JP2010257840A - 蛍光ランプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】180℃を超える高温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定を行える蛍光ランプの製造方法を提供することにある。
【解決手段】封止工程13により、内面に蛍光体が塗布されたバルブの両端にフィラメント電極を封止する。排気工程14により、封止されたバルブ内を排気する。この後、ガス充填工程15によりバルブ内に希ガスを封入してから、封切工程16により排気管を閉じて発光管を形成する。点灯検査工程17により、発光管を点灯させた状態で加熱炉に通過させながらエージングをする。このエージングをする点灯検査工程17で、発光管の表面最低温度が180℃を超える温度となるように発光管を加熱炉で加熱しながら、表面最低温度に応じて定められた所要時間の間発光管を加熱炉に滞在させる。それにより、エージングをしながら発光管の良否を検査できるようにしたことを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】封止工程13により、内面に蛍光体が塗布されたバルブの両端にフィラメント電極を封止する。排気工程14により、封止されたバルブ内を排気する。この後、ガス充填工程15によりバルブ内に希ガスを封入してから、封切工程16により排気管を閉じて発光管を形成する。点灯検査工程17により、発光管を点灯させた状態で加熱炉に通過させながらエージングをする。このエージングをする点灯検査工程17で、発光管の表面最低温度が180℃を超える温度となるように発光管を加熱炉で加熱しながら、表面最低温度に応じて定められた所要時間の間発光管を加熱炉に滞在させる。それにより、エージングをしながら発光管の良否を検査できるようにしたことを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明はエージングによる点灯検査工程を備えた蛍光ランプの製造方向に関する。
ゲッタを封装した排気管封切後のランプを、100〜180℃の温度で加熱処理して吸蔵不純ガスを放出させ、その後の冷却過程においてこのランプをエージングして、放出された不純ガスをゲッタで吸収除去することにより、ランプ内各部に不純ガスが再吸収されることを抑制した蛍光ランプの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この製造方法は例えばFLR110型蛍光ランプに適用される。この製造方法によれば、エージングにより放出された不純ガスがゲッタで除去されるので、長期点灯中の不純ガスの放出が抑制され、その結果、不純ガスによる管壁黒化、始動特性の低下、始動電圧の上昇或いは早期始動不良を減少させることができる。
以上のようにエージング前の加熱により放出された不純ガスのランプ内各部への再吸収抑制を目的とした従来の製造方法で、不純ガスを放出させる温度の上限を180℃とした理由は、この温度を超えた場合、放出される不純ガスの量が多すぎて、エージングの始動が困難になるからであると、説明されている。
蛍光ランプに吸蔵される不純ガスとしては、N2、CO2、CO、H2O、H2等が代表的に知られている。この内、N2は熱に対して不活性(安定)で他の元素と結合し難いが、低温で放出される。これに対して、CO2、COは熱に対して活性であり分解し易く、H2O、H2は熱に対して更に活性であり分解し易い。
FLR110型蛍光ランプなどの直管型蛍光ランプは、形状的に大きく、かつ負荷も比較的低く、そのバルブの表面最低温度は最高でも40℃程度である。そのため、点灯中においてN2の放出を抑制できれば実用上は充分である。こうした事情から、加熱により放出されたN2及びHgのガスを吸蔵できるゲッタを用いた前記製造方法が提案されている。この方法によれば、エージング前の過熱工程での加熱温度が100〜180℃であるので、H2、H2O、及びHgの不純ガスを放出させて、それを冷却過程でのエージングの際に、ゲッタに再吸収させることができる。
