JP2010262686A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置検出手段のない球面収差補正レンズを持つ光ディスク装置(半導体装置)において、基準位置に球面収差補正レンズを押し当てることなく、正確な移動を可能にする。
【解決手段】球面収差補正レンズの動作完了時のタイミングで、その球面収差補正レンズの状態を記録する。これにより、常に球面収差補正レンズの最新の状態を記録媒体に保持することができ、前記記録媒体に保存された情報を用いて球面収差補正レンズの位置を確定することが出来る。よって、従来の押し当て方式を用いない球面収差補正レンズの駆動が可能である。
【選択図】図8

Description

本発明は、光情報記録媒体の情報を記録、再生するための光ピックアップを制御する半導体装置に関するものである。
近年、短波長青色半導体レーザーの実用化に伴い、DVD(デジタルバーサタイルディスク)の容量4.7GBに対して、25GB以上の大容量化を実現したBD(ブルーレイディスク)が普及している。大容量化を実現するために、従来の波長650nmの赤色半導体レーザーから波長405nmの青色半導体レーザーを採用することにより、ディスク上のレーザースポットを小さくすることと、ディスク上にレーザースポットを絞り込むために使われるレンズのNA(Numerical Aperture)をDVDの0.6から0.85に大きくすることにより、大容量化を実現している。
しかしながら、対物レンズの高NA化が図られると、理想的なレーザーの集光点と、光学系を通った実際のレーザーの集光点とのズレ(以下、球面収差という)の問題が顕著に生じる。実際、球面収差は光情報記録媒体(以下、光ディスクという)のカバー層厚誤差により生じるが、この球面収差はNAの4乗に比例する。つまり、従来のDVDより球面収差の課題が顕著に発生することになる。また、BD等の高NAを必要とする光ディスクでは、保護層の厚みの規格は0.1mmとされ、保護層の誤差の許容範囲は10μm以下とされているが、現状の光ディスク製造方法では、安定して10μm以下の厚み誤差とするには難しいため、光ピックアップは球面収差を補正する必要がある。
球面収差補正手段として、一般的には、球面収差補正レンズをメカニカルに動かす方式が主流となっている。球面収差補正レンズは、レーザー光源と対物レンズとの間に配置され、レンズ駆動装置により可動である。また、レンズ駆動装置は一般的にステッピングモータを利用して実現される。
通常、記録再生装置は、必ず光ディスクを記録再生する前に前記球面収差補正レンズを想定される最適な位置に移動させ、レーザーのスポット位置を暫定的に決定する。この動作を行わないと、例えば、球面収差補正レンズが再生可能範囲を大きく外れていた場合に、記録再生を行うことができないためである。
実際に光ディスクの記録再生を行う際には、球面収差補正レンズを微調整しながら記録再生を行う。これは、記録再生する前に移動した球面収差補正レンズの位置は暫定位置であるためで、実際はディスクのカバー層厚のばらつきで最適位置でない可能性があるためである。
BDには、DL(デュアルレイヤ)と呼ばれる方式があり、光ディスク表面から保護層を挟み、厚み0.75μmの位置にL1(レイヤ1)が、厚み0.1mmの位置にL0(レイヤ0)が存在するが、各々の層を再生する場合、球面収差補正レンズを各々の層位置に最適になるように移動する。つまり、記録再生中の球面収差補正レンズの位置は一意ではなく、常に変動するものである。
球面収差補正レンズを移動する手段としてステッピングモータを利用するが、前記した想定される最適な位置に移動するためには、先ず、現在の球面収差補正レンズの位置を知る必要がある。これは、現在の球面収差補正レンズの位置が判らないと、最適な位置までの距離が判らないため、移動させることが不可能であるためである。
現在の球面収差補正レンズの位置を知る手段として、従来では、球面収差補正レンズの位置センサを利用して位置を特定していた。これは、基準位置に球面収差補正レンズが到達すると、検出信号が発生し、制御装置に通知を行うものであり、通知が行われた地点で、球面収差補正レンズの位置を特定することが出来る。通常、位置センサは、フォトインタラプタを用いて形成されるのが一般的である。
しかしながら、光ピックアップのコストを抑えるため、前記した位置センサを削除したピックアップが存在する。そのようなピックアップを制御する装置においては、現在の球面収差補正レンズの位置が特定できない場合、球面収差補正レンズがこれ以上動かない位置であるメカ的な駆動限界位置を基準位置として利用する方式が一般的である。これは、球面収差補正レンズがどの位置に位置していたとしても、駆動限界位置に達することが確定出来る駆動量を与えることにより、駆動限界位置に達したことが断言できるため、位置を確定することが出来る(以下、この方式を押し当て方式という)。
