JP2010248058A - 光学ガラス素材を含む組合体、この組合体の利用方法および製造方法、並びにこの組合体を用いる光学素子の光学設計の援助方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学ガラス素材とこの光学ガラス素材の徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を含む物性値を表示した表示物とを含む組合体。表示物に表示された物性値は、基準アッベ数νs値をさらに含む。組合体の製造方法。組合体を準備する工程(10)、前記組合体に含まれる光学ガラス素材を用いて、光学素子製造に用いられることが想定されるプレス成形方法および条件にて、光学素子の試作品を調製する工程(11)、光学素子の試作品の屈折率nを求める工程(12)、および求めた屈折率nを用いて光学素子の光学設計を行う工程(13)を含む、光学素子の光学設計の援助方法。
【選択図】なし
Description
[1]
光学ガラス素材とこの光学ガラス素材の徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を含む物性値を表示した表示物とを含む組合体。
[2]
前記組合体は、徐冷装置が有する実効冷却速度を求めるために用いるためのものであり、
前記徐冷装置は、プレス成形して得たガラス製光学素子を徐冷する工程を含むガラス製光学素子の製造方法における上記徐冷工程で用いられるものであり、
上記実効冷却速度は、上記徐冷装置で徐冷して得られる、前記組合体に含まれるガラス素材からなるガラス製光学素子の所定波長における屈折率n0、並びに前記基準屈折率nsおよび徐冷係数β値の所定波長におけるそれぞれの値から、以下の式に従って求められる(式中、R0は実効冷却速度であり、Rsは基準徐冷速度であり、Δn=(屈折率n0−基準屈折率ns)であり、βは徐冷係数β値である)[1]に記載の組合体。
R0=Rs/10Δn/β
[3]
前記組合体は、
ガラス製光学素子の屈折率を予測する方法に用いるためのものであって、
前記ガラス製光学素子は、前記組合体に含まれるガラス素材(以下、ガラス素材Bと呼ぶ)をプレス成形して得たガラス製光学素子を徐冷装置において徐冷する工程を含むガラス製光学素子の製造方法において得られるものであり、
前記予測方法は、
上記徐冷装置が有する実効冷却速度並びに所定波長における前記基準屈折率nsおよび徐冷係数β値から、前記実効冷却速度を求めた徐冷条件と同一の条件で運転される上記徐冷装置で徐冷して得られたガラス製光学素子の前記波長における屈折率n0を以下の式に従って求める工程を含む(式中、R0は実効冷却速度であり、βは徐冷係数β値である)[1]に記載の組合体。
n0=ns−β×log10R0
[4]
前記実効冷却速度は、前記ガラス素材Bからなるガラス製光学素子を徐冷した条件と同一の条件で運転される徐冷装置で徐冷して得られる、前記ガラス素材Bとは異なるガラス素材(以下、ガラス素材Aと呼ぶ)をプレス成形して得たガラス製光学素子の所定波長における屈折率n0(A)と、前記ガラス素材Aの前記波長における基準屈折率ns(A)および徐冷係数β(A)から、以下の式に従って求められる(式中、R0は実効冷却速度であり、Rsは基準徐冷速度であり、Δn(A)=(屈折率n0(A)−基準屈折率ns(A))である)[3]に記載の組合体。
R0=Rs/10Δn(A)/β(A)
[5]
前記組合体は、
ガラス製光学素子のアッベ数を予測する方法に用いるためのものであって、
請求項3または4に記載の屈折率を予測する方法により、F線スペクトルにおけるガラスの屈折率nF、およびC線スペクトルにおけるガラスの屈折率nCをそれぞれ求め、d線スペクトルにおけるガラスの屈折率nd、またはg線スペクトルにおけるガラスの屈折率ngを求め、下記式のいずれかに従ってアッベ数νを求める[1]に記載の組合体。
νd=(nd−1)/(nF−nC)
νC=(nC−1)/(nF−nC)
νF=(nF−1)/(nF−nC)
νg=(ng−1)/(nF−nC)
[6]
前記徐冷係数β値は、d線スペクトル、C線スペクトル、F線スペクトル、およびg線スペクトルにおける徐冷係数であるβd、βC、βF、およびβgを含み、基準屈折率ns値は、d線スペクトル、C線スペクトル、F線スペクトル、およびg線スペクトルにおける基準屈折率であるnd、nC、nFおよびngを含む[1]〜[5]のいずれかに記載の組合体。
[7]
前記表示物は、前記光学ガラス素材の説明書である[1]〜[6]のいずれかに記載の組合体。
[8]
前記光学ガラス素材は、および表示物に表示された物性値は、ガラス製光学素子の製造に用いられる[1]〜[7]のいずれかに記載の組合体。
