JP2010264757A - 積層体および包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】より少ない層構成でバーコードの読取精度を向上させることができる積層体および包装材料を提供する。さらに従来の層構成に適用した場合であっても、バーコードの読取精度がより一層向上し、バーコード部のより一層の縮小化、低面積化が可能な積層体および包装材料を提供する。
【解決手段】積層体は、アルミニウム箔1の少なくとも一部に着色剤を含有したバーコード部5を備え、バーコード部5を覆うように位置するオーバーコート層7を備え、オーバーコート層が、マトリックス樹脂7aと、該マトリックス樹脂の中に分散した、ガラスビーズ、酸化アルミニウムビーズおよび金属ビーズのうちの1種以上のビーズ7bを含み、そのビーズ7bの平均粒子径が0.1μm〜30μmであることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】積層体は、アルミニウム箔1の少なくとも一部に着色剤を含有したバーコード部5を備え、バーコード部5を覆うように位置するオーバーコート層7を備え、オーバーコート層が、マトリックス樹脂7aと、該マトリックス樹脂の中に分散した、ガラスビーズ、酸化アルミニウムビーズおよび金属ビーズのうちの1種以上のビーズ7bを含み、そのビーズ7bの平均粒子径が0.1μm〜30μmであることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、バーコードの読取精度に優れる積層体および包装材料に関する。
従来、数多くの物品にバーコードが印刷され、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジ(精算場所)で、代金計算、在庫調整のために利用されている。バーコードは消費者にとっては意味のない無味乾燥なデザインであり、商品のメーカー側にとっても広告や宣伝のためのスペースを犠牲にしなければならず、バーコードの印刷面積の縮小化が望まれている。また、使用期限管理、誤飲誤用防止、在庫管理の目的から、カプセルや錠剤等の医薬品にも個包装あるいは服用単位ないし調剤包装単位等でバーコードを印刷することが要求されている。これらの要求に鑑み本発明者等は先にバーコードの読取精度に優れる包装用シートを開発した(特許文献1)。この包装用シートの発明によるとアルミニウム箔とバーコード部との間に白着色層を介在させることで、バーコードの読取精度が向上することを提案し、さらにアルミニウム箔と白着色層との間に透明ないし半透明の下地層を介在させることにより、バーコードの読取精度がより向上することを提案している。
ところが、上記従来技術では、バーコードの読取精度が向上するものの、アルミニウム箔とバーコード部との間に白着色層を介在させる必要があり、包装用シートの色調が白色に限定され、様々な着色を要求してくる顧客の要請に応じることができない。また、さらにアルミニウム箔と白着色層との間に透明ないし半透明の下地層を介在させる構成では、包装用シートの総厚みが大きくなり、また熱接着時間が長くなり、接着不良の要因になる虞がある。また、この構成では材料構成が複雑になり、コストアップになる。
本発明は、従来技術の問題点に鑑み、より少ない層構成でバーコードの読取精度を向上させることができる積層体および包装材料を提供することを目的とする。さらに従来の層構成に適用した場合であっても、バーコードの読取精度がより一層向上し、バーコード部のより一層の縮小化が可能な積層体および包装材料を提供することを目的とする。
本発明の積層体は、金属薄膜層を含む基材層の少なくとも一部に着色剤を含有したバーコード印刷層を備える。この積層体は、バーコード印刷層を覆うように位置するオーバーコート層を備え、オーバーコート層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂の中に分散した、ガラスビーズ、酸化アルミニウムビーズおよび金属ビーズのうちの1種以上のビーズを含み、そのビーズの平均粒子径が0.1μm〜30μmであることを特徴とする。この構成によれば、次の作用効果を得ることができる。
1.従来技術より少ない層構成(例えば、熱接着層/アルミニウム箔/バーコード印刷層/ビーズ含有オーバーコート層)でありながら、バーコードの読取精度を向上させることができる。
2.従来技術の層構成(例えば、熱接着層/アルミニウム箔/白着色層/バーコード印刷層/ビーズ含有オーバーコート層)に適用した場合であっても、バーコードの読取精度をより向上させることができ、バーコード印刷部の縮小化が可能となる。
3.従来構成では白着色層が必須構成であったが、本発明では必須でなくなったため、本発明の効果を損なわない範囲(バーコードの読み取り可能な範囲内で)で、従来と同様の色構成で積層体や包装材料を提供することができる。
