JP2010261075A - 防錆剤、防錆処理方法、及びその除去方法 - Google Patents

防錆剤、防錆処理方法、及びその除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境負荷が少なく安全性の高い防錆剤を提供すること、この防錆剤を用いた防錆層の作成方法を提供すること、及び前記防錆層を容易に除去できる洗浄方法を提供すること。
【解決手段】 カテキン類組成物と非イオン性界面活性剤とを含有する防錆剤を用いて金属表面を被覆処理することで、良好な防錆層を形成できる。この防錆層は、耐水性を示し、必要な場合にはアルカリまたは酸を含有する洗浄剤によって容易の除去できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カテキン類組成物と界面活性剤を含む防錆剤等に関し、この防錆剤を用いた防錆処理方法等に関する。本発明で得られる防錆処理層は極めて薄く、環境にやさしく、防錆、耐久性に優れる。また、本発明は、この防錆処理層を必要に応じて容易に除去可能な方法に関する。
一般的に鉄を代表とする金属加工製品は、加工後に防錆剤を用いた防錆処理を行う必要がある。また、複数の工程を経て製造される金属加工製品は、加工工程中から錆の発生を防止し、或いは二次加工を行うまでの短期間の防錆を目的とした防錆処理を施さなければならない。前加工での防錆剤が次加工に悪影響がある場合は、先の防錆剤を除去しなければ、次加工を行うことが出来ない場合がある。
防錆剤は、金属表面を油脂類やイオン性界面活性剤で十分に覆えるだけ添加しなければならいが、皮膚との接触や、拭取り、水滴の付着などに対して十分な防錆性が得られ難い。また、一度付着させた防錆剤を除去する為に、有機溶剤や水溶性洗浄剤を用いた洗浄処理が行われる。ところが、防錆剤や洗浄剤は生分解性に乏しいことが多く、廃棄物処理に多大な能力が必要となる。
十分な防錆性を得る為には、防錆処理を施す金属表面に対し十分な親和性を持つ強固な防錆層を形成し、水滴や拭取りなどに耐える必要がある。一方、防錆能力と共に環境に配慮した安全でかつ分解性の良好なものが求められている。
上記要請を満足するために、天然物由来の防錆処理に関する開発が行われている(特許文献1〜特許文献5)。例えば、天然物由来の金属の防錆処理法としては、タンニン、カテキンといった抗酸化作用を持つといわれるポリフェノール類を使用した例がある。タンニンを使用する方法としては、金属表面に大量のタンニンをバインダーと共に付着させる方法、カテキン水溶液に長時間浸漬する方法、金属表面を改質しタンニン類を添加する工程を複数回行うもの、すでに発生した赤錆等を除去するための方法などがある。
特開2000−136325号公報 特開2007−39776号公報 特開2004−346404号公報 特開2001−98392号公報 特開平11−114550号公報
上記の様に、防錆処理剤として、安全な植物等の天然物由来の物質を使用すると防錆処理に時間が掛かり、防錆層が厚くなってしまうことに加え、除去性は考慮されていない。このため、一時防錆、特に加工工程間の塗装や、溶接などの前に、防錆剤を除去するといったことに対して、満足のいく作業性、防錆性が得られず、実用化が難しかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、天然植物由来のカテキン類組成物と食品添加物としても使用可能な非イオン性界面活性剤からなる水系エマルジョンとを含有する防錆剤を提供すること、この防錆剤を用いた防錆方法を提供すること、及び本発明により作成された防錆層を容易に除去可能な方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カテキン類と界面活性剤とを含有する組成物を防錆剤として用いた場合には、水滴の付着や、接触などに耐久性がある防錆層が形成されること、及び必要に応じて、その防錆層を容易に除去できる方法を見出すことに成功し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、上記目的を達成するための第1の発明に係る金属の防錆方法は、カテキン類と非イオン性界面活性剤と分散剤とを含む混合液を鉄表面に付着させた後に乾燥させて、金属表面に防錆層を形成することを特徴とする。
本発明においては、前記カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及びこれらの誘導体、立体異性体等の非重合体カテキン及びそれらの重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物で茶由来であり、カテキン類が0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
また、前記非イオン性界面活性剤が、高級アルコール(C10〜C18、飽和、不飽和、直鎖、分岐)のエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの付加数が2〜40モル)HLBが7から19、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、グリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、ポリグリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、炭水化物と高級脂肪酸のエステル化物からなる誘導体であって、HLBが7〜19の内より選ばれる1つ或いは2つ以上を組み合わせたものを0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
また、防錆層の洗浄方法は、上記防錆方法により形成された防錆層をアルカリ溶液または酸性溶液で除去することを特徴とする。このとき、前記アルカリ溶液が、pH9−14のアルカリ性水溶液であることが好ましい。また、前記酸性溶液が、pH4以下の酸性溶液であることが好ましい。
第2の発明に係る防錆剤は、カテキン類と非イオン性界面活性剤とを含有する防錆剤であって、前記カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及びこれらの誘導体、立体異性体等の非重合体カテキン及びそれらの重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物で茶由来であり、金属表面に防錆層を形成させるときのカテキン類の濃度が0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする。