[9]
前記光学ガラス素材と前記表示物は、一緒にまたは別々にガラス製光学素子の製造者に提供される[8]に記載の組合体。
[10]
前記光学ガラス素材は、ガラス製光学素子の試作用または実機製造用である[8]に記載の組合体。
[11]
ガラス製光学素子の製造は、前記光学ガラス素材からなるプリフォームをプレス成形することで行われる[8]に記載の組合体。
[12]
ガラス製光学素子の試作用光学ガラス素材および表示物に表示された物性値は、ガラス製光学素子の光学設計のために用いられる[10]に記載の組合体。
[13]
徐冷係数β値、および基準屈折率ns値は、それぞれd線、C線、F線およびg線の少なくとも1つの波長における値である[1]に記載の組合体。
[14]
光学ガラス素材を調製する工程(1)、
上記光学ガラス素材の少なくとも徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を求める工程(2)、
および
少なくとも前記徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を表示した表示物を調製する工程(3)
を含む、
[1]〜[13]のいずれかに記載の組合体の製造方法。
[15]
工程(1)は同一組成の光学ガラス素材について個別に少なくとも1回行われ、前記工程(1)が複数回行われた場合には、工程(2)および(3)は、工程(1)のいずれか1回の工程で得られた光学ガラス素材について実施され、他の回の工程(1)で調製された同一組成の光学ガラス素材についても、上記工程(2)および(3)で得られた表示物を用いる、[14]に記載の製造方法。
[16]
[1]〜[13]のいずれかに記載の組合体を準備する工程(10)、
前記組合体に含まれる光学ガラス素材を用いて、光学素子製造に用いられることが想定されるプレス成形方法および条件にて、光学素子の試作品を調製する工程(11)、光学素子の試作品の屈折率nを求める工程(12)、および求めた屈折率nを用いて光学素子の光学設計を行う工程(13)を含む、光学素子の光学設計の援助方法。
[17]
工程(12)において、さらに光学素子の試作品のアッベ数νを求め、工程(13)において、求めたアッベ数νも用いて光学素子の光学設計を行う、[16]に記載の援助方法。
本発明は、光学ガラス素材とこの光学ガラス素材の物性値を表示した表示物とを含む組合体に関する。物性値には、少なくとも徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を含む。
n=ns−β×log10R (A)
上記式におけるβが徐冷係数と呼ばれ、特定の組成を有するガラス素材に特有(固有)の物性値である。
R0=Rs/10Δn/β
n0=ns−β×log10R0
R0=Rs/10Δn(A)/β(A)
νd=(nd−1)/(nF−nC)
νC=(nC−1)/(nF−nC)
νF=(nF−1)/(nF−nC)
νg=(ng−1)/(nF−nC)
νd=(nd−1)/(nF−nC) ・・・(1)
nd=nds−βd×log10R ・・・(2)
ここで、βdはガラスと波長に固有な定数であって、波長587.56nmにおける徐冷係数と呼ぶ。
nd0=nds−βd×log10R0 ・・・(3)
となる。(2)、(3)式から偏差量Δndは、
Δnd=nd0−nds
=−βd×(log10R0−log10Rs)
=−βd×log10R0 ・・・(4)
となる。基準屈折率ndsより屈折率ndをΔndだけシフトさせたい場合、徐冷速度を
R0=10(-Δnd/βd) ・・・(5)
とすればよい。
nd=nds−βd×log10R
nC=nCs−βC×log10R
nF=nFs−βF×log10R
ng=ngs−βg×log10R
アッベ数νdを例にとると、前述のようにνdは、
νd=(nd−1)/(nF−nC) ・・・(1)
と表される。
基準徐冷速度で徐冷したときの屈折率nC、nFをそれぞれ基準屈折率nCs、nFsとすると、基準アッベ数νdsは、
νds=(nds−1)/(nFs−nCs) ・・・(6)
となる。
νd0=(nd0−1)/(nF0−nC0) ・・・(7)
となる。
nC0=nCs−βC×log10R0 ・・・(8)
nF0=nFs−βF×log10R0 ・・・(9)
となる。
ΔnC=−βC×log10R0 ・・・(10)
ΔnF=−βF×log10R0 ・・・(11)
となる。(4)式、(10)、(11)式から、
ΔnC=Δnd×βC/βd ・・・(12)
ΔnF=Δnd×βF/βd ・・・(13)
となる。
