JP2010247594A - 車両のシートスライド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリ機構を操作する構成をロック解除レバーのみに設ける。
【解決手段】ロアレールと、アッパレールと、棒状ばね11で付勢された第2被押圧部8fを有するロックアーム8と、係合溝31aを有するメモリ用レール31と、メモリ用レールに設けられたメモリベース32と、該メモリベースにばねに付勢されて回動自在に設けられ係合溝31aに係脱する係合部32eと第3被押圧部32fを有する回動部材32dと、アッパレール2に設けられ前記第2被押圧部を上方へ押圧する兼用押圧部38bを下端に有したロック解除レバー38と、ストッパ部材39とで前記メモリベースを保持するメモリ機構付きのウォークイン機構を備えたシートスライド装置において、アッパレールを後退させると第3被押圧部を押圧するテーパ面38dと回動部材の回動を規制する回動規制部38eを前記ロック解除レバーに設ける。
【選択図】図1

Description

この発明はシートスライド装置に係り、2ドア車等のドアを開けて乗員が後席へ乗り降りする際に、前席シートのシートバックを前倒ししたことに連動してアッパレールをロックするためのロック機構がロック解除され、シートがアッパレールと共に前進するウォークイン機構を搭載したものに関する。
2ドア車等においては、前席乗員が設定していた車体前後方向でのシートの位置が、後席へ乗員が乗り降りする都度に変動しないように、既に設定したシートの位置を機構的に記憶させるメモリ機構を備えたシートスライド装置がある。このようなシートスライド装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
背もたれが立っているときは特許文献1の図1(a)に示すケーブル121bが緩んでいるので、図1(b)に示すように、ロッキング要素221がスプリング要素228の付勢力により時計方向へ回動し、フォローア203を圧縮スプリング232の付勢力に抗して鉛直下方へ押圧した状態となる。このため、図5(c)に示すようにロッキング爪104の左側がフォローア203に押されて反時計方向へ回動し、右側下部の戻り止めフック141が上動する。このため、ロッキング爪104の設けられたスライド105が、車体前後方向へ移動可能になると共に、ロッキング爪104が前後で保持部201に挟まれた状態になり、スライド105はシートと一体になって移動する。
一方、図3に示すように背もたれが前倒しされると、ケーブル121bが引かれるので、ロッキング要素221が反時計方向へ回動してフォローア203を開放し、該フォローア203は圧縮スプリング232の付勢力によって上動し、ロッキング爪104から離れる。このため、開放されたロッキング爪104が反時計方向へ回動し、図5では時計方向へ回動して戻り止めフック141がラチェットレール107に係合し、スライド105が固定されてその位置がメモリされる。
背もたれが前倒しされたままで引き起こすことなくシートを最前位置から後退させると、図3に示すように、フォローア203が上動したままでシートと一体の保持部201が左方へ向って後退することになり、ロッキング爪104の右端に保持部201の左側面が当接し、後方へ移動するシートがメモリ位置で停止する。この状態で背もたれを引き起こすとケーブル121bが戻るため、ロッキング要素221がスプリング要素228の付勢力により時計方向へ回動し、フォローア203が下降する。このため、ロッキング爪104が時計方向へ回動し、戻り止めフック141がラチェットレール107から外れると共に、スライド105がシートと一体に移動できるようになる。また、レバー202が時計方向へ回動することで、固定装置120によりシートがロックされる。
また、例外操作として、背もたれを引き起こした状態でシートを後退させると、フォローア203が下降しているため、図5(a)に示すようにメモリ位置で予めロックされたスライド105のロッキング爪104に対し、左から右へ向ってフォローア203が接近する。図4に示すようにロッキング爪104にはテーパ状のランプ146が形成されているので、図5(b)に示すようにフォローア203の下方末端区分234´はランプ146を介して窪み145´へ移動する。このとき、図5(b)に示すように停止部147の上動を停止部127が規制するので、ロッキング爪104の回動が規制され、戻り止めフック141がラチェットレール107から外れることなく下方末端区分234´が移動し、下方末端区分234´が窪み145´へ入る位置(メモリされた位置)まで保持部201が後退すると停止部127も後退するため、停止部147の上動が可能となる。従って、メモリ位置で戻り止めフック141がラチェットレール107から外れ、スライド105がラチェットレール107から開放されるため、スライド105が保持部201と合体し、スライド105がシートと共に移動可能となる。
このように前記特許文献1では、レール101に対してシートレール102を固定するための固定装置120と、シートレール102の位置を記憶するメモリ機構との構成が複雑であり、これらの機構をシートレール102の内部に配置するのは困難である。
一方、ロック機構とメモリ機構とをシートレール内に配置した技術として特許文献2に記載の車両のシートスライド装置がある。この特許文献2に記載の発明はシートバックが前倒れすると図5に示すようにウォークインケーブル39が引かれてロック解除レバー38が時計方向へ回動し、押圧部38bがロック解除部30を上方へ押圧することによりロックアーム8が回動し、アッパレール2がロック解除される。ロック解除レバー38に係合してロック解除レバー38をロック解除位置に保持する係脱レバー37をアッパレール2の上部に結合されたメモリブラケット36に支持軸37aを介して回動自在に設け、該係脱レバー37の回動によって操作されるメモリベース32とメモリ用レール31とをロアレール1の底面に設け、背もたれを引き起こした状態でシートを後退させた場合にメモリ位置で係脱レバー37がメモリベース32に係合して回動し、ロック解除位置にあるロック解除レバー38の保持をキャンセルさせてアッパレール2をロックさせると共にメモリベース32を係脱レバー37と係合させることにより、メモリベース32がアッパレール2と一体に移動可能となるようにしたものである。
