JP2010261011A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性、防食性及び機械安定性に優れたカチオン電着塗料組成物を提供する。
【解決手段】炭素数8以上のモノカルボン酸(a1)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つエポキシ当量が300〜2,500のエポキシ樹脂(a2)と、アミノ基含有化合物(a3)とを反応させることにより生成されたアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A);エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂(b1)と、フェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)と、アミノ基含有化合物(b3)とを反応させることにより生成されたキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B);並びにブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C):を、所定量含むカチオン電着塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性、防食性及び機械安定性に優れるカチオン電着塗料組成物に関する。
カチオン電着塗料は、塗装作業性に優れ且つ耐食性が良好なことから、自動車ボディ等の金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。近年、自動車ボディ等の金属製品では、耐食性の向上を目的とした合金化溶融亜鉛メッキ鋼板が多く使用され、さらに、自動車ボディの衝突安全性向上の面から、袋構造部等において補強部材が重なり合った構造が多く用いられている。そのような袋構造部では、電着塗装時の電気が流れにくく、電流密度が低下するので、電着塗膜が形成しにくく、つきまわり性が低下することがあった。
このような袋構造の内板膜厚を確保して耐食性を得るために、種々の電着塗装条件が検討されているが、内板膜厚(例えば、10μm)を確保するために電着塗装の電圧を上げると、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の外板面にクレタリング(ガスピンホール)が発生し、一方、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の外板面にクレタリングが発生しないように電着塗装の電圧を設定すると、内板膜厚を確保できないという問題点を抱えていた。
従来、エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(A)に、キシレンホルムアルデヒド樹脂(B)及びアミノ基含有化合物(C)を反応させることにより生成させたキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂をビヒクル成分として含有するカチオン性塗料組成物によって、防食性、付着性、防錆鋼板の電着塗装適性及び塗料安定性に優れることが開示されている(特許文献1)。
他に、ポリアルキレンオキシド鎖を10〜26重量%の量で含み、その末端には長鎖脂肪酸基を0.5〜3.0重量%の量で含む数平均分子量2000〜3500を有するカチオン性エポキシ樹脂組成物及びそれを含有するカチオン電着塗料組成物は、仕上り性に優れることが開示されている(特許文献2)。
しかし、特許文献1及び2に記載のカチオン電着塗料組成物は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、つきまわり性、仕上り性、防食性のバランスが不十分であり、上記いずれかの性能に問題があった。
特開2003−221547号公報 特開2008−24893号公報
本発明は、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性、防食性及び機械安定性に優れるカチオン電着塗料組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)と、特定のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)とを含み、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、それらの固形分の総質量を基準にして、それぞれ、40〜70質量%、1〜40質量%及び10〜40質量%含有することを特徴とするカチオン電着塗料組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[態様1]
炭素数8以上のモノカルボン酸(a1)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つエポキシ当量が300〜2,500のエポキシ樹脂(a2)と、アミノ基含有化合物(a3)とを反応させることにより生成されたアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A);
エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂(b1)と、フェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)と、アミノ基含有化合物(b3)とを反応させることにより生成されたキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B);並びに
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C):
を含むカチオン電着塗料組成物であって、
アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、それらの固形分の総質量を基準にして、それぞれ、40〜70質量%、1〜40質量%及び10〜40質量%含有することを特徴とする、
上記カチオン電着塗料組成物。
[態様2]
アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)が、モノカルボン酸(a1)と、エポキシ樹脂(a2)とを反応させることにより生成された変性エポキシ樹脂(A1)に、アミノ基含有化合物(a3)とを反応させることにより生成された樹脂である、態様1に記載のカチオン電着塗料組成物。
[態様3]
変性エポキシ樹脂(A1)が、モノカルボン酸(a1)及びエポキシ樹脂(a2)を、[モノカルボン酸(a1)中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂(a2)中のエポキシ基]の当量比が0.05〜0.5となるような割合で反応させることにより得られた樹脂である、態様2に記載のカチオン電着塗料組成物。
[態様4]