nC0=nCs+ΔnC ・・・(15)
nF0=nFs+ΔnF ・・・(16)
と(7)式、(12)式、(13)式より、
νd0=(nd0−1)/(nF0−nC0)
=(nds+Δnd−1)/((nFs+ΔnF)−(nCs+ΔnC))
=(nds+Δnd−1)/((nFs−nCs)+(ΔnF−ΔnC))
=(nds+Δnd−1)/((nFs−nCs)+Δnd×(βF−βC)/βd)
・・・(17)
となる。
とおき、(17)式の右辺の分母、分子をそれぞれnFs−nCsで除すと、
νd0=[{(nds−1)+Δnd}/(nFs−nCs)}]/[1+{Δnd×K/(nFs−nCs)}]
=[νds+{Δnd/(nFs−nCs)}]/[1+{Δnd×K/(nFs−nCs)}]
・・・(19)
(19)式の右辺の分母、分子のそれぞれに1−{Δnd×K/(nFs−nCs)}を乗じると、
νd0=[νds+(1−K×νds)×a−K×a2]/[1−K2×a2]
・・・(20)
となる。ただし、
a=Δnd/(nFs−nCs) ・・・(21)
と置いた。
νd0≒νds+(1−K×νds)×a
=νds+(1−K×νds)×Δnd/(nFs−nCs)・・(22)
となる。
Δνd=νd0−νds
≒(1−K×νds)×Δnd/(nFs−nCs) ・・・(23)
となる。
ここ数年来、カメラなどの光学機器の業界では高精度化、高精細化、コンパクト化が進んでいる。高精度化、高精細化、コンパクト化の要求に対応するため光学系において収差を無くすあるいは極力低減する必要がある。実際に製造された光学素子の屈折率が設計時の屈折率と乖離すると、所望の光学性能が得られないおそれが生じる。光学ガラスの屈折率、分散は、短波長域になればなるほど急激に変化する傾向を示す。そのため光学素子を製造する上で屈折率ndや、アッベ数νdを構成するnd、nC、nFのみならず、より短波長域にある屈折率ngもコントロールする必要がある。
本発明は、上記本発明の組合体の製造方法も包含する。この製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含む。
工程(1)は、光学ガラス素材を調製する工程である。光学ガラス素材は、既存の方法で、ガラス原料から調製できる。さらに、光学ガラス素材は、プリフォーム等の特定の形状を有するものであることもできる。また、光学ガラス素材には、物性値を表示する表示物に含められる、名称や品番等を適宜付与できる。
工程(2)は、上記光学ガラス素材の少なくとも徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を求める工程であり、好ましくは基準アッベ数νs値も求める。徐冷係数β値、基準屈折率ns値および基準アッベ数νs値の求め方は、前述の組合体の説明で記載した通りである。
工程(3)は、少なくとも前記徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を表示した表示物を調製する工程であり、好ましくは基準アッベ数νs値も前記表示物に含める。表示物の種類等については、前述の組合体の説明で記載した通りである。
本発明は、光学素子の光学設計の援助方法にも関する。
本発明の光学素子の光学設計の援助方法は、以下の工程(10)〜(13)を含む。
工程(10)は、本発明の組合体を準備する工程である。本発明の組合体の準備は、上記本発明の製造方法により行うことができる。
工程(11)は、前記組合体に含まれる光学ガラス素材を用いて、光学素子製造に用いられることが想定されるプレス成形方法および条件にて、光学素子の試作品を調製する工程である。光学素子の試作品の調製は、例えば、以下の方法で実施できる。但し、以下に示す方法は例示にすぎない。
光学ガラスを加工して精密プレス成形用プリフォームを作製する。このプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する。得られた光学素子を試作品とする。
工程(12)は、工程(11)で得られた光学素子の試作品の屈折率nを求める工程である。試作品の屈折率nは以下のように求めることができる。
例えば、日本光学硝子工業会規格JOGISの「光学ガラスの屈折率の測定方法」に従い、試作品を上記規格で定められたプリズム形状に加工し、上記規格に定められた方法により、d線、C線、F線、g線の各波長における屈折率を測定する。なお、試作品の大きさによっては、上記規格に定められる大きさのプリズムに加工できない場合もあるが、その場合は、所望の精度で屈折率測定が可能な範囲でプリズムの大きさを小さくしてもよい。あるいは、試作品と同じ光学ガラスを用いて作製したプリズムを試作品と同じ熱処理条件で処理し(例えば、試作品と同じ徐冷条件で徐冷し)、処理後のプリズムを用いて上記規格に基づき、各波長における屈折率を測定し、その結果を試作品の屈折率としてもよい。
