JP2010255938A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、通常使用時にトッププレート中央部の温度の約40℃に留め、トッププレートに載置された調味料の伝熱による変質を防ぐとともに、例え長時間触れたとしても低温やけどしてしまう虞を排除することを目的とする。
【解決手段】マグネトロンを含むレンジ加熱手段と、ヒータを含むオーブン加熱手段と、前記レンジ加熱手段または前記オーブン加熱手段によって調理される食品を載置する加熱室と、該加熱室を閉鎖するドアと、前記加熱室を覆うキャビネットと、該キャビネットの上方に設けられたトッププレートと、を具備し、前記トッププレートは、上面に設けられたガラスプレートと、該ガラスプレートの下に設けられた真空断熱材と、該真空断熱材の下に設けられた第1の鋼板と、該第1の鋼板の下に空気層を隔てて設けられた第2の鋼板と、を具備していることを特徴とする加熱調理器。
【選択図】 図8

Description

本発明はキャビネットの上方にトッププレートを設けた加熱調理器に関するものである。
従来の加熱調理器では、オーブン調理時などにキャビネットが100℃を超える高温になってしまう。一方で、消防法(昭和23年法律第186号),同法施行令(昭和36年政令第37号)及び平成14年消防庁告示第1号「下記設備等及び火気器具等の遠隔距離に関する基準」に基づき社団法人日本電機工業会が定めた「一般形電気機器の設置に関する自主基準(平成15年6月24日改定)」は、周囲温度が35℃としたときに、加熱調理器に近接する可燃物の表面温度を100℃以下に保つことを要求している。
加熱調理器上に載置する物品の温度を100℃以下に保つための技術として、特許文献1に記載のように、筐体(キャビネット)上方に天板(トッププレート)を設置する加熱調理器が知られている。
この特許文献1の段落0022には「天板は天面を構成する面板と外周の保護と飾りを兼ねたエッジ,取り付け板,磁石からなり面板,エッジ、取り付け板はカシメやリベット(図示せず)などで組み立て、磁石は面板に接着固定している。」と記載されており、また、段落0024には「天板を外装筐体の上部に設けているため、外装筐体と面板の隙間Lを5mm以上確保する事によって、面板の温度を容易に低温発火の温度(95℃)以下にすることができ、さらに適当な寸法にLを設定すれば容易に60℃程度にできるため、天板上に可燃物や耐熱性の低い塩化ビニル製の樹脂製品など所望の品物を置くことができ、又加熱調理器本体を汚したり傷つけたりすることがない。」と記載されている。すなわち、特許文献1は、約60℃〜95℃まで温度上昇する天板を上部に設けた加熱調理器を開示しており、天板上に可燃物や耐熱性の低い塩化ビニル製の樹脂製品など所望の品物を置けるようにしている。
特開2000−2431号公報
特許文献1の加熱調理器を用いることで、約60℃〜95℃の天板(トッププレート)に塩化ビニル製の樹脂製品などを載置することができるが、例えば、温度の影響を受けやすい調味料を約60℃〜95℃の天板(トッププレート)に載置すると、調味料の変質を招くことは明らかであり、この天板に調味料を載置することは妥当ではない。なお、特許文献1の要約などに、調味料を置けるようにした、との記載もあるが、それを実現する具体的な構成の開示はないと思われる。
また、例え45℃という低温でも低温やけどを起こすことが知られており、当然に、特許文献1の天板(トッププレート)のように60℃〜90℃もの温度であれば、「やけど」の虞を否定できない。すなわち、やけどを避けるという観点で、特許文献1が開示する構成は安全とは言いがたい。
本発明は、通常使用時にトッププレート中央部の温度の約40℃に留め、トッププレートに載置された調味料の伝熱による変質を防ぐとともに、例え長時間触れたとしても低温やけどしてしまう虞を排除することを目的とする。
上記課題は、マグネトロンを含むレンジ加熱手段と、ヒータを含むオーブン加熱手段と、前記レンジ加熱手段または前記オーブン加熱手段によって調理される食品を載置する加熱室と、該加熱室を閉鎖するドアと、前記加熱室を覆うキャビネットと、該キャビネットの上方に設けられたトッププレートと、を具備し、前記トッププレートは、上面に設けられたガラスプレートと、該ガラスプレートの下に設けられた真空断熱材と、該真空断熱材の下に設けられた第1の鋼板と、該第1の鋼板の下に空気層を隔てて設けられた第2の鋼板と、を具備している加熱調理器によって解決される。