しかしながら、駆動限界位置に達したことが確定できる駆動量は、駆動限界位置から一番遠い位置との距離であるため、仮に球面収差補正レンズが駆動限界位置に近い位置に位置していたとしても、それ以上の駆動量を与えることになる。これは、つまり、移動限界に達しているにも拘わらず更に駆動を与えるということになり、メカ的なストレスが発生し、駆動装置の寿命が低減する課題が発生する。また、処理が完了するまでに時間がかかってしまうという課題も発生する。このため、これらの課題に対応した処理方法が検討されている。
例えば、従来、特許文献1には、光ディスク記録再生装置において、光ディスクの排出時での球面収差レンズの位置を記憶しておき、次の再生時には、記憶しておいた位置を現在位置として採用し、目標の位置に移動する技術が記載されている。
特開2007−294053号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の技術を用いた球面収差レンズの制御方法では、ディスクを排出した時の球面収差補正レンズの位置情報を記録し、利用するが、再生中に装置の電源が落ちた場合、再生中の球面収差補正レンズの位置は一意ではないため、記録された球面収差補正レンズの位置情報と実際の球面収差補正レンズ位置情報とに不整合が生じ、従来の押し当て方式を利用しなければならないという課題があった。更に、位置情報の記録に失敗した場合、失敗したデータをそのまま使用するため、再生に不都合が生じるという課題があった。
本発明の目的は、前記した課題に着目してなされたものであり、その目的は、再生中に電源が落ちた場合でも、押し当て方式を利用せずに球面収差位置補正を行うことであり、また、記録された球面収差位置補正の状態の不定性を確認することにより、信頼性の高い処理を行うことにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、球面収差補正手段の動作後はその状態が不定になることに着目し、球面収差補正手段を動作させる直前においてその後の状態が不定であることを記録したり、球面収差補正手段の動作が完了した直後において、その完了直後の状態、例えば位置情報などを記録することにより、常に最新の球面収差補正手段の状態を保持する方式を採用する。
尚、球面収差補正手段の動作は記録再生の状態によっては頻発する可能性があり、かつ動作速度を要求されるものであるため、仮に球面収差補正手段の状態を記録する記録媒体に記録速度の制限がある場合、常に記録と球面収差補正手段の動作との同期を取ることが難しいケースが発生する。また、書き込みエラー等により記録したデータが正しくないケースも考えられる。そのような場合を想定して、記録媒体に記録された状態の不定性をチェックし、不定である場合はデータを採用せずに、従来の押し当て方式を利用する方式を採用する。
具体的に、請求項1記載の発明の半導体装置は、レーザーを照射するための光源を制御する光源制御手段と、前記光源と前記光源を集光させるための対物レンズとの間に配置された球面収差補正手段の動作を制御する動作制御手段と、前記球面収差補正手段の状態を記録する記録手段とを備えた半導体装置であって、前記球面収差補正手段を動作させる直前の状態を検出する検出手段を備え、前記検出手段による直前状態の検出後、任意のタイミングで前記球面収差補正手段の状態が不定であることを前記記録手段に記録することを特徴とする。
従って、請求項1記載の発明では、動作を開始してから終了するまでの間、球面収差補正手段は状態不定となるが、たとえこの状態で電源が切られた場合でも、その不定であることが記録されているので、記録再生装置は従来の押し当て方式を採用することが可能である。
請求項2記載の発明は、レーザーを照射するための光源を制御する光源制御手段と、前記光源と前記光源を集光させるための対物レンズとの間に配置された球面収差補正手段の動作を制御する動作制御手段と、前記球面収差補正手段の状態を記録する記録手段とを備えた半導体装置であって、前記球面収差補正手段を動作させる動作手段と、前記動作手段による前記球面収差補正手段の動作が完了した状態を検出する検出手段と、前記検出手段による完了状態の検出後、任意のタイミングで現在の前記球面収差補正手段の状態を前記記録手段に記録することを特徴とする。
従って、請求項2記載の発明では、球面収差補正手段の状態はその動作が完了した直後で確定しており、その状態が記録されているので、たとえこの状態で電源が切られた場合でも、記録再生装置は、記録媒体に記録された情報を元に、球面収差補正手段の動作を行うことができる。
