JP2010257789A - 封止接点装置 - Google Patents

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律 山本
Katsumi Yoshitani
克美 吉谷
Tokuyu Ito
督裕 伊東
Katsuya Konama
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Abstract

【課題】通電時の可動接触子の振動を抑制し、騒音の発生を防止した封止接点装置を提供する。
【解決手段】コイルボビン21及び可動鉄心25及び継鉄26及び復帰ばね27を備えた電磁石ブロック2と、封止容器31及び一対の固定接点32及び固定接点32に接離する可動接点34を有して封止容器31内に配設される可動接触子35及び可動接触子35と継鉄26との間に介装されて可動接触子35を固定接点32側へ付勢する接圧ばね36及び一端が可動接触子35と連結され他端が可動鉄心25と連結され可動接触子35を固定接点32側へ移動させるシャフト37を備える接点ブロック3と、ケース4とで構成され、接圧ばね36の可動接触子35側の端末36aを、可動接触子35における各固定接点32と接触する2点を結ぶ線L上に固定するために、可動接触子35に突起35eを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止接点装置に関するものである。
従来から、この種の封止接点装置Bとして、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)、図7(a)〜(c)に示すように、中空箱型のケース4内に、電磁石ブロック2と接点ブロック3とを一体に組み合わせて構成される内器ブロック1を収納したものが提供されている(例えば特許文献1参照)。以下、図5(a)における上下左右を基準とし、上下左右方向と直交する方向を前後方向とする。
電磁石ブロック2は、絶縁材料から形成され励磁巻線22が巻装される中空筒状のコイルボビン21、及び励磁巻線22の両端に各々接続されるコイル端子23、及びコイルボビン21の筒内に固定され通電された励磁巻線22によって磁化される固定鉄心24、及び固定鉄心24とはコイルボビン21の軸方向に対向してコイルボビン21の筒内に配置され励磁巻線22の通電の入切に応じて固定鉄心24に吸引されてコイルボビン21の筒内を軸方向に移動する可動鉄心25、及び磁性材料からなりコイルボビン21を包囲する継鉄26、及びコイルボビン21の筒内に配設されて可動鉄心25を下方へ付勢する復帰ばね27を備える。
また、接点ブロック3は、絶縁材料から下面が開口した中空箱型に形成される封止容器31、及び略円柱状に形成されて封止容器31の上面に貫設されて下面に固定接点32が設けられる固定端子33、及び固定接点32に接離する可動接点34を有して封止容器31内に配設される可動接触子35、及び可動接触子35の下面に当接し可動接触子35を固定接点33側へ付勢するコイル状に形成された接圧ばね36、及び上端に可動接触子35が接続され、下端部が可動鉄心25と連結されて可動鉄心25の移動に連動するシャフト37を備える。
コイルボビン21は、樹脂材料により上端及び下端に鍔部21a、21bが形成された中空円筒状に形成され、円筒部21cの外周には励磁巻線22が巻回されている。そして、円筒部21cの下端側の内径は、上端側の内径よりも拡径されている。
励磁巻線22は図7(c)に示すように、コイルボビン21の鍔部21aに設けられる一対の端子部121に端部が各々接続され、端子部121に接続されるリード線122を介して一対のコイル端子23とそれぞれ接続される。
コイル端子23は、銅等の導電性材料から形成され、半田等によりリード線122と接続される基部23aと、当該基部23aから略垂直に延設される端子部23bとから形成されている。
継鉄26は、図7(b)に示すように、コイルボビン21の上端側に配設される略矩形板状の第一の継鉄板26Aと、コイルボビン21の下端側に配設される略矩形板状の第二の継鉄板26Bと、第二の継鉄板26Bの左右両端より上方へ向けて延設され、第一の継鉄板26Aに接続される一対の第三の継鉄26Cとから構成される。
