JP2010260885A - パンクシーリング剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気に起因するパンクシーリング剤の劣化を抑制するパンクシーリング剤の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合する混合工程を有し、該混合工程中に超音波照射を行うパンクシーリング剤の製造方法である。前記混合工程後に濾過を行う濾過工程を有し、該濾過工程中に超音波照射を行うことが好ましい。また、前記混合工程は、ゴムラテックスと水とを混合する第1の混合工程と、不凍液と粘着剤とを混合する第2の混合工程と、前記第1の混合工程を経た混合液と前記第2の混合工程を経た混合液とを混合する第3の混合工程とを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのパンク穴を閉塞するために空気入りタイヤの内部に注入されるパンクシーリング剤の製造方法に関する。
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、液状のパンクシーリング剤をタイヤの内部へ注入した後、このタイヤの内圧を指定圧まで昇圧することによりタイヤのパンク修理を行うシーリング・ポンプアップ装置が普及している。この種のシーリング・ポンプアップ装置に用いられるパンクシーリング剤としては、ゴムラテックス、樹脂系エマルジョン及び、プロピレングリコールからなる不凍液が撹拌混合されて製造されるものがある。このようなパンクシーリング剤の製造工程では、一般に、ゴムラテックスと粘着剤とを混合して混合溶液を調液した後、この混合容器中に不凍液を注入してパンクシーリング剤原液を製造する。
パンクシーリング剤は、タイヤがパンクする際に使用されるものであり、タイヤがパンクしない状態が続くと寒暖差(例えば−30°C〜+70°C)の大きい自動車内に長年放置されることとなる。このため、特に夏場等の高温時には、パンクシーリング剤の固形化(ゲル化)や劣化が懸念されるところである。
このようなパンクシーリング剤の固形化を防止することを目的とするパンクシーリング剤の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
この特許文献1に示されたパンクシーリング剤の製造方法は、パンクシーリング剤の成分であるゴムラテックスや不凍液等の混合を複数工程に分けて、成分を混合することにより、ゴムラテックス凝集塊に起因するパンクシーリング剤のゲル化を防いでいる。
特開2008−69253号公報
しかしながら、パンクシーリング剤は、空気に触れると固化してしまいパンクシーリング剤の品質が低下することから、パンクシーリング剤成分を、ゲル化を生じさせないように混合等しても、パンクシーリング剤中に空気、特に酸素が混入することでパンクシーリング剤が酸化等により劣化し、パンクシーリング剤の寿命が短くなることがあった。
上記事情から、本発明は、空気、特に酸素に起因するパンクシーリング剤の劣化を抑制するパンクシーリング剤の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。
<1> 少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合する混合工程を有し、該混合工程中に超音波照射を行うパンクシーリング剤の製造方法である。
<2> 本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法は、前記混合工程に加え、さらに前記混合工程後に、濾過を行う濾過工程を有することが好ましく、該濾過工程中においても超音波照射を行うことが好ましい。
<3> 本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法は、前記混合工程が、ゴムラテックスと水とを混合する第1の混合工程と、不凍液と粘着剤とを混合する第2の混合工程と、前記第1の混合工程を経た混合液と前記第2の混合工程を経た混合液とを混合する第3の混合工程とを含むことが好ましい。
<4> 本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法は、前記混合工程が、ゴムラテックスと粘着剤と水とを混合した後、不凍液を混合する混合工程を含むことが好ましい。
<5> 本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法は、前記混合工程が、不凍液と水とを混合して混合液を調製し、この混合液に、ゴムラテックスと粘着剤との混合液を混合する混合工程を含むことが好ましい。
