JP2010262835A - 圧力勾配型プラズマガンの電極構造 - Google Patents

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健司 山川
Motoi Okada
基 岡田
Yoshiaki Murashita
善朗 村下
Takeshi Kozuka
毅士 古塚
Masatoshi Tsujii
雅俊 辻井
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Abstract

【課題】 プラズマの放出効率を改善した、プラズマ成膜装置用の高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供すること。
【解決手段】 圧力勾配型プラズマガン100が、主電極12と、プラズマ生成用ガスを噴射するガス供給部11と、少なくとも前記主電極及び前記ガス供給部を保護する電極保護部13,16と、主電極支持部15と、プラズマ放出口16aと、を備え、前記プラズマ放出口と対面状態で前記主電極が前記主電極支持部により前記電極保護部の内部に配設され、少なくとも前記プラズマ放出口に対向する前記主電極の所定の領域に、貫通孔が形成されていないことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力勾配型プラズマガンの電極構造に関し、特に、プラズマの放出効率を改善するための圧力勾配型プラズマガンの電極構造に関する。
プラズマ成膜装置のプラズマガンの1つである圧力勾配型プラズマガンは、主電極と補助電極とからなる電極構造を採用することにより、低電圧かつ大電流の高効率放電を目的とするものである。圧力勾配型プラズマガンを備えるプラズマ成膜装置では、カソード領域内の圧力を成膜室内の圧力よりも高くするようカソード領域内と成膜室内との間に圧力勾配を形成させることにより、主電極及び補助電極等へのプラズマの直撃が緩和されるので、プラズマによる主電極及び補助電極等の損傷が防止される。このように、圧力勾配型プラズマガンを備えるプラズマ成膜装置によれば、主電極及び補助電極等の損傷が防止されるので、所望の成膜品質を長期間に渡り安定して確保することができる。
図6(a)は、従来の圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図6(b)は従来の圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図であり、図6(c)は従来の圧力勾配型プラズマガンからのプラズマの放出効率を説明するための解説図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン101の蓋部材101aには、蓋部材101aの中心部を気密的に貫通して、後述するカソードパイプ101eの中心軸に沿って延びるように、タンタルで構成された円筒状の補助電極101bが配設されている。補助電極101bの基端部は、アルゴンガスタンク(図示せず)と適宜な配管により接続されており、補助電極101bの先端からArガスが噴射される。又、補助電極101bの先端近傍の外周面には、6ホウ化ランタンで構成された円環状の主電極101cが設けられている。主電極101cの中央には開口101dが形成されており、開口101dをその先端が貫通するように、補助電極101bが設けられている。補助電極101bの先端は、主電極101cの第2主面(左面)から凸状に突出している。圧力勾配型プラズマガン101では、補助電極101b及び主電極101cと、後述するカソードパイプ101eとにより、電極101fが構成されている。尚、電極101fは、蓋部材101a及び適宜な配線を介して、直流電源(図示せず)の負極と電気的に接続されている。
一方、図6(a)及び図6(b)に示すように、蓋部材101aの第2主面(左面)には、蓋部材101aの中心軸と同軸状に、蓋部材101aの厚み方向に延びるよう、補助電極101bよりも直径の大きい、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)で構成された円筒状のカソードパイプ101eが、蓋部材101aに気密的に配設されている。カソードパイプ101eの先端には、タングステンで構成された円環状の窓部材101gが設けられている。窓部材101gとカソードパイプ101eとにより、主電極101c及び補助電極101bが保護される。又、窓部材101gは中央に開口101hを備え、開口101hは、窓部材101gの補助電極101bの先端に対応する位置に、補助電極101bの直径よりも大きく形成されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる圧力勾配型プラズマガン101では、図6(c)に示すように、窓部材101gの開口101hを通過して、プラズマ101iが放出される。この際、主電極101cの環状領域Ra−Rbからは熱電子が放出されるが、開口101dに相当する円盤状領域Rbからは熱電子は放出されない。従って、従来の圧力勾配型プラズマガン101からは、主電極101cの環状領域Ra−Rbの面積に応じた効率で、プラズマ101iが放出される。
特開2008−66240号公報
