JP2010255744A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイルエア潤滑下において、軸受内部を潤滑する潤滑油量を、回転速度に応じた適切な量とすることができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に介在している複数の玉と、前記複数の玉を保持する環状の保持器20と、を備えている。前記内輪と前記外輪との間には、オイルエアによって潤滑油が供給される。保持器20は、当該保持器20の外周面20bに形成された径方向内側に凹む凹部21に収容されているとともに、前記潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体22と、凹部21の開口を覆って吸収体22を凹部21内に保持するとともに、前記潤滑油が通過可能な保持部材24とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、工作機械の回転軸等といった高速回転する回転軸を支持するために用いられる転がり軸受に関する。
従来から、高速で回転する工作機械の回転軸等を支持するための転がり軸受には、オイルエア供給装置によって外部からオイルエアが供給され、軸受内部を潤滑(オイルエア潤滑)するものがある(例えば、特許文献1参照)。
上記オイルエア潤滑とは、潤滑油と圧縮空気とを混合してなる混合気であるオイルエアを被潤滑部分に供給することで、被潤滑部分に潤滑油を供給して潤滑を行うものである。
特開2004−324811号公報
上記オイルエア潤滑が行われる転がり軸受において、回転速度が低速の場合に当該転がり軸受の昇温幅が大きくなり、高速の場合に昇温幅が小さくなるという現象が生じる。この現象は、回転速度が低速の場合における潤滑油の撹拌抵抗が、高速の場合と比較して相対的に大きくなり、その撹拌抵抗の差によって、転がり軸受の昇温の態様に差異が生じていると考えられる。
すなわち、一般に、高速回転域では、各部の回転に伴う遠心力によって軸受内部の潤滑油が外部に排出され易いことに加えて、軌道輪及び保持器等が高速回転することて生じるエアカーテンによって、オイルエア供給装置による軸受内部への潤滑油の供給が阻害されるため、低速回転域の場合と比較して、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が少なくなる。このため、オイルエア供給装置による潤滑油の供給量は、高速回転域において実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量となるように多めに設定されている。この結果、軸受内部への潤滑油供給に対する阻害要因が低い低速回転域では潤滑油が供給過多となり、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量に対して多くなってしまう。この結果、高速回転域と低速回転域との間において、潤滑油の撹拌抵抗に差が生じ、転がり軸受の昇温の態様に差異が生じていると考えられる。
したがって、外部の潤滑油供給装置から一定量の潤滑油が供給される上記従来の転がり軸受では、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が、全ての回転速度領域において適切な量に設定できないという問題を有していた。回転速度の変化に対して実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量となっていないと、低速回転域では、上述のように潤滑油の撹拌抵抗の増加によって昇温幅が大きくなる他、回転トルクが増加したり、高速回転域では、潤滑油不足により焼き付きが生じたりする等、転がり軸受の性能を低下させる要因となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、オイルエア潤滑下において、軸受内部を潤滑する際の潤滑油量を、回転速度に応じた適切な量とすることができる転がり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、内輪と、この内輪の径方向外側に同心に配置された外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に介在している複数の転動体と、前記内輪及び前記外輪の間に配置され前記複数の転動体を保持する環状の保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との間に、オイルエアによって潤滑油が供給される転がり軸受において、前記保持器が、当該保持器の外周に形成された径方向内側に凹む凹部に収容されているとともに、前記潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体と、前記凹部の開口を覆って前記吸収体を前記凹部内に保持するとともに、前記潤滑油が通過可能な保持部材と