JP2010252182A - 高調波遮断フィルタ及びレーダ装置 - Google Patents

高調波遮断フィルタ及びレーダ装置 Download PDF

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Koji Matsumoto
公志 松本
Kenichi Iio
憲一 飯尾
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Abstract

【課題】導波管内に突出する構造を持つことなく、簡易な構造でありながら2次高調波を効果的に抑制する。
【解決手段】高調波遮断フィルタは、導波管11の断面方形の導波路201のうち、断面長尺側の一方の内壁面201a面に凹部301を、他方の201a面に凹部401を有する。凹部301,401は同一形状を有し、それらの管軸方向の長さLは導波路を伝搬する基本波の管内波長より1桁程度乃至はそれ以上短い。また、凹部301,401の断面長尺方向の幅寸法は基本波の管内波長の1/2以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高調波成分の導波管内の伝搬を抑制する高調波遮断フィルタ及びレーダ装置に関する。
従来、マグネトロンから放射されたパルス状のマイクロ波を導波管、サーキュレータ及びアンテナを介して空中へ送波し、一方、物標で反射してアンテナへ帰来した反射波を受波し、サーキュレータを介して受信回路側へ導くレーダ装置が知られている。ところで、マグネトロンは、基本波の発振と同時に2倍波、3倍波等の高調波を発生することが知られている。また、サーキュレータに大電力が入力されると、その非線形動作によって2次高調波を生じることが知られている。
一方、近年、レーダ装置においては、基本波以外のスプリアスエミッションに対する規制が強化されつつあり、マグネトロン自体の改良の他、導波管の改良も検討されてきている。特許文献1には、導波管内での2次高調波の伝搬を抑制するフィルタ技術が提案されている。すなわち、特許文献1には、方形導波管の上下面に伝送路に沿って複数の金属突起を配設することで、広帯域な低域通過フィルタを実現した高域阻止フィルタ(ワッフルアイアン型フィルタ)が記載されている。また、同特許文献1には、入出力側の導波管の両方のフランジ間に金属箔を挟持し、この金属箔に矩形状波形の共振窓が形成されている高域阻止フィルタが記載されている。さらに、特許文献2には、導波管の途中に、板状の誘導性窓と凹凸板状体4とをスペーサを挟んでねじ止めで一体化して形成された、帯域通過フィルタ及び2次高調波の帯域阻止フィルタが記載されている。なお、特許文献3には、主導波管から結合孔を経て分岐された直方体のキャビティーを有してマイクロ波の進行を阻止するようにしたフィルタが記載されているが、このフィルタは基本波反射用であり、スプリアス阻止用とは無関係である。
特開昭60−191501号公報 特許第4030900号公報 特開昭52−15250号公報
特許文献1では、導波管内に挿入されている金属突起に電界が集中するため、耐電力(耐電界強度)が低下し、放電を起こしやすい。また、挿入された金属突起によって電流の集中が起きるため基本波の挿入損失が大きくなる。さらに、接続箇所に金属箔を挟持する構成では、十分な効果を得るためには、金属箔を複数枚重ねて用いることが好ましいが、そうすると加工が複雑となり、高精度の加工が要求され、コストも高くなる。また、特許文献2では、凹凸板、2枚のスペーサ及び2枚の誘導性窓という多数の部材が必要であり、部品点数が増えることで、コストが増加し、製造効率も低下するといった問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、導波管内に突出する構造を持つことなく、簡易な構造でありながら2次高調波を効果的に抑制する2次高調波遮断フィルタ及びレーダ装置を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、断面方形の導波路を有する導波管の断面長尺側の内壁面の少なくとも一方面に凹部を有し、前記凹部は、管軸方向に直交する方向に延設され、かつ管軸方向の寸法が基本波の管内波長に比して短いことを特徴とするものである。
この発明によれば、導波路を伝搬する電磁波のうち2次高調波成分は凹部に入り込み、この凹部の底面で反射して入射波と逆位相となり、伝搬が阻止される。従って、従来のように、導波路内に突出する構造がないため、所望の耐電力の維持が図れ、また、基本波に対する挿入損失の抑制が図れる。さらに構造が簡易であるため、作業性の向上とコストダウンが実現し得る。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、両方の前記内壁面に対向して設けられていることを特徴とする。この構成によれば、凹部が一方の内壁面に設けられた場合でも、高調波を所定レベルまで抑制することが可能となり、かつ横断面サイズを小型化することが可能となるが、凹部が両方の内壁面に設けられた場合、充分なレベルまで高調波を抑制することが可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、直方体形状を有する。