本発明によれば、トッププレートに載置された調味料の伝熱による変質を防ぐとともに、例え長時間触れたとしても低温やけどしてしまう虞を排除することができる。
一実施例の加熱調理器の正面方向から斜視図。 一実施例の加熱調理器のドア開成時の斜視図および背面方向から見た斜視図。 一実施例の加熱調理器の正面断面図。 一実施例の加熱調理器の側面断面図。 一実施例のファン装置の分解斜視図。 一実施例のファン装置の斜視断面図。 一実施例の羽根車の回転軸方向の断面図。 一実施例のトッププレートの分解斜視図。 一実施例のトッププレートの断面図。 一実施例の熱風ユニットの斜視図。 一実施例のVIPの断面図。
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
食品をマイクロ波で加熱して調理するレンジ調理と、食品をヒータで加熱して調理するオーブン調理と、食品を飽和蒸気または過熱蒸気で加熱して調理するスチーム調理が可能な電気式オーブンレンジを例に、加熱調理器を説明する。
図1(a)は、加熱調理器の正面を含む斜視図であり、説明のためトッププレート1を取り外したものを図1(b)に示す。また、図2(a)は、加熱調理器のドア8を開放するとともに、キャビネット81を取り外して表示した斜視図であり、図2(b)は、キャビネット81の一部を省略し、加熱調理器を後方から見た斜視図である。
図1において、1は加熱調理器の上方に設けられたトッププレートである。トッププレート1には、例えば、強化ガラス等の平坦で硬質な断熱部材を用いるのが好ましい。トッププレート1を強化ガラスにすることで、断熱性能に加えて加熱調理器の上面が光沢を有する高品位なデザインとすることができる。また、トッププレート1に、表面に微細な凹凸があるプレートを用いても良く、この場合、使用者が指を接触させた場合の体感温度を下げることができる。80はドア8の下部に設けられた操作パネルであり、使用者が食品の加熱時間や加熱温度などを設定する。81は後述する加熱室7を覆うキャビネットである。キャビネット81は、加熱調理器の上面を覆うキャビネット上面81a,側面を覆うキャビネット側面81b,背面を覆うキャビネット背面81cで構成されている。82は排気ダクトであり、加熱室7などからの排気を排出する。89はドア8の下方に設けられた着脱可能な水タンクであり、ここから供給される水からスチーム調理に用いるスチームを生成する。
また、図2(a)において、7は加熱調理する食品等を収容する加熱室、70は加熱室7の底面に設けられた食品を載置する回転しないテーブルである。10は加熱室7の上壁面を加熱する上ヒータであり、例えば、平面状に金属抵抗線を並べた電熱ヒータなどを用いる。74は加熱室7の左右内壁に突出した棚であり、オーブン調理時などに、食品の量や調理内容に応じて上下二段の棚74の一方または両方に加熱室7と略同一幅の調理皿を設置する。また、78は加熱室7に空気を供給する庫内吸気口であり、79は調理中に加熱室7内を照らす照明装置である。重量センサ6a,6b,6cはテーブル70を三点支持するように設けられている。上ヒータ10の上方および加熱室7の側面には断熱材54が設けられており、加熱室7内の熱が外部に漏れるのを抑制する。
次に、図3と図4を用いて、加熱調理器の内部構造を説明する。図3は加熱調理器の後方をドア8に平行に切断した断面を後方から見た断面図であり、図4は加熱調理器をドア8に垂直に切断した側面断面図である。
図3,図4において、5はテーブル70の下方に設けられた機械室であり、ファン装置4(第一ファン装置4a,第二ファン装置4b),重量センサ6(6a〜6c),インバータ基板51,回転アンテナ57などが設けられている。機械室5の天井側には、マイクロ波を発振するマグネトロン56,テーブル70に載置された食品などの重量を検出する重量センサ6,マイクロ波を攪拌するために加熱室7の略中央に配置された回転アンテナ57を回転させる回転モータ53が配置されている。また、機械室5の底面5a側には、マグネトロン56に高周波電力を供給するインバータ基板51,マグネトロン56が発振するマイクロ波の出力を制御する制御基板52,マグネトロン56が発振したマイクロ波を加熱室7に導く導波管55が備えられている。導波管55は機械室5の略中央に幅方向に伸びて配置されており、導波管55上には回転モータ53が配置される。9は熱風モータ9a,熱風ヒータ9b,熱風ファン9cで構成された熱風循環装置であり、オーブン調理時に熱風循環口90を介して加熱室7に熱風を循環供給する。
