JP2010256402A - 液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法 - Google Patents

液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、2枚のプラスティック基板を対向させて用いながらも、拡張力、圧縮力、せん断力等の外力に対して優れた機械的強度と安定性を有する液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】対向する2枚のプラスティック基板31、32の間に液晶層10が挟まれた液晶光変調器100において、
前記対向する2枚のプラスティック基板は、対向面に隙間を有する状態で互いに嵌合する凹構造41と凸構造42とを有し、凹凸構造40が嵌合して密着した状態で固定されたスペーサ構造を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法に関し、特に、対向する2枚のプラスティック基板の間に液晶層が挟まれた液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法に関する。
従来から、液晶材料に電界を加えて、液晶分子の配向状態を変化させるという電気光学的効果を応用すると、光変調器を実現できることが知られている。かかる液晶材料を光変調器に利用した液晶光変調器は、他の電気光学的効果を示す光学結晶に比較して低電圧で動作するため、表示装置用の電気光学素子として、近年注目されている。
そのような液晶光変調器の1つとして、2枚の透明電極間における液晶分子の配向方向が、予め基板上に形成された合成樹脂の配向膜により制御・均一化された液晶素子がある。その場合、液体である液晶の厚み(通常、数μm)を一定に保つために、均一なサイズの合成樹脂のスペーサ粒子が液晶層に分散されるか、又は合成樹脂の柱状スペーサ構造がフォトリソグラフィー工程により形成される。このような液晶素子では、透明電極間に印加される電圧強度により液晶の分子配向が変化し、それに応じて複屈折効果や旋光能が制御されるため、液晶素子を2つの偏光板で挟むことにより、印加電圧で透過光を変調することができる。
かかる液晶光変調素子は、ガラス基板を用いた液晶表示装置に現在活用されているが、更に基板として、ガラス基板ではなくプラスティック基板を用いることにより、軽量・薄型で柔軟性を有して、持ち運びが便利な液晶表示装置が実現できると期待されている。
また、一対の基板間に少なくとも液晶を含む表示媒体が挟持された液晶表示装置において、一対の基板のうちの一方の基板がプラスティック、対向基板がガラスからなり、プラスティック基板の表示媒体側表面にスペーサ機能を有する凸部がストライプ状に形成され、凸部の最高点面上に接着剤を塗布して対向基板と貼り合わせて物理的又は化学的に密着させるとともに、凸部に対して交差する方向に光重合性樹脂からなる高分子壁を配置した液晶表示素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−160052号公報
しかしながら、上述の従来技術において、2枚ともプラスティック基板を用いた液晶光変調器の構成では、プラスティック基板が柔軟なため、スペーサ粒子を用いた場合、外部からプラスティック基板に加重が加わると、スペーサが移動し、基板間隔つまり液晶層の厚みが変動して、表示画像が大きく乱れるという問題があった。特に、液晶素子が曲げられた場合、両基板間には、強い拡張力、圧縮力、せん断力が加わることになり、粒子状スペーサは対応できないという問題があった。
また、フォトリソグラフィー工程より形成されるスペーサ樹脂の柱は、光硬化性樹脂の均一塗布、仮焼成、パターン露光、焼成、現像、有機洗浄等、複雑な作製工程を要するという問題があった。特にスペーサ柱は、大面積かつ均一に形成するのは困難を伴う。また、リソグラフィーに伴う溶剤露出は加熱処理等により、プラスティック基板表面の平坦性が低下するため、表示パネルの製造歩留まりが低下するという問題があった。
更に、スペーサ樹脂の柱は、圧縮力には対応できるが、基板間に加わる拡張力、せん断力に対しては無力であり、上述の液晶素子が曲げられた場合等、拡張力やせん断力がプラスティック基板に加わった場合には、やはり対応できないという問題があった。
また、上述の特許文献1に記載の構成では、プラスティック基板の凸部の最高点面上に平面状のガラス基板が載置され、接着剤を介して密着して張り合わされただけであるので、固定力が弱く、外部から力が加わった場合には、基板の間隔が開いたり、横にずれるせん断力が加わったりすると、基板間隔が歪んでしまうという問題があった。
そこで、本発明は、2枚のプラスティック基板を対向させて用いながらも、拡張力、圧縮力、せん断力等の外力に対して優れた機械的強度と安定性を有する液晶光変調器及びそれを用いた液晶表示装置、並びに液晶光変調器の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る液晶光変調器は、対向する2枚のプラスティック基板の間に液晶層が挟まれた液晶光変調器において、
前記対向する2枚のプラスティック基板は、対向面に隙間を有する状態で互いに嵌合する凹構造と凸構造とを有し、凹凸構造が嵌合して密着した状態で固定されたスペーサ構造を有することを特徴とする。
これにより、プラスティック基板と一体的に構成された嵌め合い構造で、対向する2枚のプラスティック基板が嵌合固定するので、拡張力、圧縮力、せん断力等のあらゆる方向の外力に対して機械的安定性を高めることができ、柔軟な基板を用いつつも、十分な強度を持たせることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る液晶光変調器において、
