JP2010266282A - リークテスト装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検査対象10の内部空間11の内面と良熱伝導材料からなる感温部材60の外面との間に被検室13を形成する。被検室13の温度変化に対する該被検室13の圧力変化と感温部材60の内部の感温室61の圧力変化が略同じになるよう調節しておく。被検室13に連なる第1通路31と、感温室61に連なる第2通路32の間に差圧センサ33を設け、被検室13と感温室61の差圧を検出する。
【選択図】図1
Description
(イ) 内部に感温室を有し、外面が前記内部空間の内面との間に被検室を形成するよう配置された良熱伝導材料からなる感温部材と、
(ロ) 前記被検室に連なる第1通路と、前記感温室に連なるとともに前記第1通路と連通・遮断可能な第2通路とを有する差圧検出路と、
(ハ) 前記第1通路と第2通路の間に設けられ、これら通路ひいては前記被検室と感温室の差圧を検出する差圧センサと、
を備え、前記第1通路と第2通路を連通させた状態でこれら通路を介して加圧気体を前記被検室と感温室にそれぞれ導入した後、前記第1通路と第2通路を遮断して前記差圧センサの検出差圧に基づいて前記漏れ判定を行なうことを特徴とする。
これによって、差圧センサが1つで済み、差圧検出路を簡素化でき、コストを低減できる。
被検室の温度変化は、感温部材の躯体内を経て感温室に伝達され、感温室の圧力変化になって現われる。
前記被検室の温度変化に対する前記感温室の圧力変化が前記被検室の圧力変化と略同じになるよう調節しておくことが好ましい。そうすることで、被検室と感温室との間に被検室の温度変化に起因する差圧が殆ど生じないようにすることができる。したがって、被検室と感温室との間に差圧が生じた場合、その差圧のほぼ全体が被検室からの漏れに起因する。よって、差圧センサの検出差圧をそのまま用いて漏れ判定を行なうことができ、検出差圧から温度変化の分を差し引く等の補正補償を行なう必要がなく、漏れ判定を簡易化できる。
ここで、「略同じ」とは、被検室の温度変化に対する感温室の圧力変化の度合いと被検室の圧力変化の度合いが完全に一致する場合の他、漏れ判定に影響が及ばない範囲でずれている場合を含む意である。
前記調節手段によって、被検室の温度変化に対する該被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じなるように調節できる。検査対象の種類(形状、内部空間の容積等)が違っても容易に対応できる。同じ種類の検査対象では、一度、前記圧力変化調節をしておけば、個々の検査対象ごとに検出差圧を温度補償する必要がなく、漏れ判定を簡易化できる。
閉鎖空間の容積を増減させることで、被検室の温度変化に対する該被検室の圧力変化の度合い又は感温室の圧力変化の度合いを調節でき、ひいては、被検室の温度変化に対する被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じなるように調節できる。
容積変更器は、第1通路に設けられていてもよく、第2通路に設けられていてもよい。
容積変更器が、感温部材に設けられていてもよい。感温室が容積変更可能になっていてもよい。
そうすると、フィンの数を調節したり、形状、材質等が異なるフィンに取り替えたりすることができる。これによって、フィン手段の吸放熱能を調節できる。ひいては感温部材の伝熱能力、すなわち感温部材が被検室の熱を当該感温部材の躯体を介して感温室に伝える能力を増減できる。これにより、被検室の温度変化に対する感温室の温度変化の度合い、ひいては感温室の圧力変化の度合いを調節できる。更には、被検室の温度変化に対する被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じになるよう調節できる。
内部に感温室を有する良熱伝導性の感温部材を、前記内部空間の内面との間に被検室を形成するように配置し、かつ前記被検室の温度変化に対する被検室及び感温室の圧力変化が互いに略同じになるよう調節しておき、
前記被検室と感温室を互いに連通させた状態でこれら室に加圧気体をそれぞれ導入した後、これら室を互いに遮断し、
差圧センサによって前記被検室と感温室の差圧を検出し、この検出差圧に基づいて前記漏れ判定を行なうことを特徴とする。
