JP2010252773A - 米飯及び米飯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、食感が炊飯当日および保存後も共にふっくらとしておいしく、べちゃつかず、米飯の粒感を口中で適度に感じることができ、米飯の粒が硬すぎることもない米飯食品及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明の米飯食品は、米飯固形分100重量部に対して、ペクチンを0.12〜3.00重量部含有し、水分含有率が64〜68重量%であることを特徴とする。本発明について好ましいのは、前記ペクチンの含有率が0.30〜2.00重量部であること、又は前記ペクチンがHMペクチンであること、又は前記ペクチンがブロックワイズ型のHMペクチンであること、又は前記ペクチンがLMペクチンであってアンモニア処理あるいは、酵素処理により脱エステル化されたものであることを特徴とする米飯食品である。本発明の製造方法は、原料米100重量部に対して水を170〜220重量部加えるとともに、原料米固形分100重量部に対して0.12〜3.00重量部のペクチンを配合することを特徴とする。
【解決手段】本発明の米飯食品は、米飯固形分100重量部に対して、ペクチンを0.12〜3.00重量部含有し、水分含有率が64〜68重量%であることを特徴とする。本発明について好ましいのは、前記ペクチンの含有率が0.30〜2.00重量部であること、又は前記ペクチンがHMペクチンであること、又は前記ペクチンがブロックワイズ型のHMペクチンであること、又は前記ペクチンがLMペクチンであってアンモニア処理あるいは、酵素処理により脱エステル化されたものであることを特徴とする米飯食品である。本発明の製造方法は、原料米100重量部に対して水を170〜220重量部加えるとともに、原料米固形分100重量部に対して0.12〜3.00重量部のペクチンを配合することを特徴とする。
Description
本発明は、米飯食品の食感が炊飯当日および保存後も共にべちゃつかずふっくらとしておいしく、米飯の粒感を口中で適度に感じることができ、米飯の粒が硬すぎることもない米飯食品及びその製造方法に関する。
米を炊飯した米飯は、かつては家庭で作って食べることが多かった。米飯は一般的に炊飯後の時間の経過とともに硬くなり、食感が損なわれる。しかし消費者のライフスタイルの変化や炊飯加工技術の発達により、市販される米飯食品の市場は着実に伸びている。たとえば、無菌包装米飯、弁当、おにぎり、レトルト粥、冷凍ピラフをはじめとして、さまざまな種類の米飯食品が市販されている。これらの米飯食品は消費者が自宅などに持ち帰って食べることが多く、そのため炊飯後ある程度時間が経過しているため、食感の低下などが生じ、商品価値が著しく低下する。この理由として澱粉の老化が挙げられる。炊飯により、米飯中の澱粉粒が水を吸って膨潤するとともに澱粉粒を構成する多糖類の分子間の水素結合がゆるむ、いわゆる糊化という現象が起きる。米飯を常温あるいは低温で保存した場合、経時変化に伴い、多糖類の分子の再結晶化が進行し、不要となった水が排出されることにより、食感が低下する。この現象を老化という。
一般に澱粉の老化を抑制する方法として温度を80℃以上に保つ、急速に乾燥させ水分含量を15%以下にする、pH13以上のアルカリ性に保つ、等が知られている。非特許文献1には、老化防止剤として、糖質、グリセロール、ソルビトール、界面活性剤を添加することにより澱粉の老化を抑制することができることが記載されている。しかしこれらの老化防止剤を添加するだけでは澱粉の老化を十分に防止することはできない。また、一般に米飯に含まれる水分は60%前後であり、多くても64%程度である。水分が多すぎた場合、米飯の粒が軟らかくなり食感が適さない。
一般に澱粉の老化を抑制する方法として温度を80℃以上に保つ、急速に乾燥させ水分含量を15%以下にする、pH13以上のアルカリ性に保つ、等が知られている。非特許文献1には、老化防止剤として、糖質、グリセロール、ソルビトール、界面活性剤を添加することにより澱粉の老化を抑制することができることが記載されている。しかしこれらの老化防止剤を添加するだけでは澱粉の老化を十分に防止することはできない。また、一般に米飯に含まれる水分は60%前後であり、多くても64%程度である。水分が多すぎた場合、米飯の粒が軟らかくなり食感が適さない。