特表2004−526626号公報 特開2008−81061号公報
ところが、特許文献2に記載の車両のシートスライド装置は、ロック解除レバー38に加えて更に別個に係脱レバー37を設けなければならず、部品数が増えて煩雑である。また、シートレールの内部空間が狭い場合、特にシートレールの高さを低くした場合には、係脱レバー37の作動空間をシートレールの内部に確保することが難しいという問題がある。そこで本発明は上記の課題を解決し、シートレールの内部空間が狭い場合でもシートレールの内部に配置することができるウォークイン機構を備えた車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、車体の床面に固定されたロアレールと、該ロアレールにスライド自在に装着されシートが載置されたアッパレールと、前記アッパレールに回動自在に設けられ前記ロアレールに対して前記アッパレールをロックまたはロック解除するロックアームと、該ロックアームをロックする方向へ付勢するアーム付勢手段と、該アーム付勢手段の付勢力に抗して前記ロックアームをロック解除するロック解除方向へ回動させるため前記ロックアームに形成されたロック解除用被押圧部と、前記ロアレールに結合されたメモリ用レールと、該メモリ用レールに一定のピッチで形成された係合溝と、前記メモリ用レールに沿って移動自在に設けられたメモリベースと、該メモリベースに回動自在に設けられた回動部材と、該回動部材の車体後方側に設けられ前記係合溝に係脱する係合部と、該係合部が前記係合溝に係合する方向へ前記回動部材を付勢する回動部材付勢手段と、前記回動部材の車体前方側に設けられ下方へ押圧されることにより前記係合部を前記係合溝から引き上げる係合解除用被押圧部と、前記アッパレールに回動自在に設けられたロック解除レバーと、該ロック解除レバーの下端に形成され該ロック解除レバーをロック解除方向へ回動させると前記ロック解除用被押圧部を押圧するロック解除用押圧部と、該ロック解除レバーを前記ロック解除方向とは反対方向のロック許容方向へ回転付勢するレバー付勢手段と、前記ロック解除レバーの上端とシートバックとを連結しシートバックの前倒しに連動して前記ロック解除レバーを前記レバー付勢手段の付勢力に抗してロック解除方向へ回動させる連結部材と、前記アッパレールに設けられ前記アッパレールの後退時に前記メモリベースまたは回動部材に当接してメモリオンされた位置に前記アッパレールを止めるストッパ部材とを備え、前記ロックアーム,アーム付勢手段,メモリ用レール,メモリベース,回動部材,回動部材付勢手段,ロック解除レバーおよびストッパ部材の夫々の一部又は全部が、ロアレールとアッパレールとにより形成された内部空間に配置されている車両のシートスライド装置において、前記レバー付勢手段の付勢力による前記ロック解除レバーの前記ロック許容方向への回動により前記係合解除用被押圧部を押圧する係合解除用押圧部を前記ロック解除用押圧部の下面に形成し、前記ロック解除レバーの下部には前記係合部が前記係合溝から引き上げられた状態で前記メモリベースが前記ロック解除レバーと一体となって移動するように、前記回動部材と係合する保持用凹部を前記係合解除用押圧部に連続させて形成し、前記ロック解除レバーがレバー付勢手段によりロック許容方向へ付勢された状態で前記アッパレールが後退したときに、前記ロック解除レバーが後退してメモリ位置へ移動するまで前記回動部材の前記係合部側端部の上面が当接して前記係合部が前記係合溝から引き上げられないように前記回動部材の回動を規制する回動規制部を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、シートバックを前倒し操作すると連結部材を介してロック解除レバーがロック解除方向へ回動し、ロック解除用押圧部が下方から上方へ移動する。このため、ロック解除用押圧部の下面に形成された係合解除用押圧部の下方への押圧が解除されて、上方のロックアームのロック解除用被押圧部が上方へ押圧される。従って、開放された下方のメモリベースの回動部材が回動部材付勢手段の付勢力により回動してその係合部が係合溝に嵌まり込みメモリベースがメモリオンされる一方、ロックアームがアーム付勢手段の付勢力に抗してロック解除方向へ回動され、アッパレールがロック解除される。そして、開放されたアッパレールがばね等の付勢により車体前方へ移動される。その後、乗員の乗り降りが終わって、シートバックを前倒ししたままでアッパレールが車体後方へ押し戻されると、ストッパ部材がメモリオンされたメモリベースまたは回動部材に当接し、シートバックを起こすと引かれていた連結部材が戻るので、ロック解除レバーがレバー付勢手段の付勢力によりロック許容方向へ回動する。このため、係合解除用押圧部が上方から下方へ移動し、上方のロックアームのロック解除用被押圧部が開放されてロックアームがアーム付勢手段の付勢力によりロック方向へ回動され、アッパレールがロックされる一方、下方のメモリベースの回動部材の係合解除用被押圧部が回動部材付勢手段の付勢力に抗して下方へ押圧され、反対側の係合部が係合溝から引き上げられることから、メモリベースがメモリオフされる。このメモリオフされたメモリベースは、回動部材が保持用凹部と係合することから、アッパレールと一体に移動される。