一方の前記プラスティック基板は前記凹構造を有し、他方の前記プラスティック基板は前記凸構造を有するとともに、前記凹凸構造は平面的に周期的に形成されたことを特徴とする。
これにより、嵌合する凹凸構造の形成を容易にすることができるとともに、周期的な配置により、基板全体で均一な隙間を確保することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る液晶光変調器において、
前記凸構造の高さから前記凹構造の深さを差し引いた値が、1μm以上20μm以下の範囲であることを特徴とする。
これにより、凹凸構造のスペーサ機能により、液晶光変調器として適切な隙間を確保することができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に係る液晶光変調器において、
前記凸構造は、先端に接近するにつれて細くなる傾斜を有し、前記凹構造は、深くなるにつれて底面が小さくなる傾斜を有することを特徴とする。
これにより、嵌め合いをスムーズに行うことができるとともに、安定した機械的構成を有する嵌合構造とすることができる。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る液晶光変調器において、
前記凸構造の頂部の平面形状が、ストライプ状、直交格子状、四角形、円又は十字形状であることを特徴とする。
これにより、種々の形状のスペーサ形状とすることができ、機械的強度を重視するか、液晶の注入の容易さを重視するか等、用途に応じて種々のスペーサ形状とすることができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る液晶光変調器において、
前記凸構造の頂部及び/又は前記凹構造の底部に、光硬化、熱硬化又は反応硬化する接着剤が付着され、前記凹凸構造が接着されて固定されたことを特徴とする。
これにより、凹凸構造を確実に密着固定することができ、嵌合による強度と、接着剤による強度を合わせることにより、機械的安定性を一層高めることができる。
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明に係る液晶光変調器において、
電極用の導電膜が、一方の前記プラスティック基板に分割されて複数設けられており、前記導電膜間に印加する電圧強度により、前記液晶層の分子配向が駆動されることを特徴とする。
これにより、光の変調を電圧操作により容易に行うことができる。
第8の発明は、第1〜7のいずれかの発明に係る液晶光変調器において、
前記プラスティック基板の厚さは、400μm以下であることを特徴とする。
これにより、薄くて軽量かつ柔軟な基板についても、十分な機械的安定性を与えることができる。
第9の発明に係る液晶表示装置は、第1〜8のいずれかの発明に係る液晶光変調器と、
該液晶光変調器を照らすバックライト又は光を反射させる反射板を備えることを特徴とする。
これにより、液晶表示装置についても、プラスティック基板を用いつつ、安定した機械的強度を実現することができる。
第10の発明に係る液晶光変調器の製造方法は、対向する2枚のプラスティック基板の間に液晶層が挟まれた液晶光変調器の製造方法において、
プラスティック基板の上から、該プラスティック基板のガラス転移温度以上に加熱したローラーを用いて下面に成形形状の型を有する金属型を加圧し、該プラスティック基板の表面に、前記2枚のプラスティック基板が互いに隙間を有して嵌合する凹凸構造を形成するスペーサ構造成形工程と、
該凹凸構造が形成された前記2枚のプラスティック基板を対向させ、前記凹凸構造を嵌合させて前記2枚のプラスティック基板を密着固定する基板貼り合わせ工程と、
前記隙間に、液晶材料を注入して前記液晶層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、プラスティック基板上に凹凸構造を高精度で形成することができるとともに、部分的な加工を行うことができるので、プラスティック基板全体をカバーする金属型を必ずしも作製する必要が無くなり、容易かつ高精度に嵌合構造を形成することができる。
第11の発明は、第10の発明に係る液晶光変調器の製造方法において、
前記金属型は、前記プラスィック基板の上に載置されて用いられる平板状の金属型であるか、又は前記ローラーを巻くようにローラー上に形成された金属型であることを特徴とする。
これにより、用途に応じて、適切な金属型を用いることができ、種々の製造形態に対応しつつ機械的安定性の高い液晶光変調器を製造することができる。
本発明によれば、機械的安定性に優れた高精度のスペーサ構造を実現できる。
本発明の実施形態1に係る液晶光変調器100の構成の一例を示す断面図である。 ストライプ状の凹凸構造40aの平面構成の一例を示した図である。 直交格子状の凹凸構造40bの平面構成の一例を示した図である。 四角柱の凹凸構造40cの平面構成の一例を示した図である。 円柱の凹凸構造40dの平面構成の一例を示した図である。 十字柱の凹凸構造40eの平面構成の一例を示した図である。 本発明の実施形態1に係る液晶光変調器100の製造方法のスペーサ構造形成工程の一例を示した図である。 ローラーナノインプリント法の一例を示した斜視図である。 スペーサ構造形成工程の一例を示した図である。 本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成の一例を示した側面図である。 図10とは異なる実施形態2に係る液晶表示装置の構成例を示した図である。 プラスティック基板31、32を重ねた状態を示した顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る液晶光変調器100の構成の一例を示す断面図である。図1において、本実施形態に係る液晶光変調器100は、液晶層10と、導電膜20と、プラスティック基板30と、凹凸構造(スペーサ構造)40と、配向膜50と、リード線60と、駆動電源70と、偏光板80とを備える。プラスティック基板30は、前面プラステチック基板32と、背面プラスティック基板31の2枚のプラスティック基板31、32を含んでいる。凹凸構造40は、凸構造41と凹構造42とを有する。配向膜50は、下方(背面)の配向膜51と、上方(前面)の配向膜52とを含んでいる。また、液晶光変調器100には、入射光110が入射され、変調光120が出力される。