特許文献1には、低温下で保存しても硬くなりにくく、かつ粘りを維持した炊飯米を用いた米飯食品を提案している。この特許文献1は低温温度帯での食感変化を抑制することに関して、米飯食品の加水量を増加させると効果が高いことを明らかにしている。具体的には、一般的な加水量である1.20倍加水炊飯(水分含量58%)では、低温保存時に時間経過と共にすぐに硬くなって食用に適さなくなるのに対して、飯の水分含量を58%から60%、62%と増すことで品質保持期間が長くなることを開示している。しかし米飯が硬くなるのを防ぐことができても、水分が多すぎることによりべちゃついた粒感の乏しい米飯となり実際の米飯商品としては販売に適さない。
特許文献2には、トランスグルタミナーゼを添加して炊飯する多加水米飯の製造方法を提案している。この特許文献2は加水量を一般的加水量より多めにすることにより、ご飯の経時的な食味劣化を抑制する製造方法を示している。しかし、原料米の1.65倍の加水量の場合、米飯の粒感が弱くなることは防ぐことができていない。
特許文献3には、ペクチンとリン脂質を添加して米の食感がふっくらとしておいしく、米粒の崩れがなく、ツヤがあり好ましい外観を有する米飯食品及びその製造方法を提案している。この特許文献による米飯の食感は、炊飯直後はふっくらとして良好であるが、保存後には硬くなって米飯食品としては適さなかった。
特許文献4には、特定のペクチンを有効成分として含む米飯ほぐし剤が提案されている。即ちこの特許文献4ではペクチンは米飯の粒同士がばらけるように機能するものと考えられており、ペクチンは水分を保持する添加物としては適さないと考えられていた。
本発明は、食感が炊飯当日および保存後も共にふっくらとしておいしく、べちゃつかず、米飯の粒感を口中で適度に感じることができ、米飯の粒が硬すぎることもない米飯食品及びその製造方法を提供することである。
本発明の米飯食品は、米飯固形分100重量部に対して、ペクチンを0.12〜3.00重量部含有し、水分含有率が64〜68重量%であることを特徴とする。本発明について好ましいのは、前記ペクチンの含有率が0.30〜2.00重量部であること、又は前記ペクチンがHMペクチンであること、又は前記ペクチンがブロックワイズ型のHMペクチンであること、又は前記ペクチンがLMペクチンであってアンモニア処理あるいは、酵素処理により脱エステル化されたものであることを特徴とする米飯食品である。本発明の製造方法は、原料米100重量部に対して水を170〜220重量部加えるとともに、原料米固形分100重量部に対して0.12〜3.00重量部のペクチンを配合することを特徴とする。
本発明法により、米飯を保存した時に起きる食感の劣化を防止し、米飯類を使用した加工食品の品質の向上をさせることが可能となった。特に衛生面で重要とされていた冷蔵保存時においても食感の劣化が防止されるので、冷蔵保存による米飯食品の流通および販売が可能になった。さらに、本発明法により炊飯された米飯類はその原料として水を相対的に多くすることから原料費を節約し、又ご飯のカロリーを低減させることが可能になった。
本発明において、「米飯食品」とは、米を炊飯して得られる米飯を含む食品をいい、具体的には、白飯、玄米ご飯、赤飯、混ぜ飯、すし飯、おにぎり、ちらし寿司等の常温、チルド、冷凍品などを例示することができる。
本発明において「原料米固形分」とは、炊飯に供される米(原料米)から水分を除いた成分をいう。また「米飯固形分」とは、原料米に由来する水分を除いた成分をいう。基本的には米を炊飯して得られる米飯から水分及び添加されたペクチンを除いた成分をさす。米飯に含有される水分には、原料米に含有されていた水分と、炊飯時に加えた水に由来する水とが含まれる。従って、原料米が炊飯によって米飯となる過程で、その水分含有率は変化(増加)する(例えば非特許文献2では、精白米の水分含有率は15.5重量%であり、これを炊飯して得られるめしの水分含有率は60.0重量%である。)。原料米固形分と米飯固形分とは、これらを構成する澱粉の分子構造が異なるが、炊飯前後における固形分の重量に変化はない。