アッパレールが車体前方へ移動された状態でシートバックを起こし、手動でアッパレールのロックを解除し、シートバックを起こしたままでアッパレールを車体後方へ引き戻すと、回動部材の係合部側端部がロック許容位置にあるロック解除レバーの回動規制部に当接するので、アッパレールを後退させたときに、メモリ位置に至る手前で、係合部が係合溝から引き上げられることを阻止する。そして、アッパレールが更に後方へ移動してメモリ位置に至ると、回動部材の係合部側端部が回動規制部から外れ、係合部側端部が保持用凹部と対応する位置に至ると、回動部材が回動部材付勢手段の付勢力により回動し、係合部側端部が保持用凹部に入り込むと同時に係合部が係合溝から引き上げられる。これにより、メモリベースはロック解除レバーに保持され、メモリベースがロック解除レバーと一体となって移動しうる状態に復帰する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシートスライド装置において、前記ロック解除レバーは前記アッパレールの内部で車体左右方向の軸を中心として回動可能に支持されており、該ロック解除レバーの一端がアッパレールの長さ方向に沿って車体前方へ向って延設されると共に回動中心側から一端側へ向って前記回動規制部と前記保持用凹部と前記係合解除用押圧部とが並べて形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、アッパレールが車体前方へ移動した状態でシートバックを起こして手動でアッパレールのロックを解除し、シートバックを起こしたままでアッパレールを車体後方へ引き戻す操作をすると、レバー付勢手段によりロック許容方向へ付勢された状態のロック解除レバーが後方へ移動し、メモリ位置に保持されたメモリベースの回動部材の上にロック解除レバーの後方の回動規制部から順に移動する。このとき、ロック解除レバーの係合解除用押圧部が回動部材の係合解除用被押圧部を押すことになるために回動部材が回動しようとするが、回動部材の反対側である係合部側端部の上にロック解除レバーの回動規制部が存在するため、ロック解除レバーにより押圧される回動部材の回動が規制される。このため、ロック解除レバーがロック解除方向へ少し回動させられ、アッパレールがメモリ位置まで移動すると、回動部材の係合部側端部が相対的にロック解除レバーの回動規制部を通過して保持用凹部の位置へ至り、回動部材が回動すると同時に係合部側端部が保持用凹部に入り込む。このため、係合部が係合溝から引き上げられてメモリキャンセルが行われ、係合解除用押圧部と保持用凹部とによりメモリベースが保持される。これにより、メモリベースがロック解除レバーに保持され、メモリベースがロック解除レバーと一体となって移動し得る状態に復帰する。
請求項1に係る車両のシートスライド装置によれば、アッパレールをロック解除する機能と、回動部材を操作してメモリオン,オフを行わせる機能と、アッパレールにメモリベースを保持させる機能と、シートバックを起こした状態でシートを後方へ移動させる操作を行った場合にメモリキャンセルさせる機能とをロック解除レバーに持たせたので、特許文献2の係脱レバーが不要になって部品点数が削減されると同時に構成が簡単になる。これにより、アッパレールとロアレールとの間に形成される内部空間が小さい場合でもメモリ機能を有するウォークイン機構を配置することができ、ウォークイン機構を備えた車両のシートスライド装置を従来よりも小形化できる。
請求項2に係る車両のシートスライド装置によれば、ロック解除レバーには回動中心側から車体前方へ向って並べて回動規制部と保持用凹部と係合解除用押圧部とが形成されているため、アッパレールとロアレールとの間の内部空間にメモリ機能付きのウォークイン機構をコンパクトに収納することができ、特に車両の上下方向の高さを小さくすることができる。
車両のシートスライド装置の要部を示す斜視図(実施の形態)。 車両のシートスライド装置の斜視図(実施の形態)。 アッパレールとロアレールとを分解して示す斜視図(実施の形態)。 車両のシートスライド装置に係り、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図(実施の形態)。 車両のシートスライド装置に係り、(a)は平面図、(b)は正面図(実施の形態)。 (a)は拡大平面図、(b)は拡大正面図の図(実施の形態)。 図6のA−A矢視図(実施の形態)。 図6のB−B矢視図(実施の形態)。 シートバックを前倒しして前方へ移動させるまでの作用説明図(実施の形態)。 前方へ移動したシートバックを前倒ししたままで後方へ引き戻すまでの作用説明図(実施の形態)。 前方へ移動したシートバックを引き起こし、手動でアッパレールのロックを解除してシートバックを起こしたままで後方へ引き戻すまでの作用説明図(実施の形態)。 メモリベースの斜視図(実施の形態)。
以下、本発明による車両のシートスライド装置の実施の形態を説明する。
(構成)
図2,図7に示すように、シートスライド装置は、車両のフロアに固定される一対のロアレール1と、シート下面の左右位置に取り付けられる一対のアッパレール2とにより構成されている。この実施の形態では、車両の前方へ向って左側に配置される車両用シートの左側位置に取り付けられているシートスライド装置について説明する。前記ロアレール1の断面形状は、上部が開口する略U字形状の基本断面部の上端に内側へ屈曲した下向屈曲部1aが夫々延設して形成され、前記アッパレール2の断面形状は、同様に上壁部2cと一対の第1側壁部2b,第2側壁部2eとからなり下部が開口する略逆U字形状の基本断面部の下端に外側へ屈曲した上向屈曲部2aが夫々延設して形成されている。そして、これらのレールは、アッパレール2の上向屈曲部2aと第1側壁部2b,第2側壁部2eとの間に、ロアレール1の下向屈曲部1aを挟み込むようにして組み付けられている。
アッパレール2は、リテーナ3に保持されたガイドボール4,5を介して長さ方向へスライド自在にロアレール1に組み込まれている。具体的には、前記リテーナ3はロアレール1とアッパレール2との間の左右位置にフリー状態で組み込まれ、リテーナ3に保持されたガイドボール4はアッパレール2の上向屈曲部2aの下面を支持し、ガイドボール5はアッパレール2の上向屈曲部2aの上部の側面をガイドする。このように構成されたロアレール1の両端が、図示しないボルトを介して車両のフロアに固定されている。一方、アッパレール2は、ボルト7を介してシート下面の左右位置に取り付けられている。
