JP2010257817A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コネクタを基板に固定するにあたり、着脱可能で、トルク管理を行うことなく、強固な締付け力を得ることができる固定構造を実現する。
【解決手段】 コネクタハウジング3に設けられた係止穴5に基板2の取付け穴21から基板2を挟んで係止ピン6を挿し込んで、係止ピン6を所定角度回転することにより、係止ピン6の先端に設けられた少なくとも2つの脚部63が係止穴5の穴奥に設けられたガイドピン54と協働して押し広げられ、各脚部63から張出して設けられた足部64の傾斜面65が係止穴5の穴壁に設けられた係止面53に乗り上げて、脚部63が引っ張られる。これにより、係止ピン6の頭部61と足部64との間に引張力が作用して、基板2にコネクタハウジング3を強固に固定することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 コネクタハウジング3に設けられた係止穴5に基板2の取付け穴21から基板2を挟んで係止ピン6を挿し込んで、係止ピン6を所定角度回転することにより、係止ピン6の先端に設けられた少なくとも2つの脚部63が係止穴5の穴奥に設けられたガイドピン54と協働して押し広げられ、各脚部63から張出して設けられた足部64の傾斜面65が係止穴5の穴壁に設けられた係止面53に乗り上げて、脚部63が引っ張られる。これにより、係止ピン6の頭部61と足部64との間に引張力が作用して、基板2にコネクタハウジング3を強固に固定することができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、コネクタに係り、具体的には、プリント配線基板等の基板にコネクタを固定する固定構造に関する。
プリント配線基板等の基板にコネクタを固定する技術としては、特許文献1の図8等に記載されているように、基板の取付け穴からコネクタハウジングに形成されたねじ穴にねじを螺合してコネクタを基板に固定することが知られている。これにより、基板に対してコネクタを着脱可能に固定できるとともに、強固に固定できる利点がある。
しかし、特許文献1の固定方法によれば、コネクタは樹脂製であるから、ねじ山の強度を高くすることに制約がある。そのため、ねじ穴に固定ねじを締付けすぎるとねじ山がせん断されるおそれがあることから、ねじ締付け時のトルク管理を欠かすことができず、固定作業を簡単化することができないという問題がある。また、ねじ穴にねじを螺合させる場合に、ねじが斜めに挿入される場合があり、適正な姿勢でねじ穴に着座しないで固定されてしまうおそれがある。さらに、コネクタハウジング材料の強度によっては、ねじ強度を向上するために、ねじ穴径を変更する必要があり、ねじ径などの標準化の妨げになる。
なお、特許文献1には、他の固定方法として、コネクタ側に設けた係止ピンを基板に設けた係止穴に挿入して、係止ピンの突起を係止穴の縁に係止させて、コネクタを基板に固定することが提案されているが、コネクタの基板への固定力が弱いという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、コネクタを基板に固定するにあたり、着脱可能で、トルク管理を行うことなく、強固な締付け力を得ることができる固定構造を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、コネクタハウジングに設けられた係止穴に基板の取付け穴から前記基板を挟んで係止ピンを挿し込んで、該係止ピンを所定角度回転することにより基板にコネクタハウジングを固定する固定構造を有するコネクタである。
この場合において、前記係止ピンは、前記基板の取付け穴よりも大きい頭部と、該頭部に連接して形成され前記基板の取付け穴に挿入可能な円柱状の胴部と、該胴部の先端面から延在させて該胴部の周方向に所定の間隔を設けて形成された少なくとも2つの脚部と、該各脚部の先端部に前記胴部の外周面よりも張出して形成された足部とを有し、該足部の前記頭部側の面が前記脚部側に向うにつれて前記頭部側に近づく傾斜面を有して形成されてなることを特徴とする。ここで、円柱状の胴部は、基板の取付け穴に挿入される大径の第1胴部と、この第1胴部に連結して延在される小径の第2胴部を有して形成することができる。この場合、第2胴部の先端に少なくとも2つの脚部を延在させて形成することは言うまでもない。