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された転がり軸受によれば、保持器が、凹部に収容され、潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体と、凹部の開口を覆って吸収体を凹部内に保持する、潤滑油が通過可能な保持部材とを備えているので、遠心力が強く作用しない低速回転域では、保持部材を通過して凹部の内部に浸入する潤滑油を、吸収体に一時的に吸収保持させることができ、遠心力が比較的強く作用する高速回転域では、その遠心力によって、吸収体により一時的に吸収保持されている潤滑油を、保持部材を通過させて保持器の外周側に解放することができる。
従って、低速回転域においては、余剰に供給される潤滑油を吸収体により吸収保持できるので、潤滑油量が供給過多となるのを抑制し、実際に軸受内部を潤滑するための潤滑油量を適切な量とすることができる。また、高速回転域においては、吸収体が吸収保持する潤滑油を保持器の外周側に解放することで軸受内部の潤滑に供することができるので、潤滑油が不足し易い高速回転域において軸受内部を潤滑するための潤滑油量を十分なものとでき、好適に潤滑を行うことができる。
以上のように、本発明の転がり軸受によれば、オイルエア潤滑下において、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量を、回転速度に応じた適切な量とすることができる。
上記転がり軸受において、前記吸収体は、弾性素材により形成されており、前記吸収体の径方向内側に配置され、前記保持器の回転により生じる遠心力によって当該吸収体を前記保持部材に向けて押圧して当該保持部材を弾性収縮させる押圧部材をさらに備えていることが好ましい。
この場合、遠心力が比較的強く作用する高速回転域では、押圧部材は、吸収体を保持部材に向けて強く押圧するので、弾性素材からなる吸収体を弾性的に収縮変形させ、当該吸収体が吸収している潤滑油を効果的に保持器外周側に解放させることができる。さらに、遠心力が強く作用しない低速回転域では、押圧部材による吸収体への押圧が弱まるので、吸収体を弾性的に膨張させることができ、吸収体に潤滑油を効果的に吸収保持させることができる。
また、前記保持部材は、環状に形成され、前記保持器の外周面に外嵌固定されているものであってもよい。
この場合、凹部の開口を覆う保持部材を容易に保持器に設けることができる。
本発明の転がり軸受によれば、オイルエア潤滑下において、軸受内部を潤滑する潤滑油量を、回転速度に応じた適切な量とすることができる。
本発明の第一の実施形態に係る転がり軸受を用いた工作機械用駆動軸支持装置を示す部分断面図である。 転がり軸受の保持器を示す斜視図である。 保持器の周方向の部分断面図であり、凹部内部の構成を示している。 保持器の凹部に収容された吸収体の態様を説明するための図であり、(a)は転がり軸受が低速回転域で回転している状態、(b)は転がり軸受が高速回転域で回転している状態を示している。 本発明の第二の実施形態に係る転がり軸受が有する保持器の周方向の部分断面図である。 本発明を適用した円筒ころ軸受の保持器を示す斜視図である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る転がり軸受を用いた工作機械用回転軸支持装置を示す部分断面図である。
図1中、工作機械用駆動軸支持装置1は、工作機械等の回転軸(図示せず)を支持するための装置であり、一対の転がり軸受10と、これら一対の転がり軸受10の間に配置された間座2と、間座2の外周側に配置された潤滑油供給装置3とを備えている。なお、図1では、一対の転がり軸受10の内、一方側のみを拡大して示している。
間座2は、一対の転がり軸受10の軸方向の間隔を規定するための筒状の部材であり、前記駆動軸の外周面に一体回転可能に外嵌固定される。
潤滑油供給装置3は、転がり軸受10に潤滑油を供給するための装置であり、工作機械用駆動軸支持装置1が取り付けられる図示しないハウジング側に固定される。潤滑油供給装置3には、潤滑油と圧縮空気との混合気であるオイルエアを生成する生成装置(図示せず)からのオイルエアが導入される導入路3aと、導入路3aに導入されたオイルエアを転がり軸受10の軸受内部に供給するための供給路3bとが形成されている。潤滑油供給装置3は、供給路3bから潤滑油としてのオイルエアを転がり軸受10の軸受内部に供給する。
転がり軸受10は、前記駆動軸に一体回転可能に外嵌される内輪11と、この内輪の径方向外側に同心に配置された外輪12と、内輪11及び外輪12の間に配置された複数の転動体としての複数の玉13と、内輪11及び外輪12の間に配置され複数の玉13を保持する環状の保持器20とを備えている。
内輪11は、軸受鋼や機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状部材であり、外周面には複数の玉13が転動する内輪軌道11aが形成されている。