以上で説明した加熱調理器では、レンジ調理時には、インバータ基板51の電子部品(例えばIGBT)がスイッチング損失により発熱し、また、マグネトロン56自身も発振損失により発熱するため機械室5内部が高温になる。また、オーブン調理時にも、加熱室7からの伝熱によって機械室5内部が高温になる。また、加熱室7や機械室5からの伝熱などによってキャビネット81も高温となる。これらを冷却するために、図3と図4に示すように、機械室底面5aには、機械室5と略等しい高さの第一ファン装置4a,第二ファン装置4bが設けられている。ここで、第一ファン装置4aは主にマグネトロン56に冷却風を供給するファン装置であり、第二ファン装置4bは主にインバータ基板51に冷却風を供給するファン装置であり、何れも機械室5の後方に設けられている。なお、本実施例では、2つのファン装置を備えた例を説明するが、1つのファン装置に第一ファン装置4aと第二ファン装置4bの両方の機能を担わせても良く、何れのファン装置であるかを特定しないときには以下では単にファン装置4と称することとする。
次に、図5〜図7を用いて、ファン装置4を詳細に説明する。図5に示すように、ファン装置4は、ケーシング37と、ケーシング37の内部で回転する羽根車38と、羽根車38を回転駆動するファンモータ39と、で構成された遠心ファンである。
ケーシング37は、上面が閉鎖されているとともに、下面が開口している略円筒形をしており、下端には機械室底面5aへの固定に用いる取付部37aを備え、上部には複数の吹出し口20(20a,20b,20c)を備えている。ケーシング37上部の吹出し口20から吹出した冷却風は、機械室5の天井側に設けられた発熱部品(マグネトロン56,重量センサ6,回転モータ53)を効率的に冷却することができる。なお、ここでは、ケーシング37の吹出し口の数が3個である例を説明したが、必要とされる風量や冷却対象の部品の数に応じて吹出し口の数を任意に設計することができる。また、ケーシング37を、一方向から型成形で抜けるような構造としたので、容易に製作することができる。
また、図5に示すように、羽根車38のシュラウド36の内径よりもハブ34の外径を小さくし、羽根車38を型成型で容易に制作できるようにした。また、図7に示すように、羽根車38は、ファン翼35が回転方向35aに対して後ろ向きであるターボファンであり、その高さ方向とファンモータ39の回転軸の方向が一致するようにした。
そして、図6に示すように、ファン装置4を機械室底面5aに固定する。ここに示されるように、ケーシング37の下面の開口は、機械室底面5aに設けられた通気孔19に面しており、羽根車38を回転させることで、通気孔19を介して下方から外気が吸気され、吹出し口20から冷却風が吹出される。ファンモータの39の駆動は、加熱室7内の温度や調理する食品の量に応じて回転数,回転時間などを適切に設定することができる。
次に、ファン装置4が吹出した冷却風が機械室5内の部品やキャビネット81を冷却する様子を、図2(b)を用いて説明する。ここに示されるように、第一ファン装置4aから出た冷却風59bの一部はマグネトロン56を冷却した後、下流に配置した発熱部品(例えば重量センサ6b)を冷却したり庫内吸気ダクト56bとそれに連通する庫内吸気口78を通して加熱室7内に供給され、一部は照明装置79やキャビネット81内面を冷却する。また、第二ファン装置4bから出た冷却風59bの一部は発熱の大きいインバータ基板51を冷却し、一部は他の発熱部品(例えば重量センサ6c,制御基板52,回転モータ53)やキャビネット81内面を並列に冷却する。このような構成を採ることにより、外気温度に略等しい冷却風でキャビネット81内面を冷却することができるので、キャビネット81を適切に冷却することができる。
次に、本実施例のトッププレート1について、図8および図9を用いて説明する。図8は、トッププレート1の分解図であり、図9は、トッププレート1の断面図である。
図8に示すように、トッププレート1は、強化ガラス801と、その強化ガラス801の下に設けられた真空断熱材802(Vacuum Insulation Panel、以下では「VIP」)と、そのVIP802の下に設けられた遮熱板803(第一の鋼板)と、これらを保持する天板フレーム804から構成されている。また、キャビネット上面81aには連結板805(第二の鋼板)が取り付けられており、この連結板805にトッププレート1を固定する。なお、図8に示すように、天板フレーム804の遮熱板803に接する部分には格子状の梁が設けられており、この梁によって遮熱板803,VIP802,強化ガラス801を支持する。また、連結板805の両端にレールを設け、トッププレート1をこのレールにスライドさせて装着する構成としても良い。
