JP2010243416A - トロリ線検測装置及び検測方法 - Google Patents

トロリ線検測装置及び検測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズによる測定精度の低下を防止することを可能としたトロリ線検測装置を提供する。
【解決手段】車両の屋根上に設置される測域センサ2と、車両の内部に設置される演算装置3とを備えるトロリ線検測装置において、演算装置3に、測域センサ2の操作を行う制御部301、測域センサ2によって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する検出範囲抽出部303、測域センサ2による一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出部305、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力部307、及び、複数のトロリ線候補座標からなる近似式とトロリ線候補座標とを比較することによりトロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定するノイズ判定処理部308を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、測域センサを用いてトロリ線の高さ、変位を測定するトロリ線検測装置及び検測方法に関し、特に、測定時の誤差を低減し、精度の高い測定値を得るようにしたトロリ線検測装置及び検測方法に関する。
電気車に電気を供給するための電線であるトロリ線は、レールからの高さや電力供給を受けるパンタグラフ上での偏位の範囲が決められていることから、その高さや偏位が所定範囲内に収まるようにトロリ線を保全する必要がある。これには、トロリ線の高さや偏位の測定が重要となる。
従来、トロリ線を測定する方法としては例えば以下のようなものがある。第一に、パンタグラフのバネの部分にLEDなどの光源を二個ずつ上下に設置し、パンタグラフからの相対位置を求める方法である(例えば、特許文献1参照)。第二に、パンタグラフのバネの位置に光を反射しやすいマーカを取り付けてラインセンサで撮影し、パターンマッチングにより相対位置を検出する方法である(例えば、特許文献2参照)。第三に、トロリ線にロータリエンコーダを取り付けたポリゴンミラーを介してレーザ光を当て、ポリゴンミラーからトロリ線までの距離と、ロータリエンコーダから読み取れる回転角度をもとに、ポリゴンミラーからの相対位置を求める方法である(例えば、特許文献3参照)。
また、上述した第一ないし第三の方法のほかに、測域センサを用いてトロリ線の高さと偏位を求めることもできる。即ち、図1に示すように、車両1の屋根上に車両1の進行方向に平行な軸周りでトロリ線4をスキャンするように測域センサ2を設置する一方、車両1の内部に演算装置3を設置する。そして、測域センサ2においてレーザ光によりセンサの周囲を扇状にスキャンして得た測定対象物までの距離とステップ角とに基づき演算装置3において演算処理を行い、トロリ線の高さ及び偏位を求める。
つまり、測域センサ2の正面を鉛直上方に向けて車両1に配置し、その車両1を走行させることで測域センサ2の設置場所からトロリ線4までの距離と角度を取得し、これらを演算装置3側で座標に変換することで、測域センサ2からトロリ線4までの高さと偏位を求めるのである。
特開2001−235310号公報 特開2008−104312号公報 特開2006−123787号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では接触力を測定するために二箇所にLEDやマーカを取り付ける必要がある。さらにパンタグラフの高さ・偏位・接触力が同時に得られるような計算を行っているため、高さと偏位のみを得たい場合には不要な計算が発生してしまうという問題があった。また、特許文献2に記載された構成では、まず時空画像を生成してからパターンマッチングを行うため、リアルタイムに高さや偏位を得ることが困難であるという問題があった。
一方、文献3や測域センサを用いた方法では直接的にトロリ線までの距離と角度が得られるため、最小限の計算でトロリ線までの高さや偏位が得られるという利点がある。しかし、測定に回転するレーザを用いるため、以下の問題が生じる可能性があった。第一にトロリ線のハンガを誤ってトロリ線として検出することがあるという問題である。第二にトロリ線の素材や測域センサの特性が測定結果に影響する可能性があるという問題である。
このようなことから本発明は、ノイズによる測定精度の低下を防止することを可能としたトロリ線検測装置及び検測方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係るトロリ線検測装置は、車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置により前記トロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する検出範囲抽出手段、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段、前記トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段、及び、複数の前記トロリ線候補座標からなる近似式と前記トロリ線候補座標とを比較することにより前記トロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定するノイズ判定処理手段を備えることを特徴とする。