本発明において、米飯食品の原料となる原料米は、イネ(Oryza)属に属するものであれば特に限定されず、またその銘柄も問わない。例えば人気の高いコシヒカリ、ササニシキをはじめ日本晴などを用いても良い。またインディカ種と呼ばれるものを用いても良い。
本発明に使用するペクチンは、果物や野菜類などほとんど全ての陸上植物の各器官に含まれ、細胞レベルでは、植物細胞の細胞壁と中葉組織に偏在している多糖類である。ペクチンの基本構造はα−1,4結合したα−D−ガラクチュロン酸を主鎖として、側鎖としてガラクトース、アラビノース、マンノース及びグルコースが結合している。ガラクチュロン酸のカルボキシル基は一部メチルエステル化されており、そのエステル化度(DE値)によって種類わけがされる。食品添加物として一般的に市場にあるものは主に柑橘類の果皮やりんごの果汁をとったかすを原料として製造され、全ガラクチュロン酸のうち、メチル化ガラクチュロン酸の占める割合が50%より多いものをHMペクチン、50%以下のものをLMペクチンと呼ぶ。
本発明に用いるペクチンとしてHMペクチンが好ましく、更により好ましい効果を発揮させるために、HMペクチンについてはDE値58以上のものが好ましい。
また、本発明においてより好ましい効果を発揮させるために、HMペクチンのうちブロックワイズ型と呼ばれるものを使用することが好ましい。ブロックワイズ型のペクチンとは、ペクチン分子の構造としてエステル化されていないフリーのカルボキシル基を持ったガラクチュロン酸が主鎖上に局在しているものをいう。
本発明においてLMペクチンを用いる場合はアンモニア処理されたLMペクチン、又は酵素処理されたLMペクチンを用いるのが好ましい。
本発明に関する米飯食品を製造する方法は、以下の通りである。まず、炊飯用の水の一部を利用してペクチンを分散させたペクチン液を用意する。ペクチン液中のペクチンの濃度としては水100重量部に対してペクチン1〜2重量部程度の溶液とすると作業性が良い。ついで水で洗米した原料米にペクチン液とペクチン液に利用していない残りの水を加え全体が均一になるように軽く攪拌する。ペクチン液を用いず、直接洗米した後の原料米にペクチンを均一にまぶして全体を混合してから炊飯用の水を加えても良い。洗米した際に減量米についた水、ペクチン液に使用した水および炊飯前に加えた水を全て合計して加水量と呼ぶ。ついで炊飯器又は鍋などを用いて炊飯する。その際、通常の炊飯時に行うように炊飯する前に一定時間放置してもかまわない。
本発明に関する米飯食品を保存する方法は、以下の通りである。通常炊飯時に行うものと同様、炊飯後に、30分ほど蒸らし、その後軽く全体を混ぜて容器へ移し、蓋をする。容器については、通常米飯食品を包装するためのものであり、蓋などにより保存中の乾燥が防がれていれば、特に限定しない。電気釜のジャーのままでも、茶碗、プラスチック製の容器、ビニール袋などでも構わない。
本発明に関する米飯食品は、以下の通りである。炊飯直後にそのまま食べても良いし、保存後に食べてもよい。保存後に食べる場合は、常温保存であればそのまま特に温めずに食べても良いし、電子レンジや湯煎などによって温めてから食べても良い。冷凍や冷蔵保存の場合は常温に戻したのち食べても良いし、電子レンジや湯煎などによって温めてから食べても良い。米飯は混ぜご飯のように味付けをして食べても良い。
米飯の硬さの測定及び食感の評価
(実施例1)原料米(市販のあきたこまち(精白米))150g(原料米固形分126.75g)を25℃の水道水にて洗米し、表1に示した配合でペクチン1gと水を加えた。ペクチンの量は原料米固形分100重量部に対して0.79重量%である。ペクチンはHMペクチンのブ
