JP2010259336A - プローブ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 被検染色体と反応した後に被検染色体の少なくとも一部を染色することができる機能を有するプローブにおいて、
プローブとして、
(1) 被検染色体の少なくとも一部と相補性を有し、
(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域由来であり、
(3) 標識物が取り付けられており、
(4) 8万〜100万塩基対
の全ての要件を具備した連続したDNA断片を使用することにより、
被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とするプローブ。
【効果】 染色体の同定と計数の精度を顕著に改善する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブに関するもので、より具体的には、各染色体(1〜22番及びX、Y染色体の24種類)に対して、標識が付けられたプローブを用いて前記各染色体を同定し、かつ計数を行う、換言すれば、染色体の数的異常を検出するために用いるプローブに関する。
従来から、染色体の数的異常は遺伝性疾患や癌などで起こることが知られている。
体外受精で得られる割球、再生医療分野での幹細胞(iPS細胞)を培養した場合、培養条件により染色体の不分離が起こり、染色体の数的異常が起こる場合もある。
そこで、染色体の数的異常に起因する遺伝性疾患を防ぐ目的で、体外受精を行うような場合には、従来から各染色体(1〜22番及びX、Y染色体の合計24種類)の計数を行うことがよく知られていた。
染色体の数的異常を検出する方法としては、具体的には、染色体に取り付く側、すなわち、検出する側のプローブを、検出したい染色体、すなわち、被検染色体の種類に応じて用意し、これらに予め所定の変性処理を施しておく。
しかる後に、このプローブに所定の溶液、例えば、非特許文献1に記載されているように、50%ホルムアミド/硫酸デキストラン等を加え、ハイブリダイゼーション液を調合する。
尚、前記プローブには、目的とする染色体(被検染色体)に結合した際、そのことが顕微鏡等を介して容易に観察できるように、例えば、紫外線照射で発光するような蛍光物質等が標識として付加される。
このようなプローブとして、従来は、例えば、非特許文献2に記載されているように、各染色体の動原体に局在する10から1000塩基対の連続的な反復配列(アルファサテライトDNAなど)を取り出して、これに蛍光物質等の標識物を取り付けてプローブにし、このプローブで間期核内の被検染色体を同定し、シグナルの数(蛍光数)を計数して、各被検染色体(以下単に染色体という。)の計数を行っていた。
細胞工学別冊(臨床FISHプロトコール)株式会社秀潤社、1997年1月10日発行、65〜71頁 細胞工学別冊(臨床FISHプロトコール)株式会社秀潤社、1997年1月10日発行、132〜135頁(4−1間期核FISH法のシグナルカウントの指標と注意点)
従来の技術においては、上述のとおり、非特許文献2にも開示されているように、プローブの作製に際して、各染色体の動原体あるいはその近傍に局在する10から1000塩基対の連続的な反復配列を使用していたためであろうか、目的の染色体以外の染色体との間にも弱いながらも、反応が起こってしまうという問題があった。
このような問題が生じる理由としては、動原体あるいはその近傍に局在する10から1000塩基対の連続的な反復配列をプローブとして使った場合には、全く同じではないけれども、類似した塩基配列が別の染色体内にも存在した場合に、検出目的とする染色体以外の染色体に対してもプローブが一部反応してしまい、弱いシグナル(ノイズ)を出してしまう可能性を指摘することができる。
目的とする本来のシグナル以外のに弱いシグナル(ノイズ)が複数発生してしまった場合には、その弱いシグナル(ノイズ)が、目的とする染色体を認識している本来のシグナルなのか、それとも目的以外の染色体を認識しているノイズなのかの判断が極めて難しいものとなってしまう。
その結果、各染色体における、その数のカウント、すなわち、計数の信頼性が低下してしまう、という問題があった。
上述した従来の技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、目的とする染色体の同定精度を高め、その染色体の計数をより精度良く行うために用いるプローブを提供することにある。
本発明は、[特許請求の範囲]の[請求項1]〜[請求項3]に記載した事項により特定される。

[特許請求の範囲]

[請求項1]
被検染色体と反応した後に被検染色体の少なくとも一部を染色することができる機能を有するプローブにおいて、

プローブとして、
(1) 被検染色体の少なくとも一部と相補性を有し、
(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域由来であり、
(3) 標識物が取り付けられており、
(4) 8万〜100万塩基対
の全ての要件を具備した連続したDNA断片を使用することにより、