しかしながら、上記従来の圧力勾配型プラズマガンの構成では、その先端が主電極の中央を貫通するように補助電極を設け、補助電極の先端が主電極の主面の中央から凸状に突出する構成を実現するために、主電極の中央に開口を形成する必要がある。つまり、従来の圧力勾配型プラズマガンでは、窓部材の開口の正面に主電極が存在しない。そのため、従来の圧力勾配型プラズマガンの構成は、主電極の中央から熱電子が放出されないため、圧力勾配型プラズマガンのプラズマの放出効率を悪化させている。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、主電極の構造を孔有り構造に代えて孔無し構造として放電効率を改善することにより、プラズマの放出効率を改善した、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンは、電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、前記主電極の主面上にプラズマ生成用ガスを供給するためのガス供給部と、少なくとも前記主電極及び前記ガス供給部を包囲して少なくとも該主電極及び該ガス供給部を保護する電極保護部と、前記電極保護部の内部で該電極保護部と非接触状態で前記主電極を支持するための主電極支持部と、前記主電極支持部が前記非接触状態で支持する前記主電極と前記電極保護部との間で前記プラズマ生成用ガスを通流させるガス流路と、前記ガス流路を通過して前記主電極の前記主面上に供給された前記プラズマ生成用ガスが用いられて生成されたプラズマを放出するための、前記電極保護部に形成されたプラズマ放出口と、を備え、前記プラズマ放出口と対面状態で前記主電極が前記主電極支持部により前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設され、少なくとも前記プラズマ放出口に対向する前記主電極の所定の領域に、貫通孔が形成されていないことを特徴とする。
かかる構成とすると、主電極の構造を孔有り構造に代えて孔無し構造とするので、放電効率を改善することができる。これにより、プラズマの放出効率を改善した、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
この場合、前記主電極支持部が前記電極保護部に螺合されかつ該電極保護部を貫通する螺合部材を更に備え、該螺合部材の先端が、前記主電極に圧接して、前記主電極が前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設されている。
かかる構成とすると、従来から用いられているボルト等の螺合部材により、主電極を非接触状態で電極保護部の内部に配設することができる。これにより、主電極に貫通孔を形成しない状態で、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に供給することが可能になる。
この場合、前記ガス供給部から噴射された前記プラズマ生成用ガスを前記主電極の外周面上に誘導する誘導部材を更に備え、該誘導部材の先端が、前記主電極と前記プラズマ放出口との間にまで延出している。
かかる構成とすると、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを、主電極の主面上に効率良く供給することが可能になる。又、誘導部材の先端を、主電極とプラズマ放出口との間にまで延出させることにより、誘導部材に従来の補助電極と同様の機能をもたらすことが可能になる。
この場合、前記誘導部材の先端が、突起を備えている。
かかる構成とすると、誘導部材の先端が突起を備えているので、アノードと誘導部材の先端の突起との間の補助放電を確実に行うことが可能になる。
又、上記の場合、前記主電極支持部が前記電極保護部に嵌入されかつ貫通孔が環状に形成された支持部材を更に備え、該支持部材の前記環状に形成された貫通孔の内方に前記主電極が着設されて、前記主電極が前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設されている。
かかる構成とすると、円盤状の支持部材を用いるという簡易な構成により、主電極を非接触状態で電極保護部の内部に配設することができる。これにより、主電極に貫通孔を形成しない状態で、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に供給することが可能になる。
この場合、前記ガス供給部から噴射された前記プラズマ生成用ガスを前記貫通孔に誘導する誘導部材と、前記主電極を前記支持部材の内方に着設するための主電極ホルダとを更に備え、該主電極ホルダの先端が、前記主電極と前記プラズマ放出口との間にまで延出している。
かかる構成としても、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを、主電極の主面上に効率良く供給することが可能になる。又、主電極ホルダの先端を、主電極とプラズマ放出口との間にまで延出させることにより、主電極ホルダに従来の補助電極と同様の機能をもたらすことが可能になる。
この場合、前記主電極ホルダの先端が、突起を備えている。
かかる構成とすると、主電極ホルダの先端が突起を備えているので、アノードと主電極ホルダの先端の突起との間の補助放電を確実に行うことが可能になる。
本発明は、主電極の構造を孔有り構造に代えて孔無し構造として放電効率を改善することにより、プラズマの放出効率を改善した、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することができるので、例えばプラズマ成膜装置の成膜速度を向上させることが可能になるという効果を奏する。
図1(a)は、本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図1(b)は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図であり、図1(c)は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンからのプラズマの放出効率を説明するための解説図である。 図2(a)は、本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図2(b)は本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。 図3(a)は、本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図3(b)は本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。 