使用した。ペクチンの添加方法としては、配合用の水の一部を利用して1%水溶液として添加した。水は全体の水の量(加水量)が289gとなるようにした。加水量は原料米100重量部に対して190重量部である。次いで全体を軽く攪拌し、約40分浸漬後(洗米から約1時間後)炊飯した。炊飯にはジャー炊飯器KS−G59C−W(シャープ株式会社製)を使用した。炊飯後の米飯の重量は373.56g(水分245.81g、米飯固形分126.75g、ペクチン1g)、米飯の水分含有率は65.80%であった。また、米飯固形分100重量部に対するペクチンの量は0.79重量部である。炊飯した米飯の硬さの測定と食感の評価は、炊飯終了後、米飯を30分蒸らした後、90ml容量のプリンカップに50g充填し、常温(約22℃)放置2時間後、及び常温放置2日後に行った。この測定には株式会社レオテックのFUDOH RHEO METER RT−2002J、及び直径26mmの円筒型プランジャーを使用した。硬さの数値は、プランジャーが米飯の中に12mm入った位置の応力として読み取った。硬さの数値は米飯を評価する1つの指標とし、食感の結果を優先させた。結果を表1に示す。
(実施例1)原料米(市販のあきたこまち(精白米))150g(原料米固形分126.75g)を25℃の水道水にて洗米し、表1に示した配合でペクチン1gと水を加えた。ペクチンの量は原料米固形分100重量部に対して0.79重量%である。ペクチンはHMペクチンのブ
使用した。ペクチンの添加方法としては、配合用の水の一部を利用して1%水溶液として添加した。水は全体の水の量(加水量)が289gとなるようにした。加水量は原料米100重量部に対して190重量部である。次いで全体を軽く攪拌し、約40分浸漬後(洗米から約1時間後)炊飯した。炊飯にはジャー炊飯器KS−G59C−W(シャープ株式会社製)を使用した。炊飯後の米飯の重量は373.56g(水分245.81g、米飯固形分126.75g、ペクチン1g)、米飯の水分含有率は65.80%であった。また、米飯固形分100重量部に対するペクチンの量は0.79重量部である。炊飯した米飯の硬さの測定と食感の評価は、炊飯終了後、米飯を30分蒸らした後、90ml容量のプリンカップに50g充填し、常温(約22℃)放置2時間後、及び常温放置2日後に行った。この測定には株式会社レオテックのFUDOH RHEO METER RT−2002J、及び直径26mmの円筒型プランジャーを使用した。硬さの数値は、プランジャーが米飯の中に12mm入った位置の応力として読み取った。硬さの数値は米飯を評価する1つの指標とし、食感の結果を優先させた。結果を表1に示す。
(比較例1、2、3)比較例1はペクチンを加えない、標準的な加水量の米飯であり実施例1と同様の方法で炊飯した。比較例2はペクチンを加えない以外は実施例1と同様の方法で炊飯した。比較例3は標準的な加水量で、かつペクチンを加えた米飯であり実施例1と同様の方法で炊飯した。結果を表1に示す。
米飯の配合、及び各米飯の保存試験結果
米飯の硬さの測定結果及び食感の結果(室温保存)
(実施例1、比較例1、2、3)表1に結果を示すとおり、室温で2日保存した結果は次の通りであった。実施例1は炊飯当日及び2日間常温保存後ともに軟らかくてみずみずしくかつ米飯としての粒感も良好であった。比較例1はペクチンを加えない、標準的な加水量の米飯で、常温で2日保存後には硬くなって老化した食感となった。比較例2はペクチンを加えない標準より加水量の多い配合で、炊飯当日の時点でべちゃべちゃして粒感が無くなって、粘った米飯となってしまっている。比較例3はペクチンを加えた、標準的な加水量の米飯である。炊飯当日はやや硬く、常温2日保存後には硬すぎる食感となった。
(実施例1、比較例1、2、3)表1に結果を示すとおり、室温で2日保存した結果は次の通りであった。実施例1は炊飯当日及び2日間常温保存後ともに軟らかくてみずみずしくかつ米飯としての粒感も良好であった。比較例1はペクチンを加えない、標準的な加水量の米飯で、常温で2日保存後には硬くなって老化した食感となった。比較例2はペクチンを加えない標準より加水量の多い配合で、炊飯当日の時点でべちゃべちゃして粒感が無くなって、粘った米飯となってしまっている。比較例3はペクチンを加えた、標準的な加水量の米飯である。炊飯当日はやや硬く、常温2日保存後には硬すぎる食感となった。
米飯の硬さの測定結果及び食感の結果(冷蔵保存)