4.本発明の効果を損なわない範囲(バーコードの読み取り可能な範囲内で)で、オーバーコート層に従来と同様の着色を施すことができる。
5.従来構成より工程を簡素化でき、工程短縮、コストダウンにつながる。
6.従来構成よりバーコードの読取精度が向上しているので、読取不良が低減できる。
また、ビーズの平均粒子径を0.1μm〜30μmとすることによって、プレススルーパックの蓋などに用いる場合、過大すぎてオーバーコート層から脱落したりせず、また過小すぎてバーコード読取精度の向上に効かない等の不都合を防止することができる。
1.従来技術より少ない層構成(例えば、熱接着層/アルミニウム箔/バーコード印刷層/ビーズ含有オーバーコート層)でありながら、バーコードの読取精度を向上させることができる。
2.従来技術の層構成(例えば、熱接着層/アルミニウム箔/白着色層/バーコード印刷層/ビーズ含有オーバーコート層)に適用した場合であっても、バーコードの読取精度をより向上させることができ、バーコード印刷部の縮小化が可能となる。
3.従来構成では白着色層が必須構成であったが、本発明では必須でなくなったため、本発明の効果を損なわない範囲(バーコードの読み取り可能な範囲内で)で、従来と同様の色構成で積層体や包装材料を提供することができる。
4.本発明の効果を損なわない範囲(バーコードの読み取り可能な範囲内で)で、オーバーコート層に従来と同様の着色を施すことができる。
5.従来構成より工程を簡素化でき、工程短縮、コストダウンにつながる。
6.従来構成よりバーコードの読取精度が向上しているので、読取不良が低減できる。
また、ビーズの平均粒子径を0.1μm〜30μmとすることによって、プレススルーパックの蓋などに用いる場合、過大すぎてオーバーコート層から脱落したりせず、また過小すぎてバーコード読取精度の向上に効かない等の不都合を防止することができる。
上記の基材層が金属薄膜層を含むことができる。これによって基材層の強度を向上させることができる。このとき、金属薄膜層が基材層そのもの(全体)を構成する場合、または、基材層が複合層でありそのなかの一つ以上の層が金属薄膜層である場合、がある。
上記の基材層が着色層を含むことができる。これによって、顧客の様々な要求、とくに着色の指定に応えることができる。なお、基材層が着色層を含むとは、基材層上に、たとえば白着色層のような着色層がもうけられている形態をいう。このとき、基材層は(基材層本体/着色層)となるが、基材層本体についても基材層といい、基材層本体の語は用いない。したがって、例えば、基材層の上に着色層を設ける、などと言う。
上記の基材層は熱接着層を含むことができる。これによって、薬剤用のポケットを含むプレススルーパックの蓋用積層体として該ポケットに隣接するフランジ部、その他のシートに簡便に熱接着することができる。このとき、基材層は(熱接着層/基材層本体)となるが、基材層本体についても基材層といい、基材層本体の語は用いない。したがって、例えば、基材層の裏面に熱接着層を設ける、などと言う。
上記の1種以上のビーズを、透明または半透明とすることができる。これによって、さらにバーコード部の読取精度を向上させることができる。
上記の1種以上のビーズが、オーバーコート層中に固形分基準で1重量%〜40重量%含有されていることができる。1種以上のビーズの含有量が1重量%未満では光を屈折・散乱させる効果が乏しくなり、バーコードの読取精度がやや劣る。他方、40重量%を超えるとビーズの分散性が悪くなる上、バーコード自体の鮮明性が阻害され、やはりバーコードの読取精度がやや劣る。
オーバーコート層は、さらに着色顔料を1種以上含むことができる。これによって、顧客の多様な要求、とくに上記着色層による効果に追加する要求の指定に応えることができる。
本発明の包装材料は、上記のいずれかの積層体を備えることを特徴とする。これによって、バーコードの読取精度に優れた包装材料を得ることができる。
本発明によれば、より少ない層構成でバーコードの読取精度を向上させることができる積層体および包装材料を得ることができる。さらに従来の層構成に適用した場合であっても、バーコードの読取精度がより一層向上し、バーコード部のより一層の縮小化、低面積化が可能となる。
本発明に用いる基材層は、紙、合成紙、樹脂フィルム、着色樹脂フィルム、金属薄膜から選ばれる単体、または2種以上の複合体を採用することができ、後述する種々の着色層や熱接着層等を積層して用いることもできる。基材層には金属薄膜層を含むのが好ましく、金属薄膜層としては、アルミニウム箔、銅箔、金箔、銀箔、アルミニウム蒸着層等を採用することができる。アルミニウム箔は公知のアルミニウム箔(アルミニウム合金箔も含む。以下同じ。)であれば特に制限されない。例えば、JIS等で規定される1N30、1070、1100、3003、8021、8079等の材質の厚み5〜200μm、好ましくは厚み12〜50μmのアルミニウム箔を使用することができ、その調質も軟質箔、硬質箔、半硬質箔のいずれでも用途や要求特性に応じて使い分けることができる。アルミニウム蒸着層の場合は、厚み200〜1000オングストローム程度のアルミニウム蒸着層を採用することができる。
