JP2010264432A - 臭気不排出有機廃棄物処理装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】微生物を利用する発酵式生有機物処理方法は、加熱乾燥方式に比べ処理エネルギーが少ない、減量度合いが高く残量物回収のエネルギーが少ない等の長所を持ちながら、処理において臭気が発生し室内での使用が嫌がられる理由から、家庭用としては普及が進んでいない。
【解決手段】一般的に使われている脱臭装置に加え、装置の蓋を開くに先立ち装置内部を負圧にすることによって開口時臭気が漏れ出ないようにすることと、脱臭装置の前段階に水フィルターを設け脱臭装置の負担を軽減し最終排気臭気の低減を達成する。
【選択図】図2
【解決手段】一般的に使われている脱臭装置に加え、装置の蓋を開くに先立ち装置内部を負圧にすることによって開口時臭気が漏れ出ないようにすることと、脱臭装置の前段階に水フィルターを設け脱臭装置の負担を軽減し最終排気臭気の低減を達成する。
【選択図】図2
Description
生ゴミ処理装置などのような有機廃棄物処理装置において、その運転中に発生する臭気は脱臭装置を経由して装置外に排出されるが、完全には脱臭しきれていない。また有機廃棄物を装置に投入する際に装置の開閉蓋から漏れ出る臭気への対策はほとんど手つかずのままである。本発明は、これら運転中の臭気および開けた蓋からの臭気を処理装置外に不排出とする技術に関するものである。
レストランや給食などの業務では、毎日大量の生ゴミを中心とする有機物が発生し、処理業者にその都度引き取ってもらっている。家庭においても、生ゴミを分別し数日に一度は集積所に出し、自治体の収集車に回収を委ねている。日本での生ゴミ系有機物の総排出量は年間2,500万トン、家庭からだけでも年間1,000万トンを超えると言われている。そして回収されたこれらの有機物は、通常は埋め立て処分されるか焼却される。最近は新規な埋め立て地が激減しており、焼却の比重が高まっている。ここに膨大な回収と焼却のエネルギーが使われ、関連活動を含め大量の二酸化炭素を発生させている。この社会的大問題に対処するために、生ゴミに限らず農業・酪農・製造業における種々の不用有機物の発生原点において、有機廃棄物量を大幅に減量しようと企図するのが、業務用及び家庭用有機廃棄物処理装置である。
一般的な有機廃棄物処理方法は大別すると2種類ある。有機物を加熱し撹拌し減量する「加熱方式」と、有機物に微生物を混ぜ合わせ有機物を発酵させ分解させて減量する「発酵方式」とである。「加熱方式」は処理過程での臭気発生が少ないので屋内での使用が可能であるが、「発酵方式」に比べると加熱エネルギーを多く必要とする欠点がある。一方「発酵方式」は「加熱方式」に比し処理エネルギーが少なく、ほとんど消滅させるほど減量度合いも大でありより環境保全に叶うものの、処理過程で臭気が発生し、屋内での使用が困難である。
このように両方式とも欠点があり、社会的要請が高まっているにもかかわらず有機廃棄物処理装置の普及は進んでいない。特に家庭用に至っては「発酵方式」がむしろ減少気味である。本来ならより環境にとって負荷低減度合が大である方式にもかかわらず、である。これはひとえに発生する臭気が嫌われているからである。臭気を嫌って、屋外やベランダでの設置では使い勝手が極めて悪く、敬遠されてしまう。
有機物の発酵による処理では、水蒸気、炭酸ガス、臭気が発生する。現在は白金触媒やバナジュウム触媒などの高価な材料を用いて脱臭が行われている。これによりかなりの程度の脱臭がなされ、もしそれでも臭気が感じられるときには「強力脱臭」ボタンを押すよう促したりすることによって、ほとんど問題ないレベルが達成されている。しかしせまい台所ではごく僅かではあるが臭いが感じられ、気になる人は多い。だからと言って換気扇を長時間まわし続けることにも抵抗感がある。現状はもう一段の脱臭が望まれるところである。