モノカルボン酸(a1)が、飽和及び不飽和脂肪族モノカルボン酸、並びにヒドロキシモノカルボン酸から成る群から選択される少なくとも1種である、態様1〜3のいずれか1つに記載のカチオン電着塗料組成物。
[態様5]
態様1〜4のいずれか1つに記載のカチオン電着塗料組成物を用いて塗装された物品。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性及び防食性に優れる。さらに、本発明のカチオン電着塗料組成物は、塗装ラインにおいて長期間に亘って使用した場合でも、機械安定性に優れ、塗面異常(ハジキ、ヘコミ、ブツ等)の不具合がなく、仕上り性が良好である。
本発明のカチオン電着塗料組成物中のアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)により、電着時の析出塗膜の融着性が良好となる。また、析出塗膜が疎水性のため、分極抵抗値が高くなる。具体的には、電着塗膜の融着性が良好なため高電圧を印加することが可能となり、分極抵抗値も高いため、「つきまわり性」が向上する。
さらに、本発明のカチオン電着塗料組成物中のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)によって、塗膜の被塗物への密着性が良好となるので、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装時に発生するスパークにも耐え得る丈夫な析出膜を形成することができ、「合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装適性」に優れ、かつ仕上り性及び防食性が良好な塗装物品を得ることができる。
さらに、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)と、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)との相溶性が良好であることから、本発明のカチオン電着塗料組成物が塗料安定性に優れ、仕上り性に優れる塗膜が得られる。
図1は、4枚ボックス法つきまわり試験用治具の模式図である。 図2は、つきまわり試験用装置の模式図である。 図3は、ラボUF装置の模式図である。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)と、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と、ブロック化ポリイソシアネート(C)とを含み、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、それらの固形分の総質量を基準にして、それぞれ、40〜70質量%、1〜40質量%及び10〜40質量%含有することを特徴とする。
以下、各成分について、詳しく説明する。
<アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)>
アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)は、炭素数8以上のモノカルボン酸(a1)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ当量が300〜2,500のエポキシ樹脂(a2)と、アミノ基含有化合物(a3)とを反応させることにより生成された樹脂である。具体的には、炭素数8以上のモノカルボン酸(a1)と1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a2)とを反応させることにより生成された変性エポキシ樹脂(A1)に、アミノ基含有化合物(a3)を反応させて得ることができる。
[モノカルボン酸(a1)]
モノカルボン酸(a1)は、8以上の炭素数を有する。モノカルボン酸(a1)としては、1分子当たりカルボキシル基を1つ有する化合物であれば、特に制限されないが、例えば、炭化水素鎖、例えば、芳香族鎖又は脂肪族鎖(例えば、飽和脂肪族鎖、不飽和脂肪族鎖等)にカルボキシル基が1つ結合したものが挙げられ、上記炭化水素鎖は、ヒドロキシル基によって置換されていてもよい。具体的には、モノカルボン酸(a1)として、芳香族モノカルボン酸、飽和及び不飽和脂肪族モノカルボン酸、並びにヒドロキシカルボン酸を挙げることができる。
モノカルボン酸(a1)の炭素数が8未満であると、融着性、分極抵抗値等が低く、つきまわり性の向上効果が不十分となる傾向がある。
上記芳香族モノカルボン酸としては、例えば、エチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸等が挙げられる。上記飽和及び不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸等、並びに魚油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、及びやし油脂肪酸から成る群から選択される少なくとも1種の天然油脂から得られる乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸等を挙げることができる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、12−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等が挙げられる。モノカルボン酸(a1)としては、これらに加えて、その他の芳香族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等も適宜使用できる。
[エポキシ樹脂(a2)]
エポキシ樹脂(a2)は、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有し且つエポキシ当量が300〜2,500である樹脂である。上記エポキシ当量は、300〜2,000であることが好ましい。エポキシ樹脂(a2)は、好ましくは600〜4,000、そしてより好ましくは600〜3,500の数平均分子量を有する。エポキシ樹脂(a2)は、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
エポキシ樹脂(a2)のエポキシ当量が300未満であると、防食性が低下する傾向があり、そしてエポキシ当量が2,500を超えると、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、「数平均分子量」は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、溶離液テトラヒドロフラン、流速1.0ml/分、測定温度40℃で、GPCにより測定した数平均分子量を、ポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。GPC装置としては「HLC8120GPC」(東ソー株式会社製、商品名)を使用し、分離カラムとして「TSK gel G−4000HXL」、「TSK gel G−3000HXL」、「TSK gel G−2500HXL」、「TSK gel G−2000HXL」(全て、東ソー株式会社製)の4本を使用する。