図4(a)は、本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図4(b)は本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。 図5(a)は、本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図5(b)は本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。 図6(a)は、従来の圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図6(b)は従来の圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図であり、図6(c)は従来の圧力勾配型プラズマガンからのプラズマの放出効率を説明するための解説図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明を実施するための形態は、以下に示す技術的思想に基づき具現化される。
即ち、本発明において、圧力勾配型プラズマガンは、電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、前記主電極の主面上にプラズマ生成用ガスを供給するためのガス供給部と、少なくとも前記主電極及び前記ガス供給部を包囲して少なくとも該主電極及び該ガス供給部を保護する電極保護部と、前記電極保護部の内部で該電極保護部と非接触状態で前記主電極を支持するための主電極支持部と、前記主電極支持部が前記非接触状態で支持する前記主電極と前記電極保護部との間で前記プラズマ生成用ガスを通流させるガス流路と、前記ガス流路を通過して前記主電極の前記主面上に供給された前記プラズマ生成用ガスが用いられて生成されたプラズマを放出するための、前記電極保護部に形成されたプラズマ放出口と、を備えている。
そして、本発明において、圧力勾配型プラズマガンでは、前記プラズマ放出口と対面状態で前記主電極が前記主電極支持部により前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設され、少なくとも前記プラズマ放出口に対向する前記主電極の所定の領域に、貫通孔が形成されていない。
ここで、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンと、従来の圧力勾配型プラズマガンとの主たる相違点は、プラズマ放出口と対面状態で主電極が電極保護部の内部に配設されており、少なくともプラズマ放出口に対向する主電極の所定の領域に貫通孔が形成されていないことである。つまり、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンの主たる特徴は、プラズマを効率良く生成するために、主電極の全面を利用可能な構成が採られていることである。
そして、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンでは、ガス供給部が噴射したプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に供給するために、電極保護部の内部で該電極保護部と非接触状態で主電極を支持するための主電極支持部が設けられ、主電極支持部が非接触状態で支持する主電極と電極保護部との間に、プラズマ生成用ガスを通流させるガス流路を設けている。
又、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンでは、主電極を非接触状態で電極保護部の内部に配設するために、主電極支持部が、電極保護部に螺合されかつ該電極保護部を貫通する螺合部材を更に備えている。そして、螺合部材の先端が主電極に圧接することにより、主電極を非接触状態で電極保護部の内部に配設することを可能にしている。
又、本発明に係る圧力勾配型プラズマガンは、ガス供給部が噴射したプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に効率良く供給すると共に、補助放電が確実に行われるようにするために、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを主電極の外周面上に誘導する誘導部材を更に備え、誘導部材の先端が、主電極とプラズマ放出口との間にまで延出するように構成されている。そして、誘導部材の先端が、突起を備えている。
一方、ボルト等の螺合部材を用いることなく、主電極を非接触状態で電極保護部の内部に配設するためには、主電極支持部が電極保護部に嵌入されかつ貫通孔が環状に形成された支持部材を更に備え、支持部材における、環状に形成された貫通孔の内方に、主電極が着設される構成とすることもできる。尚、この構成では、ガス供給部が噴射したプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に供給するために、主電極が、環状に形成された貫通孔を塞ぐことのないように、環状に形成された貫通孔の内方に着設される。
ここで、環状に形成された貫通孔を備える支持部材を用いる構成において、ガス供給部が噴射したプラズマ生成用ガスを主電極の主面上に効率良く供給すると共に、補助放電が確実に行われるようにするためには、ガス供給部から噴射されたプラズマ生成用ガスを貫通孔に誘導する誘導部材と、主電極を支持部材の内方に着設するための主電極ホルダとを更に備え、主電極ホルダの先端が、主電極とプラズマ放出口との間にまで延出している構成が採られる。尚、この構成においても、プラズマ成膜装置において補助放電が確実に行われるようにするためには、主電極ホルダの先端が突起を備える構成が採られる。