ロアレール1の前後の端部の近傍の下面には、図7に示すようにアッパレール2の移動範囲を設定するストッパ部1bがロアレール1の左右の部分にコの字形の切断線を入れてその内側の部分を内部へ向って上方へ切り起こすことにより形成される一方、アッパレール2には該ストッパ部1bに当接する当接部2gが、第1側壁部2b,第2側壁部2eの下端の一部を前記と同様の切断線を入れて上向屈曲部2aとして屈曲させることなく下方へ突出させることにより、左右の2箇所に夫々形成されている。また、図2に示すように、ロアレール1の両端近傍と中央部には、前記リテーナ3が当接してリテーナ3がロアレール1の長さ方向の所定範囲から外れるのを阻止するための外れ止め1cが、ロアレール1の一部にコの字形の切断線を入れてその内側の部分を下方へ向って切り起こすことにより形成されている。
図2,図4に示すように、前記ロアレール1と前記アッパレール2との間には、ロアレール1に沿ってアッパレール2をスライドさせて任意の位置で固定するためのロック機構6が設けられている。該ロック機構6は、図2に示すように、軸受ブラケット12と、該軸受ブラケット12に回動自在に支持されたロックアーム8と、図7に示すようにアッパレール2およびロアレール1に形成されたロック孔9,10,14と(なお、ロック孔10は上方が開口する切欠形状に形成されている)、ロアレール1に対してアッパレール2をロックする方向へロックアーム8を常に付勢し該ロックアーム8に設けたロック爪8bをロック孔9,10,14に係合させる棒状ばね11とにより構成されている。
前記ロックアーム8と前記軸受ブラケット12との関係について説明する。図2に示すように、車体の前後位置にはアッパレール2の一方の第1側壁部2bから上壁部2cに亘って一対のスリット2dが形成されている。一方、ロックアーム8および該ロックアーム8を回動自在に支持する軸受ブラケット12がアッパレール2の上壁部2cに結合されている。図2に示すようにロックアーム8の本体部分の両端に相互に平行な一対の腕部8eが形成され、該一対の腕部8eの先端部には軸孔8aが夫々形成される一方、略コの字形状の軸受ブラケット12の両端には腕部12aが夫々形成され、夫々の腕部12aの先端部の対向面には回動軸12bがエンボス加工により突出形成されている。この回動軸12bが前記軸孔8aに嵌挿された状態で、ロックアーム8の腕部8eと軸受ブラケット12の腕部12aとが、回動軸12bがアッパレール2の第1側壁部2bと略重なるように、アッパレール2の内側からスリット2dの内部に夫々挿入されている。
図1に示すように、ロックアーム8の軸孔8aから所定半径だけ離れた円の円周上であってロックアーム8の本体部分の下端には、一対の腕部8eの基端部の間の位置に、4つのロック爪8bが形成されている。そして、該ロックアーム8を回動させてロック解除するため、ロックアーム8の車体前側の位置には、ロック爪8bとは反対方向であるアッパレール2の内側へ向って突出する第1被押圧部8cが、4つのロック爪8bと並べて一体成形されている。該第1被押圧部8cは、図1に示すように一対の腕部8eの基端部の近傍から斜め下方へ向って突出しており、アッパレール2の右の第1側壁部2b側に配置されている。
前記軸受ブラケット12は3つの部品を組み付けて構成されており、アッパレール2の上壁部2cへの前記軸受ブラケット12と前記ロックアーム8との取り付けは、以下のようにして行われている。図1,図2に示すように、軸受ブラケット12は一対の軸受部材12c,12cとこれらを連結する連結部材12dとを組み合わせて構成されている。即ち、一対の軸受部材12c,12cは、該軸受部材12cの両端に形成された2つの凸部12eを連結部材12dに形成された2つの孔12fに、少なくとも一方を圧入して嵌合することにより、一体化されて軸受ブラケット12を構成している。そして、夫々の軸受部材12cと連結部材12dとが、2本のリベット13を介してアッパレール2の上壁部2cの下面に結合されている。
このようにしてアッパレール2の内部に回動自在に取り付けられたロックアーム8をロック方向へ回動付勢するため、アーム付勢手段として図1,図2に示す棒状ばね11が設けられている。即ち、以下のように構成されている。前記ロックアーム8の本体部分の下部には、ロック爪8bとは反対の方向へ突出するばね掛け部8dが、ロック爪8bと並べて前記第1被押圧部8cとは反対側の車体後部側に形成されている。このばね掛け部8dに棒状ばね11の中間部が掛けられている。
前記棒状ばね11は弓状に形成されており、該棒状ばね11の基端部11aおよび先端部11bは図7のようにアッパレール2の内面上部の隅部に配置されており、中間部11cはばね掛け部8dの内側に当接している。棒状ばね11の基端部11aは図2のようにU字形に曲げられており、曲げられた部分の内部に前記軸受ブラケット12をアッパレール2に結合するためのリベット13が挿通され、該リベット13を介して棒状ばね11がアッパレール2に結合されている。これにより、棒状ばね11が、ばね掛け部8dをアッパレール2の断面に対して斜め下方向へ付勢しており、ロックアーム8のロック爪8bがアッパレール2の内部から右側の第1側壁部2bへ向かって常時付勢されている。
図4,図7に示すように、アッパレール2の右側の第1側壁部2bと上向屈曲部2aとには、4つのロック孔9,10がロック爪8bの数に対応させて長手方向の対応する位置に夫々形成されている。また、ロアレール1の下向屈曲部1aにはロック孔14が長さ方向に沿って多数形成されている。これらのロック孔9,10,14は、ロック時にロック爪8bが挿入係合される部分なので、これらのロック孔の高さ位置は略同じであり、ピッチはロック爪8bのピッチと同じである。