被検室の温度変化に対する該被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じであるため、被検室の温度変化に起因して被検室と感温室との間に差圧が生じることは殆どない。したがって、被検室と感温室との間に差圧が生じた場合、その差圧のほぼ全体が被検室からの漏れに起因している。よって、差圧センサの検出差圧をそのまま用いて漏れ判定を行なうことができ、検出差圧から温度変化の分を差し引く等の補正補償を行なう必要がなく、漏れ判定を簡易化できる。差圧センサが1つで済み、差圧検出路を簡素化でき、コストを低減できる。
これにより、被検室の温度変化に対する被検室及び感温室の圧力変化が互いに確実に略同じになるようにできる。
閉鎖空間の容積を増減させることで、被検室の温度変化に対する該被検室の圧力変化の度合い又は感温室の圧力変化の度合いを調節でき、ひいては、被検室の温度変化に対する被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じなるように調節できる。
感温部材の伝熱能力を変えることで、被検室の温度変化に対する感温室の温度変化の度合い、ひいては感温室の圧力変化の度合いを調節できる。更には、被検室の温度変化に対する被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じになるよう、調節できる。
フィンの取り付け数量、形状、材質等を変えることで、吸放熱能を調節でき、ひいては感温部材の伝熱能力を増減できる。これにより、被検室の温度変化に対する感温室の温度変化の度合い、ひいては感温室の圧力変化の度合いを調節できる。更には、被検室の温度変化に対する被検室と感温室の圧力変化の度合いが互いに略同じになるよう調節できる。
感温部材本体の材質、形状、厚さ等を変えることで前記伝熱能力の増減を行なってもよい。
図1に、リークテスト装置1の回路構成の概略を示す。リークテスト装置1の検査対象10は、例えば自動車エンジンのシリンダブロック等である。検査対象10は、内部空間11を有している。
圧縮エア源2から差圧検出路3の共通路30が延びている。共通路30には、レギュレータR30と共通開閉弁V30が上流側から順次設けられている。レギュレータR30によって共通路30の二次圧が調節される。共通開閉弁V30より下流の共通路30から排気路34が延びている。排気路34に排気用開閉弁V34が設けられている。排気路34の下流端は大気に開放されている。
感温部材60の感温室61に第2通路32の下流端が接続されている。
開閉弁V32を閉じると、開閉弁V32より下流の第2通路32と、第2センサ接続路32aと、第2室33bと、感温室61と、容積可変器接続路74と、容積調節室73とにより、第2の閉鎖空間36が形成される。第1閉鎖空間35と第2閉鎖空間36とは、互いに遮断されている。
(1)準備作業(温度補償操作)
検査対象10に対する本検査に先立ち、リークテストの温度補償のための準備作業を以下の手順で行なう。
漏れの無いことが判明している検査対象10を用意する。以下、この温度補償操作用の検査対象10の符号を「10X」とし、本検査での検査対象10と区別することにする。検査対象10Xは、本検査における検査対象10と同一種類、同一構造、同一形状である。検査対象10Xの初期温度は、本検査における検査対象10の初期温度と同じになるようにすることが好ましい。この検査対象10Xをリークテスト装置1の設置台4に設置する。検査対象10Xの内部空間11に感温部材60を収容する。これにより、検査対象10Xの内部空間11の内面と感温部材60の外面との間に被検室13が形成される。被検室13に第1通路31を接続する。感温部材60内の感温室61に第2通路32を接続する。
排気用開閉弁V34を閉じ、開閉弁V30,V31,V32を開ける。そして、圧縮エア源2から差圧検出路3に数百kPaの圧縮エア(加圧気体)を導入する。圧縮エアは、第1通路31を経て、被検室13に導入されるとともに、第2通路32を経て、感温室61に導入される。
次に、共通開閉弁V30を閉じる。続いて、第1、第2開閉弁V31、V32を閉じる。これにより、第1通路31と第2通路32が互いに遮断され、ひいては被検室13と感温室61が互いに遮断され、互いに独立した2つの閉鎖空間35,36が形成される。
次に、第1閉鎖空間35ひいては被検室13の圧力の経時変化を測定するとともに、第2閉鎖空間36ひいては感温室61の圧力の経時変化を測定する。例えば、閉鎖空間35,36にそれぞれ圧力計を設け、これら圧力計の測定圧力を経時的に記録する。差圧センサ33の検出差圧を経時的に記録してもよい。