本発明において、前記非イオン性界面活性剤が、高級アルコール(C10〜C18、飽和、不飽和、直鎖、分岐)のエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの付加数が2〜40モル)HLBが7から19、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、グリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、ポリグリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、炭水化物と高級脂肪酸のエステル化物からなる誘導体であって、HLBが7〜19の内より選ばれる1つ或いは2つ以上を組み合わせたものであり、金属表面に防錆層を形成させるときの非イオン性界面活性剤の濃度が0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
カテキンが有するフェノール性水酸基は、金属イオンと容易に水不溶性の錯体を形成し、金属表面に吸着することでカテキン金属錯体の緻密な層を形成する。加えて、カテキンのフェノール性水酸基が、界面活性剤に含まれる親水性のアルコール性水酸基・カルボニル基・グリコールエーテル基などの酸素原子と水素結合することで、両親媒性の界面活性剤を見かけ分子量の極めて大きい親油性の擬似ワックス化させる。この疑似ワックスが、カテキン金属錯体の緻密な層の上に、カテキン類と界面活性剤の凝集による親油性の強い保護層を形成する。このようにして形成された防錆層は、青色から紫色の干渉色を呈することから、極めて薄いことを示している。干渉色を示す防錆層は、カテキン類による金属錯体形成、イオン結合、水素結合、収斂性などの作用により、水滴の付着や、接触、拭取りなどに耐久性のある防錆力を示す。
防錆剤には、防錆処理された金属製品の防錆層が、保管貯蔵中や輸送中の環境下で劣化、脱落しないことが求められる。このため、本発明に係る防錆層の除去方法には、防錆層が遭遇しない条件で除去が可能となる必要がある。防錆効果の目的が完了した防錆層は、特定の条件を有する洗浄剤に対して、浸漬や拭取りによって容易に除去することができ、洗浄剤や除去された防錆剤ともに、排水処理や環境に対し負荷が少なく、操作、作業時間共に簡易で安全な作業性が得られる。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
本願発明におけるカテキン類組成物とは、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及びこれらの誘導体、立体異性体等の非重合体カテキン及びそれらの重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
カテキン類組成物の由来としては天然の植物であり、その具体例として、チャ等のツバキ科植物、ブドウ等のブドウ科植物、コーヒー等のアカネ科植物、カカオ等のアオギリ科植物、ソバ等のタデ科植物、グーズベリー、クロフサスグリ、アカスグリ等のユキノシタ科植物、ブルーベリー、ホワートルベリー、ブラックハクルベリー、クランベリー、コケモモ等のツツジ科植物、赤米、ムラサキトウモロコシ等のイネ科植物、マルベリー等のクワ科植物、エルダーベリー、クロミノウグイスカグラ等のスイカズラ科植物、プラム、ヨーロッパブラックベリー、ローガンベリー、サーモンベリー、エゾイチゴ、セイヨウキイチゴ、オオナワシロイチゴ、オランダイチゴ、クロミキイチゴ、モレロチェリー、ソメイヨシノ、セイヨウミザクラ、甜茶、リンゴ等のバラ科植物、エンジュ、小豆、大豆、タマリンド、ミモザ、ペグアセンヤク等のマメ科植物が挙げられ、これらの植物に応じて果実、果皮、花、葉、茎、樹皮、根、塊根、種子、種皮等の部位が任意に選ばれる。
カテキン類組成物は、上記の植物より、公知の方法、例えば、熱水、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等から選ばれる1種又は2種以上の溶媒により抽出することができる。中でも、効果の点より、ツバキ科植物であるチャより抽出して得られるカテキン類組成物が好ましい。チャは大別して、不発酵茶と半発酵茶と発酵茶に分類される。
不発酵茶は、煎茶、玉露、抹茶、玉緑茶、番茶等の蒸し茶や、玉緑茶や中国緑茶等の釜炒り茶があげられ、半発酵茶には、例えばウーロン茶等があげられ、発酵茶には、例えば紅茶等が挙げられる。特に限定するものではないが、半発酵茶と発酵茶は、非重合体カテキンの割合が小さく、効果が弱くなるため、不発酵茶が好ましく、中でも、緑茶より抽出して得られたカテキン類組成物が更に好ましい。
カテキン類組成物を得る方法しては、特に限定するものではなく、例えば、チャを粉砕したものを、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分、あるいは、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分に酢酸エチルやアセトンを加えて分画したときの酢酸エチルやアセトン画分より得ることができる。好ましくは、茶葉又は茶葉を粉砕したものを、水又は熱水より抽出した画分に酢酸エチル又はアセトンを加えて分画したときの酢酸エチルやアセトン画分より得る方法である。
市販品として入手可能なサンフェノン(太陽化学株式会社製)、テアフラン(株式会社伊藤園製)、ポリフェノン(東京フードテクノ株式会社製)等のカテキン含有素材も使用できる。
カテキン類組成物の非重合体カテキン含量については40%以上であればよく、効果の点より、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
カテキン類組成物の(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類の含有重量比[(A)/(B)]は、0.7以上であり、好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上である。
カテキン類組成物の総ポリフェノール類に対する非重合体カテキン類の比率が低すぎると、被覆金属の処理過程において非重合体カテキン類以外の成分等が多く含まれてしまい、防錆に必要な十分な厚さの皮膜を金属表面に形成することができなくなるという問題がある。
ここで総ポリフェノール類とは、酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸エチルの換算量として求める方法(既存添加物第3版チャ抽出物中のポリフェノール含量測定法)によって定量される成分のことをいう。
本発明に係る金属表面被覆に用いるカテキン類組成物溶液のカテキン濃度は、特に限定するものではないが、好ましくは0.001%〜40%であり、より好ましくは0.05〜20%、更に好ましくは0.05〜10%である。この範囲未満では、皮膜の形成が十分でない場合があり、この範囲を超えるとカテキン類組成物が十分に溶解せず、皮膜の形成能の低下がおこり、防錆性が劣ることがある。
