JP2003008309A - マイクロ波帯干渉防止パッケージ - Google Patents

マイクロ波帯干渉防止パッケージ

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JP2003008309A
JP2003008309A JP2001191560A JP2001191560A JP2003008309A JP 2003008309 A JP2003008309 A JP 2003008309A JP 2001191560 A JP2001191560 A JP 2001191560A JP 2001191560 A JP2001191560 A JP 2001191560A JP 2003008309 A JP2003008309 A JP 2003008309A
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cavity
slit
band interference
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パッケージ内を伝播する電磁波を抑圧するマイ
クロ波帯干渉防止パッケージを提供する。 【解決手段】パッケージ1は高周波回路素子である増幅
器6,8を内部に実装する。カバー2は増幅器6,8を
封止するようにパッケージ1と接合する。スリット3は
カバー2に設けられ、パッケージ1上部に配置されたキ
ャビティ4を形成する。吸収体5はキャビティ4に設置
され電磁波を吸収する。増幅器6,8はパッケージ1に
実装された高周波回路素子である。入出力端子7,9は
増幅器6,8の各々に設けられ、高周波信号を入出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波帯干渉防
止パッケージに関し、特にパッケージ上部に配置された
キャビティとその内部に設置された吸収体により、パッ
ケージ内を伝播する電磁波を抑圧するマイクロ波帯干渉
防止パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロ波やミリ波の周波数帯
域に対して有効なパッケージ構造として、誘電体を材料
としたカバーで封止し、この誘電体カバーと電気シール
ドのためのキャップとの間に電波吸収帯を装着したパッ
ケージが用いられる。
【0003】しかしながら、このような構造の場合に
は、高利得をもつ増幅器のように同一周波数での電力差
が入力と出力との間で大きい場合、導体壁の幅が導波管
の伝播モードのカットオフ周波数以下であると、入出力
間で帰還がかかり発振や周波数特性が劣化する場合があ
る。特にマイクロ波帯の増幅器を収めるような金属パッ
ケージの場合、パッケージ内を伝播する導波管モードに
より、パッケージに納められた増幅器の出力端子から放
射した電磁波が増幅器の入力端子に戻り、発振や特性劣
化を起こす。これを防ぐためにパッケージの横幅Wを絞
り、導波管モードの発生周波数を使用周波数帯域より高
くする方法があるが、この場合、パッケージの横幅Wを
導波管カットオフとする周波数以上ではパッケージ内で
電磁波の空間伝播が生じて、増幅器等を実装した場合に
発振し、特性が劣化することになる。
【0004】最近のデバイスや装置の小型化により高利
得の増幅器を一つのパッケージやハウジングに収める必
要性が増加しており、特にマイクロ波の領域では、前述
の通りパッケージ内での電磁波の伝播により発振や特性
劣化(利得や位相の周波数特性劣化など)が生じる問題
がある。
【0005】一般的な対策として前述したようにパッケ
ージの幅を狭くする方法が取られているが、実際の物作
りにおいては実装するデバイスの幅の制約を受け、充分
に狭くすることが困難な場合が多いのが実情である。
【0006】このようなパッケージ内の電磁干渉防止技
術の一例として、特開平10−209774号公報記載
の「マイクロ波増幅器」が知られている。
【0007】この公報では、入出力整合回路と、マイク
ロ波増幅素子と、これらを内部に収容するパッケージ金
属導体及びその上蓋とから構成され、金属パッケージの
上蓋にスリットを設け、このスリットを誘電体や電波吸
収体で充填させ、スリット長を短くすることでマイクロ
波増幅素子のアイソレーション特性を改善し、不要発振
を除去する技術が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のマイク
ロ波帯干渉防止パッケージは、高利得の増幅器を一つの
パッケージやハウジングに収める必要性が増加している
最近の傾向を考慮すると、高利得をもつ増幅器のように
同一周波数での電力差が入力と出力との間で大きい場合
に、導体壁の幅が導波管の伝播モードのカットオフ周波
数以下であると入出力間で帰還がかかり、特にマイクロ
波の領域ではパッケージ内での電磁波の伝播により発振
や特性劣化(利得や位相の周波数特性劣化など)が生じ