空気からの混在物除去手段の一つとして水フィルターが知られている。他分野ではあるが、特許文献1;特開平8−322771号公報に、電気掃除機の水フィルターが、そしてより参考になるものとして、特許文献2;特開2000−333889号公報に、電気掃除機吸気室から送風機によって吸気したダスト混入空気を、排気室に設置した気泡発生装置によって微細な気泡にして水中に放出し、水面で水と空気を自然分離させることを特徴とした水フィルター式掃除機が開示されている。最近ではこの仕組みを炊飯器に応用し、発生水蒸気をトラップし室内に放出させない製品が販売されている。このように水フィルターは、ダストや水蒸気の簡便なフィルターとして一定の効能を有している。そして有機廃棄物処理技術分野においても、特許文献3;特開平7−108129号公報の「生ごみ処理機の消臭装置」に水フィルターが見られる。これは排気気体を水の中を通すことにより、排気中の水蒸気のみならず臭気をも水に吸収させる水フィルターであり、この水フィルターへの水供給手段や、水中に溶かしこんだ臭気物を分解する微生物も組み込んだ装置である。高価な触媒に比べ安価な手段を提供するものである。しかしながら現実には活用されていない。理由は恐らく一定の効能は有しているものの、製品として認められるほどの脱臭性能が出ないためではないかと考えられる。
別な方法として極力排気を減らす試みもなされている。特許文献4;特開2005−131476においては、有機廃棄物処理の発酵槽からの発生気体を循環させ、その途中において熱交換器で水分を凝縮させ乾燥した気流にして発酵槽へ戻す。気流の一部は、発酵槽の負圧化防止や処理物発酵のための酸素補給を目的に、処理装置外へ排出し新たな空気が吸引される。この排出空気は臭気成分を含むため、脱臭装置などを通過後排出される、というものである。これは脱臭装置への負担を軽減させるという観点から、注目すべき考え方である。ただし熱交換器はフィンの保全やpHの高い凝縮させた水分の処理などが必要で、やや大がかりな装置になってしまう。この方式の実用化も定かではない。
臭気に関しより深刻なのは、処理装置の蓋を開けた時の臭いの大きさである。特許文献5;特開平10−192824号公報に、エアカーテン技術が開示されている。一定の性能を示しているが、蓋を開けた瞬間エアカーテンが作動するのであるが、その瞬間、処理装置の臭気のこもった上部空間の空気を乱し、わずかではあるが装置外に巻き散らかしてしまい、臭いが感じられる。実用的には問題ないレベルではあるが、わずかな量でも無いに越したことはない。また同公報には「二重フタ構造」が開示されている。有機物を処理装置に投入するとき、処理材と外蓋との間にもう一つの内蓋があり、一度ここで有機物を受け取り、外蓋をした後内蓋を開くのである。これにより処理材の臭いは外部とは遮断されるというものである。この方式も巧妙な内蓋開閉機構と相まって実用的には問題ないレベルを実現すると考えられる。しかし内蓋上部の空間にこもっていた臭気は外蓋解放と同時に室内に放出される。わずかな量ではあるがこれも無いに越したことはない。
本発明は、より本格的に環境保護に適する発酵方式有機廃棄物処理装置において、その普及を妨げている最大の問題である臭気に関し、これを装置外にわずかな量をも排出しないことを目的とする。臭気不排出が必要なのは運転中と処理装置の蓋を開けた時である。この2時点―それですべてであるが―での技術的解を提示するものである。
上記目的を達成するための第1の解決手段は、有機廃棄物を処理する処理室と、処理室からの発生気体の吸引・送風装置および脱臭装置などから成る有機廃棄物処理装置において、さらに脱臭装置の処理室側に配された着脱自在な気体トラップ装置を具備することを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、さらに処理室に外部から空気を取り入れる開閉弁を有する開口と、処理装置の所定の箇所への人接近検知手段とを具備し、人接近検知後先ず上記開閉弁を閉とし同時に吸引・送風装置を作動させ、次いで人接近検知所定時間経過後処理装置の蓋を開く蓋解除機構を有することと、処理装置運転中は該開閉弁を開とすることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
