JP2010250043A - 電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1フレーム期間よりも短い時間で液晶を応答させることで動画ボヤケを抑制することができる液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】1フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割する。1フレーム前の映像信号と現フレーム期間の映像信号との比較により、オーバードライブを用いた駆動を行うサブフィールド期間の組み合わせを決定する。このサブフィールド組み合わせ期間において液晶応答が完了するようにオーバードライブ駆動電圧を印加し、その後に現フレーム期間にて表示すべき階調に応じた駆動電圧を印加することで、1フレーム期間よりも短い期間に液晶応答を完結させることができる。
【選択図】図4
【解決手段】1フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割する。1フレーム前の映像信号と現フレーム期間の映像信号との比較により、オーバードライブを用いた駆動を行うサブフィールド期間の組み合わせを決定する。このサブフィールド組み合わせ期間において液晶応答が完了するようにオーバードライブ駆動電圧を印加し、その後に現フレーム期間にて表示すべき階調に応じた駆動電圧を印加することで、1フレーム期間よりも短い期間に液晶応答を完結させることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気光学装置に関する。
電気光学材料において、特に液晶は、電気的な変化に対する光学的な応答速度が遅い。このため、液晶の電気光学的な変化を用いて表示を行う電気光学装置では、CRTなどの他の表示装置と比較して動画の表示特性が悪い、という問題が指摘されている。そこで、画像データで指定される階調(電圧)を、ルックアップテーブルなどを用いて、1フレーム前の画像データで指定される階調に応じて補償を行うという、いわゆるオーバードライブと呼ばれる駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
図10(a)は、従来の駆動方法における駆動電圧を示す波形図であり、図10(b)は、液晶の光学応答を示す図である。駆動電圧g1(a)による液晶の光学応答g1(b)は単位フレーム期間内で完了しない場合があった。
特許文献1の駆動方法においては、1フレーム期間内で液晶応答が終了するようにオーバードライブ補正信号を決定しており、このときの駆動電圧は、駆動電圧g2(a)となり、液晶の光学応答は、光学応答g2(b)で示されるように、単位フレーム期間よりも長い液晶応答時間を単位フレーム期間長まで改善することができる。
オーバードライブ補正信号は、1フレーム期間において一定の電位に保たれているため、1フレーム期間よりも長い液晶応答時間をオーバードライブによって1フレーム期間よりも短くすることができない。
ここで、オーバードライブ補正信号は、1フレーム期間において一定の電圧値に設定されていたため、特許文献1の駆動方法において、駆動電圧g3(a)のようにオーバードライブ補正信号が大きすぎると、光学応答g3(b)に示すように、目標の透過率を超えてしまうオーバーシュートが発生してしまう。
1フレーム期間より短い応答時間になるようなオーバードライブ補正信号を選択すると、光学波形にオーバーシュートやアンダーシュートと呼ばれる現象が発生し、表示の視認性上好ましくない。
一般的に液晶は印加電圧が大きいほど応答時間が短くなるが、表示の視認性を保つためオーバードライブ補正信号は1フレーム期間に対してオーバーシュートやアンダーシュートが発生しない電圧を印加する必要があるため、液晶応答が最速となる部分を使いきれていないという課題があった。
特許文献1の駆動方法においては、1フレーム期間内で液晶応答が終了するようにオーバードライブ補正信号を決定しており、このときの駆動電圧は、駆動電圧g2(a)となり、液晶の光学応答は、光学応答g2(b)で示されるように、単位フレーム期間よりも長い液晶応答時間を単位フレーム期間長まで改善することができる。
オーバードライブ補正信号は、1フレーム期間において一定の電位に保たれているため、1フレーム期間よりも長い液晶応答時間をオーバードライブによって1フレーム期間よりも短くすることができない。
ここで、オーバードライブ補正信号は、1フレーム期間において一定の電圧値に設定されていたため、特許文献1の駆動方法において、駆動電圧g3(a)のようにオーバードライブ補正信号が大きすぎると、光学応答g3(b)に示すように、目標の透過率を超えてしまうオーバーシュートが発生してしまう。
1フレーム期間より短い応答時間になるようなオーバードライブ補正信号を選択すると、光学波形にオーバーシュートやアンダーシュートと呼ばれる現象が発生し、表示の視認性上好ましくない。
一般的に液晶は印加電圧が大きいほど応答時間が短くなるが、表示の視認性を保つためオーバードライブ補正信号は1フレーム期間に対してオーバーシュートやアンダーシュートが発生しない電圧を印加する必要があるため、液晶応答が最速となる部分を使いきれていないという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するように、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例に記載の電気光学装置は、走査線とデータ線との交点に対応して設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続され、該データ線から該スイッチング素子を介して電位が供給される画素電極と、対向電極と、該画素電極と該対向電極との間に発生する電界が印加される電気光学層と、走査線駆動回路とデータ線駆動回路とを制御する制御回路と、を備え、画像信号に基づく駆動電圧を前記画素電極と前記対向電極との