エポキシ樹脂(a2)の製造のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−2若しくは3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
また、エポキシ樹脂(a2)としては、下記式:
Figure 2010261011
(式中、n=0〜8である)
の、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるものが好適である。
上記エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からjER828EL、jER1001の商品名で市販されているものが挙げられる。
なお、変性エポキシ樹脂(A1)は、モノカルボン酸(a1)とエポキシ樹脂(a2)とを混合して、所望による反応触媒としての、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の3級アミン、又はテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩等の存在下で、80〜200℃、好ましくは90〜180℃の温度で、1〜6時間、好ましくは1〜5時間の間反応させることによって製造することができる。
変性エポキシ樹脂(A1)は、モノカルボン酸(a1)及びエポキシ樹脂(a2)を、[モノカルボン酸(a1)中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂(a2)中のエポキシ基]の当量比が0.05〜0.5となるような割合で反応させて得られるものが、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性及び防食性のために好ましい。
変性エポキシ樹脂(A1)の製造において、溶剤を用いることができる。用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
[アミノ基含有化合物(a3)]
本発明に使用するアミノ基含有化合物(a3)は、変性エポキシ樹脂(A1)をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有する成分である。そのようなアミノ基含有化合物(a3)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン等のモノ−又はジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノール等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン、及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジン等の環状アミン等が挙げられる。これらアミンのうち、1級アミンをケチミン化したアミンも、併せて用いることができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物において使用されるアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)は、上記変性エポキシ樹脂(A1)にアミノ基含有化合物(a3)を付加反応させることにより製造することができる。
上記付加反応における各成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、電着塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、一般的には、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)の製造に使用される変性エポキシ樹脂(A1)と、アミノ基含有化合物(a3)との固形分の総質量を基準にして、変性エポキシ樹脂(A1)が70〜95質量%、好ましくは75〜93質量%であり、そしてアミノ基含有化合物(a3)が5〜30質量%、好ましくは7〜25質量%である。
なお、上記付加反応は、通常、好適な溶媒中で、80〜170℃、好ましくは90〜150℃の温度で、1〜6時間、好ましくは1〜5時間行われる。
上記反応における溶媒としては、従来から公知の有機溶剤、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物、又はこれらの混合物等を用いることができる。
<キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)>
キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)は、エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂(b1)と、フェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)と、アミノ基含有化合物(b3)とを反応させることにより生成された樹脂である。
[エポキシ樹脂(b1)]
エポキシ樹脂(b1)は、エポキシ当量が180〜2,500の範囲内にある樹脂であり、そして1分子中にエポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する樹脂である。上記エポキシ当量は、好ましくは400〜1,500の範囲内にある。エポキシ樹脂(b1)は、好ましくは400〜4,000、そしてより好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有する。エポキシ樹脂(b1)としては、エポキシ樹脂(a2)と同様のエポキシ樹脂を用いることができ、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
エポキシ樹脂(b1)において、エポキシ当量が180未満であると、防食性が低下する傾向があり、そしてエポキシ当量が2,500を超えると、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装性が低下する傾向がある。
[キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)]
キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)は、フェノール性水酸基を有し、そして当該フェノール性水酸基が、エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基と反応して、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)を可塑化(変性)することができる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)は、例えば、キシレン、ホルムアルデヒド、及びフェノール類を酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。上記ホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物等を例示することができる。