工程(13)は、求めた屈折率nを用いて光学素子の光学設計を行う工程である。光学素子の光学設計は以下のように実施できる。但し、以下に示す方法は例示にすぎない。まず、上記各波長における基準屈折率とこれら基準屈折率から導かれるアッベ数に基づき、光学性能、例えば、各波長におけるレンズのパワーなどが所要の性能になるよう周知の方法を用いてレンズの形状を設計する。例えば、レンズの2つの光学機能面の形状などを設計する。こうして設計したレンズの屈折率を、工程(12)によって得た屈折率に置き換え、レンズの光学性能が所要の性能になるよう、上記周知の方法を用いてレンズの形状、各部の寸法を調整して最終的なレンズの形状、各部寸法などの仕様を定める。
ガラスAを長さ30mm×幅20mm×厚さ15mmの大きさに3個加工して試験片とする。
3個のガラスAの試験片を、ガラス転移温度以上に加熱した後、それぞれ-1℃/時、-3℃/時、-10℃/時の冷却速度で冷却し、室温まで降温した後、屈折率を測定した。表1に各冷却速度における波長587.56nmにおける屈折率ndの測定値を示す。
基準徐冷速度をRs、基準屈折率nds、徐冷速度R0で徐冷したときの屈折率nd0は、
nd0=nds−βd×log10(R0/Rs) ・・・(A)
となるから、図1における直線が(A)式となるように最小二乗法によりフィッティングすると、
βdは、129.2×10-5と求まる。
図2は、横軸に波長(nm)、縦軸に徐冷係数をとり、表2に示すデータをプロットしたものである。
図2では、徐冷係数と波長の関係を直線で近似してある。各プロットのデータを用いて最小二乗法により上記直線をフィッティングすると、
徐冷係数 = (0.0107nm-1×波長[nm]+ 123.03)×10-5
となる。上式にC線、d線、F線、g線の各波長を代入し、各波長における徐冷係数βC、βd、βF、βgを算出した。算出結果を表3に示す。
まず、屈折率nCが1.68751、ndが1.69150、nFが1.70063、ngが1.70778のガラスからなる所要の光学性能を有する非球面レンズを周知の光学設計法により設計する。非球面レンズの各波長におけるアッベ数は、
νd=(nd−1)/(nF−nC)
νC=(nC−1)/(nF−nC)
νF=(nF−1)/(nF−nC)
νg=(ng−1)/(nF−nC)
から、νdが52.7、νCが52.4、νFが53.4、νgが53.9となる。
nd0−nd(設計値)=1.69278−1.69150=128×10-5
nC0−nC(設計値)=1.68881−1.68751=130×10-5
nF0−nF(設計値)=1.70188−1.70063=125×10-5
ng0−ng(設計値)=1.70903−1.70778=125×10-5
となる。
νd0−νd(設計値)=53.0−52.7=0.3
νC0−νC(設計値)=52.7−52.4=0.3
νF0−νF(設計値)=53.7−53.4=0.3
νg0−νg(設計値)=54.2−53.9=0.3
となる。
Claims (17)
- 光学ガラス素材とこの光学ガラス素材の徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を含む物性値を表示した表示物とを含む組合体。
- 前記組合体は、徐冷装置が有する実効冷却速度を求めるために用いるためのものであり、
前記徐冷装置は、プレス成形して得たガラス製光学素子を徐冷する工程を含むガラス製光学素子の製造方法における上記徐冷工程で用いられるものであり、
上記実効冷却速度は、上記徐冷装置で徐冷して得られる、前記組合体に含まれるガラス素材からなるガラス製光学素子の所定波長における屈折率n0、並びに前記基準屈折率nsおよび徐冷係数β値の所定波長におけるそれぞれの値から、以下の式に従って求められる(式中、R0は実効冷却速度であり、Rsは基準徐冷速度であり、Δn=(屈折率n0−基準屈折率ns)であり、βは徐冷係数β値である)請求項1に記載の組合体。
R0=Rs/10Δn/β - 前記組合体は、
ガラス製光学素子の屈折率を予測する方法に用いるためのものであって、
前記ガラス製光学素子は、前記組合体に含まれるガラス素材(以下、ガラス素材Bと呼ぶ)をプレス成形して得たガラス製光学素子を徐冷装置において徐冷する工程を含むガラス製光学素子の製造方法において得られるものであり、
前記予測方法は、