るという欠点を有している。
【0009】本発明の目的は、パッケージのカバー部に
設けたスリットを介することで、パッケージの横幅を導
波管カットオフとする周波数以上においても、キャビテ
ィとその内部に設置された吸収体によりパッケージ内を
伝播する電磁波を抑圧するマイクロ波帯干渉防止パッケ
ージを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波帯干
渉防止パッケージは、マイクロ波帯干渉防止パッケージ
において、パッケージ上部に配置されたキャビティと、
このキャビティ内部に設置された電磁波吸収体とによ
り、パッケージ内を伝播する電磁波を抑圧することを特
徴としている。
【0011】複数の増幅器と、これら増幅器が実装され
たパッケージと、このパッケージ上の前記複数の増幅器
を封止するように前記パッケージと接合するカバーと、
このカバーに設けたスリットと、このスリットを介して
前記パッケージの上部に配置されたキャビティと、この
キャビティに設置された電磁波吸収体と、前記複数の増
幅器の各々に設けた信号の入出力端子とを備えたことを
特徴としている。
【0012】前記キャビティのスロット幅が、前記パッ
ケージの横幅より大きいことを特徴としている。
【0013】また、複数の増幅器と、これら増幅器が実
装されたパッケージと、このパッケージ上の前記複数の
増幅器を封止するように前記パッケージと接合するカバ
ーと、このカバーに設けたスリットと、このスリットを
介して前記パッケージの上部に配置されたキャビティ
と、このキャビティの上面に設置された第1の電磁波吸
収体と、前記キャビティの下面にあって前記スリットを
形成するフランジに設置された第2の電磁波吸収体と、
前記複数の増幅器の各々に設けた信号の入出力端子とを
備えたことを特徴としている。
【0014】前記パッケージの材質が、金属であること
を特徴としている。
【0015】前記パッケージの材質が、セラミックスで
あることを特徴としている。
【0016】前記パッケージの材質が、プラスチックで
あることを特徴としている。
【0017】なお、前記スリットの形状が、十字である
ことを特徴としている。
【0018】前記スリットの形状が、円形であることを
特徴としている。
【0019】前記スリットの形状が、楕円形であること
を特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明のマイクロ波帯干渉防止パッ
ケージの一つの実施の形態を示す構造図である。
【0022】図1(a)は2台の増幅器を組み込んだパ
ッケージの側面図を示し、図1(b)はA−A’断面図
を、図1(c)はB−B’断面図を、図1(d)はC−
C’断面図を示す。
【0023】図1に示す本実施の形態は、高周波回路素
子である2台の増幅器6,8と、これら増幅器6,8が
実装されたパッケージ1と、このパッケージ1上の増幅
器6,8を封止するようにパッケージ1と接合するカバ
ー2と、このカバー2に設けたスリット3と、このスリ
ット3を介してパッケージ1の上部に配置されたキャビ
ティ4と、このキャビティ4に設置された電磁波を吸収
する吸収体5と、増幅器6,8の各々に設けた信号の入
出力端子7,9とから構成されている。
【0024】次に、図1を参照して本実施の形態の動作
をより詳細に説明する。
【0025】カバー2には空洞としてのキャビティ4が
あり、ここで電磁波の共振によりエネルギーが蓄積され
る。キャビティ4にはスリット3がありパッケージ1の
内部と電磁気的に結合しており、パッケージ1内を伝播
する電磁波のエネルギーがキャビティ4内に一部引き込
まれる。キャビティ4内に電磁波のエネルギーが蓄積さ
れるが、電磁波吸収用の吸収体5があることにより熱エ
ネルギーへと変換されるため、パッケージ1内へ戻る電
磁波のエネルギーは減少する。従って、パッケージ1の
内部を伝播しようとする電磁波の一部がカバー2のキャ
ビティ4内で減衰することにより、パッケージ1内を伝
播する電磁波が減衰するとになる。
【0026】図1(d)を参照すると、パッケージ1の
横幅寸法はW(m)であり、縦幅寸法はL(m)であ
る。
【0027】また、図1(b)、図1(c)を参照する
と、キャビティ4のスロット幅はパッケージ1の横幅寸
法Wと同一である。
【0028】例えば、使用周波数f1(Hz)におけ
る、増幅器6の利得がG1、増幅器8の利得がG2であ
るとき、パッケージ1の横幅寸法W(m)は導波管モー
ドでパッケージ1内を伝播する電磁波を抑圧するため、
(1)式で求められるカットオフ長(m)の値以下の寸
法にする必要がある。
【0029】
【数1】
【0030】W<c/(f1×2)の場合でも、Wの関
数で、かつパッケージ1の縦幅寸法L(m)に比例し
て、パッケージ内を伝播する電磁波の減衰量が決まるの
で、その減衰量が増幅器6,8の利得であるG1+G2
以下でなければならない。