一方、前記係止穴は、前記係止ピンの前記脚部と前記胴部が挿入可能で、かつ前記胴部を回転可能に支持する径を有する支持穴と、該支持穴の穴壁に軸方向に延在させて形成され前記係止ピンの前記足部がそれぞれ挿通される複数の溝と、該各溝の終端に連結され前記支持穴の穴壁を拡幅して少なくとも周方向に延在させて形成され、前記各足部が係止可能な係止面と、該支持穴の穴奥から該支持穴の軸心上に垂下させて複数の前記脚部の間に挿入可能に形成されたガイドピンとを有し、該ガイドピンは、断面が前記脚部に対応させて所定の間隔を設けて形成された複数の凸部を有して形成され、前記係止穴の前記基板側の開口端から前記係止面までの寸法は、前記基板に接する前記係止ピンの前記頭部の接触面から前記足部の前記傾斜面の付け根までの寸法から前記基板の厚さを差し引いた寸法よりも大きく、かつ、前記基板に接する前記係止ピンの前記頭部の接触面から前記足部の前記傾斜面の先端までの寸法から前記基板の厚さを差し引いた寸法よりも小さく形成されてなることを特徴とする。
このような構成を有することから、本発明のコネクタによれば、コネクタハウジングに設けた係止穴と基板の取付け穴の位置を合わせてから、基板の取付け穴側からコネクタハウジングの係止穴に係止ピンを挿し込む。挿し込む際には、係止ピンの足部を挿通する溝位置に合わせる。その後、係止ピンを所定角度回転することにより、係止ピンの複数の脚部がガイドピンの凸部に当接して押し広げられ、複数の脚部の足部が係止面に乗り上げ、足部の傾斜面と係止面の相互作用によって複数の脚部に引張応力が作用する。その脚部に作用する引張応力によって係止ピンの頭部と足部とによって基板がコネクタハウジングに強固に締め付けられる。
すなわち、ガイドピンは、断面が脚部に対応させて所定の間隔を設けて形成された複数の凸部を有して形成されているから、係止ピンを回転して脚部がガイドピンの凸部の位置に回転されたとき、複数の脚部がガイドピンの凸部によって押し広げられる。このとき、係止穴の基板側の開口端から係止面までの寸法が、基板に接する係止ピンの頭部の接触面から足部の傾斜面の付け根までの寸法から基板の厚さを差し引いた寸法よりも大きく、かつ、基板に接する係止ピンの頭部の接触面から足部の傾斜面の先端までの寸法から基板の厚さを差し引いた寸法よりも小さく形成されているから、係止ピンの回転につれて脚部が足部の傾斜面に沿って係止面に乗り上げ、これによって複数の脚部が引っ張られる。その結果、係止ピンの頭部と足部の間に引張応力が作用し、基板とコネクタとの間に強固な締付け力を得ることができる。したがって、着脱可能で、トルク管理を行うことなく、強固な締付け力を得る固定構造を有するコネクタを実現できる。
ここで、脚部の数は、2つに限らず、3つ又は4つでもよい。脚部が2つの場合は、ガイドピンの断面は長円形や楕円形が好ましいが、3つの場合は概略Y字形、また4つの場合は概略十字形の断面に形成することができる。
上記の場合において、前記係止ピンは、前記胴部の周方向に等間隔に前記脚部とは周方向位置をずらして突出された少なくとも2つの腕部を有するものとし、前記係止穴は、前記支持穴の穴壁に軸方向に延在させて形成され前記各腕部が挿通される複数の溝と、該溝の終端に連結され前記支持穴の穴壁を拡幅して前記各腕部の前記脚部側の面が当接可能に少なくとも周方向に延在させて形成された当接面を有して構成することができる。
これによれば、係止ピンを回転して複数の脚部が引っ張られると、これに合せて腕部が持ち上がって当接面に強く当接する。その結果、係止ピンが係止穴に対して複数箇所で係止されることになるから、安定して係止ピンの係合状態を保持できる。この場合において、さらに、前記各腕部の前記脚部側の面に突起を形成するとともに、前記係止ピンを所定角度回転した位置で前記突起が嵌入する凹部を前記当接面に形成した構成とすることができる。これによれば、係止ピンを所定角度回転した位置で突起が凹部に嵌入した時に嵌合音が生じるから、係止ピンが所定角度回転したことを容易に確認することができる。
また、この場合において、基板に、係止ピンの頭部を収納する凹部を形成することができる。これによれば、係止ピンの頭部が基板の凹部に収納されるから、頭部に外力が加わっても係止ピンが回転することがないので、係止ピンによる強固な締付け力を維持できる。
本発明によれば、コネクタを基板に固定するにあたり、着脱可能で、トルク管理を行うことなく、強固な締付け力を得ることができる固定構造を実現することができる。