この構成によれば、TE10,TE20モードに対しては、凹部が一定の高さであることによってλ/4(λ:第2高調波の管内波長)に一致させ易く、高調波の抑制が効果的に行われる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、前記導波路の断面長尺方向の一部域に形成されていることを特徴とする。この構成によれば、TE10,TE20モードにおいて、基本波をそのまま通過させることが可能となる。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、前記断面長尺方向の幅寸法が前記基本波の管内波長の1/2以下であることを特徴とする。この構成によれば、凹部の幅寸法が基本波の管内波長の1/2以下であるので、凹部に基本波が入り込んで損失を生じるということがなくなり、基本波の損失が低減される。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、前記断面長尺方向に複数個設けられていることを特徴とする。この構成によれば、TE20モードにおける第2高調波を効果的に抑制することが可能となる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、前記断面長尺方向の中心に対して左右対称である。この構成によれば、TE10モードに対応するべく1個の凹部が形成された態様では、主にTE10モードにおける第2高調波が抑制され、TE20モードに対応するべく2個の凹部が形成された態様では、主にTE20モードにおける第2高調波が抑制される。
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、第1、第2の凹部を有し、第1の凹部は、前記断面長尺方向の中心に近く、第2の凹部は、前記断面長尺方向の一方端に近いことを特徴とする。この構成によれば、前記第1の凹部、前記第2の凹部の前記断面長尺方向の位置を変更することで、TE10モード、TE20モードの抑圧量を調整することが可能となる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の高調波遮断フィルタにおいて、前記凹部は、高さが前記断面長尺方向で異なることを特徴とする。この構成によれば、凹部の高さがTM11モードにおける電界強度分布に応じることでTM11モードにおける第2高調波を効果的に抑制することが可能となる。
請求項10記載の発明は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、前記マイクロ波発生装置から発生されたマイクロ波の2次高調波の通過を遮断する請求項1〜9のいずれかに記載の高調波遮断フィルタとを空中線部に備えたレーダ装置である。この発明によれば、マイクロ波発生装置から発生されたマイクロ波のうち、第2高調波等のスプリアスがレーダ装置の空中線(アンテナ)から外方に放出されることが抑制される。
本発明によれば、導波管内に突出する構造をなくして所望の耐電力の維持と、基本波に対する挿入損失の抑制を図り、さらに構造簡易にして作業性の向上とコストダウンを実現する高調波遮断フィルタが提供できる。
本発明に係る高調波遮断フィルタの第1実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はI−I矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す斜視図である。 TE10モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。 本発明に係る高調波遮断フィルタの第2実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はIII−III矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す分解斜視図である。 TE20モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。 本発明に係る高調波遮断フィルタの第3実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はV−V矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す分解斜視図である。 TM11モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。 高調波遮断フィルタの第4実施形態の構成を説明するための、導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図である。 高調波遮断フィルタの第5実施形態の構成を説明するための斜視図である。 本発明に係る高調波遮断フィルタが適用されるレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。
図9は、本発明に係る高調波遮断フィルタが適用されるレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。レーダ装置の空中線部は、例えば9.4GHzのマイクロ波を基本波として発振するマイクロ波発生源としてのマグネトロン51を有する。パルス駆動回路52は、マグネトロン51を所定周期で間歇駆動させて所定幅を有するパルス状の送信信号を生成するものである。サーキュレータ53は、マグネトロン51からのパルス状の送信信号を所定の回路側へ伝搬するものである。終端器54は、サーキュレータ53に接続され、不要波長成分を消費させるものである。高周波遮断フィルタ1は、基本波に対する高調波の通過を抑制するものである。高周波遮断フィルタ1で反射された高調波は、サーキュレータ53を経て終端器54へ導かれて消費され、これによりマグネトロン51が保護されている。
サーキュレータ55は、送信信号を送信側へ伝搬し、受信信号を受信側へ伝搬するためのものである。ロータリージョイント56は、静止系と回転系とを電気的に接続するためのものである。空中線(アンテナ)57は、図略のモータで定速回転させられるもので、送信信号を探知用の電波パルスとして空中へ向けて送信するものである。高周波遮断フィルタ1によって高調波が遮断されているため、アンテナ57から高調波がスプリアスとして放出されることがなくなる。リミッタ58は、後段の回路を保護するべくアンテナ57で受波された信号を所定レベルまでリミット処理を施すものである。リミッタ58は、リミット処理された信号を受信回路59に導く。なお、マグネトロン51〜アンテナ57までは少なくとも導波管で構成された空中線部として構成されている。
図1は、本発明に係る高調波遮断フィルタの第1実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はI−I矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す分解斜視図である。
導波路201は、本実施形態では横断面すなわちE面が方形状を有し、互いに直交する4つの側面から形成され、矢印A方向に電磁波を伝搬するものである。4つの側面は、断面長尺側の内壁面201a,201aと断面短尺側の内壁面201b,201bである。両内壁面201aは、互いに対向する位置からそれぞれ外方に立設され、かつ管軸方向に直交する方向に長尺に延設された凹部301,401を有する。凹部301,401は、本実施形態では直方体で、同一形状を有している。凹部301,401は、管軸方向に空隙寸法Lを有すると共に、導波路201の断面長尺方向に幅W、内壁面201aからの立直寸法すなわち高さDを有する。
図1(b)には、導波路201を伝搬する電磁波のTE10モードにおけるE面の電界強度分布が破線で示されている。TE10モードにおける電界強度は、内壁面201aの断面長尺方向の中心部分が最も高く、左右側に向けて漸次低下している。また、電界強度分布は、断面長尺方向の中心に対して左右対称であるため、凹部301,401も、断面長尺方向の中心に対して左右対称に形成されている。
図1(c)において、高調波遮断フィルタは、アルミニウム等の導電性金属からなり、空隙寸法Lに等しい厚みを有する直方体形状の導波管部11aを主体としている。導波管部11aは、その内部に図1(a),(b)に示す導波路201(201a,201b)及び凹部301,401が穿設されている。そして、導波管部11aは、管軸方向の両側で導波管部11b、11cと接続され、これによって高調波遮断フィルタを有する導波管11として構成される。
図2は、基本周波数が9.4GHz(管内波長44.4mm)で、幅Wが11.5mm、空隙寸法Lが2.0mm、高さDが4.6mmに設計されたときのTE10モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。高調波遮断フィルタを前記寸法とすることで、基本周波数の2次高調波(2倍波)である19.8GHz付近の周波数(設計周波数)で効率よくトラップするように設計され、図2に示すように、約−50dBの減衰が得られている。
空隙寸法Lは、減衰量に影響を与える。空隙寸法Lが短いときは、2次高調波は減衰する一方、基本波はほとんど影響されない。空隙寸法Lが長くなる程、2次高調波をより減衰させることができる一方、長すぎると、基本周波数の電磁波も一層減衰させてしまうため、使用可能な寸法としては、基本波の管内波長の1/80〜1/10程度である。好ましい寸法は、製造精度等も加味して略1/20である。空隙寸法Lが前記1/80より小さいと、2次高調波が凹部301,401に入り込まなくなって減衰量が必要レベル以上確保できない。一方、空隙寸法Lが1/10より大きいと、基本波の損失が大きくなり過ぎて実用に供し得なくなる。
