JP2010256329A - 印刷物における光透過率の測定 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物における光透過率の測定精度を向上させることを可能とする。
【解決手段】印刷物における光透過率を測定する方法は、(a)印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する工程と、(b)波長別透過率に基づき、印刷物における光透過率を決定する工程と、を備える。
【選択図】図12
【解決手段】印刷物における光透過率を測定する方法は、(a)印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する工程と、(b)波長別透過率に基づき、印刷物における光透過率を決定する工程と、を備える。
【選択図】図12
Description
本発明は、印刷物における光透過率の測定を行う技術に関する。
シアン、マゼンタ、イエローといったカラーインクの他に、白色(ホワイト)インクを用いて印刷を行う印刷装置が知られている(例えば特許文献1参照)。白色インクを含む複数色のインクを用いて印刷を行う印刷装置は、例えば、印刷媒体の地色に影響されずにカラー画像を再現するために、白色インクを用いて印刷媒体の下地処理や地色に応じた補色処理を行うことが可能である。
印刷媒体上に白色インクを用いて白色画像が形成された印刷物において、白色画像の見えは、表色値(例えばL*値)が同じであっても、印刷物における光透過率によって異なる場合がある。従来、印刷物における光透過率は、視感での感応評価やヘーズメーターによって測定されていた。従来の視感での感応評価やヘーズメーターによる測定と比較して、印刷物における光透過率をより精度良く測定する技術が望まれていた。
なお、このような問題は、印刷媒体上に白色インクを用いて白色画像が形成された印刷物に限らず、印刷物一般に共通の問題であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、印刷物における光透過率の測定精度を向上させることを可能とすることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷物における光透過率を測定する方法であって、
(a)前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する工程と、
(b)前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程と、を備える、方法。
(a)前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する工程と、
(b)前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程と、を備える、方法。
この方法では、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率が取得され、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率が決定されるため、評価に個人差の伴う視感での感応評価や感度が比較的低いヘーズメーターによる計測と比較して、印刷物における光透過率の測定精度を向上させることができる。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記工程(b)は、前記波長別透過率を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。
前記工程(b)は、前記波長別透過率を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。
この方法では、特定波長の透過率ではなく、各波長についての波長別透過率を所定の波長範囲について積分した値が印刷物における光透過率として決定されるため、印刷物における光透過率の測定精度を向上させることができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の方法であって、
前記印刷物は、印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含み、
前記所定の波長範囲は、可視光の全波長範囲である、方法。
前記印刷物は、印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含み、
前記所定の波長範囲は、可視光の全波長範囲である、方法。
この方法では、可視光の全波長範囲における各波長についての波長別透過率を積分した値が印刷物における光透過率として決定されるため、可視光のほぼすべての波長において光を反射する印刷物の白色画像における光透過率の測定精度を向上させることができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の方法であって、
前記工程(a)は、所定の光透過率を有する基材の反射率と、前記基材上の前記印刷物の反射率と、を測定し、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程である、方法。
前記工程(a)は、所定の光透過率を有する基材の反射率と、前記基材上の前記印刷物の反射率と、を測定し、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程である、方法。
この方法では、印刷物における波長別透過率を、測定器によって直接計測することなく、基材の光透過率と反射率と印刷物の反射率とに基づき決定することができるため、印刷物における光透過率を容易に測定できると共に測定精度を向上させることができる。
[適用例5]適用例4に記載の方法であって、
前記工程(a)は、前記基材の反射率に対する前記印刷物の反射率の比の平方根と、前記基材の光透過率と、の積を前記波長別透過率として決定する工程である、方法。
前記工程(a)は、前記基材の反射率に対する前記印刷物の反射率の比の平方根と、前記基材の光透過率と、の積を前記波長別透過率として決定する工程である、方法。
この方法では、基材の光透過率と反射率と印刷物の反射率とに基づき波長別透過率を決定することができる。
[適用例6]適用例4または適用例5に記載の方法であって、
前記工程(a)は、互いに色の異なる複数の前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、複数の前記基材についての前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。
前記工程(a)は、互いに色の異なる複数の前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、複数の前記基材についての前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。
この方法では、印刷物における波長別透過率を、測定器によって直接計測することなく、基材の光透過率と反射率と印刷物の反射率とに基づき決定することができるため、印刷物における光透過率を容易に測定できると共に測定精度を向上させることができる。また、この方法では、複数の基材についての波長別透過率に基づき印刷物における光透過率が決定されるため、光透過率の決定における基材の影響を抑制することができ、印刷物における光透過率の測定精度をさらに向上させることができる。
[適用例7]適用例6に記載の方法であって、
前記工程(a)は、互いに色の異なる2つの前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、2つの前記基材についての前記波長別透過率の差分に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。
前記工程(a)は、互いに色の異なる2つの前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、2つの前記基材についての前記波長別透過率の差分に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。
この方法では、2つの基材についての波長別透過率の差分に基づき印刷物における光透過率が決定されるため、光透過率の決定における基材の影響を抑制することができ、印刷物における光透過率の測定精度をさらに向上させることができる。
[適用例8]適用例7に記載の方法であって、
前記工程(b)は、前記波長別透過率の差分を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。
前記工程(b)は、前記波長別透過率の差分を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。
この方法では、波長別透過率の差分を所定の波長範囲について積分した値が印刷物における光透過率として決定されるため、印刷物における光透過率の測定精度をさらに向上させることできる。
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の方法であって、さらに、
(c)決定された前記印刷物における光透過率に基づき、前記印刷物の色が白色であるか否かを判定する工程を備える、方法。
(c)決定された前記印刷物における光透過率に基づき、前記印刷物の色が白色であるか否かを判定する工程を備える、方法。
この方法では、決定された印刷物における光透過率に基づき、印刷物の色が白色であるか否かを判定することができ、印刷物の色判定の精度を向上させることできる。
[適用例10]印刷物における光透過率を測定する装置であって、
前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する取得部と、
前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する決定部と、を備える、装置。
前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する取得部と、
前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する決定部と、を備える、装置。
[適用例11]白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行う印刷装置であって、
印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する決定部と、
カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドと、
前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する制御部と、を備える、印刷装置。
印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する決定部と、
カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドと、
前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する制御部と、を備える、印刷装置。
[適用例12]白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行う印刷方法であって、
(a)印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する工程と、
(b)カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドを準備する工程と、
(c)前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する工程と、を備える、印刷方法。
(a)印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する工程と、
(b)カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドを準備する工程と、
(c)前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する工程と、を備える、印刷方法。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、測定方法および装置、印刷方法および装置、印刷制御方法および装置、印刷システム、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.印刷システムの構成:
A−2.印刷処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
A−1.印刷システムの構成:
A−2.印刷処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
A−1.印刷システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例における印刷システムの構成を概略的に示す説明図である。本実施例の印刷システム10は、プリンター100と、パーソナルコンピューター(PC)200と、を備えている。プリンター100は、インクを噴射して印刷媒体(例えば印刷用紙や透明フィルム)上にインクドットを形成することにより画像を印刷するインクジェット式カラープリンターである。PC200は、プリンター100に印刷用データを供給すると共に、プリンター100による印刷動作を制御する印刷制御装置として機能する。プリンター100とPC200とは、有線または無線によって情報通信可能に接続されている。具体的には、本実施例では、プリンター100とPC200とは、USBケーブルによって互いに接続されている。なお、図1には、例えばグラビア印刷機による印刷により作成された実際の印刷物(以下、「リアルプリントRP」とも呼ぶ)が示されている。
A−1.印刷システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例における印刷システムの構成を概略的に示す説明図である。本実施例の印刷システム10は、プリンター100と、パーソナルコンピューター(PC)200と、を備えている。プリンター100は、インクを噴射して印刷媒体(例えば印刷用紙や透明フィルム)上にインクドットを形成することにより画像を印刷するインクジェット式カラープリンターである。PC200は、プリンター100に印刷用データを供給すると共に、プリンター100による印刷動作を制御する印刷制御装置として機能する。プリンター100とPC200とは、有線または無線によって情報通信可能に接続されている。具体的には、本実施例では、プリンター100とPC200とは、USBケーブルによって互いに接続されている。なお、図1には、例えばグラビア印刷機による印刷により作成された実際の印刷物(以下、「リアルプリントRP」とも呼ぶ)が示されている。
本実施例のプリンター100は、シアン(C)と、マゼンタ(M)と、イエロー(Y)と、ブラック(K)と、ライトシアン(Lc)と、ライトマゼンタ(Lm)と、ホワイト(W)と、の合計7色のインクを用いて印刷を行うプリンターである。本実施例の印刷システム10は、印刷媒体としての透明フィルム上に、カラー画像と調色白画像とを並行して形成する印刷処理を実現する。カラー画像と調色白画像とが形成された透明フィルムは、例えば、商品包装用のフィルムとして使用される。