以下、本発明に係るコネクタを実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1及び図2に示すように、本実施形態のコネクタ1は、基板2(例えば、プリント配線基板)に固定して用いられるものである。コネクタ1は、一端が開口された相手方コネクタの収容部である挿入空間31を有する合成樹脂製の略矩形箱状のコネクタハウジング3と、コネクタハウジング3の後壁3aを貫通して挿入空間31内に直線状に突出する針状端子であるオス端子4とを備えている。オス端子4は、導電性材料で形成され、コネクタハウジング3内に所定のピッチで複数並列されている。コネクタハウジング3の後壁3aから引き出されたオス端子4は、L字状に折り曲げられ、先端が基板2の外部接続用のランドに形成されたスルーホール25に挿入され、基板2に形成された電気回路に半田で接続されるようになっている。
(実施形態1)
図1及び図2に示すように、本実施形態のコネクタ1は、基板2(例えば、プリント配線基板)に固定して用いられるものである。コネクタ1は、一端が開口された相手方コネクタの収容部である挿入空間31を有する合成樹脂製の略矩形箱状のコネクタハウジング3と、コネクタハウジング3の後壁3aを貫通して挿入空間31内に直線状に突出する針状端子であるオス端子4とを備えている。オス端子4は、導電性材料で形成され、コネクタハウジング3内に所定のピッチで複数並列されている。コネクタハウジング3の後壁3aから引き出されたオス端子4は、L字状に折り曲げられ、先端が基板2の外部接続用のランドに形成されたスルーホール25に挿入され、基板2に形成された電気回路に半田で接続されるようになっている。
コネクタハウジング3の底面3cは、図1乃至図3に示すように、両側壁3b側と幅方向の中央に凸部が形成され、これにより、基板2の表面に安定して固定されるようになっている。コネクタハウジング3の両側壁3bには、コネクタハウジング3を基板2に固定するための固定部32が一体的に設けられている。各固定部32の底面は、平面状に形成され、係止穴5が設けられている。各係止穴5に基板2の取付け穴21から基板2を挟んで係止ピン6を挿し込んで、係止ピン6を所定角度回転することにより基板2にコネクタハウジング3が固定されるようになっている。
係止ピン6は、合成樹脂材料好ましくは耐熱性に優れた合成樹脂材料(例えば、SPS樹脂(シンジオタクチックポリスチレン樹脂))で形成され、図2及び図4に示すように、頭部61と円柱状の胴部62(62a、62b)と胴部62の先端面から延在し足部64を有する脚部63とが順次連なって一体的に形成されている。
頭部61は、基板2の取付け穴21よりも径が大きな円板状に形成されている。頭部61の一端面には、係止ピン6を治具例えばマイナスのドライバで容易に回転させることができるように直径方向に延在する溝61aが設けられている。なお、溝61aに限定されず他の手段、例えば頭部61の外周面を多角形に形成し、係止ピン6を回転するようにしてもよい。頭部61の基板2側の接触面61bには、同軸上に胴部62が連接して形成されている。
胴部62は、基板2の取付け穴21に挿入可能な大径の第1胴部62aと、第1胴部62aに連結して延在される第1胴部62aより小径の第2胴部62bを有して形成されている。第1胴部62aの軸方向の長さは、基板2の厚さよりも短く形成されている。
脚部63は、第2胴部62bの先端面から延在させて胴部62の周方向に等間隔に少なくとも2つ形成されている。脚部63の係止穴5の穴壁に対向する外面63bは、第2胴部62bの外周面と同じ径の円弧状に形成されている。各脚部63の先端部の外面63bには、第2胴部62bの外周面よりも張出した足部64が形成されている。足部64には、頭部61側の面が脚部63側に向うにつれて頭部61側に近づく傾斜面65が形成されている。
また、第2胴部62bの外周面には、外周面から突出する少なくとも2つの腕部66が設けられている。腕部66は、例えば、第2胴部62bの外周面の先端部に周方向に等間隔に脚部63とは周方向位置をずらして、好ましくは、脚部63間の周方向の中央に設けられている。例えば、図示例のように、脚部63が2つ設けられている場合には、第2胴部62bの周方向に90°間隔で周方向位置をずらして脚部63と腕部66が交互に配置される。また、脚部63が3つの場合には、第2胴部62bの周方向に60°間隔で周方向位置をずらして脚部63と腕部66が交互に配置し、脚部63が4つの場合には、第2胴部62bの周方向に45°又は90°間隔で周方向位置をずらして脚部63の間に配置する。腕部66は、第2胴部62bの外周面からの突出する長さが足部64よりも長く、幅が足部64よりも短く形成されている。