次に、前記ロック機構6によるアッパレール2のロックを解除するためのロック解除機構15について説明する。該ロック解除機構15は、図2に示すように、アッパレール2の内部であってロック機構6よりも車体前方に配置されている。前記のように、ロックアーム8を回動させてロック解除を行うためにロックアーム8に形成された前記第1被押圧部8cは、図7に示すように、ロック時にロック孔9が形成されている第1側壁部2b側に、近接するように配置されている。
アッパレール2内であって第1被押圧部8cよりも車体前方の左の第2側壁部2e側には、図1,図2に示すように前記回動軸12bと略平行なクランク軸16の基部が回動自在に支持されている。該クランク軸16の後端部には前記第1被押圧部8cをロック解除方向である上方へ押圧するための後クランク部16aが形成され、前端部にはクランク軸16自体を回転駆動させるための前クランク部16bが形成されている。そして、後クランク部16aも前クランク部16bもアッパレール2内の右の第1側壁部2b側へ向ってクランク状に屈曲形成されている。
クランク軸16の基部を回動自在に支持するため、図2に示すようにアッパレール2の内部に略逆U字形の軸受部材30が設けられ、該軸受部材30はカシメピン7bと前記ボルト7とによりアッパレール2の上壁部2cの下面に結合されている。該軸受部材30には、両側にアッパレール2の第1側壁部2b,第2側壁部2eに沿って下方へ延びる一対の側壁部が形成されている。そして、第2側壁部2e側の側壁部はアッパレール2の長さ方向の前端部および後端部にのみ形成されており、この側壁部の下端部を内部へ向って突出させて円弧状に曲げることにより一対の軸受部30a,30bが形成されている。そして、該軸受部30a,30bとアッパレール2の左の第2側壁部2eとの間にクランク軸16の基部の前部と後部とが回動自在に支持されている。
図2に示すように、アッパレール2の前端部近傍には、ハンドルホルダ29が回動自在に設けられている。即ち、前記軸受部材30の内部にハンドルホルダ29が配置されており、その中間部が軸受部30a,30bとは反対側の側壁部に水平軸18を介して回動自在に支持されている。該ハンドルホルダ29の前端部近傍には前記前クランク部16bを上方へ押圧するための押し上げ部29aが形成され、該押し上げ部29aを上動させるためにU字形の操作レバー28の端部が該ハンドルホルダ29の前端部に結合されている。
前記ハンドルホルダ29への前記操作レバー28の端部の結合は図2のようにして行われている。ハンドルホルダ29の前端部には、断面C字形の結合部材29bがハンドルホルダ29の内側に溶接結合され、該結合部材29bの内側に操作レバー28の先端部を嵌め込んだ状態で、単一のかしめピン29cにより操作レバー28の先端部と結合部材29bとハンドルホルダ29とが結合されている。
前記ハンドルホルダ29の前記押し上げ部29aをロック解除方向(下方)へ付勢するばね22が設けられている。該ばね22は、図2に示すようにハンドルホルダ29の後端部に設けられたばね掛け孔29dと前記軸受部材30の後端部の右側に設けられたばね掛け部30eとの間に設けられており、該ばね22の中間部を下方へ押し下げてハンドルホルダ29の後端部を押し下げるために軸受部材30には内部へ向って切り起こしたばね支持部30dが形成されている。該ばね支持部30dの存在により、ハンドルホルダ29の後端部が下方へ、前端部が上方へ向かって付勢されている。このばね22がハンドルホルダ29の前端部を上方のロック解除方向へ付勢する付勢力は、ばね11がロックアーム8をロック方向へ付勢する付勢力よりも小さく設定されている。
このほか、シートバックを前倒ししたときにアッパレール2をロック解除してシートを車体前方へスライドさせるためのウォークイン機構33が設けられており、該シートが車体前方へスライドする際に、シートの位置つまりはアッパレール2の位置を予め記憶しておくメモリ機構34が設けられている。
該メモリ機構34は、以下のように構成されている。図1に示すようにロアレール1の内部底面には、該ロアレール1の長さ方向に沿ってメモリ用レール31が一対のピン31bにより結合されている。該メモリ用レール31は断面形状が略J形状であって、一方の縁部には水平ガイド部31cが形成され、他方の縁部には鉛直ガイド部31dが形成されている。そして、内部の底面には前記ロック爪8bのピッチと同一のピッチで係合溝31aが形成されている。図4(b)に示すように、該係合溝31aと対応するロアレール1の底面には係合溝1dが連通形成されている。
ここで、ロック爪8bがロアレール1の前記ロック孔14に入り込む位置にアッパレール2が位置するとき、後述する回動部材32dの係合部32eが係合溝31aに係合することができる。つまり、前記ロックアーム8のロック爪8bによるロック孔14への係合と、係合部32eによる係合溝31aへの係合とがアッパレール2の長さ方向の同じ位置で行われる。
このメモリ用レール31には、メモリ用レール31に沿って移動自在なメモリベース32が設けられている。該メモリベース32は図12に示すようにベース本体32aに、メモリ用レール31の水平ガイド部31cが入り込む水平ガイド溝32bと、鉛直ガイド部31dが入り込む鉛直ガイド溝32iとを形成したものである。ベース本体32aには、回動部材32dが車体の左右方向の軸32cを介して回動自在に設けられている。
該回動部材32dの車体後方側には前記係合溝31aに係脱する係合部32eが設けられている。そして、該係合部32eが前記係合溝31aに係合する方向へ回動部材32dを付勢する回動部材付勢手段としてのばね32hが設けられている。図12に示すようにばね32hはコイルばねであり、軸32cを巻回した状態で設けられている。該ばね32hは、一端がベース本体32aの上面に当接する一方、他端が後述する第3被押圧部32fの下面に係止されている。一方、該回動部材32dの車体前方側には、下方へ押圧されることにより前記係合部32eを係合溝31aから引き上げるための係合解除用被押圧部としての第3被押圧部32fが設けられている。