間に印加して、前記電界を発生させることによって、前記電気光学層の透過光を制御し、複数の階調を表示する電気光学装置であって、フレーム期間は複数のサブフィールド期間に分割され、前記複数のサブフィールド期間のうち第1のサブフィールド期間では、第1の電圧が前記駆動電圧として選択され、前記複数のサブフィールド期間のうち第2のサブフィールド期間では、第2の電圧が前記駆動電圧として選択され、前記画像信号における現在のフレーム期間の画像データを現在画像データとし、前記現在のフレーム期間よりも1フレーム前のフレーム期間の画像データを前回画像データとしたとき、前記第1の電圧は、前記現在画像データと、前記前回画像データと前記現在画像データとの差分と、から導出された電圧であり、前記第2の電圧は、前記現在画像データに対応した電圧であり、前記フレーム期間において、前記第1のサブフィールド期間は前記第2のサブフィールド期間よりも前に配置されていることを特徴とする。
〔適用例2〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記フレーム期間において、前記第1のサブフィールド期間は、前記複数のサブフィールド期間のうち先頭に配置され、前記第1の電圧は、オーバードライブ駆動するための電圧であり、前記第1の電圧の絶対値として、予め定められた2つの値のうちいずれかの値が選択され、前記第2の電圧の絶対値として、前記複数の階調のうち前記現在のフレーム期間において表示すべき階調を指定するための画像データに対応した電圧の絶対値が選択され、前記第1の電圧の絶対値と前記第2の電圧の絶対値とは互いに異なることを特徴とする。
〔適用例3〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記複数の階調のうち最も暗い階調を最低階調とし、前記複数の階調のうち最も明るい階調を最高階調としたとき、前記予め定められた2つの値のうち一方は、前記最低階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値であり、他方は前記最高階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値であることを特徴とする。
〔適用例4〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記複数の階調のうち最も暗い階調を最低階調とし、前記複数の階調のうち最も明るい階調を最高階調としたとき、前記第1のサブフィールド期間の長さは、前記最低階調から前記最高階調への応答時間と前記最高階調から前記最低階調への応答時間のうち短い方よりも短いことを特徴とする。
〔適用例5〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記第1のサブフィールド期間と前記第2のサブフィールド期間との間に第3のサブフィールド期間をさらに有し、前記第3のサブフィールド期間では、第3の電圧が前記駆動電圧として選択され、前記現在画像データと、前記前回画像データと前記現在画像データとの差分と、に応じて、前記第1の電圧の絶対値と前記第2の電圧の絶対値とのうちのいずれかが前記第3の電圧の絶対値として選択されることを特徴とする。
〔適用例6〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記第3の電圧の絶対値は前記第1の電圧の絶対値と等しいことを特徴とする。
〔適用例7〕また、上記適用例に記載の電気光学装置において、前記第3の電圧の絶対値は前記第1の電圧の絶対値と異なることを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る電子機器としての液晶プロジェクターの概略構成を示すブロック図である。
液晶プロジェクター1000は、主に、光源1100と、ダイクロイックミラー1108a、ダイクロイックミラー1108bと、3枚の反射ミラー1106と、入射レンズ1122、リレーレンズ1123、出射レンズ1124と、液晶表示装置14R、液晶表示装置14G、液晶表示装置14Bと、クロスダイクロイックプリズム1112と、投射レンズ系1114と、を有する。なお、液晶プロジェクター1000は、液晶ライトバルブとして機能する3つの液晶表示装置14R、液晶表示装置14G、液晶表示装置14Bを用いた、3板式の投射型液晶装置として構成されている。
図1は、本実施形態に係る電子機器としての液晶プロジェクターの概略構成を示すブロック図である。
液晶プロジェクター1000は、主に、光源1100と、ダイクロイックミラー1108a、ダイクロイックミラー1108bと、3枚の反射ミラー1106と、入射レンズ1122、リレーレンズ1123、出射レンズ1124と、液晶表示装置14R、液晶表示装置14G、液晶表示装置14Bと、クロスダイクロイックプリズム1112と、投射レンズ系1114と、を有する。なお、液晶プロジェクター1000は、液晶ライトバルブとして機能する3つの液晶表示装置14R、液晶表示装置14G、液晶表示装置14Bを用いた、3板式の投射型液晶装置として構成されている。
光源1100は、照明装置に相当し、メタルハライド等のランプ1102とランプ1102の光を反射するリフレクター1101とから構成されている。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1108aは、光源1100からの白色光のうちの赤色光のみを透過させると共に、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1106で反射され、液晶表示装置14R(以下、「赤色用の液晶表示装置14R」とも呼ぶ。)に入射される。