外輪12も内輪11と同様、軸受鋼や機械構造用合金鋼等を用いて形成された環状部材であり、内周面には複数の玉13が転動する外輪軌道12aが形成されている。
複数の玉13は、軸受鋼等を用いて形成された部材であり、内外輪11,12それぞれの軌道11a,12aの間に転動自在に介在している。玉13は、ラジアル方向に対して所定の角度をもって内輪軌道11a及び外輪軌道12aに接触しており、転がり軸受10は、アンギュラ玉軸受を構成している。
潤滑油供給装置3から供給されるオイルエアは、内輪11と外輪12との間に導入され、各軌道11a,11bと、玉13との間や、保持器20と、内外輪11,12との間等、各摺動部分でオイルエア潤滑が行われる。
図2は、転がり軸受の保持器を示す斜視図である。図2及び図1を参照して、保持器20は、合成樹脂等を用いて環状に形成された部材であり、周方向に複数の玉13それぞれを保持するための複数のポケット20aが周方向に等間隔に形成されている。保持器20は、各ポケット20aによって各玉13を保持することで、内外輪11,12の間で複数の玉13それぞれが周方向に等間隔となるように保持している。
また、保持器20の外周面20bには、径方向内側に凹む凹部21が複数箇所形成されている。
本実施形態において、凹部21は、保持器20の外周面20bにおける軸方向両端部に一対ずつ、周方向に等間隔に四箇所形成されている。また、各凹部21は、それぞれ、保持器20において互いに隣接しているポケット20aの間の柱部20cに対応する周方向位置に形成されている。
図3は、保持器の周方向の部分断面図であり、凹部内部の構成を示している。
各凹部21の内部には、潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体22と、この吸収体22を押圧するための押圧板23とが収容されている。また、各凹部21には、その開口を覆うことで、吸収体22及び押圧板23を凹部21内に保持している保持部材24が設けられている。すなわち、保持器20は、各凹部21に収容された吸収体22及び押圧板23と、各凹部21の開口を覆う保持部材24とを備えている。
凹部21は、矩形状に開口して周方向に延びる溝状に形成されており、上述のように、内部に吸収体22及び押圧板23を収容している。
凹部21の開口を覆っている保持部材24は、フッ素樹脂等の合成樹脂からなる網状の部材を凹部21の開口に合わせて形成したものであり、そのメッシュサイズは、潤滑油が通過可能な程度のサイズとされている。このため、潤滑油は、保持部材24を通過して、凹部21の内部に浸入することができる。保持部材24は、保持器20に対して融着され、強固に固定されている。
また、保持部材24は、その外側面24aが保持器20の外周面20bよりも内周側に位置するように固定されている。このため、保持部材24は、外輪12の内周面と直接的に摺接することがなく、保持部材24自身が摩耗するのを防止できる。
吸収体22は、弾性を有する多孔質な素材、例えば合成樹脂製のスポンジを凹部21内部に収まる程度の大きさの直方体状に形成した部材であり、一時的に潤滑油を吸収保持可能である。また、吸収体22は、径方向外側となる外側面22aが保持部材24の内側面24bに接触した状態で配置されている。
押圧板23は、合成樹脂あるいは金属製の板状の部材であり、吸収体22の径方向内側の内側面22bと、凹部21の底面21aとの間に介在して配置されている。押圧板23は、転がり軸受10の回転に応じて保持器20が回転したときに、遠心力の作用によって、凹部21の底面21aから離間し、吸収体22を保持部材24に向けて押圧し、弾性的に収縮変形させる。
押圧板23は、転がり軸受10が高速回転域で回転しそれに伴って保持器20が回転するときの遠心力によって、吸収体22が保持する潤滑油を解放する程度に当該吸収体22を十分に収縮変形させる。なお、以下の説明における「遠心力」とは、転がり軸受10の回転に応じて回転する保持器20による遠心力を指すものとする。
ここで、具体的に高速回転域とは、例えば、転がり軸受10のdmn値((軸受内径+軸受外径)÷2×回転速度(rpm))が、100万以上である場合をいい、押圧板23の重量は、dmn値100万以上で転がり軸受10が回転しているときの遠心力によって、吸収体22を十分に収縮変形させるのに必要な押圧力が得られる程度の値に設定されている。
したがって、押圧板23は、dmn値100万以上の高速回転域になると、吸収体22が潤滑油を解放する程度に吸収体22の収縮変形を開始する。また、dmn値が100万よりも小さい低速回転域となると、押圧板23は、作用する遠心力が弱まることで、潤滑油を解放する程度に吸収体22を収縮変形させない。
次に、転がり軸受10が回転したときの吸収体の態様について説明する。
図4は、保持器の凹部に収容された吸収体の態様を説明するための図であり、(a)は転がり軸受が低速回転域で回転している状態、(b)は転がり軸受が高速回転域で回転している状態を示している。