本発明の基材層は、その上に設けるバーコードが読み取り可能である限り特に制限はなく、従来技術と同様に基材層であるアルミニウム箔に白着色層を積層したもの(図1参照)、アルミニウム箔に熱接着層を積層したもの(図2参照)、アルミニウム箔と白着色層との間に透明または半透明の下地層を介在させたもの、バーコード以外の印刷層やベタ着色層を積層したものなどが採用できる。図1は、白着色層3を含む積層体であり、裏面に熱接着層17が設けられた基材層(アルミニウム箔)1の上に白着色層3を備え、その上にバーコード印刷部5(バーコード印刷層ともいう)が形成され、そのバーコード印刷部5を覆うようにオーバーコート層7が設けられている。オーバーコート層7は、樹脂7aと、その樹脂中に分散した上述のビーズ7bとを含む。図2は、裏面に熱接着層17が配置された基材層(アルミニウム箔)1の上に、バーコード印刷部5が形成され、そのバーコード印刷部5を覆うように、樹脂7aと上述のビーズ7bとを含むオーバーコート層7が配置されている。なお、上記熱接着層を用途に応じて粘着層、感圧接着層、感熱接着層など公知の粘着・接着剤に代えることもできる。
基材層であるアルミニウム箔1に白接着層3を積層させる場合は、単位面積当たり固形分重量で1.0g/m2〜4.0g/m2程度が好ましい。また、白着色層3に用いる白色顔料は二酸化チタンが好ましく、白着色層3中に20重量%〜30重量%含有させるのが好ましい。しかしながら本発明ではこれに限定されることなく、本発明の効果を損なわない範囲(バーコードの読み取り可能な範囲で)で、他の顔料、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系、キノフタレン系、ペリレン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、酸化鉄、マイカ、それらのカラーチップ顔料等を併用したり、または単独のベタ着色層として積層したりすることもできる。また積層する位置もアルミニウム箔の片面あるいは両面であってもよい。白着色層やベタ着色層やバーコード以外の印刷層に用いる樹脂成分や溶剤は公知のものを使用することができ、例えば変性オレフィン樹脂、石油系炭化水素樹脂、ニトロセルロース、ブチラール等の樹脂成分と、トルエン等の芳香族系炭化水素、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール、変性アルコール等のアルコール系溶剤やこれらの混合溶剤を用いることができる。
印刷層や着色層の塗布方法は特に限定されず、グラビアロールコーター、オフセット印刷、フレキソ印刷、UV印刷、カーテンフローコーター等の方法により塗布(積層)することができる。
基材層(アルミニウム箔)1と着色層3との間に下地層を設ける場合は、下地層としてニトロセルロース系、アクリル系、エポキシ系、塩化ビニル系、ポリプロピレン系等の透明または半透明の樹脂を0.3〜0.5μm程度の厚さで設けることもできる。勿論、塗布(積層)する際は適当な溶剤を用いグラビアロールコーター等公知の方法を採用することができる。
基材層1に熱接着層17を設ける場合は、通常、アルミニウム箔のバーコード印刷層を設ける側と反対の面に公知の熱接着層17を設ければよい。例えば塩化ビニル系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル系共重合体等の熱接着層を公知の手法により、厚み1〜50μm程度あるいは乾燥後重量で1〜30g/m2程度で設けることができる。
基材層1の少なくとも一部には、所定のバーコード印刷層5(バーコード印刷部ともいう)を設ける。バーコード印刷層5は公知の印刷インキを用いて公知の方法により設けることができ、例えばカーボンブラック等を着色剤(顔料)として含有した印刷インキをグラビア印刷法、フレキソ印刷法等により印刷することができる。なお、バーコードが読み取り可能であれば、カーボンブラックによる黒印刷以外であっても構わない。バーコード印刷層5は、通常、乾燥後厚み0.5μm〜2.0μmで形成され、顔料の含有量は通常固形分基準でインキ層中10〜40重量%程度(好ましくは15〜40重量%)とするのがよい。当該印刷インキに含まれるバインダー樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロースなどを挙げることができる。バーコード印刷の図柄、大きさは顧客の要求に応じて適宜調整すればよいが、例えば、1次元バーコードでもよいし、2次元バーコードまたはマトリックス方式もしくはコンポジット方式のQRコードであってもよい。