<6> 本発明においては、前記ゴムラテックスが、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明によれば、空気に起因するパンクシーリング剤の劣化を抑制するパンクシーリング剤の製造方法を提供することができる。
〔超音波照射〕
本発明は、少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合する混合工程を有し、該混合工程中に超音波照射を行うパンクシーリング剤の製造方法である。「混合工程中に超音波照射を行う」とは、ゴムラテックス、水、不凍液等のパンクシーリング剤の構成成分(以下、単に「パンクシーリング剤成分」ともいう)の混合中又は混合後に、少なくとも1回の超音波照射を行うことをいう。
パンクシーリング剤成分やパンクシーリング剤成分の混合液に、超音波照射を行うことで、混合物中の空気を除去し、酸素濃度を低下することで、製造されるパンクシーリング剤の劣化を抑制することができる。
液中の空気を除去するために、液中に窒素ガス等の不活性ガスを流入させる窒素置換(不活性ガス置換)が行なわれることがあるが、窒素置換によってはパンクシーリング剤中の空気を充分に除去することができなかった。これは、窒素置換によっては、窒素ガスが接触したパンクシーリング剤中の一部のみが脱気されるにすぎないこと、パンクシーリング剤成分のうちゴムラテックスや粘着剤等が、水やアルコール等の揮発性有機溶剤に比べ、比重が重く、粘性を有するためと、推測される。特に、パンクシーリング剤の製造工程におけるパンクシーリング剤成分を混合することにより生じる当該成分のゲル化や凝集化、例えば、ゴムラテックスのゲル化や凝集化において、該ゲルや凝集体中に入り込んだ気泡は、窒素置換では除去し難いと考えられる。
しかしながら、パンクシーリング剤の製造工程において、超音波照射を行なえば、パンクシーリング剤全体に対して大きなエネルギーの振動が付与されるために、液中満遍なく脱気することができ、パンクシーリング剤成分のゲル化や凝集化において、該ゲルや凝集体中に入り込んだ気泡をも除去し易いと考えられる。
パンクシーリング剤の製造工程中、特に、パンクシーリング剤成分を混合する混合工程においては、パンクシーリング剤成分の混合中にパンクシーリング剤成分のゲル化や凝集化が生じ易いことから、混合工程中に超音波照射を行うことが必要となる。超音波照射は、パンクシーリング剤成分の混合後よりも、混合中に行なうことが好ましい。
パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤から空気が除去されたか否かは、パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤の各液中の酸素濃度を、溶存酸素計等を用いて測定することにより確認することができる。溶存酸素計としては、メーカー、製品等特に制限されないが、例えば、島津製作所社製、溶存酸素計DO142を挙げることができる。
パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤に対しての超音波照射は、20℃〜30℃において行なうことが好ましい。また照射時間は、脱気向上の観点から、3分以上とすることが好ましく、5分以上とすることがより好ましい。照射時間の上限は、パンクシーリング剤成分の損傷を回避するため2時間とすることが好ましい。
超音波の周波数は、15kHz〜50kHzとすることが好ましく、20kHz〜40kHzとすることがより好ましい。
パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤に対しての超音波照射は、パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤を格納した容器を、超音波洗浄器の液中(例えば水中)に漬けることにより行なうことができる。このような超音波洗浄器としては、メーカー、製品等特に制限されないが、例えば、東京理化器社製、超音波洗浄器MUS−60Dを用いることができる。
また、パンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、及びパンクシーリング剤に対して、容器を介さず、直接超音波照射することも好ましい態様の1つである。例えば、容器内のパンクシーリング剤成分、パンクシーリング剤成分混合液、又はパンクシーリング剤中に金属上の棒を挿入し、超音波照射する。このような超音波照射機としては、メーカー、製品等特に制限されないが、例えば、東京理化器社製、超音波ホモジナイザーVC−505を用いることができる。