また、第2の発明に係るトロリ線検測装置は、第1の発明に係るトロリ線検測装置において、前記ノイズ判定処理手段が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて前記近似式を求め、該近似式に基づいて前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする。
また、第3の発明に係るトロリ線検測装置は、第1又は第2の発明に係るトロリ線検測装置において、前記ノイズ判定処理手段が、前記車両の走行速度および前記トロリ線の配設条件に基づいて前記トロリ線座標検出手段において検出された測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする。
また、第4の発明に係るトロリ線検測装置は、第1の発明に係るトロリ線検測装置において、前記ノイズ判定処理手段が、前記トロリ線座標検出手段において検出された前記測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする。
また、第5の発明に係るトロリ線検測装置は、第1乃至第4のいずれかの発明に係るトロリ線検測装置において、前記測域センサによって測定した測定値を、前記測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出する手段を備え、前記検出範囲抽出手段が、前記補正式を用いて前記測定値を真値に補正した後、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるものを抽出するように構成されたことを特徴とする。
また、第6の発明に係るトロリ線検測方法は、車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置により前記トロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測方法であって、前記測域センサを操作して前記測域センサからのデータを取得する第一の工程と、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する第二の工程と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出する第三の工程と、前記トロリ線座標を特定のフォーマットで出力する第四の工程と、複数の前記トロリ線候補座標からなる近似式と前記トロリ線候補座標とを比較することにより前記トロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定する第五の工程とからなることを特徴とする。
また、第7の発明に係るトロリ線検測方法は、第6の発明に係るトロリ線検測方法において、前記第五の工程が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて前記近似式を求め、該近似式に基づいて前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする。
また、第8の発明に係るトロリ線検測方法は、第6又は第7の発明に係るトロリ線検測方法において、前記第五の工程が、前記車両の走行速度および前記トロリ線の配設条件に基づいて前記トロリ線座標検出手段において検出された測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする。
また、第9の発明に係るトロリ線検測方法は、第6の発明に係るトロリ線検測方法において、前記第五の工程が、前記トロリ線座標検出手段において検出された前記測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする。
また、第10の発明に係るトロリ線検測方法は、第6乃至第9のいずれかの発明に係るトロリ線検測方法において、前記測域センサによって測定した測定値を、前記測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出し、該補正式を用いて前記測域センサによって得られる測定値を真値に補正した後、前記第二の工程を行うことを特徴とする。
上述した第1の発明に係るトロリ線検測装置によれば、車両の屋根上に設置される測域センサと、車両の内部に設置される演算装置とを備え、測域センサの検出結果に基づいて演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、演算装置が、測域センサの操作を行う制御手段、測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する検出範囲抽出手段、測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段、及び、複数のトロリ線候補座標からなる近似式とトロリ線候補座標とを比較することによりトロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定するノイズ判定処理手段を備えるので、ノイズによる測定精度の低下を防止することができる。
上述した第2の発明に係るトロリ線検測装置によれば、ノイズ判定処理手段が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて近似式を求め、該近似式に基づいて測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定するので、測定値のノイズを事前に取り除くことができ、測定値に何らかの操作を加える際、ノイズによる精度低下を防止することができる。また、トロリ線の偏位が直線状になることが事前にわかっているので、複雑な計算をせずに測定値がノイズか否かの判定を行うことができる。ノイズを判定する際、全ての測定値を必要としないので、リアルタイムにトロリ線の高さや偏位を表示することができる。