さらに、上記フェノール類には2個又は3個の反応サイトを有する1価又は2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール類(o−クレゾール、m−クレゾール及びp−クレゾール)、p−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、p−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、p−フェニルフェノール、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。上記フェノール類としては、特に、フェノール、クレゾール類が好適である。
上述のキシレン、ホルムアルデヒド及びフェノール類の縮合反応に使用される酸性触媒として、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等が挙げられ、特に、硫酸が好適である。上記酸性触媒の使用量は、通常、ホルムアルデヒド水溶液中の水により希釈され、水溶液中の濃度として10〜50質量%の範囲内である。
上記縮合反応は、例えば、反応系に存在するキシレン、フェノール類、水、ホルマリン等が還流する温度、通常、80〜100℃の温度に加熱することにより行うことができ、通常、2〜6時間程度で終了させることができる。
上記条件下で、キシレン、ホルムアルデヒド及びフェノール類を、酸性触媒の存在下で加熱し、反応させることによって、キシレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができる。また、キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)は、キシレン及びホルムアルデヒドから予め製造されたキシレンホルムアルデヒド樹脂に、さらにフェノール類と酸性触媒の存在下で反応させることによっても得ることもできる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)は、好ましくは20〜50,000mPa・s(25℃)、より好ましくは25〜30,000、そしてさらに好ましくは30〜15,000mPa・s(25℃)の範囲内の粘度を有する。また、キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)のフェノール性の水酸基価は、好ましくは1〜560mgKOH/g、より好ましくは2〜380mgKOH/g、そしてさらに好ましくは5〜280mgKOH/gである。
[アミノ基含有化合物(b3)]
アミノ基含有化合物(b3)は、エポキシ樹脂(b1)にアミノ基を導入して、カチオン化するためのカチオン性付与成分であり、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)に用いたアミノ基含有化合物(a3)と同様のアミノ基含有化合物であることができる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)は、本発明のカチオン電着塗料組成物において樹脂成分として使用され、エポキシ樹脂(b1)に、キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)及びアミノ基含有化合物(b3)をそれ自体既知の方法で反応させることにより製造することができる。
エポキシ樹脂(b1)に対するキシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)及びアミノ基含有化合物(b3)の反応は任意の順序で行うことができる。
キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)及びアミノ基含有化合物(b3)の、エポキシ樹脂(b1)に対する付加反応は、通常、好適な溶媒中で、80〜170℃、好ましくは90〜150℃の温度で、1〜6時間、好ましくは1〜5時間行うことができる。上記好適な溶媒としては、従来から公知の有機溶剤、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物、又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(b1)、キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)及びアミノ基含有化合物(b3)の3成分の固形分の総質量を基準にして、以下の範囲内が適当である。
エポキシ樹脂(b1)は、50〜90質量%、好ましくは50〜85質量%、さらに好ましくは53〜83質量%であり、キシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)は、5〜45質量%、好ましくは6〜43質量%、さらに好ましくは6〜40質量%であり、そしてアミノ基含有化合物(b3)は、5〜25質量%、好ましくは6〜20質量%、さらに好ましくは6〜18質量%である。
<ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)>
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)及びキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と組合せることにより、熱硬化性のカチオン電着塗料を調製することができる。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)は、ポリイソシアネート化合物(c1)とブロック剤との付加反応生成物である。ポリイソシアネート化合物(c1)としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;あるいはこれらの組合せを挙げることができる。
特に、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI等の芳香族ポリイソシアネート化合物が防食性のためにより好ましい。