係止穴5は、図3に示すように、係止ピン6が挿入可能な支持穴51と、支持穴51の穴壁に軸方向に沿って形成された複数の溝52、55と、支持穴51の穴壁に形成された係止面53及び当接面56と、支持穴51の穴奥から軸心上に垂下されたガイドピン54とを有して形成されている。また、ガイドピン54は、複数の脚部63の内面63aの間に挿入可能な長さに形成されている。
支持穴51は、コネクタハウジング3の固定部32の底面から上方に向って固定部32の上面壁の手前まで延在して形成されている。支持穴51は、係止ピン6の脚部63と第2胴部62bが挿入可能で、かつ第2胴部62bを回転可能に支持する径を有する断面円形に形成されている。支持穴51の長さは、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから脚部63の先端までの寸法から基板2の厚さを差し引いた寸法よりも長く、図示例では、少し長い寸法に形成されている。
支持穴51の穴壁には、軸方向に延在して係止ピン6の複数の足部64がそれぞれ挿通される複数(図示例では2つ)の溝52が形成されている。また、支持穴51の穴壁には、軸方向に延在して係止ピン6の複数の腕部66がそれぞれ挿通される複数(図示例では2つ)の溝55が形成されている。足部64が挿通される溝52は、支持穴51の穴壁に等間隔に係止ピン6の足部64に対応して複数(図示例では2つ)形成されている。溝52は、支持穴51の全長にわたって形成されている。
腕部66が挿通される溝55は、支持穴51の穴壁に等間隔に溝52とは周方向位置をずらして、好ましくは、各溝52間の周方向の中央にそれぞれ形成されている。溝55は、断面が係止ピン6の腕部66が挿通可能に形成されている。溝55の支持穴51の開口端からの長さは、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから腕部66の先端までの寸法から基板2の厚さを差し引いた寸法よりも少し長い寸法に形成されている。
係止面53は、溝52の終端に連結され支持穴51の穴壁を拡幅して少なくとも周方向に延在させて形成されている。本実施形態の係止面53は、コネクタハウジング3の固定部32の前後を貫通する第1スリット35を溝52の終端に設けることによって形成されている。係止穴5の開口端から係止面53までの寸法は、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから足部64の傾斜面の付け根までの寸法から基板2の厚さを差し引いた寸法よりも大きく、かつ、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから足部64の傾斜面の先端までの寸法から基板2の厚さを差し引いた寸法よりも小さく形成されている。
当接面56は、溝55の終端に連結され支持穴51の穴壁を拡幅して少なくとも周方向に延在させて形成されている。当接面56は、コネクタハウジング3の固定部32の前後を貫通する第2スリット36を溝55の終端に設けることによって形成されている。係止穴5の基板2側の開口端から当接面56までの寸法は、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから腕部66の脚部63側の面である当接面までの寸法から基板2の厚さを差し引いた寸法よりも少し小さく、かつ、係止ピン6によって基板2にコネクタハウジング3を固定したとき、腕部66の当接面66aが当接面56に強く当接し得る寸法に形成されている。
ガイドピン54は、支持穴51の穴奥である第1スリット35を形成する係止面53と対向する固定部32の上壁側の面から軸心上に垂下して形成されている。ガイドピン54は、断面が脚部63に対応させて等間隔に形成された複数の凸部57を有して形成されている。凸部57は、図示例では、一対の溝52の間に位置させて形成されている。凸部57は、先端が複数の脚部63の内面63aに接する内接円より外側に位置されて形成されている。ガイドピン54は、例えば、脚部63が2つの場合には、図示例のように断面楕円形や断面長円形に形成することが好ましい。また、ガイドピン54は、脚部63が3つの場合には、断面が概略Y字形に形成され、また、脚部63が4つの場合には、断面が概略十字形に形成される。