本実施形態に係る液晶光変調器100は、液晶層10が、配向膜50を介して、対向する2枚のプラスティック基板31、32の間に挟まれた構成となっている。また、プラスティック基板30は、互いに嵌合する凹凸構造40を有し、凹凸構造40により2枚のプラスティック基板31、32の隙間が一定に保たれている。下方の配向膜51は、導電膜60を含み、導電膜60は、駆動電源70に接続されている。プラスティック基板30の外側には、偏光板80が設けられている。
液晶層10は、光の偏光方向を変化させ、入射光110を変調するための手段である。液晶層10は、誘電率異方性を有する液晶分子を含む液晶材料から構成され、電界が印加されることにより、液晶分子の配列が変化し、入射光110の偏光方向を変化させる。液晶層10は、種々の液晶材料を適用することができ、例えば、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶を用いてもよい。但し、高速応答を得るには、低粘性かつ高弾性の液晶材料が適しており、化学構造としては、液晶の屈折率異方性Δn(Δn=異常光屈折率n−常光屈折率n)が大きいシアノ系、ビフェニル系、ターフェニル系、ピリミジン系、トラン系、フッ素系のネマティック液晶が適している。スメクティック液晶を用いる場合、自発分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有用である。例えば、シッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電液晶、エステル系強誘電性液晶、又はフェニルピリミジン系強誘電性液晶などが好ましい。また、液晶の初期配向と電界方向が一致するような場合、誘電率異方性が負の液晶材料を用いてもよい。
なお、液晶層10の厚さは、用途に応じて種々の厚さをとり得るが、例えば、1〜20〔μm〕の厚さに構成されてもよい。
導電膜20は、液晶層10に電圧を印加し、液晶材料の配向方向を変化させる電極である。本実施形態においては、電極として、ストライプ状の導電膜20が、下方の配向膜51内に、1対に分割されて周期的に複数設けられているため、導電膜20の間に電圧を印加すると、背面プラスティック基板31の面に平行な電界が発生する。これにより、液晶分子は、液晶材料が正の誘電率異方性を有する場合には、ストライプ状電極である導電膜20が延在する方向から、電界方向、すなわちストライプ電極に直交する方向に再配向する。逆に、液晶材料が負の誘電率異方性を持つ場合、液晶配向は電圧印加時にストライプ電極と平行方向に強制される。そして、液晶配向に伴って、液晶層10の光学異方性(複屈折)が変化するため、光の偏光方向が変化して、電圧強度に応じて光110が変調される。なお、導電膜20への電圧印加は、駆動電源70より、導電膜20及び駆動電源70に接続されたリード線60を介して行われる。
また、図1においては、一方のプラスティック基板31にのみ透明電極である導電膜20を設けているが、所望の光変調効果に応じて、双方のプラスティック基板31、32に導電膜20を設け、液晶層10の厚さ方向に電圧を印加して液晶分子を駆動してもよい。電極用の導電膜20としては、透明電極又は不透明な導電膜20を用いてもよい。例えば、透明電極としては、錫又は亜鉛を注入した酸化インジウムスズITO(Indium Tin Oxide)又はIZOを始めとし、酸化インジウム、酸化錫等を好適に適用することができる。上述の透明電極は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の真空技術で成膜することができる。また、金属酸化物以外の透明電極として、ポリチオフェン系樹脂等の透明な有機系導電性材料を、スピンコートや印刷法等により塗布形成してもよい。また、電極用の不透明導電膜20としては、スパッタリングで成膜されるアルミニウム、クロム、金等の各種金属薄膜を使用することができる。
プラスティック基板30は、液晶層10を間隔内に挟んで支持するとともに、液晶光変調器100の形状を定める手段である。プラスティック基板30は、入射光110及び変調光120が透過可能なように、透明なプラスティック材料で形成されてよい。プラスティック基板30は、前面プラスティック基板32と、背面プラスティック基板31とで、両側から平面的に挟むように液晶層10を支持する。プラスティック基板30の外周は、外側からシール材(図示せず)でシールされ、液晶層10を支持する。通常、液晶光変調器100の基板には、ガラス基板が用いられることが多いが、本実施形態に係る液晶光変調器100では、柔軟で軽量なプラスティック基板30を使用している。プラスティック基板30の厚さは、フレキシブル性を確保する観点から、通常400〔μm〕以下であるが、それに限定されるものではない。200〔μm〕以下になると、高い柔軟性が得られる。柔軟なプラスティック基板を用いた場合、軽量で、曲げることが可能な液晶光変調器100は、液晶表示装置を構成することができる。透明なプラスティック基板30の樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート等を用いることができる。