前記ロック手段6の車体後方側には、ロック手段6のロック解除の操作と前記メモリ機構34のメモリオン,メモリオフの操作とを行う前記ウォークイン機構33が設けられている。
以下に、ウォークイン機構33の構成を説明する。図1に示すように、アッパレール2の上面には、支持ブラケット36が結合されている。該支持ブラケット36は、水平部36aと該水平部36aから下方へのびる鉛直部36bとから構成されており、水平部36aが2本の取り付けピン7cを介して、アッパレール2の上面に結合されている。ここで、水平部36aに形成されている孔36cは前記リベット13の頭部を逃がすためのものであり、孔36eは前記ボルト7を挿通させるためのものである。図2に示すように、アッパレール2の上壁部2cから第2側壁部2eに亘って、開口部2mが形成され、該開口部2mを介して前記鉛直部36bがアッパレール2の内部へ入り込んでいる。該開口部2mと重なる支持ブラケット36の水平部36aに開口部36dが形成されている。
支持ブラケット36の鉛直部36bには、車体の左右方向へ長い軸としての第1回動軸38aを介して、ロック解除レバー38の中間部が回動自在に支持されている。そして、該ロック解除レバー38の約2/3が、前記開口部36dと前記開口部2mとを介してアッパレール2の内部へ入り込んでいる。本実施の形態では前記ばね掛け部8dを上方へ押圧すると前記ロックアーム8がロック解除方向へ回動してロック解除されることから、ばね掛け部8dがロック解除するためのロック解除用被押圧部としての第2被押圧部8fを兼用している。この第2被押圧部8fを上方へ押圧するためのロック解除用押圧部と後述する係合解除用押圧部とを兼用する兼用押圧部38bがロック解除レバー38の回動中心から車両の前方へ向って延設されている。このロック解除レバー38を前記ロック解除方向とは反対方向のロック許容方向である反時計方向へ回転付勢するレバー付勢手段としてレバーばね38kが設けられている。このレバーばね38kは、開口部36dの車両の前方側のばね掛け孔36fに一端が係止され、ロック解除レバー38の開口部36dから突出する部分に設けたばね掛け部38hに他端が係止されている。
また、シートバックの前倒しを行うとこのレバーばね38kの付勢力に抗してロック解除レバー38がロック解除方向へ回動されるように、前記ロック解除レバー38の上端に形成した曲げ部38fにシートバックの前倒しに連動して引かれる連結部材としてのケーブル41の端部が連結されている。
このほか、アッパレール2が最前位置から後退する際に前記回動部材32dに当接してメモリオンされた位置でアッパレール2を止めるストッパ部材39がアッパレール2に設けられている。即ち、図1,図3に示すようにアッパレール2の上壁部2cから第2側壁部2eに亘って開口部2pが形成され、断面コの字状に形成されたストッパ部材39がアッパレール2の内部に収容され、該ストッパ部材39の上部を開口部2pから出した状態で該ストッパ部材39がアッパレール2に溶接結合されている。
シートバックが立てられてケーブル41が引かれない状態で、メモリベース32がロック解除レバー38と一体になってスライドするように、以下のように構成されている。
まず、前記レバーばね38kの付勢力によるロック解除レバー38のロック許容方向への回動により、回動部材32dの第3被押圧部32fを押圧して前記係合部32eを前記係合溝31aから引き上げる兼用押圧部38bが、前記ロック解除用押圧部と係合解除用押圧部とを兼用してロック解除レバー38の先端部に形成されている。そして、ロック解除レバー38のロック解除方向への回動により前記兼用押圧部38bが前記ロックアーム8の第2被押圧部8fを上方へ押圧するように、アッパレール2の長さ方向での前記ロックアーム8と前記ロック解除レバー38との相対的な位置が設定されている。一方、ロック解除レバー38により回動部材32dの第3被押圧部32fを下方へ押圧する際に、押圧位置が高精度に行えるように、前記兼用押圧部38bの先端部が入り込むためのV溝32gが第3被押圧部32fの上面に形成されている。
前記兼用押圧部38bの車体後方側の下面には、係合部32eが係合溝31aから引き上げられた状態でメモリベース32がロック解除レバー38と一体となって移動するように、回動部材32dを保持する保持用凹部38cが形成されている。
次に、アッパレール2が車体前方へ移動した状態でシートバックを引き起こし、引き起こした状態でシートを後方へ移動しようとすると、シートはシートスライド装置により最前ロック位置でロックされているため、手動で操作レバー28を操作してロック解除することによりアッパレール2を後退させることができ、この後退させたときに前記メモリベース32を前記メモリレール31から開放(メモリキャンセル)してロック解除レバー38に保持させるための構成が、前記ロック解除レバー38に設けられている。即ち、以下のように構成されている。
まず、ロック解除レバー38がレバーばね38kによりロック許容方向へ回動した状態でアッパレール2を後退させると回動部材32dの第3被押圧部32fを下方へ押圧しながら兼用押圧部38bが回動部材32dの上へ乗り上げるようにするためのテーパ面38dが前記兼用押圧部38bと前記保持用凹部38cとの間の下面に形成されている。
また、ロック解除レバー38がレバーばね38kによりロック許容方向へ回動した状態でアッパレール2が後退したときに、ロック解除レバー38が後退してメモリ位置と一致するまでは、係合部32eが係合溝31aから引き上げられないように、回動部材32dの係合部側端部の上面が当接して回動部材32dの回動を規制する回動規制部38eが、前記保持用凹部38cの後方に設けられている。
このように、ロック解除レバー38はアッパレール2の内部で車体左右方向の第1回動軸38aを中心として回動可能に支持されており、該ロック解除レバー38の一端がアッパレール2の長さ方向に沿って車体前方へ向って延設されると共に第1回動軸38a側から一端側へ向って回動規制部38eと保持用凹部38cとテーパ面38dと兼用押圧部38bとが並べて形成されている。