上記徐冷装置が有する実効冷却速度並びに所定波長における前記基準屈折率nsおよび徐冷係数β値から、前記実効冷却速度を求めた徐冷条件と同一の条件で運転される上記徐冷装置で徐冷して得られたガラス製光学素子の前記波長における屈折率n0を以下の式に従って求める工程を含む(式中、R0は実効冷却速度であり、βは徐冷係数β値である)請求項1に記載の組合体。
n0=ns−β×log10R0 - 前記実効冷却速度は、前記ガラス素材Bからなるガラス製光学素子を徐冷した条件と同一の条件で運転される徐冷装置で徐冷して得られる、前記ガラス素材Bとは異なるガラス素材(以下、ガラス素材Aと呼ぶ)をプレス成形して得たガラス製光学素子の所定波長における屈折率n0(A)と、前記ガラス素材Aの前記波長における基準屈折率ns(A)および徐冷係数β(A)から、以下の式に従って求められる(式中、R0は実効冷却速度であり、Rsは基準徐冷速度であり、Δn(A)=(屈折率n0(A)−基準屈折率ns(A))である)請求項3に記載の組合体。
R0=Rs/10Δn(A)/β(A) - 前記組合体は、
ガラス製光学素子のアッベ数を予測する方法に用いるためのものであって、
請求項3または4に記載の屈折率を予測する方法により、F線スペクトルにおけるガラスの屈折率nF、およびC線スペクトルにおけるガラスの屈折率nCをそれぞれ求め、d線スペクトルにおけるガラスの屈折率nd、またはg線スペクトルにおけるガラスの屈折率ngを求め、下記式のいずれかに従ってアッベ数νを求める請求項1に記載の組合体。
νd=(nd−1)/(nF−nC)
νC=(nC−1)/(nF−nC)
νF=(nF−1)/(nF−nC)
νg=(ng−1)/(nF−nC) - 前記徐冷係数β値は、d線スペクトル、C線スペクトル、F線スペクトル、およびg線スペクトルにおける徐冷係数であるβd、βC、βF、およびβgを含み、基準屈折率ns値は、d線スペクトル、C線スペクトル、F線スペクトル、およびg線スペクトルにおける基準屈折率であるnd、nC、nFおよびngを含む請求項1〜5のいずれかに記載の組合体。
- 前記表示物は、前記光学ガラス素材の説明書である請求項1〜6のいずれかに記載の組合体。
- 前記光学ガラス素材および表示物に表示された物性値は、ガラス製光学素子の製造に用いられる請求項1〜7のいずれかに記載の組合体。
- 前記光学ガラス素材と前記表示物は、一緒にまたは別々にガラス製光学素子の製造者に提供される請求項8に記載の組合体。
- 前記光学ガラス素材は、ガラス製光学素子の試作用または実機製造用である請求項8に記載の組合体。
- ガラス製光学素子の製造は、前記光学ガラス素材からなるプリフォームをプレス成形することで行われる請求項8に記載の組合体。
- ガラス製光学素子の試作用光学ガラス素材および表示物に表示された物性値は、ガラス製光学素子の光学設計のために用いられる請求項10に記載の組合体。
- 徐冷係数β値、および基準屈折率ns値は、それぞれd線、C線、F線およびg線の少なくとも1つの波長における値である請求項1に記載の組合体。
- 光学ガラス素材を調製する工程(1)、
上記光学ガラス素材の少なくとも徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を求める工程(2)、
および
少なくとも前記徐冷係数β値及び基準屈折率ns値を表示した表示物を調製する工程(3)
を含む、
請求項1〜13のいずれかに記載の組合体の製造方法。 - 工程(1)は同一組成の光学ガラス素材について個別に少なくとも1回行われ、前記工程(1)が複数回行われた場合には、工程(2)および(3)は、工程(1)のいずれか1回の工程で得られた光学ガラス素材について実施され、他の回の工程(1)で調製された同一組成の光学ガラス素材についても、上記工程(2)および(3)で得られた表示物を用いる、請求項14に記載の製造方法。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の組合体を準備する工程(10)、
前記組合体に含まれる光学ガラス素材を用いて、光学素子製造に用いられることが想定されるプレス成形方法および条件にて、光学素子の試作品を調製する工程(11)、
光学素子の試作品の屈折率nを求める工程(12)、および
求めた屈折率nを用いて光学素子の光学設計を行う工程(13)
を含む、光学素子の光学設計の援助方法。 - 工程(12)において、さらに光学素子の試作品のアッベ数νを求め、工程(13)において、求めたアッベ数νも用いて光学素子の光学設計を行う、請求項16に記載の援助方法。
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