なお、本明細書では、白(ホワイト)インクに他色のインクを混ぜて白色を調整することを「白調色」と呼ぶ。また、白調色により生成された白色(調整された白色)を「調色白」と呼び、調色白により構成される画像を「調色白画像」と呼ぶ。また「白色」とは、例えば、(1)x-rite社製の測色機eye-one Proを用いて測色モード:スポット測色、光源:D50、バッキング:Black、印刷媒体:透明フィルムで測色した場合に、Lab系での標記がa*b*平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(2)ミノルタ製の測色計CM2022を用いて測定モードD502°視野、SCFモード、白地バックで測色した場合に、Lab系での標記がa*b*平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(3)特開2004−306591号公報に記載されているように画像の背景として用いられるインクの色かをいい、背景として用いられるのであれば純粋な白に限られない。
図2は、PC200の構成を概略的に示す説明図である。PC200は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、USBインターフェース(USB I/F)240と、ネットワークインターフェース(N/W I/F)250と、ディスプレイインターフェース(ディスプレイ I/F)260と、シリアルインターフェース(シリアル I/F)270と、ハードディスクドライブ(HDD)280と、CDドライブ290と、を含んでいる。PC200の各構成要素は、バスを介して互いに接続されている。
PC200のUSBインターフェース240には、USBインターフェース対応の測色器CMが接続されている。ディスプレイインターフェース260には、表示装置としてのモニターMONが接続されている。シリアルインターフェース270には、入力装置としてのキーボードKBおよびマウスMOUが接続されている。なお、図2に示したPC200の構成はあくまで一例であり、PC200の構成要素の一部を省略したり、PC200にさらなる構成要素を付加したりする変形が可能である。
図3は、プリンター100の構成を概略的に示す説明図である。プリンター100は、CPU110と、ROM120と、RAM130と、ヘッドコントローラー140と、プリントヘッド144と、キャリッジコントローラー(CRコントローラー)150と、キャリッジモーター(CRモーター)152と、印刷媒体送りコントローラー(PFコントローラー)160と、印刷媒体送りモーター(PFモーター)162と、USBインターフェース(USB I/F)170と、ネットワークインターフェース(N/W I/F)180と、表示部としてのモニター190と、を含んでいる。プリンター100の各構成要素は、バスを介して互いに接続されている。
プリンター100のCPU110は、ROM120に格納されているコンピュータープログラムを実行することにより、プリンター100全体の動作を制御する制御部として機能する。プリンター100のプリントヘッド144は、図示しないキャリッジに搭載されている。キャリッジコントローラー150は、キャリッジモーター152を制御して、キャリッジを所定の方向に往復移動させる。これにより、プリントヘッド144が印刷媒体の所定の方向(主走査方向)に沿って往復移動する主走査が実現される。また、印刷媒体送りコントローラー160は、印刷媒体送りモーター162を制御して、印刷媒体を主走査方向と直交する方向(副走査方向)に搬送する副走査を行う。プリントヘッド144は、インクを噴射するノズル群(図22参照)を有しており、ヘッドコントローラー140は、主走査および副走査に連動してプリントヘッド144によるノズル群からのインク噴射を制御する。これにより、印刷媒体上への画像の形成(画像の印刷)が実現される。
図4は、PC200の構成を機能的に示すブロック図である。PC200のROM220(図2)には、CPU210により実行されるコンピュータープログラムとして、アプリケーションプログラムAPと、プリンタードライバー300と、が格納されている。アプリケーションプログラムAPは、印刷媒体としての透明フィルム上への印刷の対象となる画像(以下、「印刷画像PI」とも呼ぶ)の生成、編集等を行うためのプログラムである。CPU210は、アプリケーションプログラムAPを実行することにより、印刷画像PIの生成、編集を実現する。
また、アプリケーションプログラムAPを実行するCPU210は、ユーザーによる印刷実行指示に応じて、カラー画像データCdataと白画像データWIdataと印刷順指定情報SSとをプリンタードライバー300に対して出力する。これら各データの内容は、「A−2.印刷処理」において詳述する。
プリンタードライバー300(図4)は、画像データに基づき印刷用データ(印刷用コマンド)を生成し、印刷用データに基づきプリンター100(図1)を制御して印刷画像PIの印刷処理を行うためのプログラムである。CPU210(図2)は、プリンタードライバー300を実行することにより、プリンター100による印刷画像PIの印刷制御を実現する。
図4に示すように、プリンタードライバー300は、カラー画像用インク色分版処理モジュール310と、カラー画像用ハーフトーン処理モジュール320と、調色白指定モジュール330と、調色白画像用色変換モジュール340と、調色白画像用インク色分版処理モジュール350と、調色白画像用ハーフトーン処理モジュール360と、コマンド作成モジュール370と、を含んでいる。調色白指定モジュール330は、UI制御モジュール332を含んでいる。また、PC200のHDD280(図2)には、カラー画像用ルックアップテーブル(LUT)LUTcと、カラー画像用ハーフトーン(HT)リソースHTcと、調色白画像用ルックアップテーブル(LUT)LUTwと、調色白画像用ハーフトーン(HT)リソースHTwと、インクコード表ICTと、が格納されており、プリンタードライバー300および各モジュールは、これらの情報を参照して処理を実行する。各モジュールの機能や各情報の内容は、「A−2.印刷処理」において詳述する。
図5は、プリンター100の構成を機能的に示すブロック図である。プリンター100のROM120(図3)には、CPU110により実行されるコンピュータープログラムとして、コマンド処理モジュール112が格納されている。後述するように、CPU110は、コマンド処理モジュール112を実行することにより、PC200から受信したコマンドの処理を実現する。また、プリンター100のRAM130(図3)は、ラスターバッファー132を有している。ラスターバッファー132は、カラー画像用ラスターバッファー132cと、調色白画像用ラスターバッファー132wと、の2つの領域を含んでいる。また、プリンター100のヘッドコントローラー140(図3)は、ヘッドバッファー142を有している。ヘッドバッファー142は、上流用ヘッドバッファー142uと、下流用ヘッドバッファー142lと、を含んでいる。これらのプログラムやバッファーの機能および詳細構成は、「A−2.印刷処理」において詳述する。
A−2.印刷処理:
図6は、本実施例の印刷システム10における印刷処理の流れを示すフローチャートである。本実施例の印刷処理は、印刷媒体としての透明フィルム上に、カラー画像と調色白画像とを並行して形成し、カラー画像と調色白画像とが形成された印刷物を作成する処理である。
図6は、本実施例の印刷システム10における印刷処理の流れを示すフローチャートである。本実施例の印刷処理は、印刷媒体としての透明フィルム上に、カラー画像と調色白画像とを並行して形成し、カラー画像と調色白画像とが形成された印刷物を作成する処理である。
ステップS110(図6)では、アプリケーションプログラムAP(図4)を実行するCPU210(図2)が、ユーザーによる印刷実行指示を受領する。CPU210は、印刷実行指示の受領に応じて、カラー画像データCdataと白画像データWIdataと印刷順指定情報SSとをプリンタードライバー300に対して出力する(図4)。カラー画像データCdataは、印刷画像PIにおけるカラー画像を特定するデータであり、白画像データWIdataは、印刷画像PIにおける白領域Aw(後述)を特定するデータであり、印刷順指定情報SSは、カラー画像と調色白画像とが重なる部分におけるカラー画像と調色白画像との印刷順(後述)を特定するデータである。
図7は、印刷画像PI、カラー画像データCdataおよび白画像データWIdataの一例を示す説明図である。図7(a)は、印刷画像PIの一例を示している。印刷画像PIは、カラー画像Ic(図中の「ABC」の画像および「abc・・・p」の画像)を含んでいる。また、印刷画像PIは、白領域Awと非白領域Anとにより構成されている。白領域Awは調色白画像を形成する領域であり、非白領域Anは調色白画像を形成しない領域である。図7(a)に示す例では、印刷画像PIは、白領域Awの少なくとも一部は、カラー画像Icと重なっている。
図7(b)は、カラー画像データCdataを概念的に示している。本実施例では、カラー画像データCdataは、印刷画像PIのカラー画像Icのみに注目した場合における印刷画像PIの各画素の色をそれぞれ8ビットのC値、M値、Y値、K値で特定するデータである。カラー画像データCdataは、印刷画像PIのカラー画像Icに対応する画素については、当該カラー画像Icの色を特定するデータとなり、残りの画素については、カラー画像を形成しないことを示すデータ(例えばC,M,Y,K=0)となる。
図7(c)は、白画像データWIdataを概念的に示している。本実施例では、白画像データWIdataは、印刷画像PIからカラー画像Icを除外した場合における印刷画像PIの各画素の色を8ビットのW値で特定するデータである。ただし、W値の取り得る値は、0と255とのいずれか一方となっている。白画像データWIdataは、印刷画像PIの白領域Awに対応する画素については、調色白画像を形成することを示すデータ(例えばW=255)となり、残りの画素(非白領域Anに対応する画素)については、調色白画像を形成しないことを示すデータ(例えばW=0)となる。なお、白画像データWIdataは、2ビットのデータであってもよい。
図8は、カラー画像と調色白画像との印刷順を示す説明図である。図8(a)は、印刷媒体PMとしての透明フィルム上に調色白画像Iwを形成し、調色白画像Iwの上にカラー画像Icを形成する印刷順を示している。本明細書では、この印刷順を、「白−カラー印刷」または「W−C印刷」と呼ぶ。図8(a)に示したW−C印刷では、観察者は、図の上方から印刷物を観察することとなる(図中の矢印参照)。
図8(b)は、印刷媒体PMとしての透明フィルム上にカラー画像Icを形成し、カラー画像Icの上に調色白画像Iwを形成する印刷順を示している。本明細書では、この印刷順を、「カラー−白印刷」または「C−W印刷」と呼ぶ。図8(b)に示したC−W印刷では、観察者は、図の下方から印刷物を観察することとなる(図中の矢印参照)。
ユーザーは、印刷物の使用態様に応じて、W−C印刷を行うかC−W印刷を行うかを選択する。アプリケーションプログラムAPを実行するCPU210は、ユーザーにより選択された印刷順を特定する印刷順指定情報SSを生成し、プリンタードライバー300に対して出力する(図4)。
印刷処理(図6)のステップS120では、プリンタードライバー300(図4)を実行するCPU210による処理が実行される。図9は、プリンタードライバー300を実行するCPU210による処理の流れを示すフローチャートである。ステップS210では、CPU210が、アプリケーションプログラムAPから出力されたカラー画像データCdataと、白画像データWIdataと、印刷順指定情報SSと、を受信する(図4参照)。
ステップS220(図9)では、調色白指定モジュール330(図4)が、調色白指定処理を実行する。調色白指定処理は、印刷画像PIの白領域Aw(図7(a)参照)に対応する調色白画像の色を指定する処理である。図10は、調色白指定処理の流れを示すフローチャートである。ステップS310では、調色白指定モジュール330のUI制御モジュール332(図4)が、PC200のモニターMON(図2)に、調色白指定用のUIウィンドウを表示する。
図11は、調色白指定用のUIウィンドウの一例を示す説明図である。図11(a)に示すように、本実施例の調色白指定用UIウィンドウW1は、サンプル画像表示エリアSaと、2つのスライダーバーSl1,Sl2と、ab平面表示エリアPlと、印刷順指定欄Se1と、値入力ボックスBo1と、測定(Measurement)ボタンB1と、OKボタンB2と、が含まれている。
図11(a)に示した調色白指定用UIウィンドウW1において、サンプル画像表示エリアSaは、指定された調色白のサンプル画像を表示するための領域である。サンプル画像表示エリアSaは、左右に2分割されており、左側が白色背景(White Backing)における調色白を示す領域(白色背景エリア)であり、右側が黒色背景(Black Backing)における調色白を示す領域(黒色背景エリア)である。なお、サンプル画像表示エリアSaの最外周領域は、背景色(白色または黒色)を示す領域(背景色領域)であり、背景色領域の内側の領域が調色白を示す領域(白画像領域)である。また、サンプル画像表示エリアSaの中央付近には、白色背景エリアおよび黒色背景エリアの両方にまたがるように、カラー画像(図中の「A」の画像)が表示されている。このカラー画像の色や形は任意に設定可能である。
調色白指定用UIウィンドウW1において、値入力ボックスBo1は、L*a*b*表色系における表色値(L*値(以下、単に「L値」とも表す)、a*値(以下、単に「a値」とも表す)、b*値(以下、単に「b値」とも表す))およびT値を入力することによって調色白を指定するための部分である。L値は、調色白の明るさを示す値であり、調色白画像を印刷する際の黒(K)インクの量に相関する。a値およびb値は、調色白の赤−緑軸および黄−青軸に沿った色度を表す値であり、調色白画像を印刷する際のカラーインクの量に相関する。T値は、濃度を示す値であり、調色白画像を印刷する際の単位面積あたりのインク量に相関する。すなわち、T値は、背景色の透過度に相関する。
調色白指定用UIウィンドウW1において、スライダーバーSl1,Sl2およびab平面表示エリアPlも、Lab値およびT値を入力することによって調色白を指定するための部分である。
なお、調色白指定用UIウィンドウW1において、印刷順指定欄Se1は、上述した印刷順の指定を示すための部分である。印刷順は、アプリケーションプログラムAPにおいて設定され、印刷順を特定する印刷順指定情報SSがアプリケーションプログラムAPからプリンタードライバー300に対して出力される(図4参照)。印刷順指定欄Se1には、印刷順指定情報SSにより特定される印刷順が、W−C印刷(W−C Print)とC−W印刷(C−W Print)とのいずれであるかが示される。なお、調色白指定用UIウィンドウW1において、印刷順指定欄Se1に示された印刷順の変更(新たな印刷順の指定)を指定できるものとしてもよい。
また、最初に調色白指定用のUIウィンドウW1が表示される際には、値入力ボックスBo1やサンプル画像表示エリアSa等の表示状態は、デフォルトの調色白に対応する表示状態となっている。例えば、デフォルトの状態は、プリンター100の白インクの色として予め設定されたLab値およびT値に対応する表示状態である。