〔混合工程〕
本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法における混合工程は、少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合することが必要であるが、パンクシーリング剤成分のゲル化や凝集化、特に、ゴムラテックスのゲル化や凝集化を抑制するために、ゴムラテックスと、水と、不凍液との混合を、複数の工程に分けて行なうことが好ましい。
以下、本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤成分の混合工程について、第1〜第3の態様に分けて説明する。
(第1の態様)
本発明の第1の態様に係るパンクシーリング剤成分の混合工程は、ゴムラテックスと水とを混合する第1の混合工程と、不凍液と粘着剤とを混合する第2の混合工程と、前記第1の混合工程を経た混合液と前記第2の混合工程を経た混合液とを混合する第3の混合工程と、を含む。
(1)第1の混合工程:
第1の混合工程は、ゴムラテックスと水とを混合する工程である。ゴムラテックスと水と混合質量比(ゴムラテックス/水)は、2.5〜10.0とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。
ここで、ゴムラテックスとしては、NR(天然ゴム)ラテックス又は合成ゴムラテックスを用いることが好ましく、タイヤなどへの腐食性を考慮すると、合成ゴムラテックスを用いることがより好ましい。合成ゴムラテックスとしては、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
(2)第2の混合工程:
第2の混合工程は、不凍液と粘着剤とを混合する工程である。不凍液と粘着剤と混合質量比(不凍液/粘着剤)は、3.5〜8.0とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。
ここで、不凍液としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールからなる群より選択される1種質または2種以上であることが好ましい。このような不凍液の含有量は、最終的に得られるパンクシーリング剤中、10質量%〜60質量%であることが好ましい。これは、10質量%未満では、低温での凍結防止性が十分に得られないことがあり、60質量%を超えると、ゴムラテックス相対量が減少するため十分なシール特性が得られないことがあるためである。
粘着剤としての樹脂系エマルジョンとしては、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、トール油樹脂、フェノール樹脂、石油系樹脂及び、これら樹脂の変性体からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
(3)第3の混合工程:
第3の混合工程は、第1の混合工程を経た混合液(混合液(1−1))と第2の混合工程を経た混合液(混合液(1−2))とを混合する工程である。
混合液(1−1)と混合液(1−2)と混合質量比(混合液(1−1)/混合液(1−2))は、0.5〜1.2とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。
上記第1〜第3の混合工程では、適宜、分散剤、乳化剤、発泡安定剤、又はアンモニアや苛性ソーダ等のpH調整剤を添加してもよい。第1〜第3の混合工程のように、所定の組み合わせで混合を行うことで、シール性を発現する上で最も重要なラテックスを水系中で(長期保存に対し)安定化させることで、ゴムラテックス凝集塊に起因するパンクシーリング剤のゲル化を効果的に防止することが可能となる。
(第2の態様)
本発明の第2の態様に係るパンクシーリング剤成分の混合工程は、ゴムラテックスと粘着剤と水とを混合した後、不凍液を混合する混合工程を含む。
詳細には、ゴムラテックスと粘着剤と水とを混合した後、不凍液を混合する工程である。ゴムラテックスと粘着剤と水とを混合する際の順序は特に制限は無く、また、これらを同時に混合してもよい。
ゴムラテックス100質量部に対し、粘着剤は15質量部〜45質量部とすることが好ましい。水は20質量部〜40質量部とすることが好ましい。不凍液は100質量部〜150質量部とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。
なお、ゴムラテックス、不凍液および粘着剤については、第1の態様と同様である。