また、幅W、高さDは、減衰量にも多少の影響を与える一方、主には設計周波数を変動させる。すなわち、導波路201内に発生する2次高調波の周波数に一致させて幅W、高さDが設計されていると、最大効率で2次高調波を減衰させることが可能となる。一方、幅W、高さDが、2次高調波の周波数からずれた寸法に設定されていると、その分減衰効率が低下する。具体的には、高さDを2次高調波の波長の1/4程度に設計すると、凹部301(401も同じ)に入り込んだ電磁波は凹部301の底面で反射され、この反射波が入力波に対して逆位相になるため、導波路201内で2次高調波の伝搬が阻止される。また、幅Wを基本波に対しては凹部301(401)への入り込みを抑制し、第2高調波に対しては通過域となるように寸法設定すると、基本波の減衰はより小さく、2次高調波を含む高次高調波のみに効果的な減衰を与えることが可能となる。具体的には、幅Wを基本波の管内波長の1/2以下にして基本波の減衰を抑圧し、また、基本周波数の2次高調波(2倍波)の管内波長の1/2以上にして第2高調波に対して通過域とする。
このように、第1実施形態では、導波路201の途中に凹部を形成するのみで、簡易な形状、かつ小型の帯域阻止フィルタを構成することができる。従って、製造コスト、部品コストが低廉化される。また、導波路201内に突起が存在しないため、耐電力が高く、しかも、基本波の電磁界を乱さないことから、基本波における挿入損失が抑制される。
次に、図3は、本発明に係る高調波遮断フィルタの第2実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はIII−III矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す分解斜視図である。導波路201は、主要モードであるTE10モードで電磁波が伝搬する一方、高調波については主要モード以外のモード、例えばTE20モードが併存する。従って、このTE20モードに対しても2次高調波の減衰対策を講じておくことが好ましい。
第2実施形態は、第1実施形態と比べ、導波路201は同一形状である一方、図3に示すように、凹部が各内壁面201aに1対設けられている点で相違している。両内壁面201aは、互いに対向する位置からそれぞれ外方に立設された凹部3021,3022及び凹部4021,4022を有する。凹部3021,3022及び凹部4021,4022は、断面長尺方向にそれぞれ所定間隔を置いて直列に設けられており、本実施形態では直方体で、かつ全て同一形状を有している。
以下、凹部3021,3022を代表して説明すると、凹部3021,3022は、管軸方向に空隙寸法L、導波路201の断面長尺方向に幅W、及び内壁面201aからの立直寸法すなわち高さDを有する。なお、凹部3021,3022は、内壁面201aの断面長尺方向の中心位置から互いに逆側へ距離dだけ離間している(すなわち、凹部3021と凹部3022とは距離2dだけ離間している。)。
図3(b)には、導波路201を伝搬する電磁波のTE20モードにおけるE面の電界強度分布が破線で示されている。電界強度分布は、内壁面201aの断面長尺方向の中心と両端に“節”を、その間に“腹”を有している、すなわち、電界強度は、内壁面201aの断面長尺方向の一端から、1/4の位置と3/4の位置とで高い。従って、凹部3021,3022は、断面長尺方向の一端から1/4の位置と3/4の位置の2箇所を中心にして各々形成されている。
図3(c)に示す高調波遮断フィルタは、アルミニウム等の導電性金属からなり、空隙寸法Lに等しい厚みを有する直方体形状の導波管部12aを主体としている。導波管部12aは、その内部に図3(a),(b)に示す導波路201(201a,201b)及び凹部3021,3022,4021,4022が穿設されている。そして、導波管部12aは、管軸方向の両側で導波管部12b、12cと接続され、これによって高調波遮断フィルタを有する導波管12として構成される。
図4は、基本周波数が9.4GHz(管内波長44.4mm)で、幅Wが9.0mm、空隙寸法Lが3.0mm、高さDが7.4mm、離間距離2dが2.45mmに設計されたときのTE20モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。高周波遮断フィルタを前記寸法とすることで、TE20モードでは、基本周波数の2次高調波(2倍波)である19.8GHz付近の周波数(設計周波数)で効率よくトラップするように設計され、図4に示すように、約−40dBの減衰が得られている。また、周波数13GHz辺りにカットオフ周波数が設定されている。
次に、図5は、本発明に係る高調波遮断フィルタの第3実施形態の構成を説明するための図で、(a)は導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図、(b)はV−V矢視図、(c)は高調波遮断フィルタを含む導波管の構造の一例を示す分解斜視図である。導波路201は、主要モードであるTE10モード(高次モード)で電磁波が伝搬する一方、高調波については主要モード以外のモード、例えばTM11モード(高次モード)が併存する。従って、このTM11モードに対しても2次高調波の減衰対策を講じておくことが好ましい。