一方、ダイクロイックミラー1108aで反射された光のうち、緑色光は、緑色光反射のダイクロイックミラー1108bによって反射され、液晶表示装置14G(以下、「緑色用の液晶表示装置14G」とも呼ぶ。)に入射される。一方、青色光は、ダイクロイックミラー1108bも透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123、出射レンズ1124を含むリレーレンズ系からなる導光手段1121が設けられ、これらを介して青色光が液晶表示装置14B(以下、「青色用の液晶表示装置14B」とも呼ぶ。)に入射される。
電気光学装置としての赤色用の液晶表示装置14R、緑色用の液晶表示装置14G、及び青色用の液晶表示装置14Bのそれぞれは、いわゆる液晶ライトバルブとして機能する。
以下では、これらを区別しないで用いる場合には、単に「液晶表示装置14」と呼ぶ。液晶表示装置14は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質としての液晶を密閉封入したものである。液晶表示装置14は、供給された画像データに応じて入射光の偏光方向を変調する。なお、液晶表示装置14R,14G,14Bは、それぞれ、供給された色光ごとの画像信号に応じて入射光を変調する。また、液晶表示装置14R,14G,14Bは、それぞれがカラーフィルターを備えていない白黒表示の液晶表示装置である。
以下では、これらを区別しないで用いる場合には、単に「液晶表示装置14」と呼ぶ。液晶表示装置14は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質としての液晶を密閉封入したものである。液晶表示装置14は、供給された画像データに応じて入射光の偏光方向を変調する。なお、液晶表示装置14R,14G,14Bは、それぞれ、供給された色光ごとの画像信号に応じて入射光を変調する。また、液晶表示装置14R,14G,14Bは、それぞれがカラーフィルターを備えていない白黒表示の液晶表示装置である。
各液晶表示装置14により変調された3つの光はクロスダイクロイックプリズム1112に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されたものである。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ系1114によってスクリーン1120上に投射され、画像が拡大されて表示される。なお、投射レンズ系1114は、投射装置に相当する。
図2は、液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
次に、図2を参照して、液晶表示装置14の概略構成について説明する。
次に、図2を参照して、液晶表示装置14の概略構成について説明する。
液晶表示装置14は、制御回路10、走査線駆動回路11、データ線駆動回路12、液晶パネル15などから構成されている。制御回路10は、走査線駆動回路11及びデータ線駆動回路12に複数のタイミング信号を含む制御信号を供給し、各部を制御する。
まず、制御回路10は、クロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HSと、画像データDとを外部装置(図示せず)から取得する。なお、垂直走査信号VSは垂直同期信号に対応し、水平走査信号HSは水平同期信号に対応し、これらは画像データD(画像信号)と一緒に入力される。そして、制御回路10は、これらの取得した信号に基づいて、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsと、を生成し、走査線駆動回路11及びデータ線駆動回路12に供給する。
スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の水平走査を規定する信号である。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、画像データDに対応するデータである。なお、制御回路10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12は、その他にも各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係の無いものについては説明を省略する。
走査線駆動回路11は、制御回路10から、スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、液晶パネル15の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。具体的には、走査線駆動回路11は、制御回路10から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に供給するものである。
データ線駆動回路12は、制御回路10から、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、液晶パネル15のデータ線14bに対してデータ信号Dd1、Dd2、Dd3、…、Ddmを出力する。
データ線駆動回路12は、制御回路10から、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、液晶パネル15のデータ線14bに対してデータ信号Dd1、Dd2、Dd3、…、Ddmを出力する。
液晶パネル15は、液晶層を含んで構成され、画像信号に規定された画像を表示する。具体的には、液晶パネル15は、走査線14aと、データ線14bと、画素14cとを備える。詳しくは、液晶パネル15には、n本の走査線14aと、m本のデータ線14bとが設けられている。そして、走査線14aとデータ線14bとは、互いに交差するように延在されている。そして、走査線14aとデータ線14bとの各交差に対応した画素14cが複数マトリクス状に配列されている。
図3は画素回路を示す図である。
画素14cには、スイッチング素子としてのTFT16、容量17、画素電極18、対向電極19、液晶層20などから構成されている。スイッチング素子としてのTFT16は、電界効果型のnチャネルトランジスターであり、ゲート端16aには走査線14aが接続されている。ソース端16bにはデータ線14bが接続されており、ドレイン端16cには容量17及び画素電極18が接続されている。液晶層20は、画素電極18と対向電極19とに挟持されている。