第3の解決手段は、第1および2の解決手段において、着脱自在な気体トラップ装置が、処理物からの発生気体を複数の細孔から水中に噴出する機構からなる水フィルターであることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
第4の解決手段は、解決手段3に記載の水フィルターの複数の細孔が、細孔からの噴出気体が互いに干渉しあうように無秩序な噴出方向であることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
第5の解決手段は、解決手段2の人接近の検知手段作動を有効にしたり不作動にしたりする切り替え手段をさらに有する請求項2記載の臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
第6の解決手段は、有機廃棄物を処理する処理室と、処理室からの発生気体の吸引・送風装置および脱臭装置などから成る有機廃棄物処理装置において、脱臭装置の処理室側に配された着脱自在な気体トラップ装置と、上記発生気体をこの気体トラップ装置を経た後、処理室に循環させる気体経路と脱臭装置を経て装置外に排出させる気体経路と、これら両気体経路への気体流の切り替え手段とをさらに具備することを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置である。
これまで発酵方式有機廃棄物処理装置から発するわずかではあるが除去及び封じこめしきれなかった臭気を、装置外に不排出とする上記の解決手段により、実質的には臭気が全く感じられることがないレベルを達成することができた。この結果、屋外やベランダでの使用を余儀なくされていた、それゆえに普及が停滞していた例えば家庭要生ゴミ処理機などにおいて、広く受け入れられる素地が準備されたと言える。
具体的には、(1)従来の脱臭装置に加えてその前段に気体トラップ装置を具備することにより、運転中の発生水蒸気が大量に捕獲される。有機廃棄物の80%以上は水分であると言われているし、発酵による分解によっても水分が発生する。そして脱臭装置にとって水蒸気の混在は、機能低下をもたらす大きなマイナス要因である。したがって水蒸気の捕獲は、脱臭装置の機能低下を押え脱臭能力を高いレベルで発揮させることにつながるのである。さらにその寿命の低下も防ぐことができる。
(2)気体トラップ装置の付加は、水蒸気の低減による脱臭装置能力維持のみならず、脱臭装置の負荷軽減あるいは2段脱臭として作用する。単なる気体トラップ装置だけでは脱臭は不十分であり実際実用化されていない。また最近多用されている高性能の例えば白金触媒を用いた脱臭装置は、その脱臭能力は極めて高くほとんど問題ないが、それでも強力脱臭モードを持たせなければならないほど臭気問題は根深い。白金触媒だけでは限度に近く、投入有機廃棄物の種類や量によれば臭いを感じさせてしまうことが起こる。この気体トラップ装置は、公知例特許文献4のように熱交換器でも良いが、これは水蒸気の除去が主たる作用であり、脱臭能力は弱い。それにもまして装置は仰々しくメンテナンスもデリケートさを要求される。本案では公知例特許文献3の水フィルターを用いる。水フィルターは、水蒸気だけでなく炭酸ガスも臭気もトラップしてくれる。臭気のトラップは白金触媒ほど高性能ではなく、単独では実用にならない。しかし後段の触媒脱臭装置の負荷軽減には大きな役割を果たす。特にそのトラップ媒体である水を、使用するたびに取り換えられるので、常に能力を最大レベルに維持できる。台所であれば水の交換作業は極めて日常的な扱いの範疇であり、何の違和感もなく受け入れられるものである。
(3)処理装置の所定の箇所への人接近検知手段を具備し、人接近検知後先ず処理室への空気流入口を閉じ、同時に吸引・送風装置を作動させる。これにより処理室内の圧力は外部に対して負圧となる。次いで人近接検知後、所定時間経過したところで処理装置の蓋を開くと、外部から空気が一挙に処理室に吸い込まれる。これまで不十分であった蓋を開けた時の臭気も、このように開ける直前に装置内を負圧にすることで一切の臭気の漏出を防ぐことができる。これは単なるエアカーテンでも2重フタでも達成できなかったことである。装置の有機廃棄物投入口はそれなりに広い。ここにエアカーテンを設けても完璧を期すのはほとんど不可能であり、実質的にはその吸い込み能力を上げていわば吸引による漏れ出しを防ぐことになる。しかしそれも蓋を開けてからでは手遅れである。本案の直前負圧と内蓋との組み合わせはより好ましい。内蓋が処理室内の臭気を遮ってくれているから、わずかな負圧で開口時の臭気漏出をゼロにできるからである。