第3実施形態は、第1,2実施形態と比べ、導波路201は同一形状である一方、図5に示すように、凹部が階段状である点で相違している。すなわち、凹部303,403は、本実施形態では、2段階構成を有し、両者は同一形状である。凹部303を代表して説明すると、1段目の下凹部3031は、ここでは内壁面201aの断面長尺方向の全域に亘って形成されている。2段目の上凹部3032は、下凹部3031の底面から外方に向けて連通され、その断面長尺方向の一部に設けられている。下凹部3031と上凹部3032は、本実施形態ではいずれも直方体で、等しい空隙寸法Lを有し、かつ高さD1,D2はほぼ等しい。また、本実施形態では、上凹部3032は、下凹部3031の幅W1の略1/2の幅W2を有し、また、断面長尺方向で下凹部3031と中心が一致するようにされている。なお、下凹部3031及び上凹部3032の形状は、上記に限定されず、電界強度分布に則して適宜の形状が採用可能である。また、下凹部3031は、内壁面201aの断面長尺方向の全域でなく、両端部分を一部除いて形成されていてもよい。
図5(b)には、導波路201を伝搬する電磁波のTM11モードにおけるE面の電界強度分布が破線で示されている。電界強度分布は、導波路201の横断面中心から内壁面201a、201bに向かって放射状に伸びている。この場合、中心から壁面までの距離が短いほど電界強度が高いことになる。すなわち、内壁面201aの断面長尺方向の中心が最も高く、そこから断面長尺方向の両端に向かうほど漸次低くなる。そこで、この電界強度分布に可及的に沿わせるべく、幅Wが内壁面201aの断面長尺方向の寸法に一致する下凹部3031が内壁面201aに形成され、さらにその外方に、断面長尺方向の中心を一致させて上凹部3032が形成されている。
図5(c)に示す高調波遮断フィルタは、アルミニウム等の導電性金属からなり、空隙寸法Lに等しい厚みを有する直方体形状の導波管部13aを主体としている。導波管部13aは、その内部に図5(a),(b)に示す導波路201(201a,201b)及び凹部303(下凹部3031と上凹部3032)、403(下凹部4031と上凹部4032)が穿設されている。そして、導波管部13aは、管軸方向の両側で導波管部13b、13cと接続され、これによって高調波遮断フィルタを有する導波管13として構成される。
図6は、基本周波数が9.4GHz(管内波長44.4mm)で、空隙寸法Lが2.0mm、幅W1が22.9mm、幅W2が11.5mm、高さD1が2.0mm、高さD2が2.5mmに設計されたときのTM11モードの減衰特性を示すシミュレーションデータ図表である。高周波遮断フィルタを前記寸法とすることで、TM11モードでは、基本周波数の2次高調波(2倍波)である19.8GHz付近の周波数(設計周波数)で効率よくトラップするように設計され、図6に示すように、TM11モードでは、約−25dBの減衰が得られている。また、周波数14GHz辺りにカットオフ周波数が設定されている。
なお、図5では、下凹部3031と上凹部3032との形状関係について、高さD1,D2を略等しくし、また、幅W1,W2を1対2として説明したが、これに限定されず、設計周波数及び設計減衰量となるように、高さD1、D2、及び幅W1、W2をそれぞれ所定寸法に設定することが好ましい。また、図5では、2段階の凹部303を示したが、2段階に限定されず、3段階又はそれ以上の段数でもよい。さらに、階段状に限定されず、高さが断面長尺方向に対して連続する曲面であってもよい。
図7は、高調波遮断フィルタの第4実施形態の構成を説明するための、導波路と凹部との関係を示す透視状の斜視図である。第4実施形態に係る高調波遮断フィルタは、図3に示す、第2実施形態の高調波遮断フィルタを変形したものである。
図3と同様に、両内壁面201aは、互いに対向する位置からそれぞれ外方に立設された凹部3041,3042及び凹部4041,4042を有する。凹部3041,3042及び凹部4041,4042は、断面長尺方向にそれぞれ所定間隔を置いて直列に設けられており、本実施形態では直方体である。
以下、凹部3041,3042を代表して説明すると、凹部3041,3042は、電磁波の伝搬方向に空隙寸法L、導波路201の内壁面201aの断面長尺方向に幅W、及び内壁面201aからの立直寸法すなわち高さDを有する。図7に示すように、断面長尺方向の右側の凹部3041は、内壁面201aの右端寄りに位置している。一方、図7に示すように、断面長尺方向の左側の凹部3042は、凹部3041の左端に所与の間隔を置いて近接するように、右寄りに位置している。すなわち、凹部3042は、凹部3042の右端が内壁面201aの断面長尺方向の中心位置に略一致乃至は右側に進入している。