一方、上記ブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加して、当該イソシアネート基をブロックするものであり、そして付加によって生成したブロック化ポリイソシアネート化合物は、常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して、遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)で使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;フェノール、p−tert−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系化合物;等が挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、それらの固形分の総質量を基準にして、それぞれ、40〜70質量%(好ましくは50〜70質量%)、1〜40質量%(好ましくは2〜30質量%)及び10〜40質量%(好ましくは15〜35質量%)含有することが、機械安定性が良好で、かつつきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性、防食性に優れた塗装物品を得るために必要である。上記範囲を外れると、塗料特性及び塗膜性能のいずれかを損なう場合があるので好ましくない。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、硬化触媒、界面活性剤、表面調整剤等の各種添加剤及び有機溶剤等をさらに含むことができる。上記硬化触媒は、基体樹脂であるアミン付加エポキシ樹脂(A)と、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)と、ブロック化ポリイソシアネート(C)との架橋反応を促進するために有効である。
本発明のカチオン電着塗料組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)及びキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)、並びに所望による、界面活性剤、表面調整剤、芳香族カルボン酸のアルキル錫エステル化合物等の各種添加剤及び有機溶剤等を十分に混合して樹脂混合物を得て、次いで、通常、水性媒体中の上記調合樹脂を水溶性有機カルボン酸で中和して、上記樹脂混合物を水溶化又は水分散化して、エマルションを得ることにより製造することができる。なお、上記樹脂混合物の中和には、一般的には、公知の酸を用いることができるが、特に、酢酸、ギ酸、乳酸、又はこれらの混合物が好適である。
また、上記界面活性剤としては、例えば、親水性親油性バランス(HLB)が、8〜18、好ましくは10〜15の範囲内にあるアセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤があげられる。
また、上記有機溶剤としては、例えば、アルコール系、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール;エーテル系、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル;ケトン系、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン;エステル系、例えば、エチレングルコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はこれらの混合物が挙げられる。
カチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート(C)等を分散したエマルションと、別個に製造された顔料分散ペーストを混合することにより製造することが好ましい。
上記顔料分散ペーストは、着色顔料、防錆顔料及び体質顔料等をあらかじめ微細粒子に分散したものであり、そして例えば、顔料分散用樹脂、中和剤及び顔料類、並びに所望によるビスマス化合物を配合し、次いで配合物をボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理することにより調製されることができる。
上記顔料分散用樹脂としては、公知のものが挙げられ、例えば、水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂、界面活性剤等、並びに3級アミン型、4級アンモニウム塩型、3級スルホニウム塩型等の樹脂が挙げられる。顔料分散剤の使用量は、顔料100質量部あたり、1〜150質量部、特に10〜100質量部の範囲内が好適である。
上記顔料には、特に制限はなく、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカ等の体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料;が挙げられる。
さらに、腐食抑制又は防錆を目的として、上記顔料分散ペーストは、ビスマス化合物を含むことができる。上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等が挙げられる。
また、硬化性向上を目的として、上記顔料分散ペーストに、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド等の有機錫化合物を添加することができる。しかし、上記酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料及び/又はビスマス化合物を採用及び/又は増量し、そして所望により微細化(ナノ化)することにより、上記有機錫化合物を含有せずとも、本発明のカチオン電着塗料組成物の硬化性を向上させることができる。
上記顔料成分、並びにビスマス化合物及び/又は有機錫化合物の合計配合量は、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)の合計固形分100質量部あたり、1〜100質量部、特に10〜50質量部の範囲内が好ましい。
本発明のカチオン電着塗料組成物の被塗物としては、金属であれば特に制限はなく、例えば、自動車ボディ、2輪車部品、家庭用機器、その他の機器等に用いられる金属鋼板が挙げられる。
上記金属鋼板としては、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛−鉄二層メッキ鋼板、有機複合メッキ鋼板、Al素材、Mg素材等、並びにこれらの金属板を必要に応じてアルカリ脱脂等の表面を洗浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理等の表面処理を行ったものが挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物を、電着塗装によって所望の金属表面に塗装することができる。電着塗装は、一般的には、脱イオン水等で希釈して固形分濃度を5〜40質量%に調整し、pHを5.5〜9.0の範囲内に調整し、そして通常、浴温15〜35℃に調整した、電着塗料組成物からなる電着浴内で、負荷電圧100〜400Vの条件において、被塗物を陰極として通電することによって行うことができる。電着塗装後、通常、余分に付着したカチオン電着塗料を落とすために、限外濾過液(UF濾液)、逆浸透透過水(RO水)、工業用水、純水等で、電着塗装された物品を十分に水洗する。電着塗装された塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、乾燥塗膜に基づいて5〜40μm、好ましくは12〜30μmの範囲内とすることができる。
