JP2010265419A - 水処理用担体に用いられるポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性ポリマーのコーティング(付着)性をより高めた水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームの提供を目的とする。
【解決手段】ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒を含むフォーム原料を用いて製造されたポリウレタンフォームにおいて、前記ポリオールは、2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの両方を含み、前記ポリオールに含まれる前記ポリアルキレンオキサイドポリオールにおけるポリアルキレンオキサイド部は、エチレンオキサイドに由来する単位を40〜85モル%含むものとした。
【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性ポリマーの付着率が高く、微生物の付着性能を高くすることができる水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームに関する。
従来、排水等に対する水処理には、微生物による働きで溶存有機物を分解させる方法が多用されている。微生物を用いる水処理においては、水処理用担体を、浄化槽等に設けられた曝気槽(エアレーションタンク)等へ投入し、水処理用担体に付着した微生物による働きで排水中の溶存有機物を分解させている。
水処理用担体としては樹脂発泡体が多用されている。樹脂発泡体は、表面積が大きく、表面に付着した微生物による水処理を高めることが可能なため、好んで使用されている。樹脂発泡体からなる水処理用担体は、樹脂発泡体の表面に微生物を付着させるための期間が、処理用水に投入された後に数日から数週間必要であった。従って、水処理用担体を処理用の水に投入しても立ち上げ期間が必要なため、迅速に水処理を開始することができなかった。
前記水処理開始前の立ち上げ期間を短縮させるには、微生物が短時間で水処理用担体の表面に付着できるようにする必要がある。従来、水処理用担体への微生物の付着性を高める方法として、水処理用担体の表面を水溶性ポリマーでコーティングすることが知られている。微生物の表面は、通常マイナス荷電を持つため、微生物の付着性を高めるには、担体表面をカチオン化する必要がある。水溶性ポリマーは、カチオン性の高いアミノ基を持つことから、担体の表面を水溶性ポリマーでコーティングすることにより、担体の表面をカチオン化して微生物の付着性を高めることができる。また、担体表面への微生物の付着性をさらに高めるには、担体表面に水溶性ポリマーを効率よくコーティング(付着)できるようにする必要がある。
特開2001−128674号公報 特開2004−250593号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、水溶性ポリマーのコーティング(付着)性をより高めた水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームの提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒を含むフォーム原料を用いて製造されたポリウレタンフォームにおいて、前記ポリオールは、2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの両方を含み、前記ポリオールに含まれる前記ポリアルキレンオキサイドポリオールにおけるポリアルキレンオキサイド部は、エチレンオキサイドに由来する単位を40〜85モル%含むことを特徴とする水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームに係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記フォーム原料中の前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの合計含有量が、前記ポリオールを100質量%とした場合に、15〜100質量%であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2における前記ポリウレタンフォームに水溶性ポリマーであるアルキレンイミンポリマーを付着させたことを特徴とする。
本発明によれば、フォーム原料のポリオールに2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの両方を含み、前記ポリオールに含まれるポリアルキレンオキサイドポリオールのポリアルキレンオキサイド部が、エチレンオキサイドに由来する単位(エチレンオキサイド率、EO率)を40〜85モル%含むため、前記フォーム原料を用いて製造されたポリウレタンフォームは、エチレンオキサイド率(EO率)の高いポリオールによって得られる高い親水性と、2官能及び3官能からなる高エチレンオキサイド率(EO率)のポリオールによって得られる高い水膨潤率を有するものとなる。そのため、本発明の水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームは、高い親水性によって水溶性ポリマーとの相溶性が高くなり、かつ膨潤によってポリウレタンフォームの直鎖と水溶性ポリマーとの絡み合いが容易になり(アンカー効果が大になり)、ポリウレタンフォーム表面に対する水溶性ポリマーのコーティング性(付着性)が高まる効果が得られる。従って、本発明の水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームは、水溶性ポリマーがコーティングされた場合、高付着率でコーティングされている水溶性ポリマーによって微生物が担体表面に短時間で付着するようになるため、処理用水への投入後に必要となる水処理開始前の立ち上げ期間を短縮させることができる。