凹凸構造40は、対向する2枚のプラスティック基板31、32の隙間を一定の所定間隔に保持するための嵌合固定手段であり、スペーサとして機能する。よって、凹凸構造40は、スペーサ構造と呼んでもよい。凹凸構造40は、2枚のプラスティック基板31、32の対向面に設けられ、一方のプラスティック基板31に凸構造41が設けられ、他方のプラスティック基板32に凹構造42が設けられる。
プラスティック基板31の凸構造は、プラスティック基板31に別体として取り付けられるのではなく、プラスティック基板31自体の対向面が、凸構造41を有するように構成される。よって、凸構造41は、プラスティック基板31と一体的に、プラスティック基板31の一部として形成されるので、別体として取り付けられた柱構造よりも、強い機械的強度を有する。同様に、凹構造42も、プラスティック基板32の対向面に窪み状に構成されている。これにより、単に平板状の基板に、凸構造41の頂部を密着して接着剤等で固定するよりも、凹構造42の壁で凸構造41の横方向の移動を抑制することができる。また、凸構造41と凹構造42は、相補的な形状であるため、密着して嵌め込むことができ、2枚のプラスティック基板がスペーサ構造を介して一体化される。よって、凸構造41と凹構造42を互いに嵌合することにより、プラスティック基板31、32同士が直接的に固定された状態となるとともに、横方向へのずれを抑制することができ、せん断応力に対しても優れた機械的安定性を保つことができる。また、圧縮力に対しても、凸構造41がプラスティック基板31と一体的に形成されているので、十分な機械的強度で対応することができる。更に、拡張力に対しても、凹構造42の深さ分があるので、2枚のプラスティック基板31、32が完全に離れて制御が利かない状態となるのを遅らせることができ、凸構造41が凹構造42の深さ分まで離間しない限り、元の形状に戻ることが可能な構成となっている。
このように、プラスティック基板31、32は、互いに嵌合する凹凸構造40のスペーサ構造を有することにより、機械的安定性を高めることができる。
また、凹凸構造40は、2枚のプラスティック基板31、32の間の隙間の大きさを定めるスペーサとしての役割を果たす。図1に示すように、凸構造41の高さが、凹構造42の深さよりも大きく形成されるため、2枚のプラスティック基板31、32同士の基板間隔は、凸構造41の高さから凹構造42の深さを差し引いた値となり、基板間隔を一定に保持することができる。
なお、凹凸構造40は、平面的に、周期的に設けられていることが好ましい。スペーサ構造である凹凸構造40を周期的に設けることにより、プラスティック基板30全体に均等な機械的強度を与えることができ、種々の外力にも対応可能な液晶光変調器100とすることができる。
また、図1においては、背面プラスティック基板31に凸構造41が形成され、前面プラステチィック基板32に凹構造42が形成された構成となっているが、例えば、背面プラスティック基板31に凹構造42が形成され、前面プラスティック基板32に凸構造41が形成された構成であってもよい。更に、凹凸構造40を形成する位置に応じて、凸構造41と凹構造42を形成するプラスティック基板31、32を適宜選択し、双方のプラスティック基板31、32が、互いに凸構造41と凹構造42の双方を有するような構成としてもよい。
但し、背面プラスティック基板31には、リード線60が設けられていることから、凹構造42を背面プラスティック基板31に形成する場合には、リード線60を避けて凹構造42を形成する必要がある。かかる観点から、図1に示すように、背面プラスティック基板31に凸構造41を形成するようにしてもよい。更に、凸構造41と凹構造42の形成時に、金属型を用いて加工を行うが、金属型の加工の容易性の観点から、図1に示すように、一方のプラスティック基板31には凸構造41のみを形成し、他方のプラスティック基板32には凹構造42のみを形成するようにしてもよい。
凹凸構造40は、液晶層10の厚みに応じてスペーサ構造が設計及び形成されてよい。液晶層10の厚さは、凸構造41の高さから、凹構造42の深さを差し引いた値となる。通常の液晶表示装置では、液晶層10の厚みが1〜20〔μm〕の範囲で作製されることが多いため、例えば、液晶層10の厚みが、1〜20〔μm〕となるように、凸構造41の高さから凹構造42の深さを差し引いた値を、1〔μm〕以上20〔μm〕以下の範囲となるように形成してよい。例えば、凸構造41の高さを15〔μm〕、凹構造42の深さを10〔μm〕とすれば、液晶層10の厚さが5〔μm〕、スペーサ構造の埋め込み部分が10〔μm〕となる。
スペーサ構造としての凹凸構造40の配置間隔は、表示装置を構成するのであれば、画素のピッチ程度(通常、数100〔μm〕)が望ましい。また、スペーサの凹凸構造40自体は、光変調動作の妨げとなるため、画素間の遮光部として設けるブラックマトリックス内に設けることが好ましい。スペーサの凸構造41自体の幅は、2〔μm〕以上が好ましく、成形と取り扱いの容易さ、機械的強度の観点から、2〔μm〕以上50〔μm〕が好ましい。
凸構造41は、先端に接近するにつれて、細くなる傾斜を有し、凹構造42は、底面に接近するにつれて、底部が小さくなる傾斜を有してよい。これにより、凹凸構造40の嵌合を容易にすることができる。
また、スペーサの凸構造41の頂部又は凹構造42の底部に、光硬化、熱硬化又は反応硬化する接着剤を付着させて、両基板を貼り合わせ時に接着することにより、更に強固なスペーサ構造を形成することができる。