被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
被検染色体数的異常検出用プローブ。


[請求項2]
『(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域』が、
その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、
Aを染色体の種類、
pを染色体の短腕、
qを染色体の長腕、
B、C、D、及び、Eを各々一桁の自然数
としたときに、
Bが、
染色体の短腕pにあっては、1であり、
染色体の長腕qにあっては、1または2
であることを特徴とする、
請求項1に記載した

被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
被検染色体数的異常検出用プローブ。


[請求項3]
『(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域』が、
その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、
Aを染色体の種類、
pを染色体の短腕、
qを染色体の長腕、
B、C、D、及び、Eを各々一桁の自然数
としたときに、
Cが、
染色体の短腕pにあっては1〜3のいずれかであり、
長腕qにあっては1または2

であることを特徴とする請求項1又は2に記載した

被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
被検染色体数的異常検出用プローブ。

本発明の請求項1記載の被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブは、被検染色体の一部と相補性を有し、前記被検染色体と反応後前記被検染色体の一部を染色し、被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブであって、該プローブは前記被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域から分離された連続した8万〜100万塩基対のDNA断片から作製され、かつ標識物が取り付けられていることを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項1記載のプローブによれば、従来の動原体あるいはその近傍に局在する10から1000塩基対の連続的な反復配列を用いたプローブと異なり、被検染色体以外の染色体中により類似の少ない特異的な塩基配列を有するDNA断片を選択し易くなる。
それ故、目的とする染色体以外の染色体とは、その一部にあっても反応し難くなり、結果的に弱いシグナルが現れ難くなる。
そのため、目的とする染色体の同定精度も高まり、その計数精度も向上させることができる。
加えて、取り出すDNA断片の長さも8万〜100万塩基対と比較的長いため、プローブに十分な発光量を確保できる標識、すなわち、蛍光物質を取り付けることもできる。それ故、本発明のプローブが目的とする染色体、すなわち、被検染色体と反応した場合には、十分な発光量も得られる。この点からも染色体の同定がよりやり易くなり、その数も数え易くなる。
本発明の請求項2記載の被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブは、請求項1記載の被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブにおいて、前記被検染色体と同種の染色体に存在する前記特異的なDNA領域は、その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、Aを染色体の種類、pを染色体の短腕、qを染色体の長腕、B、C、D、Eを各々一桁の数字であるとしたとき、染色体の短腕pにあっては前記Bは1であり、長腕qにあっては1または2であることを特徴とするものである。
請求項2に記載のプローブによれば、プローブとして用いるDNA断片の取り出し領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、Aを染色体の種類、pを染色体の短腕、qを染色体の長腕、B、C、D、Eを各々一桁の数字であるとしたとき、染色体の短腕pにあってはBを1、長腕qにあってはBを1または2であるようにしているため、DNA断片の取り出し領域を最初から極めて狭い範囲に絞り込むことができ、プローブの作製が容易になる。
加えて染色体の短腕pにあってはBは1、長腕qにあってはBが1または2であることからわかるように、いずれの領域も動原体の位置に極めて近い短腕、長腕の端部、すなわち、動原体の近傍に存在する。
それ故、動原体あるいはその近傍からDNA断片を取り出してプローブを作製していた従来の検出方法をほぼそのまま踏襲したやり方で本発明のプローブを用いた計数検出作業を行うことができるという利点もある。
本発明の請求項3記載の被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブは、請求項2記載の被検染色体の数的異常を検出するために用いるプローブにおいて、前記Cは、染色体の短腕pにあっては1〜3のいずれかであり、長腕qにあっては1または2であることを特徴とするものである。
請求項3記載のプローブによれば、前記請求項1、請求項2の発明の効果に加え、プローブに用いるDNA断片の切り出し位置をより一層狭い範囲に絞り込んでいるため、希望するプローブ作製用DNA断片をより確実に、かつ迅速に用意することができる。
本発明のプローブによれば、目的とする染色体以外の染色体に反応する弱いシグナルを大幅に減少させることができる。そのため、検出目的とする染色体の同定精度を向上させ、その計数をより正確に行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態について、以下に詳細に説明する。
[用語「特異的なDNA領域」なる語の概念]
本発明における「特異的なDNA領域」とは、例えば、1番染色体を例に表現すると、1番染色体に対して特異的なDNA領域とは、1番染色体の所定位置にしか反応しないDNA領域という意味であり、より具体的に、1番染色体のDNA領域である、例えば、1p11.2という領域に特異的なDNA断片といった場合には、1p11.2の領域内にしかハイブリダイゼーション(結合反応)しないDNA断片という意味である。
『被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域』については、その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表すことができる。
ここで、Aは染色体の種類を、pは染色体の短腕を、qは染色体の長腕を意味し、B、C、D、及び、Eは各々一桁の自然数により表される。
好ましくは、Bは、染色体の短腕pにあっては、1であり、染色体の長腕qにあっては、1または2である。
好ましくは、Cは、染色体の短腕pにあっては1〜3のいずれかであり、長腕qにあっては1または2である。
本発明に係るプローブを作製する最初のステップは、まず検出対象、すなわち、検出目的とする染色体と同種の染色体を分離し、続いてこの染色体における特異的なDNA領域を定め、その特異的なDNA領域から十分な量の、具体的には、8万〜100万塩基対からなる連続的な配列を有するDNA断片(以下単にDNAという)を分離、抽出することである。