被検室13及び感温室61の圧力変化の測定データを取得したら、これら2つの測定データに基づいて感温室61の圧力変化の度合いを調節する。この調節方法を、図2のグラフを参照して説明する。
感温室61の圧力変化が被検室13の圧力変化と略一致した状態で容積可変器70を固定し、ひいては閉鎖空間36の容積を固定する。そして、調節用検査対象10Xを取り外し、漏れ検査すべき検査対象10に対する本検査に移行する。
(2−1)設置工程
図1に示すように、検査対象10を設置台4に設置する。検査対象10の初期温度は、例えば周辺の環境温度より高温になっている。勿論、検査対象10の初期温度が環境温度と同じでもよく、環境温度より低くてもよい。検査対象10の内部11に感温部材60を収容する。被検室13に第1通路31を接続し、感温室61に第2通路32を接続する。
排気用開閉弁V34を閉じ、開閉弁V30,V31,V32を開ける。そして、圧縮エア源2から差圧検出路3に数百kPaの圧縮エア(加圧気体)を導入する。圧縮エアは、第1通路31を経て、被検室13に導入されるとともに、第2通路32を経て、感温室61に導入される。
次に、共通開閉弁V30を閉じる。続いて、第1、第2開閉弁V31、V32を閉じる。これにより、第1通路31と第2通路32が互いに遮断され、ひいては被検室13と感温室61が互いに遮断され、互いに独立した2つの閉鎖空間35,36が形成される。
次に、差圧センサ33にて、閉鎖空間35,36の差圧、ひいては被検室13と感温室61の差圧を検出する。この検出差圧に基づいて、漏れ判定を行なう。すなわち、検出差圧が所定値以内であれば、検査対象10からのエア漏れが無く、検査対象10を良品と判定する。検出差圧が所定値を上回っているときは、検査対象10からエア漏れが有り、検査対象10を不良品と判定する。
感温部材60の体積の分だけ検査対象10の被検室13の容積を内部空間11の容積より小さくできる。したがって、被検室13からの漏れ流量に対する該被検室14の圧力変化の度合いを大きくでき、漏れ感度を高めることができる。
図3に示すように、本発明の第2実施形態では、容積変更器70が、第2通路32ではなく、第1通路31に接続されている。温度補償のための圧力変化調節工程では、容積変更器70を操作することによって、第1閉鎖空間35の容積を増減でき、これにより、被検室13の温度変化に対する該被検室13の圧力変化の度合いを調節できる。
このようにして、閉鎖空間35の容積を変更することにより、被検室13の温度変化に対する被検室13と感温室61の圧力変化の度合いを互いに略同じになるように調節することができる。
例えば、図2に例示するように、感温室61の圧力の経時変化の勾配が、被検室13の圧力の経時変化の曲線の勾配より小さい場合、フィン62X,63Xの数を増やす。これにより、感温部材61の吸放熱能ひいては伝熱能力が大きくなり、被検室13の温度変化に応じて感温室61の温度がより敏感に変化し、ひいては感温室61の圧力変化が大きくなる。図2の例示とは反対に、感温室61の圧力の経時変化の勾配が、被検室13の圧力の経時変化の勾配より大きい場合、フィン62X,63Xの数を減らす。これにより、感温部材61の吸放熱能ひいては伝熱能力が小さくなり、被検室13の温度変化に応じた感温室61の温度変化が鈍くなり、ひいては感温室61の圧力変化が小さくなる。このようにして、被検室13の温度変化に対する被検室13と感温室61の圧力変化の度合いを互いに略同じになるように調節することができる。
なお、外部フィン62Xを増減すると、該フィン62Xの体積の分だけ被検室13の容積が変化する。したがって、被検室13の圧力変化の度合いが変化する。また、内部フィン63Xの増減によって感温室61の容積が変動し、感温室61の圧力変化の度合いが変化する。そこで、フィン62X,63Xの数を調節する際は、それによる室13,61の容積変化をも考慮する。
例えば、感温部材60は、検査対象10の内部空間11の内面との間に被検室13を形成するように配置されればよく、検査対象10の内部空間11に収容されるのに限られず、検査対象10の外面に宛がわれ、該外面への内部空間11の開口を塞ぐように配置されるようになっていてもよい。
リークテスト装置1の検査対象10の種類が単一の場合、当該単一の検査対象10に合わせて、被検室13の温度変化に対する被検室13と感温室61の圧力変化の度合いが互いに略同じになるように感温室61や差圧検出路30の容積、感温部材60の伝熱能力等を設計し、調節手段を省いてもよい。