UI制御モジュール332(図4)は、調色白指定用UIウィンドウW1が表示されている際に、ユーザーによるキーボードKBやマウスMOU(図2)を介した操作の有無を監視する(図10のステップS320)。操作があったと判定され(ステップS320:Yes)、操作がOKボタンB2でも測定ボタンB1でもない場合には(ステップS330:No、S340:No)、UI制御モジュール332は、操作に応じた値を取得し(ステップS360)、取得された値を値入力ボックスBo1等に表示し(ステップS370)、サンプル画像表示エリアSaの表示を更新する(ステップS380)。
例えば、ユーザーがキーボードKB(図2)を介して、値入力ボックスBo1を選択すると共に値を入力すると、入力値が値入力ボックスBo1に表示されると共に、サンプル画像表示エリアSaの色が入力値により特定される色(調色白)に変更される。ユーザーが値入力ボックスBo1におけるa値やb値を変更すると、サンプル画像表示エリアSaの白画像領域の色(調色白)の色味が変更される。また、ユーザーが値入力ボックスBo1のL値を変更すると、サンプル画像表示エリアSaの白画像領域の色の明るさが変更される。ユーザーが値入力ボックスBo1のT値を変更した場合には、背景色の透過度が変更されるため、サンプル画像表示エリアSaの黒色背景エリアにおける白画像領域の色の明るさが変更されるが、白色背景エリアにおける白画像領域の色は変更されない。そのため、T値(濃度値)の変化に応じた色の変化を、サンプル画像表示エリアSaの黒色背景エリアと白色背景エリアとを対比することで容易に確認することができ、ユーザーは調色白をより正確にかつより容易に指定することができる。
また、例えば、ユーザーがマウスMOU(図2)を操作してスライダーバーSl1の位置を変更すると、位置に応じたL値が取得され、サンプル画像表示エリアSaの色が、取得値により特定される色に変更される。同様に、ユーザーがマウスMOUを操作してスライダーバーSl2の位置を変更すると、位置に応じたT値が取得され、サンプル画像表示エリアSaの色が変更される。また、ユーザーがマウスMOUを操作してab平面表示エリアPlの指定点(図中×で示す)の位置を変更すると、×の位置に応じたa値およびb値が取得され、サンプル画像表示エリアSaの色が変更される。
なお、値入力ボックスBo1とスライダーバーSl1,Sl2およびab平面表示エリアPlとは連動している。すなわち、値入力ボックスBo1において値が変更された場合には、スライダーバーSl1,Sl2の位置やab平面表示エリアPlにおける×の位置が変更される。同様に、スライダーバーSl1,Sl2の位置やab平面表示エリアPlにおける×の位置が変更された場合には、変更された指定値が値入力ボックスBo1に表示される。
本実施例では、リアルプリントRP(図1参照)の測色結果に基づき調色白を特定する値(Lab値およびT値)を指定することもできる。リアルプリントRPの測色結果に基づき調色白を指定することにより、リアルプリントRPの白部分の色を忠実に再現した印刷処理を実現することができる。
図12は、リアルプリントRPの測色方法を示す説明図である。リアルプリントRPは、印刷媒体PM上に、白部分Pwの画像(白色画像)およびカラー部分Pcの画像(カラー画像)が形成された印刷物である。図12(a)に示すように、測色は、測色器CM(図2)によって測定点MPにおける表色値等を測定することにより実行される。
本実施例では、調色白を特定する値の内のL値、a値、b値は、測色器CMとしての光電色彩計により測定可能となっている。なお、測定値(L値、a値、b値)は、測定時の基材(背景)の色に応じて変化しうる。例えば、図12(a)に示す、白色基材Bw上にリアルプリントRPを載置して行う白色背景測色と、黒色基材Bb上にリアルプリントRPを載置して行う黒色背景測色と、では、図12(b)に示すように、測定値(例えばL値)が異なる場合がある。従って、一般に、測定値は、どのような基材(背景)色を用いた測定における値であるかが特定される。本実施例では、L値、a値、b値は、白色背景測色における測定値が用いられる。
また、本実施例では、調色白を特定する値の内のT値は、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sに基づき算出可能となっている。リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sは、以下の第1の方法から第3の方法までのいずれかを用いて測定される。なお、本明細書において、「測定」とは、ある量の大きさを装置や機械を用いて直接はかることのみならず、ある量の大きさを理論を媒介として間接的に決定することをも意味するものとする。
リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの第1の測定方法は、以下の通りである。第1の測定方法では、測色器CM(図2)としての分光光度計により、可視光の全波長範囲における各波長について、リアルプリントRPの白部分Pwの透過率Tn(波長別透過率)が測定される。なお、本実施例では、可視光の全波長範囲は、380〜780nmであるものとしている。また、透過率Tnは、1nm間隔の各波長について計測され、その値は、0以上100以下の範囲の値(単位は%)とされる。透過率Tnを可視光の全波長範囲について積分した値が総合光透過率S(以下、「総合光透過率S1」と表す)として決定される。すなわち、総合光透過率S1は、下記の式(1)により算出される。
総合光透過率Sの第1の測定方法では、評価に個人差の伴う視感での感応評価や、感度が比較的低いヘーズメーターによる計測と比較して、総合光透過率Sの測定精度を向上させることができる。また、総合光透過率Sの第1の測定方法では、特定波長の透過率ではなく、各波長についての透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとして決定することにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射するリアルプリントRPの白部分Pwについても、総合光透過率を精度良く算出することができる。
リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの第2の測定方法は、以下の通りである。第2の測定方法では、リアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tnが、例えば分光光度計によって直接計測されるのではなく、測色器CMとしての反射型測色計により測定された反射率に基づき決定される。透過率Tnは、下記の式(2)により算出される。式(2)において、Rnは測色器CMにより測定されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率であり、Rgnは測色器CMにより測定された基材(図12(a)の白色基材Bwまたは黒色基材Bb)における反射率であり、Tgnは予め分光光度計により計測された可視光の各波長における基材の透過率である。すなわち、リアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tnは、基材の反射率Rgnに対するリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率Rnの比の平方根と、基材の透過率Tgnと、の積として算出される。本実施例では、白色基材Bwと黒色基材Bbとの2つの基材について、基材透過率Tgnが予め測定され、PC200のHDD280(図2)に格納されている。
第2の測定方法では、上述した第1の測定方法と同様に、算出された透過率Tnを可視光の全波長範囲について積分した値が総合光透過率S(以下、「総合光透過率S2」と表す)として決定される。すなわち、総合光透過率S2は、下記の式(3)により算出される。
総合光透過率Sの第2の測定方法では、一般に高価で大がかりな測色器である分光光度計を用いずに、感応評価やヘーズメーターによる計測と比較して、総合光透過率Sの測定精度を向上させることができる。また、総合光透過率Sの第2の測定方法では、特定波長の透過率ではなく、各波長についての透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとして決定することにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射するリアルプリントRPの白部分Pwについても、総合光透過率を精度良く算出することができる。
リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの第3の測定方法は、以下の通りである。第3の測定方法では、リアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tnが、例えば分光光度計によって直接計測されるのではなく、測色器CMとしての反射型測色計により測定された反射率に基づき決定される。また、透過率Tnの決定は、リアルプリントRPが互いに色の異なる2つの基材のそれぞれに載置された2つの場合に関して、実行される。なお、2つの基材は、透過率(反射率)の差が大きい組み合わせが好ましく、本実施例では、白色基材Bwと黒色基材Bbとが用いられる。すなわち、白色基材Bw上に載置されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tn(Tan)が下記の式(4)を用いて算出されると共に、黒色基材Bb上に載置されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tn(Tbn)が下記の式(5)を用いて算出される。式(4)において、Ranは測色器CMにより測定された白色基材Bw上のリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率であり、Ragnは測色器CMにより測定された白色基材Bwの反射率であり、Tagnは予め分光光度計により計測された可視光の各波長における白色基材Bwの透過率である。すなわち、白色基材Bw上に載置されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tn(Tan)は、白色基材Bwの反射率Ragnに対するリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率Ranの比の平方根と、白色基材Bwの透過率Tagnと、の積として算出される。また、式(5)において、Rbnは測色器CMにより測定された黒色基材Bb上のリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率であり、Rbgnは測色器CMにより測定された黒色基材Bbの反射率であり、Tbgnは予め分光光度計により計測された可視光の各波長における黒色基材Bbの透過率である。すなわち、黒色基材Bb上に載置されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける透過率Tn(Tbn)は、黒色基材Bbの反射率Rbgnに対するリアルプリントRPの白部分Pwにおける反射率Rbnの比の平方根と、黒色基材Bbの透過率Tbgnと、の積として算出される。
第3の測定方法では、2つの基材に関して算出された透過率Tn(透過率TanおよびTbn)の差分をとることにより、総合光透過率Sの算出における基材(基材の色)の影響を排除する。また、第3の測定方法では、上述した第1の測定方法と同様に、算出された透過率Tn可視光の全波長範囲について積分した値が総合光透過率S(以下、「総合光透過率S3」と表す)として決定される。すなわち、総合光透過率S3は、下記の式(6)により算出される。
総合光透過率Sの第3の測定方法では、一般に高価で大がかりな測色器である分光光度計を用いずに、感応評価やヘーズメーターによる計測と比較して、総合光透過率Sの測定精度を向上させることができる。また、総合光透過率Sの第3の測定方法では、2つの基材に関して算出された透過率Tnの差分をとることにより、総合光透過率Sの算出における基材(基材の色)の影響を排除することができ、総合光透過率Sの測定精度をさらに向上させることができる。また、総合光透過率Sの第3の測定方法では、特定波長の透過率ではなく、各波長についての透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとして決定することにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射するリアルプリントRPの白部分Pwについても、総合光透過率を精度良く算出することができる。
本実施例では、上述した第1の方法から第3の方法までのいずれかを用いて算出されたリアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sに対して予め設定された変換を行うことにより、調色白を特定する値の内のT値が算出可能となっている。本実施例では、総合光透過率Sの逆数を0以上100以下の範囲の値に変換(正規化)することによりT値を算出するものとしている。これにより、リアルプリントRPの総合光透過率Sを忠実に再現した印刷処理を実現することができる。
図10のステップS320において操作があったと判定され(ステップS320:Yes)、操作がOKボタンB2ではなく(ステップS330:No)、測定ボタンB1であると判定された場合には(ステップS340:Yes)、UI制御モジュール332(図4)は、PC200のモニターMON(図2)に、図11(b)に示す測色用UIウィンドウW2を表示する(ステップS350)。
測色用UIウィンドウW2(図11(b))は、リアルプリントRPの測色により調色白を特定する値を指定するためのUIウィンドウである。測色用UIウィンドウW2には、背景選択領域Se2と、測色値表示ボックスBo2と、測定(Measurement)ボタンB3と、OKボタンB4と、が含まれている。背景選択領域Se2は、白色背景測色と黒色背景測色とのいずれを行うかを選択するための部分である。ユーザーは、背景選択領域Se2において測色方法を選択すると共に測定ボタンB3を選択し、選択された方法で測色を実行する。
上述したように、本実施例では、調色白を特定する値の内のL値、a値、b値は、白色背景測色における測色値が用いられる。従って、測色によりL値、a値、b値を指定する場合には、ユーザーは、測色用UIウィンドウW2の背景選択領域Se2において白色背景測色を選択すると共に測定ボタンB3を選択し、白色背景測色(図12(a)の右図参照)を実行する。
また、上述したように、本実施例では、調色白を特定する値の内のT値は、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sに基づき算出される。総合光透過率Sが上述の第2の方法により算出されるものと設定されている場合には、ユーザーは、測色用UIウィンドウW2の背景選択領域Se2において白色背景測色と黒色背景測色とのいずれかを選択すると共に測定ボタンB3を選択し、選択された基材を用いた測色を実行する。この場合には、調色白指定モジュール330(図4)が、測色により得られた反射率Rn、Rnと予め計測された基材透過率Tgnとに基づき、上記式(2)および(3)を用いて総合光透過率S2を算出し、算出された総合光透過率S2に基づきT値を算出する。なお、このとき、調色白指定モジュール330は、本発明における取得部および決定部として機能する。
また、総合光透過率Sが上述の第3の方法により算出されるものと設定されている場合には、ユーザーは、まず、測色用UIウィンドウW2の背景選択領域Se2において白色背景測色と黒色背景測色との一方を選択すると共に測定ボタンB3を選択し、選択された基材を用いた測色を実行する。その後、ユーザーは、測色用UIウィンドウW2の背景選択領域Se2において白色背景測色と黒色背景測色との他方を選択すると共に測定ボタンB3を選択し、選択された基材を用いた測色を実行する。この場合には、調色白指定モジュール330(図4)が、測色により得られた反射率Ran、Ragn、Rbn、Rbgnと予め計測された下地透過率Tagn、Tbgnとに基づき、上記式(4)〜(6)を用いて総合光透過率S3算出し、算出された総合光透過率S2に基づきT値を算出する。なお、このとき、調色白指定モジュール330は、本発明における取得部および決定部として機能する。