次に、トッププレート1の断面図を、図9を用いて説明する。なお、ここでは簡単のため天板フレーム804を省略して説明する。図9に示すように、強化ガラス801とキャビネット上面8aとの間には、上から順に、VIP802,遮熱板803,第一の空気層806,連結板805,第二の空気層807が配置されており、これらによって、キャビネット上面8aから強化ガラス801への伝熱を抑制している。伝熱の抑制について以下で詳細に説明する。
まず、第一の空気層806,第二の空気層807での伝熱の抑制について詳細に説明する。本実施例では、これらの空気層の厚さを約4mm〜12mmとした。空気層の厚さをこのような値にすることで、空気層にベナードセルが構成される。つまり、空気層の下端からの熱はベナードセル内を対流することになるので、空気層の上にある鋼板(遮熱板803,連結板805)への伝熱を少なくすることができる。すなわち、空気層の厚さを所定範囲に納めることで断熱効果を高めることができる。
次に、遮熱板803,連結板805での伝熱の抑制について詳細に説明する。本実施例では、これらの鋼板の厚さを約0.4mm〜0.6mmとした。このような厚さの鋼板を空気層の上方に設けることで空気層を通過する放射熱を遮断することができ、放射熱による温度上昇を抑制することができる。
次に、VIP802での伝熱の抑制について詳細に説明する。本実施例では、VIP802の厚さを約5mm〜10mmとした。VIP802の一部の断面図を図11に示す。図11(a)に示すように、VIP802は、グラスウール等の無機繊維の積層体で構成される芯材110と、芯材110を挟む外包材フィルム111で構成され、四角形状の外包材フィルム111の四辺に耳部112を形成して接着し、内部を真空状態に保っている。内部が真空状態であるので、芯材110の裏面から表面に伝わる熱量は非常に小さく、結果的にVIP802の裏面から表面に伝わる熱量も非常に小さくできる。外包材フィルム111の詳細な構成を図11(b)を用いて説明する。ここに示すように、外包材フィルム111は4層構造の多層フィルムであり、表面側から順に、ナイロン111a,アルミ蒸着付のPET111b,アルミ箔111c,ポリエチレンの一種であるHR−CPP(ハイレトルト用無延性ポリプロピレン)111dで構成される。このように構成した外包材フィルム111をHR−CPP111d同士が向かい合うように上下に配置し両外包材フィルム111を加熱して密着させる。VIP802の耐熱温度は、HR−CPP111d密着が劣化しない上限温度である約125℃となる。なお、HR−CPPに代えて、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いても良く、この場合、VIP802の耐熱温度を約181℃に高めることができる。
なお、VIP802の厚さを約10mm以下としたのは、次の理由による。例えば、何らかの事故で外包材フィルム111に穴が開き、真空状態を保てなくなる(所謂「真空破壊」)と、圧縮されていた芯材110が膨張しVIP802の厚さが増加する。VIP802が薄ければ真空破壊によって芯材110が膨張しても強化ガラス801に加わる力が小さいため強化ガラス801が破損することはないが、VIP802が10mmを超える場合は真空破壊によって芯材110が膨張したときに強化ガラス801に加わる力も大きくなり強化ガラス801が破損する場合がある。従って、本実施例では、VIP802の厚さを約10mm以下にすることで、真空破壊したときであっても強化ガラス801が破損するのを防止している。
以上で説明したように、トッププレート1をキャビネット上面8aの上に設けることで、トッププレート1の中央部の温度を約40℃に留めることができ、ここに調味料などをおいた場合であっても、調味料の変質を抑制することができる。また、使用者がトッププレート1の中央部に触れても、低温やけどするのを防止することができる。
以下では、本実施例の加熱調理器における各調理内容に対応した冷却をより詳しく説明する。
