JP2010258137A - 高周波モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波モジュールに対し樹脂封止を行うと半導体部品や回路基板上の配線に樹脂が接することにより電気的特性が変化した。また、封止樹脂に磁性体を添加するシールド方法では高いシールド性が得られなかった。
【解決手段】回路基板上にフェイスダウン実装された半導体部品と、前記半導体部品へ繋がる前記表面配線とが第1の封止材および導電性材で覆われ、前記半導体部品と前記回路基板間に空間が設けられた高周波モジュールであって、前記導電性材は、前記第1の封止材に設けた孔を介して、回路基板上のグランド配線パターンに接続され、前記第2の封止材が、前記第1の封止材と、前記導電性材とを覆う構造である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波用半導体部品および周辺電子部品が回路基板上に実装され、通信等の機能を電子機器に提供する高周波モジュールおよびその製造方法に関するものである。
携帯電話機に代表される小型の通信機器は、近年高機能化が著しく進展し、テレビチューナーや無線LAN等に代表される多数の機能が搭載されている。
これらの機能を携帯電話機等に搭載する手段として、小型の回路基板上に半導体部品および周辺電子部品を高密度に実装し、熱硬化性樹脂で部品実装面を封止した、高周波モジュールが使用される。
この高周波モジュールにおいて、使用する信号周波数がより高周波化される傾向があり、前記のように熱硬化性樹脂で部品実装面を封止することにより、半導体部品と回路基板間の浮遊容量等の電気特性が変化し、高周波モジュールの性能が変化してしまう問題があり、これの対策として図8に示すように、半導体部品102の表面に封止樹脂が接しないように、回路基板101と半導体部品102の回路面間に空隙105を設けることが考案されている。
特開2001−60642号公報
特許文献1が開示する製造方法は、回路基板101と、バンプ103付の半導体部品102の回路面間に空隙105を設けるために、予め空隙となる部分に犠牲層を形成し、樹脂封止後、前記犠牲層を除去することが開示されている。
このような犠牲層による空隙を形成する構造では、犠牲層を作成する工程と除去する工程が必須であり、特に除去工程については300℃以上の高温を加えて昇華させる方法や、液状に溶融させて回路基板に設けた基板孔から流出させる方法が開示されているが、高温に耐えるセラミック基板等の特殊な基板が必要であることや、多数の工程が必要であるなどの課題があった。
また、回路基板上の半導体直下に空間を確保しても、半導体に繋がった表面配線部分に封止樹脂が接することにより、配線周辺の誘電率上昇や誘電損失増大が起こり、電気特性の変化が生じてしまうという課題があった。
また、高周波モジュールは、外部からのノイズを遮断し、さらに、内部で発生した信号が外部に不要に輻射されないように、シールド膜を設けることが必要である。
シールド膜を設ける方法として、一般には金属ケースを被せることや、樹脂封止を行った後、めっき、スパッタリング成膜、導電ペースト塗布等の手段で外装部において、金属膜や導電膜を形成することが行われる。
このシールド膜は、電気抵抗が極力低い材料が好ましく、回路上のグランド配線に接続することで、高いシールド性能が得られる。
一方、1個のモジュール内に複数の半導体部品を搭載した場合、各々の半導体部品相互の干渉を防止するために、シールド膜を各々の半導体部品に分離して設けることが必要な場合があるが、前記のように樹脂封止を行った後、めっき、スパッタリング成膜、導電ペースト塗布等の手段で外装部に導電膜を形成する方法では、各半導体部品を分離してシールドすることは困難であった。
また、特許文献1には、封止材104にフェライト等の電磁吸収材粉末を添加して電磁干渉の影響を低減させることが開示されている。ところが、封止材104は半導体部品102や回路基板101の配線に直接に接するため、ショートの恐れがある導電性粉末を添加することはできず、絶縁性物質であるフェライト等しか添加できない。