配向膜50は、液晶を均一に分子配向させるため、プラスティック基板30の表面に設けられた膜である。配向膜50は、2枚のプラスティック基板31、32の各々の液晶層10側の表面に設けられてよく、下方の配向膜51と上方の配向膜52が各々備えられてよい。配向膜50は、例えば、合成樹脂製であってよく、摩擦処理したポリイミド等が用いられてもよい。配向膜50により、液晶分子は一様に配向する。液晶分子の配向の駆動は、上述の電極である導電膜20により行われてよく、導電膜20は、配向膜50の内部に設置されてよい。
配向膜50には、ガラス基板の液晶表示装置に用いられてきた既存の配向膜50を用いてもよい。例えば、配向膜50には、摩擦処理したポリイミドの水平配向膜、ポリイミドの垂直配向膜、斜方蒸着したSiO膜若しくはSiO膜、又は偏光紫外線を照射した色素膜や樹脂膜が用いられてもよい。
偏光板80は、特定方向に振動する光を生成するための手段である。偏光板80は、2枚のプラスティック基板31、32の外側の表面に、各々設けられてよい。上方の偏光板80と、下方の偏光板80は、偏光透過軸が直交して設けられてよい。図1において、本実施形態に係る液晶光変調器100は、偏光透過軸が直交した2枚の偏光板80に挟まれており、前面プラスティック基板32側の偏光板80には、入射光110が入射され、背面プラスティック基板31側の偏光板80からは、変調光120が出力される。
次に、図2乃至図6を用いて、実施形態1に係る液晶光変調器100の凹凸構造40の種々の平面的な形状の例について説明する。
図2は、ストライプ状の凹凸構造40aの平面構成の一例を示した図である。図2において、延在する複数の凹凸構造40aが、所定間隔を有して略平行に周期的に配置され、ストライプ形状を形成している。このように、凹凸構造40aは、ストライプ状に配置形成されてもよい。また、図2においては、横方向に延在するストライプが示されているが、縦方向に延在するストライプであってもよい。更に、図2においては、一定の間隔を有する周期的な凹凸構造40aの配置例が示されているが、例えば、プラスティック基板30の端部より中央部の機械的強度が弱い場合には、中央部に密に凹凸構造40aを設け、端部は中央部よりも疎に凹凸構造40aを設けるようにしてもよい。
図3は、直交格子状の凹凸構造40bの平面構成の一例を示した図である。図3において、スペーサは、横方向と縦方向に所定間隔を有して直交して延在する凹凸構造40bにより構成され、周期的な直交格子状に配置されている。このように、スペーサは、直交格子状の凹凸構造40bであってもよい。直交格子状の凹凸構造40bは、直交する2方向についてスペーサが形成されるので、より強い機械的強度を実現できる。
図4は、四角柱の凹凸構造40cの平面構成の一例を示した図である。四角柱の凹凸構造40cの場合には、凸構造41の頂部及び凹構造42の底部の平面的形状は、四角形となる。図4においては、四角柱の凹凸構造40cが、所定間隔を有して周期的に配置形成された例が示されている。図4に示す凹凸構造40cによれば、図2及び図3に示した凹凸構造40a、40bのように、スペーサが連続して設けられてはいないので、機械的強度はやや弱くなるが、液晶材料の注入を容易にし、光変調動作の阻害を低減させることができる。
図5は、円柱の凹凸構造40dの平面構成の一例を示した図である。図5において、平面的には、円形状の凹凸構造40dが、所定間隔を有して周期的に配置された例が示されている。このように、スペーサは、所定間隔を有して周期的に配置された円柱の凹凸構造40dであってもよい。図4の凹凸構造40cと同様に、円柱のスペーサが離散的に配置されているので、機械的強度はやや弱くなるが、液晶材料の注入を容易にし、光変調動作の阻害を低減させることができる。
図6は、十字柱の凹凸構造40eの平面構成の一例を示した図である。図6において、直交する十字が、所定間隔を有して周期的に配置されている。スペーサの凹凸構造40eは、このような十字柱であってもよい。十字柱の凹凸構造40e自体は、所定間隔を有して離散的に設けられているが、個々の凹凸構造40eの平面的面積は、図4及び図5に示した四角柱の凹凸構造40c及び円柱の凹凸構造40dよりも大きくなっている。よって、十字柱の凹凸構造40eは、四角柱の凹凸構造40c及び円柱の凹凸構造40dよりは強い機械的強度が得られるとともに、図2及び図3に示したストライプ状の凹凸構造40a及び直交格子状の凹凸構造40bよりは、液晶の注入を容易にし、光変調動作の阻害を低減することができる。つまり、十字柱の凹凸構造40eは、ストライプ状の凹凸構造40a及び直交格子状の凹凸構造40bと四角柱の凹凸構造40c及び円柱の凹凸構造40dとの中間的な性質を有する凹凸構造40eであると言える。
図2乃至図6において説明したように、スペーサの凹凸構造40a〜40eは、種々の形状を取り得るので、液晶光変調器100の用途に応じて、適切なスペーサ形状を選択することができる。例えば、機械的強度を重視したい場合には、ストライプ状の凹凸構造40a又は直交格子状の凹凸構造40bを選択すればよく、液晶材料の注入の容易さと、光変調動作効率の高さを重視したい場合には、四角柱の凹凸構造40c又は円柱の凹凸構造40dを選択すればよい。また、その中間の程度を選択したい場合には、十字柱の凹凸構造40eを選択することができる。どの凹凸構造40a〜40eをスペーサ構造として採用するかは、プラスティック基板30の強度、液晶光変調器100の用途等を考慮して、適宜適切なものを選択することができる。また、図2乃至図6に示した凹凸構造40a〜40eは、スペーサ構造のいくつかを具体的に例示したに過ぎないので、図2乃至図6に示した構造以外の凹凸構造を用いてもよい。