(実施例1、比較例1、2)表1に結果を示すとおり、冷蔵で1日保存し、その後電子レンジにてレンジアップして温めた結果は次のとおりであった。実施例1は冷蔵1日後の食感が改善されて、さらにレンジアップにより老化感を全く感じさせない良好な食感となった。しかし、比較例1は冷蔵保存すると常温で保存した場合よりさらに硬い食感となった。比較例2は、炊飯当日の時点でべちゃべちゃして粒感がなく軟らかすぎる食感となり、さらに保存後は表面が硬く内部が軟らかすぎる食感であった。さらにレンジアップをすると粒感があまり無く、おかゆのような食感であった。
(実施例1、比較例1、2)表1に結果を示すとおり、冷蔵で1日保存し、その後電子レンジにてレンジアップして温めた結果は次のとおりであった。実施例1は冷蔵1日後の食感が改善されて、さらにレンジアップにより老化感を全く感じさせない良好な食感となった。しかし、比較例1は冷蔵保存すると常温で保存した場合よりさらに硬い食感となった。比較例2は、炊飯当日の時点でべちゃべちゃして粒感がなく軟らかすぎる食感となり、さらに保存後は表面が硬く内部が軟らかすぎる食感であった。さらにレンジアップをすると粒感があまり無く、おかゆのような食感であった。
各加水量における米飯の評価
(実施例2〜4、比較例4、5)実施例2〜4及び比較例4、5は加水量を変化させて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。これらの米飯は、常温にて保管し、炊飯当日及び2日後に実施例1と同様に評価を行った。ペクチンはHMペクチンのブロックワイズ型の
形分100重量部に対して0.79重量部加えた。結果を表2に示す。
(実施例2〜4、比較例4、5)実施例2〜4及び比較例4、5は加水量を変化させて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。これらの米飯は、常温にて保管し、炊飯当日及び2日後に実施例1と同様に評価を行った。ペクチンはHMペクチンのブロックワイズ型の
形分100重量部に対して0.79重量部加えた。結果を表2に示す。
表2の米飯は、食感を評価し、基準は実施例1を示した表1と同じである。具体的には◎は良好な食感を示したものを意味する。○は◎より若干米飯の粒感が弱い、強い、あるいはべたつくものを意味する。△は○より米飯の粒感が弱い、強い、あるいはべたつくものを意味する。◎、○、△は本発明が比較的良好な機能として発揮されているものと考える。×は粒感が乏しい、べたつく、米飯の粒が軟らかすぎる、あるいは硬すぎる、保存後の米飯に老化したような硬さが感じられるなど米飯食品として適さないものを示している。
各加水量における米飯の評価
表2の結果から明らかなように実施例2〜4の総合評価は優れているのに対し、比較例4は硬い食感となり、比較例5は軟らかすぎる。よって本発明の実施において良好な食感を示す加水量の範囲は原料米100重量部に対して170〜220重量部であった。但し、この加水量の幅は各原料米の種類や炊飯機器の種類などによって多少前後する可能性はある。
ペクチンの各配合量における米飯の評価
(実施例5〜11、比較例6〜8)実施例5〜11及び比較例6〜8はペクチンを加える量を変化させて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。表3に示したペクチンの配合量は、原料米固形分100重量部に対する量である。米飯は、常温にて保管し、炊飯当日及び2日後に実施例1と同様に評価を行った。表3に対する評価の基準は表2と同様である。ペク
(CPケルコ社製))を使用した。加水量は原料米100重量部に対して水を190重量部とした。結果を表3に示す。
(実施例5〜11、比較例6〜8)実施例5〜11及び比較例6〜8はペクチンを加える量を変化させて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。表3に示したペクチンの配合量は、原料米固形分100重量部に対する量である。米飯は、常温にて保管し、炊飯当日及び2日後に実施例1と同様に評価を行った。表3に対する評価の基準は表2と同様である。ペク
(CPケルコ社製))を使用した。加水量は原料米100重量部に対して水を190重量部とした。結果を表3に示す。