この場合、電波のシールド特性上、電波を吸収する効果はある程度期待できるが反射する効果は少なく、携帯電話に搭載される無線LANモジュールなど、高い電波シールド特性が要求されるモジュールとして十分なシールド性能が得られなかった。
本発明は、前記課題を解決し、高周波用半導体部品を樹脂封止した構造でありながら、半導体に特性変化が生じることのないモジュールを簡易な工程で得ることができ、かつ高い電波シールド特性を少ない工程で付与できる画期的な高周波モジュール構造とその製造方法を提供するものである。
本発明の高周波モジュールは、回路基板上にフェイスダウン実装された半導体部品と、前記回路基板と、前記半導体部品とを封止する第1および第2の樹脂とを有し、更に、前記半導体部品と、前記半導体部品へ繋がる前記表面配線とが第1の封止材および導電性材で覆われ、前記半導体部品と前記回路基板間に空間が設けられた高周波モジュールであって、前記導電性材は、前記第1の封止材に設けた孔を介して、回路基板上のグランド配線パターンに接続され、前記第2の封止材が、前記第1の封止材と、前記導電性材とを覆う構造である。
また、本発明の高周波モジュールの製造方法は、回路基板上に半導体部品をフェイスダウン実装する工程と、シート状の未硬化の第1の樹脂に接続孔を設ける工程と、前記シート状の未硬化の第1の樹脂表面に未硬化の導電性樹脂ペーストを塗布および乾燥して未硬化の第1の樹脂と未硬化の導電性樹脂の積層シートを形成する工程と、前記実装された半導体部品を覆って前記積層シートを配置し加熱固定する工程と、前記積層シートが配置された部分および前記回路基板表面を覆うように未硬化の第2の樹脂を配置する工程と、前記第1の樹脂、前記導電性樹脂および第2の樹脂を同時に加熱硬化させる工程を有するものである。
上記手段による効果は次のようになる。
半導体部品およびそれに繋がる表面配線は、第1の封止材とグランド配線に接続された導電性材で覆われ、電気的に十分なシールド効果が得られると共に、半導体部品と回路基板間は空間が設けられているので、封止材の充填による誘電特性の変化がない。
また、第2の封止材が、前記半導体部品を覆っている第1の封止材および導電性材をさらに覆っている構造とすることで、前記第1の封止材および導電性材は外部から保護され、前記第1の封止材および導電性材は機械的な強度を考慮する必要がなく、電気的特性のみを考慮した材質とすることができる。
そのため、第1の封止材は低誘電率および低誘電損失である材料を使用することができ、第1の封止材が表面配線へ接することによる配線部分の電気特性の変化を抑制することができる。
また、前記導電性材は、金属粉を熱硬化性樹脂に大量に添加した材料とすることにより低電気抵抗とすることができ、電気シールド特性が高められる。
前記導電性材は、第1の封止材に設けられた孔を介して回路基板上のグランド配線と接続しているので、孔を任意の位置に設けることで、任意の位置のグランド配線と接続することができる。この構造は次に示すような、複数の半導体部品を搭載した高周波モジュールにおいて有利な効果が得られる。
たとえば、回路基板上に複数の半導体部品を実装したモジュールにおいて、各半導体部品の性能が異なる場合、特性向上のためにグランド配線が分離されている場合が多く、各々の半導体部品のシールド膜を接続するグランド配線も分離されていることが多い。この場合、本発明の構造によると、第1の封止材および導電性材は、各半導体部品毎に分離して配置することができ、かつ、導電性材は、第1の封止材に設けられた孔を介して回路基板上のグランド配線と接続しているので、各半導体部品を覆う導電性材を接続するグランド配線を分離することを容易に実現できる。
また、前記第1の封止材を熱圧着性を有するシート部材とし、前記第1の封止材のシートを熱圧着する温度における封止材の溶融粘度を適度に調整することにより、半導体部品と回路基板間に侵入することなく回路基板上に固定することを容易に実現できる。
また、接続孔を設けた未硬化の第1の封止材のシートと未硬化の導電性材の積層シートを、半導体部品および表面配線を覆って加熱固定した後、未硬化の第2の封止材がそれらを覆って配置された後、一括して加熱硬化されることにより、第1の封止材と導電性材と第2の封止材を構成する分子は相互に熱拡散し、夫々隣接する部材が含まれる中間層を形成する、この結果各部材間に強い接合力が得られ、強固な構造体を得ることができるものである。