まず、転がり軸受10が低速回転域で回転している場合について説明する。図4(a)において、転がり軸受10が低速回転域で回転しているため、押圧板23は、上述のように、吸収体22を十分に収縮変形させることができる程度に押圧しない。このため、吸収体22は、ほぼ変形していない状態で、保持部材24及び押圧板23に接している。
ここで、保持部材24は、潤滑油を通過させるので、潤滑油供給装置3によりオイルエアとして供給される潤滑油が保持器20の外周面20bに達すると、その潤滑油は、保持部材24を通過して、凹部21の内部に浸入する。
凹部21の内部に位置する吸収体22は、ほぼ変形していない状態であるため、凹部21の内部に潤滑油が浸入して吸収体22の表面に接すると、吸収体22は、この潤滑油を吸収し保持する。
なお、遠心力は潤滑油にも作用するので、潤滑油が凹部21の内部に浸入するのを阻止されることが考えられる。しかし、転がり軸受10は低速回転域で回転しているので、保持器20も低速回転域で回転しており、その遠心力は強く作用しない。このため、潤滑油は、遠心力に阻止されることなく、凹部21の内部に浸入することができる。
さらに、潤滑油を保持した吸収体22及び押圧板23に対しても、遠心力は作用するので、吸収体22の自重あるいは押圧板23によって吸収体22が保持部材24に押し付けられて吸収保持している潤滑油を解放したり、潤滑油自身に遠心力が作用して吸収体22から解放されることが考えられるが、上述したように、低速回転域では、押圧板23が吸収体22を十分に収縮変形しないように、押圧板23の重量を設定しているとともに、低速回転域では遠心力は強く作用しないので、多少の潤滑油を解放、飛散することがあっても、吸収体22は、ある程度の潤滑油を保持する。
一方、転がり軸受10が高速回転域で回転している場合、上述したように、押圧板23は、遠心力の作用によって、凹部21の底面21aから離間して吸収体22を保持部材24に向けて押圧し、図4(b)に示すように、吸収体22を十分に収縮変形させる。
吸収体22は、押圧板23によって収縮変形されることによって、当該吸収体22が保持する潤滑油を解放する。この解放された潤滑油は、保持部材24を通過して、保持器20の外周面20b側に達し、転がり軸受10の軸受内部の潤滑に供することができる。
また、転がり軸受10の回転が高速回転域から低速回転域へと変化した場合、吸収体22は、遠心力が弱まることで押圧板23の押圧が弱まり、収縮変形状態から、もとの変形前の状態に弾性的に膨張する。吸収体22は、この膨張に伴って、潤滑油をより効果的に吸収保持することができる。
以上のようにして、吸収体22は、転がり軸受10が低速回転域で回転している場合には、潤滑油を吸収保持し、高速回転域で回転している場合には、吸収保持している潤滑油を解放することができ、潤滑油を一時的に吸収保持することができる。
本実施形態において、潤滑油供給装置3によるオイルエアの供給量は、高速回転域において、軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量となるように設定されている。
一般に、高速回転域では、各部の回転に伴う遠心力によって軸受内部の潤滑油が外部に排出され易いことに加えて、潤滑油供給装置3が転がり軸受1の軸受内部に向けて供給するオイルエアが、内外輪及び保持器等が高速回転することて生じるエアカーテンによって軸受内部に到達するのを妨げられるため、高速回転域及び低速回転域においてオイルエアの供給量が同じであると、高速回転域の方が、軸受内部への潤滑油供給に対する阻害要因が低い低速回転域の場合と比較して、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が少なくなる。
このため、潤滑油供給装置3のオイルエアの供給量は、より多くのオイルエアの供給を要する高速回転域において、軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量となるように設定されている。
その一方、軸受内部への潤滑油供給に対する阻害要因が低い低速回転域では潤滑油が供給過多となり、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量が適切な量に対して多くなってしまう。
この点、本実施形態の転がり軸受10によれば、保持器20が、凹部21に収容され、潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体22と、凹部21の開口を覆って吸収体22を凹部内に保持する、潤滑油が通過可能な保持部材24とを備えているので、遠心力が強く作用しない低速回転域では、保持部材24を通過して凹部21の内部に浸入する潤滑油を、吸収体22に一時的に吸収保持させることができ、遠心力が比較的強く作用する高速回転域では、その遠心力によって、吸収体22により一時的に吸収保持されている潤滑油を、保持部材24を通過させて保持器20の外周側に解放することができる。