電界強度分布は、TE10モードでは、図1に示すように、内壁面201aの断面長尺方向の中心で最も強く、一方、TE20モードでは、図3に示すように右端から1/4の位置と3/4の位置で最も強い。そうすると、いわゆる中心寄りの凹部3042は、TE20モードに対しては電界強度の高い3/4の位置から外れているため低くなる一方、TE10モードに対するトラップ効果は強くなる。また、右端寄りの凹部3041は、TE10モードに対しては電界強度の高い中心位置から外れているため低くなる一方、TE20モードの2次高調波に対するトラップ効果は強くなる。このように各モードに対応させて凹部を断面長尺方向に併設することで、両モードの減衰量が適宜調整された兼用タイプを提供することが可能となる。なお、凹部3041,3042は必ずしも同一形状である必要はなく、着目するモードに対する設計周波数及び設計減衰量を考慮して適宜形状設計されてもよい。
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
(1)第1実施形態における凹部301,401は同一形状でなくてもよく、個別に適宜の形状が採用可能である。
(2)各実施形態では、両側の内壁面201aに凹部を設けたが、少なくとも一方の内壁面201aに設けられていれば足りる。
(3)第2実施形態における凹部3021,3022は2個も受ける必要は必ずしもなく、いずれか1個であってもよい。
(4)各実施形態では、導波管の中実部を穿設して導波路201及び凹部301〜404を作製したが、これに限らず、内壁面201a(H面)に平行な面で均等な半割れ構造として作製してもよい。このように、金属体の内空間に導波路と共に凹部を設ける態様が好ましい。あるいは、導波路が穿設された導波管に凹部を取り付ける構造としてもよい。具体的には、導波路が穿設された導波管の対向する壁面の天井から所定のサイズ(空隙寸法L、幅W)で切り込んで導波路からの開口を穿設し、この開口部に空隙寸法L,幅W,高さDみからなる直方体状の箱体であって、空隙寸法Lの一面のみが開口した箱体を接合するようにして作成してもよい。
(5)各実施形態では、導波管部11a,12a,13aを各モードに対応したものとして構成したが、これらを適宜組み合わせて異なるモードの不要波を除去する構成とすることも可能である。図8は、この組合せ一例を示すもので、高調波遮断フィルタの第5実施形態の構成を説明するための斜視図である。この図8に示すように、一方(上側)の内壁面201aにTE10モード用の凹部301を設けると共に、他方(下側)の内壁面201aにTE20モード用の凹部4021,4022を設けてもよい。また、導波管部11a,12a,13aを組み合わせる場合、導波管部11a,12a,13aを管軸方向において直接連接させず、所定間隔を置いて(間に導波管を挟んで)配置することで、互いに干渉の発生を規制して所望の特性を得るようにすればよい。
1 高調波遮断フィルタ
11,12,13 導波管
11a〜13c,14a 導波管部
201 導波路
201a,201b 内壁面
301,3021,3022,3041,3042,401,4021,4022,4041,4042 凹部
3031,4031 下凹部
3032,4032 上凹部
L 空隙寸法
W 幅
D 高さ
51 マグネトロン(マイクロ波発生装置)

Claims (10)

  1. 断面方形の導波路を有する導波管の断面長尺側の内壁面の少なくとも一方面に凹部を有し、前記凹部は、管軸方向に直交する方向に延設され、かつ管軸方向の寸法が基本波の管内波長に比して短いことを特徴とする高調波遮断フィルタ。
  2. 前記凹部は、両方の前記内壁面に対向して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高調波遮断フィルタ。
  3. 前記凹部は、直方体形状を有する請求項1又は2に記載の高調波遮断フィルタ。
  4. 前記凹部は、前記導波路の断面長尺方向の一部域に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高調波遮断フィルタ。
  5. 前記凹部は、前記断面長尺方向の幅寸法が前記基本波の管内波長の1/2以下であることを特徴とする請求項4に記載の高調波遮断フィルタ。
  6. 前記凹部は、前記断面長尺方向に複数個設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高調波遮断フィルタ
  7. 前記凹部は、前記断面長尺方向の中心に対して左右対称である請求項1〜6のいずれかに記載の高調波遮断フィルタ。
  8. 前記凹部は、第1、第2の凹部を有し、第1の凹部は、前記断面長尺方向の中心に近く、第2の凹部は、前記断面長尺方向の一方端に近いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高調波遮断フィルタ。
  9. 前記凹部は、高さが前記断面長尺方向で異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高調波遮断フィルタ。
  10. マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、前記マイクロ波発生装置から発生されたマイクロ波の2次高調波の通過を遮断する請求項1〜9のいずれかに記載の高調波遮断フィルタとを空中線部に備えたレーダ装置。
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