以下、本発明の水処理用単体に用いられるウレタンフォームについて説明する。本発明の水処理用担体に用いられるウレタンフォームは、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒を含むフォーム原料を用いて製造されたもの、あるいはさらにポリウレタンフォームに水溶性ポリマーであるアルキレンイミンポリマーを付着させたものである。
本発明において用いられるポリオールは、ヒドロキシル基の数が2である2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと、ヒドロキシル基の数が3である3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの両方を含み、ポリオールに含まれる前記ポリアルキレンオキサイドポリオールのポリアルキレンオキサイド部が、エチレンオキサイドに由来する単位(エチレンオキサイド単位)を40〜85モル%含むものである。本発明のポリウレタンフォームは、前記構成のポリオールを用いることによって高い親水性と高い水膨潤率が得られ、高い親水性によって水溶性ポリマーとの相溶性が高くなり、かつ膨潤によってポリウレタンフォームの直鎖と水溶性ポリマーとの絡み合いが容易になり、ポリウレタンフォーム表面に対する水溶性ポリマーのコーティング性(付着性)が高まる。
前記ポリアルキレンオキサイドポリオールのポリアルキレンオキサイド部におけるエチレンオキサイドに由来する単位を40モル%未満にすると、親水性に劣るようになってポリウレタンフォームは水溶性ポリマーとの相溶性が低下すると共に、ポリウレタンフォームを水処理用担体として使用した場合に水中へ沈降するまでの時間が長くなり、効率良く水処理を行うことができなくなる。一方、前記エチレンオキサイドに由来する単位を85モル%より多くすると、フォーム原料においてポリオールの粘度が高くなり過ぎてポリウレタンフォームの製造時に発泡バランスが崩れて良好なフォームが得られなくなる。
前記フォーム原料中の2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの合計含有量は、ポリオールを100質量%とした場合に15〜100質量%が好ましい。2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの合計含有量がポリオール100質量%中に15質量%未満の場合には、得られるポリウレタンフォームの親水性が劣るようになる。また、前記ポリオールにおける2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの割合は、2官能のポリアルキレンオキサイドポリオール:3官能のポリアルキレンオキサイドポリオール=10質量%:90質量%〜90質量%:10質量%の範囲である。2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールを単独で使用した場合、発泡体を成形できない。一方、3官能のポリアルキレンオキサイドポリオール単独の場合、発泡体が水に膨潤しにくくなるので、水溶性ポリマーのコーティング性(付着性)向上効果が十分に得られなくなる。
前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールは、多価アルコール、多価フェノール及びアミン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド(1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド)のうちの少なくともエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドを付加(ブロック及び/又はランダム付加)して得られた化合物等が用いられる。前記2官能、3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールにおけるエチレンオキサイド単位以外の構成単位は、好ましくはプロピレンオキサイドに由来する単位である。前記フォーム原料に含まれる前記2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールは、1種類の単独でもよく、また2種類以上の併用であってもよい。
前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの製造に用いられる前記多価アルコール、多価フェノール、アミン化合物について以下に説明する。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール等の脂肪族ジオールや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のシクロアルキレングリコール等の脂環式ジオール等からなる炭素数2〜20の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール等のアルカントリオール等の脂肪族トリオール等からなる炭素数3〜20の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等のアルカンポリオール等の脂肪族ポリオール等からなる炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の多価アルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記多価フェノールとしては、ピロガノール、ハイドロキノン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノール及びホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記アミン化合物としては、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等からなる炭素数2〜20のモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノール−2−ヒドロキシブチルアミン、イソプロノール−2−ヒドロキシブチルアミン、トリエタノールアミン等からなる炭素数2〜20のポリアルカノールアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン等からなる炭素数1〜20のモノアミン化合物、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等からなる炭素数2〜6のジアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等からなる炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン等の脂肪族アミン化合物;アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン等からなる炭素数6〜20の芳香族アミン化合物;イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン等からなる炭素数4〜20の脂環式アミン化合物;ピペラジン、アミノエチルピペラジン等からなる炭素数4〜20の複素環式アミン化合物等が挙げられる。
前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの水酸基価は、ポリウレタンフォームが水処理用担体に好適な3次元構造及び架橋密度となるように、10〜100mgKOH/gが好ましく、特には20〜80mgKOH/gがより好ましい。この水酸基価が小さすぎると、ポリウレタンフォームの架橋密度が低くなって物理的強度が不足し、ポリウレタンフォームを水処理用担体に使用した場合に耐久性に劣ることがある。一方、水酸基価が大きすぎると、ポリウレタンフォームの架橋密度が高くなってウレタン結合の凝集により親水性に劣ることがある。
前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの重量平均分子量は、ポリウレタンフォームが水処理用担体に好適な3次元構造及び架橋密度となるように、通常、1,000〜10,000が好ましく、特には2,000〜7,000がより好ましい。この重量平均分子量が小さすぎると、ポリウレタンフォームの架橋密度が高くなってウレタン結合の凝集により親水性に劣ることがある。一方、この重量平均分子量が大きすぎると、ポリウレタンフォームの架橋密度が低くなって物理的強度が不足し、ポリウレタンフォームを水処理用担体に使用した場合に耐久性に劣ることがある。
前記2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールや3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと共に使用可能な他のポリオールとしては、ポリウレタンフォーム用のポリオール、例えば、ヒマシ油等の天然油脂系ポリオール、前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオール以外のポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリジエンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ポリマーポリオール、ウレタン基及び/又はウレア基が懸濁されたポリオール(PIPA)等が挙げられ、官能基数も限定されない。
本発明において用いられるポリイソシアネートは、イソシアネート基を2以上有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、ポリウレタンフォーム用に用いられるものが使用可能であり、1種類の単独でも2種類以上の併用であってもよい。前記ポリイソシアネートとして、芳香族系、脂肪族系、脂環族系のイソシアネート化合物、及びこれらの変性物を挙げることができる。
芳香族系イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソジアネート(TMXDI)、トリジンイソシアネート(TODI)等が挙げられる。脂肪族系イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。脂環族系イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(HXDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。変性イソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。これらのポリイソシアネートの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)は好ましいものである。
前記フォーム原料におけるポリイソシアネートの含有量は、イソシアネートインデックスが105〜125となるように調整され、より好ましくはイソシアネートインデックスが108〜120となるように調整される。イソシアネートインデックスが低すぎると、フォーム原料中におけるポリオール等の一部が未反応成分としてポリウレタンフォーム中に残り、水処理用担体としてポリウレタンフォームを用いた際に残存未反応成分がCODを高める要因となるため、水処理用単体として好ましくない。一方、イソシアネートインデックスが高すぎると、得られるポリウレタンフォームは、硬くなって脆くなることから、水処理用担体して耐久性に劣るものとなる。