そして、第一の継鉄板26Aの上面側略中央には凹部26aが形成されており、当該凹部26aの略中央には挿通孔26cが形成されている。そして、当該挿通孔26cには、上端に鍔部28aが形成される有底円筒状の円筒部材28が挿通し、鍔部28aが凹部26aに接合される。ここで、円筒部材28の円筒部28b内の下端側には、磁性材料から略円柱状に形成された可動鉄心25が配設され、更に円筒部28bに磁性材料から略円柱状に形成された固定鉄心24が挿入されて、固定鉄心24と可動鉄心25とが対向配置される。
また、第一の継鉄板26Aの上面には、周縁部が第一の継鉄板26Aに固定され、略中央に固定鉄心24の上端に形成される鍔部24aを収納する空間を形成する凸部45aが設けられた金属からなるキャップ部材45が設けられており、当該キャップ部材45によって固定鉄心24の抜け止めがなされる。
そして、コイルボビン21の下端側の内周面と円筒部材28の外周面との間に形成される隙間部分には、磁性材料からなる円筒状のブッシュ26Dが嵌合されており、継鉄26と固定鉄心24と可動鉄心25と共に磁気回路を形成している。
復帰ばね27は、コイル状に形成され、固定鉄心24の軸方向に形成される挿通孔24bを挿通すると共に、下端が可動鉄心25の上面と当接し、上端がキャップ部材45の下面に当接する。更に、復帰ばね27は、可動鉄心25とキャップ部材45との間に圧縮状態で設けられており、可動鉄心25を下方へ弾性付勢するものである。
シャフト37は、非磁性材料から上下方向に長い長尺丸棒状に形成され、キャップ部材45の凸部45aの略中央に形成される挿通孔45b、及び復帰ばね27を挿通し、下端部に形成されるねじ部37bが、可動鉄心25の軸方向に形成されるねじ孔25aに螺合することで可動鉄心25と接続される。
可動接触子35は、略矩形状に形成された本体部35aの略中央に形成される挿通孔35dにシャフト37が挿通され、シャフト37の上端に形成される鍔状の規制部37aによって、固定接点側への移動が規制される。また、図8に示すように、本体部35aの左右両端側に可動接点34が固着され、当該本体部35aの各長辺からは略矩形状の突片35b、35cが形成されている。そして、突片35b、35cは、それぞれ挿通孔35dに対して略点対称に形成されている。
固定端子33は、銅等の導電性材料により略円柱状に形成され、上端に鍔部33aが形成され、下面に可動接点34に対向する固定接点32が固着されている。また、固定端子33の上面から軸方向へねじ孔33bが穿設されており、図示しない外部負荷等のねじ部が当該ねじ孔33bに螺合されることで接続される。
封止容器31はセラミック等の耐熱性材料から下面が開口した中空箱型に形成され、その上面には前記固定端子33が貫設する2つの貫通穴31aが並設される。そして、固定接点端子33が、鍔部33aを封止容器31の上面から突出させた状態で貫通穴31aに貫設されてろう付けにより接合される。また、図7(a)に示すように、封止容器31の開口周縁にはフランジ38の一端がろう付けにより接合される。そして、フランジ38の他端が第一の継鉄板26Aとろう付けにより接合されることで封止容器31は密閉される。
更に、封止容器31の開口部には、固定接点32と可動接点34との間で発生するアークを、封止容器31とフランジ38との接合部から絶縁するための絶縁部材39が設けられている。
絶縁部材39は、セラミックや合成樹脂等の絶縁性材料から上面が開口した略中空直方体状に形成され、下面略中央に形成される矩形枠39a内の凹部に前記キャップ部材45の凸部45aが嵌合される。また、絶縁部材39の周壁の上端側が封止容器31の周壁の内面に当接することで、固定接点32と可動接点34とからなる接点部から、封止容器31とフランジ部38とからなる接合部の絶縁を図っている。
更に、絶縁部材39の内底面の略中央には、接圧ばね36の内径と略同サイズの内径を有する円形枠39cが形成され、当該円形枠39cの略中央には、シャフト37が挿通する挿通孔39bが形成される。そして、当該円形枠39c内の凹部にシャフト37が挿通した接圧ばね36の下端部が嵌め込まれることで接圧ばね36の位置ずれが防止される。
加えて、接圧ばね36は、上端が可動接触子35の下面に当接して絶縁部材39と可動接触子35との間において圧縮状態で設けられることで、可動接触子35を固定接点32側へ弾性付勢するものである。
ケース4は、樹脂材料によって略矩形箱状に形成され、上面が開口した中空箱型のケース本体41と、ケース本体41の開口に覆設する中空箱型カバー42とから構成される。