従って、低速回転域においては、余剰に供給される潤滑油を吸収体22により吸収保持できるので、潤滑油量が供給過多となるのを抑制し、実際に軸受内部を潤滑するための潤滑油量を適切な量とすることができる。また、高速回転域においては、吸収体22が吸収保持する潤滑油を保持器20の外周側に解放することで軸受内部の潤滑に供することができるので、潤滑油が不足し易い高速回転域において軸受内部を潤滑するための潤滑油量を十分なものとでき、好適に潤滑を行うことができる。
以上のように、本実施形態の転がり軸受10によれば、オイルエア潤滑下において、実際に軸受内部を潤滑する潤滑油量を、回転速度に応じた適切な量とすることができる。
この結果、低速回転域において生じる、潤滑油の供給過多に起因する撹拌抵抗の増加、それに伴う昇温幅の増大化や、回転トルクの増加等を抑制し、さらに、高速回転域において生じる可能性のある、潤滑油不足による焼き付き等を防止することができる。
また、本実施形態では、吸収体22を弾性素材により形成しているとともに、保持器20の回転により生じる遠心力によって吸収体22を保持部材24に向けて押圧する押圧部材23をさらに備えているので、以下の作用を奏する。すなわち、遠心力が比較的強く作用する高速回転域では、押圧部材23は、吸収体22を保持部材24に向けて強く押圧するので、弾性素材からなる吸収体22を弾性的に収縮変形させ、当該吸収体22が吸収している潤滑油を効果的に保持器20外周側に解放させることができる。さらに、遠心力が強く作用しない低速回転域では、押圧部材23による吸収体22への押圧が弱まるので、吸収体22を弾性的に膨張させることができ、吸収体22に潤滑油を効果的に吸収保持させることができる。
また、本実施形態では、保持器20に凹部21を四箇所形成したが、少なくとも一箇所形成されていればよく、より多数の凹部21を保持器20に設けてもよい。この場合、吸収保持することができる実質的な潤滑油の量を増やすことができる。
図5は、本発明の第二の実施形態に係る転がり軸受10が有する保持器の周方向の部分断面図である。本実施形態と上記第一の実施形態との相違点は、保持部材24が、保持器20の外周面20bに外嵌固定されている環状部材である点である。その他の点については、上記第一の実施形態とほぼ同様なので説明を省略する。
図5において、本実施形態の保持部材24は、例えば、保持器20と同様の合成樹脂等を用いて環状に形成されており、凹部21の開口に対応する位置には、その内外周面を連通する複数の孔部24cが形成されている。このため、潤滑油は、これら孔部24cを通過することで、凹部21の内部の浸入することができる。
本実施形態の転がり軸受10によれば、環状の保持部材24を、保持器20の外周面20bに外嵌固定すれば、当該保持部材24に凹部21の開口を覆わせ、吸収体22及び押圧板23を保持させることができ、保持部材24を容易に保持器20に設けることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、転がり軸受をアンギュラ玉軸受として構成した場合を例示したが、本発明は、円筒ころ軸受に対しても適用することができる。図6は、本発明を円筒ころ軸受に適用した場合の保持器を示している。また、本発明は、深溝玉軸受等、他の玉軸受や、円錐ころ軸受、自動調心ころ軸受等のころ軸受にも同様に適用することができる。
10 転がり軸受 11 内輪 12 外輪
13 玉(転動体) 20 保持器 20b 外周面
21 凹部 22 吸収体 23 押圧板(押圧部材)
24 保持部材

Claims (3)

  1. 内輪と、この内輪の径方向外側に同心に配置された外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に介在している複数の転動体と、前記内輪及び前記外輪の間に配置され前記複数の転動体を保持する環状の保持器と、を備え、
    前記内輪と前記外輪との間に、オイルエアによって潤滑油が供給される転がり軸受において、
    前記保持器が、当該保持器の外周に形成された径方向内側に凹む凹部に収容されているとともに、前記潤滑油を一時的に吸収保持可能な吸収体と、
    前記凹部の開口を覆って前記吸収体を前記凹部内に保持するとともに、前記潤滑油が通過可能な保持部材と、を備えていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記吸収体は、弾性素材により形成されており、
    前記吸収体の径方向内側に配置され、前記保持器の回転により生じる遠心力によって当該吸収体を前記保持部材に向けて押圧して当該保持部材を弾性収縮させる押圧部材をさらに備えている請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記保持部材は、環状に形成され、前記保持器の外周面に外嵌固定されている請求項1又は2に記載の転がり軸受。
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