(4)使用者が有機廃棄物を装置に投入しようとするときは、手が塞がっているものである。特に家庭での生ゴミなどの場合は、生ゴミの入った三角コーナーからの水漏れに注意しながら蓋を開けるのである。したがって人接近検知手段が具備されていて自動的に蓋が開くことは必須と言えるくらい効果がある。後述するように人接近検知手段は人の接触ないしは略10cmくらいの近接を検知するものである。あまり長い距離での接近検知では人が周りを動くたびに誤動作を頻発するからである。このように短距離検知にしてもなお誤動作はありうる。そこで人接近の検知手段作動を有効にしたり不作動にしたりする切り替え手段をさらに持っておれば、調理のころ合いを見計らって作動モードにしておけば随時自動蓋開けができるし、その間の誤動作もまれにしか起こらない。生ゴミ投入の機会が無さそうな時は不作動モードにしておけば、一切の誤動作を起こさない。
(5)水フィルターの複数の細孔が、細孔からの噴出気体が互いに干渉しあうように無秩序な噴出方向であることは、噴出気体が小泡となって互いにぶつかり合いより多くの媒体=水との接触を繰り返すことになる。これにより小泡中の水蒸気・炭酸ガス・臭気成分などがより効率的に水中に溶け込むのである。
(6)第6の解決手段はさらに進んだ装置である。後述するように、運転中は発生気体が気体トラップ装置を経て処理室に循環する気体経路に、気体流の切り替え手段でもって切り替える。これにより装置からの排気は無くなるのであるから臭気の排出とは全く無縁となる。そもそも排気の目的は発生する大量の水蒸気を除くためであり、わずかではあるが新鮮な空気の補充でもある。これらを満たせば排気などしなくても良い道理である。この解決手段はすでに特許文献4(特開2005−131476)において示唆されている。この公知例では、気流の一部は、発酵槽の負圧化防止や処理物発酵のための酸素補給を目的に、処理装置外へ排出し新たな空気が吸引される。この排出空気は臭気成分を含むため、脱臭装置などを通過後排出される。しかし本来なら水蒸気をトラップしたことからくる負圧防止のために空気を取り入れれば良いだけで、排出する必要はないはずである。したがって本案のように通常は排気そのものが無いことは臭気不排出という観点からは完璧なのである。発生気体をトラップ装置と脱臭装置を経て装置外に排出させる気体経路に気体流を切り替えるのは、有機廃棄物投入直前の負圧発生時と、水蒸気の発生が過剰に多くなった場合とである。後者は発生気体量がトラップ装置の限界を超えている場合であり、水蒸気発生の盛んな時間帯のみに使われる。いずれにしてもこの解決手段によって排気そのものを無くすあるいは限定時間とするのであるから、基本的に臭気漏出が無い、ないしはその管理すべきリスク時間を短くできるという効果を持つものである。
図1に気体トラップ装置の好ましい実施例として水フィルター装置10を示す。着脱自在であり、中の水11は使用するたびに入れ替えられる。図2は水フィルター装置10を装着した運転中臭気不排出の有機廃棄物処理装置 1である。処理室2に有機廃棄物処理材4が入っており、撹拌装置5により撹拌される。処理運転中は発酵により発生した水蒸気・炭酸ガス・臭気などからなる排気は、排気口6から排気系路7を経て水フィルター装置10の入口側連結部8に至り、水フィルター装置の下部に設けられた気体噴出口12から多数の気泡13となって水中1の中を上昇していく。この間に水蒸気や臭気などが水中にトラップされる。これは既述の公知技術である掃除機や炊飯器の技術を援用することができる。ただしより好ましくは、複数の細孔からなる気体噴出口12が、細孔からの噴出気体が互いに干渉しあうように無秩序な噴出方向に設計することである。効果の項で述べたように、噴出気体が小泡となって互いにぶつかり合い、より多くの水との接触を繰り返すことになる。これにより小泡中の水蒸気・炭酸ガス・臭気成分などがより効率的に水中に溶け込むのである。