上述した第3の発明に係るトロリ線検測装置によれば、ノイズ判定処理手段が、車両の走行速度およびトロリ線の配設条件に基づいてトロリ線座標検出手段において検出された測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定するので、測域センサによってトロリ線を測定しつつ、ノイズを取り除くことができ、トロリ線の測定を終了した後で測定値を用いる際の精度低下を抑制することができる。また、第2の発明と併用してノイズを判定する際のしきい値として使用することができる。
上述した第4の発明に係るトロリ線検測装置によれば、ノイズ判定処理手段が、トロリ線座標検出手段において検出された測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定するので、多数決の原理により少数のノイズの影響を受けずにハンガ間の測定データから直線を得ることができ、事前にノイズを除去する第2、第3の発明と同程度の性能が得られる。
上述した第5の発明に係るトロリ線検測装置によれば、測域センサによって測定した測定値を、測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出する手段を備え、検出範囲抽出手段が、補正式を用いて測定値を真値に補正した後、測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるものを抽出するように構成されたので、事前に一度補正式を導いておけば、同じ形状・材質のものに対しては同一の補正式を用いることができ、効率よく測定精度の低下を防止することができる。
上述した第6の発明に係るトロリ線検測方法によれば、車両の屋根上に設置される測域センサと、車両の内部に設置される演算装置とを備え、測域センサの検出結果に基づいて演算装置によりトロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測方法であって、測域センサを操作して測域センサからのデータを取得する第一の工程と、測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する第二の工程と、測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出する第三の工程と、トロリ線座標を特定のフォーマットで出力する第四の工程と、複数のトロリ線候補座標からなる近似式とトロリ線候補座標とを比較することによりトロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定する第五の工程とからなるので、ノイズによる測定精度の低下を防止することができる。
上述した第7の発明に係るトロリ線検測方法によれば、第五の工程が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて近似式を求め、該近似式に基づいて測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われるので、測定値のノイズを事前に取り除くことができ、測定値に何らかの操作を加える際、ノイズによる精度低下を防止することができる。また、トロリ線の偏位が直線状になることが事前にわかっているので、複雑な計算をせずに測定値がノイズか否かの判定を行うことができる。ノイズを判定する際、全ての測定値を必要としないので、リアルタイムにトロリ線の高さや偏位を表示することができる。
上述した第8の発明に係るトロリ線検測方法によれば、第五の工程が、車両の走行速度およびトロリ線の配設条件に基づいてトロリ線座標検出手段において検出された測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われるので、測域センサによってトロリ線を測定しつつ、ノイズを取り除くことができ、トロリ線の測定を終了した後で測定値を用いる際の精度低下を抑制することができる。また、第2の発明と併用してノイズを判定する際のしきい値として使用することができる。
上述した第9の発明に係るトロリ線検測方法によれば、第五の工程が、トロリ線座標検出手段において検出された測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して測定値がトロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われるので、多数決の原理により少数のノイズの影響を受けずにハンガ間の測定データから直線を得ることができ、事前にノイズを除去する第7、第8の発明と同程度の性能が得られる。
上述した第10の発明に係るトロリ線検測方法によれば、測域センサによって測定した測定値を、測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出し、該補正式を用いて測域センサによって得られる測定値を真値に補正した後、第二の工程を行うので、事前に一度補正式を導いておけば、同じ形状・材質のものに対しては同一の補正式を用いることができ、効率よく測定精度の低下を防止することができる。