請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の半導体装置であって、前記半導体装置が現在の球面収差補正手段の状態を認識できない場合に、前記記録手段に記録した球面収差補正手段の状態を取得する取得手段と、前記取得内容の不定性を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする。
従って、請求項3記載の発明では、記録再生装置が現在の球面収差補正手段の状態を認識出来ない場合に、記録媒体に記録された状態を取得して、その状態の使用前に、その状態が不定な情報かどうかを判断するので、処理の信頼性が向上する。
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の半導体装置であって、前記判断手段が不定であると判断した場合に、押し当て方式の球面収差状態初期化処理を行う初期化手段を備えたことを特徴とする。
従って、請求項4記載の発明では、記録媒体に記録された状態が不定であると判断した場合には、押し当て方式の球面収差状態初期化処理を行うので、たとえ記録媒体に記録された状態が不定な値であっても、正しく球面収差補正手段を制御でき、記録再生には影響しない。
請求項5記載の発明は、前記請求項3記載の半導体装置であって、前記判断手段が不定でないと判断した場合に、前記記録手段に記録された球面収差補正手段の状態を使用して前記球面収差補正手段の動作を制御することを特徴とする。
従って、請求項5記載の発明では、記録媒体に記録された状態が不定でないと判断した場合には、記録媒体に記録された球面収差補正手段の状態を使用して球面収差補正手段の動作を制御するので、毎回押し当て方式を実施する必要がなくなり、動作速度の向上と、メカ寿命の向上とが期待できる。
請求項6記載の発明は、前記請求項3記載の半導体装置であって、判断手段による不定な情報かどうかの判断方法を具体的に示しており、具体的には、不定性の判断の根拠として、前記請求項1記載の記録手段に不定であることの記録がされていた場合、記録されている位置情報がメカニカルなレンジを外れた不適切な値であった場合、又は、書き込みエラーでデータが壊れていることが確認された場合である。
請求項7記載の発明は、前記請求項3記載の半導体装置であって、判断手段による不定な情報かどうかの判断方法を具体的に示しており、具体的には、不定性の判断の根拠として、記録再生中に検出した球面収差量に基づいて、記録媒体に記録された球面収差補正手段の状態が正しいかどうかを判断し、正しくなかった場合は不定値として処理することが可能である。
以上説明したように、請求項1〜7記載の半導体装置によれば、電源投入時に、球面収差レンズを毎回基準位置に押し当てなくても位置を特定できるようにしたので、ピックアップの寿命を延ばすことができると共に、ディスク再生までの起動時間を短縮することが可能である。また、不意の電源OFF等が発生しても、常に正しい球面収差レンズ位置を特定でき、再生性能に影響することがない。
本発明の実施形態の光ディスク装置の全体構成を示す図である。 光ピックアップ、対物レンズ及び球面収差補正レンズ周りの構成を示す図である。 BD(ブルーレイディスク)の薄膜構成を模式的に表した図である。 球面収差補正レンズの位置調整の説明図である。 同光ディスク装置に備える制御装置の全体構成を示すブロック図である。 L0再生時の球面収差レンズ位置とプッシュプル信号振幅との関係を表した図である。 同制御装置に備える球面収差補正処理制御部の制御フローチャートを示す図である。 同制御装置に備える球面収差補正処理状態保存部に対する制御フローチャートを示す図である。
以下、本発明の実施形態の全体構成を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の光ディスク装置の一例を詳細に示す図である。
図1において、レーザピックアップは、対物レンズ10と、当該対物レンズ10を介してディスクに照射するレーザ光を発する光源としてのレーザダイオード11と、当該対物レンズに対してディスクDのトラック方向(同図に示した両矢印R2方向)の位置を調整することによりトラッキングを行なうトラッキングアクチュエータ(動作手段)12と、当該対物レンズ10に対してフォーカス方向(同図に示した両矢印R1方向)の位置を調整することにより対物レンズ10を介して得られる反射光の焦点を調整するフォーカスアクチュエータ(動作手段)13と、対物レンズ10を介して得られた反射光を受光信号に変換して制御装置16に送信する光検出器14と、レーザピックアップの本体をディスクDのトラック方向にトラックジャンプさせるために移動させるピックアップ送り機構15と、球面収差補正レンズ送り機構17を備えている。ピックアップ送り機構15と、球面収差補正レンズ送り機構17には、各々、本体を移動させるためのスレッドモータ(図示せず)が備えられており、制御装置16によってピックアップ送り機構15と球面収差補正レンズ送り機構17とに駆動信号が伝達される。