図7は、本発明の実施形態1に係る液晶光変調器100の製造方法のスペーサ構造形成工程の一例を示した図である。図7において、ステージ150の上にプラスティック基板31が載置され、プラスティック基板31の上には、平板状の金属型130が設置されている。そして、平板状の金属型130の上を、ローラー140が圧着している状態が示されている。図7において、ローラー140は、紙面に垂直な表裏方向を移動する。
図7に示すように、実施形態1に係る液晶表示装置100の凹凸構造40、40a〜40eは、ローラー140を用いて加工されてよい。プラスティック基板31の表面に個々に形成される凹凸構造40、40a〜40eは、それらの凹凸構造40、40a〜40eが逆転した型を有する金属型130を用い、ローラーナノインプリント法により形成されてよい。
ローラーナノインプリント法は、プラスティック基板30等の基板をガラス転移温度以上に加熱し、凹凸構造40、40a〜40eが作り込まれた金属型130を、基板に一定の力で押し付けることにより、金属型の微細形状を基板に転写するものである。その際、加熱したローラー140で金属型の裏面を転がしてゆき、金属型の表面に形成された凹凸構造40、40a〜40eを基板に転写するようにする。ローラー140には、例えば、ヒータ等の加熱装置が組み込まれており、ローラー140を金属型130上で加圧しながら転動させることで、金属型130を介して基板を加熱及び押圧し、金属型130の凹凸構造40、40a〜40eを基板に転写する。大きな面積に一度に転写加工するために、従来の大きな力で一気に金属型130を押し付けるのではなく、ローラー140を用いて部分的に転写加工を行うことにより、小さな力で微細な凹凸構造40、40a〜40eを基板に転写することができる。
図8は、ローラーナノインプリント法の一例を示した斜視図である。ステージ150上に載置されたプラスティック基板30上に、更に金属型130が設置されている。金属型130の上を、ローラー140が転動し、ローラー140が転動した位置には、凸構造41が形成されている。
図7に戻る。本実施形態においては、プラスティック基板30のガラス転移温度以上となるようにローラー140を加熱し、平板状の金属型130の表面に形成された凹凸構造40、40a〜40eを、プラスティック基板30に転写する。図7においては、背面プラスティック基板31に、凸構造41を転写するスペーサ構造形成工程の例が示されている。なお、ローラー140は、金属製の金属ローラーであってよく、ステージ150は、耐熱性を有する種々の材料が用いられてよい。
図7においては、平板状の金属型130が、背面プラスティック基板31とローラー140の間に挟まれ、金属型130の上を、ローラー140が転動し、背面プラスティック基板31を加熱及びプレスしている。その他、例えば、ローラー140に金属型130が巻き付けられ、金属ローラー140がプラスティック基板31上を転動することにより、加熱及びプレスがなされてもよい。
プラスティック基板31上で回転しながら加圧するローラー140は、プラスティック基板31のガラス転移温度以上に加熱することにより、プラスティック基板31が軟化して表面の熱形成が容易になる。なお、プラスティック基板31のガラス転移温度は、材質によっても異なるが、ローラー140の加熱温度は、例えば、百数十度〜二百数十度に設定されてもよい。また、ローラー140で熱プレスする前に、プラスティック基板31を固定するステージ150をガラス転移温度近くまで予備加熱しておくことにより、ローラー140の接触時にプラスティック基板31をガラス転移温度以上まで効率よく昇温できる。
ローラー140による熱成形は、フォトリソグラフィと異なり、アスペクト比の大きな(幅に比較して高さの大きい)スペーサ構造を容易に作製できる特徴を有する。スペーサ形状としては、図2乃至図6に示したように、ストライプ状、直交格子状、円柱、四角柱、十字柱等が加工する上で有用であるが、ローラー140により熱成形できる形状であれば、これらに限定されるものではなく、種々の形状に適用することができる。
図7においては、凹構造の型を有する金属型130を用いて、プラスティック基板31の表面に、凸構造41を形成している。プラスティック基板31が、上方から加熱されて加圧されることにより、プラスティック基板31が溶融し、金属型130の凹構造に、平面部分から溶融したプラスティックが入り込み、凸構造41が形成される。
図9は、プラスティック基板32に凹構造42を形成するスペーサ構造形成工程の一例を示した図である。図9において、ステージ150の上にプラスティック基板32が載置され、その上に平板状の金属型131が設置され、金属型131の上からローラー140で加熱及び加圧されている点は、図7と同様である。金属型131の表面に形成された型が凸構造であり、プラスティック基板32の表面に転写形成される形状が、凹構造42である点が、図7のスペーサ構造形成工程と異なっている。
このように、ローラー140による熱成形を用いれば、凸構造41だけでなく、凹構造42も容易に形成できる。図7において、金属型131の凸構造の部分から、溶融したプラスティックが、両側に押し出されるようにして、凹構造42が転写形成されている。なお、凹構造42をプラスティック基板32に形成する場合、凸構造41よりもわずかに大きな幅の凹構造42とすることにより、双方の対向するプラスティック基板面の凹凸構造40、40a〜40eをスムーズに嵌め込むことができる。