本発明の高周波モジュールの断面図 本発明の高周波モジュールの断面図 本発明の高周波モジュールの製造工程を説明する断面図 本発明の高周波モジュール用積層シートの製造工程を説明する断面図 積層シートの接続孔形状を説明する平面図 本発明の高周波モジュールの製造工程を説明する断面図 本発明の高周波モジュールの製造工程を説明する平面図 従来の高周波モジュールの断面図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1では、本発明の高周波モジュールについて、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の高周波モジュールの断面図であり、回路基板に半導体部品が実装され、封止された状態を示す。半導体部品以外の電子部品は省略した。
回路基板1は、一般にガラスエポキシ製多層配線板を使用するが、前記回路基板1では、内層の銅箔パターンは図示を省略しており、表層に形成された銅箔による配線パターン3やグランド配線パターン10を図示している。図示していないが、配線パターン3やグランド配線パターン10の表面にソルダーレジスト(なお図1にソルダーレジストは図示していない)を配置し、必要な部分のみソルダーレジストから銅箔面が露出するように、ソルダーレジスト材によって被覆してもよい。
半導体部品2は、半導体部品2のトランジスタ形成面の接続パッド部(図示せず)に設けたはんだや金製の接続バンプ9と呼ばれる電極で回路基板1上の配線パターン3やグランド配線パターン10と接続する、いわゆるフリップチップ実装を行い、半導体部品2と回路基板1間に前記接続バンプ9の高さ分の空間7を形成している。
第1の封止材4は、エポキシ樹脂に、中空シリカ粉末、中空ガラス粉末等の低誘電率かつ低誘電損失のフィラーを添加したもので、厚さ0.3mm程度の層状に半導体部品2を囲むように配置した。
前記第1の封止材4は、回路基板表面のグランド配線パターン10上で銅箔が露出した部分に対応させて直径0.3mm程度の接続孔6を設け、第1の封止材4表面に形成した導電性材5が前記接続孔6を貫通し、グランド配線パターン10と電気的に接続している。前記接続孔6は、1個の半導体部品2に対し多数個設けることにより、グランド配線パターン10との接続をより確実に、より低抵抗にすることができ、より高周波域(たとえば、800MHz〜100GHz)でのシールド効果を高めることができる。
第2の封止材8は、前記第1の封止材4および導電性材5を覆って、回路基板1の部品実装面全体に形成する。前記第2の封止材は、シリカ粉等を添加したエポキシ樹脂等からなる熱膨張係数が回路基板1と同等かそれより小さく、半導体部品2に近い部材とすることが望ましい。
本高周波モジュール26の側表面27は、回路基板1と第2の封止材8の2種類の材料を主体とすることが機械的な強度面および信頼性の点から望ましい。なお第1の封止材4および導電性材5は、誘電特性や電気抵抗特性を重視して選択するため、機械的強度が劣り、熱膨張係数が回路基板と異なることがあるので、前記側表面に露出されることは望ましくない。
前記導電性材5は、銅粉、銀粉、銀コート銅粉、等の金属粉をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に添加したもので、金属粉の添加量を多くして(たとえば、40重量%以上)電気抵抗を低減させたほうがシールド特性を高められるが、添加量が過多になると、硬化後に均一で緻密な層にならない場合がある。ただし、本発明では、最外装は第2の封止材8により形成されるため、導電性材5は外観によらず低電気抵抗を重視して金属粉添加量を決めることができる。
なお導電性材5の厚みは、1μm以上100μm以下(さらに望ましくは10μm以上50μm以下)が望ましい。なお1μm未満の場合、導電性材5の均一な形成が難しい場合がある。また100μmを超えた場合、コストに影響を与える場合がある。