画素14cには、スイッチング素子としてのTFT16、容量17、画素電極18、対向電極19、液晶層20などから構成されている。スイッチング素子としてのTFT16は、電界効果型のnチャネルトランジスターであり、ゲート端16aには走査線14aが接続されている。ソース端16bにはデータ線14bが接続されており、ドレイン端16cには容量17及び画素電極18が接続されている。液晶層20は、画素電極18と対向電極19とに挟持されている。
画素14cは、いわゆる1T1C型の画素回路を備えている。走査線駆動回路11からの走査信号が走査線14aに供給され、スイッチング素子としてのTFT16がオンすると、データ線14bから電位が容量17及び画素電極18に供給され、画素電極18と対向電極19との間には画像信号に基づく駆動電圧が印加される。これによって、画素電極18と対向電極19との間に発生する電界が液晶層20に印加され、駆動電圧を制御することによって階調表示を行うことができる。
また、容量17は、スイッチング素子としてのTFT16がオンしている期間において充電され、スイッチング素子としてのTFT16がオフした後も一定期間電位を保持し、画素電極18に電位を与えることが出来る。
なお、各液晶パネル15には分離されたR光、G光、B光がそれぞれ供給されるため、各液晶パネル15はいずれもカラーフィルターを備えていない白黒液晶パネルである。
また、容量17は、スイッチング素子としてのTFT16がオンしている期間において充電され、スイッチング素子としてのTFT16がオフした後も一定期間電位を保持し、画素電極18に電位を与えることが出来る。
なお、各液晶パネル15には分離されたR光、G光、B光がそれぞれ供給されるため、各液晶パネル15はいずれもカラーフィルターを備えていない白黒液晶パネルである。
[液晶パネルの駆動方法]
次に、本実施形態において、液晶パネル15に対して行う駆動方法について具体的に説明する。本実施形態では、液晶の応答性を改善するために、フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割し、当該複数のサブフィールド期間のうち先頭のサブフィールド期間において、現在のフレーム期間(以下、「現フレーム期間」とも呼ぶ。)において表示すべき階調を指定する画像データに対応する電圧よりも高い電圧を駆動電圧として選択する。つまり、オーバードライブを用いる。以下で、本実施形態に係るオーバードライブを用いた駆動方法について具体的に説明する。
次に、本実施形態において、液晶パネル15に対して行う駆動方法について具体的に説明する。本実施形態では、液晶の応答性を改善するために、フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割し、当該複数のサブフィールド期間のうち先頭のサブフィールド期間において、現在のフレーム期間(以下、「現フレーム期間」とも呼ぶ。)において表示すべき階調を指定する画像データに対応する電圧よりも高い電圧を駆動電圧として選択する。つまり、オーバードライブを用いる。以下で、本実施形態に係るオーバードライブを用いた駆動方法について具体的に説明する。
本実施形態では、画像信号における現在のフレーム期間の画像データを現在画像データとし、現在のフレーム期間よりも1フレーム前のフレーム期間の画像データを前回画像データとしたとき、前回画像データを映像用フレームメモリーに記憶させておき、現在画像データと、前回画像データと現在画像データとの差分と、に基づいて、各フレーム期間の先頭に位置するサブフィールド期間においてオーバードライブを行うかどうか決定する。さらに、先頭のサブフィールド期間の後に続く2番目のサブフィールド期間においてもオーバードライブを行うかどうか決定する。さらに後続のサブフィールド期間に対しても同様である。以下、オーバードライブを行うサブフィールド期間において選択される駆動電圧をオーバードライブ駆動電圧と呼ぶ。
更に、本実施形態では、サブフィールド期間の数や、各サブフィールド期間の長さを変化させることにより、オーバードライブを行う時間を任意に決めることができる。
図4および図5は、本実施形態を具体的に説明するための図である。図4(a)および図5(a)は1フレーム期間における垂直走査信号VSを示し、図4(b)および図5(b)はスタートパルスDYを示し、図4(c)および図5(c)は任意の時刻における表示画像例を示している。この例では、1フレーム期間は4つのサブフィールド期間SF1〜SF4に分割されており、各サブフィールド期間に対応してスタートパルスDY1〜DY4が発生する。図4(b)及び図5(b)において、スタートパルスDY1a〜DY3a及びDY1b〜DY3bはオーバードライブ用のスタートパルスと画像表示用のスタートパルスの両方に対応する。一方、スタートパルスDY4aおよびスタートパルスDY4bは画像表示用のスタートパルスのみに対応する。すなわち、サブフィールド期間SF1,SF2,SF3においては、オーバードライブ駆動電圧と現在画像データに対応した電圧のいずれかが駆動電圧として選択され、フレーム期間における最後のサブフィールド期間SF4においては、現在画像データに対応した電圧が常に駆動電圧として選択される。
