JP2010245723A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に凹部を有する振動板と、前記振動板の一部の領域で前記振動板の凹部を覆うように配置され、該凹部の高低差を低減する付加振動部と、を備え、前記振動板170全体の有効領域の投影面積をSd、前記付加振動部の投影面積をSr、出力音圧周波数特性において出力音圧が−10dBとなる上限の周波数を上限周波数、とした場合に、1>Sr/Sd≧1/√10を満たす、ことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
一般的な動電型では、上記の電線としてのボイスコイルを駆動して振動板を動かしているため、駆動力が加わるのは振動板全体のうちでボイスコイルが直接接している円周上に限られる。なお、フィルム状の振動板全面に導体をプリントした全面駆動型も存在するが、構造が特殊であり高価であって、一般的ではない。
しかしリング形状では、内外周で固定されるためスティフネスが上昇し最低共振周波数が上昇するため硬い素材は使いにくく、分割振動の観点からは不利なやわらかい素材が用いられることが多い。
このような補強によってボイスコイルと振動板との接合部分の強度改善に若干の効果はみられるものの、振動板の分割振動を根本的に解決するものではなかった。
(1)請求項1記載の発明は、表面に凹部を有する振動板と、前記振動板の一部の領域で前記振動板の凹部を覆うように配置され、該凹部の高低差を低減する付加振動部と、を備え、前記振動板全体の有効領域の投影面積をSd、前記付加振動部の投影面積をSr、前記振動板全体の有効領域の投影面積をSd、前記付加振動部の投影面積をSr、振動板有効半径をre、極座標系に於ける動径をr、出力音圧周波数特性において出力音圧が−MdBとなる上限の周波数を上限周波数fh(この上限周波数fhでの波長をλh)、振動板の平面方向の投影面での座標x,y、振動板が振動する方向の測定点からの座標z、付加振動部を含めた振動板表面上の各点の位置を(x,y,z)とした場合に、
ことを特徴とするスピーカである。
(2)請求項2記載の発明は、前記振動板と前記付加振動部との高低差Δについて、前記上限周波数の波長をλhとした場合、0<Δ≦0.4λhとなるように、前記付加振動部を配置する、ことを特徴とする請求項1記載のスピーカである。
(5)請求項5記載の発明は、前記付加振動部は、前記前記振動板の凹部に充填剤が充填され、該充填剤が硬化して生成される、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のスピーカである。
(7)請求項7記載の発明は、前記付加振動部は、発泡金属あるいは発泡高分子化合物が使用される、ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のスピーカである。
以上のスピーカの発明では、振動板の一部の領域で振動板の凹部を覆うように、該凹部の高低差を低減する付加振動部を備えているため、振動板のくぼみ効果を低減することができ、出力音圧周波数特性を平坦化することができる。
なお、既存のスピーカに対して付加振動部を配置する際に、接着または充填などの工程が加わるのみなので、製造工程が煩雑化しない。
なお、他のユニットとの組み合わせる際に、高域用のスピーカの能率が高い場合、付加振動部を調整することで能率が下がるため、抵抗等の外部素子に依らず能率を調整することが可能になる。
また、上限周波数の波長をλhとした場合、0<Δ≦0.4λhとなるように付加振動部を設けて振動板に存在する凹部の高低差を低減することで、振動板の高低差によって出力が打ち消しあう状態が低減され、出力音圧周波数特性を平坦化することができる。
〔第一実施形態〕
〔第一実施形態の構成〕
図1は本発明の第一実施形態のスピーカ100の構成を示す構成図であり、図1(a)(b)はスピーカ100の正面(振動板の振動放射面)を示す正面図、図1(c)はスピーカ100の側断面を示す断面図である。
そして、ヨーク120の中心部分には、振動放射方向および反対方向に着磁された永久磁石130が取り付けられている。
円盤状のトッププレート140と、該トッププレート140に向かい合うヨーク120の内面との間は磁路となっており、該磁路中には円筒状のコイルボビン150が配置されている。なお、該コイルボビン150の円周面上であって該磁路中に、ボイスコイルが巻回されている。