また、それぞれの添加剤を混合する際は、混合する間隔をある程度あけた方がよい場合がある。例えば、ゴムラテックスに粘着剤を混合した後は、3〜60分後に水を混合し、その後、3〜60分後に不凍液を混合することが好ましい。
(第3の態様)
本発明の第3の態様に係るパンクシーリング剤成分の混合工程は、不凍液と水とを混合して混合液を調製し、この混合液に、ゴムラテックスと粘着剤との混合液を混合する混合工程を含む。
詳細には、不凍液と水とを混合して混合液を調製し、この混合液に、ゴムラテックスと粘着剤との混合液を混合する工程である。不凍液と水と混合質量比(不凍液/水)は、3.0〜10.0とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。なお、不凍液の具体例については、第1の態様と同様である。
次に、ゴムラテックスと粘着剤との混合質量比(ゴムラテックス/粘着剤)は、2.0〜7.0とすることが好ましい。混合する際は攪拌を行うことが好ましく、攪拌速度は、50rpm〜500rpmとすることが好ましい。なお、ゴムラテックスおよび粘着剤の具体例については、第1の態様と同様である。
−他の工程−
本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤成分の混合工程においては、既述のように、混合液の調製中にpH調整のための酸又は塩基の添加や分散剤の添加を行なってもよいし、上記の各混合液調製後に、別途pH調整のための酸又は塩基を添加したり、分散剤を添加する工程を加えてもよい。
〔濾過工程〕
本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造方法においては、前記混合工程の後に、得られた混合液を濾過する濾過工程を有し、該濾過工程中に超音波照射を行なうことが好ましい。ここで、「濾過工程中に超音波照射を行う」とは、前記混合工程により得られた混合液を濾過する最中又は濾過後に、少なくとも1回の超音波照射を行うことをいう。
濾過方法としては公知の方法を採用することができる。上記混合工程を経た後は、ゴムラテックスの凝集によるゲル化が進行して、微粒子状の凝集物が生成する。当該凝集物を放置しておくと、これを核としてゲル化がより進行してしまう。そこで、濾過工程により核となる微粒子状の凝集物を除去し、最終的にゴムラテックス凝集塊に起因するパンクシーリング剤のゲル化を効果的に防止する。その結果、パンクシーリング剤の貯蔵安定性も向上させることができる。
濾過に使用する濾過器のフィルター部材としては、金網状に形成された金属製のメッシュフィルターを用いることが好ましい。この場合、そのメッシュ数は50メッシュ(網目の開口径が約300μm)〜400メッシュ(網目の開口径が約30μm)のものを用いることが好ましい。メッシュフィルターの材質としては、ステンレス、アルミ合金等の耐腐食性が高い金属材料を好適に用いることができる。
また、フィルター部材としては、50メッシュ〜400メッシュのメッシュフィルターの網目と略同等の開口径の微小開口が多数、穿設された多孔質フィルターを用いてもよく、またメッシュフィルターや多孔質フィルターが積層された積層フィルターを用いてもよい。
−他の工程−
本発明の実施の形態に係る濾過工程は、さらに凝集塊成長工程を含むことも好ましい態様である。
凝集塊成長工程は、濾過工程に先立って行なうことが好ましい。この凝集塊成長工程では、混合工程で調液されたパンクシーリング剤原液を少なくとも24時間以上、好ましくは48時間以上の静置時間に亘って撹拌することなく容器内に保持(静置)する。静置時間の下限値は、濾過工程で用いられるメッシュフィルターのメッシュ数等に応じて24時間〜48時間の範囲で適宜、変更することができる。
また、静置時間の上限値は特に制限されないが、パンクシーリング剤を製造する際の工程時間(タクト時間)の制約、製造されたパンクシーリング剤をストックするためのストック量の制限等を考慮すると共に、また保管環境に応じてパンクシーリング剤に含まれる水分量が蒸発又は吸湿により徐々に変化することから、保管時の水分量の変化を考慮すると、静置時間の上限値は480時間以下に設定することが好ましい。
上記各工程では、適宜、分散剤、乳化剤、発泡安定剤、又はアンモニアや苛性ソーダ等のpH調整剤を添加してもよい。
〔パンクシーリング剤の容器への充填〕
本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造工程を経た後のパンクシーリング剤は、1回のパンク修理の際に必要となる量(例えば、200g〜800g)に対応する容量を有する容器内へ充填された後、容器の注入口を、内蓋及び外蓋により閉塞することにより、容器内に密閉状態で保管される。