ケース本体41は、左右側壁の前端に封止接点装置Bを取り付け面にねじ留めにより固定する際に用いられる挿通孔141aが形成された突部141が設けられている。また、ケース本体41の上端側の開口周縁には段部41aが形成されており、下端側に比べて外周が小さくなっている。そして、段部41aよりも上方の前面にはコイル端子23の端子部23bが嵌め込まれる一対のスリット41bが形成されている。更に、段部41aよりも上方の後面には、一対の凹部41cが左右方向に並設されている。
カバー42は、下面が開口した中空箱型に形成されており、後面にはケース本体41に組み付ける際にケース本体41の凹部41cに嵌まり込む一対の突部42aが形成されている。また、カバー42の上面には、上面を左右に略2分割する仕切り部42cが形成され、当該仕切り部42cによって2分割された上面にはそれぞれ、固定端子33が挿通する一対の挿通孔42bが形成される。
そして、図7(c)に示すように、ケース4に電磁石ブロック2及び接点ブロック3からなる内器ブロック1収納する際には、コイルボビン21の下端の鍔部21bとケース本体41の底面との間に略矩形状の下側クッションゴム43を介装し、封止容器31とカバー42との間に固定端子33の鍔部33aが挿通する挿通孔44aが形成された上側クッションゴム44を介装する。
上記構成からなる従来の封止接点装置では、復帰ばね27が接圧ばね36よりも高いばね係数を有しているため、復帰ばね27の付勢力によって可動鉄心25が下方へ摺動し、それに伴ってシャフト37も下方へ移動する。これにより、シャフト37の規制部37aの移動に伴って可動接触子35も下方へ移動するため、初期状態では可動接点34が固定接点32と離間した状態で設けられる。
そして、励磁巻線22に通電されると可動鉄心25が固定鉄心24に吸引されて上方へ摺動するため、可動鉄心25に連結されたシャフト37も連動して上方へ移動する。これにより、シャフト37の規制部37aが固定接点32側へ移動し、接圧ばね36の付勢力により可動接触子35も固定接点32側へ移動することで、可動接触子35に固着された可動接点34が固定接点32に当接して接点間が導通する。
また、励磁巻線22への通電がオフされると、復帰ばね27の付勢力によって可動鉄心25が下方へ摺動し、それに伴ってシャフト37も下方へ向かって移動する。そのため、規制部37aが下方へ移動して可動接触子35も下方へ移動するので、固定接点32と可動接点34とが離間し、接点間が遮断される。
特開平11−238443号公報
接圧ばね36の座面において、接圧ばね36の端末36aの位置を0°として巻回方向に90°ずつ変位した位置で、1点あたりのバネ定数の測定を行った結果、各点でバネ定数に差が生じた。図9(a)に接圧ばね36側面の概略図、図9(b)に測定位置を示した接圧ばね36上面の概略図、図9(c)にバネ定数の測定結果のグラフを示す。
図9(c)に示すように、接圧ばね36の端末36aの位置である0°でバネ定数が最大となり、接圧ばね36の端末36aの位置から巻回方向に進むにつれて減少し、接圧ばね36の端末位置から最も離れた180°でバネ定数が最小となる。そして、180°から360°に近付くにつれて、バネ定数は増加する。
次に、可動接触子35にかかる接圧ばね36のバネ荷重の測定を行った。まず、絶縁部材39と可動接触子35との間に接圧ばね36を固定する。そして、可動接触子35に対して接圧ばね36と反対側にロードセルを設置して、可動接触子35に荷重を加え、可動接触子35が下方に動き出すときのロードセルの出力値を測定する。なお、測定時は、復帰ばね27を外した状態で行っている。
バネ荷重の測定ポイントとして、可動接触子35の下面において、2点の可動接点34を結ぶ線に対して垂直で、可動接触子35の中心を通過する線上にある、接圧ばね36と当接する一方の点(測定ポイントP1)と、他方の点(測定ポイントP2)の可動接触子35の上面にロードセルを設置している。すなわち、可動接触子35の短手側の両端にかかるバネ荷重の測定を行った。そして、接圧ばね36の端末36aの位置をP1に配置して測定を行った。図10(a)に測定ポイントと接圧ばね36の端末36a位置の位置関係を示した可動接触子35の上面図、図10(b)に測定ポイントと接圧ばね36の端末36a位置の位置関係を示した可動接触子35の側面図、図10(c)にバネ荷重の測定結果のグラフを示す。