水フィルター装置の出口側連結部15から、水分を大きく減量された排気が吸引・送風装置16に吸引され脱臭装置17に送風される。臭気の薄まった排気はここで脱臭処理され脱臭装置の排気口18から装置外へ出ていく。臭気は完璧に脱臭されている。処理運転中の処理室内は、水蒸気が捕獲された分だけ負圧となる。また消耗された酸素も補充せねばならない。そこで処理室には外部空気取り入れ口21が設けられており、ここから無くなった分だけ新しい空気が取り入れられる。
有機廃棄物を処理室に投入するには装置の蓋3を開けねばならない。このときの臭気漏出を防止する蓋開時臭気不排出の有機廃棄物処理装置20を図3に示す。運転中開閉弁22は上記のように開いている。休止中は閉じられている。装置使用者が蓋を開けようとして装置に近づいたら人接近検知手段24が作動し、吸引・送風装置16を起動する。これにより処理室内は空気の入口を閉ざしたまま吸引されるので負圧となる。番号23で示してある。なお説明の簡素化のために気体トラップ装置は省いてある。
次いで人接近検知所定時間経過後、図4の3’に示すように、蓋解除機構25を作動させ蓋を開く。人接近検知後蓋解除までのタイムラグは処理室2の容量や吸引・送風装置16の吸引能力によるが、蓋開までに処理室内を数%の負圧にすれば十分機能するので高々1秒くらいである。使用者からすれば1秒は長く感じられ、これが本案の唯一の欠点である。3’のように蓋が開くと外気26が処理室2に流入する。中の臭気はこの流入外気26に押されて外に漏れ出ることはない。処理室2の内部は引き続き吸引・送風装置16により吸引されており弱い負圧23’が維持されている。
人接近検知手段24は、タッチセンサーでも良いが、先にも述べたように使用者の手が塞がっていることを考慮すると、非殺生センサーが望ましい。たとえば赤外線センサーなども使えるが、これはあまりにも長距離の動きまで感じてしまう。一種の人体通信技術の援用が望ましい。これは蓋近傍か装置の足元の所定の場所に弱い電界を発する装置を組み込んでおく。ここに人体が近接すると、これを装置近傍のキャパシタンス変化としてとらえ、検知するのである。検知範囲は設計にもよるがたかだか20cm程度である。誤動作を減らすには数cmに設計するのが望ましい。
処理室内に内蓋31を加えた蓋開時臭気不排出の有機廃棄物処理装置30を図5に示す。処理室は内蓋31の下部にもう一つの排気口6’を持ち、実施例2と同様に人近接感知により吸引・送風装置16を起動させ、蓋開直前負圧23を用意する。図6は人接近検知所定時間経過後、蓋解除機構25が作動し蓋3’が開いたところである。ここで有機廃棄物32が投入され内蓋31に一時保持される。処理室2内は流入外気26により弱まってはいるが、続行する吸引・送風装置16の吸引により弱い負圧23”が維持されている。続いて図7のように蓋3が閉じられ、内蓋31’が開かれ有機廃棄物32は処理材4のところに落下する。図8は慣らし運転中である。開閉弁22は開かれ外部空気取り入れ口21からわずかな空気を補充しつつ数分間の慣らし運転=有機廃棄物32と処理材4の混ぜ合わせを行っておく。
さらに進んだ装置40を図9に示す。実施例1の処理装置に気体流の切り替え手段41を設け、運転中は発生気体が水フィルター装置10を経て処理室2に循環する気体経路43を加えたものである。これにより装置からの排気は無くなる。当然臭気の排出は無い。発生気体から水蒸気・炭酸ガス・臭気が水フィルター装置10に捕獲され、処理室2に帰還する。捕獲された量だけ外部空気取り入れ口21から空気が補充される。運転中はここの開閉弁22は開いている。しかしながら気体トラップ装置が本発明の代表的な装置水フィルター装置の場合は、水蒸気の捕獲に限界がある。