なお、測色器CMとして分光光度計が利用可能である場合には、総合光透過率Sを上述の第1の方法により算出することが可能である。このような場合には、調色白指定モジュール330(図4)が、測色により得られた各波長における透過率Tnに基づき、上記式(1)を用いて総合光透過率S1算出し、算出された総合光透過率S1に基づきT値を算出する。このとき、調色白指定モジュール330は、本発明における取得部および決定部として機能する。なお、第1の方法による総合光透過率Sの算出のための測色結果は、基材の色に影響を受けないため、総合光透過率Sを第1の方法により算出する場合には、測色用UIウィンドウW2の背景選択領域Se2における基材の選択が行われる必要はない。
測色が完了すると、測色結果に基づいた値(Lab値とT値との少なくとも一方)が取得され(図10のステップS360)、測色値表示ボックスBo2に表示される(ステップS370)。ユーザーがOKボタンB4を選択すると、調色白指定用UIウィンドウW1(図11(a))が再度表示される。このとき、調色白指定用UIウィンドウW1のサンプル画像表示エリアSaや、値入力ボックスBo1等の表示は、測色結果に基づいた表示に変更された状態となる(ステップS380)。なお、測色が実行された後に、調色白指定用UIウィンドウW1において、ユーザーは、測色結果に基づいて取得された値(Lab値およびT値)を修正することもできる。
図10のステップS320において操作があったと判定され(ステップS320:Yes)、操作がOKボタンB2であると判定された場合には(ステップS330:Yes)、UI制御モジュール332(図4)は、その時点で取得され表示されているLab値およびT値により特定される色を調色白画像の色として設定し、Lab値およびT値を保存する(ステップS390)。
以上の処理により、ユーザーは、正確にかつ容易に調色白画像の色を指定することができる。特に、測色器CMによる測色結果に基づき調色白のLab値およびT値を指定することにより、調色白画像の色をより正確にかつより容易に指定することができる。また、本実施例では、調色白をLab値とT値とにより指定できるため、調色白画像の濃度を含む色の値を正確に指定することができる。また、本実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、指定された色がサンプル画像表示エリアSaに表示されるため、ユーザーは表示された色を確認しながら容易に色を指定することができる。
また、本実施例では、調色白を特定する値の内のT値は、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sに基づき算出可能であり、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sは、上述の第1の方法から第3の方法までのいずれかを用いて算出可能である。リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sを上述の第1の方法により算出する場合には、感応評価やヘーズメーターによる計測と比較して十分な精度で視感評価との整合性も高い総合光透過率を算出することができると共に、各波長における透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとすることにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射するリアルプリントRPの白部分Pwについても、総合光透過率を精度良く算出することができる。また、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sを上述の第2の方法により算出する場合には、一般に高価で大がかりな測色器である分光光度計を用いずに、感応評価やヘーズメーターによる計測と比較して、十分な精度で視感評価との整合性も高い総合光透過率を容易に算出することができると共に、各波長における透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとすることにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射する白部分Pwについても、総合光透過率を精度良く算出することができる。また、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sを上述の第3の方法により算出する場合には、一般に高価で大がかりな測色器である分光光度計を用いずに、感応評価やヘーズメーターによる計測と比較して、十分な精度で視感評価との整合性も高い総合光透過率を容易に算出することができると共に、2つの基材に関して算出された透過率Tnの差分をとることにより、総合光透過率Sの算出における基材(基材の色)の影響を排除することができ、総合光透過率を精度良く算出することができる。また、総合光透過率Sの第3の測定方法では、各波長における透過率Tnの積分値を総合光透過率Sとすることにより、可視光のほぼすべての波長において光を反射する白部分Pwについても、総合光透過率Sを精度良く算出することができる。
なお、保存されたLab値およびT値は、白画像データWIdata(図7(c)参照)と組み合わせられる。すなわち、白画像データWIdataにおいて、調色白画像を形成することを示すデータ(W=255)が割り当てられた画素に、Lab値およびT値が対応付けられる。本明細書では、Lab値およびT値が対応付けられた白画像データWIdataを、調色白画像データとも呼ぶ。
プリンタードライバー300による処理(図9)におけるステップS230では、プリンタードライバー300が、調色白画像用の色変換処理と、インク色分版処理と、ハーフトーン処理と、を実行する。図13は、調色白画像用の色変換処理、インク色分版処理、ハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。ステップS410では、調色白画像用色変換モジュール340(図4)が、調色白指定処理(図10)のステップS390において保存されたLab値をCMYK値に色変換する。色変換は、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw(図4)を参照して実行される。
図14は、調色白画像用ルックアップテーブルLUTwの一例を部分的に示す説明図である。図14(a)には、Lab値からCMYK値への色変換の際に参照される調色白画像用ルックアップテーブルLUTw1を示している。図14(a)に示すように、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw1には、予め設定されたLab値とCMYK値との対応関係が規定されている。なお、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw1において、CMYKの各階調値は、0以上100以下の範囲の値として規定されている。調色白画像用色変換モジュール340は、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw1を参照して、Lab値をCMYK値に変換する。
ステップS420(図13)では、調色白画像用インク色分版処理モジュール350(図4)が、ステップS410において決定されたCMYK値と調色白指定処理(図10)のステップS390において保存されたT値との組み合わせをインク色別階調値に変換するインク色分版処理を行う。上述したように、本実施例のプリンター100は、シアン(C)と、マゼンタ(M)と、イエロー(Y)と、ブラック(K)と、ライトシアン(Lc)と、ライトマゼンタ(Lm)と、ホワイト(W)と、の合計7色のインクを用いて印刷を行う。従って、インク色分版処理では、CMYK値およびT値の組み合わせが、7つのインク色のそれぞれの階調値に変換される。インク色分版処理も、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw(図4)を参照して実行される。図14(b)には、CMYK値およびT値の組み合わせからインク色別階調値への変換の際に参照される調色白画像用ルックアップテーブルLUTw2を示している。図14(b)に示すように、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw2には、予め設定されたCMYK値およびT値の組み合わせとインク色のそれぞれの階調値との対応関係が規定されている。なお、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw2において、インク色の階調値は、0以上255以下の範囲の値として規定されている。調色白画像用インク色分版処理モジュール350は、調色白画像用ルックアップテーブルLUTw2を参照して、CMYK値とT値との組み合わせをインク色別階調値に変換する。
なお、図14(b)に示すように、本実施例では、白調色(白インクに他色のインクを混ぜて白色を調整すること)に、白色を除く6色のインクの内、イエロー(Y)と、ブラック(K)と、ライトシアン(Lc)と、ライトマゼンタ(Lm)と、の4色のインクが用いられ、シアン(C)とマゼンタ(M)との2色のインクは使用されない。すなわち、白調色には、同一の色相についての淡色インクと濃色インクとの2種類のインクの内、濃色インクは使用されない。
ステップS430(図13)では、調色白画像用インク色分版処理モジュール350(図4)が、調色白画像データにおける1画素のデータを取り出す。ステップS440では、調色白画像用インク色分版処理モジュール350が、取り出された画素の値が、調色白画像を形成しないことを示す値(ゼロ)と調色白画像を形成することを示す値(255)であるとのいずれであるかを判定する。画素の値が255であると判定された場合には(ステップS440:No)、調色白画像用インク色分版処理モジュール350は、ステップS420で決定されたインク色別階調値を保存する(ステップS450)。一方、画素の値が0(ゼロ)であると判定された場合には(ステップS440:Yes)、ステップS450の処理はスキップされる。
図13のステップS430からS450までの処理は、調色白画像データのすべての画素についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS460参照)。全画素についての処理が終了した場合には(ステップS460:Yes)、調色白画像用ハーフトーン処理モジュール360(図4)が、1画素のインク色別階調値を取り出し(ステップS470)、インク色毎にディザパターンを参照して2値化処理(ハーフトーン処理)を行う(ステップS480)。2値化処理は、予め設定された調色白画像用ハーフトーンリソースHTw(図4)を参照して実行される。なお、調色白画像用ハーフトーンリソースHTwは、調色白画像におけるドットの埋まりを重視して設定されているとしてもよい。2値化処理は、全インク色についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS490参照)。また、ステップS470からS490までの処理は、すべての画素についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS492参照)。
図13に示した調色白画像用の色変換処理、インク色分版処理、ハーフトーン処理により、調色白画像を形成する際の各画素の各インク色のドットのON/OFFを規定する調色白画像用ドットデータが生成される。
プリンタードライバー300による処理(図9)におけるステップS240では、プリンタードライバー300が、カラー画像用の色変換処理と、インク色分版処理と、ハーフトーン処理と、を実行する。図15は、カラー画像用の色変換処理、インク色分版処理、ハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。ステップS510では、カラー画像用インク色分版処理モジュール310(図4)が、カラー画像データにおける1画素のデータを取り出す。ステップS520では、カラー画像用インク色分版処理モジュール310が、取り出した1画素のデータ(CMYK値)をインク色別階調値に変換するインク色分版処理を行う。上述したように、本実施例のプリンター100は、シアン(C)と、マゼンタ(M)と、イエロー(Y)と、ブラック(K)と、ライトシアン(Lc)と、ライトマゼンタ(Lm)と、ホワイト(W)と、の合計7色のインクを用いて印刷を行う。従って、インク色分版処理では、CMYK値が7つのインク色のそれぞれの階調値に変換される。インク色分版処理は、カラー画像用ルックアップテーブルLUTc(図4)を参照して実行される。
図16は、カラー画像用ルックアップテーブルLUTcの一例を部分的に示す説明図である。図16に示すように、カラー画像用ルックアップテーブルLUTcには、予め設定されたCMYK値とインク色のそれぞれの階調値との対応関係が規定されている。なお、カラー画像用ルックアップテーブルLUTcにおいて、CMYKの各階調値は、0以上100以下の範囲の値として規定されており、インク色の階調値は、0以上255以下の範囲の値として規定されている。カラー画像用インク色分版処理モジュール310は、カラー画像用ルックアップテーブルLUTcを参照して、CMYK値をインク色別階調値に変換する。なお、図16に示すように、本実施例では、カラー画像の形成に、白色を除く6色のインクが用いられ、白色インクは使用されない。
図15のステップS510およびS520の処理は、カラー画像データのすべての画素についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS530参照)。全画素についての処理が終了した場合には(ステップS530:Yes)、カラー画像用ハーフトーン処理モジュール320(図4)が、1画素のインク色別階調値を取り出し(ステップS540)、インク色毎にディザパターンを参照して2値化処理(ハーフトーン処理)を行う(ステップS550)。2値化処理は、予め設定されたカラー画像用ハーフトーンリソースHTc(図4)を参照して実行される。なお、カラー画像用ハーフトーンリソースHTcは、粒状感の抑制を重視して設定されているものとしてもよい。2値化処理は、全インク色についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS560参照)。また、ステップS540からS560までの処理は、すべての画素についての処理が終了するまで繰り返し実行される(ステップS570参照)。
図15に示したカラー画像用の色変換処理、インク色分版処理、ハーフトーン処理により、カラー画像を形成する際の各画素の各インク色のドットのON/OFFを規定するカラー画像用ドットデータが生成される。
プリンタードライバー300による処理(図9)におけるステップS250では、プリンタードライバー300のコマンド作成モジュール370(図4)が、コマンド作成処理を行う。図17は、コマンド作成処理の流れを示すフローチャートである。