図2は、光ピックアップ及び対物レンズ10のフォーカス駆動に関する構成の一例を詳細に示す図である。レーザーダイオード11から発射されたレーザー光がハーフミラー101を介し、球面収差補正レンズ(球面収差補正手段)102に入力される。球面収差補正レンズ102を介すことにより、レーザースポットの球面収差が補正される。その後、対物レンズ10を通過することにより焦点を得る。対物レンズ10は前記フォーカスアクチュエータ13により下方から上方に移動することができ、光ディスクDの反射層にレーザー焦点が来る対物レンズ10の位置において反射光を得ることが出来る。得られた反射光はハーフミラー101を介し、受光素子部14にて反射光を受光信号に変換して制御装置16に送信する。球面収差補正レンズ102の送り機構17はステッピングモータであり、このモータを回転させることにより、球面収差補正レンズ102を光学経路に沿って移動することが出来る。また、球面収差補正レンズ送り機構17には、球面収差補正レンズ移動限界104が存在し、この移動限界104以上は移動できないような仕組みになっている。押し当て方式を行う場合は、球面収差補正レンズ送り機構17を十分駆動させることによって、球面収差補正レンズ102を球面収差補正レンズ移動限界104に押し当てる。そうすることによって、球面収差補正レンズ102は球面収差補正レンズ移動限界104の位置に位置していると断定することが出来る。
図3は、BDディスクの薄膜構成を模式的に表している。BD1層ディスク120は、ディスク入射面124より、カバー層123を挟んで、0.1mmの位置にL0記録面122が形成される。更に、その上部1.1mmにポリカーボネート基板121が形成される。また、BD2層ディスク125は、ディスク入射面129より、カバー層130を挟んで、0.75mmの位置にL1記録層128が形成され、更にその上部にカバー層127が形成され、L1記録層128より0.25mm上部にL0記録面122が形成され、更にその上部にポリカーボネート基板121が形成される。
そのため、前記の通り、L0記録面122のカバー層123の厚みは0.1mm、L1記録面128のカバー層130の厚みは0.75mmであるが、球面収差は光ディスクのカバー層厚誤差により生じ、この球面収差はNAの4乗に比例するため、レイヤ違いによるカバー層厚の違いはBDにおいては無視できない。そのため、図4に示す通り、L0を再生する場合は、球面収差補正レンズ102をL0カバー層の最適位置110に移動してからL0の再生を行い、L1を再生する場合は、L1カバー層の最適位置111に移動してからL1の再生を行う。そのため、層によって球面収差補正レンズ102の位置を切り替える必要がある。
図5は、制御装置16の全体構成を示すブロック図である。同図において、150は制御装置に含まれる半導体装置を表している。光ディスク信号処理装置に光ディスクDが装着されると、サーボ制御部160は球面収差補正処理制御部159に、球面収差補正レンズをL0位置に移動するように指示を出す。球面収差補正処理制御部(動作制御手段)159は、現在の球面収差補正レンズ102の位置を認識しているかどうかを判断し、もし認識していない場合には、球面収差補正処理状態読み取り部(取得手段)158より最新の球面収差補正処理の状態を受け取る。球面収差補正処理制御部(判断手段及び初期化手段)159は、もし受け取った内容が不定を示していた場合、球面収差補正レンズ送り駆動出力部152に対して、押し当て方式による球面収差状態初期化処理を指示し、位置を確定する。一方、受け取った内容が不定ではなかった場合は、受け取った内容を現在の球面収差補正レンズ位置として採用する。その後、現在の位置とL0までの位置の距離を算出し、その距離分を移動するように球面収差補正レンズ送り駆動出力部152に指示する。球面収差補正レンズ送り駆動出力部152は、球面収差補正レンズ送り機構17を駆動させるための信号を出力する。また、球面収差補正レンズ送り駆動出力部152(検出手段)は、球面収差補正レンズを移動する直前又は移動の完了時を検出し、この移動の直前で又は移動の完了後に、球面収差補正処理状態保存部(記録手段)151に対してそのときの状態を記録するように指示する。球面収差補正処理状態保存部151は、指示された内容を記録媒体161に任意のタイミングで保存する。このようにして、記録媒体161に最新の球面収差補正処理の状態を記録し、その情報を利用して押し当て方式を利用せずに、L0までの球面収差補正レンズ102の移動を可能にしている。
