JP2010255906A - 冷凍サイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】新冷媒R1234yfを使用する場合のさらなる冷凍サイクルの性能向上の可能性を探索し、従来の冷媒R134aを用いた冷凍サイクルと同等以上の高い冷凍能力をもって運転可能な冷凍サイクルを提供する。
【解決手段】圧縮機と、凝縮部と過冷却部とを有するサブクールコンデンサと、減圧・膨張手段と、蒸発器とを備えた冷凍サイクルにおいて、冷媒としてR1234yfを使用するとともに、サブクールコンデンサの出口側冷媒と前記蒸発器の出口側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を設け、さらにサブクールコンデンサの過冷却部の占有率を最適化した冷凍サイクル。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクルに関し、とくに、新しい冷媒を用いる場合に高い冷凍能力をもって運転することが可能な冷凍サイクルに関する。
例えば車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクルには、現状、代表的な冷媒としてR134aが使用されている。この冷凍サイクルの一般的な基本構成としては、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮した冷媒を減圧・膨張させる減圧・膨張手段と、減圧・膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを備え、蒸発器からの冷媒を圧縮機に吸入させる構成が知られているが、冷凍サイクル全体の効率、とくに成績係数(COP)を向上するために、各種の工夫が知られている。例えば、上記通常の凝縮器に代えて、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮部と凝縮された冷媒を過冷却する過冷却部とを備えた熱交換器であるサブクールコンデンサを使用することが知られている。また、それとは別に、凝縮器出口側の冷媒と蒸発器出口側の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を設ける構成が知られている。
上記の如く、現状の代表的な冷媒としてR134aを挙げることができるが、地球温暖化係数(GWP)等のさらなる改善を目指して、新冷媒の研究、開発が行われている(例えば、非特許文献1)。このような改善を目指した新冷媒として、最近、R1234yfが公表され、例えば、車両用空調装置等に用いられる冷凍サイクルへの適用についても、試験、研究を行うことが可能な状況となってきた。
ところが、現状の冷媒R134aを使用することを前提に設計された現行の冷凍サイクルに、単にそのまま新冷媒R1234yfを適用した場合、現行の冷媒R134aを用いた冷凍サイクルに比べ、冷凍能力、成績係数(COP)ともに低くなる可能性が高い。
そのため、例えば特許文献1には、上述した性能向上のための工夫の一つであるサブクールコンデンサを使用した冷凍サイクルに新冷媒R1234yfを適用して試験し、現行の冷媒R134aに代えて新冷媒R1234yfを使用する場合にサブクールコンデンサとしてどのような仕様が必要なのかを記述している。より具体的には、サブクールコンデンサにおける熱交換チューブ総本数に対し、過冷却部のチューブ本数の割合として15〜35%が良いと記載されている。しかし、この特許文献1には、上述した性能向上のためのもう一つの工夫である内部熱交換器の設置については触れられてはおらず、その効果、さらにはサブクールコンデンサの最適仕様との関係は不明である。
特開2008−281326号公報
冷凍2008年3月号第83巻第965号
そこで本発明の課題は、上記のような新冷媒R1234yfの出現に着目し、この新冷媒R1234yfを使用する場合のさらなる冷凍サイクルの性能向上の可能性を探索し、従来の冷媒R134aを用いた冷凍サイクルと同等以上の高い冷凍能力をもって運転可能な冷凍サイクルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る冷凍サイクルは、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮部と凝縮された冷媒を過冷却する過冷却部とを有するサブクールコンデンサと、該サブクールコンデンサからの冷媒を減圧・膨張させる減圧・膨張手段と、減圧・膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備え、蒸発器からの冷媒を圧縮機に吸入させる冷凍サイクルにおいて、冷媒としてR1234yfを使用するとともに、前記サブクールコンデンサの出口側冷媒と前記蒸発器の出口側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を設けたことを特徴とするものからなる。