ペクチンの各配合量における米飯の評価
表3の結果から明らかなように実施例5〜11の総合評価は優れているのに対し、比較例6は軟らかい食感となり、比較例7は粒の内部と表面の食感のバランスが悪く、かつ軟らかすぎる食感となり、比較例8は米飯の粒の表面がねっとりした。よって本発明の実施において良好な食感を示すペクチン配合量の範囲は原料米の固形分100重量部に対して0.12〜3.00重量部であった。但し、このペクチン配合量の幅が各原料米の種類などによって多少前後する可能性はある。
各ペクチン製品における米飯の評価
(実施例12〜27)実施例12〜27は、ペクチンの種類を変えて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。すなわち加水量は原料米100重量部に対して190重量部であり、ペクチンの配合量は原料米の固形分100重量部に対して0.79重量部である。これらの米飯は、実施例1と同様の方法で保管し、評価を行った。表4、表5に対する評価の基準は表2と同様である。表4にHMペクチンの各製品の結果を、表5にLMペクチンの各製品の結果を示す。
(実施例12〜27)実施例12〜27は、ペクチンの種類を変えて実施例1と同様の方法で製造した米飯である。すなわち加水量は原料米100重量部に対して190重量部であり、ペクチンの配合量は原料米の固形分100重量部に対して0.79重量部である。これらの米飯は、実施例1と同様の方法で保管し、評価を行った。表4、表5に対する評価の基準は表2と同様である。表4にHMペクチンの各製品の結果を、表5にLMペクチンの各製品の結果を示す。
各ペクチン製品における米飯の評価(HMペクチン)
表4はHMペクチンの各製品を使用した場合の米飯の評価結果である。本発明において、HMペクチンのうちDEが58から72のものは良好な結果を示した。このうち、ブロックワイズ型であるとより優れた結果であった。
各ペクチン製品における米飯の評価(LMペクチン)
表5はLMペクチンの各製品を使用した場合の米飯の評価である。本発明において、LMペクチンのうちアンモニア処理か酵素処理されたものは良好な結果であった。
Claims (6)
- 米飯固形分100重量部に対してペクチンを0.12〜3.00重量部含有し、水分含有率が64〜68重量%である米飯食品。
- 米飯固形分100重量部に対してペクチンを0.30〜2.00重量部含有する請求項1に記載の米飯食品。
- 前記ペクチンがHMペクチンである請求項1又は2に記載の米飯食品。
- 前記ペクチンがブロックワイズ型のHMペクチンである請求項1又は2に記載の米飯食品。
- 前記ペクチンがLMペクチンであってアンモニア処理あるいは、酵素処理により脱エステル化された請求項1又は2に記載の米飯食品。
- 請求項1乃至5の何れかに記載の米飯食品を製造する方法であって、原料米100重量部に対して水を170〜220重量部加えるとともに、原料米固形分100重量部に対して0.12〜3.00重量部のペクチンを配合する米飯食品の製造方法。
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JP2009123558A JP2010252773A (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 米飯及び米飯の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016077193A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | 米飯品質改良剤 |
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2009
- 2009-04-27 JP JP2009123558A patent/JP2010252773A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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