最初に、食品をマイクロ波で加熱して調理するレンジ調理時の冷却について説明する。まず、ドア8を開け、テーブル70に食品を載置し、ドア8を閉める。パネル80を操作して加熱時間や加熱パワーなどを設定した後、開始ボタン(図示せず)を押すとレンジ調理が開始される。レンジ調理時には、マグネトロン56からマイクロ波エネルギーが放射され、導波管55を介して加熱室7にマイクロ波エネルギーが供給される。マグネトロン56の発振とともに、回転モータ53が回転をはじめ、回転モータ53に連結した回転アンテナ57が回転する。回転アンテナ57の回転によって、加熱室7のマイクロ波が拡散され、食品が加熱される。
本実施例の加熱調理器では、テーブル70を保持する3つの重量センサ6(6a,6b,6c)の重量検出バランスに基づいてテーブル70上の食品の位置を検出し、制御基板52は検出した食品位置に応じて回転アンテナ57を制御する。例えば、食品の位置に向けてマイクロ波エネルギーが集中するように回転アンテナ57を制御し、効率よく食品を加熱する。上述したように、レンジ加熱中のマグネトロン56やインバータ基板51は発熱により高温になるため、ファン装置4から冷却風を供給し、マグネトロン56やインバータ基板51を冷却するとともに、キャビネット81も冷却する。また、ファン装置4から供給される冷却風は重量センサ6も冷却する。さらに、マグネトロン56を冷却して風温上昇した空気の一部は、庫内吸気口78から加熱室7に流入して庫内を温めるとともに、食品から発生した水蒸気は庫外通気ダクト76を通して効率よく排出される。
このように、レンジ調理時には、レンジ調理時に発熱するマグネトロン56やインバータ基板51などの発熱部品が冷却されるとともに、重量センサ6も冷却され、安定した重量検出を行うことができる。
さらに、トッププレート1によって、キャビネット81から強化ガラス801への伝熱が抑制されているので、レンジ調理時に強化ガラス801の中央部を約40℃以下に保つことができる。
次に、食品をヒータ(上ヒータ10,熱風循環装置9)で加熱して調理するオーブン調理時の冷却について説明する。まず、ドア8を開け、棚74に調理皿を装着した後、調理皿に食品を載せ、ドア8を閉める。なお、本実施例の加熱調理器では、テーブル70が取り外し可能であるため、テーブル70を棚74に載置して調理することも可能である。パネル80を操作して加熱時間や加熱パワーなどを設定した後、開始ボタン(図示せず)を押すとオーブン調理が開始される。調理が開始されると、上ヒータ10と熱風循環装置9の熱風ヒータ9bに通電され、加熱室7の庫内温度が急上昇し、調理皿上の食品を周囲から加熱する。
オーブン調理時には加熱室7の底面を含む各壁面が高温となり、加熱室7の底面から機械室5への熱漏洩が生じるため、機械室5内の雰囲気の温度および電子部品の温度も上昇する。機械室5の雰囲気や電子部品の過熱を抑制するため、ファン装置4を駆動する。なお、オーブン調理時には、機械室5に配置されたマグネトロン56やインバータ基板51自体が発熱するわけではないので、機械室5内はマグネトロン56等が破壊されない程度の温度に保つことができればよい。従って、マグネトロン56等を冷却する必要性の高いレンジ調理時に比べ、機械室5に供給する冷却風量を少なくしてよい。また、オーブン調理時には加熱室7内を高温に保つことが求められるため、加熱室7の温度を下げる原因となる庫内吸気口78からの空気供給量も少なくすることが望ましい。さらに、加熱室7内の蒸気を追い出すために庫内吸気口78から空気を供給しなければならないレンジ調理時と異なり、庫内吸気口78から空気を供給する必要性も低い。これらの理由から、本実施例の加熱調理器では、レンジ調理時に比べ、ファン装置4の回転数を小さくし、機械室5や庫内吸気口78への供給空気量を減らすこととした。この結果、加熱室7内の温度を高温に保つことが容易になり、ファン装置4の回転数も抑制できるので、省エネも実現することができる。
また、オーブン調理時には、加熱室7からキャビネット81への熱移動や、キャビネット81からトッププレート1への熱移動も生じる。前述したように、ファン装置4からはキャビネット81を冷却する冷却風も供給されるので、キャビネット81を低温に保つことができる。さらに、トッププレート1によって、キャビネット81から強化ガラス801への伝熱が抑制されているので、オーブン調理時にも強化ガラス801の中央部を約40℃以下に保つことができる。
次に、食品を飽和蒸気または過熱蒸気で加熱して調理するスチーム調理時の冷却について説明する。まず、水タンク89に必要な量の水を入れる。次に、ドア8を開け、テーブル70に食品を載せた後、ドア8を閉める。パネル80を操作して加熱時間などを設定した後、開始ボタン(図示せず)を押すとスチーム調理が開始される。