図4(c)は図4(b)のスタートパルスを用いた場合の表示画像を示し、図5(c)は図5(b)のスタートパルスを用いた場合の表示画像を示している。ここで、図4(c)及び図5(c)において、符号B1a,B1bで示す位置は、任意の時刻においてそれぞれスタートパルスDY1a、スタートパルスDY1bによって走査線が走査されている位置を示しており、符号B2a,B2bで示す位置は、その時刻において、それぞれスタートパルスDY2a、スタートパルスDY2bによって走査線が走査されている位置を示している。符号B3a,B3b,B4a,B4bで示す位置も同様に、スタートパルスDY3a、スタートパルスDY3b、スタートパルスDY4a、およびスタートパルスDY4bによって走査線が走査されている位置を示している。更に、領域R1a、領域R1bはそれぞれスタートパルスDY1a、スタートパルスDY1bによりオーバードライブ駆動電圧が書き込まれたオーバードライブ表示領域を示しており、領域R2a、領域R2bはそれぞれスタートパルスDY2a、スタートパルスDY2bによりオーバードライブ駆動電圧が書き込まれたオーバードライブ表示領域を示しており、領域R3a、領域R3bはそれぞれスタートパルスDY3a、スタートパルスDY3bによりオーバードライブ駆動電圧が書き込まれたオーバードライブ表示領域を示している。また、領域R4a、領域R4bはそれぞれスタートパルスDY4a、スタートパルスDY4bにより現在画像データに対応した駆動電圧が書き込まれた画像表示領域を示している。
図4(c)及び図5(c)から明らかなように、各オーバードライブ表示領域はオーバードライブ駆動電圧で時系列的に書き換えられた後に、現在画像データに対応した駆動電圧により書き換えられていることがわかる。またスタートパルスの発生タイミングが図4(b)と図5(b)のように異なることで、表示画像においてオーバードライブ表示領域が占める割合が異なることがわかる。この例では、領域R1a、領域R2a、領域R3aの面積の合計よりも領域R1b、領域R2b、領域R3bの面積の合計のほうが、表示画像において占める割合が大きい。言い換えると、図4(b)に示したタイミングでスタートパルスを発生させるよりも図5(b)に示したタイミングでスタートパルスを発生させるほうが、オーバードライブを行う時間が長くなる。よって、オーバードライブ用のスタートパルスの発生タイミングを変えることにより、オーバードライブを行う時間を変化させることができる。言い換えると、オーバードライブ駆動電圧が2値のデジタル信号であっても、スタートパルスDYの発生タイミングを調整することで、液晶透過率の変化量を調整することが可能となる。
前記オーバードライブの2値のデジタル信号による電圧値は、一般的な液晶は印加電圧が大きいほど液晶応答が早くなることから、階調表現に用いる印加電圧の最大値と最小値である5Vと0Vのような組み合わせが好ましい。言い換えれば、複数の階調のうち最も暗い階調を最低階調とし、最も明るい階調を最高階調としたとき、2値の電圧値は、最低階調を表示するための印加電圧と、最高階調を表示するための印加電圧である。オーバードライブ駆動電圧として、これら2つの電圧値のうち一方が選択される。暗い階調から明るい階調へ変化させる明方向用のオーバードライブ駆動電圧としては、最高階調を表示するための印加電圧を選択し、明るい階調から暗い階調へ変化させる暗方向用のオーバードライブ駆動電圧としては、最低階調を表示するための印加電圧を選択することが好ましい。このような組み合わせをとることで、前回画像データに依らず現フレーム期間で指定される階調に向けて液晶が最も早く応答する電圧を使うことができる。
上述したように、明方向用のオーバードライブ駆動電圧と暗方向用のオーバードライブ駆動電圧とを2値のデジタル値に予め設定することで、1フレーム前の階調から現フレーム期間の階調への応答時間は一意に決まる。具体的には、前回画像データと、オーバードライブ駆動電圧値と、スタートパルスDY1〜DY4の発生タイミングが予め分かっていれば、サブフィールド期間SF1〜SF3それぞれにおける透過率の変化量を予め知ることが出来る。よって、オーバーシュートが発生しない範囲で最も早く現フレーム期間で表示すべき階調に到達できるように、予め調整されたスタートパルスDY1〜DY4によって規定されたサブフィールド期間SF1〜SF3のうちオーバードライブを行うサブフィールド期間の組み合わせを選択することで、1フレーム期間よりも短い時間で液晶を応答させることが可能となる。
また、最低階調から最高階調への応答時間と最高階調から最低階調への応答時間のうち短い方をτとしたとき、オーバードライブを行う可能性のあるサブフィールド期間SF1、サブフィールド期間SF2、およびサブフィールド期間SF3の長さはいずれもτよりも短いことが好ましい。少なくともサブフィールド期間SF1の長さは、τよりも短いことが好ましい。これにより、液晶の応答が最も速い変化に対しても、その過渡応答を制御できるため、最低階調から最高階調への変化と最高階調から最低階調への変化の両方でその過渡応答を制御することが可能となる。したがって、あらゆる階調間の変化に対して過渡応答を制御することが可能となり、スタートパルスDYの発生間隔に応じた階調表現が実現できる。
さらに、オーバードライブを行う可能性のあるサブフィールド期間SF1、サブフィールド期間SF2、およびサブフィールド期間SF3の長さの合計がτと等しければ、1フレーム前に表示された階調によらず、オーバーシュートのような表示不具合が出ない。
さらに、オーバードライブを行う可能性のあるサブフィールド期間SF1、サブフィールド期間SF2、およびサブフィールド期間SF3の長さの合計がτと等しければ、1フレーム前に表示された階調によらず、オーバーシュートのような表示不具合が出ない。
図6および図7にスタートパルスDYの発生タイミングに関する具体的な例を示す。スタートパルスDY1とスタートパルスDY2とが発生する間隔はサブフィールド期間SF1の長さと等しく、その長さを長さtp1とする。同様に、サブフィールド期間SF2とサブフィールド期間SF3の長さをそれぞれ、長さtp2、長さtp3とする。光学応答は、最低階調と最高階調との間の変化を示している。図6で示すように、最低階調から最高階調への応答時間がtr、最高階調から最低階調への応答時間がtdの液晶において、サブフィールド期間SF1の長さtp1と応答時間tr,tdとの関係が、tr<tp1<tdである場合、最高階調から最低階調への応答は過渡応答を制御することが出来るが、最低階調から最高階調への応答は長さtp1よりも早いため、サブフィールド期間SF1の間に液晶応答が完了してしまいオーバーシュートやアンダーシュートのような表示不具合が出てしまう。この液晶の場合、図7に示すように、tp1<tr<tdとなるようにサブフィールド期間SF1の長さを設定することで、液晶の過渡応答を利用した階調表現が可能となる。