すなわち、前述の特許文献1と同様に、新冷媒R1234yfをサブクールコンデンサを備えた冷凍サイクルに適用するものであるが、さらなる性能向上を目指して、内部熱交換器を設けたものである。換言すれば、従来の冷媒R134aを使用する場合の冷凍サイクルの一般的な基本構成に対し、新冷媒R1234yfを使用するに際し、サブクールコンデンサと内部熱交換器を組み合わせて適用したものである。その結果、後述の試験結果に示すように、特許文献1に記載されているようにサブクールコンデンサのみを適用した場合に比べ、サブクールコンデンサと内部熱交換器を組み合わせて適用した場合には、さらなる冷凍サイクル性能向上を達成できることが判明した。そして、このサブクールコンデンサと内部熱交換器を組み合わせて適用する場合には、サブクールコンデンサの最適な仕様の範囲が、特許文献1に記載されている範囲とは異なる範囲になることも判明した。したがって、本発明で明らかになったサブクールコンデンサの最適な仕様の範囲の適用と、内部熱交換器の設置とにより、新冷媒R1234yfを使用する場合に、冷凍サイクルの大幅な性能向上が現実に達成可能となる。
上記サブクールコンデンサの最適な仕様の範囲として、具体的には、サブクールコンデンサにおける上記凝縮部および上記過冷却部に対する(つまり、サブクールコンデンサ全体に対する)上記過冷却部の面積割合であるサブクール占有率が3〜12%の範囲内にあることが挙げられる。この最適な範囲は、前述の特許文献1に記載されている最適範囲15〜35%とは明確に異なっている。上記サブクール占有率としては、上記凝縮部および上記過冷却部に実質的に同じサイズの熱交換チューブを用いる場合には、サブクールコンデンサのチューブ総本数に対する過冷却部のチューブ本数の割合で表すことが可能である。
上記内部熱交換器としては、例えば二重管式の熱交換器を用いることができる。ただし、これに限定されず、他の型式の内部熱交換器も使用可能であり、内部熱交換器設置により、冷凍サイクル全体の性能向上が実現できればよい。
このような本発明に係る冷凍サイクルは、基本的には新冷媒R1234yfを使用しようとするあらゆる冷凍サイクルに適用可能であるが、とくに効率の良い運転が長期間にわたって安定して求められる車両用空調装置に用いられる冷凍サイクルに好適である。
また、本発明に係る冷凍サイクルにおいては、上記サブクール占有率の範囲は、後述のように、例えば、車両用空調装置における車両のアイドル条件および中速条件に対応する条件での試験により求めることが可能である。
本発明に係る冷凍サイクルによれば、使用冷媒を新冷媒R1234yfに変更する場合に、サブクールコンデンサと内部熱交換器を組み合わせて適用したので、単にサブクールコンデンサのみを適用する場合に比べ、冷凍サイクルの性能を一層向上することができ、この組み合わせ適用状態にてとくにサブクールコンデンサの仕様を最適化することにより、従来の冷媒R134aを使用した場合と同等以上の高い冷凍能力を確実に実現でき、併せて新冷媒R1234yf自体が有する優れた地球温暖化係数(GWP)等の改善特性を発揮させることができる。
本発明に係る冷凍サイクルの基本構造の一例を示す機器系統図である。 内部熱交換器無しの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 No.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 No.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 冷媒を切り替えた場合および内部熱交換器の有無の場合の冷房性能の比較特性図である。 冷媒を切り替えた場合および内部熱交換器の有無の場合の消費動力の比較特性図である。 冷媒を切り替えた場合および内部熱交換器の有無の場合の成績係数(COP)の比較特性図である。 No.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 No.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 No.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 No.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 No.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 No.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「JJ Idle」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「JJ中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.1内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と蒸発器空気側能力との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と消費動力との関係図である。 「SD中速」条件におけるNo.2内部熱交換器付きの場合のサブクール占有率(SC占有率)と成績係数(COP)との関係図である。