コマンド作成処理(図17)のステップS610では、コマンド作成モジュール370(図4)が、アプリケーションプログラムAPから出力された印刷順指定情報SSに基づき、印刷順指定コマンドを作成する。図18は、コマンド作成処理により作成されるコマンドの一例を示す説明図である。図18(a)には、印刷順指定コマンドの例を示している。図18(a)に示すように、印刷順指定コマンドは、コマンド先頭を表す識別子と、印刷順指定コマンドであることを示す識別子と、コマンド長(2バイト)と、印刷順指定と、を含んでいる。印刷順指定においては、例えば、値「0」がC−W印刷(先にカラー画像Icを形成し、カラー画像Icの上に調色白画像Iwを形成する印刷順)を表し、値「1」がW−C印刷(先に調色白画像Iwを形成し、調色白画像Iwの上にカラー画像Icを形成する印刷順)を表す。コマンド作成モジュール370は、印刷順指定情報SSを参照して印刷順を特定し、特定された印刷順を指定する印刷順指定コマンドを作成する。
ステップS620(図17)では、コマンド作成モジュール370(図4)が、カラー画像用ハーフトーン処理モジュール320から受領したカラー画像用ドットデータと調色白画像用ハーフトーン処理モジュール360から受領した調色白画像用ドットデータとに基づき、垂直位置指定コマンドを作成する。垂直位置指定コマンドは、垂直方向(Y方向)に沿った画像の開始位置を指定するコマンドである。垂直位置指定コマンドは、全インクに共通のコマンドとして作成される。
次に、コマンド作成モジュール370(図4)は、ステップS630(図17)からS670までの処理を通じて、カラー画像に対応するラスターコマンドを作成する。ステップS630では、コマンド作成モジュール370が、カラー画像用ドットデータに基づき、選択された1つのインク色についての水平位置指定コマンドを作成する。水平位置指定コマンドは、カラー画像形成の際の1つのインク色についての水平方向(X方向)に沿った画像の開始位置を指定するコマンドである。コマンド作成モジュール370は、1つのインク色についてのカラー画像用ドットデータを参照し、適当な画像開始位置を設定し、水平位置指定コマンドを作成する。
ステップS640(図17)では、コマンド作成モジュール370(図4)が、カラー画像用ドットデータから、選択された1つのインク色について1ラスター分のドットデータを取り出す。ステップS650では、コマンド作成モジュール370が、インクコード表ICTを参照して、インクコードを検索する。図19は、インクコード表ICTの内容の一例を示す説明図である。図19に示すように、本実施例では、インク色のそれぞれに、固有のインク略称およびインクコードが割り当てられている。さらに、本実施例では、1つのインク色に対して、カラー画像用と調色白画像用との2種類の互いに異なるインク略称およびインクコードが割り当てられている。すなわち、インク略称およびインクコードは、複数のインク色のそれぞれと、カラー画像および調色白画像のそれぞれと、の組み合わせに対して一意に対応している。例えば、シアンについては、カラー画像用としてインク略称「C」とインクコード「01H」とが割り当てられ、調色白画像用としてインク略称「WC」とインクコード「81H」とが割り当てられている。同様に、白については、カラー画像用としてインク略称「IW」とインクコード「40H」とが割り当てられ、調色白画像用としてインク略称「W」とインクコード「C0H」とが割り当てられている。本ステップ(S650)では、コマンド作成モジュール370は、インクコード表ICTのカラー画像用のインクコードを検索する。
ステップS660(図17)では、コマンド作成モジュール370(図4)が、取り出された1ラスター分のドットデータと検索されたインクコードとに基づき、ラスターコマンドを作成する。図18(b)には、ラスターコマンドの例を示している。図18(b)に示すように、ラスターコマンドは、コマンド先頭を表す識別子と、ラスターコマンドであることを示す識別子と、インクコードと、データ圧縮の有無を示す識別子と、1画素あたりのビット数と、X方向長さ(2バイト)と、Y方向長さ(2バイト)と、ラスターデータ(ドットデータ)と、を含んでいる。なお、ラスターコマンドは、印刷用コマンドに相当し、ラスターコマンドに含まれるラスターデータ(ドットデータ)は、印刷用データに相当する。
コマンド作成処理(図17)のステップS630からS660までの処理は、カラー画像の形成に用いられるインク色すべてについて終了するまで、繰り返し実行される。すなわち、まだ処理の対象となっていないインク色がある場合には(ステップS670:No)、処理対象となっていない1つのインク色が選択され、選択されたインク色についてステップS630からS660までの処理が実行される。全インクについての処理が終了すると(ステップS670:Yes)、1ラスターについて、カラー画像の形成に用いられるインク色のそれぞれに対応するラスターコマンドの作成が完了する。
次に、コマンド作成モジュール370(図4)は、ステップS680(図17)からS720までの処理を通じて、調色白画像に対応するラスターコマンドを作成する。ステップS680では、コマンド作成モジュール370が、調色白画像用ドットデータに基づき、選択された1つのインク色についての水平位置指定コマンドを作成する。水平位置指定コマンドは、調色白画像形成の際の1つのインク色についての水平方向(X方向)に沿った画像の開始位置を指定するコマンドである。コマンド作成モジュール370は、1つのインク色についての調色白画像用ドットデータを参照し、適当な画像開始位置を設定し、水平位置指定コマンドを作成する。
ステップS690(図17)では、コマンド作成モジュール370(図4)が、調色白画像用ドットデータから、選択された1つのインク色について1ラスター分のドットデータを取り出す。ステップS700では、コマンド作成モジュール370が、インクコード表ICTを参照して、インクコードを検索する。コマンド作成モジュール370は、インクコード表ICT(図19)の調色白画像用のインクコードを検索する。
ステップS710(図17)では、コマンド作成モジュール370(図4)が、取り出された1ラスター分のドットデータと検索されたインクコードとに基づき、ラスターコマンド(図18(b)参照)を作成する。コマンド作成処理のステップS680からS710までの処理は、調色白画像の形成に用いられるインク色すべてについて終了するまで、繰り返し実行される。すなわち、まだ処理の対象となっていないインク色がある場合には(ステップS720:No)、処理対象となっていない1つのインク色が選択され、選択されたインク色についてステップS680からS710までの処理が実行される。全インクについての処理が終了すると(ステップS720:Yes)、1ラスターについて、調色白画像の形成に用いられるインク色のそれぞれに対応するラスターコマンドの作成が完了する。
コマンド作成処理(図17)のステップS620からS720までの処理は、印刷画像PIの全ラスターについて完了するまで、繰り返し実行される。すなわち、まだ処理の対象となっていないラスターがある場合には(ステップS730:No)、処理対象となっていないラスター(前回の処理対象ラスターの1つ下のラスター)が選択され、選択されたラスターについてステップS620からS720までの処理が実行される。全ラスターについての処理が終了すると(ステップS730:Yes)、全ラスターについて、カラー画像および調色白画像の形成に用いられるインク色のそれぞれに対応するコマンドの作成が完了する。
プリンタードライバー300による処理(図9)におけるステップS260では、プリンタードライバー300が、ステップS250で作成された印刷順指定コマンドと垂直位置指定コマンドと水平位置指定コマンドとラスターコマンドとを、プリンター100へ送信する。以上で、プリンタードライバー300による処理が完了する。
印刷処理(図6)のステップS130では、プリンター100による処理が実行される。図20は、プリンター100による処理の流れを示すフローチャートである。ステップS810では、プリンター100のコマンド処理モジュール112(図5)を実行するCPU110(図3)が、PC200のプリンタードライバー300から送信されたコマンドを受信する。CPU110は、受信したコマンドの種類を判別し(ステップS820)、コマンドの種類に応じた処理を実行する。CPU110は、受信したコマンドが印刷順指定コマンドである場合には、印刷順指定コマンドにより指定された印刷順を示す情報をRAM130に保存し(ステップS830)、受信したコマンドが水平位置指定コマンドである場合には、水平方向の印刷開始位置Xを更新する(ステップS840)。
また、コマンド処理モジュール112(図5)を実行するCPU110(図3)は、受信したコマンドがラスターコマンドである場合には、ラスターコマンドに含まれるラスターデータ(ドットデータ)をインクコード別のラスターバッファー132(図5)へ格納する(ステップS850)。図21は、ラスターバッファーおよびヘッドバッファーの詳細構成を示す説明図である。図21の上段にはカラー画像用のラスターバッファー132cを示しており、中段には調色白画像用のラスターバッファー132wを示している。図21に示すように、ラスターバッファー132は、インクコード(図19参照)別に領域が割り当てられている。すなわち、カラー画像用のラスターバッファー132cは、カラー画像用のインクコードのそれぞれに対応する領域の集合として構成されており、調色白画像用のラスターバッファー132wも、調色白画像用のインクコードのそれぞれに対応する領域の集合として構成されている。ラスターバッファー132の各領域のX方向のサイズは画像サイズに対応しており、Y方向のサイズはプリントヘッド144の高さの2分の1以上のサイズとなっている。ラスターバッファー132には、どこまでラスターデータを受信したかを示すY方向のラスターバッファーポインターを有している。
図21の下段にはヘッドバッファー142(図5)を示している。図21に示すように、ヘッドバッファー142は、7つのインク色別に領域が割り当てられている。すなわち、ヘッドバッファー142は、シアン用(C,WC用)の領域と、マゼンタ用(M,WM用)の領域と、イエロー用(Y,WY用)の領域と、ブラック用(K,WK用)の領域と、ライトシアン用(Lc,WLc用)の領域と、ライトマゼンタ用(Lm,WLm用)の領域と、ホワイト用(IW,W用)の領域と、の集合として構成されている。ヘッドバッファー142の各領域のX方向のサイズは、キャリッジの走査距離に対応しており、Y方向のサイズはプリントヘッド144のノズル列146を構成するノズル数に対応している。また、ヘッドバッファー142のインク色別の領域のそれぞれは、上流用142uと下流用142lとに2分されている。
図22は、プリンター100のプリントヘッド144の構成を示す説明図である。図22(a)および(b)に示すように、プリントヘッド144は、7つのインク色のそれぞれに対応するノズル列146が設けられている。ノズル列146は、Y方向(印刷媒体送り方向)に沿って伸びるように形成されている。また、図22(c)に示すように、各ノズル列146は、印刷媒体送り方向に沿って並ぶ32個のノズル群により構成されている。ノズル列146を構成するノズル群の内、印刷媒体送り方向に沿って上流側半分に位置するノズル群(1番目のノズル(ノズル1)から16番目のノズル(ノズル16)まで)を上流ノズル群と呼び、印刷媒体送り方向に沿って下流側半分に位置するノズル群(17番目のノズル(ノズル17)から32番目のノズル(ノズル32)まで)を下流ノズル群と呼ぶ。
図22(a)に示すように、W−C印刷の際には、プリントヘッド144の各ノズル列146の上流ノズル群を用いて調色白画像の形成が行われ、下流ノズル群を用いてカラー画像の形成が行われる。また、図22(b)に示すように、C−W印刷の際には、プリントヘッド144の各ノズル列146の上流ノズル群を用いてカラー画像の形成が行われ、下流ノズル群を用いて調色白画像の形成が行われる。
図21に示すように、上流用ヘッドバッファー142uは、プリントヘッド144の印刷媒体送り方向に沿って上流側の部分(上流ノズル群)に対応するヘッドバッファー142であり、下流用ヘッドバッファー142lは、プリントヘッド144の印刷媒体送り方向に沿って下流側の部分(下流ノズル群)に対応するヘッドバッファー142である。
図20のステップS850において、CPU110(図3)は、受信したラスターコマンドに含まれるインクコードを参照し、当該インクコードに対応するラスターバッファー132のラスターバッファーポインターにより指定される位置にラスターデータを格納する。そのため、CPU110は、ラスターコマンドがカラー画像用と調色白画像用とのいずれであるかを意識することなく、ラスターデータを適切なラスターバッファー132に振り分けることができる。
コマンド処理モジュール112(図5)を実行するCPU110(図3)は、受信したコマンドが垂直位置指定コマンドである場合には、垂直方向の印刷開始位置Yを更新する(ステップS860)。次に、CPU110は、プリントヘッド144(図5)の高さの2分の1に対応するラスターバッファー132がフルであるか(すなわちラスターデータが格納されているか)否かを判定する(ステップS870)。未だフルではないと判定された場合には(ステップS870:No)、CPU110は、ラスターバッファー132のラスターバッファーポインターを更新する(ステップS880)。
以上説明した処理が繰り返され、プリントヘッド144の高さの2分の1に対応するラスターバッファー132にラスターデータが格納されると、プリントヘッド144の高さの2分の1に対応するラスターバッファー132がフルであると判定される(ステップS870:Yes)。このとき、CPU110(図3)は、RAM130に保存された印刷順を示す情報に基づき、印刷順がC−W印刷とW−C印刷とのいずれであるかを判定する(ステップS880)。印刷順がC−W印刷であると判定された場合には(ステップS880:Yes)、CPU110は、カラー画像用ラスターバッファー132cから上流用ヘッドバッファー142u(図5)へラスターデータを転送すると共に、調色白画像用ラスターバッファー132wから下流用ヘッドバッファー142l(図5)へラスターデータを転送する(ステップS890)。図21には、印刷順がC−W印刷である場合に、カラー画像用ラスターバッファー132cから上流用ヘッドバッファー142uへとラスターデータが転送され、調色白画像用ラスターバッファー132wから下流用ヘッドバッファー142lへとラスターデータが転送される様子を示している。これにより、プリントヘッド144の各ノズル列146の上流ノズル群を用いてカラー画像の形成が行われ、下流ノズル群を用いて調色白画像の形成が行われるC−W印刷(図22(b))の準備が整うこととなる。
一方、印刷順がW−C印刷であると判定された場合には(ステップS880:No)、CPU110は、カラー画像用ラスターバッファー132cから下流用ヘッドバッファー142l(図5)へラスターデータを転送すると共に、調色白画像用ラスターバッファー132wから上流用ヘッドバッファー142uへラスターデータを転送する(ステップS900)。これにより、プリントヘッド144の各ノズル列146の上流ノズル群を用いて調色白画像の形成が行われ、下流ノズル群を用いてカラー画像の形成が行われるW−C印刷(図22(a))の準備が整うこととなる。
次に、CPU110(図3)は、印刷媒体送りコントローラー160および印刷媒体送りモーター162を制御して、印刷媒体PMをヘッド位置Yまで搬送する(副走査する)(ステップS910)と共に、CRコントローラー150およびCRモーター152を制御してプリントヘッド144を印刷開始位置Xまで移動し(ステップS920)、さらに、主走査を行ってプリントヘッド144の高さ分の印刷を実行する(ステップS930)。このとき、W−C印刷(図22(a)参照)では、プリントヘッド144のノズル列146の上流ノズル群(図22(c)参照)による調色白画像の形成と下流ノズル群によるカラー画像の形成とが並行して実行される。また、C−W印刷(図22(b)参照)では、プリントヘッド144のノズル列146の上流ノズル群によるカラー画像の形成と下流ノズル群による調色白画像の形成とが並行して実行される。