以下、本発明を実施するための形態を実現するためのより具体的な実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成及び作用を説明するための模式図であって、図1(a)は、本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図1(b)は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図であり、図1(c)は本発明の実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンからのプラズマの放出効率を説明するための解説図である。尚、図1では、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの主要な構成要素のみを抜粋して模式的に示しており、その他の構成要素については図示を省略している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン100の蓋部材10には、蓋部材10の中心部を気密的に貫通して、後述するカソードパイプ13の中心軸に沿って延びるように、例えばタンタルで構成された円筒状のガスパイプ11が配設されている。ガスパイプ11の基端部11aは、アルゴンガスタンク(図示せず)と適宜な配管により接続され、ガスパイプ11の先端部11bからArガスが噴射される。又、ガスパイプ11の先端部11bの前方(図1では左側)には、例えば6ホウ化ランタンで構成された円盤状の主電極12が設けられている。ここで、本実施例では、図1(a)に示すように、主電極12の中央に開口が形成されてはいない。そして、本実施例では、主電極12の第1主面12aとガスパイプ11の先端部11bとが、所定の間隔d1を有するようにして、相互に隔離されている。所定の間隔d1は、圧力勾配型プラズマガン100に対して要求される性能等に応じて、適宜適切に設定される。本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100では、ガスパイプ11及び主電極12と、後述するカソードパイプ13とにより、電極14が構成されている。尚、電極14は、蓋部材10及び適宜な配線を介して、直流電源(図示せず)の負極と電気的に接続されている。
又、図1(a)及び図1(b)に示すように、蓋部材10の第2主面10bには、蓋部材10の中心軸と同軸状に、蓋部材10の厚み方向に延びるよう、主電極12の外径よりもその内径が大きい、例えばモリブデン(Mo)又はタングステン(W)で構成された円筒状のカソードパイプ13が、蓋部材10に気密的に配設されている。図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施例では、主電極12の外周とカソードパイプ13の内周とが所定の間隔d2を有するようにして、相互に隔離されている。間隔d2は、円盤状の主電極12の外周と円筒状のカソードパイプ13の内周との間の全周に渡り均一に設定する必要はなく、所定の間隔d1の場合と同様にして、圧力勾配型プラズマガン100に対して要求される性能等に応じて、適宜適切に設定される。かかる構成により、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスは、間隔d2の部分を通過して、主電極12の前方(図1では左側)に導入される。つまり、圧力勾配型プラズマガン100では、放電用のArガスが主電極12の周囲を通過して主電極12の前方に導入される構成が採られている。
本実施例において、主電極12は、カソードパイプ13の適所を貫通する複数のボルト15(ここでは、4本のボルト15)の先端が主電極12の外周面の複数箇所を支持することにより、カソードパイプ13の内部において固定されている。尚、ボルト15の個数は、主電極12を安定して支持すると共に、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスの流れを実質的に阻害することがないように、適宜適切に設定される。
更に、図1(a)及び図1(b)に示すように、カソードパイプ13の先端には、例えばタングステンで構成された円環状の窓部材16が設けられている。窓部材16とカソードパイプ13とにより、主電極12及びガスパイプ11が保護される。そして、窓部材16は中央に開口16aを備え、開口16aは、窓部材16におけるガスパイプ11の先端部11bに対応する位置に、ガスパイプ11の直径よりも大きく形成されている。
かかる圧力勾配型プラズマガン100を備えるプラズマ成膜装置では、従来のプラズマ成膜装置の補助電極(図6の符号101b参照)に代えて、例えばカソードパイプ13及び窓部材16の少なくとも何れかが補助電極として用いられることにより、補助放電が開始される。この補助放電により、圧力勾配型プラズマガン100の主電極12が加熱される。次いで、主電極12が加熱されると、主電極12を用いる主放電が開始される。そして、図1(c)に示すように、圧力勾配型プラズマガン100に対してArガスが供給されると、窓部材16の開口16aを通過して、プラズマ成膜装置が備える成膜室内(図示せず)に向けてプラズマ17が放出される。この際、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100では、主電極12の円盤状領域Ra(図6(c)参照)の全面から熱電子が放出されるので、圧力勾配型プラズマガン100からは、主電極12の円盤状領域Raの面積に応じた高い効率で、プラズマ17が放出される。
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン100の構成によれば、主電極12の略全面から熱電子を効率良く放出させることができる。従って、圧力勾配型プラズマガン100の放電効率が改善される。これにより、プラズマの放出効率が改善された、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