一方、最近多用されつつある電球型の蛍光ランプは、その発光管のバルブが略U字形や略M形等に曲げられていて小形に作られているとともに、E26型等の口金とグローブとで密閉された空間内に発光管が収容された構成であり、かつ、高負荷である。そのため、電球型の蛍光ランプの点灯中、その発光管の表面最低温度は少なくとも160℃であり、ランプの構成によっては発光管の表面最低温度が240℃以上となる電球型の蛍光ランプも提供されている。
このように小形で高負荷の蛍光ランプを、特許文献1の製造方法で製造すると、その使用時の発光管の表面最低温度は、特許文献1の製造方法で行われる不純ガスを放出させるための加熱温度の上限付近乃至はこの上限温度を超える温度となる。
しかし、小形で高負荷の蛍光ランプが特許文献1の製造方法で製造された場合、前記のように100〜180℃の加熱温度では、吸蔵された全ての不純ガスを放出できない。そのため、小形で高負荷の蛍光ランプの点灯中、100〜180℃の加熱で放出されずに吸蔵されたままの不純ガスが放出されるようになる。このことは、特許文献1中の不純ガスを放出させる温度の上限である180℃を超えた場合、放出される不純ガスの量が多すぎて、エージングの始動が困難になる、との記載に整合する。
前記高温の温度域で放出される不純ガスは、CO2、CO、H2を主成分とすることが、本発明者の研究により解明された。更に、この不純ガスの放出のピークとなる温度は、図6に示すように250℃であることも判明した。これとともに、図6に示すように100℃で不純ガスの放出ピークがあり、ここで放出される不純ガスはN2、H2Oを主成分とすることも判明した。
小形で高負荷の蛍光ランプで、その点灯中に吸蔵された不純ガスが以上のように放出されると、そのガスにより発光管電圧が上昇するとともに放電不良が起きる。したがって、ちらつき現象を経て、やがては不点の状態に至ることがある。
このような事態は改善されるべきであるが、既述のように特許文献1に記載の従来技術は、180℃を超える高温度で放出される不純ガスを原因とする不点についての対策を講じていない。即ち、不純ガスを原因とする不点対策としては、不点原因を除去できる製品開発も可能である。しかし、これに代えて、不点原因はそのままにして置いて、発光管が不純ガスを原因として不点となるか否かを検査することにより、発光管の良否判定を行い、不良製品を排除して、良製品のみを提供することが現実的である。しかし、こうした要請は、特許文献1に記載の従来技術では満たすことができない。
前記のように従来技術は、180℃を超える温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定を行うことができない、という課題がある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、内面に蛍光体が塗布されたバルブの両端に電極を封止する封止工程と;封止された前記バルブ内を排気する排気工程と;排気後に前記バルブ内に希ガスを封入するガス充填工程と;この充填工程で用いた排気管を閉じて発光管を形成する封切工程と;封切後に前記発光管を加熱しながらエージング点灯回路によりエージングをする点灯検査工程であって、前記発光管の表面最低温度が180℃を超える温度となるように前記発光管を加熱しながら前記表面最低温度に応じて定められた加熱時間の間前記発光管をエージングする前記点灯検査工程と;を具備したことを特徴としている。
この発明で、発光管とは、内面に蛍光体が塗布されたバルブの両端に電極を封止するとともに、バルブ内に希ガスを封入してなり、電極間の放電で水銀から紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を発光させるものを指している。この発明で、発光管の表面最低温度とは、発光管を発光させた状態で、そのバルブ表面の温度の内で最も低い温度を指している。この表面最低温度が生じる位置は、例えば電球型の蛍光ランプがその口金を上向きにして配置される場合、口金を下向きにして配置される場合、或いは口金を横向きにして配置される場合等の蛍光ランプの点灯方向により異なる。