また、電着塗装された塗膜の焼き付け乾燥は、電着塗膜を電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥機等の乾燥設備を用いて、10分間〜180分間、好ましくは20分間〜50分間、塗装物表面の温度が110℃〜200℃、好ましくは140〜180℃になるように電着塗膜を加熱することにより行われる。上記焼付け乾燥により、電着された塗膜を硬化させることができる。
なお、本発明のカチオン電着塗料組成物は、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性及び防食性に優れた硬化塗膜を形成するものであり、例えば、自動車車体、自動車部品、家電製品、建設機材及び鋼構造物等における塗料として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は、それぞれ、「質量部」及び「質量%」を示す。
[製造例1]基体樹脂溶液No.1の製造
jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部に、ビスフェノールA 400部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させて生成物a1を得た。次に、生成物a1に、大豆油脂肪酸(酸価200mgKOH/g)170部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、140℃でエポキシ当量1370になるまで反応させて、生成物a2を得た。
なお、大豆油脂肪酸及びjER828ELを、[大豆油脂肪酸中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂中のエポキシ基]の当量比が0.34となるような割合で配合し、反応させた。
次に、エチレングリコールモノブチルエーテル210部、ジエタノールアミン80部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部(有効成分84%)を、生成物a2に加え、120℃で4時間反応させた後、メチルイソブチルケトン145部を加え、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)である、樹脂固形分80質量%の基体樹脂溶液No.1を得た。基体樹脂溶液No.1は、アミン価45mgKOH/g、及び数平均分子量1,900を有していた。
[製造例2]基体樹脂溶液No.2の製造
jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部に、ビスフェノールA 400部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させて生成物b1を得た。次に、生成物b1に、やし油脂肪酸(酸価267mgKOH/g)を125部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、140℃でエポキシ当量1300になるまで反応させて、生成物b2を得た。
なお、やし油脂肪酸及びjER828ELを、[やし油脂肪酸(モノカルボン酸)中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂中のエポキシ基]の当量比が0.34となるような割合で配合し、反応させた。
次に、エチレングリコールモノブチルエーテル200部、ジエタノールアミン80部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部(有効成分84%)を、生成物b2に加え、120℃で4時間反応させた後、メチルイソブチルケトン145部を加え、樹脂固形分80質量%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂である基体樹脂溶液No.2を得た。基体樹脂溶液No.2は、アミン価46mgKOH/g、及び数平均分子量1,900を有していた。
[製造例3]基体樹脂溶液No.3の製造
jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部に、ビスフェノールA400部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させて生成物c1を得た。次に、生成物c1に、ひまし油脂肪酸(酸価190mgKOH/g)を150部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5部を加え、140℃でエポキシ当量1240になるまで反応させて、生成物c2を得た。
なお、ひまし油脂肪酸及びjER828ELを、[ひまし油脂肪酸中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂中のエポキシ基]の当量比が0.29となるような割合で配合し、反応させた。
次に、エチレングリコールモノブチルエーテル200部、ジエタノールアミン90部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部(有効成分84%)を、生成物c2に加え120℃で4時間反応させた後、メチルイソブチルケトン155部を加え、樹脂固形分80質量%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂である基体樹脂溶液No.3を得た。基体樹脂溶液No.3は、アミン価49mgKOH/g、及び数平均分子量2,000を有していた。
[製造例4]基体樹脂溶液No.4の製造
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン480部、フェノール110部、98%工業用硫酸202部及びメタキシレン424部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させた。反応終了後、静置して樹脂相を溶解しているキシレン溶液と、硫酸水相とを分離し、樹脂相を3回水洗し、そして20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間処理して未反応メタキシレンを留去し、粘度1050mPa・s(25℃)のフェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂480部を得た。
別のフラスコに、jER828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部、ビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン0.2部を充填し、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、上記フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂300部、ジエタノールアミン137部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部(有効成分84%)を、上記別のフラスコに添加し、120℃で4時間反応させ、次いでエチレングリコールモノブチルエーテル250部、メチルイソブチルケトン153部をさらに添加し、樹脂固形分80質量%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂溶液No.4を得た。基体樹脂溶液No.4は、アミン価57mgKOH/g、及び数平均分子量2,000を有していた。