次に、圧力勾配型プラズマガン100の構成に基づく、Arガスを主電極12の前方へ積極的に導入するための構成について、実施例2〜5として具体的に説明する。
以下、本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を説明するための模式図であって、図2(a)は、本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図2(b)は本発明の実施例2に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。尚、図2では、便宜上、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガンの構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成は、基本的には、実施例1に係る圧力勾配型プラズマガン100の構成と同様である。
即ち、図2(a)及び図2(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン200の蓋部材10には、円筒状のガスパイプ11が配設されている。
本実施例では、ガスパイプ11が、主電極12の第2主面12b(主面)を超えて、窓部材16の近傍にまで延び出るように構成されている。換言すれば、本実施例では、主電極12の周囲にガスパイプ11が設けられるように構成されている。具体的には、ガスパイプ11の先端部11bには、例えばタンタルで構成された円錐状の第1タンタルシート18の基端部18aが気密的に連結されている。ガスパイプ11の先端部11bと、第1タンタルシート18の基端部18aとは、互いに略同一の直径を有するように成形されており、溶接等の手段により気密的に連結されている。又、第1タンタルシート18の先端部18bには、例えばタンタルで構成された円筒状の第2タンタルシート19の基端部19aが気密的に連結されている。第1タンタルシート18の先端部18bと、第2タンタルシート19の基端部19aとは、互いに略同一かつ主電極12の直径よりも大きい直径を有するように成形されており、溶接等の手段により気密的に連結されている。第2タンタルシート19は所定の間隔d2(図1参照)内に配置され、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスの流れを実質的に阻害することがないように、適宜適切に配置される。第2タンタルシート19の先端部19bは、主電極12の第2主面12bを超えて、窓部材16の近傍にまで延び出ている。かかる構成により、本実施例では、第2タンタルシート19が、従来の圧力勾配型プラズマガンの場合と同様に補助放電の際の補助電極として機能する。
又、図2(b)に示すように、圧力勾配型プラズマガン200の第2タンタルシート19は、切欠部19cを複数備えている。切欠部19cは、ボルト15が主電極12を安定して支持することを第2タンタルシート19が妨げることがないよう、ボルト15の装着位置に対応するように、第2タンタルシート19の適所に設けられている。本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200では、4つのボルト15に対応して、4つの切欠部19cが第2タンタルシート19に形成されている。
このように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200では、ガスパイプ11の先端部11bに第1タンタルシート18の基端部18aが連結され、かつ第1タンタルシート18の先端部18bに第2タンタルシート19の基端部19aが連結されており、実施例1に係るガスパイプ11が主電極12の第2主面12bを超えて窓部材16の近傍にまで延び出ているように構成されている。
又、図2(a)及び図2(b)に示すように、第2タンタルシート19の内方にはボルト15により支持されて主電極12が設けられ、主電極12と、ガスパイプ11と、第1タンタルシート18と、第2タンタルシート19とが、蓋部材10の第2主面10bに配設された円筒状のカソードパイプ13及び窓部材16により保護されている。窓部材16は、開口16aを備えている。
かかる圧力勾配型プラズマガン200では、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスは、第2タンタルシート19と主電極12との間の空間を介して、主電極12の前方(図2では左側)に導入される。つまり、圧力勾配型プラズマガン200においても、放電用のArガスが主電極12の周囲を通過して主電極12の前方に導入される構成が採られている。そして、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200を備えるプラズマ成膜装置では、第2タンタルシート19の先端部19bが補助電極として用いられて補助放電が開始され、その後、主電極12を用いる主放電が開始される。すると、圧力勾配型プラズマガン200からは、窓部材16の開口16aを通過して、プラズマ成膜装置の成膜室内に向けてプラズマが放出される。
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成によっても、主電極12の略全面から熱電子を効率良く放出させることができる。従って、圧力勾配型プラズマガン200の放電効率が改善される。これにより、プラズマの放出効率が改善された、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成によれば、主電極12の周囲に配置された第2タンタルシート19が用いられて、補助放電が行われるので、補助放電の際に主電極12を効率良く加熱することができる。これにより、主電極12を加熱する際の消費電力を抑制することが可能になると共に、プラズマの放出開始までの待機時間を短縮することが可能になる。