この発明で、エージングする際に発光管を加熱する手段として例えばヒータが内蔵された加熱炉を挙げることができ、この加熱炉に発光管を通過させることで、発光管を加熱できる。この場合、加熱炉は、これを通過しようとする発光管を上方から加熱するヒータ、下方から加熱するヒータ、側方から加熱するヒータの内、少なくとも一つのヒータを有していればよいとともに、この加熱炉中の所定領域を通過する時間により、加熱されながらエージングされる発光管の表面最低温度に応じて定められた発光管の加熱時間(ガス放出検査時間)を確保できる。
この発明で、エージングされる発光管の加熱時間(ガス放出検査時間)は、同じの大きさの発光管であれば、180℃を超える加熱温度が高い程加熱時間は短くてよく、この逆に加熱温度が180℃の近い略加熱時間を長く必要とする。これとともに、この発明で、加熱時間(ガス放出検査時間)とは180℃を超える温度を発光管が維持している時間を指している。図6に示したように180℃を超えた温度領域でのガス放出のピーク温度が250℃であるので、点灯検査工程の処理時間を短くする上で、加熱温度を(250±50)℃の範囲内に設定することが好ましく、又、320℃を超える温度域で加熱することは不純ガスを効率よく放出させるには難があり点灯検査工程の実行時間を短くする、つまり製造性を向上する上では好ましくない。この発明で、180℃を超える加熱温度とした根拠は、高温度領域で不純ガスが放出を始める温度は約170℃であるが、そのばらつきを考慮するとともに、170℃の温度での加熱時間よりも短い時間で点灯検査工程が終わるようにしたことにある。
請求項1の発明では、封止工程、排気工程、ガス充填工程、及び封切工程を経て形成された発光管を、点灯検査工程により加熱しながらエージングすることによって、発光管をエージングしながら180℃を超える温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定を行うことができる。
即ち、排気工程での排気不良を原因として不純ガスが発光管の各部に吸蔵されている場合、発光管を点灯させたエージング状態で、この発光管の最低表面温度が180℃を超えるように所定時間加熱されることにより、吸蔵されている不純ガスが放出される。放出された不純ガスにより点灯中に発光管にちらつきが発生し、或いは放電が立ち消えて不点状態になると、その発光管は不良製品であると判定できる。排気工程での排気が充分で不純ガスが発光管の各部に吸蔵されていないか、点灯を持続する上で問題にならない程度のごく微量な吸蔵である場合、前記加熱に拘らず、不純ガスを原因とする発光管のちらつき、或いは不点を生じないので、その発光管は良製品であると判定できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記エージング点灯回路が鉄心と電線を組み合わせて形成された鉄心安定器を有していて、このエージング点灯回路を用いて前記発光管をエージングすることを特徴としている。
請求項2の発明では、発光管を点灯させるエージング点灯回路の鉄心安定器は、発光管の点灯安定時に電極間にかかる電圧(ランプ電圧)を低く制御しているため、不純ガスの放出を原因として電極間の放電が止まると、ランプ電流が切れ易い。これにより、発光管の不良判定を確実にできる。なお、これに対して電子安定器をエージング点灯回路に用いた場合、この電子安定器は、発光管のランプ電圧を高く維持する電子回路であるので、不純ガスが放出されても放電を維持する性能があり、したがって、発光管の不良判定をするには適していない。
請求項1の発明によれば、発光管の表面最低温度が180℃を超える温度で、かつ、この表面最低温度に応じて定められた加熱時間で発光管をエージングする点灯検査工程を備えて、発光管をエージングしながら180℃を超える温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定を行うことができるので、この判定により良製品と判定された発光管が組み込まれた蛍光ランプを提供できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、更に、不純ガスが放出されて電極間の放電を止まった場合、その状態を維持し易いので、発光管の不良判定を確実にできる。
以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施の形態について、詳細に説明する。