1フレーム前の画像から現フレーム期間の画像への応答時間は、その組み合わせにより異なるため、サブフィールド期間SF1〜SF3のすべてにおいてオーバードライブを行う必要はない。それぞれの画素における最適なオーバードライブ期間は、現在画像データと前回画像データとを比較することによって決定することができるので、現フレーム期間で表示すべき階調付近まで液晶が応答するまではオーバードライブ駆動電圧を液晶層に印加し、オーバードライブ期間終了後のサブフィールド期間では、オーバードライブを行わずに現フレーム期間のアナログ電圧を液晶層に印加することで、適切な表示を得ることができる。ここで、現フレーム期間のアナログ電圧とは、現フレーム期間において表示すべき階調を指定するための画像データに対応した電圧のことである。言い換えると、本実施形態では、現フレーム期間で表示すべき階調付近まで急速に液晶を応答させるためにオーバードライブ駆動電圧を液晶層に印加するデジタル駆動サブフィールド期間と、現フレーム期間で表示すべき階調の透過率を保持するために当該デジタル駆動サブフィールド期間の後に続くアナログ駆動サブフィールド期間の二種類で、1フレーム期間が構成されている。
このようなオーバードライブは、前述した制御回路10によって実行される(図2参照)。ここで、図8を参照して、制御回路10の構成について具体的に説明する。
図8は、本実施形態に係る制御回路10の概略構成を示すブロック図である。制御回路10は、主に、制御部200と、入力セレクター201と、映像用フレームメモリー202と、オーバードライブ用LUT(ルックアップテーブル)203と、D/Aコンバーター204と、LUT用フレームメモリー205と、出力セレクター206と、を有する。なお、図8は、制御回路10における本願の特徴ある構成部位の主要部の抜粋図である。
制御回路10は、前述した液晶プロジェクター1000などに適用され、液晶パネル15に対する駆動制御を実行する。制御回路10は、上記したようなオーバードライブなどを実行し、本実施形態における液晶表示装置14(前述した赤色用の液晶表示装置14R、緑色用の液晶表示装置14G、及び青色用の液晶表示装置14Bに対応する。)の駆動装置として機能する。つまり、制御回路10は、本実施形態におけるデータ記憶手段、補正手段、及び書き込み手段として機能する。なお、制御回路10は、図示しない分周回路や、PLL(Phase-locked loop)を含む逓倍回路などを内蔵しており、液晶パネル15を駆動するために必要な制御信号を生成可能に構成されている。
制御部200は、前述したクロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HS(図2参照)とを取得して、スタートパルスDYや、走査側転送クロックCLYや、データ転送クロックCLXなどを生成する。そして、制御部200は、これらの信号に基づいて、入力セレクター201、映像用フレームメモリー202、LUT用フレームメモリー205、及びD/Aコンバーター204を制御するための制御信号を供給する。例えば、制御部200は、入力セレクター201が映像用フレームメモリー202に対してデータを書き込むタイミングを規定する制御信号S1を、入力セレクター201に対して供給する。
入力セレクター201は、取得した画像データD1(現フレーム期間の画像データに対応する)を画像データD2としてオーバードライブ用LUT203と出力セレクター206に供給すると共に、制御部200から供給される制御信号S1に基づいて、画像データD3として映像用フレームメモリー202に書き込む。画像データD2は現フレーム期間の画像データであり、以後、現在画像データD2と呼ぶ。また、画像データD3は、現在画像データD2と同じデータであるが、次のフレームにおいて映像用フレームメモリー202から読み出される時は、1フレーム前の画像データに対応するため、以後、前回画像データD3と呼ぶ。
具体的には、映像用フレームメモリー202は、入力セレクター201から供給された前回画像データD3を記憶する。そして、映像用フレームメモリー202は、制御部200から供給される制御信号S2のタイミングで、記憶している前回画像データD3に対応するデータD4をオーバードライブ用LUT203に対して出力する。
オーバードライブ用LUT203は、入力セレクター201から現フレーム期間の画像データ、つまり現在画像データD2を取得すると共に、映像用フレームメモリー202から1フレーム前の画像データに対応する画像データD4を取得する。そして、オーバードライブ用LUT203は、現在画像データD2に対してオーバードライブが必要かどうか判断する。詳しくは、オーバードライブ用LUT203は、ルックアップテーブルに基づいて、現在画像データD2とデータD4とに対応するテーブル値D5を出力する。
出力されたテーブル値D5は、それぞれの画素でオーバードライブが必要とされるサブフィールド期間の数を意味しており、出力セレクター206へ直接出力される一方、1を減算された状態でLUT用フレームメモリー205に記憶される。
制御部200は制御信号S2に応じて、前回画像データD3に対応する画像データD4とテーブル値D5およびテーブル値D6を、映像用フレームメモリー202とオーバードライブ用LUT203とLUT用フレームメモリー205のそれぞれから読み出し、出力セレクター206に対して供給する。
出力セレクター206には、現在画像データD2と、映像用フレームメモリー202から読み出した画像データD4と、オーバードライブ用LUT203から読み出したテーブル値D5と、LUT用フレームメモリー205から読み出したテーブル値D6が供給されている。
スタートパルスDY1に対応して読み出されたテーブル値D5が0であれば現在画像データD2が選択され、テーブル値D5が0以外であれば、オーバードライブ駆動電圧が選択されて出力される。