更に、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成では、ガスパイプ11の先端部11bに第1タンタルシート18及び第2タンタルシート19が連結されている。そのため、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスの進路は、第1タンタルシート18及び第2タンタルシート19により適切に制御される。これにより、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスを、カソードパイプ13とガスパイプ11との間の空間に滞留させることなく、従来の圧力勾配型プラズマガンの場合と同様、主電極12の前方に直接導入することが可能になる。
尚、その他の点については、実施例1の場合と同様である。
以下、本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を説明するための模式図であって、図3(a)は、本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図3(b)は本発明の実施例3に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成は、基本的には、実施例2に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成と同様である。
即ち、図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300は、実施例2の場合と同様にして、蓋部材10と、ガスパイプ11と、ボルト15により支持される主電極12と、第1タンタルシート18と、第2タンタルシート19と、カソードパイプ13及び窓部材16とを備えている。
一方、図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300は、例えばタンタルで構成される複数の突起部19dを更に備えている。これらの突起部19dは、補助電極としての機能を確実に具備させるべく、第2タンタルシート19の先端部19bの適所から鋭角状に突出している。又、突起部19dは、第2タンタルシート19の先端部19bから、周方向において適当な間隔で複数設けられている。本実施例では、第2タンタルシート19の先端部19bから、8つの突起部19dが突出している圧力勾配型プラズマガン300を例示しているが、このような形態に限定されることはない。突起部19dの配設数は、プラズマ成膜装置の補助放電の際に適切な放電が行われることを考慮して、適宜適切に設定すればよい。又、本実施例では、突起部19dが第2タンタルシート19の先端部19bから鋭角状に突出している圧力勾配型プラズマガン300を例示しているが、このような形態に限定されることはない。例えば、突起部19dが第2タンタルシート19の先端部19bから鋭角状に突出する形態に代えて、突起部19dが第2タンタルシート19の先端部19bから矩形状に突出する形態としてもよい。つまり、突起部19dの形状及びその長さについても、プラズマ成膜装置の補助放電の際に適切な放電が行われることを考慮して、適宜適切に設定すればよい。
かかる圧力勾配型プラズマガン300を備えるプラズマ成膜装置では、第2タンタルシート19の突起部19dが補助電極として用いられて補助放電が開始され、その後、主電極12を用いる主放電が開始される。これにより、圧力勾配型プラズマガン300からプラズマ成膜装置の成膜室内に向けて、プラズマが放出される。
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成によっても、主電極12の略全面から熱電子を効率良く放出させることができる。従って、圧力勾配型プラズマガン300の放電効率が改善される。これにより、プラズマの放出効率が改善された、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
更に、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン300の構成によれば、主電極12の周囲に配置された第2タンタルシート19の突起部19dが用いられて、補助放電が行われるので、プラズマ成膜装置における補助放電を確実に開始させることができる。これにより、主電極12を加熱する際の消費電力を抑制してプラズマの放出開始までの待機時間を短縮することが可能になると共に、プラズマ成膜装置の起動不良(補助放電不良)を解消することが可能になる。
尚、その他の点については、実施例1,2の場合と同様である。
以下、本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を説明するための模式図であって、図4(a)は、本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図4(b)は本発明の実施例4に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400の構成は、基本的には、実施例2に係る圧力勾配型プラズマガン200の構成と同様である。
即ち、図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400は、実施例2の場合と同様にして、蓋部材10と、ガスパイプ11と、主電極12と、第1タンタルシート18と、カソードパイプ13及び窓部材16とを備えている。
一方、図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400は、実施例2に示すボルト15及び第2タンタルシート19に代えて、例えばそれぞれタンタルで構成されるホルダプレート20及び主電極ホルダ21を備えている。ホルダプレート20は、カソードパイプ13の内部で第1タンタルシート18の先端部18bにより支持され、かつカソードパイプ13の内部で主電極ホルダ21を支持する。又、ホルダプレート20は、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスを、主電極12の前方に供給可能に構成されている。