本発明において用いられる発泡剤としては、水、炭化水素、ハロゲン系化合物等を挙げることができ、これらの中から1種類でもよく、又2種類以上でもよい。前記炭化水素としては、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等を挙げることができる。また、前記ハロゲン系化合物としては、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも発泡剤として水が特に好適である。水は、イオン交換水、水道水、蒸留水等の何れでもよい。前記フォーム原料中における発泡剤の含有量は、前記ポリオールを100質量部とした場合、1〜8質量部が好ましく、より好ましくは1.5〜5質量部である。発泡剤の含有量が前記範囲にあることにより、得られるポリウレタンフォームが水処理用担体として好適なセル径、空隙率となり、微生物が繁殖し易くなり、しかも物理的強度に優れ、水処理用担体としの耐久性が良好なものとなる。
本発明において用いられる整泡剤としては、ジメチルシロキサン系化合物、ポリエーテルジメチルシロキサン系化合物、フェニルメチルシロキサン系化合物等が挙げられる。また、前記整泡剤は、反応型整泡剤、非反応型整泡剤の何れか一方を用いてもよく、あるいは両方を用いてもよい。前記反応型整泡剤は、フォーム原料におけるポリオール及びポリイソシアネートの何れか一方あるいは両方に対して反応性を有する整泡剤であり、何れの反応型整泡剤を用いてもよい。前記反応型整泡剤としては、−OH基、−NH基、−NH基、−SH基、−COOH基、−OCH基等を有する化合物を用いることができる。具体例として、ポリジメチルシロキサンのメチル基をエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等により変性させて、ポリエーテル変性シリコーン化合物とし、さらにポリエーテル鎖の末端を−OH基で置換することにより得られた化合物(ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン・ポリアルキレンエーテルブロック共重合体)等を挙げることができる。前記フォーム原料に含まれる整泡剤は、反応型整泡剤を含むのが好ましい。反応型整泡剤を用いることにより、ポリウレタンフォームが水と接触した後に処理水のCOD増加を抑えることができる。整泡剤中における反応型整泡剤の含有量は60質量%以上が好ましく、より好ましくは70〜100質量%である。また、前記フォーム原料中における整泡剤の含有量は、前記ポリオールを100質量部とした場合に0.3〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜2質量部である。整泡剤の含有量が前記範囲にあることにより、得られるポリウレタンフォームが水処理用担体として好適なセル径、空隙率となり、微生物が繁殖し易くなる。
本発明において用いられる触媒としては、ポリウレタンフォーム用として用いられるアミン系触媒、金属触媒(有機金属化合物系触媒)が単独又は併用される。
アミン系触媒としては、モノアミン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、ポリアミン化合物、環状アミン化合物、アルコールアミン化合物、エーテルアミン化合物等が挙げられ、これらの1種類でもよく、2種類以上併用してもよい。
また、前記アミン系触媒は、ポリイソシアネートに対して反応性を有する化合物、あるいは反応性の無い化合物の何れでもよく、これらを併用してもよいが、反応性を有する化合物を含むことが好ましい。反応性アミン系触媒を用いることにより、ポリウレタンフォームが水と接触した後に処理水のCOD増加を抑えることができる。アミン系触媒中における反応性アミン系触媒の含有割合は60質量%以上が好ましく、より好ましくは70〜100質量%である。前記反応性アミン系触媒として、−OH基及び/又は−NH基を有する化合物を用いることができる。−OH基を有する反応性アミン系触媒としては、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。−NH基を有する反応性アミン系触媒としては、N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。一方、反応性の無いアミン系触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
前記金属触媒としては、有機錫化合物、有機ビスマス化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等を挙げることができ、これらの1種類でもよく、あるいは2種類以上用いてもよい。
有機錫化合物としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート等が挙げられる。
有機ビスマス化合物としては、酢酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ジブチルビスマスジアセテート、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等が挙げられる。
有機鉛化合物としては、酢酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛、ジブチル鉛ジアセテート、ジブチル鉛ジラウレート、ジオクチル鉛ジラウレート等が挙げられる。