また、スタートパルスDY2〜DYNに対応して読み出されるテーブル値D6が0であれば、映像用フレームメモリー202から読み出された画像データD4が選択され、テーブル値D6が0以外であれば、オーバードライブ駆動電圧を選択して出力される。
スタートパルスDY1に対応して読み出されたテーブル値D5が0であれば現在画像データD2が選択され、テーブル値D5が0以外であれば、オーバードライブ駆動電圧が選択されて出力される。
また、スタートパルスDY2〜DYNに対応して読み出されるテーブル値D6が0であれば、映像用フレームメモリー202から読み出された画像データD4が選択され、テーブル値D6が0以外であれば、オーバードライブ駆動電圧を選択して出力される。
出力セレクター206によって選択された映像信号はD/Aコンバーター204に入力される。そして、D/Aコンバーター204は、入力された画像データをデジタル信号からアナログ信号に変換して、これを液晶パネル15に供給する。
ここで図8、図9を用いて、オーバードライブ用LUT203の構成について具体的に説明する。例えば、n階調の表示を行うことができる液晶パネルは、表示切替の組み合わせの場合の数はn2通りあるので、n2個の補正データをテーブルとして、例えばROM(リード・オンリー・メモリー)に記憶させておく。ここでは8ビットの256階調を想定しているため、予め2562個の補正データを記憶させておく。
本実施形態においてオーバードライブ駆動電圧は任意の固定値である。よって、テーブル(オーバードライブ用LUT203)には表示切替の組み合わせに応じた、オーバードライブを必要とするサブフィールド期間の数が記憶されていればよい。1フレーム期間にスタートパルスDYが4回発生するような構成ならば、テーブルには0から3までの領域の数が記憶されており、スタートパルスDYがN回発生するような構成ならばテーブルには0からN−1までの数が記憶されている。
このオーバードライブ用LUT203から出力されたテーブル値D5は、垂直同期信号VS発生から最初のスタートパルスDY1に対するものであるため、スタートパルスDYが発生するたびにLUT用フレームメモリー205から読み出されるテーブル値D6を減らす必要がある。例えば垂直同期信号VSからN回目の読み出しタイミングではテーブル値D6の値からN−1を減算する。
この減算を行う過程で0以下になった場合、オーバードライブが必要な期間が終わったと判別され、出力セレクター206は映像用フレームメモリー202からの値を出力する。一方1以上の値である場合は、オーバードライブがまだ必要であると判別されオーバードライブ駆動電圧が出力される。
上述したとおり、本実施形態に係わる液晶表示装置14、およびその駆動方法によれば、以下の効果を得ることが出来る。
上記液晶表示装置14およびその駆動方法によれば、1フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割し、液晶が明方向と暗方向にそれぞれ最も早く応答する印加電圧値をオーバードライブ駆動電圧として予め設定しておく。前回画像データと現在画像データとを比較することによって、現フレーム期間で表示すべき階調付近まで急速に液晶を応答させるためにオーバードライブが必要とされるサブフィールド期間の組み合わせ数が決定されるため、オーバードライブを用いて急速に液晶を応答させた後に、本来表示すべき階調を表示するためのアナログ電圧を印加することで、1フレーム期間よりも短い時間で目的とする階調表現を実現することが可能となる。
上記液晶表示装置14およびその駆動方法によれば、1フレーム期間を複数のサブフィールド期間に分割し、液晶が明方向と暗方向にそれぞれ最も早く応答する印加電圧値をオーバードライブ駆動電圧として予め設定しておく。前回画像データと現在画像データとを比較することによって、現フレーム期間で表示すべき階調付近まで急速に液晶を応答させるためにオーバードライブが必要とされるサブフィールド期間の組み合わせ数が決定されるため、オーバードライブを用いて急速に液晶を応答させた後に、本来表示すべき階調を表示するためのアナログ電圧を印加することで、1フレーム期間よりも短い時間で目的とする階調表現を実現することが可能となる。
また、本実施形態では、1つのフレーム期間において、オーバードライブが必要とされる複数のサブフィールド期間において互いに等しいオーバードライブ駆動電圧を印加する例を示したが、必ずしも等しい必要はない。たとえば、階調を明方向に変化させる場合のオーバードライブ駆動電圧は、当該フレーム期間において表示すべき階調を指定するための画像データに対応した電圧よりも高く、かつ、最高階調を表示するための画像データに対応した電圧以下であればよい。したがって、1つのフレーム期間における先頭のサブフィールド期間のみでオーバードライブを行ったのでは不十分であるが、2番目のサブフィールド期間においてもオーバードライブを行うとオーバーシュートしてしまう、という場合、2番目のサブフィールド期間におけるオーバードライブ駆動電圧を先頭のサブフィールド期間におけるオーバードライブ駆動電圧より低くしてもよい。階調を暗方向に変化させる場合は、オーバードライブ駆動電圧を、当該フレーム期間において表示すべき階調を指定するための画像データに対応した電圧よりも低く、かつ、最低階調を表示するための画像データに対応した電圧以上とすればよい。これによれば、オーバーシュートやアンダーシュートをより確実に防止しつつ、1フレーム期間よりも短い時間で目的とする階調表現を実現することが可能となる。