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに図面を参照しながら説明する。 本発明に係る冷凍サイクルの基本構造は、例えば図1に示すように構成される。図1において、1は冷凍サイクル全体を示しており、冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮部3と凝縮された冷媒を過冷却する過冷却部4とを有するサブクールコンデンサ5と、凝縮部3で凝縮された冷媒を過冷却部4に送るに際し、冷媒の液化を促進するレシーバ6と(このレシーバ6はサブクールコンデンサ5と一体型に構成されていてもよい。)、サブクールコンデンサ5からの冷媒を減圧・膨張させる減圧・膨張手段としての膨張弁7と、膨張弁7で減圧・膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器8とを備えており、かつ、サブクールコンデンサ5の出口側冷媒と蒸発器8の出口側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器9が設けられている。蒸発器8からの冷媒は、内部熱交換器9を経由した後、圧縮機2に吸入され、再び圧縮される。内部熱交換器9の型式はとくに限定されず、例えば一般的なアルミニウム製の二重管式の内部熱交換器が用いられる。このような冷凍サイクル1において、冷媒として新冷媒であるR1234yfが使用される。
このような基本構成を有する本発明に係る冷凍サイクル1において、仕様をどのようにすれば冷凍サイクル1全体の性能向上を実現できるかについて、とくにサブクールコンデンサ5のサブクール占有率と関連させて、最適仕様の範囲を試験に基づいて検討した。
試験条件は以下の通りである。サブクールコンデンサ5には熱交換チューブ総本数36本のものを使用し、次の3種類の熱交換器を用いた。
(1)凝縮部36本/過冷却部0本(サブクール占有率:0%、したがって、基本的にサブクールコンデンサではなく、従来一般の凝縮器)
(2)凝縮部34本/過冷却部2本(サブクール占有率:5.6%)
(3)凝縮部30本/過冷却部6本(サブクール占有率:16.7%)
内部熱交換器9としては、内部熱交換器無しの場合も試験し、内部熱交換器9を設ける場合には、以下の2種類の二重管式内部熱交換器にて試験した。
No.1内部熱交換器:
概略寸法:全長37cm
高圧側(外管側)伝熱面積:0.051m2
低圧側(内管側)伝熱面積:0.017m2
No.2内部熱交換器:
概略寸法:全長67cm
高圧側(外管側)伝熱面積:0.085m2
低圧側(内管側)伝熱面積:0.034m2
冷凍サイクルの試験条件としては、以下の車両用空調装置の試験のための4種類の条件を採用した。ここでは、圧縮機が車両のエンジンにより駆動されることを想定している。各条件の詳細を下記表1に示す。
(1)日本自動車工業会(JAMA)と自動車部品工業会(JAPIA)により規定された車両のアイドル状態での条件(以下、JJ Idleと略称する。)
(2)サンデン株式会社で規定した車両のアイドル状態での条件(以下、SD Idleと略称する。)
(3)日本自動車工業会(JAMA)と自動車部品工業会(JAPIA)により規定された車両の中速状態での条件(以下、JJ中速と略称する。)
(4)サンデン株式会社で規定した車両の中速状態での条件(以下、SD中速と略称する。)
成績係数(COP)に関する総括的な試験結果を、図2〜図4に示す。なお、図において、サブクールコンデンサ付き冷凍サイクルを「SCサイクル」、サブクール占有率を「SC占有率」と略称してあり、以下の図においても同様の略称を使用してある。図2は内部熱交換器無しの条件でのSC占有率とCOPとの関係を示しており、図3はNo.1内部熱交換器付きの条件でのSC占有率とCOPとの関係を示しており、図4はNo.2内部熱交換器付きの条件でのSC占有率とCOPとの関係を示している。
図5〜図7に、サブクールコンデンサ付き(内部熱交換器無し)の場合の従来冷媒R134aを使用したときの試験結果(「134a」と表示)と新冷媒R1234yfを使用したときの試験結果(「1234yf」と表示)、および、サブクールコンデンサ付きでかつ内部熱交換器を設けた場合の新冷媒R1234yfを使用したときの試験結果(「1234yf&IHX」と表示)を、前述の試験条件JJ Idle、SD Idle、SD中速、JJ中速において、冷房性能(図2)、消費動力(主として圧縮機の消費動力)(図3)、成績係数(COP)について評価した結果として示す。
これらの試験のさらなる詳細は後述するが、これらの試験結果から、以下のことが分かる。
すなわち、サブクールコンデンサ付き(内部熱交換器無し)で従来冷媒R134aを使用した場合の試験結果(「134a」で表示された試験結果)に比べ、サブクールコンデンサ付き(内部熱交換器無し)で新冷媒R1234yfを使用した場合の試験結果(「1234yf」で表示された試験結果)においては、以下のことが言える。
・冷房性能は93〜98%で、最大で7%低下した。
・消費動力は96〜100%で、実質的に悪化はしない。