次に、CPU110(図3)は、ラスターバッファー132のラスターバッファーポインターをクリアすると共に(ステップS940)、印刷画像PI全体の印刷処理が完了したか否かを判定し(ステップS950)、印刷処理が完了したと判定されるまでステップS810からS940までの処理を繰り返し実行する。印刷処理が完了したと判定されると、印刷処理(図6)は終了する。
以上説明したように、本実施例の印刷システム10では、白色を含む複数色のインクを用いて印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理を実行することができる。印刷システム10による印刷処理の際には、プリンター100のプリントヘッド144に設けられた7つのインク色に対応する7つのノズル列146のそれぞれが、上流ノズル群と下流ノズル群とに分けられる(図22(c)参照)。そして、W−C印刷(図22(a)参照)の際には、上流ノズル群からインクを噴射することにより調色白画像が形成され、C−W印刷(図22(b)参照)の際には、下流ノズル群からインクを噴射することにより調色白画像が形成される。そのため、W−C印刷およびC−W印刷のいずれの場合にも、白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを用いて調色白画像を形成することができる。従って、本実施例の印刷システム10では、白色を含む複数色のインクを用いて印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理を実行する際に、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
図23は、白色を調整する白調色の概念を示す説明図である。図23(a)には、a*−b*平面におけるプリンター100の白インクの色の位置P1の一例を示しており、図23(b)には、さらに、ターゲットの白色の位置P2およびプリンター100の白インクにイエローインクを所定量混ぜた色の位置P3の一例を示している。図23(b)に示すように、例えば、プリンター100の白インクにイエローインクを混ぜることにより、調色白画像の色をターゲットの白色に近づけることができる。また、例えばさらにライトマゼンタのインクを所定量混ぜることにより、調色白画像の色をさらにターゲットの白色に近づけることができる。このように、調色白画像の形成の際に、白色インクと白色以外の少なくとも1色のインクとを用いることにより、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
図24は、カラー画像および調色白画像の色再現域(ガマット)の一例を示す説明図である。図24(a)には、−b*方向から見たカラー画像のガマットGcと調色白画像のガマットGwとを示しており、図24(b)には、+a*方向から見たカラー画像のガマットGcと調色白画像のガマットGwとを示している。上述したように、本実施例では、カラー画像(第1の画像)の形成には、プリントヘッド144のノズル列146の上流ノズル群と下流ノズル群との一方(第1の画像形成部)が用いられる。また、カラー画像の形成には、7色のインクの内、白色を除く6色のインク(第1のインクグループ)が用いられ、白色インクは使用されない。一方、調色白画像(第2の画像)の形成には、プリントヘッド144のノズル列146の上流ノズル群と下流ノズル群との他方(第2の画像形成部)が用いられる。また、調色白画像の形成には、7色のインクの内、白色とイエローとブラックとライトシアンとライトマゼンタとの5色のインク(第2のインクグループ)が用いられ、シアンとマゼンタの2色のインクは使用されない。第1のインクグループの色再現域と第2のインクグループの色再現域とは互いに異なっているため、カラー画像のガマットGc(第1の色再現域)と調色白画像のガマットGw(第2の色再現域)とは互いに異なっている。本実施例の印刷システム10による印刷処理では、互いに色再現域の異なる2つの画像(カラー画像および調色白画像)を印刷媒体PM上に重ねて形成することができ、色再現域の異なる複数の画像を含む多様な印刷物を容易に作成することができる。また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、印刷中の少なくとも一部の期間において、カラー画像の形成と調色白画像の形成とが並行して行われるため、色再現域の異なる複数の画像を含む多様な印刷物を効率的にかつ容易に作成することができる。
また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、W−C印刷およびC−W印刷のいずれの場合にも、上流ノズル群と下流ノズル群との一方を用いた調色白画像の形成が行われると共に、他方を用いたカラー画像の形成が行われるため、調色白画像の少なくとも一部が印刷媒体上においてカラー画像と重なる場合であっても、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、W−C印刷およびC−W印刷のいずれの場合にも、同一主走査(同一パス)において、上流ノズル群と下流ノズル群との一方を用いた調色白画像の形成と、他方を用いたカラー画像の形成と、を並行して実行可能である。そのため、まず調色白画像とカラー画像との一方の全体を印刷媒体上に形成した後に他方の全体を印刷媒体上に形成するのではなく、1回の印刷処理で印刷媒体上にカラー画像と調色白画像とを形成することができると共に、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、プリンター100がPC200から印刷順を指定する印刷順指定コマンド(図18(a))を受領し、カラー画像を先に形成する印刷順が指定された場合には、上流ノズル群をカラー画像の形成に用いるノズル群として設定すると共に下流ノズル群を調色白画像の形成に用いるノズル群として設定し、調色白画像を先に形成する印刷順が指定された場合には、上流ノズル群を調色白画像の形成に用いるノズル群として設定すると共に下流ノズル群をカラー画像の形成に用いるノズル群として設定する。そのため、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、C−W印刷およびW−C印刷のいずれであっても調色白画像の色を所望の色とすることができ、印刷物の広い使用態様に対応することができる(図8参照)。
また、本実施例の印刷システム10では、印刷用コマンドとしてのラスターコマンド(図18(b))に含まれるインクコードが、7色のインクのそれぞれと、カラー画像と調色白画像とのそれぞれと、の組み合わせに対して一意に対応するように設定されている。そのため、プリンター100のCPU110は、ラスターコマンドがカラー画像用か調色白画像用かを意識することなく、カラー画像に対応するインクコードを含むラスターコマンドに基づきカラー画像の形成に用いるノズル群(上流ノズル群もしくは下流ノズル群)を制御すると共に、調色白画像に対応するインクコードを含むラスターコマンドに基づき調色白画像の形成に用いるノズル群(下流ノズル群もしくは上流ノズル群)を制御することができる。
また、本実施例の印刷システム10では、プリンター100のラスターバッファー132がカラー画像用の領域132cと調色白画像用の領域132wとを含む(図5参照)。そのため、プリンター100のCPU110は、カラー画像に対応するインクコードを含むラスターコマンドに含まれるラスターデータをラスターバッファー132がカラー画像用の領域132cに格納し、調色白画像に対応するインクコードを含むラスターコマンドに含まれるラスターデータを調色白画像用の領域132wに格納することにより、カラー画像の形成に用いるノズル群と調色白画像の形成に用いるノズル群とを制御することができる。
また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、調色白画像の形成に、白色を除く6色のインクの内、イエロー(Y)と、ブラック(K)と、ライトシアン(Lc)と、ライトマゼンタ(Lm)と、の4色のインクが用いられ、シアン(C)とマゼンタ(M)との2色のインクは使用されない。すなわち、調色白画像の形成には、同一の色相についての淡色インクと濃色インクとの2種類のインクの内、濃色インクは使用されない。そのため、本実施例の印刷処理では、調色白画像の色を所望の色としつつ、調色白画像における画質の低下(粒状感の増加)を抑制することができる。また、本実施例の印刷処理では、調色白画像の形成にブラック(K)インクが用いられるため、調色白画像の明度の調整が可能となり、調色白画像の色の選択可能な範囲を拡張することができる。
また、本実施例の印刷システム10による印刷処理では、調色白指定用UIウィンドウW1(図11)において調色白(調色白画像の色)を指定することができるため、白色を含む複数色のインクを用いてカラー画像および調色白画像の印刷を行う際の調色白画像の色を正確にかつ容易に指定することができる。特に、本実施例の印刷システム10では、測色器CMによる測色結果に基づき色(Lab値およびT値)を指定することができるため、調色白画像の色をより正確にかつ容易に指定することができる。また、本実施例の印刷システム10では、調色白をLab値とT値とにより指定できるため、調色白画像の濃度を含む色の値を正確に指定することができる。また、本実施例の印刷システム10では、調色白指定用UIウィンドウW1のサンプル画像表示エリアSaに指定された色が表示されるため、ユーザーは表示された色を確認しながら容易に色を指定することができる。
B.第2実施例:
第1実施例では、印刷画像PIの白領域Aw(図7(a)参照)の色は、調色白指定処理(図9のステップS220)により指定された1色とされ、調色白画像は指定された1色の画像として形成される。これに対し、第2実施例では、白領域Awの色が部分毎に異なることを許容する。すなわち、第2実施例では、調色白指定処理において、印刷画像PIの白領域Awを複数の部分領域に分けた部分領域毎に色(Lab値およびT値)の指定が可能となっている。
第1実施例では、印刷画像PIの白領域Aw(図7(a)参照)の色は、調色白指定処理(図9のステップS220)により指定された1色とされ、調色白画像は指定された1色の画像として形成される。これに対し、第2実施例では、白領域Awの色が部分毎に異なることを許容する。すなわち、第2実施例では、調色白指定処理において、印刷画像PIの白領域Awを複数の部分領域に分けた部分領域毎に色(Lab値およびT値)の指定が可能となっている。
図25は、第2実施例における調色白画像用の色変換処理、インク色分版処理およびハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。図25では、図13に示した第1実施例のステップと同じ内容のステップには、共通のステップ番号を付している。第1実施例では、調色白画像データの白領域Awに対応する各画素の色(Lab値およびT値)はすべて同一であるため、Lab値からCMYK値への色変換(図13のステップS410)や、CMYK,T値からインク色別階調値への変換(図13のステップS420)は、全画素共通として実行されている。これに対して、第2実施例では、調色白画像データの領域Awに対応する画素の色は画素毎に異なる場合があるため、調色白画像データの1画素が取り出され(図25のステップS402)、取り出された画素毎にLab値からCMYK値への色変換(図25のステップS410)や、CMYK,T値からインク色別階調値への変換(図25のステップS420)が行われる。これらの処理が全画素について終了されるまで繰り返し実行される(図25のステップS422参照)。図25のステップS470以降の処理(ハーフトーン処理)は、図13に示した第1実施例と同様である。
以上説明したように、第2実施例においても、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成することができ、調色白画像の色を所望の色とすることができる。さらに、第2実施例では、印刷媒体PM上に互いに色の異なる複数種類の調色白画像を形成することができるため、より多様な印刷物を作成することができる。
C.第3実施例:
図26は、第3実施例のPC200bの構成を機能的に示すブロック図である。第3実施例のPC200bは、アプリケーションプログラムAPbがUI制御モジュールUMを含む点と、プリンタードライバー300bが調色白指定モジュール330を含まない点とが、図4に示した第1実施例のPC200と異なっている。すなわち、第3実施例では、調色白指定処理(図9のステップS220)が、プリンタードライバー300bではなく、アプリケーションプログラムAPbによって実行される。第3実施例における調色白指定処理の内容は、第1実施例に示した調色白指定処理の内容と同じである。
図26は、第3実施例のPC200bの構成を機能的に示すブロック図である。第3実施例のPC200bは、アプリケーションプログラムAPbがUI制御モジュールUMを含む点と、プリンタードライバー300bが調色白指定モジュール330を含まない点とが、図4に示した第1実施例のPC200と異なっている。すなわち、第3実施例では、調色白指定処理(図9のステップS220)が、プリンタードライバー300bではなく、アプリケーションプログラムAPbによって実行される。第3実施例における調色白指定処理の内容は、第1実施例に示した調色白指定処理の内容と同じである。
第3実施例の印刷処理では、アプリケーションプログラムAPbによる調色白指定処理が実行された後、ユーザーによる印刷実行指示が行われると、カラー画像データCdataと調色白画像データWITdataと印刷順指定情報SSとがプリンタードライバー300bに対して出力され、プリンタードライバー300bによる処理が開始される。カラー画像データCdataおよび印刷順指定情報SSの内容は、第1実施例と同様である。調色白画像データWITdataは、第1実施例の白画像データWIdata(印刷画像PIにおける白領域Aw(図7参照)を特定するデータ)に、調色白指定処理により指定されたLab値およびT値が対応付けられたデータである。
プリンタードライバー300bによる処理では、調色白画像データWITdataを受信したプリンタードライバー300bの調色白画像用色変換モジュール340bが、調色白画像データWITdataにより規定されるLab値をCMYK値に色変換する。この色変換は、第1実施例と同様に実行される(図9のステップS230)。その後の処理内容は、第1実施例と同様である(図9のステップS240〜)。
以上説明したように、第3実施例においても、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成することができ、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
D.第4実施例:
図27は、第4実施例のPC200cの構成を機能的に示すブロック図である。第4実施例のPC200cは、アプリケーションプログラムAPcからプリンタードライバー300cに出力されるデータが図26に示した第3実施例とは異なっている。すなわち、第4実施例では、第3実施例における調色白画像データWITdataの代わりに、白画像データWIdataと調色白データWTdataとが出力される。白画像データWIdataの内容は、第1実施例と同様である。また、調色白データWTdataは、アプリケーションプログラムAPcのUI制御モジュールUMにより実行された調色白指定処理により指定されたLab値およびT値を示すデータである。