[製造例5]基体樹脂溶液No.5の製造
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、jER828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂)1010部、ビスフェノールA 390部及びジメチルベンジルアミン0.2部を充填し、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン147部及びジエチレントリアミンのケチミン化物95部(有効成分84%)を上記フラスコに添加し、120℃で4時間反応させ、次いでエチレングリコールモノブチルエーテル200部、メチルイソブチルケトン155部を添加し、樹脂固形分80質量%の基体樹脂溶液No.5を得た。基体樹脂溶液No.5は、アミン価71mgKOH/g、及び数平均分子量2,000を有していた。
[製造例6]硬化剤溶液No.1の製造
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMDI)270部及びメチルイソブチルケトン130部を充填し、70℃に昇温した。上記反応容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル240部を、1時間かけて、滴下しながら加え、次いで100℃に昇温し、保持した。経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分が80%の硬化剤溶液No.1を得た。
[製造例7]硬化剤溶液No.2の製造
反応容器中に、イソホロンジイソシアネート222部及びメチルイソブチルケトン100部を充填し、50℃に昇温した。この中に、メチルエチルケトキシム174部をゆっくり加えた後、60℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認し、固形分80%の硬化剤溶液No.2を得た。
<エマルションの製造>
[製造例8]エマルションNo.1の製造
製造例1で得られた基体樹脂溶液No.1 62.5部(固形分50部)と、製造例4で得られた基体樹脂溶液No.4 25.0部(固形分20部)と、製造例6で得られた硬化剤溶液No.1 37.5部(固形分30部)と、10%酢酸13部とを均一に攪拌し、混合物を生成させた。次いで上記混合物に、強攪拌しながら、脱イオン水156.0部を約15分かけて滴下して、エマルションNo.1を得た。
[製造例9〜17]エマルションNo.2〜No.10の製造
次の表1の配合とした以外は製造例8と同様にして、エマルションNo.2〜No.10を得た。
Figure 2010261011
[製造例18]顔料分散用樹脂の製造
jER828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)1010部に、ビスフェノールA 390部、プラクセル212(ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社、商品名、重量平均分子量約1,250)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させて、生成物d1を得た。
次に、ジメチルエタノールアミン134部及び濃度90%の乳酸水溶液150部を、生成物d1に加え、120℃で4時間反応させ、次いでメチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%のアンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂を得た。アンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂は、アンモニウム塩濃度0.78mmol/gを有していた。
[製造例19]顔料分散ペーストNo.1の製造
製造18で得た固形分60%の顔料分散用樹脂8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、カーボンブラック0.3部、ジオクチル錫オキサイド1部、水酸化ビスマス1部及び脱イオン水20.3部を混合し、ボールミルにて20時間分散し、固形分55%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
<カチオン電着塗料の製造>
[実施例1]
エマルションNo.1 294部(固形分100部)と、55%の顔料分散ペーストNo.1 52.4部(固形分28.8部)と、脱イオン水297.6部とを混合し、固形分20%のカチオン電着塗料No.1を製造した。
[実施例2〜6]
次の表2に示す配合とした以外は実施例1と同様にして、カチオン電着塗料No.2〜No.6を製造した。
Figure 2010261011
[比較例1〜4]
次の表3に示す配合とした以外は実施例1と同様にして、カチオン電着塗料No.7〜No.10を製造した。
Figure 2010261011
試験板の作成:
実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料を、化成処理(パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(0.8mm×150mm×70mm)、又は同様の化成処理を施した合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(0.8mm×150mm×70mm)に電着塗装することにより試験板を作成した。得られた試験板を、下記の評価方法に従って試験した。結果を表4及び表5に示す。
Figure 2010261011
Figure 2010261011
(注1)つきまわり性:図1に示す4枚ボックス法つきまわり試験用治具1を用いて評価する。4枚ボックス法つきまわり試験用治具1では、4枚の鋼板(10cm×15cm)が2cm間隔で配置され、4枚の鋼板のうち、最も左側の鋼板、左から2枚目の鋼板、及び左から3枚目の鋼板は、それぞれ、直径8cmの円形の孔2を有する。また、最も左側の鋼板の、向かって左側の面を「A面」、向かって右側の面を「B面」とする。同様に、左から2枚目の鋼板の左右の面を、それぞれ、「C面」及び「D面」とし、左から3枚目の鋼板の左右の面を、それぞれ、「E面」及び「F面」とし、そして最も右側の鋼板の左右の面を、それぞれ、「G面」及び「H面」とする。この中で、A面を「外板」とし、G面を「内板」とする。