前記第1の封止材4は、回路基板上の配線パターン3に接しても高周波信号の伝播に影響を与えにくいように、低誘電率かつ低誘電損失であることが重要であり、基材となる樹脂材料はエポキシ樹脂系でも誘電損失が低い材料を選択することが必要であり、また、熱硬化樹脂に限らず、ポリプロピレン、PET、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂も用いることができる。熱可塑性樹脂の場合、第2の封止材8を熱硬化する際の温度で、過度に軟化して半導体部品下の空間7に流入しないように、高温粘度特性を考慮する必要がある。
図2は、回路基板1上に複数の半導体部品を実装した高周波モジュールの断面図である。たとえば、第1の半導体部品20は第1の周波数帯(たとえば、800MHz〜100GHz中の所定の周波数)の送受信機能を有し、第2の半導体部品22は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の送受信機能を有する場合等である。
この場合、各半導体部品のグラウンド配線は、ノイズが回り込まないように、系統を分離した方が特性向上する場合があり、各半導体部品のシールド膜を各々のグランド配線に接続する必要がある。
図2に示すように、第1の半導体部品20を囲むシールド膜である導電性材5はこの第1の半導体部品20の第1のグランド配線パターン21に接続孔6を介して接続され、第2の半導体部品22を囲むシールド膜である導電性材24はこの第2の半導体部品22の第2のグランド配線パターン23に接続孔25を介して接続されている。
第2の封止材8は、これら2個の半導体部品を覆い回路基板1表面全体を封止する。よって、複数の半導体部品が個々に第1の封止材および導電性材で囲まれ、各半導体部品間が回路基板のみの厚みしかない場合も、第2の封止材は回路基板全体を覆うため、機械的強度が優れ、曲げに強い構造とすることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2では、本発明の高周波モジュールの製造方法の一例について図を用いて説明する。
図3(a)〜(d)は本発明の高周波モジュールの工程を順を追って説明した断面図である。
図3(a)は、回路基板1上に半導体部品2を接続バンプ9を用いてフリップチップ実装した状態を示す。なお接続バンプ9としては、例えばはんだバンプを使っても良い。半導体部品2のトランジスタ形成面の接続パッド部(図示せず)に、はんだボールの搭載やはんだペーストの印刷とリフローを行うことにより形成できる。回路基板1の配線パターン3およびグランド配線パターン10上に設けた接続用ランド部28および29に対し前記はんだバンプの位置整合を行いつつ半導体部品2を配置し、リフロー工程を通してはんだバンプを溶融させ接合する。
図3(b)は、後述する製法で作成した第1の封止材4および導電性材5とからなる積層シート18を、前記半導体部品2の実装部に配置すべく、圧着ツール11を用いて前記積層シートを保持した状態を示す。この後、圧着ツールを下降させ、前記積層シートが回路基板1の表面に接した時に圧着ツール11を加熱し、前記積層シート18を回路基板1表面に固定する。圧着ツール11は、半導体部品2に当らないように、半導体部品2や、半導体部品2の上に設ける積層シート18より大きな窪み19を形成したものを用いる。
図3(c)は、前記積層シートの固定が終了した状態を示す。
前記のように、第1の封止材4および導電性材5の積層シートに熱を加えて固定するが、第1の封止材4および導電性材5を完全に熱硬化させたものではなく、次工程にて、ずれが生じない程度に固定すればよい。
また、接続孔6はグランド配線パターン10上の接続用ランド30に位置合わせされており、接続孔6に充填された導電性材5は前記接続用ランド30表面に接している。
次に、図3(d)に示すように、第2の封止材8を、印刷、ディスペンス等の手段で回路基板1の表面全体に供給し、加熱硬化する。