本発明の実施の形態に係るパンクシーリング剤の製造工程中に超音波照射が行なわれているため、製造されたパンクシーリング剤中には空気の混入が既に抑制されているが、容器内に充填されたパンクシーリング剤にも超音波照射を行なうことが好ましい。容器への充填中に、パンクシーリング剤に空気の混入が生じることを防止し、さらに混入した空気を除去するためである。
パンクシーリング剤が充填された容器は、タイヤに対するパンク修理時に内蓋及び外蓋がそれぞれ取り外され、シーリング・ポンプアップ装置に装填される。このシーリング・ポンプアップ装置は、例えば、ポンプにより容器内のパンクシーリング剤を加圧することにより、これをタイヤのタイヤバルブに接続されたジョイントホースを通して容器からタイヤ内部へ圧送する。
<超音波照射方法>
東京理化器社製、超音波ホモジナイザーVC−505のプローブを、パンクシーリング剤成分の混合液、濾過液、及びパンクシーリング剤中に入れ、それぞれ超音波照射を行なった。超音波照射の時間は、パンクシーリング剤成分の混合液に対しては、成分の混合攪拌時間と同じ時間行った。例えば、後述の実施例2の混合液A21の調製においては、SBRラテックスとロジン系樹脂との混合開始から水を加えて10分間の攪拌が終わるまで超音波照射を継続して行なった。濾過液及びパンクシーリング剤に対してはそれぞれ5分間行なった。
<パンクシーリング剤の調製>
(実施例1)
SBRラテックス40質量部と水5質量部とを、超音波照射しながら混合して混合液(1−1)を調製した。また、プロピレングリコール45質量部とロジン系樹脂10質量部とを、超音波照射しながら混合して混合液(1−2)を調製した。当該混合液(1−1)と混合液(1−2)とを、超音波照射しながら混合して混合液A11を調製した。その後、36時間静置し、次いで、200メッシュのフィルターを使用して濾過を行い、得られた濾過液B1に対して超音波照射した。超音波照射後の濾過液B1をパンクシーリング剤とした。得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填し、パンクシーリング剤のステンレス容器への充填から10分後に超音波照射を行なった。
(実施例2)
SBRラテックス40質量部に、ロジン系樹脂10質量部を、超音波照射しながら混合し、10分間攪拌後、水5質量部をさらに混合して10分間攪拌し、混合液A21を得た。その後、プロピレングリコール45質量部を、超音波照射しながら混合して、10分間攪拌し、混合液A22を得た。その後、36時間静置し、次いで、200メッシュのフィルターを使用して濾過を行い、得られた濾過液B2に対して超音波照射した。超音波照射後の濾過液B2をパンクシーリング剤とした。得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填し、パンクシーリング剤のステンレス容器への充填から10分後に超音波照射を行なった。
(実施例3)
プロピレングリコール45質量部と水5質量部とを、超音波照射しながら混合して混合液A31を調製した。混合液31に、SBRラテックス40質量部とロジン系樹脂10質量部との混合液を、超音波照射しながら混合して、混合液32とした。混合液32を10分間攪拌した後、36時間静置した。次いで、200メッシュのフィルターを使用して濾過を行い、得られた濾過液B3に対して超音波照射した。超音波照射後の濾過液B3をパンクシーリング剤とした。得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填し、パンクシーリング剤のステンレス容器への充填から10分後に超音波照射を行なった。
(実施例4)
実施例1と同様にして、パンクシーリング剤を製造し、得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填した。パンクシーリング剤が充填されたステンレス容器には超音波照射を行なわなかった。
(比較例1)
実施例1のパンクシーリング剤の製造工程において、超音波照射を行なわなかった以外は同様にして、パンクシーリング剤を製造した。得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填した。超音波照射は、パンクシーリング剤に対しても行なわなかった。
(比較例2)