温度補償のための圧力変化調節工程において、第3実施形態の変形例として、感温部材本体69の材質、形状、厚さ等を変えることで、感温部材60の伝熱能を増減させることにしてもよい。
例えば、リークテスト装置1が、容積可変器70と着脱式フィン62X,63Xの両方を備えていてもよく、容積可変器70による閉鎖空間35,36の容積調節とフィン62X,63Xの数量調節を組み合わせて、被検室13と感温室61の圧力変化調節を行なうことにしてもよい。
10 検査対象
10X 温度補償操作用検査対象
11 内部空間
13 被検室
2 圧縮エア源(加圧気体供給源)
3 差圧検出路
30 共通路
31 第1通路
31a 第1センサ接続路
32 第2通路
32a 第2センサ接続路
33 差圧センサ
33a 第1室
33b 第2室
34 排気路
35 第1閉鎖空間
36 第2閉鎖空間
60 感温部材
61 感温室
62 フィン
62X 着脱式フィン(調節手段)
63 フィン
63X 着脱式フィン(調節手段)
69 感温部材本体
70 容積可変器(調節手段)
71 シリンダ
72 ピストン
73 容積調節室
74 容積可変器接続路
R30 レギュレータ
V30 共通開閉弁
V31 第1開閉弁
V32 第2開閉弁
V34 排気用開閉弁
Claims (9)
- 内部空間を有する検査対象からの漏れを判定するリークテスト装置において、
(イ) 内部に感温室を有し、外面が前記内部空間の内面との間に被検室を形成するよう配置され、前記被検室の温度変化に対する前記感温室の圧力変化が前記被検室の圧力変化と略同じになるよう調節された良熱伝導材料からなる感温部材と、
(ロ) 前記被検室に連なる第1通路と、前記感温室に連なるとともに前記第1通路と連通・遮断可能な第2通路とを有する差圧検出路と、
(ハ) 前記第1通路と第2通路の間に設けられ、これら通路ひいては前記被検室と感温室の差圧を検出する差圧センサと、
を備え、前記第1通路と第2通路を連通させた状態でこれら通路を介して加圧気体を前記被検室と感温室にそれぞれ導入した後、前記第1通路と第2通路を遮断して前記差圧センサの検出差圧に基づいて前記漏れ判定を行なうことを特徴とするリークテスト装置。 - 前記被検室の温度変化に対する被検室又は感温室の圧力変化を調節する調節手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のリークテスト装置。
- 前記調節手段が、前記被検室と前記第1通路を含む第1の閉鎖空間及び前記感温室と前記第2通路を含む第2の閉鎖空間のうち少なくとも一方の閉鎖空間の容積を増減させる容積変更器を含むことを特徴とする請求項2に記載のリークテスト装置。
- 前記調節手段が、前記感温部材に取り外し可能に設けられたフィンを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のリークテスト装置。
- 内部空間を有する検査対象からの漏れを判定するリークテスト方法において、
内部に感温室を有する良熱伝導性の感温部材を、前記内部空間の内面との間に被検室を形成するように配置し、かつ前記被検室の温度変化に対する被検室及び感温室の圧力変化が互いに略同じになるよう調節しておき、
前記被検室と感温室を互いに連通させた状態でこれら室に加圧気体をそれぞれ導入した後、これら室を互いに遮断し、
差圧センサによって前記被検室と感温室の差圧を検出し、この検出差圧に基づいて前記漏れ判定を行なうことを特徴とするリークテスト方法。 - 漏れが無い検査対象と前記感温部材とにより形成された被検室と感温室を互いに連通させた状態でこれら室に加圧気体をそれぞれ導入した後、これら室を互いに遮断して各室の圧力変化を測定し、この測定結果に基づいて前記圧力変化調節を行うことを特徴とする請求項5に記載のリークテスト方法。
- 前記被検室を含む第1閉鎖空間の容積と前記感温室を含む第2閉鎖空間の容積のうち少なくとも一方を増減させることにより、前記圧力変化調節を行なうことを特徴とする請求項5又は6に記載のリークテスト方法。
- 前記感温部材の伝熱能力の増減により前記圧力変化調節を行うことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のリークテスト方法。
- 前記感温部材の外面又は前記感温室の内面にフィンを取り外し可能に設け、このフィンの着脱又は取り替えによって前記伝熱能力の増減を行なうことを特徴とする請求項8に記載のリークテスト方法。
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