本発明の界面活性剤組成物として用いられる非イオン性界面活性剤には、グリセリン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールと脂肪酸がエステル結合したものや高級アルコールやアルキルフェノール、ポリプロピレングリコール等の水酸基をもつ原料に酸化エチレンを付加させたものや、酸化エチレンと酸化プロピレンをブロック付加、或いはランダム付加したもの等であり、脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加させたものや、脂肪酸にグリセリンを付加したもの等がある。
HLBで示せば、そのHLB値が7から19の範囲の非イオン性界面活性剤が使用することが出来る。HLB値が7よりも小さい場合は、カテキンとの相互作用により凝集し、防錆処理液が分離し易く使用が難しい。逆にHLB値が19を超えるものは、先に示した防錆作用機構において、吸湿性、水に対する溶解性が増大し期待した防錆効果が得られにくくなる。好適には、HLB値が8から13程度が望ましい。
使用する非イオン系界面活性剤の種類は特に限定するものではないが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたものが、生分解性、安全性、乳化力の面から好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの中でも、ポリグリセリンの重合度が1〜3で中鎖脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステルが更に好ましい。使用する界面活性剤には、除去後排出される際、容易に分解する或いは、毒性が無いものをすべきであって、食品添加物として認可されている界面活性剤を使用することが更に望ましい。
溶媒はコストや操業性、環境汚染防止性等を総合的に考慮して水が一般的であるが、必要によっては、アルコール類等の有機溶剤を適使用することができる。
この時のアルコール類としては、一価アルコール、多価アルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール等が挙げられる。その他の溶媒として、水溶性のアセトン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、DMSO、DMF、DMA、THF、ピリジン類、モルホリン類、ピロリドンなどや、水不溶性の揮発性有機溶媒も添加することが出来る。
金属表面への添加方法は、特に限定するものではなく、一般に公知の方法、例えば、ロールコート、エアースプレー、エアーレススプレー、ディッピング、カーテンフローコーター、刷毛塗り、静電気塗装、浸漬等が採用でき、好ましくはスプレー又は浸漬処理であり、より好ましくは浸漬処理である。浸漬時間は特に限定するものではないが、1分以下の浸漬時間を確保すれば十分に目的を果たすことができるが、好ましくは1〜10秒であり、より好ましくは1〜5秒である。時間が短いと細部の加工液の浸透が十分でない場合があり、これ以上に時間が長くなっても被覆量はあまり増加しない。その後、熱風、誘導加熱、近赤外、遠赤外等の加熱又は自然乾燥によって乾燥と防錆処理層の定着がなされる。金属の乾燥・定着温度及び乾燥時間は、特に限定するものではないが、常温以上の温度を確保すれば充分に目的を果たすことができる。好ましくは常温から180℃以下、より好ましくは60℃〜120℃であり、金属表面に付着した防錆処理液の溶媒部分の蒸発が完了すればよい。
本発明は、上記成分のほかに、本発明の効果を阻害しない程度に、必要に応じて他の添加剤、例えば分散剤、増粘剤、イオン性界面活性剤、防カビ剤、殺菌剤等を添加してもよい。また、金属とカテキン誘導体との反応を促進する、反応促進剤として、pH調整剤等を適量含有させることも可能である。pH調製剤としては、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の塩類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、等が挙げられる。
また、金属とカテキン誘導体の密着性を向上させる目的でキレート剤を適量含有させることも可能である。キレート剤としては、例えばクエン酸、エチレンジアミン酢酸、エチレンジアミン酢酸二ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシルエチレンジアミン三酢酸等が挙げられる。
防錆層の除去方法としては、カテキン鉄錯体とカテキン界面活性剤の凝集物を再度水溶化し洗浄除去にするために、pH7−14の水溶液を用いる。好適にはpH9−12の水溶液が好ましい。pHを塩基性にする為のアルカリ剤としては、特に限定はしないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような水酸化物、アンモニア水、モノエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの塩基性窒素化合物、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどの塩基性無機塩、グルコン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムなど塩基性有機酸塩が使用できる。更に、ポリアクリル酸ナトリウム、EDTA-Na、有機リン酸エステルなどキレート剤を添加することも出来る。また、脂肪酸や高級アルコールのポリエチレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸化物、合成アルコールの硫酸エステル、アルキルリン酸化物、合成アルコールのリン酸エステルなどの中性洗剤、アルキルアミン塩の様なカチオン性の逆性石鹸などを添加することも出来る。
その他洗浄方法として、クエン酸、酢酸、蟻酸、酒石酸、グルコン酸などの有機酸や、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸から、1つまたは2つ以上を混合して添加した水溶液や、それにメタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなど水溶性の有機溶剤、界面活性剤などを添加したpH4以下の溶液を用い防錆層を除去、洗浄することが出来る。そのほかに、洗浄剤には、必要に応じて他の添加剤、例えば分散剤、増粘剤、イオン性界面活性剤、防カビ剤、殺菌剤等を添加してもよい。また、カテキン錯体の溶解反応を促進する、反応促進剤として、キレート剤を適量含有させることも可能である。キレート剤としては、例えばクエン酸、エチレンジアミン酢酸、エチレンジアミン酢酸二ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシルエチレンジアミン三酢酸等が挙げられる。