(作用)
次に、シートスライド装置の作用を、ロック手段6の作用とウォークイン機構33およびメモリ機構34の作用とに分けて説明する。
まず、ロック手段6の作用について説明する。シートが任意のスライド位置でロックされているときには、図7に示すようにロックアーム8が棒状ばね11の付勢力を受けて時計方向へ向かって回動変位した状態を占めており、このとき、ロックアーム8のロック爪8bは、アッパレール2のロック孔9,10とロアレール1のロック孔14との三者に挿通され、アッパレール2がロック状態になっている。また、ばね22に付勢されるハンドホルダ29の押し上げ部29aがクランク軸16の前クランク部16bを上方へ押圧するので、後クランク部16aはロックアーム8の第1被押圧部8cに常に当接し、クランク軸16の両端に遊びがない。
アッパレール2をロック解除する際に、操作レバー28を上へ引くと、ハンドルホルダ29が水平軸18を中心として回動するため、ハンドルホルダ29の押し上げ部29aがクランク軸16の前クランク部16bを押し上げる。このため、クランク軸16が回動し、該クランク軸16の後クランク部16aが上動して第1被押圧部8cを押し上げる。これにより、ロックアーム8が棒状ばね11の付勢力に抗してロック解除方向へ回動させられ、ロックアーム8のロック爪8bがロック孔9,10,14の三者から引き抜かれアッパレール2がロック解除される。
このあと、シートを前後方向へ移動させた後に、操作レバー28を開放すると、棒状ばね11の付勢力によりロックアーム8,クランク軸16,操作レバー28が元の位置へ復帰し、図7に示すようにロック爪8bが再びロック孔9,10,14の三者に挿通されてアッパレール2がロックされる。
次に、ウォークイン機構33およびメモリ機構34の作用を説明する。通常の操作では図9,図10に示す作用となる。図9(a)に示すように乗員が座っていた所定位置にシートがあって乗員が着座できる状態では、シートクッション42に対してシートバック43が立っており、シート自体は車体後方側に位置する。このとき、ロック解除レバー38はレバーばね38kの付勢力により反時計方向へ付勢されており、メモリベース32は兼用押圧部38bと保持用凹部38cとの間に保持され、兼用押圧部38bの先端部が回動部材32dの第3被押圧部32fの上面のV溝32gに入り込んでいる。図9(b)に示すようにシートバック43を前倒しするとケーブル41が引かれるのでロック解除レバー38がロック解除方向である時計方向へ回動し、兼用押圧部38bが下方から上方へ移動する。これにより下方では第3被押圧部32fを下方へ押圧する力が解除され、上方ではロックアーム8の第2被押圧部8fが上方へ押圧される。従って、開放された下方のメモリベース32の回動部材32dがばね32hの付勢力により回動してその係合部32eが係合溝31a,1dに嵌まり込みメモリベース32がメモリオンされる一方、ロックアーム8が棒状ばね11の付勢力に抗してロック解除方向へ回動され、アッパレール2がロック解除される。そして、開放されたアッパレール2が図示しないばね等の付勢により図9(c)に示すように車体前方へ移動される。その後、乗員の車への乗り降りが終わって、図10(a)に示すようにシートバック43を前倒ししたままでアッパレール2が車体後方へ押し戻されると、図10(b)に示すようにストッパ部材39がメモリオンされたメモリベース32の回動部材32dの前端部に当接し、この状態で図10(c)に示すようにシートバック43を起こすと引かれていたケーブル41が戻るので、レバーばね38kの付勢力によりロック解除レバー38がロック許容方向である反時計方向へ回動する。このため、兼用押圧部38bが上方から下方へ移動し、上方ではロックアーム8の第2被押圧部8fが開放されてロックアーム8が棒状ばね11の付勢力によりロック方向へ回動され、アッパレール2がロックされる一方、下方では回動部材32dの第3被押圧部32fがばね32hの付勢力に抗して下方へ押圧され、反対側の係合部32eが係合溝31aから引き上げられることから、メモリベース32がメモリオフされる。このメモリオフされたメモリベース32が兼用押圧部38bと保持用凹部38cとの間に保持され、兼用押圧部38bの先端部が第3被押圧部32fの上面のV溝32gに入り込む。
次に、図9(c)に示すようにアッパレール2が車体前方へ移動した状態で図11(a)に示すようにシートバック43を引き起こし、引き起こした状態でシートを後方へ移動しようとすると、シートはシートスライド装置により最前ロック位置でロックされているため、手動で操作レバー28を操作してロック解除することにより、シートバック43を起こしたままでアッパレール2を後退させることができる。この操作について説明する。
シートと共にアッパレール2が車体前方へ移動するまでは図9(a)〜図9(c)の作用と同じである。その後、図11(a)に示すようにシートバック43を起こして手動で操作レバー28を引き上げてアッパレール2のロックを解除してからアッパレール2を後退させると、図11(b)に示すようにレバーばね38kによりロック許容方向へ付勢された状態のロック解除レバー38の下部のテーパ面38dが回動部材32d上を後方へ移動し、テーパ面38dの作用により回動部材32dの第3被押圧部32fが下方へ押圧される。このとき、回動部材32dが反時計方向へ回動しようとするが、回動部材32dの係合部側の端部の上にロック解除レバー38の回動規制部38eが存在しているために回動が規制され、このときロック解除レバー38がレバーばね38kの付勢力に抗してロック解除方向へ少し回動させられ、回動部材32dが相対的に回動規制部38eよりも前方へ移動すると、図11(c)に示すようにばね32hの付勢力により回動部材32dが反時計方向へ回動して回動部材32dが保持用凹部38cへ入り込む。これにより、係合部32eが係合溝31aから引き上げられてメモリキャンセルが行われ、兼用押圧部38bと保持用凹部38cとの間にメモリベース32が保持される。これにより、メモリベース32がロック解除レバー38に保持され、兼用押圧部38bの先端部が第3被押圧部32fの上面のV溝32gに入り込み、メモリベース32がロック解除レバー38と一体となって車体前後方向へ移動できる状態に復帰する。
