情報の抽出が可能であるので、 Zレボルバ6のステップ移動をZ(−2)→Z(−1)→Z(0)→Z(1)→Z(2)→Z(1)→Z(0)→Z(−1)→Z(−2)→・・・と繰り返し行えば、図7のように連続的に試料8のa面からb面までの構造を得ることができる。このとき、顕微鏡画像ウィンドウに表示されている高さ方向の位置が悪ければ、Z走査範囲の中心、即ち、「Z位置」を変えるか、幅の方が悪ければ、「Z範囲」そのものを変えることでエクステンド画像を確認しながら設定を最適に調節することもできる。これは、顕微鏡画像ウィンドウに全面に合焦した画像が全部映っていれば、その試料8の高さ方向に対して十分な領域で走査が行われていることが一目で判断できることを意味している。
本第2の実施の形態における走査型共焦点顕微鏡の構成は、図1を用いて説明した実施の形態と同様である。但し、モニタ15に表示される試料8の情報は3D表示化されている。
図8に示した表示例は、輝度及び高さ演算プログラムによって得られた高さ情報の表面部分に、試料8表面の実際の輝度情報を貼り合せて同時に表示させた例である。これが走査型共焦点顕微鏡のレーザ走査に同期して常に更新されるので、エクステンド画像による2次元的な表示に対して実際の試料8の様子をより忠実に立体的に表現したものとなる。このような表示により、 使用者は一目で試料8の詳細な立体情報を得ることが可能になる。一般的な3D表示ソフトが併せ持つ回転、拡大、縮小などが自在にできるようにし、使用者が所望の角度から観察できるようにしている。
上述してきたように、連続的に試料8の3次元の情報が得られて更新されているので、これを利用して試料8の任意の各部の計測を連続的に行い続けることも可能である。
また、3D表示を用いてそのまま計測することももちろん可能である。3D表示されている試料8からラインカーソルなどで測定位置を指定し、プロファイルウィンドウで2点間の指定を行えば、画像の更新に合わせて測定結果が連続的に得られる。
例えば、図10に示したように測定項目の「段差」を選択し、エクステンド画像中の注目点にラインカーソル(クロスカーソル1およびクロスカーソル2)を合わせる。そのラインでの断面プロファイルが得られているので、このプロファイル上で2点を指定すればその間の段差が連続的に測定され、測定値の表示が描画に同期して更新される。今までの走査型共焦点顕微鏡が計測のために3次元取り込みをするとそこで作業の流れが終わってしまい、別条件で初めからやり直しになるところを、この機能は「条件出し」→「測定による確認」→「条件修正」の間に連続性を持たせることを可能としている。
3D表示された試料8に対しマウスなどで空間の1点を指定することは困難であるため、プロファイル表示されるクロスカーソルを3D画像に対して表示することで任意の1点が指定可能となる。これはある1ライン内のプロファイル計測であっても良いし、複数の異なるプロファイル間を指定できるようにしても良い。計測結果には、指定した2点間のΔX、ΔY、ΔZおよび2点間の距離などが走査に同期して連続的に計測され表示も更新される。
第4の実施の形態を適用した走査型共焦点顕微鏡は、上述の第1乃至第3の実施の形態を適用した走査型共焦点顕微鏡と同様である。
図12乃至図17は、3D画像21とエクステンド画像22とをモニタ15上に表示させた例を示す図である。それぞれ、試料8の表面の3次元形状を示す3D画像21と全面にピントの合ったエクステンド画像22とが、モニタ15上に同時かつ連続的に更新しながら表示されている。
図18は、本発明の第5の実施の形態を適用した走査型共焦点顕微鏡の構成を示す図である。
次に、図18に示した走査型共焦点顕微鏡による試料情報測定方法について説明する。なお、高さマップ画像を取得して、繰り返し3次元の画像を表示をさせる方法は、上述の各実施の形態と同様である。
図26は、本発明の第6の実施の形態を適用した走査型共焦点顕微鏡の構成を示す図である。
図28は、試料情報計測処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS281において、使用者が走査型共焦点顕微鏡(LSM)による2次元画像で試料8を確認し、ステップS282において、3次元繰り返し表示を実行させるための開始ボタンを押す。
この際、例えば、図29に示すように、モニタ15上に3D画像21の繰り返し表示タイミングを示す3D画像更新表示灯23、24を表示すれば、3D画像21が更新されるタイミングを知ることができる。図29に示した表示例は、3D画像21が表示されるサイクル毎に3D画像更新表示灯23および24が交互に表示される例を示している。すなわち、1サイクル目は3D画像更新表示灯23が点灯し3D画像更新表示灯24が消灯し、2サイクル目は3D画像更新表示灯23が消灯し3D画像更新表示灯24が点灯し、3サイクル目はまた3D画像更新表示灯23が点灯し3D画像更新表示灯24が消灯するという具合である。
ステップS285において、表示されている3D画像21、31、41が期待する3次元形状であるのか否かを使用者が判断し、期待する3次元形状でないと判断した場合(ステップS286:N)は、ステップS283以降を繰り返すことにより、観察する試料8のZ方向の観察位置の再調整(ステップS283)や、3次元繰り返し表示のZ走査範囲の再調整(ステップS284)を行う。
2 ビームスプリッター
3 2次元走査機構
3a 第1の光スキャナ
3b 第2の光スキャナ