具体的には、圧力勾配型プラズマガン400は、カソードパイプ13に気密的に内接する円盤状のホルダプレート20を備えている。ホルダプレート20の周囲の適所には、Arガスを通流させるための開口20cが環状に複数設けられている。又、ホルダプレート20の第1主面20aの外周部には、第1タンタルシート18の先端部18bが気密的に連結されている。第1タンタルシート18の先端部18bと、ホルダプレート20とは、互いに略同一の直径を有するように成形されており、溶接等の手段により相互に気密的に連結されている。ここで、第1タンタルシート18の先端部18bは、ホルダプレート20の開口20cを避けるようにして、ホルダプレート20の第1主面20aの最外周部に連結されている。これにより、ホルダプレート20は、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスを、ガスパイプ11とカソードパイプ13との間の空間に供給することなく、主電極12の前方に供給することを可能としている。
ホルダプレート20の第2主面20bには、円筒状の主電極ホルダ21が導通状態で連結されている。主電極ホルダ21は、主電極12の厚み方向において、主電極12の第2主面12bを超える所定の位置にまで延び出ている。これにより、主電極ホルダ21は、補助放電の際の補助電極として機能する。又、主電極ホルダ21は、ホルダプレート20の直径よりも小さい直径を有するように成形されており、かつ環状に設けられた複数の開口20cの内側に位置するように、溶接等の手段により少なくとも導通状態で連結されている。つまり、主電極ホルダ21は、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスの流れを実質的に阻害することがないように、ホルダプレート20の第2主面20bに同軸状に配設されている。そして、この主電極ホルダ21の内部に、ここでは主電極12とホルダプレート20及び主電極ホルダ21とが当接する状態で、適切な取り付け手段により、主電極12が配設されている。
このように、本実施例では、ガスパイプ11に対して、第1タンタルシート18と、ホルダプレート20と、主電極ホルダ21とが連結され、実施例1に係るガスパイプ11が機能的に主電極12の第2主面12bを超えて窓部材16の近傍にまで延び出ているように構成されている。又、本実施例では、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスが、ホルダプレート20の開口20cを通過して、主電極12の前方に供給されるように構成されている。
かかる圧力勾配型プラズマガン400では、ガスパイプ11の先端部11bから噴射されたArガスは、ホルダプレート20の開口20cを通過して、主電極12の前方に導入される。そして、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400を備えるプラズマ成膜装置では、主電極ホルダ21が補助電極として用いられて補助放電が開始され、その後、主電極12を用いる主放電が開始される。これにより、圧力勾配型プラズマガン400からは、窓部材16の開口16aを通過して、プラズマ成膜装置の成膜室内に向けてプラズマが放出される。
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400の構成によっても、主電極12の略全面から熱電子を効率良く放出させることができる。従って、圧力勾配型プラズマガン400の放電効率が改善される。これにより、プラズマの放出効率が改善された、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400の構成によれば、主電極12の周囲に接触する主電極ホルダ21が用いられて、補助放電が行われるので、補助放電の際に主電極12を更に効率良く加熱することができる。これにより、主電極12を加熱する際の消費電力を更に抑制することが可能になると共に、プラズマの放出開始までの待機時間を更に短縮することが可能になる。
更に、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン400の構成においては、複数のボルト15(図1参照)に代えて、主電極ホルダ21が設けられている。そのため、圧力勾配型プラズマガン400では、主電極12が、ボルト15との点接触による支持に代えて、主電極ホルダ21との面接触により支持される。これにより、ボルト15により支持する場合と比べて、主電極12をより一層安定して支持することが可能になる。又、補助放電及び主放電の際や放電停止の際に主電極が熱膨張及び熱収縮した場合であっても、ボルト15により支持する場合と比べて、主電極12を安定して支持することが可能になる。
尚、その他の点については、実施例1〜3の場合と同様である。
以下、本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図5は本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの構成を説明するための模式図であって、図5(a)は、本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの断面図であり、図5(b)は本発明の実施例5に係る圧力勾配型プラズマガンの内部を透視する斜視図である。
本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン500の構成は、基本的には、実施例4に係る圧力勾配型プラズマガン400の構成と同様である。