有機亜鉛化合物としては、ナフテン酸亜鉛、デカン酸亜鉛、4−シクロヘキシル酪酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソ酪酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸亜鉛、亜鉛(II)ビス−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート等が挙げられる。
前記フォーム原料中における触媒の含有量は、触媒の種類によって異なる。アミン系触媒を単独で用いる場合は、前記ポリオールを100質量部とした場合に0.2〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜2質量部である。一方、アミン系触媒と金属触媒を併用する場合、合計触媒量は、前記ポリオールを100質量部とした場合に0.2〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.4〜5質量部である。触媒が前記範囲にあることにより、ポリウレタンフォーム製造時に適度な硬化時間となって、量産性に優れると共に、ポリウレタンフォームが水処理用担体として好適なセル径、空隙率となり、微生物が繁殖し易くなり、しかも物理的強度に優れ、水処理用担体としの耐久性が良好なものとなる。さらに、アミン系触媒と金属触媒を併用する場合には、金属触媒を100質量部とした場合にアミン系触媒を100〜1,000質量部とするのが好ましく、より好ましくは200〜700質量部である。この範囲でアミン系触媒と金属触媒を併用すると、前記効果をさらに高めることができる。
前記フォーム原料には、その他、架橋剤、鎖延長剤、破泡剤、消泡剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、難燃剤、安定剤、着色剤等を含有させてもよい。
本発明の水処理用担体に用いられるポリウレタンフォームは、前記フォーム原料を攪拌混合して反応させる公知の発泡方法によって製造することができる。また、発泡方法には、ポリオールとポリオールを直接反応させるワンショット法と、ポリオールの一部とポリイソシアネートを予め反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを形成し、このプレポリマーに更にポリオールを反応させるプレポリマー法とがあり、何れの発泡方法によってもよい。さらに、成形方法には、スラブ発泡とモールド発泡とがあり、何れの成形方法でもよいが、好ましくはスラブ発泡である。スラブ発泡は、混合したフォーム原料をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法であり、一方、モールド発泡は、混合したフォーム原料をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。
前記フォーム原料から製造されたポリウレタンフォームは、連続気泡を有する。ポリウレタンフォームの密度は、限定されないが、30〜80kg/mが好ましく、より好ましくは40〜60kg/mである。ポリウレタンフォームは、密度が前記範囲にあると、取り扱いが容易であると共に、物理的強度に優れ、水処理用担体としの耐久性が良好なものとなる。さらに、本発明のポリウレタンフォームは、除膜処理によって、セル膜を除去して三次元網目状骨格構造としてもよい。三次元網目状骨格構造とすることにより、ポリウレタンフォーム内へ処理水がより侵入し易くなり、排水の処理効果をより高めることができる。
本発明のポリウレタンフォームは、表面に水溶性ポリマーがコーティングされた後に水処理用担体として使用される。また、本発明のポリウレタンフォームは、水溶性ポリマーのコーティング前あるいは後に、切削等により、水処理用担体として適当な寸法、例えば10mm×10mm×10mmにされて用いられる。
水溶性ポリマーとしては、カチオン性を有する公知のもの、例えばアミノ基を有する化合物が用いられる。アミノ基を有する水溶性ポリマーとして、アルキレンイミンポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアミノ酸等を挙げることができる。アルキレンイミンポリマーとしては、例えばポリエチレンイミンを挙げることができる。水溶性ポリマーのコーティング方法は、撹拌装置等に水溶性ポリマーと所定寸法にしたポリウレタンフォームを投入して撹拌させる方法、ニーダーを用いて行う方法等、特に限定されない。また、水溶性ポリマーをコーティングしたポリウレタンフォームは、乾燥装置に収容されて水溶性ポリマーの乾燥が行われることにより、水処理用担体とされる。
以下の原料から、表1に示す実施例及び比較例のフォーム原料を調製した。なお、表1の各原料における実施例及び比較例の欄の数字は質量部を表す。
・ポリオールA
アルキレンオキサイド付加ポリエーテルポリオール(商品名「PR3005」、ADEKA社製)、官能基数2、EO率(ポリアルキレンオキサイド部を構成する全単位を100モル%とした場合の含有率、以下同様)は50モル%(残部はプロピレンオキサイド単位)であり、水酸基価は37mgKOH/g、重量平均分子量は3,000である。
・ポリオールB
アルキレンオキサイド付加ポリエーテルポリオール(商品名「PR5007」、ADEKA社製)、官能基数2、EO率は70モル%(残部はプロピレンオキサイド単位)であり、水酸基価は22mgKOH/g、重量平均分子量は5,000である。
・ポリオールC
アルキレンオキサイド付加ポリエーテルポリオール(商品名「FA103」、三洋化成工業社製)、官能基数3、EO率は80モル%(残部はプロピレンオキサイド単位)であり、水酸基価は51mgKOH/g、重量平均分子量は3,300である。
・ポリオールD
アルキレンオキサイド付加ポリエーテルポリオール(商品名「GP3050」、三洋化成工業社製)、官能基数3、EO率は10モル%(残部はプロピレンオキサイド単位)であり、水酸基価は56mgKOH/g、重量平均分子量は3,000である。
・発泡剤

・触媒A