図4(b)に示すように、本実施例の加熱調理器では、機械室5にポンプ88が設けられ、加熱室7の側面には蒸気発生装置87が設けられている。水タンク89,ポンプ88,蒸気発生装置87は図示しない配管によって連結されている。スチーム調理が開始されると、ポンプ88が駆動し、水タンク89内の水を蒸気発生装置87に移動させる。蒸気発生装置87は高温に熱せられており、供給された水から蒸気を生成し、図7に示すように、加熱室7の内面に設けられた蒸気発生装置87の開口から蒸気を供給する。スチーム調理時には、このように供給された蒸気を用いて食品が加熱される。なお、オーブン調理に用いる上ヒータ10や熱風循環装置9を併用することで、飽和蒸気を過熱した加熱蒸気を生成し、加熱蒸気による調理を行うこともできる。なお、スチーム調理時のファン装置4の制御はオーブン調理時のファン装置4の制御と同様であるので、説明を省略する。
さらに、トッププレート1によって、キャビネット81から強化ガラス801への伝熱が抑制されているので、スチーム調理時にも、強化ガラス801の中央部を約40℃以下に保つことができる。
なお、以上の実施例では、トッププレート1に強化ガラス801を用いる例を示したが、強化ガラス801に代え、十分な硬さのプラスチックプレートを用いても良い。プラスチックプレートを用いることでトッププレート1の軽量化を図ることができる。
1 トッププレート
3 ドア
4 ファン装置
5 機械室
6 重量センサ
7 加熱室
9 熱風循環装置
10 上ヒータ
19 通気孔
20 吹出し口
34 ハブ
35 ファン翼
36 シュラウド
37 ケーシング
38 羽根車
39 ファンモータ
41 吸気ファン
51 インバータ基板
52 制御基板
53 回転モータ
54 断熱材
55 導波管
56 マグネトロン
57 回転アンテナ
60 冷却ダクト
70 テーブル
76 庫外通気ダクト
80 操作パネル
81 キャビネット
82 排気ダクト
801 強化ガラス
802 真空断熱材(VIP)
803 遮熱板(第一の鋼板)
804 天板フレーム
805 連結板(第二の鋼板)
806 第一の空気層
807 第二の空気層
110 芯材
111 外包材フィルム
111a ナイロン
111b アルミ蒸着付のPET
111c アルミ箔
111d HR−CPP(ハイレトルト用無延性ポリプロピレン)
112 耳部

Claims (6)

  1. マグネトロンを含むレンジ加熱手段と、
    ヒータを含むオーブン加熱手段と、
    前記レンジ加熱手段または前記オーブン加熱手段によって調理される食品を載置する加熱室と、
    該加熱室を閉鎖するドアと、
    前記加熱室を覆うキャビネットと、
    該キャビネットの上方に設けられたトッププレートと、
    を具備し、
    前記トッププレートは、
    上面に設けられた強化ガラスプレートと、
    該ガラスプレートの下に設けられた真空断熱材と、
    該真空断熱材の下に設けられた第1の鋼板と、
    該第1の鋼板の下に空気層を隔てて設けられた第2の鋼板と、
    を具備していることを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記空気層の厚さを約4mm〜12mmとすることを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記真空断熱材の厚さを約5mm〜10mmとすることを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記ガラスプレートに代え、プラスチックプレートを設けたことを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記真空断熱材は、無機繊維の積層体で構成される芯材と、該芯材を挟む外包材フィルムと、で構成されており、
    前記外包材フィルムは、ナイロンと、PETと、アルミ箔と、HR−CPPを積層した多層フィルムであることを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記キャビネットの上部にはレールが設けられており、該レールに前記トッププレートをスライドさせて装着することを特徴とする加熱調理器。
JP2009107271A 2009-04-27 2009-04-27 加熱調理器 Withdrawn JP2010255938A (ja)

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