コネクタ1を基板2に取り付けるには、まず、図2に示すように、コネクタハウジング3の固定部32に設けた係止穴5と基板2の取付け穴21の位置を合わせつつ、コネクタハウジング3の底面を基板2に当接させるとともに、コネクタハウジング3から引き出されているオス端子4の先端を基板2の外部接続用のランドに形成されたスルーホール25に挿入する。基板2の取付け穴21側からコネクタハウジング3の係止穴5に係止ピン6を挿し込む。挿し込む際には、係止ピン6の足部64を挿通する溝52位置に合わせる。なお、足部64を溝52に位置合わせすれば、自然と係止ピン6の腕部66が溝55に位置合わせされる。これにより、係止穴5に係止ピン6を挿し込むと、図5に示すように、係止ピン6の頭部61の接触面61bが基板2の表面に当接されるとともに、係止ピン6の足部64が第1スリット35に位置され、かつ、足部64の傾斜面65が係止面53と対応する位置に位置される。
係止ピン6を挿し込んだ後、治具を用いて係止ピン6を所定角度(図示例では90°)回転させる。本実施形態の場合、回転方向は、時計回りでも反時計回りでもどちらでもよい。係止ピン6の回転は、係止ピン6を係止穴5に挿し込んだ状態を挿入状態とすると、この挿入状態から係止ピン6の脚部63がガイドピン54の凸部57の頂部に位置される締付状態になるように行われる。
これにより、係止ピン6の複数の脚部63の内面63aがガイドピン54の凸部57に当接し、凸部57の表面を凸部57の低いところから頂部へと摺動し、各脚部63が徐々に押し広げられる。すなわち、係止ピン6の回転につれて足部64が第1スリット35内に徐々に押し込められるとともに、足部64の傾斜面65が係止穴5の係止面53の角部に押し付けられ、足部64が係止面53に乗り上がる。これによって複数の脚部63が係止穴5の奥へと引っ張られる。その結果、係止ピン6が締付状態になると、図6(c)に示すように、各足部64の傾斜面65が係止面53に係止されて係止ピン6の頭部61と足部64の間に引張応力が作用し、基板2とコネクタ1との間に強固な締付け力が得られる。
このため、基板2に接する係止ピン6の頭部61の接触面61bから足部64の傾斜面65の付け根までの寸法及び足部64の形状を、係止ピン6を回転させて締付状態にして基板2にコネクタハウジング3を固定したとき、所望のトルクがかかるように予め設定することで、係止ピン6を挿し込んで回転させるだけで誰でも同じトルクが得られるので、トルク管理が不要となる。
また、係止ピン6を回転して複数の脚部63が引っ張られると、これに合せて腕部66が脚部63側に移動して図示例では持ち上がって当接面56に強く当接する。その結果、係止ピン6が係止穴5の軸方向の複数箇所で係止されることになるから、安定して係止ピン6の係合状態を保持できる。
また、治具を用いて係止ピン6を締付状態から挿入状態に回転させることで、係止ピン6の足部64が係止穴5の溝52に対応した箇所に戻るので、係止ピン6を係止穴5から抜き取れる。これにより、係止ピン6の着脱を簡単に行える。また、係止ピン6が樹脂で形成されているので、リサイクルも可能である。
したがって、本実施形態のコネクタ1は、着脱可能で、トルク管理を行うことなく、強固な締付け力を得る固定構造を実現できる。
また、係止ピン6の頭部61が接する基板2の表面の近傍に、係止ピン6を所定角度(図示例では90°)回転させて締付状態になったときの頭部61の溝の位置と同じ印を付することによって、係止ピン6を所定角度回転させて締付状態になっていることを目視で確認できる。例えば、係止穴5の溝52を支持穴51の穴壁のコネクタハウジング3の幅方向に沿って対向するように配置することで、係止穴5に係止ピン6を挿し込んだ挿入状態のときには、係止ピン6の頭部61の溝61aがコネクタハウジング3の幅方向に平行になっており、係止ピン6を90°回転させて締付状態にすると、係止ピン6の頭部61の溝61aがコネクタハウジング3の幅方向と直交する前後方向に平行になる。そこで、溝61aがコネクタハウジング3の前後方向に平行になる印を基板2に付することによって、係止ピン6の状態を簡単に確認できる。
そして、基板2のスルーホール25に挿入されている端子4とランドを接続することにより、コネクタ1が基板2に接続されてコネクタ1の基板2への取付が完了する。端子4の接続は、リフローはんだ付けにより行うことができる。この場合、予めランドにはんだをつけておき、コネクタ1を基板2に固定した後に、例えば熱風により熱を加えてはんだを溶かして端子4の接続を行う。このとき、係止ピン6が耐熱性に優れた合成樹脂、例えば、SPS樹脂で成形されているから、熱の影響を受けないので、係止ピン6による強固な締付け力を維持できる。