この発明によれば、アッパレール2をロック解除する機能と、回動部材32dを操作してメモリオン,オフを行わせる機能と、アッパレール2にメモリベース32を保持させる機能と、シートバックを起こした状態でシートを後方へ移動させる操作を行った場合にメモリキャンセルさせる機能とをロック解除レバー38に持たせたので、特許文献2の係脱レバーが不要になって部品点数が削減されると同時に構成が簡単になる。これにより、アッパレール2とロアレール1との間に形成される内部空間が小さい場合でもメモリ機能を有するウォークイン機構を配置することができ、ウォークイン機構を備えた車両のシートスライド装置を従来よりも小形化できる。
この発明によれば、ロック解除レバー38には第1回動軸38aから車体前方へ向って並べて回動規制部38eと保持用凹部38cと係合解除用押圧部としての兼用押圧部38bとが形成されているため、アッパレール2とロアレール1との間の内部空間にメモリ機能付きのウォークイン機構をコンパクトに収納することができ、特に車両の上下方向の高さを小さくすることができる。
このほか、ロック解除レバー38にテーパ面38dと回動規制部38eとを設けたので、シートバック43を起こして手動でアッパレール2のロックを解除し、シートバック43を起こしたままでアッパレール2を車体後方へ引き戻すという例外操作をした場合の復帰ためのメモリキャンセルとメモリベースをアッパレールに保持させるための構成を簡単にすることができる。
1…ロアレール
2…アッパレール
8…ロックアーム
8f…第2被押圧部(ロック解除用被押圧部)
11…棒状ばね(アーム付勢手段)
31…メモリ用レール
31a…係合溝
32…メモリベース
32d…回動部材
32e…係合部
32f…第3被押圧部(係合解除用被押圧部)
32h…ばね(回動部材付勢手段)
38…ロック解除レバー
38a…第1回動軸(軸)
38b…兼用押圧部(ロック解除用押圧部・係合解除用押圧部)
38c…保持用凹部
38d…テーパ面
38e…回動規制部
38k…レバーばね(レバー付勢手段)
39…ストッパ部材
41…ケーブル(連結部材)

Claims (2)

  1. 車体の床面に固定されたロアレールと、該ロアレールにスライド自在に装着されシートが載置されたアッパレールと、前記アッパレールに回動自在に設けられ前記ロアレールに対して前記アッパレールをロックまたはロック解除するロックアームと、該ロックアームをロックする方向へ付勢するアーム付勢手段と、該アーム付勢手段の付勢力に抗して前記ロックアームをロック解除するロック解除方向へ回動させるため前記ロックアームに形成されたロック解除用被押圧部と、
    前記ロアレールに結合されたメモリ用レールと、該メモリ用レールに一定のピッチで形成された係合溝と、前記メモリ用レールに沿って移動自在に設けられたメモリベースと、該メモリベースに回動自在に設けられた回動部材と、該回動部材の車体後方側に設けられ前記係合溝に係脱する係合部と、該係合部が前記係合溝に係合する方向へ前記回動部材を付勢する回動部材付勢手段と、前記回動部材の車体前方側に設けられ下方へ押圧されることにより前記係合部を前記係合溝から引き上げる係合解除用被押圧部と、
    前記アッパレールに回動自在に設けられたロック解除レバーと、該ロック解除レバーの下端に形成され該ロック解除レバーをロック解除方向へ回動させると前記ロック解除用被押圧部を押圧するロック解除用押圧部と、該ロック解除レバーを前記ロック解除方向とは反対方向のロック許容方向へ回転付勢するレバー付勢手段と、前記ロック解除レバーの上端とシートバックとを連結しシートバックの前倒しに連動して前記ロック解除レバーを前記レバー付勢手段の付勢力に抗してロック解除方向へ回動させる連結部材と、前記アッパレールに設けられ前記アッパレールの後退時に前記メモリベースまたは回動部材に当接してメモリオンされた位置に前記アッパレールを止めるストッパ部材とを備え、前記ロックアーム,アーム付勢手段,メモリ用レール,メモリベース,回動部材,回動部材付勢手段,ロック解除レバーおよびストッパ部材の夫々の一部又は全部が、ロアレールとアッパレールとにより形成された内部空間に配置されている車両のシートスライド装置において、
    前記レバー付勢手段の付勢力による前記ロック解除レバーの前記ロック許容方向への回動により前記係合解除用被押圧部を押圧する係合解除用押圧部を前記ロック解除用押圧部の下面に形成し、前記ロック解除レバーの下部には前記係合部が前記係合溝から引き上げられた状態で前記メモリベースが前記ロック解除レバーと一体となって移動するように、前記回動部材と係合する保持用凹部を前記係合解除用押圧部に連続させて形成し、前記ロック解除レバーがレバー付勢手段によりロック許容方向へ付勢された状態で前記アッパレールが後退したときに、前記ロック解除レバーが後退してメモリ位置へくるまで前記回動部材の前記係合部側端部の上面が当接して前記係合部が前記係合溝から引き上げられないように前記回動部材の回動を規制する回動規制部を設けたことを特徴とするシートスライド装置。
  2. 請求項1に記載のシートスライド装置において、
    前記ロック解除レバーは前記アッパレールの内部で車体左右方向の軸を中心として回動可能に支持されており、該ロック解除レバーの一端がアッパレールの長さ方向に沿って車体前方へ向って延設されると共に回動中心側から一端側へ向って前記回動規制部と前記保持用凹部と前記係合解除用押圧部とが並べて形成されていることを特徴とするシートスライド装置。
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