ここで、図2に示すように、振動板170の突端部と付加振動部190の最大高低差Δについて、上限周波数の波長をλhとした場合、0<Δ≦0.4λhとなるように、付加振動部190が配置されている。なお、この数式の意味については後述する。
ここで、振動板170の凹部の一部の領域を覆う付加振動部190の大きさや面積について説明する。
上述した付加振動部190を含めた振動板170表面上の各点の位置を(x,y,z)で表す。x,yは図1(a)に示す振動板170の平面方向(投影面)の座標であり、zは振動板170が振動する方向(=振動板170の凹凸の高低差の方向)の測定点からの座標である。
上限周波数fhでは、以下の2つの状態の間を取ると考える。すなわち、振動板170全体がピストンモーションをしている状態m0、及び、付加振動部190のみがピストンモーションを行いその他の部分は分割振動により音の放射に寄与していない状態mpである。
0≦n≦1とした場合に、
n*m0+(1−n)*mp
で表現出来る。
さらに、一般的と思われる以下の条件を付与する。
Δ≧λ/2であれば振動板170の全体有効領域投影面積Sdについて、Sd/2ずつが、λ/2の高低差をもった振動板170の形状を仮定すれば、波長λでの音圧は打ち消し合って0となる。ただし、ここでは、Δ≧0とする。
上記MをJISで定められた10として、上限周波数fhを一般的な可聴上限周波数20kHzにおけば、Δ≦6.8mmとなる。
なお、以上の図1と図2とに示した付加振動部190は平面であり、z方向に一定であった。これに限られず、図3(a)のように、振動板170の凹部を埋めた付加振動部190は、断面図において表面が凹面になるよう形成し、振動板170の凹部の一部を埋めるようにしてもよい。
〔第二実施形態〕
また、図1−図3のような円形の振動板170だけではなく、図5(a)のようなリング状(環状)の振動板170を有するスピーカであってもよい。ここでは、センターポールを有するヨーク120と、該センターポールの周囲に配置された環状の永久磁石130とを有しており、該センターポール〜永久磁石130〜永久磁石130上のプレート140で磁気回路を構成している。
以上の実施形態を適用したスピーカと同じ型式で付加振動部190を備えないスピーカとで、出力音圧周波数特性を測定したところ、図6のような結果を得ることができた。
〔各実施形態における変形(1)〕
以上の実施形態における振動板170と付加振動部190とを、別部品で構成したり、あるいは、振動板に充填剤を充填するのではなく、予め振動板170と付加振動部190とを一体に構成することも可能である。
以上の実施形態では、スピーカとして説明してきたが、スピーカ以外の各種アクチュエータのような電気音響変換器として使用することも可能である。また、超音波発生装置として使用することも可能である。
110 フレーム
120 ヨーク
130 永久磁石
140 トッププレート
150 コイルボビン
160 ボイスコイル
170 振動板
190 付加振動部
Claims (8)
- 前記振動板と前記付加振動部との高低差Δについて、
前記上限周波数の波長をλhとした場合、
0<Δ≦0.4λhとなるように、前記付加振動部を配置する、
ことを特徴とする請求項1記載のスピーカ。 - 前記付加振動部は、前記振動板に環状に存在する凹部の高低差を低減するため環状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ。 - 前記振動板と前記付加振動部とは、別部品が接合される、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のスピーカ。 - 前記付加振動部は、前記前記振動板の凹部に充填剤が充填され、該充填剤が硬化して生成される、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のスピーカ。 - 前記付加振動部は、比重が1.5以下の高分子化合物の素材が使用される、
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のスピーカ。 - 前記付加振動部は、発泡金属あるいは発泡高分子化合物が使用される、
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のスピーカ。 - 前記付加振動部は、紙成形品が使用される、
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のスピーカ。
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