また、ねじを用いてコネクタを基板に固定する場合には、ねじが適正な姿勢でねじ穴に着座しないで固定されてしまうと、ねじ山の一部分に大きな応力が加わり、その部分のねじ山が変形したりせん断したりして締付力が弱くなる。この場合、基板2とコネクタに振動が加わると、端子を固定しているはんだに応力が加わり、この状態が長期間続くと、はんだ割れが起こるおそれがある。この点、本実施形態によれば、ねじを用いてコネクタを基板に固定する構造ではないので上述のような問題は生じない。
(実施形態2)
図7に、本発明のコネクタの実施形態2の図を示す。本実施形態において実施形態1と異なるところは、各腕部66の当接面66aに突起68を形成するとともに、係止ピン6を所定角度回転した位置すなわち締付状態になると、突起68が嵌入する凹部58を当接面56に形成した点、及び、係止ピン6の頭部61が接する基板2に頭部61を収納する凹部23を設けた点である。なお、前記の実施形態1では、径を異ならせた係止ピン6の胴部62を用いた場合について説明したが、本実施形態では、係止ピン6の胴部62を同一の径で形成することができることを示したものである。
図7に、本発明のコネクタの実施形態2の図を示す。本実施形態において実施形態1と異なるところは、各腕部66の当接面66aに突起68を形成するとともに、係止ピン6を所定角度回転した位置すなわち締付状態になると、突起68が嵌入する凹部58を当接面56に形成した点、及び、係止ピン6の頭部61が接する基板2に頭部61を収納する凹部23を設けた点である。なお、前記の実施形態1では、径を異ならせた係止ピン6の胴部62を用いた場合について説明したが、本実施形態では、係止ピン6の胴部62を同一の径で形成することができることを示したものである。
本実施形態の突起68は、図7及び図9に示すように、各腕部66の当接面66aの胴部62の中心から足部64の先端までの位置より前方となる箇所に設けられている。一方、凹部58は、図7及び図8に示すように、当接面56に形成されている溝52の先端の中央にさらに溝を設けて凹部として形成されている。これによれば、係止ピン6を挿入状態から締付状態に回転させると突起68が凹部58に嵌入し、この嵌入時に嵌合音が生じるから、係止ピン6が所定角度回転したことすなわち締付状態になったことを容易に確認することができる。また、係止ピン6を締付状態に保持することができる。なお、本発明はこれに限らず、突起を腕部66の当接面以外に設けるとともに凹部を当接面56以外に設けるようにしてもよい。また、係止ピン6を締付状態に回転させたとき、脚部63の内面63aが接触するガイドピン54の凸部57の頂部を平面にして係止ピン6が締付状態からずれ難くしてもよい。
また、本実施形態では、係止ピン6の頭部61が接触する基板2に頭部61を収納する凹部23を設けることで、係止ピン6の頭部61が基板2の表面から突出しないから、作業のときなどに係止ピン6の頭部61に外力がかかって係止ピン6がまわることがない。その結果、係止ピン6の締付が緩んだり係止ピン6が抜け落ちたりすることがないので、係止ピン6による強固な締付け力を維持できる。その他の作用効果は、前述の実施形態1のコネクタ1と略同様である。
なお、本実施形態では、コネクタハウジングの両側部に固定部32を設けて固定部32に係止穴5を設けた場合について説明したが、これに限定されず、コネクタハウジングの底面に係止穴を設ける場合にも適用することができる。
1 コネクタ
2 基板
3 コネクタハウジング
5 係止穴
6 係止ピン
21 取付け穴
23 凹部
51 支持穴
52 溝
53 係止面
54 ガイドピン
55 溝
56 当接面
57 凸部
58 凹部
61 頭部
61b 接触面
62 胴部
63 脚部
64 足部
65 傾斜面
66 腕部
66a 当接面
68 突起
2 基板
3 コネクタハウジング
5 係止穴
6 係止ピン
21 取付け穴
23 凹部
51 支持穴
52 溝
53 係止面
54 ガイドピン
55 溝
56 当接面
57 凸部
58 凹部
61 頭部
61b 接触面
62 胴部
63 脚部
64 足部
65 傾斜面
66 腕部
66a 当接面
68 突起
Claims (4)
- コネクタハウジングに設けられた係止穴に基板の取付け穴から前記基板を挟んで係止ピンを挿し込んで、該係止ピンを所定角度回転することにより基板にコネクタハウジングを固定する固定構造を有するコネクタであって、