本発明ではバーコード印刷層5を覆うようにオーバーコート層(オーバープリント(OP)層ともいう)7を設ける(本明細書において「覆う」とは、印刷層5の両面全体を被覆するのではなく、印刷層5の片面が露出しないようにオーバーコート層7をかぶせるという意味である)必要がある。当該オーバーコート層7には、ガラスビーズ、酸化アルミニウムビーズ、金属ビーズからなる群から選ばれる1種以上のビーズ(粒子)7bを含有させる。当該ビーズ7bは、透明または半透明の粒子から構成されるのが好ましい。
ガラスビーズを採用する場合は、公知の(市販の)ガラスビーズを採用することができる。
金属ビーズを採用する場合は、公知の金属ビーズを採用することができる。
金属ビーズを採用する場合は、公知の金属ビーズを採用することができる。
一方、オーバーコート層7を構成するマトリックス樹脂7aとしては、ニトロセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂等を好適に用いることができる。ビーズ7bを含有したオーバーコート層7のバーコード印刷層5上への付着量は乾燥後重量で1〜5g/m2程度が好ましい。なお、上記各ビーズ7bは市販のものを適宜選択して使用することができる。
ビーズ7bのオーバーコート層7中の含有量は固形分基準で通常1〜40重量%、好ましくは3〜25重量%とするのがよい。ビーズの含有量が1重量%未満では光を屈折・散乱させる効果が乏しくなり、バーコードの読取精度がやや劣る。他方、40重量%を超えるとビーズの分散性が悪くなる上、バーコード自体の鮮明性が阻害され、やはりバーコードの読取精度がやや劣る。
上記のビーズ7bの平均粒子径は、0.1〜30μm程度が好ましく、0.5〜20μm程度がさらに好ましく、特に3〜10μmがなおさらに好ましい。ビーズ7bの平均粒子径が0.1μm未満では印刷面の鮮明さが多少損なわれる虞があると考えられる。他方、30μmを超えるとオーバーコート層7のマトリックスからのはみ出し部分が多くなり脱落の可能性が大きくなるため避けた方が望ましい。なお、平均粒子径の測定は顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscopy)等)による観察を行い、ビーズが球状の場合はその直径を、またビーズが非球状の場合は最長径(観察視野またはその写真上で、個々のビーズを平行な2本の線分で挟み込んだときの最長距離)および最短径(観察視野またはその写真上で、個々のビーズを平行な2本の線分で挟み込んだときの最短距離)を求め、その算術平均値をそのビーズの平均直径とする。さらにビーズ20個程度の直径または平均直径を算術平均し、その値を平均粒子径とすればよい。なお、オーバーコート層には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の顔料、着色剤等を含有させることもできる。
本発明の積層体は、プレススルーパック(PTP)の蓋材や、粉薬・顆粒薬・貼付薬の分包袋、食品・飲料品の包装袋および包装箱、プリンやヨーグルト等の乳製品容器の蓋材、事務用品・機械部品・日用品・台所用品等の包装袋や包装箱等、公知の包装材料に適用でき、またラベル、封緘帯、トレー、値札、タグ、カード等にも好適に使用できる。
(実施例1−白着色層がある場合のオーバーコート層中の酸化アルミニウムビーズおよびガラスビーズの効果−)
次にオーバーコート層に含有させるビーズの種類の効果について検証した結果を説明する。本発明例では、アルミニウム箔(厚み:17μm、材質:8079硬質材)のツヤ面上に白着色層を形成し、その白着色層(マトリックス樹脂:ポリプロピレン、固形分基準で酸化チタン顔料21重量%含有:乾燥後厚み1.5μm)の上に、バーコードサイズ(公称0.254mm/モジュール(線の太さ最小0.2〜最大1.25mm、スペース
最小0.3〜最大0.8mm))のバーコード部(マトリックス樹脂:ニトロセルロース、固形分基準でカーボンブラック顔料16重量%含有:乾燥後厚み約1.5μm)をフレーム処理を施したグラビア版を用いてグラビア印刷により設けた。さらにガラスビーズ(透明の球状粒子:平均粒子径約6μm)、または、酸化アルミニウムビーズ(半透明の不定形粒子:平均粒子径約3μm)を含有したオーバーコート用ニスを用い、前記バーコード部を被覆するようにグラビア版を用いてオーバーコート層(マトリックス樹脂:ニトロセルロース、ビーズ含有量:固形分基準15重量%、塗布量:乾燥後重量で1.9g/m2前後)を設けた。本発明例H,Iでは、ビーズの材料を、酸化アルミニウムと、ガラスとに変えている。
これらの試験体について、上述のバーコード検証機により読み取り容易性の評価を行った。試験体の積層体の具体的な構造は以下のとおりである。