図2中符号1は、本発明の一実施形態に係る製造方向で造られた蛍光ランプ、例えば電球型の蛍光ランプを示している。この電球型の蛍光ランプ1は、口金2と、発光管3と、インバータ式の点灯回路4と、グローブ5と、カバー6を備えている。カバー6の一端側に発光管3が取付けられ、カバー6の他端側に口金2が取付けられている。これとともに、発光管3を点灯させる点灯回路4はカバー6の内側に配設されている。透明又は拡散透光性の材料からなるグローブ5は、カバー6の一端側に取付けられていて、発光管3を覆っている。
発光管3は、その放電路を曲げてコンパクトに作られていて、例えばU字形に曲げられている。この発光管3は、図1に示した封止工程13、排気工程14、ガス充填工程15、及び封切工程16を経て形成される。
つまり、まず、蛍光体(図示しない)が内面に塗布されガラス製のバルブ10と、フィラメント電極11(図5参照)が装着されるとともに図示しない排気管を有したマウントステム12を用意する。
バルブ10の両端にマウントステム12を封止し、次いで、バルブ10を加熱しながら排気管を通じてバルブ10内を真空ポンプ等により排気する。これにより、電極を活性化する。この排気後に、排気管を通じて不活性ガスなどの希ガスをバルブ10内に充填し、次いで排気管を封切する。以上の工程を順次経ることで発光管3が形成される。
この後、本発明方法では図1に示すように点灯検査工程17を実施して製品18を得る。この点灯検査工程17では、図3及び図4に示した加熱手段付きのエージング装置21を用いて、このエージング装置21が有したエージング点灯回路22(図5参照)を用いて発光管3を点灯させてエージングをするとともに、これと同時に点灯状態にある発光管3を加熱する。
図5に示すようにエージング点灯回路22は鉄心安定器23及び点灯管24を有している。鉄心安定器23は、図示しない鉄心とこれに絶縁被覆電線を巻き付けて組み合わされたものであって、商用交流電源25を発光管3のフィラメント電極11に印加する。点灯管24は、ガラス管内に固定電極とバイメタル電極を封入してなるスタータであり、発光管3の両端のフィラメント電極11に接続されている。
このエージング点灯回路22で、この回路に商用交流電源25の電圧が加えられると、点灯管24でのグロー放電により点灯管24の接点をなした固定電極とバイメタル電極が閉じるので、発光管3のフィラメント電極11に短絡電流が流れてこのフィラメント電極11が予熱され、この電極から電子が放出される。やがて、点灯管24が冷えてその接点が開くと、その瞬間に鉄心安定器23からキック電圧が発生してフィラメント電極11間にかかり、発光管3が点灯する。この始動後には、フィラメント電極11にかかるランプ電流によりフィラメント電極11からの電子放出が継続されて点灯状態が維持される。エージング点灯回路22は後述する発光管受け部材31と同数設けられる。
エージング装置21は、エージング点灯回路22の他に、図3に示すように発光管3が着脱自在にセットされる発光管受け部材31を複数有したコンベア32と、搬入機構33と、搬出機構34と、判定センサ35と、加熱手段例えば加熱炉36を備えている。
コンベア32は環状例えば円環形であり、その上面に発光管受け部材31が周方向に一定間隔で取付けられている。なお、コンベア32は四角環形でも、真っ直ぐに配設されていても良い。このコンベア32は例えば2分で一回転されるようになっている。発光管受け部材31は、それに検査対象の発光管が取付けられた状態で、この発光管に通電できる。
搬入機構33は、製造された検査対象の発光管3を、搬入位置に移動されてきた発光管受け部材31に自動的にセットする。搬出機構34は、搬入位置を基点としてコンベア32の搬送方向(図3及び図4中矢印Fで示す。)に略360°に近い角度に達する位置に設定された搬出位置に移動されてきた発光管3を、発光管受け部材31から自動的に外すとともに、判定センサ35が取得する判別情報に基づき、後述する良製品と不良製品とを仕分けする。
判定センサ35は、例えば光センサなどからなり、加熱炉36の出口36bと前記搬出位置との間に配設されている。この判定センサ35は、発光管受け部材31にセットされた発光管3が加熱炉36を通過した状態で点灯状態を維持している場合、その光を検知して発光管3が良製品であると判定する。又、判定センサ35は、発光管受け部材31にセットされた発光管3が加熱炉36を通過した状態で不点状態にある場合、この発光管3からの光を検知しないことにより、この発光管3が不良製品であると判定する。