次に、抽出したDNAを標準的な遺伝子工学技術を用いて必要な量だけクローニングする。これらをもとにプローブを作製することになる。
ここで検出目的とする染色体(被検染色体)と同種の染色体、という意味は、検出目的とする染色体が、いま仮にヒト染色体の1番染色体であった、とした場合、これと同種とは、検出目的とする染色体とは別のヒト染色体の1番染色体を意味する。
抽出されたDNAは、ベクター中でクローニングするか、あるいはまたこのDNAを細胞系で増殖して増幅すればよい。
本発明にあっては、特異的でかつ連続的なDNA配列を選択して、これを3クロ−ンから5クローン抽出して全長320kb〜1000kbのプローブを作製した。
因みに、前記3個から5個のクローンについては、目的以外の染色体を認識しないか否かを個々のクローン毎に確認しているため、クローン1個ずつ用いても良いし、前述したように3クロ−ンから5クローンの連続体を使用してもよい。
尚、1クローンの長さは80kb(8万塩基対分の長さに相当)から200kb(20万塩基対分の長さに相当)であるから、前記特異的な塩基対の長さは1クローン分の長さである8万塩基対から5クローン分の長さである100万塩基対であれば染色体の種類の同定及び計数を行うには十分である。
ここで具体的な例を挙げて説明する。
1番染色体を同定し、計数するプローブを作製するために、1番染色体の動原体に近い位置からプローブ作製用のDNAを分離・抽出した。
因みに、分離したDNAは、いわゆる、特異的なDNA領域から分離した特異的な配列を有するDNAであることは予め確認されているものである。
ここで、具体的に分離した位置を1番染色体のバンデイングで記すと、1q21.3の位置、すなわち、長腕にあって動原体に極めて近い位置である1q21.3の位置から連続する5クローン分の長さのDNAを選択して、分離・抽出した。これを所定濃度になるように公知の方法でクローニング化し、増殖した。
尚、前述したようにプローブとして1個のクローンを用いてもよいが、連続する3個または5個のクローンを使用すると、その長さが長くなる分標識となる蛍光物質をより多くプローブに取り付けることが可能になる。このようにしておくと、検出目的の染色体とこのプローブがハイブリダイゼーション(結合反応)した際、発光量が大きくなり、より識別が容易になる、という利点がある。
すなわち、より安定した同定解析、計数解析を行い易くなる。
前述したように、1番染色体の1q21.3の位置から、特異的なDNA領域として8万〜100万塩基対からなる連続的な配列を有するDNAを分離、抽出して作製した本発明のプローブは、いわゆるシングルコピープローブになっていて、目的とする染色体の標的領域に含まれるシングルコピー配列に相補的である核酸断片の集合体になっている。
換言すると、本発明のプローブの構成は、標的領域をクローニングにより形成した、いわゆるDNAライブラリーになっている。
このように、本発明のプローブは、シングルコピープローブであるから、計数目的とする染色体の相補的部分以外とは原則的にハイブリダイゼーション(結合反応)しないようになっている。
本発明のプローブのハイブリダイゼーション(結合反応)が、目的とする染色体との間でのみ行われるかどうか、すなわち、ハイブリダイゼーションの特異性は、公知の方法であるインシトゥ ハイブリダイゼーションにより試験し、確認することができる。
適宜のハイブリダイゼーション条件のもとで、本発明のプローブが目的とする染色体の標的領域と特異的に結合するならば、プローブとして使用可能であることが確認できる。
因みに、前述した1q21.3から得られたものは、この試験により目的とする1番染色体の1q21.3領域のある部分としか反応しないことが確認されている。
この試験は公知の方法であるから説明は簡単にする。
例えば、1〜10[ng/μl]の範囲で本発明のプローブを所定濃度含み、例えば、非特許文献1に記載されているように、50%ホルムアミド/硫酸デキストラン等が加えられ調合されているハイブリダイゼーション液は、検体に加えられる前に、プローブを変性するために37℃の温度で24時間放置される。
さらに本発明のプローブには、1番染色体側のDNAの所定領域、すなわち、1q21.3領域内のある部分に反応し、結合した際、その位置が顕微鏡等を介して容易に観察できるように、例えば、紫外線照射で発光するような蛍光物質等が標識として付加されている。
具体的には、変更されたヌクレオチドまたは特定の正常なヌクレオチドがニックトランスレーション法等を用いて標識として付加されている。
さらにプローブとして使用される前に、蛋白質を除去する試薬で処理される。この試薬は酵素または塩酸を含んでいる。
酵素としては、プロテナーゼ、ペプシン、プロテナーゼK等がしばしば使用される。典型的な酸処理は0.02−0.2N HClでなされ、続いて高温(例えば、70℃)で洗浄される。脱タンパク質の効率をどうするかは、ハイブリダイゼーション、すなわち、目的とする染色体との反応を最高にするプロテナーゼ濃度と分解時間との組合せを検討した上で、形態学的詳細(morphological detail)が損なわれないような条件設定で行われる。
尚、最適の条件は組織型及び固定方法により異なる。また、プロテナーゼ処理後の付加的固定は有用である。
ところでホルムアミドと熱は主要な変性要因であり、加えたホルムアミドの除去は溶剤による幾度かの洗浄により行われる。かかる溶剤として、例えば、70%、85%、100%の冷エタノールが使用される。
変性物質の組成は、他の構成物の付加または適宜の溶剤での洗浄のいずれかにより調整される。
ハイブリダイゼーション液中のプローブの濃度は重要な要因であって、この濃度は十分に高くなければならない。濃度を十分高くすることで目的とする染色体の結合座位との反応を適当な時間内(数時間〜数日)で完了させることができるようになる。
以上のように1番染色体の1q21.3の領域から、8万〜100万塩基対からなる連続的な配列を有する特異的なDNAを分離・抽出し、これに所定の変性処理等を施して本発明のプローブを作製した。
このプローブを用いて、間期核内に存在する検出目的とする1番染色体の計数検出を行った。
その結果、本発明のプローブは、従来のものと異なり、その特異性が際立っていて、1番染色体の1q21.3内の所定位置にしか反応せず、それ故、反応後の状態を顕微鏡で確認した際、従来のように弱いシグナルは見当たらず、しかもその長さが長く十分な蛍光物質が付加されていることと相俟って、明確な明るさのシグナルしか観察されなかった。よって1番染色体を確実に同定し、その数を間違うことなく、かつ容易に数えることができた。
前述した本発明の実施例では、1番染色体の1q21.3の領域内から分離・抽出して作製したプローブについてのみ説明してきたが、本発明者は1番染色体の長腕のみならず、短腕についても、また1番染色体以外の2番〜22番染色体、さらにはX染色体やY染色体についても、長腕や短腕にあって、動原体に近いバンデイングを有し、かつ連続する8万〜100万塩基対からなるDNAを一つ一つ丹念に調べ、特異的なDNA領域の有無を確認した。
そして、本発明のプローブとして使用可能な各染色体毎の特異的なDNAの所在位置を決定した。その成果を表1に示す。