図10(c)に示すように、測定ポイントP1と測定ポイントP2とで不均一なバネ荷重が発生し、測定ポイントP1に大きな荷重がかかっている。これは、上記に示したように、バネ定数が最大となる、接圧ばね36の端末36aの位置に測定ポイントP1があり、バネ定数が最小となる、接圧ばね36の端末36aの位置から最も離れた180°の位置に測定ポイントP2があるため、両測定ポイントにかかるバネ荷重の差が大きくなるためである。
従来の封止接点装置Bでは、可動接触子35に対して接圧ばね36の端末36aの位置は固定されておらず、接圧ばね36の端末36aの位置が可動接触子35の短手側にある場合は、可動接触子35にかかるバネ荷重のバランスが崩れ、励磁巻線22に通電されて可動接点34と固定接点32とが接触時に、可動接点34と固定接点32とが接触する2点を結ぶ線Lを回転軸として、可動接触子35が傾くおそれがある。
また、励磁巻線22の通電時に可動接触子35と固定接点32とが接触して両接点間に電流が流れると、図11(a)に示すように、固定接点32の表面に流れる電流I1と可動接触子35の表面に流れる電流I2は、互いの接点間の表面で逆方向に電流が流れる。そして、逆方向に流れる電流間には互いに反発し合う磁界が生じるので、両接点が開離する方向に電磁反発力Fが発生する。また、急激な電流変化によって、大きな電磁反発力Fが発生する。
電磁反発力Fは、両接点の接触面に対して垂直方向に発生するので、図11(a)のように、可動接触子35が傾かず、固定接点32と可動接触子35とが上下方向にのみ接触している場合、電磁反発力Fも上下方向にのみ発生する。しかし、図11(b)のように、可動接触子35が傾いた状態で固定接点32と接触すると、接触ポイントCPは可動接触子35の中心からずれる。そのため、接触ポイントCPを中心とした可動接触子35の回転トルクがアンバランスとなる。
したがって、上述のように、励磁巻線22に通電時に接圧ばね36の端末36aの位置が可動接触子35の短手側にあり、可動接触子35が傾いた状態で固定接点32と接触した場合、電磁反発力Fによって可動接触子35の回転トルクがアンバランスとなり、可動接触子35が振動して騒音を発生するという課題がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電時の可動接触子の振動を抑制し、騒音の発生を防止した封止接点装置を提供することにある。
請求項1の発明は、絶縁材料から形成され励磁巻線が巻回される中空筒状のコイルボビン、及びコイルボビンの筒内に配置され、励磁巻線の通電の入切に応じてコイルボビンの筒内を軸方向に移動する可動鉄心、及び挿通孔が設けられコイルボビンの軸方向の一端に対向して設けられる第一の継鉄板及びコイルボビンの軸方向の他端に対向して設けられる第二の継鉄板及び第一の継鉄板と第二の継鉄板を連結する第3の継鉄板から構成されて磁気回路を形成する継鉄、及びコイルボビンの筒内に配設されて可動鉄心を第二の継鉄板側へ付勢する復帰ばねを備えた電磁石ブロックと、絶縁材料から形成され第一の継鉄板によって気密接合された封止容器、及び封止容器内に配設される一対の固定接点、及び略矩形状に形成され、固定接点に接離して封止容器内に配設される可動接触子、及び可動接触子と第一の継鉄との間に介装されて可動接触子を固定接点側へ付勢する接圧ばね、及び第一の継鉄に移動自在に挿通し一端が可動接触子と連結され他端が可動鉄心と連結されて可動鉄心の移動に連動して可動接触子を固定接点側へ移動させるシャフトを備える接点ブロックと、絶縁材料から形成され、電磁石ブロックと接点ブロックとを一体に組み合わせて構成される内器ブロックを収納するケースとで構成され、接圧ばねの可動接触子側の端末を、可動接触子における各固定接点と接触する2点を結ぶ線上に固定する固定手段を備えることを特徴とする。
この発明よれば、接圧ばねの可動接触子側の端末を、可動接触子における固定接点と接触する2点を結ぶ線上に配置することで、可動接触子の前端と後端にかかるバネ荷重が略均等となり、可動接触子の傾きを抑制することができる。そのため、固定接点と可動接点との間に電磁反発力による回転トルクが発生しないので、可動接触子の振動を抑制し、騒音の発生を防止することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記固定手段は、前記可動接触子における前記接圧ばねと当接する面に、接圧ばねの可動接触子側の端末が当接する突起を設けることを特徴とする。