金属触媒、スタナスオクトエート(商品名「MRH−110」、城北化学工業社製)。
・触媒B
反応性のヒドロキシル基を分子内に有するアミン系触媒(商品名「カオーライザー25」、花王社製)。
・整泡剤
反応性のヒドロキシル基を分子内に有する変性シリコーンオイル(商品名「SH193」、東レ・ダウコーニング社製)。
・ポリイソシアネート
2,4−TDI:2,6−TDI=80:20のトリレンジイソシアネート(商品名「コロネートT−80」、日本ポリウレタン社製)。
Figure 2010265419
前記フォーム原料を用い、ワンショットのフリーライズ法(大気圧下の自由発泡)により実施例及び比較例のポリウレタンフォームを製造した。このようにして得られたポリウレタンフォームに対して、密度(kg/m)浸漬時間(分)、膨潤率(%)、水溶性ポリマー付着率(wt%)を測定した。なお、比較例1は、ポリオールに2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールのみを用いた例、比較例2は、ポリオールに3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールのみを用いた例、比較例3は、3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールとして、ポリアルキレンオキサイド部のエチレンオキサイドに由来する単位が20モル%のものを用いた例である。
密度(kg/m)はJIS K 7222にしたがって見掛け密度を測定した。浸漬時間(分)は、ポリウレタンフォームの表面に水を1cc垂らし、水滴がポリウレタンフォーム内にしみ込むまでの時間(分)を測定した。膨潤率(%)は、ポリウレタンフォームから100×50×10mmの試験体を裁断し、この試験体を25℃の水に浮かべ、30分後に取り出して体積を測定し、膨潤率=((試験後の体積−試験前の体積)/試験前の体積))×100の式によって算出した。
水溶性ポリマー付着率(wt%)は、水700gと水溶性ポリマー300gからなる混合溶液中に、10gのポリウレタンフォームを投入し、プロペラミキサーにより600rpmの回転速度で、5時間室温で攪拌した後、ポリウレタンフォームを水中から取り出して手で水をポリウレタンフォームから絞り出し、次に乾燥炉に収容して80℃×10時間乾燥した後、ポリウレタンフォームの重量を測定し、水溶性ポリマーの付着率(%)=((乾燥後のポリウレタンフォーム重量−試験前のポリウレタンフォーム重量10g)/試験前のポリウレタンフォーム重量10g)×100の式によって算出した。水溶性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン(商品名「エポミンP−1000」、日本触媒社製)、分子量70000、樹脂分30wt%、透明液体)を用いた。
測定結果を表1の下部に示す。なお、比較例1は、発泡状体が悪く、フォームが得られなかった。測定結果から明らかなように、実施例1〜4のポリウレタンフォームは、浸漬時間が1分未満〜5分であり、比較例2,3の浸漬時間20分、30分と比べて極めて短時間であり、親水性が高いことがわかる。また、実施例1〜4のポリウレタンフォームは、膨潤率が180〜230%であり、比較例2,3のポリウレタンフォームにおける膨潤率100%と比べて1.8〜2.3倍も高かった。さらに、実施例1〜4のポリウレタンフォームは、水溶性ポリマーの付着率が20〜25wt%であり、比較例2,3のポリウレタンフォームにおける水溶性ポリマーの付着率5〜8%と比べて数倍も高かった。
このように、実施例のポリウレタンフォームは高い親水性によって水溶性ポリマーとの相溶性が高く、かつ膨潤によってポリウレタンフォームの直鎖と水溶性ポリマーとの絡み合いが容易になる(アンカー効果が大になる)ことによって、ポリウレタンフォーム表面に対する水溶性ポリマーのコーティング性(付着性)が高まっていることがわかる。また、本発明のポリウレタンフォームに水溶性ポリマーをコーティングした水処理用担体は、水溶性ポリマーによって微生物の付着性能が高く、水処理性能が高いものである、

Claims (3)

  1. ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒を含むフォーム原料を用いて製造されたポリウレタンフォームにおいて、
    前記ポリオールは、2官能のポリアルキレンオキサイドポリオールと3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの両方を含み、
    前記ポリオールに含まれる前記ポリアルキレンオキサイドポリオールにおけるポリアルキレンオキサイド部は、エチレンオキサイドに由来する単位を40〜85モル%含むことを特徴とする水処理用担体に用いられるポリウレタンフォーム。
  2. 前記フォーム原料中の前記2官能及び3官能のポリアルキレンオキサイドポリオールの合計含有量が、前記ポリオールを100質量%とした場合に、15〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水処理用担体に用いられるポリウレタンフォーム。
  3. 前記ポリウレタンフォームに水溶性ポリマーであるアルキレンイミンポリマーを付着させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理用担体に用いられるポリウレタンフォーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105367737A (zh) * 2015-12-14 2016-03-02 青岛水务集团有限公司科技中心 多壁碳纳米管改性的网状聚氨酯微生物载体的制备方法

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