洗浄方法としては、特に限定するものではないが、洗浄液に浸漬し溶解除去するか、或いは、洗浄液を浸透させた布帛などで、拭取るのが好ましい。このましくは、処理物に対し十分な量の洗浄液に浸漬し超音波を照射する、或いは洗浄液を攪拌や循環を行いことが望ましい。浸漬や拭取り後の金属表面は必要に応じて、水、湯、有機溶媒などで濯ぎ、清浄な金属表面を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
防錆試験には、脱水したイソプロピルアルコール(IPA)に1時間浸漬後、ペーパータオルで拭取りを行い、ついでアセトン洗浄と拭取りを行った洗浄済みSPCC鋼板を試験鋼板として用いた。0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学、食品添加物)とを防錆剤として含有する水溶液に、試験鋼板を室温で5秒間浸漬した。ついで室温内に2分間吊り下げ余分な防錆処理液を切った後、ヘアードライヤーの温風で加熱乾燥をおこなった。乾燥後防錆処理を行った試験鋼板(SPCC鋼板)の表面には、青から青紫色の干渉色を示す防錆層が認められた。
防錆能力の評価として、約0.3mlの蒸留水を防錆処理した鋼板上に滴下し、室温(約25℃)で放置し、発錆の有無を観察した。50℃飽和水蒸気下に放置し、24時間後の発錆の有無を観察した。
<実施例2>
実施例1の防錆処理液の温度を50℃にし、以下同様の試験を行った。
<実施例3>
防錆剤として、1.0質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.1質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例4>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ペグノールA120、東邦化学工業)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例1>
実施例1に示した試験鋼板の防錆能力を評価した。
<比較例2>
実施例1に示した試験鋼板を、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)水溶液に実施例1と同様の処理を施し、防錆能力の評価を行った。
<比較例3>
実施例1に示した試験鋼板を、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学、食品添加物)水溶液に実施例1と同様の処理を施し、防錆能力の評価を行った。
<実施例5>
実施例1と同様の処理を施した防錆処理済み試験鋼板を0.1M 水酸化ナトリウム水溶液に室温にて浸漬し、防錆層の除去を行った。
<実施例6>
実施例1と同様の処理を施した防錆処理済み試験鋼板を0.1M クエン酸、50mM 塩酸水溶液に室温にて浸漬し、防錆層の除去を行った
<比較例4>
実施例1と同様の処理を施した試験鋼板を蒸留水に室温にて浸漬し、防錆層の除去ができるか否かの評価を行った。
<実施例7>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(サンソフトNo.760、太陽化学、HLB値:6.5、モノカプリン酸グリセリル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例8>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(サンソフトQ-12D、太陽化学、HLB値:8.5、モノラウリル酸ジグリセリン)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例9>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(サンソフトQ-10D、太陽化学、HLB値:9.5、モノカププリル酸ジグリセリル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例10>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(サンソフトQ-17S、太陽化学、HLB値:12、モノオレイン酸デカグリセリル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例11>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ペポールB-184、東邦化学工業、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例12>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ソルボンS-80、東邦化学工業、HLB値:4.3)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例13>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ソルボンT-20、東邦化学工業、HLB値:16.7)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例14>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ペグノール 14-O、東邦化学工業、HLB値:11.5、モノオレイン酸ポリエチレングリコール8モル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例15>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ペグノール O-16A、東邦化学工業、HLB値:14.5、ポリオキシレチレンオレイルエーテル16モル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例16>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(ペグノール L-4、東邦化学工業、HLB値:9.7、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4モル)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例17>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを10%メタノール水溶液に溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例18>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを10%のt-ブタノール水溶液に溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例19>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを10mMの酢酸緩衝液(pH5.5)の水溶液に溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例20>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)との水溶液に5秒間浸漬した。