6 Zレボルバ
7 対物レンズ
8 試料
9 結像レンズ
10 ピンホール
11 光検出器
12 コンピュータ
13 試料台
14 ステージ
15 モニタ
16 ハーフミラー
17 光検出器
19 白色光源
20 カラー検出器
21 3D画像
22 エクステンド画像
23 3D画像更新表示灯
24 3D画像更新表示灯
31 3D画像
32 非共焦点画像
33 共焦点画像
41 3D画像
42 カラー画像
Claims (6)
- 光源からの光を試料に対して集束させる対物レンズと、
前記集束光の光軸方向に沿って、前記対物レンズの集光位置と前記試料の位置を相対的に移動させる移動機構と、
前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された共焦点絞りと、
前記共焦点絞りを通過する光の強度を検出する光検出器とを備えた走査型共焦点顕微鏡であって、
前記移動機構によって前記対物レンズの集光位置と前記試料の相対的な位置を前記集束光の光軸方向に治って離散的に繰り返し往復動作させる手段と、
各相対位置での前記試料からの光強度情報をそれぞれ取得する手段と、
それら光強度情報群から複数の光強度情報を抽出する手段と、
前記抽出した複数の光強度情報に適合する変化曲線上の最大値と、それを与える前記相対位置を推定する手段と、
その推定した光強度情報の最大値と相対位置をそれぞれ輝度情報と高さ情報として取得し、前記移動機構の反転動作から次の反転動作までの間に取得される各相対位置での前記試料からの光強度情報を前記光強度情報群として取り扱い、前記移動機構の往復動作に合わせて前記輝度情報と高さ情報とを連続的に取得する輝度及び高さ情報演算手段と、
前記試料からの非共焦点画像情報を前記光強度情報とは別に取得する非共焦点画像情報取得手段と、
前記移動機構の反転動作位置から次の反転動作位置の間に得られる前記試料の高さ情報に基づいて前記試料形状の3D画像を作成し、前記非共焦点画像情報取得手段によって取得した非共焦点画像情報とともに同一画面上に、連続的に更新しながら表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記移動機構が反転動作位置から次の反転動作位置に移動する毎に前記試料形状の3D画像を1回更新して表示し、前記移動機構が前記各相対位置に移動する毎に前記非共焦点画像を更新して表示することを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。 - 光源からの光を試料に対して集束させる対物レンズと、
前記集束光の光軸方向に沿って、前記対物レンズの集光位置と前記試料との相対的な位置を離散的に移動させる移動機構と、
前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された共焦点絞りと、
各相対位置での前記共焦点絞りを通過する光強度情報を検出する光検出器とを備えた走査型共焦点顕微鏡であって、
前記移動機構によって前記対物レンズの集光位置と前記試料の相対的な位置を前記集束光の光軸方向に治って離散的に繰り返し往復動作させる手段と、
各相対位置での前記試料からの光強度情報をそれぞれ取得する手段と、
それら光強度情報群から複数の光強度情報を抽出する手段と、
前記抽出した複数の光強度情報に適合する変化曲線上の最大値と、それを与える前記相対位置を推定する手段と、
その推定した光強度情報の最大値と相対位置をそれぞれ輝度情報と高さ情報として取得し、前記移動機構の反転動作から次の反転動作までの間に取得される各相対位置での前記試料からの光強度情報を前記光強度情報群として取り扱い、前記移動機構の往復動作に合わせて前記輝度情報と高さ情報とを連続的に取得する輝度及び高さ情報演算手段と、
前記移動機構の反転動作位置から次の反転動作位置の間に得られる前記試料の高さ情報に基づいて、前記試料形状の3D画像を作成し、前記輝度情報とともに同一画面上に、連続的に更新しながら表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記移動機構が反転動作位置から次の反転動作位置に移動する毎に前記試料形状の3D画像を1回更新して表示し、前記移動機構が前記各相対位置に移動する毎に前記輝度情報を更新して表示することを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。 - 前記非共焦点画像情報取得手段は、前記対物レンズを通して前記光源とは異なる白色光源からの白色光が前記試料に入射され、前記試料からのカラー画像情報を取得するカラー画像情報取得手段であることを特徴とする請求項1記載の走査型共焦点顕微鏡。
- 前記表示手段は、前記輝度情報を用いて共焦点画像を作成し、前記3D画像情報と共に同一画面上に連続的に更新しながら表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
- 前記共焦点画像は、前記試料全面に焦点があったエクステンド画像であることを特徴とする請求項4記載の走査型共焦点顕微鏡。
- 前記表示手段は、前記画像の更新のタイミングに示す画像更新表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の走査型共焦点顕微鏡。
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