強力な発酵を行う高温発酵型の土壌菌を用い、マイクロ波加熱のように短時間で昇温度させる装置では、水蒸気の発生が急激にしかも大量に起こる。このような場合は水フィルター装置10の場合は、水蒸気を捕獲しきれないままに処理室に戻してしまうことになり、好ましくない。この場合は気体流の切り替え弁42を脱臭装置17側の経路44に切り替え、処理室2には新鮮な外気21のみを導入し、発酵の低下を防ぐ。この切り替えは気体経路43の水分量を検知して行っても良いし、あらかじめ決められたプログラムに従って行っても良い。たとえば1kgの有機廃棄物を1時間で発酵処理しほとんど残渣を残さない土壌菌を使うシステムでは、水蒸気発生の盛んな時間帯は5分後から約20分である。この間は脱臭装置17側の経路44を使う。それでも水フィルター装置10を経由しているので脱臭装置17の負荷は大幅に軽減されるのである。
もう一つの切り替え弁42を脱臭装置17側の経路44に切り替える時期は、有機廃棄物投入直前の負圧を発生させる時である。この時は気体を循環して戻すのではなく、ひたすら処理室からの吸引のみを行い負圧発生に努めるのである。
これまで着脱自在な気体トラップ装置は1つである例を示してきたが、当然1つに限らず、同一のものあるいは異なる方式のもの、複数設けることもできる。それらは既述の能力の高い熱交換方式の水蒸気除去装置、あるいはさまざまな脱臭装置、たとえばオゾン発生器やプラズマクラスターイオン利用もありうるし、伝統的な活性炭も交換しつつ使える。処理する有機廃棄物の量や質に対応した能力付与とコストのバランスを考慮し、それぞれの仕様に応じ選ぶことができる設計事項である。
以上主に家庭用生ゴミ処理機を用いて説明をした。そしてここで説明した装置構成は、小型の業務用生ゴミ処理機にはそのまま適用できるし、大型の業務用有機廃棄物処理機にも十分利用できるものである。要点は、「発酵式有機廃棄物処理において、▲1▼脱臭装置の前段に少なくとも1つ以上の気体トラップ装置を設け、後段に本格的脱臭装置を設け、装置外に排気すること、▲2▼処理装置の蓋を開けるに先立ち、処理装置内を負圧にすること」であり、これを具現化した本発明になる機構を利用し有機廃棄物処理装置へ広く展開できる。
Claims (6)
- 有機廃棄物を処理する処理室と、処理室からの発生気体の吸引・送風装置および脱臭装置などから成る有機廃棄物処理装置において、さらに脱臭装置の処理室側に配された着脱自在な気体トラップ装置を具備することを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置。
- 請求項1の有機廃棄物処理装置において、さらに処理室に外部から空気を取り入れる開閉弁を有する開口と、処理装置の所定の箇所への人接近検知手段とを具備し、人接近検知後先ず上記開閉弁を閉とし同時に吸引・送風装置を作動させ、次いで人接近検知所定時間経過後処理装置の蓋を開く蓋解除機構を有することと、処理装置運転中は該開閉弁を開とすることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置。
- 請求項1及び2の着脱自在な気体トラップ装置が、処理物からの発生気体を複数の細孔から水中に噴出する機構からなる水フィルターであることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置。
- 請求項3に記載の水フィルターの複数の細孔が、細孔からの噴出気体が互いに干渉しあうように無秩序な噴出方向であることを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置。
- 請求項2に記載の人接近の検知手段作動を有効にしたり不作動にしたりする切り替え手段をさらに有する請求項2記載の臭気不排出有機廃棄物処理装置。
- 有機廃棄物を処理する処理室と、処理室からの発生気体の吸引・送風装置および脱臭装置などから成る有機廃棄物処理装置において、脱臭装置の処理室側に配された着脱自在な気体トラップ装置と、上記発生気体を該気体トラップ装置を経た後、処理室に循環させる気体経路と脱臭装置を経て装置外に排出させる気体経路と、これら両気体経路への気体流の切り替え手段とをさらに具備することを特徴とする臭気不排出有機廃棄物処理装置。
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