ついで室温内に2分間吊り下げ静置し、余分な防錆処理液を蒸留水で洗浄したのち室温ブロー乾燥を行った以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例21>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)との水溶液を刷毛で洗浄したSPCC鋼板に塗布し、ついで室温内に2分間吊り下げ静置し、余分な防錆処理液を蒸留水で洗浄したのち室温ブロー乾燥を行った以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例5>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.01質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例6>
防錆剤として、0.05質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例7>
防錆剤として、10質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、2.0質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例8>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とをメタノールに溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例9>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とをt-ブタノールに溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例10>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)とを100mMのクエン酸緩衝液(pH5.5)の水溶液に溶解した以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例22>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%硫酸水溶液(pH1.6)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例23>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%クエン酸水溶液(pH3.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例24>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、0.3%蟻酸・2%セレッシュPA-30(北広ケミカル、ホスホン酸系キレート剤)水溶液(pH3.5)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例25>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%クエン酸・クエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例26>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%クエン酸3ナトリウム水溶液(pH8.9)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例27>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、0.1%炭酸水素ナトリウム・炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例28>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、0.1%EDTA・水酸化ナトリウム水溶液(pH11.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例29>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、0.1%EDTAと0.1%水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウム緩衝液(pH12.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<実施例30>
防錆剤として、10.0質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、0.05質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)との水溶液に5秒間浸漬した。ついで室温内に2分間吊り下げ静置し、余分な防錆処理液を蒸留水で洗浄したのち室温ブロー乾燥を行った以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<実施例31>
防錆剤として、0.5質量%のカテキン(サンフェノンDK、太陽化学、カテキン類90%)と、10.0質量%の界面活性剤(チラバゾールW−02、太陽化学)との粘調な水溶液に5秒間浸漬した。ついで室温内に2分間吊り下げ静置し、余分な防錆処理液を蒸留水で洗浄したのち室温ブロー乾燥を行った以外は、実施例1と同様の試験を行った。