即ち、図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン500は、実施例4の場合と同様にして、蓋部材10と、ガスパイプ11及び主電極12と、カソードパイプ13及び窓部材16と、第1タンタルシート18と、ホルダプレート20及び主電極ホルダ21とを備えている。
一方、図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン500は、実施例3の場合と同様にして、例えばタンタルで構成される複数の突起部21bを更に備えている。これらの突起部21bは、実施例3の場合と同様、補助電極としての機能を確実に具備させるべく、主電極ホルダ21の先端部21aの適所から鋭角状に突出している。又、突起部21bは、実施例3の場合と同様、主電極ホルダ21の先端部21aから、周方向において適当な間隔で複数設けられている。そして、かかる圧力勾配型プラズマガン500を備えるプラズマ成膜装置では、主電極ホルダ21の突起部21bが補助電極として用いられて補助放電が開始され、その後、主電極12を用いる主放電が開始される。これにより、圧力勾配型プラズマガン500からプラズマ成膜装置の成膜室内に向けて、プラズマが放出される。
以上、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン500の構成によっても、主電極12の略全面から熱電子を効率良く放出させることができる。従って、圧力勾配型プラズマガン500の放電効率が改善される。これにより、プラズマの放出効率が改善された、高効率な圧力勾配型プラズマガンを提供することが可能になる。
又、本実施例に係る圧力勾配型プラズマガン500の構成によっても、実施例3の場合と同様にして、主電極12の周囲に配置された主電極ホルダ21の突起部21bが用いられて、補助放電が行われるので、プラズマ成膜装置における補助放電を確実に開始させることができる。これにより、実施例3の場合と同様、主電極12を加熱する際の消費電力を抑制してプラズマの放出開始までの待機時間を短縮することが可能になると共に、プラズマ成膜装置の起動不良を解消することが可能になる。
尚、その他の点については、実施例1〜4の場合と同様である。
本発明に係る圧力勾配型プラズマガンは、主電極の構造を孔有り構造に代えて孔無し構造として放電効率を改善することにより、プラズマの放出効率を改善した、高効率な圧力勾配型プラズマガンとして、プラズマ成膜装置に利用することができる。
10 蓋部材
10a 第1主面
10b 第2主面
11 ガスパイプ
11a 基端部
11b 先端部
12 主電極
12a 第1主面
12b 第2主面
13 カソードパイプ
14 電極
15 ボルト
16 窓部材
16a 開口
17 プラズマ
18 第1タンタルシート
18a 基端部
18b 先端部
19 第2タンタルシート
19a 基端部
19b 先端部
19c 切欠部
19d 突起部
20 ホルダプレート
20a 第1主面
20b 第2主面
20c 開口
21 主電極ホルダ
21a 先端部
21b 突起部
100〜500 圧力勾配型プラズマガン
101 圧力勾配型プラズマガン
101a 蓋部材
101b 補助電極
101c 主電極
101d 開口
101e カソードパイプ
101f 電極
101g 窓部材
101h 開口
101i プラズマ
d1,d2 間隔

Claims (7)

  1. 電力が供給されてアノードとの間で主放電を行う主電極と、
    前記主電極の主面上にプラズマ生成用ガスを供給するためのガス供給部と、
    少なくとも前記主電極及び前記ガス供給部を包囲して少なくとも該主電極及び該ガス供給部を保護する電極保護部と、
    前記電極保護部の内部で該電極保護部と非接触状態で前記主電極を支持するための主電極支持部と、
    前記主電極支持部が前記非接触状態で支持する前記主電極と前記電極保護部との間で前記プラズマ生成用ガスを通流させるガス流路と、
    前記ガス流路を通過して前記主電極の前記主面上に供給された前記プラズマ生成用ガスが用いられて生成されたプラズマを放出するための、前記電極保護部に形成されたプラズマ放出口と、を備え、
    前記プラズマ放出口と対面状態で前記主電極が前記主電極支持部により前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設され、
    少なくとも前記プラズマ放出口に対向する前記主電極の所定の領域に、貫通孔が形成されていないことを特徴とする、圧力勾配型プラズマガン。
  2. 前記主電極支持部が前記電極保護部に螺合されかつ該電極保護部を貫通する螺合部材を更に備え、該螺合部材の先端が、前記主電極に圧接して、前記主電極が前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設されている、請求項1記載の圧力勾配型プラズマガン。
  3. 前記ガス供給部から噴射された前記プラズマ生成用ガスを前記主電極の外周面上に誘導する誘導部材を更に備え、該誘導部材の先端が、前記主電極と前記プラズマ放出口との間にまで延出している、請求項2記載の圧力勾配型プラズマガン。
  4. 前記誘導部材の先端が、突起を備えている、請求項3記載の圧力勾配型プラズマガン。
  5. 前記主電極支持部が前記電極保護部に嵌入されかつ貫通孔が環状に形成された支持部材を更に備え、該支持部材の前記環状に形成された貫通孔の内方に前記主電極が着設されて、前記主電極が前記非接触状態で前記電極保護部の内部に配設されている、請求項1記載の圧力勾配型プラズマガン。
  6. 前記ガス供給部から噴射された前記プラズマ生成用ガスを前記貫通孔に誘導する誘導部材と、前記主電極を前記支持部材の内方に着設するための主電極ホルダとを更に備え、該主電極ホルダの先端が、前記主電極と前記プラズマ放出口との間にまで延出している、請求項5記載の圧力勾配型プラズマガン。
  7. 前記主電極ホルダの先端が、突起を備えている、請求項6記載の圧力勾配型プラズマガン。
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