次いで、図2に示す、電着塗料浴4中に、4枚ボックス法つきまわり試験用治具1、電源、及び対向電極5を含むつきまわり試験用装置3を用いて、電着塗料浴4の温度30℃、A面と対向電極5との極間距離10cm、通電時間3分間にて、外板の硬化膜厚15μmとなるような電圧にて電着塗装した。つきまわり性は、外板の硬化膜厚、内板の硬化膜厚及びつきまわり性(%)(=内板の硬化膜厚/外板の硬化膜厚×100)で評価した。
(注2)合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装適性:パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を、電着塗料浴の陰極として浸漬し、鋼板と電極との極間距離が10cmである以外は、つきまわり性と同様の条件にて電着塗装した。得られた塗膜を170℃で20分間焼付けて硬化させ、焼付け後のテストピースのピンホール数(試験面:150mm×70mm)を数えた。
各評価については、
◎:ピンホールなし、
○:小さいピンホール(ガスヘコ)が1個(中塗り塗膜にて隠蔽可能なレベル)である、
△:ピンホールが2〜9個である、
×:ピンホールが10個以上である、
ことを表している。
(注3)仕上り性:上記電着塗装適性と同様の条件で塗装して、硬化膜厚15μmの塗板を得た。上記塗板の表面粗度を、JIS B 0651に準じて、サーフテスト301(株式会社ミツトヨ社製、商品名、表面粗さ測定機)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)値として評価した。
各評価については、
◎:Ra値が、0.23μm未満、
○:Ra値が、0.23以上且つ0.30μm未満、
△:Ra値が、0.30以上且つ0.40μm未満、
×:Ra値が、0.40μm超、
であることを表している。
(注4)防食性:上記合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の電着塗装適性と同様の条件で塗装して、硬化膜厚20μmの試験板を得た。次に、上記試験板上の塗膜に、試験板の素地に達するようにカッターナイフでクロスカットキズを入れ、JIS Z−2371に準じて、35℃ソルトスプレー試験を840時間行い、カット部からの錆又はフクレの幅を評価した。
各評価については、錆又はフクレの最大幅が、
◎:カット部から片側2.5mm以下、
○:カット部から片側2.5mm超且つ3.0mm以下、
△:カット部から片側3.0mm超且つ3.5mm以下、
×:カット部から片側3.5mm超、
であることを表している。
(注5)機械安定性:図3に示すUF装置により評価する。図4に示すUF装置6は、循環用モータ7、循環用モータ8、UF膜9及び輸液管を備えている。また、図4における矢印は、カチオン電着塗料の流れる方向を示している。さらに、符号10、11及び12は、それぞれ、電着塗料の供給用配管、分別された塗料の排出用配管、及び分別された濾液の排出用配管を示している。本実施例では、UF膜9として、ラボ実験用のUF膜 NTU−212(日東電工社製、商品名、UF膜)を用いる。
カチオン電着塗料を、25分間循環させた後、さらにカチオン電着塗料の循環を5分間閉塞させてUF膜にシェアをかけ、濾液の透過量を測定する。次いで、当該測定後のカチオン電着塗料で、L字形の冷延鋼板(水平部5×5cm、垂直部5×5cm、化成処理)を、水平部の乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装する。次いで、得られた塗膜を170℃で20分間焼付けて硬化させ、焼付け後の試験板水平部の「ハジキ」、「ヘコミ」及び「ブツ」の数を数える。
各評価については、
◎:ハジキ、ヘコミ及びブツなし、
○:小さいヘコミが1個(中塗り塗膜にて隠蔽可能なレベル)であり、
△:ハジキ、ヘコミ及びブツの合計が2〜9個であり、
×:ハジキ、ヘコミ及びブツの合計が10個以上である、
ことを表している。
本発明は、つきまわり性、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性及び防食性に優れた塗装物品を提供できる。
1 4枚ボックス法つきまわり試験用治具
2 円形の孔
3 つきまわり試験用装置
4 電着塗料浴
5 対向電極
6 UF装置
7 浴
8 循環用モータ
9 UF膜
10 電着塗料の供給用配管
11 分別された塗料の排出用配管
12 分別された濾液の排出用配管

Claims (5)

  1. 炭素数8以上のモノカルボン酸(a1)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し且つエポキシ当量が300〜2,500のエポキシ樹脂(a2)と、アミノ基含有化合物(a3)とを反応させることにより生成されたアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A);
    エポキシ当量が180〜2,500のエポキシ樹脂(b1)と、フェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂(b2)と、アミノ基含有化合物(b3)とを反応させることにより生成されたキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B);並びに
    ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C);
    を含むカチオン電着塗料組成物であって、
    アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂(B)及びブロック化ポリイソシアネート硬化剤(C)を、それらの固形分の総質量を基準にして、それぞれ、40〜70質量%、1〜40質量%及び10〜40質量%含有することを特徴とする、
    前記カチオン電着塗料組成物。
  2. アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)が、モノカルボン酸(a1)と、エポキシ樹脂(a2)とを反応させることにより生成された変性エポキシ樹脂(A1)に、アミノ基含有化合物(a3)を反応させることにより生成された樹脂である、請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 変性エポキシ樹脂(A1)が、モノカルボン酸(a1)及びエポキシ樹脂(a2)を、[モノカルボン酸(a1)中のカルボキシル基]/[エポキシ樹脂(a2)中のエポキシ基]の当量比が0.05〜0.5となるような割合で反応させることにより得られた樹脂である、請求項2に記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. モノカルボン酸(a1)が、飽和及び不飽和脂肪族モノカルボン酸、並びにヒドロキシモノカルボン酸から成る群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカチオン電着塗料組成物を用いて塗装された物品。
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