<比較例11>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%酢酸・酢酸トリウム緩衝液(pH5.0)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<比較例12>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%食塩水液(pH6.5)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<比較例13>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、1%炭酸水素ナトリウム水溶液(pH7.6)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<比較例14>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、0.1%クエン酸ナトリウム液(pH8.7)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
<比較例15>
実施例1と同様の処理を施した青色干渉色を示す防錆処理済み試験鋼板に対して、2%セレッシュPA-30(北広ケミカル、ホスホン酸系キレート剤)水溶液(pH6.6)を含ませたペーパータオルを用い、室温にて拭取ることによって防錆層の除去を行った。
結果を表1及び表2に示した。
Figure 2010261075
Figure 2010261075
表1に示すように、比較例2及び比較例3では、未処理の試験鋼板(比較例1)に比べると防錆効果が認められたものの、十分な効果ではなかった。一方、実施例1〜実施例4では、十分な防錆効果が認められたことから、良好な防錆層が形成されたことが分かった。このことから、良好な防錆層を形成するためには、カテキン類のみ、又は界面活性剤のみでは不十分であり、カテキン類と界面活性剤との両者を含有させることが必要であることが分かった。
また、表2の比較例4に示すように、蒸留水に浸漬するだけでは防錆層を除去できなかった。一方、実施例5の0.1M 水酸化ナトリウム、または実施例6の 0.1M クエン酸、50mM 塩酸水溶液を防錆層除去水として用いた場合には、良好に防錆層を除去できることが分かった。
表1に示すように、実施例12では沈殿物が発生し、外観についても不均一であったが、その他の実施例7〜実施例11及び実施例13〜実施例21では、十分な防錆効果が認められた。
表1に示すように、比較例5〜比較例10では、十分な防錆性を発揮できなかった。
また、表2に示すように、実施例5、6、22〜25、27〜29では、浸漬または拭取りにより、防錆層を簡単に除去できた一方、比較例では防錆層を除去でないため金属面が回復しなかった。
このように本実施形態によれば、天然植物由来のカテキン類組成物と食品添加物としても使用可能な非イオン性界面活性剤からなる水系エマルジョンとを含有する防錆剤、この防錆剤を用いた防錆方法、及び防錆層を容易に除去可能な方法を提供できた。

Claims (8)

  1. カテキン類と非イオン性界面活性剤と分散剤とを含む混合液を鉄表面に付着させた後に乾燥させて、金属表面に防錆層を形成することを特徴とする金属の防錆方法。
  2. 前記カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及びこれらの誘導体、立体異性体等の非重合体カテキン及びそれらの重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物で茶由来であり、カテキン類が0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の防錆方法。
  3. 前記非イオン性界面活性剤が、高級アルコール(C10〜C18、飽和、不飽和、直鎖、分岐)のエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの付加数が2〜40モル)HLBが7から19、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、グリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、ポリグリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、炭水化物と高級脂肪酸のエステル化物からなる誘導体であって、HLBが7〜19の内より選ばれる1つ或いは2つ以上を組み合わせたものを0.01質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の防錆方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の防錆方法により形成された防錆層をアルカリ溶液または酸性溶液で除去することを特徴とする防錆層の洗浄方法。
  5. 前記アルカリ溶液が、pH9−14のアルカリ性水溶液であることを特徴とする請求項4に記載の防錆層の洗浄方法。
  6. 前記酸性溶液が、pH4以下の酸性溶液であることを特徴とする請求項4に記載の防錆層の洗浄方法。
  7. カテキン類と非イオン性界面活性剤とを含有する防錆剤であって、前記カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及びこれらの誘導体、立体異性体等の非重合体カテキン及びそれらの重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物で茶由来であり、金属表面に防錆層を形成させるときのカテキン類の濃度が0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする防錆剤。
  8. 前記非イオン性界面活性剤が、高級アルコール(C10〜C18、飽和、不飽和、直鎖、分岐)のエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの付加数が2〜40モル)HLBが7から19、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、グリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、ポリグリセリンと高級脂肪酸のエステル化物、炭水化物と高級脂肪酸のエステル化物からなる誘導体であって、HLBが7〜19の内より選ばれる1つ或いは2つ以上を組み合わせたものであり、金属表面に防錆層を形成させるときの非イオン性界面活性剤の濃度が0.01質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項7に記載の防錆剤。
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