また、図7及び図9に示したように、凸構造41は、先端に接近するにつれて細くなるような傾斜を有して成形され、凹構造42は、底面に接近するにつれて小さくなるような傾斜を有して成形されてよい。これにより、凸構造41の先端が細くなり、凹構造42の開口が広くなるので、凹凸構造40の嵌め合わせを行う基板貼り合わせ工程を、容易に行うことができる、また、プラスティック基板31、32の成形自体も、金属型130、131の加工精度を緩くすることができるとともに、プラスティック材料の溶融移動も容易な形状(凹構造に入り易く、凸構造から押し出され易い形状)とすることができるので、製造工程上の利点も大きくなる。
また、図7及び図9に示すように、プラスティック基板32に形成される凹構造42の深さは、プラスティック基板31に形成される凸構造41の突起の高さよりも低く形成され、凹凸構造40、40a〜40eの嵌合時における両プラスティック基板31、32間の隙間を定めるように加工される。
なお、熱成形に基づくローラー型ナノインプリント方式は、ローラー140を用いず、平板型で面内に一度に熱と圧力を加えるエンボス加工又はナノインプリント法に比較して、ローラー140の小さな接触面上に圧力を集中できるため、大面積基板を容易に加工できる特徴がある。
このように、プラスティック基板31、32に凹凸構造40、40a〜40eを形成するスペーサ構造形成工程は、ローラー型ナノインプリント方式により形成される。加熱したローラー140でプラスティック基板31、32をプレスして熱成形する単純な工程のため、フォトリソグラフィーで必要な煩雑な工程が不要で、高精度で均一な高さのスペーサを大面積に形成することができる。また、溶剤への露出が不要であるため、表面平坦性が保たれ、製造歩留まりの低下を生じない。
なお、スペーサ構造形成工程の後は、図1に示したように、2枚のプラスティック基板31、32を対向させ、スペーサである凹凸構造40、40a〜40eを嵌合して密着固定する基板貼り合わせ工程を行う。その際、凸構造41の頂部及び/又は凹構造の底部に接着剤が塗布され、両プラスティック基板31、32を密着固定後に接着剤が硬化されて接着され、密着固定が強化されてよい。そして更に、対向する2枚のプラスティック基板31、32の外側をシールし、液晶材料を注入して液晶層10を形成する液晶注入工程が行われ、液晶光変調器100が製造される。その際、配向膜50及び導電膜20の形成、リード線60の設置と接続等が、必要に応じて実行されてよい。また、その後に、偏光膜80が設けられてもよい。
実施形態1に係る液晶光変調器100によれば、軽量で柔軟なプラスティック基板30を容易に使用でき、極めて量産性及び生産性に優れて安価な液晶光変調器100を提供することができる。
[実施形態2]
図10は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成の一例を示した側面図である。図10において、液晶表示装置は、液晶光変調器100と、バックライト170とを備えている。液晶光変調器100は、実施形態1に示した構成と同様であり、最も外側には、偏光板80が両側に設けられている。バックライト170は、液晶光変調器100に光を照射して照らす手段である。バックライト170は、側部に光源171を備え、光源171を覆うように、反射板172を備えている。また、バックライト170の液晶光変調器100の下方には、導光板173が設けられている。光源171で発せられた光は、反射板172で反射され、導光板173の中に入り、下方から液晶光変調器100を照射する。導光板173と、液晶光変調器100の間には、拡散フィルム160が設けられていてよい。
このように、本実施形態に係る液晶表示装置は、実施形態1に係る液晶光変調器100と、これを照射するバックライト170を備えることにより、構成されてよい。本実施形態に係る液晶光変調器100にバックライト170を設けることにより、高コントラストの表示装置を構成することができる。なお、図10においては、サイドライト式のバックライト170の例を示したが、直下型のバックライト170であってもよい。
図11は、図10とは異なる態様の実施形態2に係る液晶表示装置の構成の一例を示した図である。図11における液晶表示装置は、反射型液晶表示装置が示されている。図11において、液晶表示装置は、液晶光変調器100と、拡散板を兼ねる反射板180とを有する。図11において、入射光110が液晶光変調器100に入射されると、液晶光変調器100の背面側の反射板180で拡散しつつ反射し、液晶光変調器100を透過して前面に出射し、出射光121となる。その際、液晶光変調器100は、印加電圧に応じて入射光110を変調するとともに、画像を表示する。
このように、液晶光変調器100を適用した液晶表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。液晶光変調器100に光を反射する反射板180を設けることにより、バックライト170を用いずに、低消費電力の反射型表示装置とすることができる。また、反射型表示装置の場合、一方の透明プラスティック基板30を不透明化したり、透明電極の導電膜20を金属電極に置き換えたりすることも可能である。
実際にローラー型ナノインプリント装置を用いて、ポリカーボネート製のプラスティック基板(ガラス転移温度145〔℃〕、厚さ100〔μm〕)を成形した。ここでは、回転する加熱ローラー140による加圧により、ローラー140とプラスティック基板31間に挿入する平板状金属型のパターンを、プラスティック基板30の表面に転写した。
スペーサ用の凸構造41は、以下の方法により形成した。ガラス転移温度以上に加熱したローラー140(240〔℃〕、圧力7000〔N〕)を使って、ストライプ状の凹型(溝)パターンを有する平板状金属型130とプラスティック基板31に圧力を加えて、ローラー140を移動させながら回転させた。ローラー140の接触面で、プラスティック基板30の温度がガラス転移点を超えてプラスティックが流動的になるため、金属型130の表面の溝パターンにプラスティック材料が流れ込み、ストライプ状の凸構造41が形成された。この加工実験により、高さ20〔μm〕、幅20〔μm〕、間隔200〔μm〕の凸型スペーサ構造体41が形成された。