尚、表1において「―」となっている箇所は、動原体に近い位置で本発明のおけるプローブとして使用できるような特異的なDNA領域を見つけることができなかったことを示している。ところでこの表1を整理すると、以下のことがわかる。
例えば、1〜22番染色体及びX染色体やY染色体にそれぞれ存在する特異的なDNA領域、すなわち本発明におけるプローブとして使用できる領域のバンデイングをApBC.DEまたはAqBC.DEと表示し、Aを染色体の種類(1番〜22番染色体、X染色体及びY染色体のいずれか)、pを染色体の短腕、qを染色体の長腕、B、C、D、Eを各々一桁の数字であるとしたとき、染色体の短腕pにあってはBは1であり、長腕qにあっては1または2であることがわかる。
これをさらに絞ってその位置を明確にすると、バンデイングをApBC.DEと表したときのCは、染色体の短腕pにあっては1〜3のいずれかであり、長腕qにあっては1または2であることがわかる。
また、表1において、このバンデイングに代えてNCBI Build36.3にしたがって表示したものを短腕、長腕各欄の最右欄に記してある。これにより本発明に用いるプローブの分離・抽出領域の位置がより明確になっている。
それ故、本発明に用いるプローブを分離・抽出する場合には、計数を目的とする染色体の種類が決まったら、その種類に応じた染色体のバンデイングあるいはNCBI Build36.3の欄を見て、その位置を確認し、その位置から特異的で、かつ連続する8万〜100万塩基対のDNAを分離・抽出し、以下前述したような公知の方法や手段によってプローブを作製すればよい。
ところで、表1が示すように、いずれのプローブの分離位置も動原体の位置に極めて近い短腕、長腕の端部、すなわち、動原体の近傍に存在する。
それ故、動原体あるいはその近傍からDNA断片を取り出してプローブを作製していた従来の検出方法をほぼそのまま踏襲したやり方で本発明のプローブを用いた計数検出作業を行うことができるという利点もある。
言い換えると、本発明のプローブを用いた場合にあっても、検出目的とする染色体を同定する際には、従来と同様に染色体の動原体近傍に目を凝らして観察していればよいのである。
ところで近年の多数の研究は、特定の病気の診断に役立ち、また病気それ自身の遺伝学的性質への手がかりを提供し、原因となる染色体の数的異常を明らかにした。また今日にあっては、特定の悪性腫瘍の遺伝学的性質が次第によく知られてきている。そこで本発明のプローブを用いれば、これらの研究や解析がますます容易になるものと期待される。
また本発明のプローブは、例えば、体外受精で得たれる受精卵から数個の細胞を解析することや、再生医療での幹細胞(iPS)細胞の数的染色体異常の検出にも適用可能であることはいうまでもない。
以上に述べたように本発明のプローブによれば、目的とする染色体の同定精度を高め、その染色体の計数をより精度良く行うことができる。