【0031】Wを小さくするとこの減衰量は大きくとれ
るが、増幅器6,8の形状寸法幅が大きい場合や、使用
周波数帯域f1が高い場合は、充分にWを小さくするこ
とが困難となる。
【0032】このため、カバー2の構造を、スリット
3、キャビティ4、吸収体5により図1(a)のように
構成している。
【0033】図2は本発明のマイクロ波帯干渉防止パッ
ケージによる電磁界解析結果の1例を示す図である。
【0034】縦軸はパッケージの空間の通過特性を示
し、横軸は周波数を示している。
【0035】図2を参照すると、点線は従来使用されて
いる何も細工のないカバーの特性であり、この場合パッ
ケージのカットオフ周波数以上の周波数ではパッケージ
内の通過損失が0dBであるため、パッケージ内を電磁
波が伝播してしまうことを示している。
【0036】一方、実線は本発明によるカバーの特性
で、パッケージのカットオフ周波数以上でも通過損失が
あり、電磁波のパッケージ内伝播が抑圧されていること
が分かる。
【0037】図3は本発明のマイクロ波帯干渉防止パッ
ケージの第2の実施の形態を示す構造図である。
【0038】図3(a)は2台の増幅器を組み込んだパ
ッケージの側面図を示し、図3(b)はA−A’断面図
を、図3(c)はB−B’断面図を、図3(d)はC−
C’断面図を示す。
【0039】なお、図3において図1に示す構成要素に
対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その
説明を省略する。
【0040】図3に示す本実施の形態は、高周波回路素
子である2台の増幅器6,8と、これら増幅器6,8が
実装されたパッケージ1と、このパッケージ1上の増幅
器6,8を封止するようにパッケージ1と接合するカバ
ー2と、このカバー2に設けたスリット3と、このスリ
ット3を介してパッケージ1の上部に配置されたキャビ
ティ4と、このキャビティ4に設置された電磁波を吸収
する吸収体5と、増幅器6,8の各々に設けた信号の入
出力端子7,9とから構成されている。
【0041】図3を参照すると、パッケージの横幅の一
部を広げて、キャビティ4のスロットの幅W’をパッケ
ージ1の幅Wより広くしている。
【0042】図4は本発明のマイクロ波帯干渉防止パッ
ケージの第3の実施の形態を示す構造図である。
【0043】図4(a)は2台の増幅器を組み込んだパ
ッケージの側面図を示し、図4(b)はA−A’断面図
を、図4(c)はB−B’断面図を、図4(d)はC−
C’断面図を示す。
【0044】図4に示す本実施の形態は、高周波回路素
子である増幅器6,8と、これら増幅器6,8が実装さ
れたパッケージ1と、このパッケージ1上の高周波回路
素子を封止するようにパッケージ1と接合するカバー2
と、このカバー2に設けたスリット3と、このスリット
3を介してパッケージ1の上部に配置されたキャビティ
4と、このキャビティ4の上面に設置された電磁波を吸
収する吸収体5と、このキャビティ4の下面にあってス
リット3を形成するフランジに設置された吸収体10
と、増幅器6,8の各々に設けた信号の入出力端子7,
9とから構成されている。
【0045】なお、図4において図1に示す構成要素に
対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その
説明を省略する。
【0046】図4を参照すると、スリット3を形成する
フランジの部分を吸収体10にすることで、抑圧の周波
数範囲をさらに広げている。
【0047】なお、スリット3の形状を十字や円形、楕
円にすることなどにより、キャビティ4と結合させるこ
とも可能である。
【0048】また、金属パッケージの代わりにセラミッ
クやプラスチックなどの材料を用いたパッケージやハウ
ジングでもよい。
【0049】図5は図4のマイクロ波帯干渉防止パッケ
ージによる電磁界解析結果の1例を示す図である。
【0050】縦軸はパッケージの空間の通過特性を示
し、横軸は周波数を示している。
【0051】図5を参照すると、点線は従来使用されて
いる何も細工のないカバーの特性であり、この場合パッ
ケージのカットオフ周波数以上の周波数ではパッケージ
内の通過損失が0dBであるため、パッケージ内を電磁
波が伝播してしまうことを示している。
【0052】一方、実線は本発明によるカバーの特性
で、パッケージのカットオフ周波数以上でも通過損失が
あり、電磁波のパッケージ内伝播が抑圧されていること
が分かる。
【0053】上述の通り、パッケージ1のカバー2に設
けられたスリット3を介して、パッケージ1の上部に配
置されたキャビティ4とキャビティ4の内部に設置され
た電磁波を吸収する吸収体5または吸収体10により、
パッケージ1内を伝播する電磁波を抑圧することができ
る。
【0054】また、パッケージ1の横幅Wを導波管カッ
トオフとする周波数以上においても、パッケージ内の電
磁波の伝播を抑えることが可能となる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