一方、凹構造42のプラスティック基板32の形成方法は、同様な加熱・加圧条件により、凸型金属型131を用いて、深さ10〔μm〕、幅27〔μm〕、間隔200〔μm〕の凹構造42が形成された。この場合のストライプ溝の幅は、凸型のスペーサよりもやや大きく作製した。
図12は、凹凸構造40aを有するプラスティック基板31、32を重ねた状態を示した顕微鏡写真である。両者は、ローラーナノインプリント法により、高精度に形成されているため、凸構造41と凹構造42を密着させることが可能であった。この場合、相補的な凸型構造41と凹型構造42が嵌り込むことにより、ストライプ状スペーサに直交する方向へのプラスティック基板31、32の滑りが阻害されることが実際に確認できた。
以上、説明したように、2枚のプラスティック基板31、32の基板表面に凹凸構造04の嵌合構造を形成し、双方のプラスティック基板31、32を密着して固定して、両プラスティック基板31、32の間隔を保持するスペーサ構造を形成することにより、大面積作製が容易で、フレキシブルな液晶光変調器100及び液晶表示装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、光を変調する液晶光変調器及び画像を表示する液晶表示装置に利用することができる。
10 液晶層
20 導電膜
30、31、32 プラスティック基板
40、40a〜40e 凹凸構造
41 凸構造
42 凹構造
50、51、52 配向膜
60 リード線
70 駆動電源
80 偏光板
100 液晶光変調器
110 入射光
120 変調光
121 出射光
130 金属型
140 ローラー
150 ステージ
160、190 拡散フィルム
170 バックライト
180 反射板

Claims (11)

  1. 対向する2枚のプラスティック基板の間に液晶層が挟まれた液晶光変調器において、
    前記対向する2枚のプラスティック基板は、対向面に隙間を有する状態で互いに嵌合する凹構造と凸構造とを有し、凹凸構造が嵌合して密着した状態で固定されたスペーサ構造を有することを特徴とする液晶光変調器。
  2. 一方の前記プラスティック基板は前記凹構造を有し、他方の前記プラスティック基板は前記凸構造を有するとともに、前記凹凸構造は平面的に周期的に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶光変調器。
  3. 前記凸構造の高さから前記凹構造の深さを差し引いた値が、1μm以上20μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶光変調器。
  4. 前記凸構造は、先端に接近するにつれて細くなる傾斜を有し、前記凹構造は、深くなるにつれて底面が小さくなる傾斜を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶光変調器。
  5. 前記凸構造の頂部の平面形状が、ストライプ状、直交格子状、四角形、円又は十字形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶光変調器。
  6. 前記凸構造の頂部及び/又は前記凹構造の底部に、光硬化、熱硬化又は反応硬化する接着剤が付着され、前記凹凸構造が接着されて固定されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶光変調器。
  7. 電極用の導電膜が、一方の前記プラスティック基板に分割されて複数設けられており、前記導電膜間に印加する電圧強度により、前記液晶層の分子配向が駆動されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶光変調器。
  8. 前記プラスティック基板の厚さは、400μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶光変調器。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶光変調器と、
    該液晶光変調器を照らすバックライト又は光を反射させる反射板を備えることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 対向する2枚のプラスティック基板の間に液晶層が挟まれた液晶光変調器の製造方法において、
    プラスティック基板の上から、該プラスティック基板のガラス転移温度以上に加熱したローラーを用いて下面に成形形状の型を有する金属型を加圧し、該プラスティック基板の表面に、前記2枚のプラスティック基板が互いに隙間を有して嵌合する凹凸構造を形成するスペーサ構造形成工程と、
    該凹凸構造が形成された前記2枚のプラスティック基板を対向させ、前記凹凸構造を嵌合させて前記2枚のプラスティック基板を密着固定する基板貼り合わせ工程と、
    前記隙間に、液晶材料を注入して前記液晶層を形成する工程と、を含むことを特徴とする液晶光変調器の製造方法。
  11. 前記金属型は、前記プラスィック基板の上に載置されて用いられる平板状の金属型であるか、又は前記ローラーを巻くようにローラー上に形成された金属型であることを特徴とする請求項10に記載の液晶光変調器の製造方法。
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