図3に示すように加熱炉36はコンベア32の前記搬入位置と搬出位置との間で搬入位置から搬出位置に至る搬送領域に配置されている。図4に示すように加熱炉36の一端に入口36aが開口され、加熱炉36の他端に出口36bが開口されている。この加熱炉36にコンベア32が通されている。加熱炉36はその内部にヒータ37を有している。図4に示したヒータ37は、加熱炉36を通るコンベア32及びその上面に支持された検査対象の発光管3を上方から加熱するために、加熱炉36の上部にコンベア32に対向して配設されている。
ヒータ37は電気ヒータであり、入力を調整することにより発熱量を変えることができる。加熱炉36の入口36a付近と出口36b付近の炉内温度は低いが、加熱炉36の中間部(コンベア32による搬送方向を基準として)の炉内温度が、180℃以上、好ましくは200℃〜300℃、例えば230℃を維持するように前記入力調整によりヒータ37の発熱が調整されている。この炉内温度領域を本明細書ではガス放出検査領域と称し、この領域は、例えば加熱炉36全体の略1/3を占めて加熱炉36の中央部に設定されている。又、本明細書では、前記ガス放出検査領域を通過するのに要する時間をガス放出検査時間と称する。
点灯検査工程17では、コンベア32が連続運転されるとともに加熱炉36が加熱状態にある条件下で、搬入機構33により検査対象である発光管3が、搬入位置に移動されてきた発光管受け部材31にセットされる。こうしてセットされた発光管3は、この発光管3がセットされた発光管受け部材31の夫々に個別に接続されているエージング点灯回路22によって点灯されて、コンベア32上に保持されている間エージングされる。エージングに要する時間は、点灯開始時から搬出機構34でコンベア30上から外されるまでの時間である。
このエージング中、発光管3は加熱炉36を所定の時間をかけて通過する。この搬送及び加熱炉36を通過するために要する時間は、コンベア32に搬送速度に依存している。この加熱炉通過時間よりも発光管3が所定の温度まで昇温してその昇温した温度に維持されている時間(前記ガス放出検査時間)は短い。点灯状態の発光管3が加熱炉36で加熱されることにより、発光管3の各部に不純ガスが吸蔵されている場合、その不純ガスが放出される。
この不純ガスは図6に示すように二回に分けて放出される。具体的には、発光管3の温度が上昇して、その表面最低温度が100℃前後となるように発光管3が加熱されることにより、第1回目の不純ガスが放出される。この後、一旦、不純ガスの放出が中断し、更に、発光管3の表面最低温度が180℃以上から300℃となるように発光管3が加熱された状態で、第2回目の不純ガスが放出される。第1回目の低い加熱温度で放出される吸蔵ガスは、主にH2及びHgのガスであり、第2回目の高い加熱温度で放出される吸蔵ガスは、主にCO2、CO、H2のガスであって、一回目に放出された不純ガスよりも多く放出される。
図7に、前記ガス放出検査領域において検査される発光管3の表面最低温度が180℃となるように前記加熱炉36が有したヒータ37の発熱量を調整した場合の点灯時間(言い換えれば加熱手段によるガス放出検査時間)と、VL(発光管電圧)の変化を示す。ここにVLの値は、検査される発光管3にかかる電圧であり、この値が高いほど発光管3内に不純ガスが多く放出されたことを表している。
この実施例1において、不純ガスが1%以下の良製品として用意された発光管は、点灯開始(始動)後、12秒まではVLの値が僅かに高まる傾向が見られ、その後、点灯開始から30秒を越えても60秒経過しても、VLの値には変化が見られなかった。なお、点灯開始後12秒の不安定期間は、以下の理由による。つまり、検査される発光管3が加熱されると、不純ガスの他に水銀ガスも同時に放出され、この水銀ガスがVLの値を高くするように働くからである。この水銀ガスの放出は前記不安定期間を超えると無視できるほど低くなって安定するが、それ以降も不純ガスの放出は継続される。