波帯干渉防止パッケージは、パッケージ内を伝播する電
磁波を効果的に減衰させることができるので、高利得の
増幅器を高密度実装してパッケージを小型化にできると
いう効果を有している。
【0056】また、従来パッケージの幅により制約され
ていた使用周波数範囲を広げることが可能であるという
効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波帯干渉防止パッケージの一
つの実施の形態を示す構造図である。
【図2】本発明のマイクロ波帯干渉防止パッケージによ
る電磁界解析結果の1例を示す図である。
【図3】本発明のマイクロ波帯干渉防止パッケージの第
2の実施の形態を示す構造図である。
【図4】本発明のマイクロ波帯干渉防止パッケージの第
3の実施の形態を示す構造図である。
【図5】図4のマイクロ波帯干渉防止パッケージによる
電磁界解析結果の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 パッケージ 2 カバー 3 スリット 4 キャビティ 5 吸収体 6 増幅器 7 入出力端子 8 増幅器 9 入出力端子 10 吸収体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波帯干渉防止パッケージにおい
    て、パッケージ上部に配置されたキャビティと、このキ
    ャビティ内部に設置された電磁波吸収体とにより、パッ
    ケージ内を伝播する電磁波を抑圧することを特徴とする
    マイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  2. 【請求項2】 複数の増幅器と、これら増幅器が実装さ
    れたパッケージと、このパッケージ上の前記複数の増幅
    器を封止するように前記パッケージと接合するカバー
    と、このカバーに設けたスリットと、このスリットを介
    して前記パッケージの上部に配置されたキャビティと、
    このキャビティに設置された電磁波吸収体と、前記複数
    の増幅器の各々に設けた信号の入出力端子とを備えたこ
    とを特徴とするマイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  3. 【請求項3】 前記キャビティのスロット幅が、前記パ
    ッケージの横幅より大きいことを特徴とする請求項2記
    載のマイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  4. 【請求項4】 複数の増幅器と、これら増幅器が実装さ
    れたパッケージと、このパッケージ上の前記複数の増幅
    器を封止するように前記パッケージと接合するカバー
    と、このカバーに設けたスリットと、このスリットを介
    して前記パッケージの上部に配置されたキャビティと、
    このキャビティの上面に設置された第1の電磁波吸収体
    と、前記キャビティの下面にあって前記スリットを形成
    するフランジに設置された第2の電磁波吸収体と、前記
    複数の増幅器の各々に設けた信号の入出力端子とを備え
    たことを特徴とするマイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  5. 【請求項5】 前記パッケージの材質が、金属であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のマイクロ
    波帯干渉防止パッケージ。
  6. 【請求項6】 前記パッケージの材質が、セラミックス
    であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    マイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  7. 【請求項7】 前記パッケージの材質が、プラスチック
    であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    マイクロ波帯干渉防止パッケージ。
  8. 【請求項8】 前記スリットの形状が、十字であること
    を特徴とする請求項2、3、4、5,6又は7記載のマ
    イクロ波帯干渉防止パッケージ。
  9. 【請求項9】 前記スリットの形状が、円形であること
    を特徴とする請求項2、3、4、5,6又は7記載のマ
    イクロ波帯干渉防止パッケージ。
  10. 【請求項10】 前記スリットの形状が、楕円形である
    ことを特徴とする請求項2、3、4、5,6又は7記載
    のマイクロ波帯干渉防止パッケージ。
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