図27は、第4実施例のPC200cの構成を機能的に示すブロック図である。第4実施例のPC200cは、アプリケーションプログラムAPcからプリンタードライバー300cに出力されるデータが図26に示した第3実施例とは異なっている。すなわち、第4実施例では、第3実施例における調色白画像データWITdataの代わりに、白画像データWIdataと調色白データWTdataとが出力される。白画像データWIdataの内容は、第1実施例と同様である。また、調色白データWTdataは、アプリケーションプログラムAPcのUI制御モジュールUMにより実行された調色白指定処理により指定されたLab値およびT値を示すデータである。
第4実施例の印刷処理では、アプリケーションプログラムAPcによる調色白指定処理が実行された後、ユーザーによる印刷実行指示が行われると、カラー画像データCdataと白画像データWIdataと調色白データWTdataと印刷順指定情報SSとがプリンタードライバー300cに対して出力され、プリンタードライバー300cによる処理が開始される。
プリンタードライバー300cによる処理では、調色白データWTdataを受信したプリンタードライバー300cの調色白画像用色変換モジュール340cが、調色白データWTdataにより規定されるLab値をCMYK値に色変換し、色変換後のデータを調色白画像用インク色分版処理モジュール350cに出力する。この色変換は、第1実施例と同様に実行される(図9のステップS230)。また、調色白画像用インク色分版処理モジュール350cは、白画像データWIdataも受信し、色変換後のデータと白画像データWIdataとを用いてインク色分版処理を行う(図9のステップS230)。その後の処理内容は、第1実施例と同様である(図9のステップS240〜)。
以上説明したように、第4実施例においても、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成することができ、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
E.第5実施例:
第5実施例は、ラスターデータ(ドットデータ)をプリントヘッド144へのデータ転送方式に変換する処理がプリンタードライバー300によって実行される点が、同処理がプリンター100において実行される第1実施例とは異なっている。図28は、第5実施例のプリンター100dの構成を機能的に示すブロック図である。第5実施例のプリンター100dは、ラスターバッファー132を有していない点が図5に示した第1実施例のプリンター100とは異なっている。プリンター100dのその他の構成は、第1実施例のプリンター100と同様である。また、第5実施例における印刷システム10(図1)のその他の構成、すなわちPC200の構成も第1実施例と同様である。
第5実施例は、ラスターデータ(ドットデータ)をプリントヘッド144へのデータ転送方式に変換する処理がプリンタードライバー300によって実行される点が、同処理がプリンター100において実行される第1実施例とは異なっている。図28は、第5実施例のプリンター100dの構成を機能的に示すブロック図である。第5実施例のプリンター100dは、ラスターバッファー132を有していない点が図5に示した第1実施例のプリンター100とは異なっている。プリンター100dのその他の構成は、第1実施例のプリンター100と同様である。また、第5実施例における印刷システム10(図1)のその他の構成、すなわちPC200の構成も第1実施例と同様である。
図29は、第5実施例におけるコマンド作成処理の流れを示すフローチャートである。図29では、図17に示した第1実施例のコマンド作成処理のステップと同じ内容のステップには、共通のステップ番号を付している。第5実施例のコマンド作成処理では、コマンド作成モジュール370(図4)が、カラー画像用ドットデータから選択された1つのインク色について1ラスター分のドットデータを取り出す処理(ステップS640)を、プリントヘッド144の高さの2分の1分のデータの取り出しが終了するまで繰り返し実行する(ステップS642参照)。なお、ステップS640では、プリントヘッド144のノズル列146のノズルピッチに対応するラスターのドットデータが取り出される。すなわち、ノズルピッチとY方向の印刷解像度が同じである場合には、連続するラスターのドットデータが順次取り出されるが、仮にノズルピッチがY方向の印刷解像度の2倍である場合には、1ラスター飛びのドットデータが順次取り出されることとなる。
プリントヘッド144の高さの2分の1分のデータの取り出しが終了すると(ステップS642:Yes)、インクコードが検索され(ステップS650)、カラー画像用のラスターコマンドが作成される(ステップS660)。すなわち、第5実施例では、プリントヘッド144の高さの2分の1分のラスターデータを含むラスターコマンドが作成される。
調色白画像用のラスターコマンドについても同様に、プリントヘッド144の高さの2分の1分のラスターデータを含むラスターコマンドが作成される(図29のステップS690およびS692)。コマンド作成処理が終了すると、第1実施例と同様に、作成されたコマンドがプリンター100dに送信される(図9のステップS260)。
図30は、第5実施例におけるプリンター100dによる処理の流れを示すフローチャートである。図30では、図20に示した第1実施例のプリンターによる処理のステップと同じ内容のステップには、共通のステップ番号を付している。第5実施例のプリンター100dにおけるコマンドの受信処理(図30のステップS810)、コマンド種類の判別処理(ステップS820)、コマンドが印刷順指定コマンドであると判定された場合の処理(ステップS830)、コマンドが水平位置指定コマンドであると判定された場合の処理(ステップS840)の内容は、第1実施例と同様である。
コマンドがラスターコマンドであると判定された場合には、ラスターコマンドに含まれるインクコードがカラー画像用であり(ステップS851:Yes)、かつ印刷順指定コマンドに指定された印刷順がC−W印刷である場合には(ステップS852:No)、ラスターコマンドに含まれるカラー画像用のラスターデータが上流用ヘッドバッファー142uに格納される(ステップS855)。一方、インクコードがカラー画像用であり(ステップS851:Yes)、かつ印刷順指定コマンドに指定された印刷順がW−C印刷である場合には(ステップS852:Yes)、ラスターコマンドに含まれるカラー画像用のラスターデータが下流用ヘッドバッファー142lに格納される(ステップS856)。
図31は、ラスターデータのヘッドバッファー142への格納方法を示す説明図である。図31(a)には、C−W印刷時におけるラスターデータの格納方法を示している。図31(a)に示すように、C−W印刷時には、カラー画像用のラスターデータは上流用ヘッドバッファー142uに格納され、W−C印刷時には、カラー画像用のラスターデータは下流用ヘッドバッファー142lに格納される。
また、インクコードが調色白画像用であり(ステップS851:No)、かつ印刷順指定コマンドに指定された印刷順がC−W印刷である場合には(ステップS853:No)、ラスターコマンドに含まれる調色白画像用のラスターデータが下流用ヘッドバッファー142lに格納される(ステップS857)(図31(a)参照)。一方、インクコードが調色白画像用であり(ステップS851:No)、かつ印刷順指定コマンドに指定された印刷順がW−C印刷である場合には(ステップS853:Yes)、ラスターコマンドに含まれる調色白画像用のラスターデータが上流用ヘッドバッファー142uに格納される(ステップS858)(図31(b)参照)。
コマンドが垂直位置指定コマンドであると判定された場合には、垂直方向の印刷開始位置Yが更新され(ステップS860)、ヘッドバッファー142がフルであるか(すなわちラスターデータが格納されているか)否かを判定する(ステップS872)。未だフルではないと判定された場合には(ステップS872:No)、処理は再度コマンド受信処理に戻る(ステップS810)。
ヘッドバッファー142がフルであると判定されると(ステップS872:Yes)、印刷媒体PMがヘッド位置Yまで搬送され(副走査が行われ)(ステップS910)、プリントヘッド144が印刷開始位置Xまで移動され(ステップS920)、主走査が行われてプリントヘッド144の高さ分の印刷が実行される(ステップS930)。
以上説明したように、第5実施例では、プリンタードライバー300により出力されプリンター100dにより受信されたラスターコマンドに基づき、ラスターデータのヘッドバッファー142への格納が行われ、ヘッドバッファー142に格納されたラスターデータに基づき印刷が実行される。第5実施例においても、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成することができ、調色白画像の色を所望の色とすることができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上記各実施例における印刷システム10の構成はあくまで一例であり、印刷システム10の構成は種々に変形可能である。例えば、上記各実施例では、プリンター100は、シアンとマゼンタとイエローとブラックとライトシアンとライトマゼンタと白色との7色のインクを用いて印刷を行うプリンターであるとしているが、プリンター100は白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行うプリンターであればよい。例えば、プリンター100は、シアンとマゼンタとイエローとブラックと白色との5色のインクを用いて印刷を行うプリンターであってもよい。
上記各実施例における印刷システム10の構成はあくまで一例であり、印刷システム10の構成は種々に変形可能である。例えば、上記各実施例では、プリンター100は、シアンとマゼンタとイエローとブラックとライトシアンとライトマゼンタと白色との7色のインクを用いて印刷を行うプリンターであるとしているが、プリンター100は白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行うプリンターであればよい。例えば、プリンター100は、シアンとマゼンタとイエローとブラックと白色との5色のインクを用いて印刷を行うプリンターであってもよい。
また、上記各実施例では、カラー画像の形成には、白色を除く6色のインクが用いられ、白色インクは使用されないとしているが、カラー画像の形成に用いられるインク色は、プリンター100の使用可能なインク色に応じて任意に設定可能である。例えば、カラー画像の形成に、白色インクが用いられるものとしてもよい。
また、上記各実施例では、調色白画像の形成には、白色とイエローとブラックとライトシアンとライトマゼンタとの5色のインクが用いられ、シアンとマゼンタの2色のインクは使用されないとしているが、調色白画像の形成に用いられるインク色は、白色と白色以外の少なくとも1色が含まれればよく、プリンター100の使用可能なインク色に応じて任意に設定可能である。例えば、調色白画像の形成に、白色とイエローとライトシアンとライトマゼンタとの4色のインクのみが用いられるとしてもよいし、白色とイエローとブラックとライトシアンとライトマゼンタとシアンとマゼンタとの7色のインクが用いられるとしてもよい。
また、上記各実施例では、プリンター100は、プリントヘッド144を搭載するキャリッジを往復移動(主走査)させながら印刷を行うプリンターであるとしているが、本発明は、キャリッジの往復移動を伴わないラインプリンターによる印刷処理にも適用可能である。
また、上記各実施例では、プリンタードライバー300がPC200に含まれ、プリンター100は、PC200のプリンタードライバー300からコマンドを受信して印刷を実行するものとしているが(図4参照)、プリンター100が調色白指定モジュール330やUI制御モジュール332を含むプリンタードライバー300と同じ機能を有し、プリンター100がPC200のアプリケーションプログラムAPからカラー画像データCdata、白画像データWIdata、印刷順指定情報SSを受信して印刷を実行するものとしてもよい。あるいは、プリンター100がさらにアプリケーションプログラムAPと同じ機能も有し、プリンター100においてカラー画像データCdata、白画像データWIdata、印刷順指定情報SSの生成や、印刷処理が実行されるものとしてもよい。
また、上記各実施例における調色白画像用ルックアップテーブルLUTw(図14)やカラー画像用ルックアップテーブルLUTc(図16)の内容はあくまで一例であり、これらの内容は例えばプリンター100の使用インクの組成に応じて予め実験的に設定される。また、これらの内容は、アプリケーションプログラムAPから出力されるデータの内容(使用色空間)や、プリンター100の使用インク色に応じて種々に変形可能である。同様に、これらのテーブルを用いた色変換処理やインク色分版処理の内容も種々に変形可能である。
また、上記各実施例では、カラー画像用ハーフトーン処理モジュール320や調色白画像用ハーフトーン処理モジュール360(図4)により、ディザパターンを参照したハーフトーン処理が行われるとしているが、誤差拡散法といった他の方法によるハーフトーン処理が行われるとしてもよい。また、プリンター100が、各インク色について複数サイズのドットを形成可能である場合には、ハーフトーン処理によって、ドットのON/OFFを決定する2値化ではなく、ドットのON/OFFおよびドットサイズを決定する多値化が行われるとしてもよい。
また、上記各実施例における印刷順指定コマンドやラスターコマンドの構成(図18)、インクコード表ICTの内容(図19)は、あくまで一例であり、種々変形可能である。なお、上記各実施例では、インクコードが、複数のインク色のそれぞれと、カラー画像および調色白画像のそれぞれと、の組み合わせに対して一意に対応しているが、インクコードは必ずしもこのように設定される必要はない。ただし、インクコードがこのように設定されていれば、プリンター100のCPU110がラスターコマンドがカラー画像用か調色白画像用かを意識することなくラスターコマンドに含まれるインクコードに従ってコマンドの処理を行うことができる。
また、上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
F2.変形例2:
上記各実施例では、印刷媒体PMとしての透明フィルム上に、カラー画像と調色白画像とを並行して形成し、カラー画像と調色白画像とが形成された印刷物を作成する印刷処理について説明したが、印刷処理に用いられる印刷媒体PMは、透明フィルムに限られず、半透明フィルムや紙、布といった任意の媒体を選択可能である。なお、印刷媒体PMとして透明フィルムを用いると、C−W印刷(図8(b))においてもカラー画像Icをそのままの見えとなるように形成することができる。
上記各実施例では、印刷媒体PMとしての透明フィルム上に、カラー画像と調色白画像とを並行して形成し、カラー画像と調色白画像とが形成された印刷物を作成する印刷処理について説明したが、印刷処理に用いられる印刷媒体PMは、透明フィルムに限られず、半透明フィルムや紙、布といった任意の媒体を選択可能である。なお、印刷媒体PMとして透明フィルムを用いると、C−W印刷(図8(b))においてもカラー画像Icをそのままの見えとなるように形成することができる。