これに対して、不純ガスが10%の不良製品として用意された発光管3は、点灯開始の時点から良製品に係る発光管よりVLの値が高いとともに、この点灯開始時点から30秒までは、VLの値には変化が殆ど見られなかったが、30秒を超えて時間が経過するほど、VLの値が徐々に高くなる傾向が見られた。したがって、更に、長いガス放出検査時間を設定することにより、やがては不純ガスの放出量の増加に伴うVL値の増加で、当該し発光管が不点に至るようになる。
図8に、前記ガス放出検査領域において検査される発光管3の表面最低温度が200℃以上例えば230℃となるように前記加熱炉36が有したヒータ37の発熱量を調整した場合の点灯時間(言い換えれば加熱手段によるガス放出検査時間)と、VL(発光管電圧)の変化を示す。
この実施例2において、不純ガスが1%以下の良製品として用意された発光管は、点灯開始(始動)から30秒を越えても60秒経過しても、VLの値には変化が見られなかった。この場合に、点灯開始直後に前記不安定期間が見られない理由は、検査される発光管3の表面最低温度が高いことに伴い、水銀ガスの放出速度が速く、それが速やかに安定するからであると考えられる。
これに対して、不純ガスが5%の不良製品として用意された発光管では、点灯開始の時点からVLの値が90ボルトと良製品に係る発光管のVL値より高いとともに、この点灯開始時点から急激にVLの値が増加し、やがて点灯開始時点から30秒を経過した時点で発光管が不点(点灯状態から消灯する。)に至り、かつ、この不点に至った時点でのVLの値は130ボルトであった。
この場合、鉄心安定器23を有した図5のエージング点灯回路22で、検査対象の発光管のVL値が所定のレベルに達する直前の段階では、検査対象の発光管の放電が不安定になるので、ちらつきを生じるとともに、点灯管24は点滅を繰り返すようになる。そして、前記所定レベルをVL値が超えると、点灯管24の点滅は継続するが、検査対象の発光管は不点状態となる。
又、不純ガスが10%の不良製品として用意された発光管では、点灯開始の時点からVLの値が130ボルトと良製品に係る発光管VL値より高いとともに、この点灯開始時点から12秒経過するまではVLの値が僅かに低下し、かつ、元のVL値130に戻る傾向が見られ、その後は急激にVLの値が増加し、やがて点灯開始時点から30秒を経過した時点で発光管が不点に至り、かつ、この不点に至った時点でのVLの値は175ボルトであった。
以上の結果から不純ガスが1%以下の発光管は、エージング中の加熱に拘らず、VLの値が殆ど変化することがなく、点灯状態を維持して、コンベア32の動作で加熱炉36を通過する。これに対して、不純ガスが5%又は10%の発光管は、エージング中において加熱炉36のガス放出検査領域での加熱による不純ガスの放出を原因として、不純ガスが1%以下の発光管のVL値との乖離ないしは発光管に不点を生じる。この場合、ガス放出検査領域での加熱温度が高いほど、検査される発光管が不点に達するまでの時間が短く、製造性が良い。又、ガス放出検査領域を通過するに要するガス放出検査時間は、以上の結果からして30秒以上あれば良いことが分かった。
加熱炉36の出口36bを通過して、判定センサ35が監視するセンサ位置に到達した発光管3は、それが良製品である場合には点灯状態にあり、不良製品である場合には不点状態にある。そのため、判定センサ35は、センサ位置に搬送されてきた発光管3が点灯状態にあるのか不点状態にあるのかを検出できる。
以上のように本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、封切後にエージング点灯回路22により検査対象の発光管3を点灯させた状態で加熱炉36に通過させながらエージングをする点灯検査工程17であって、検査対象の発光管3の表面最低温度が180℃を超える温度となるように加熱炉36で前記発光管を加熱するとともに、前記表面最低温度に応じて定められた所要時間以上検査対象の発光管3を加熱炉36に滞在させて前記エージングをする前記点灯検査工程17を備えたことによって、180℃を超える温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定を行うことができる。
そして、判定センサ35の検出情報は搬出機構34に供給される。搬出機構34は、搬出位置に搬送されてきた全ての発光管を、発光管受け部材31から取外した上で、良製品に係る発光管と不良製品に係る発光管とを仕分けして、それぞれの仕分け箇所に受け渡す。