また、本実施形態では、液晶層に印加される電圧の極性は単極性であったが、フレーム毎に極性を反転させてもよい。フレーム毎に極性を反転させるためには、対向電極に印加する電圧を基準電圧として、基準電圧に対して高位側の正極性駆動電圧と基準電圧に対して低位側の負極性駆動電圧とを、フレーム毎に交互に画素電極に供給すればよい。この場合、オーバードライブ駆動電圧は正極性の電圧と負極性の電圧のいずれかとなるが、その絶対値が、最高階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値と最低階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値のいずれかと等しくなるように画素電極へ供給する電圧を決定すればよい。これによれば、表示の焼きつきやフリッカーの発生を防止しつつ、1フレーム期間よりも短い時間で目的とする階調表現を実現することが可能となる。
また、本実施形態に限らず、印加電圧の変化に応じて連続的に変化する輝度を得られる物であれば、他の材料あるいは他の発光原理を用いても良い。
また、上記実施形態に加えて温度検出器を設け、周囲温度が低いときはサブフィールド組み合わせ期間を長く、周囲温度が高いときはサブフィールド組み合わせ期間を短くするよう制御する温度制御回路を設けてもよい。このようにすることで、周囲温度の変化によって生じる、予め参照テーブルメモリーに準備していた補正値では適切な表示が得られないという不具合を防止することが可能となる。
また、本発明を液晶プロジェクターに適用した実施形態を示したが、これに限定はされない。コンピューターディスプレー、テレビジョン、時計、通信機器、車載ナビゲーション装置などさまざまな装置に適用できる。
これらの構成であっても、前述した実施形態における作用効果と同等の作用及び効果を得ることが出来る。
DY1,DY2,DY3,DY4,DY1a,DY2a,DY3a,DY4a,DY1b,DY2b,DY3b,DY4b…スタートパルス、SF1,SF2,SF3,SF4…サブフィールド期間、R1a,R2a,R3a,R4a,R1b,R2b,R3b,R4b…領域。
Claims (7)
- 走査線とデータ線との交点に対応して設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続され、該データ線から該スイッチング素子を介して電位が供給される画素電極と、対向電極と、該画素電極と該対向電極との間に発生する電界が印加される電気光学層と、走査線駆動回路とデータ線駆動回路とを制御する制御回路と、を備え、
画像信号に基づく駆動電圧を前記画素電極と前記対向電極との間に印加して、前記電界を発生させることによって、前記電気光学層の透過光を制御し、複数の階調を表示する電気光学装置であって、
フレーム期間は複数のサブフィールド期間に分割され、
前記複数のサブフィールド期間のうち第1のサブフィールド期間では、第1の電圧が前記駆動電圧として選択され、
前記複数のサブフィールド期間のうち第2のサブフィールド期間では、第2の電圧が前記駆動電圧として選択され、
前記画像信号における現在のフレーム期間の画像データを現在画像データとし、前記現在のフレーム期間よりも1フレーム前のフレーム期間の画像データを前回画像データとしたとき、
前記第1の電圧は、前記現在画像データと、前記前回画像データと前記現在画像データとの差分と、から導出された電圧であり、
前記第2の電圧は、前記現在画像データに対応した電圧であり、
前記フレーム期間において、前記第1のサブフィールド期間は前記第2のサブフィールド期間よりも前に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記フレーム期間において、前記第1のサブフィールド期間は、前記複数のサブフィールド期間のうち先頭に配置され、
前記第1の電圧は、オーバードライブ駆動するための電圧であり、
前記第1の電圧の絶対値として、予め定められた2つの値のうちいずれかの値が選択され、
前記第2の電圧の絶対値として、前記複数の階調のうち前記現在のフレーム期間において表示すべき階調を指定するための画像データに対応した電圧の絶対値が選択され、
前記第1の電圧の絶対値と前記第2の電圧の絶対値とは互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記複数の階調のうち最も暗い階調を最低階調とし、前記複数の階調のうち最も明るい階調を最高階調としたとき、
前記予め定められた2つの値のうち一方は、前記最低階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値であり、他方は前記最高階調を表示するための画像データに対応した電圧の絶対値であることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記複数の階調のうち最も暗い階調を最低階調とし、前記複数の階調のうち最も明るい階調を最高階調としたとき、
前記第1のサブフィールド期間の長さは、前記最低階調から前記最高階調への応答時間と前記最高階調から前記最低階調への応答時間のうち短い方よりも短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記第1のサブフィールド期間と前記第2のサブフィールド期間との間に第3のサブフィールド期間をさらに有し、
前記第3のサブフィールド期間では、第3の電圧が前記駆動電圧として選択され、
前記現在画像データと、前記前回画像データと前記現在画像データとの差分と、に応じて、前記第1の電圧の絶対値と前記第2の電圧の絶対値とのうちのいずれかが前記第3の電圧の絶対値として選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記第3の電圧の絶対値は前記第1の電圧の絶対値と等しいことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
- 前記第3の電圧の絶対値は前記第1の電圧の絶対値と異なることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
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-
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