また、上記各実施例におけるプリンター100は、カラー画像(白色インクを使用して形成するカラー画像を含む)のみを形成する印刷処理を実行可能であり、この場合には、プリントヘッド144のノズル列146(図22参照)を上流と下流とに分けることなく、ノズル列146の全体を使用して印刷が行われる。すなわち、プリンター100は、カラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理を行う場合にのみ、ノズル列146をカラー画像を形成するためのノズル群と調色白画像を形成するためのノズル群とに区分して、印刷を行うものとすればよい。
また、上記各実施例における印刷処理では、調色白画像の少なくとも一部がカラー画像と重なるように形成されるとしているが、本発明は、調色白画像とカラー画像とが重ならないような印刷処理にも適用可能である。
F3.変形例3:
上記各実施例における調色白指定用UIウィンドウW1および測色用UIウィンドウW2(図11)の表示内容はあくまで一例であり、これらの表示内容は種々に変更可能である。例えば、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、L*a*b*表色系(色空間)における表色値により調色白を指定するものとしているが、他の表色系(例えばL*u*v*表色系)により調色白を指定するものとしてもよい。また、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、T値により調色白の濃度を指定するものとしているが、T値の指定は省略してもよい。また、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、測色による調色白の指定が可能となっているが(測色用UIウィンドウW2参照)、測色による調色白の指定は必ずしも可能である必要はない。
上記各実施例における調色白指定用UIウィンドウW1および測色用UIウィンドウW2(図11)の表示内容はあくまで一例であり、これらの表示内容は種々に変更可能である。例えば、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、L*a*b*表色系(色空間)における表色値により調色白を指定するものとしているが、他の表色系(例えばL*u*v*表色系)により調色白を指定するものとしてもよい。また、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、T値により調色白の濃度を指定するものとしているが、T値の指定は省略してもよい。また、上記各実施例の調色白指定用UIウィンドウW1では、測色による調色白の指定が可能となっているが(測色用UIウィンドウW2参照)、測色による調色白の指定は必ずしも可能である必要はない。
F4.変形例4:
上各記実施例では、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理について説明したが、本発明は、カラー画像と調色白画像との組み合わせに限らず、互いに色再現域の異なる複数のインクグループのそれぞれに対応する複数の画像を印刷媒体PM上に重ねて形成する印刷処理に適用可能である。例えば、プリンター100に使用される7つのインク色から、シアンとマゼンタとイエローとブラックとの4色の組み合わせ(インクグループ)と、イエローとライトシアンとライトマゼンタとの3色の組み合わせ(インクグループ)との2つを設定すると、各インクグループの色再現域(ガマット)は互いに異なる。上記各実施例の印刷システム10は、カラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理と同様に、上記2つのインクグループに対応する互いに色再現域の異なる2つの画像を少なくとも一部が互いに重なるように印刷媒体PM上に形成する印刷処理を実行可能である。また、本発明は、インクグループの数が2つの場合に限られず、インクグループの数が3つ以上の場合にも適用可能である。インクグループの数が3つ以上の場合には、プリントヘッド144のノズル列146を3つ以上のノズル群に区分して、各ノズル群が各インクグループに対応する画像の印刷を行えばよい。
上各記実施例では、印刷媒体PM上にカラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理について説明したが、本発明は、カラー画像と調色白画像との組み合わせに限らず、互いに色再現域の異なる複数のインクグループのそれぞれに対応する複数の画像を印刷媒体PM上に重ねて形成する印刷処理に適用可能である。例えば、プリンター100に使用される7つのインク色から、シアンとマゼンタとイエローとブラックとの4色の組み合わせ(インクグループ)と、イエローとライトシアンとライトマゼンタとの3色の組み合わせ(インクグループ)との2つを設定すると、各インクグループの色再現域(ガマット)は互いに異なる。上記各実施例の印刷システム10は、カラー画像と調色白画像とを形成する印刷処理と同様に、上記2つのインクグループに対応する互いに色再現域の異なる2つの画像を少なくとも一部が互いに重なるように印刷媒体PM上に形成する印刷処理を実行可能である。また、本発明は、インクグループの数が2つの場合に限られず、インクグループの数が3つ以上の場合にも適用可能である。インクグループの数が3つ以上の場合には、プリントヘッド144のノズル列146を3つ以上のノズル群に区分して、各ノズル群が各インクグループに対応する画像の印刷を行えばよい。
F5.変形例5:
上記各実施例におけるリアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの測定方法では、可視光の全波長範囲における1nm間隔の各波長について透過率Tn(波長別透過率)が取得され、透過率Tnを可視光の全波長範囲について積分した値が総合光透過率Sとして決定されるものとしているが、総合光透過率Sの算出方法はこれに限られず、種々変更可能である。例えば、総合光透過率Sは、透過率Tnを積分した値である必要はない。すなわち、総合光透過率Sは、複数の所定の波長についての透過率Tnの合計であるとしてもよいし、総合光透過率Sは、透過率Tnが1nm間隔以外の他の間隔で取得された場合における取得された透過率Tnの合計であるとしてもよい。また、可視光の全波長範囲ではなく一部の波長範囲における透過率Tnに基づき総合光透過率Sが算出されるとしてもよい。
上記各実施例におけるリアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの測定方法では、可視光の全波長範囲における1nm間隔の各波長について透過率Tn(波長別透過率)が取得され、透過率Tnを可視光の全波長範囲について積分した値が総合光透過率Sとして決定されるものとしているが、総合光透過率Sの算出方法はこれに限られず、種々変更可能である。例えば、総合光透過率Sは、透過率Tnを積分した値である必要はない。すなわち、総合光透過率Sは、複数の所定の波長についての透過率Tnの合計であるとしてもよいし、総合光透過率Sは、透過率Tnが1nm間隔以外の他の間隔で取得された場合における取得された透過率Tnの合計であるとしてもよい。また、可視光の全波長範囲ではなく一部の波長範囲における透過率Tnに基づき総合光透過率Sが算出されるとしてもよい。
また、上記各実施例におけるリアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの測定方法では、白色基材Bwと黒色基材Bbとが用いられているが、総合光透過率Sの測定に用いられる基材の色は白色および黒色に限られず、他の色であってもよい。また、上記総合光透過率Sの第3の測定方法では、2つの基材に関して算出された2つの透過率Tnの差分を用いて総合光透過率Sを算出するものとしているが、2つの透過率Tnの平均を用いて総合光透過率Sを算出するものとしてもよい。また、3つ以上の基材に関して算出された3つの透過率Tnの差分を用いて(例えば3つ以上の透過率Tnの平均を用いて)、総合光透過率Sを算出するものとしてもよい。
また、上記各実施例では、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの測定方法が説明されているが、本発明は、リアルプリントRPの白部分Pwに限られず、印刷物における光透過率を測定する場合に共通して適用可能である。
また、上記各実施例では、総合光透過率Sの逆数を0以上100以下の範囲の値に変換(正規化)することによりT値を算出するものとしているが、T値は総合光透過率Sに基づき算出されれば他の変換により算出されるとしてもよい。例えば、総合光透過率Sの逆数そのものをT値としてもよい。
また、上記各実施例では、リアルプリントRPの白部分Pwにおける総合光透過率Sの測定が、調色白を特定するT値の算出のために実行されているが、総合光透過率Sの測定は他の目的のために実行されるとしてもよい。例えば、総合光透過率Sの測定が、リアルプリントRPの色判定のために実行されるとしてもよい。この場合には、例えば、総合光透過率Sの値が2000未満であり、かつ、別途計測されたL値が65以上でa値およびb値の絶対値が共に20未満である場合には、リアルプリントRPの色が白色であると判定されるものとしてもよい。リアルプリントRPの色判定(白色判定)結果は、例えばノズルチェックの要否判定のために利用可能である。
10…印刷システム
100…プリンター
110…CPU
112…コマンド処理モジュール
120…ROM
130…RAM
132…ラスターバッファー
140…ヘッドコントローラー
142…ヘッドバッファー
144…プリントヘッド
146…ノズル列
150…キャリッジコントローラー
152…キャリッジモーター
160…印刷媒体送りコントローラー
162…印刷媒体送りモーター
200…PC
210…CPU
220…ROM
230…RAM
260…ディスプレイインターフェース
270…シリアルインターフェース
300…プリンタードライバー
310…カラー画像用インク色分版処理モジュール
320…カラー画像用ハーフトーン処理モジュール
330…調色白指定モジュール
332…UI制御モジュール
340…調色白画像用色変換モジュール
350…調色白画像用インク色分版処理モジュール
360…調色白画像用ハーフトーン処理モジュール
370…コマンド作成モジュール
100…プリンター
110…CPU
112…コマンド処理モジュール
120…ROM
130…RAM
132…ラスターバッファー
140…ヘッドコントローラー
142…ヘッドバッファー
144…プリントヘッド
146…ノズル列
150…キャリッジコントローラー
152…キャリッジモーター
160…印刷媒体送りコントローラー
162…印刷媒体送りモーター
200…PC
210…CPU
220…ROM
230…RAM
260…ディスプレイインターフェース
270…シリアルインターフェース
300…プリンタードライバー
310…カラー画像用インク色分版処理モジュール
320…カラー画像用ハーフトーン処理モジュール
330…調色白指定モジュール
332…UI制御モジュール
340…調色白画像用色変換モジュール
350…調色白画像用インク色分版処理モジュール
360…調色白画像用ハーフトーン処理モジュール
370…コマンド作成モジュール
Claims (12)
- 印刷物における光透過率を測定する方法であって、
(a)前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する工程と、
(b)前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程と、を備える、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記工程(b)は、前記波長別透過率を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。 - 請求項1または請求項2に記載の方法であって、
前記印刷物は、印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含み、
前記所定の波長範囲は、可視光の全波長範囲である、方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法であって、
前記工程(a)は、所定の光透過率を有する基材の反射率と、前記基材上の前記印刷物の反射率と、を測定し、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程である、方法。 - 請求項4に記載の方法であって、
前記工程(a)は、前記基材の反射率に対する前記印刷物の反射率の比の平方根と、前記基材の光透過率と、の積を前記波長別透過率として決定する工程である、方法。 - 請求項4または請求項5に記載の方法であって、
前記工程(a)は、互いに色の異なる複数の前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、複数の前記基材についての前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
前記工程(a)は、互いに色の異なる2つの前記基材について、前記基材の光透過率と反射率と前記印刷物の反射率とに基づき前記波長別透過率を決定する工程であり、
前記工程(b)は、2つの前記基材についての前記波長別透過率の差分に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する工程である、方法。 - 請求項7に記載の方法であって、
前記工程(b)は、前記波長別透過率の差分を前記所定の波長範囲について積分した値を前記印刷物における光透過率として決定する工程である、方法。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の方法であって、さらに、
(c)決定された前記印刷物における光透過率に基づき、前記印刷物の色が白色であるか否かを判定する工程を備える、方法。 - 印刷物における光透過率を測定する装置であって、
前記印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得する取得部と、
前記波長別透過率に基づき、前記印刷物における光透過率を決定する決定部と、を備える、装置。 - 白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行う印刷装置であって、
印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する決定部と、
カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドと、
前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する制御部と、を備える、印刷装置。 - 白色を含む複数色のインクを用いて印刷を行う印刷方法であって、
(a)印刷媒体と前記印刷媒体上に形成された白色画像とを含む印刷物における、可視光の所定の波長範囲における各波長についての透過率である波長別透過率を取得し、波長別透過率に基づき印刷物における光透過率を決定する工程と、
(b)カラー画像を印刷媒体上に形成するためにインクを噴射する第1のノズル群と、調整された白色である調色白の画像を前記印刷媒体上に形成するために白色と白色以外の少なくとも1色とのインクを噴射する第2のノズル群と、を有するヘッドを準備する工程と、
(c)前記決定された光透過率に基づき前記調色白を特定し、前記ヘッドを制御して、前記印刷媒体上に前記カラー画像と前記調色白画像とを形成する工程と、を備える、印刷方法。
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