その後、L0までの球面収差補正レンズ102の移動が完了すると、実際に再生が出来る環境が整う。サーボ制御部(光源制御手段)160は、ピックアップ送り駆動出力部153、レーザー駆動出力部157、ディスクモータ駆動出力部156、フォーカスドライブ出力部155、トラッキングドライブ出力部154を制御して、光ディスクからデータを読み込む。
前記光ディスクからデータを読み込む段階で、球面収差量検出制御部162は、球面収差量を検出することが出来る。もし検出した球面収差量が想定される収差量以上であった場合には、サーボ制御部160は、記録媒体161に記録された球面収差補正処理の状態が誤った情報であったと判断することが出来る。誤った情報だと判断した場合、サーボ制御を停止し、正しい移動量を球面収差補正レンズ送り駆動出力部152に指示した後、再びサーボ制御を開始する。
次に、球面収差量検出制御部162に関して詳しく説明する。サーボ制御中、光検出器14から検出される信号と球面収差量とには相関がある。例を挙げて言えば、光検出器14から生成される一般的な制御信号の一つに、プッシュプル信号と呼ばれる対物レンズ10のR2方向を制御するための制御信号があるが、プッシュプル信号の振幅は球面収差量と相関があることが広く知られている。図6は、L0再生時の球面収差レンズ位置とプッシュプル信号振幅との関係を表している。もし記録媒体161に記録された球面収差補正処理の状態が間違っていた場合、球面収差補正レンズ102はL0最適位置110にはいない。その状態でサーボ処理を開始すると、プッシュプル信号の振幅は出てこないことになり、球面収差が多く存在することが判る。プッシュプル信号の振幅を利用して、球面収差量検出制御部162では球面収差量を検出することが出来る。言い換えると、プッシュプル信号の振幅が出てこない場合は、球面収差補正レンズ102の位置が間違っていると判断することが出来る。尚、本実施形態では、プッシュプル信号の振幅を例に説明したが、光検出器14からの信号品質や、対物レンズ10のR1方向を制御するためのフォーカスエラー信号振幅の誤差を利用して判断することも可能である。
図7は、制御装置16における球面収差補正処理制御部159の制御フローチャートを示した図である。光ディスクDが装着されると、ステップS100において、保存された前回の球面収差位置を記録媒体161より取得する。ステップS101において、書かれている情報が不定かどうかを判断する。不定と判断する根拠は、例えば、球面収差補正処理状態保存部151に不定の値が記録されていたり、予め定めた球面収差補正レンズ駆動範囲の範囲外の値が書かれていたり、書き込みエラーを検出したり、球面収差量検出制御部162で検出した球面収差量等である。
図7のステップS101において、情報が不定でないと判断された場合は、ステップS102により、記録された球面収差補正処理の位置情報と、L0までの位置情報とから、駆動すべき駆動量を算出し、ステップS104により球面収差補正処理制御部159に対して駆動指示を出す。
ステップS101において、情報が不定であると判断された場合は、ステップS103により、従来の押し当て方式で球面収差の位置を確定し、L0までの位置を駆動量として、ステップS104により球面収差補正レンズ送り駆動出力部152に対して駆動指示を出す。
図8は、制御装置16における球面収差補正処理状態保存の制御フローチャートを示す。同図では、ステップS102において、球面収差補正レンズ送り駆動出力部152が球面収差補正レンズ102を移動させる直前に、球面収差補正処理状態保存部151に不定の値を記録するように指示する。これは、球面収差補正レンズ102の移動を開始すると、状態が不定になってしまうためである。
次に、ステップS111において、球面収差補正レンズ送り駆動出力部152は球面収差レンズの移動を開始する。
その後、ステップS112において、球面収差補正レンズ送り駆動出力部152は球面収差レンズの移動終了を確認する。
ステップS113において、球面収差レンズの移動が完了すると、球面収差補正処理状態保存部151に現在の球面収差補正レンズ102の状態を記録するように指示する。
以上説明したように、本発明は、電源投入時に、球面収差レンズを毎回基準位置に押し当てなくても、その位置を特定できるので、ピックアップの寿命を延ばしたり、ディスク再生までの起動時間を短縮できる光ディスク装置として有用である。