なお、以上のようにして選別された良製品に係る発光管3は、電球型の蛍光ランプ1の組立工程に搬送され、口金2、点灯回路4、及びグローブ5と組み合わされて、電球型の蛍光ランプ1に組立てられる。こうして得た電球型の蛍光ランプ1が備えた発光管3は、既述のように180℃を超える温度で放出される不純ガスを原因とする発光管の良否判定の結果、良製品として選別されたものであるので、高品質な電球型の蛍光ランプ1を製造できる。
以上説明した検査において、検査対象の発光管を点灯させるエージング点灯回路22が有した鉄心安定器23は、発光管3の点灯安定時にフィラメント電極11間にかかる電圧(ランプ電圧)を低く制御しているため、不純ガスの放出を原因としてフィラメント電極11間の放電が止まると、ランプ電流が切れ易い。そのため、検査対象の発光管の不良判定を確実にできる。これに対して電子安定器をエージング点灯回路22に用いた場合、この電子安定器は、検査対象の発光管のランプ電圧を高く維持する電子回路であるので、不純ガスが放出されても放電を維持する性能があり、したがって、検査対象の発光管の不良判定をするには適していない。
なお、既述のように180℃を超える高温度で放出される不純ガスによって検査対象の発光管のVL値が上昇するので、放電が立ち消えする所定のレベルを計測器で検出することにより、当該発光管を消灯させることも可能である。しかし、この場合、計測器及びそれが所定レベルのVL値を検出した直後に、当該発光管への通電を停止させる手段を新たに工夫する必要であり、構成上複雑となる可能性が高い。これに対して、鉄心安定器23を用いることで、新たな工夫も複雑な構成を採用することなく、発光管のVL値が所定レベルに達することで既述のように発光管を不点状態に維持できる。したがって、図5に示したエージング点灯回路22を採用することは、発光管が不点状態となる程度の不純ガスの放出を、低コストで検出する上で好ましい。
1…電球型の蛍光ランプ、3…発光管、10…バルブ、11…フィラメント電極、13…封止工程、14…排気工程、15…ガス充填工程、16…封切工程、17…点灯検査工程、21…エージング装置、22…エージング点灯回路、23…鉄心安定器、36…加熱炉(加熱手段)
Claims (2)
- 内面に蛍光体が塗布されたバルブの両端に電極を封止する封止工程と;
封止された前記バルブ内を排気する排気工程と;
排気後に前記バルブ内に希ガスを封入するガス充填工程と;
この充填工程で用いた排気管を閉じて発光管を形成する封切工程と;
封切後に前記発光管を加熱しながらエージング点灯回路によりエージングをする点灯検査工程であって、前記発光管の表面最低温度が180℃を超える温度となるように前記発光管を加熱しながら前記表面最低温度に応じて定められた加熱時間の間前記発光管をエージングする前記点灯検査工程と;
を具備したことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。 - 前記エージング点灯回路が鉄心と電線を組み合わせて形成された鉄心安定器を有していて、このエージング点灯回路を用いて前記発光管をエージングすることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
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CN102103191A (zh) * | 2011-01-24 | 2011-06-22 | 天长市兴龙节能照明科技有限公司 | 一种无极灯光源检测装置 |
CN103456582A (zh) * | 2012-11-13 | 2013-12-18 | 武汉和光照明科技有限公司 | 一种制作灯管的工艺方法 |
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2009
- 2009-04-27 JP JP2009108071A patent/JP2010257840A/ja not_active Withdrawn
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