Claims (3)

  1. 被検染色体と反応した後に被検染色体の少なくとも一部を染色することができる機能を有するプローブにおいて、

    プローブとして、
    (1) 被検染色体の少なくとも一部と相補性を有し、
    (2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域由来であり、
    (3) 標識物が取り付けられており、
    (4) 8万〜100万塩基対
    の全ての要件を具備した連続したDNA断片を使用することにより、

    被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
    被検染色体数的異常検出用プローブ。

  2. 『(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域』が、
    その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、
    Aを染色体の種類、
    pを染色体の短腕、
    qを染色体の長腕、
    B、C、D、及び、Eを各々一桁の自然数
    としたときに、
    Bが、
    染色体の短腕pにあっては、1であり、
    染色体の長腕qにあっては、1または2
    であることを特徴とする、
    請求項1に記載した

    被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
    被検染色体数的異常検出用プローブ。

  3. 『(2) 被検染色体と同種の染色体に存在する特異的なDNA領域』が、
    その領域の位置表示をApBC.DEまたはAqBC.DEと表し、
    Aを染色体の種類、
    pを染色体の短腕、
    qを染色体の長腕、
    B、C、D、及び、Eを各々一桁の自然数
    としたときに、
    Cが、
    染色体の短腕pにあっては1〜3のいずれかであり、
    長腕qにあっては1または2

    であることを特徴とする請求項1又は2に記載した

    被検染色体の数的異常を検出することができる機能を発揮することができることを特徴とする、
    被検染色体数的異常検出用プローブ。
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