前記係止ピンは、前記基板の取付け穴よりも大きい頭部と、該頭部に連接して形成され前記基板の取付け穴に挿入可能な円柱状の胴部と、該胴部の先端面から延在させて該胴部の周方向に所定の間隔を設けて形成された少なくとも2つの脚部と、該各脚部の先端部に前記胴部の外周面よりも張出して形成された足部とを有し、該足部の前記頭部側の面が前記脚部側に向うにつれて前記頭部側に近づく傾斜面を有して形成されてなり、
前記係止穴は、前記係止ピンの前記脚部と前記胴部が挿入可能で、かつ前記胴部を回転可能に支持する径を有する支持穴と、該支持穴の穴壁に軸方向に延在させて形成され前記係止ピンの前記足部がそれぞれ挿通される複数の溝と、該各溝の終端に連結され前記支持穴の穴壁を拡幅して少なくとも周方向に延在させて形成され、前記各足部が係止可能な係止面と、該支持穴の穴奥から該支持穴の軸心上に垂下させて複数の前記脚部の間に挿入可能に形成されたガイドピンとを有し、該ガイドピンは、断面が前記脚部に対応させて所定の間隔を設けて形成された複数の凸部を有して形成され、
前記係止穴の前記基板側の開口端から前記係止面までの寸法は、前記基板に接する前記係止ピンの前記頭部の接触面から前記足部の前記傾斜面の付け根までの寸法から前記基板の厚さを差し引いた寸法よりも大きく、かつ、前記基板に接する前記係止ピンの前記頭部の接触面から前記足部の前記傾斜面の先端までの寸法から前記基板の厚さを差し引いた寸法よりも小さく形成されてなるコネクタ。 - 請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記係止ピンは、前記胴部の周方向に等間隔に前記脚部とは周方向位置をずらして突出された少なくとも2つの腕部を有し、
前記係止穴は、前記支持穴の穴壁に軸方向に延在させて形成され前記各腕部が挿通される複数の溝と、該溝の終端に連結され前記支持穴の穴壁を拡幅して前記各腕部の前記脚部側の面が当接可能に少なくとも周方向に延在させて形成された当接面を有してなることを特徴とするコネクタ。 - 請求項2に記載のコネクタにおいて、
前記各腕部の前記脚部側の面に突起を形成するとともに、前記係止ピンを所定角度回転した位置で前記突起が嵌入する凹部を前記当接面に形成してなることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、
前記基板は、前記係止ピンの前記頭部を収納する凹部が形成されてなることを特徴とするコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009107658A JP2010257817A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009107658A JP2010257817A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010257817A true JP2010257817A (ja) | 2010-11-11 |
Family
ID=43318513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009107658A Pending JP2010257817A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010257817A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9504167B2 (en) | 2014-04-24 | 2016-11-22 | Jozsef Laszlo BARAN | Method of producing a cable connector device with blade |
-
2009
- 2009-04-27 JP JP2009107658A patent/JP2010257817A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9504167B2 (en) | 2014-04-24 | 2016-11-22 | Jozsef Laszlo BARAN | Method of producing a cable connector device with blade |
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