(本発明例H〜I):(ビーズ含有オーバーコート層/バーコード部/白着色層/アルミニウム箔)
また、比較例では、ビーズを含有しない他は本発明例と同様の層構成を有する積層体を作成した。
(比較例J):(オーバーコート層/バーコード部/白着色層/アルミニウム箔)
バーコードの読み取り易さを評価するためのバーコード検証機には、上記の評価装置を用いた。スキャン回数は10回とした。本発明例H〜I、比較例Jについて、上記評価装置によって、上述の評価項目についての結果、および総合評価結果を表1に示す。
次にオーバーコート層に含有させるビーズの種類の効果について検証した結果を説明する。本発明例では、アルミニウム箔(厚み:17μm、材質:8079硬質材)のツヤ面上に白着色層を形成し、その白着色層(マトリックス樹脂:ポリプロピレン、固形分基準で酸化チタン顔料21重量%含有:乾燥後厚み1.5μm)の上に、バーコードサイズ(公称0.254mm/モジュール(線の太さ最小0.2〜最大1.25mm、スペース
最小0.3〜最大0.8mm))のバーコード部(マトリックス樹脂:ニトロセルロース、固形分基準でカーボンブラック顔料16重量%含有:乾燥後厚み約1.5μm)をフレーム処理を施したグラビア版を用いてグラビア印刷により設けた。さらにガラスビーズ(透明の球状粒子:平均粒子径約6μm)、または、酸化アルミニウムビーズ(半透明の不定形粒子:平均粒子径約3μm)を含有したオーバーコート用ニスを用い、前記バーコード部を被覆するようにグラビア版を用いてオーバーコート層(マトリックス樹脂:ニトロセルロース、ビーズ含有量:固形分基準15重量%、塗布量:乾燥後重量で1.9g/m2前後)を設けた。本発明例H,Iでは、ビーズの材料を、酸化アルミニウムと、ガラスとに変えている。
これらの試験体について、上述のバーコード検証機により読み取り容易性の評価を行った。試験体の積層体の具体的な構造は以下のとおりである。
(本発明例H〜I):(ビーズ含有オーバーコート層/バーコード部/白着色層/アルミニウム箔)
また、比較例では、ビーズを含有しない他は本発明例と同様の層構成を有する積層体を作成した。
(比較例J):(オーバーコート層/バーコード部/白着色層/アルミニウム箔)
バーコードの読み取り易さを評価するためのバーコード検証機には、上記の評価装置を用いた。スキャン回数は10回とした。本発明例H〜I、比較例Jについて、上記評価装置によって、上述の評価項目についての結果、および総合評価結果を表1に示す。
表1によれば、比較例Jでは、SC値68、総合評価Bであるのに対し、本発明例H、Iでは、SC値71〜82、総合評価Aとなり、本発明に基づくバーコードの読み取り易さの向上は歴然としている。また、本発明例HとIとの間に明白な差はなく、酸化アルミニウムと、ガラスビーズとでは、読み取り易さの向上に対する寄与はほぼ同じと認められる。
本発明の積層体および包装材料は、小型化・高密度化されたバーコードを、市販のバーコードリーダーを用いて精度よく読み取ることができるので、この分野の品質管理等に貢献することが期待され、特に薬の取り違い防止、有効期限の管理、偽造防止等に役立つ。
1 アルミニウム箔、3 白着色層、5 バーコード部、7 オーバーコート層、7a 樹脂、7b ビーズ、17 熱接着層。
Claims (7)
- 金属薄膜層を含む基材層の少なくとも一部に着色剤を含有したバーコード印刷層を備える積層体であって、
前記バーコード印刷層を覆うように位置するオーバーコート層を備え、
前記オーバーコート層が、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂の中に分散した、ガラスビーズ、酸化アルミニウムビーズおよび金属ビーズのうちの1種以上のビーズとを含み、
前記ビーズの平均粒子径が0.1μm〜30μmであることを特徴とする、積層体。 - 前記基材層が着色層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
- 前記基材層が熱接着層を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記1種以上のビーズが、透明または半透明であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記1種以上のビーズが、前記オーバーコート層中に固形分基準で1重量%〜40重量%含有されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記オーバーコート層が、さらに着色顔料を1種以上含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体を備えることを特徴とする、包装材料。
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