この加熱硬化工程において、前記第1の封止材4および導電性材5も同時に硬化が終了する。これらが一括して同時に加熱硬化されることにより、第1の封止材と導電性材と第2の封止材を構成する分子は相互に熱拡散し、隣接する部材が含まれる中間層を、夫々の層の界面部分に形成する、この結果各部材間に強い接合力が得られ、強固な構造体を得ることができる。
また、1枚の回路基板上に多数個のモジュールを作成し、前記多数個のモジュール全体を第2の封止材で封止後、ダイシングソー等で回路基板および封止材を切断し各モジュールに個片化することも可能であり、大量生産性を向上することができる。
また、図3(b)に示す第1の封止材4および導電性材5の積層シートを、半導体部品2の実装部に配置する工程を、減圧雰囲気で行うことにより、第1の封止材と半導体部品2および回路基板1の間に空気溜りが生じて接着性が低下し、外観上凹凸が生じることを防止できる。
図4(a)〜(d)は、前記第1の封止材4および導電性材5の積層シート18を作成する工程を示す断面図である。
図4(a)は、未硬化のエポキシ樹脂に中空シリカを添加混練したものを厚さ0.3mmに成形したシート12と厚さ0.05mmのPETフィルム13を積層したものである。これは、別に作成したものをプレス接着して得られる。あるいは、PETフィルム13上に未硬化樹脂に溶剤を加えて流動性を与えたものを塗布乾燥してPETフィルム13上にシート12を形成してもよい。なおシート12の厚みは、10μm以上500μm以下が望ましい。なお10μm以下の場合、取り扱いが難しい場合がある。また500μm以上の場合、低背化に課題が残る場合がある。
次に、図4(b)に示すように、前記樹脂シート12とPETフィルム13を積層したものに、接続孔6を打ち抜き加工やレーザー加工により作成する。
次に、図4(c)に示すように、導電性樹脂ペースト14を前記樹脂シート12上に印刷塗布を行い、流動性を消失させるための乾燥を行う。この時、導電性樹脂ペースト14が前記接続孔6に流れ込んで充填していることが必要である。
次に、図4(d)に示すように、前記PETフィルムを除去すると、PETフィルムの厚み分だけ導電性樹脂ペースト14が樹脂シート12の表面より突出させることができる。
ここで、前記樹脂シート12上に導電性樹脂ペースト14を印刷塗布を行う領域は、樹脂シート12より小さくし、周辺に導電性ペースト14が存在しない領域15を設ける方が望ましい。
図3(c)において積層シートの固定が終了したときに、導電性材5が第1の封止材4の外周部よりはみ出て、不要に他の配線とショートすることを防止することができる。
図5(a)は、図4(d)に示す積層シート18を下面から見た平面図であり、接続孔6を複数個設けることが可能である。
また、図5(b)に示すように、接続孔の形状は円形に限らず、数に制限はない。接続孔の目的は、回路基板1上のグランド配線パターン10と導電性材5からなるシールド部分とを接続させるためであり、接続孔6の位置や大きさ等はグランド配線パターンに対応して設計する。なお図5(a)および図5(b)に示すように、積層シート18の各辺や各角に一つずつ以上設けることで、半導体部品2の各辺や各角におけるシールド効果を高めることができる。半導体部品2に隣接する他の部品へのシールド効果の大小を、積層シート18に形成する接続孔6の位置や大きさで調整することができる。こうすることで、導電性材5に厚みムラや、局所的に薄い部分が発生しても、こうした影響を低減できる。
例えば、接続孔6と、グランド配線パターン10と接続形状としては、グランド配線パターン10が幅の狭い線状で、狭隣接する他の配線がある場合は、幅がグランド配線パターンの10の幅より小さい長方形として設計することで、他の配線とのショートを防止する。
なお接続孔6の直径は、グランド配線パターン10のパターン幅より小さくする方が望ましい。また接続孔6の直径は、樹脂シート12の厚み0.25倍以上が望ましい。また導電性材5に含まれる金属粉の粒径の5倍以上(望ましくは10倍以上)が望ましい。
次に、前記図4(d)に示す、導電性樹脂ペースト14が樹脂シート12の表面より突出させて形成したことによって得られる効果を、次に示す図6を用いて説明する。