10 対物レンズ
11 レーザダイオード(光源)
12 トラッキングアクチュエータ(動作手段)
13 フォーカスアクチュエータ(動作手段)
14 光検出器
16 制御装置
17 球面収差補正レンズ送り機構
102 球面収差補正レンズ(球面収差補正手段)
151 球面収差補正処理状態保存部(記録手段)
152 球面収差補正レンズ送り駆動出力部(検出手段)
158 球面収差補正処理状態読み取り部(取得手段)
159 球面収差補正処理制御部
(動作制御手段、判断手段及び初期化手段)
160 サーボ機構(光源制御手段)
161 記録媒体
162 球面収差検出制御部

Claims (7)

  1. レーザーを照射するための光源を制御する光源制御手段と、
    前記光源と前記光源を集光させるための対物レンズとの間に配置された球面収差補正手段の動作を制御する動作制御手段と、
    前記球面収差補正手段の状態を記録する記録手段とを備えた半導体装置であって、
    前記球面収差補正手段を動作させる直前の状態を検出する検出手段を備え、
    前記検出手段による直前状態の検出後、任意のタイミングで前記球面収差補正手段の状態が不定であることを前記記録手段に記録する
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. レーザーを照射するための光源を制御する光源制御手段と、
    前記光源と前記光源を集光させるための対物レンズとの間に配置された球面収差補正手段の動作を制御する動作制御手段と、
    前記球面収差補正手段の状態を記録する記録手段とを備えた半導体装置であって、
    前記球面収差補正手段を動作させる動作手段と、
    前記動作手段による前記球面収差補正手段の動作が完了した状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による完了状態の検出後、任意のタイミングで現在の前記球面収差補正手段の状態を前記記録手段に記録する
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の半導体装置であって、
    前記半導体装置が現在の球面収差補正手段の状態を認識できない場合に、前記記録手段に記録した球面収差補正手段の状態を取得する取得手段と、
    前記取得内容の不定性を判断する判断手段とを備えた
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 前記請求項3記載の半導体装置であって、
    前記判断手段が不定であると判断した場合に、押し当て方式の球面収差状態初期化処理を行う初期化手段を備えた
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記請求項3記載の半導体装置であって、
    前記判断手段が不定でないと判断した場合に、前記記録手段に記録された球面収差補正手段の状態を使用して前記球面収差補正手段の動作を制御する
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 前記請求項3記載の半導体装置であって、
    前記判断手段は、不定性の判断の根拠として、前記請求項1記載の記録手段の不定であるとの記録内容、記録された球面収差補正手段の状態の範囲、又は書き込みエラー検出を使用する
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 前記請求項3記載の半導体装置であって、
    前記判断手段は、不定性の判断の根拠として、記録再生中に検出した球面収差量を使用する
    ことを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014182841A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Toshiba Alpine Automotive Technology Corp 光ディスク装置

Cited By (1)

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JP2014182841A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Toshiba Alpine Automotive Technology Corp 光ディスク装置

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