この発明によれば、接圧ばねの端末が突起と当接することで、接圧ばねの端末位置を規制すると共に、使用中に接圧ばねが回転するのを防止することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記固定手段は、前記可動接触子における前記接圧ばねと当接する面に、接圧ばねの可動接触子側の端末が嵌合する凹部を設けることを特徴とする。
この発明によれば、接圧ばねの端末が凹部に嵌合することで、接圧ばねの端末位置を規制すると共に、使用中に接圧ばねが回転するのを防止することができる。
以上説明したように、本発明では、通電時の可動接触子の振動を抑制し、騒音の発生を防止することができるという効果がある。
本実施形態における封止接点装置の構成を示す側面断面図である。 同上の突起を設けた可動接触子の上面を示す平面図である。 (a〜c)同上の接圧ばねのバネ荷重の測定ポイントと測定結果を示す図である。 同上の凹部を設けた可動接触子の上面を示す平面図である。 (a)(b)従来の封止接点装置の構成を示す断面図である。 (a)(b)同上の外観における底面と側面を示す平面図である。 (a〜c)同上の分解斜視図である。 同上の可動接触子の上面を示す平面図である。 (a〜c)同上の接圧ばねのバネ定数の測定ポイントと測定結果を示す図である。 (a〜c)同上の接圧ばねのバネ荷重の測定ポイントと測定結果を示す図である。 (a)(b)可動接触子と固定接点に流れる電流と発生する電磁反発力を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本発明の実施形態として封止接点装置Aについて、図1を用いて説明を行う。但し、図5に示す従来技術と共通する構造については、共通の符号を付して説明を省略する。なお、図1における上下左右を基準とし、上下左右方向と直交する方向を前後方向として説明を行う。
本実施形態における封止接点装置Aと、従来例の封止接点装置Bとで異なる点は、可動接触子35下面の接圧ばね36の座面が当接する部位において、可動接点34と固定接点32とが接触する2点を結ぶ線L上または、線Lの近傍に突起35eが形成されている点である。
本実施形態では図2に示すように、可動接触子35下面の接圧ばね36の座面が当接する部位と、線Lとが交わる2点の交点のうち、右方側の交点の前方側近傍において、接圧ばね36の座面が当接する部位に突起35eを形成する。そして、右巻きの接圧ばね36の端末36aを、突起35eの側面に当接するように配置する。
接圧ばね36を上記の位置に配置した場合のバネ荷重を、従来例の封止接点装置Bの接圧ばね36のバネ荷重測定と同じ方法で測定を行った。図3(a)に測定ポイントと接圧ばね36の端末36a位置の位置関係を示した可動接触子35の上面図、図3(b)に測定ポイントと接圧ばね36の端末36a位置の位置関係を示した可動接触子35の側面図、図3(c)にバネ荷重の測定結果のグラフを示す。
図3(c)に示すように、測定ポイントP1と測定ポイントP2とで略均等なバネ荷重が発生している。これは従来例の図9(c)で示したバネ定数の測定結果において、接圧ばね36の端末36a位置を0°とした場合、90°と270°の点のバネ定数は略均等であり、本実施形態における突起35eと当接している接圧ばね36の端末36aの位置を0°とした場合、90°と270°の点は測定ポイントP1と測定ポイントP2となるため、測定ポイントP1と測定ポイントP2とで略均等なバネ荷重が発生する。
そのため、線Lの前方側と後方側とで、略均等なバネ荷重がかかるので、励磁巻線22に通電されて可動接点34と固定接点32とが接触時に、線Lを回転軸として可動接触子35が傾くことはない。なお、線L上にある0°と180°の点ではバネ荷重に差が生じることになるが、可動接触子35は線L上で2点の固定接点34と接触するため、線Lに垂直で可動接触子35の中心を通る線を回転軸として可動接触子35が傾くことはない。
また、接圧ばね36の端末36aが突起35eの側面と当接することで、接圧ばね36が回転するのを抑制し、接圧ばね36の端末36aの位置を可動接点34と固定接点32とが接触する2点を結ぶ線L上または、線Lの近傍に固定することができる。