・成績係数(COP)は93〜104%で、最大で4%低下した。
また、サブクールコンデンサ付き(内部熱交換器無し)で従来冷媒R134aを使用した場合の試験結果(「134a」で表示された試験結果)に比べ、サブクールコンデンサ付きで内部熱交換器有りのサイクルで新冷媒R1234yfを使用した場合の試験結果(「1234yf&IHX」で表示された試験結果)においては、以下のことが言える。
・冷房性能は97〜112%で、最大で12%向上した。
・消費動力は90〜97%で、最大で10%低下した。
・成績係数(COP)は105〜115%で、最大で15%向上した。
これらの比較から、冷媒を従来冷媒R134aから新冷媒R1234yfに切り替えた場合の冷房性能の低下については、内部熱交換器を組み合わせて適用することで、対策の効果があることが明らかになった。また、この内部熱交換器を組み合わせて適用することは、圧縮機への吸入比体積の減少による消費動力の低減にも大きな効果を奏することが明らかになった。
以下に、より詳細な試験結果について説明する。
図8〜図13に、前述のNo.1とNo.2の2種類の内部熱交換器と、サブクールコンデンサ(過冷却部のチューブ本数:0本、2本、6本)とをそれぞれ組み合わせて、3条件(JJ Idle、SD中速、JJ中速)にて、新冷媒R1234yfを使用した場合の性能試験の結果を、サブクール占有率(SC占有率)との関係で示した。図8〜図10はNo.1内部熱交換器を使用した場合、図11〜図13はNo.2内部熱交換器を使用した場合を示している。
そして、上記試験のさらに詳細な内容を、図14〜図31に示す。これらの試験においては、各条件ごとにグラフをフォーカスし、冷房性能、成績係数(COP)については、ともに最適値より−3%までを許容範囲と定め、サブクール占有率(SC占有率)の好適な(有効な)範囲を確認した。
図14〜図19は、「JJ Idle」の条件の場合の蒸発器空気側能力(冷房性能)と消費動力と成績係数(COP)についての試験結果を示している。これらの結果からは、冷房性能の有効範囲はSC占有率が3〜13%、COPの有効範囲はSC占有率が3〜12%であった。
図20〜図25は、「JJ中速」の条件の場合の蒸発器空気側能力(冷房性能)と消費動力と成績係数(COP)についての試験結果を示している。これらの結果からは、冷房性能の有効範囲はSC占有率が3〜16%、COPの有効範囲はSC占有率が2〜12%であった。
図26〜図31は、「SD中速」の条件の場合の蒸発器空気側能力(冷房性能)と消費動力と成績係数(COP)についての試験結果を示している。これらの結果からは、冷房性能の有効範囲はSC占有率が3〜19%、COPの有効範囲はSC占有率が1〜17%であった。
これら図14〜図31に示した試験結果から、全条件に当てはまるSC占有率の有効範囲は3〜12%となった。すなわち、サブクール占有率(SC占有率)が3〜12%の範囲にあれば、冷房性能、COPともに許容範囲に納めることができ、かつ、良好な消費動力低減効果が得られる。
本発明に係る冷凍サイクルは、新冷媒R1234yfの使用を予定しているあらゆる冷凍サイクルに適用可能であり、とくに車両用空調装置に用いられる冷凍サイクルとして好適なものである。
1 冷凍サイクル
2 圧縮機
3 凝縮部
4 過冷却部
5 サブクールコンデンサ
6 レシーバ
7 膨張弁
8 蒸発器
9 内部熱交換器

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を凝縮する凝縮部と凝縮された冷媒を過冷却する過冷却部とを有するサブクールコンデンサと、該サブクールコンデンサからの冷媒を減圧・膨張させる減圧・膨張手段と、減圧・膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備え、蒸発器からの冷媒を圧縮機に吸入させる冷凍サイクルにおいて、冷媒としてR1234yfを使用するとともに、前記サブクールコンデンサの出口側冷媒と前記蒸発器の出口側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を設けたことを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 前記サブクールコンデンサにおける前記凝縮部および前記過冷却部に対する前記過冷却部の面積割合であるサブクール占有率が3〜12%の範囲内にある、請求項1に記載の冷凍サイクル。
  3. 前記内部熱交換器が二重管式の熱交換器からなる、請求項1または2に記載の冷凍サイクル。
  4. 車両用空調装置に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍サイクル。
  5. 前記サブクール占有率の範囲が、車両用空調装置における車両のアイドル条件および中速条件に対応する条件での試験により求められている、請求項2〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル。
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