図6(a)は、前記図4の工程によって作成した第1の封止材4および導電性材5の積層シートを、圧着ツール11に保持し、半導体部品2が実装された部分に位置合わせを行った状態を示す断面図である。
次に、図6(b)に示すように、前記積層シートを半導体部品2の背面および回路基板1の表面に接するまで前記圧着ツールを下降させ、前記積層シートを固定する。
この時、前記樹脂シートの表面より突出した導電性樹脂は、図6(c)に示すように、回路基板1上のグランド配線パターン10の表面に当ると同時に変形して両者の接触面積が拡大する。よって、接続孔6を介したグランド配線パターン10と導電性材5の接続をより確実なものにすることができる。
また、図5に示す積層シート18の平面形状は長方形であったが、これに限定するものではない。
長方形の半導体部品2を囲むように積層シート18を配置する場合、図7(a)に示すように角部を切り欠いた形状(以下、切り欠き形状16とする。なお切り欠き部分の大きさ等は、半導体部品2の厚みに応じて設計すれば良い)16にすると、半導体部品2の厚みに沿って積層シート18が折り曲げられるときに、角部に皺が寄ることを防止できる。
図7(b)は回路基板1上に実装された半導体部品2を上方から見た平面図である。半導体部品2に繋がる基板上のグランド配線パターン10およびその他配線パターン3が複数本引き回されている。
図7(c)は、図7(a)に示す角部に切り欠きがある積層シートが、図7(b)に示す半導体部品実装部分上に配置された後の平面図である。この図において、接続孔6は複数あるグランド配線パターン10に対応して複数個設けられ、正確にグランド配線パターンに位置合わせを行なって配置するが、角部に皺が生じると接続孔の位置がずれる恐れがある。前記角部に切り欠き16を設けることにより、角部に皺が生じることがなく、接続孔の位置がずれることを防止できるものである。
1 回路基板
2 半導体部品
3 配線パターン
4 第1の封止材
5 導電性材
6 接続孔
7 空間
8 第2の封止材
9 接続バンプ
10 グランド配線パターン

Claims (6)

  1. グランド配線パターンと配線パターンとを有する回路基板と、
    この回路基板上にフェイスダウン実装された半導体部品と、
    前記回路基板と、前記半導体部品とを封止する第1および第2の封止材と、
    を有し、更に、
    前記半導体部品と、前記半導体部品へ繋がる前記表面配線と、が第1の封止材および導電性材で覆われ、
    前記半導体部品と前記回路基板間に空間が設けられた高周波モジュールであって、
    前記導電性材は、前記第1の封止材に設けた接続孔を介して、前記グランド配線パターンに接続され、
    前記第2の封止材が、前記第1の封止材と、前記導電性材と、を覆っている高周波モジュール。
  2. 前記導電性材は、金属粉と熱硬化性樹脂とを有する導電性ペーストからなるものである請求項1に記載の高周波モジュール。
  3. 前記第1の封止材は、前記第2の封止材に比べ、比誘電率および誘電正接が小さい請求項1記載の高周波モジュール。
  4. 前記導電性材は、前記第1の封止材に設けられた複数の接続孔を介して回路基板上のグランド配線パターンに接続されている請求項1記載の高周波モジュール。
  5. 前記第1の封止材と前記導電性材と前記第2の封止材の間に、隣接する部材が含まれてなる中間層を、夫々有している請求項1記載の高周波モジュール。
  6. 回路基板上に半導体部品をフェイスダウン実装する工程と、シート状の未硬化の第1の樹脂に接続孔を設ける工程と、前記シート状の未硬化の第1の樹脂表面に未硬化の導電性樹脂ペーストを塗布および乾燥して未硬化の第1の樹脂と未硬化の導電性樹脂の積層シートを形成する工程と、前記実装された半導体部品を覆って前記積層シートを配置し加熱固定する工程と、前記積層シートが配置された部分および前記回路基板表面を覆うように未硬化の第2の樹脂を配置する工程と、前記第1の樹脂、前記導電性樹脂および第2の樹脂を同時に加熱硬化させる工程を有することを特徴とする、高周波モジュールの製造方法。
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