このように、接圧ばね36の端末36aの位置を、線L上または、線Lの近傍に固定することで、可動接触子35の傾きを抑制することができるため、励磁巻線22の通電時に可動接点34と固定接点32とが接触して両接点間に電流が流れた時に、可動接点34と固定接点32との間には上下方向にのみ電磁反発力Fが発生し、回転トルクが発生しないので、可動接触子35の振動を抑制し、騒音の発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、可動接触子35下面の接圧ばね36の座面が当接する部位と、線Lとが交わる2点の交点のうち、右方側の交点の前方側近傍に突起35eを形成したが、左方側の交点の後方側近傍に突起を形成してもよい。また、左巻きの接圧ばねを配置する場合は、右方側の交点の後方側近傍または、左方側の交点の前方側近傍に突起を形成する。
また、本実施形態の可動接点34は、可動接触子35の上面に固着されているが、可動接点34は可動接触子35と一体的に設けてもよい。
また、上記の実施例では、可動接触子35の下面に突起35eを設けることで接圧ばね36の端末36aを固定しているが、突起35eと同じ位置に凹部35fを設けた例を図4に示す。
本例では、可動接触子35下面の接圧ばね36の座面が当接する部位と、線Lとが交わる2点の交点のうち、右方側の交点の前方側近傍において、接圧ばね36の座面が当接する部位に凹部35fを形成する。そして、右巻きの接圧ばね36の端末36aを略L字状に形成し、凹部35fに嵌合するように配置する。そして、接圧ばね36の端末36aを凹部35fに嵌合させることで、接圧ばね36の端末36aの位置を線L上または、線Lの近傍に固定することができる。
このように、接圧ばね36の端末36aの位置を、可動接触子35における線L上または、線Lの近傍に固定することで、可動接触子35の傾きを抑制することができるため、励磁巻線22の通電時に可動接点34と固定接点32とが接触して両接点間に電流が流れた時に、可動接点34と固定接点32との間には上下方向にのみ電磁反発力Fが発生し、回転トルクが発生しないので、可動接触子35の振動を抑制し、騒音の発生を防止することができる。
また、接圧ばね36の端末36aを凹部35fに嵌合させるため、接圧ばね36の端末36aを突起35eへ当接させるよりも嵌合量が大きいため、接圧ばね36の回転防止の信頼性が向上する。
1 内器ブロック
2 電磁石ブロック
3 接点ブロック
21 コイルボビン
22 励磁巻線
24 固定鉄心
25 可動鉄心
26 継鉄
27 復帰ばね
31 封止容器
32 固定接点
34 可動接点
35 可動接触子
35e 突起
36 接圧ばね

Claims (3)

  1. 絶縁材料から形成され励磁巻線が巻回される中空筒状のコイルボビン、及びコイルボビンの筒内に配置され、励磁巻線の通電の入切に応じてコイルボビンの筒内を軸方向に移動する可動鉄心、及び挿通孔が設けられコイルボビンの軸方向の一端に対向して設けられる第一の継鉄板及びコイルボビンの軸方向の他端に対向して設けられる第二の継鉄板及び第一の継鉄板と第二の継鉄板を連結する第3の継鉄板から構成されて磁気回路を形成する継鉄、及びコイルボビンの筒内に配設されて可動鉄心を第二の継鉄板側へ付勢する復帰ばねを備えた電磁石ブロックと、
    絶縁材料から形成され第一の継鉄板によって気密接合された封止容器、及び封止容器内に配設される一対の固定接点、及び略矩形状に形成され、固定接点に接離して封止容器内に配設される可動接触子、及び可動接触子と第一の継鉄との間に介装されて可動接触子を固定接点側へ付勢する接圧ばね、及び第一の継鉄に移動自在に挿通し一端が可動接触子と連結され他端が可動鉄心と連結されて可動鉄心の移動に連動して可動接触子を固定接点側へ移動させるシャフトを備える接点ブロックと、
    絶縁材料から形成され、電磁石ブロックと接点ブロックとを一体に組み合わせて構成される内器ブロックを収納するケースとで構成され、
    接圧ばねの可動接触子側の端末を、可動接触子における各固定接点と接触する2点を結ぶ線上に固定する固定手段を備えることを特徴とする封止接点装置。
  2. 前記固定手段は、前記可動接触子における前記接圧ばねと当接する面に、接圧ばねの可動接触子側の端末が当接する突起を設けることを特徴とする請求項1記載の封止接点装置。
  3. 前記固定手段は、前記可動接触子における前記接圧ばねと当接する面に、接圧ばねの可動接触子側の端末が嵌合する凹部を設けることを特徴とする請求項1記載の封止接点装置。
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