SBRラテックス40質量部に、ロジン系樹脂10質量部を混合して10分間攪拌後、水5質量部をさらに混合して10分間攪拌し、混合液A61を得た。混合液A61に対して窒素置換を行なった後、窒素置換後の混合液A61にプロピレングリコール45質量部を混合して、10分間攪拌し、混合液A62を得、窒素置換を行なった。窒素置換後の混合液A62を36時間静置した後、200メッシュのフィルターを使用して濾過を行い、濾過液B6を得、窒素置換を行なった。窒素置換後の濾過液B6をパンクシーリング剤とした。得られたパンクシーリング剤500質量部をステンレス容器に充填し、パンクシーリング剤のステンレス容器への充填から10分後に、パンクシーリング剤に対して窒素置換を行なった。
なお、超音波照射は、混合液に対しても、パンクシーリング剤に対しても行なわなかった。
−窒素置換方法−
窒素置換は、混合液A61を入れた容器、混合液A62を入れた容器、濾過液B6を入れた容器、及びステンレス容器の各容器内底面にガラス管を接触させ、ガラス管を通じて、流速0.6mL/分の窒素ガスを液中に5分間流入させることにより行なった。
<評価>
1.パンクシーリング剤中の酸素濃度
パンクシーリング剤をステンレス容器に充填してから60分後に、ステンレス容器内のパンクシーリング剤中の酸素濃度を、島津製作所社製、溶存酸素計DO142を用いて測定した。下記評価基準により評価した。なお、許容範囲は○と◎である。
−評価基準−
◎:パンクシーリング剤中の酸素濃度が2g/L未満
○:パンクシーリング剤中の酸素濃度が2g/L以上4g/L未満
△:パンクシーリング剤中の酸素濃度が4g/L以上5g/L未満
×:パンクシーリング剤中の酸素濃度が5g/L以上
2.シール性
パンクシーリング剤を充填したステンレス容器を、80℃のオーブン中に60日間保管し、パンクシーリング剤の寿命(パンクシーリング剤として機能する期間)を、パンクシーリング剤のシール性能の低下度から評価した。具体的には、パンクシーリング剤をステンレス容器に充填してから10日後、20日後、30日後、40日後、50日後、及び60日後に、ステンレス容器からパンクシーリング剤を取り出し、そのシール性を評価した。
具体的には、1つのタイヤのタイヤトレッド溝部に、φ2.3mmの穴をドリルであけ、ステンレス容器から取り出したパンクシーリング剤を注入し、車に装着し、0.2MPaの空気圧を維持しながら、約50km/hで車を走行させ、3km走行時にシールが完了しているか否かによりシール性を判断した。上記条件の下、3km走行時にシールが完了している場合にシール性が良好、3km走行時にシールが未了である場合にシール性が低下したと判断した。
パンクシーリング剤の保存安定性の評価基準は次のとおりである。なお、許容範囲は○と◎である。
−評価基準−
◎:ステンレス容器充填から60日後においても、シール性が良好
○:ステンレス容器充填から50日後まではシール性が良好であるが、ステンレス容器充填から60日後にはシール性が低下
△:ステンレス容器充填から40日後まではシール性が良好であるが、ステンレス容器充填から50日後にはシール性が低下
×:ステンレス容器充填から40日後にはシール性が低下
Figure 2010260885

Claims (6)

  1. 少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合する混合工程を有し、該混合工程中に超音波照射を行うパンクシーリング剤の製造方法。
  2. 前記混合工程後に、濾過を行う濾過工程を有し、該濾過工程中に超音波照射を行う請求項1に記載のパンクシーリング剤の製造方法。
  3. 前記混合工程が、
    ゴムラテックスと水とを混合する第1の混合工程と、
    不凍液と粘着剤とを混合する第2の混合工程と、
    前記第1の混合工程を経た混合液と前記第2の混合工程を経た混合液とを混合する第3の混合工程とを含む請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤の製造方法。
  4. 前記混合工程が、ゴムラテックスと粘着剤と水とを混合した後、不凍液を混合する混合工程を含む請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤の製造方法。
  5. 前記混合工程が、不凍液と水とを混合して混合液を調製し、この混合液に、ゴムラテックスと粘着剤との混合液を混合する混合工程を含む請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤の製造方法。
  6. 前記ゴムラテックスが、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤の製造方法。
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