図1(a)は本発明の第1の実施例に係るトロリ線検測装置の適用例を模式的に示す正面図、図1(b)は本発明の第1の実施例に係るトロリ線検測装置の適用例を模式的に示す側面図である。 本発明の実施例1に係るトロリ線検測装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るトロリ線検測装置による処理の流れを示すフローチャートである。 トロリ線の敷設例を示す説明図である。 本発明の実施例1における測域センサによる測定結果例を示す説明図である。 本発明の実施例1における測域センサによる他の測定結果例を示す説明図である。 本発明の実施例3に係るトロリ線検測装置の構成を示すブロック図である。 図8(a)は本発明の実施例3における測域センサによる測定結果例を示す説明図、図8(b)は図8(a)に示す測定値をハフ曲線に変換した例を示す説明図である。 本発明の実施例4に係るトロリ線検測装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4に係るトロリ線検測装置による処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例4における測域センサによる測定結果例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本実施例に係るトロリ線検測装置及びトロリ線検測方法の詳細を説明する。
図1乃至図6を用いて本発明に係るトロリ線検測装置及びトロリ線検測方法の第1の実施例について説明する。
図1に示すように、本実施例に係るトロリ線検測装置は、車両1の屋根上にトロリ線4を測定可能に設置された測域センサ2と、車両1の内部に設置された演算装置3とを備えて構成されている。
測域センサ2は、レーザ光を車両1の進行方向に平行な軸周りで放射線状に投光し、その反射光を受光することによって測定対象物までの距離を測定するものである。本実施例では、測域センサ2は図1に示す測定範囲A(スキャン角度270°)を1080ステップでスキャンするものとし、これにより角度分解能ωは0.25°となっている。
これに対し、演算装置3は測域センサ2による測定結果に基づいてトロリ線4の高さや偏位等を算出する部分である。この演算装置3には、図2に示すように制御部301、第一メモリ302、検出範囲抽出部303、第二メモリ304、トロリ線座標検出部305、第三メモリ306、ログ出力部307、ノイズ判定処理部308が設けられている。
制御部301は測域センサ2の操作を行い、測域センサ2によって検出された測定対象物の距離・角度データは第一メモリ302に格納される。検出範囲抽出部303は、第一メモリ302から取り出した距離・角度データに基づき、予め設定した検出範囲B内に存在する測定対象物の座標を対象物座標として抽出する。より具体的には、測域センサ2から入力される測定対象物までの距離・角度を直交座標に変換した後、検出範囲Bに存在する測定対象物から得られる座標のみを抽出し、これらの座標を対象物座標として出力する。なお、検出範囲Bは、測定範囲A内に、トロリ線4の高さ方向及び水平方向の偏位に基づいて設定される。
トロリ線座標検出部305は、第二メモリ304から取り出した測域センサ2による一回のスキャンで連続して得られた複数の対象物座標のうち、最もその位置が低い座標をトロリ線4の座標とみなし、これをトロリ線座標として出力する。なお、一回のスキャンで連続して測定対象物を検出した後に、間隔をおいて検出範囲B内で再度測定対象物を検出した際には、二度目に検出された測定対象物を新たなトロリ線とみなし、第二のトロリ線の座標として出力する。
トロリ線座標検出部305から出力されたトロリ線座標は第三メモリ306に格納される。ログ出力部307は、第三メモリ306から取り出したトロリ線座標を履歴データとして特定のフォーマットで出力する。このログ出力部307から出力された履歴データはログLとして保管される。
ノイズ判定処理部308は、トロリ線4が直線状に敷設されることを利用して、ログLとして蓄積された履歴データが所定量蓄積された後、ある時刻tにおける測定値と、時刻tの直前に測定した数点の測定値を一次関数で近似した直線から得られる予測値とを比較することで、時刻tに得られた測定値がノイズであるか否かを判定し、ノイズであればこれを除去する。
より具体的には、ノイズ判定処理部308はログLから入力される履歴データに基づき、トロリ線4の偏位の近似式を求めるとともに、トロリ線座標検出部305から第三メモリ306を介して入力されたトロリ線座標が上記近似式を満たす直線上にあるか否かを判定し、トロリ線座標検出部305から第三メモリ306を介して入力されたトロリ線座標が上記直線状に存在しないと判断した場合はこれをノイズとして除去する。
図3に示すように、本実施例に係るトロリ線検測装置によりトロリ線の測定を行う場合、演算装置3では、まず、制御部301により測域センサ2を操作してトロリ線4の測定を開始し、測域センサ2によって求めた測定範囲A内にある測定対象物までの距離及び角度のデータを取得する(ステップP1)。続いて、検出範囲抽出部303、トロリ線座標検出部305により上述したようにトロリ線4の座標を検出し(ステップP2)、その後ログが所定量蓄積されているか否かの判定を行う(ステップP3)。
ステップP3においてログが所定量蓄積されていると判定された場合(YES)は、ノイズ判定処理部308によりノイズ判定処理を行い(ステップP4)、その後ログ出力部307により履歴データを出力する(ステップP5)。一方、ステップP3においてログが所定量蓄積されていないと判定された場合(NO)は、ログ出力部307によりトロリ線座標検出部305において求めたトロリ線座標を履歴データとして出力する(ステップP5)。上記ステップP1からステップP5の工程を測定終了まで繰り返す(ステップP6)。
ここで、ノイズ判定処理部308において測域センサ2によって測定されたノイズを除去する例について詳細に説明する。図4に示すように、トロリ線4は、パンタグラフの一部だけが磨耗してしまうことを防止するために、ちょう架線5から延びるハンガ6によって偏位方向(車両1の進行方向に対して左右方向)にジグザグになるように配設されている。そのため、本実施例では、ある時刻tにおいて検出された測定点について、その測定点が時刻tの直前に測定された複数の点を一次近似してなる直線上にあるか否かを考慮することで、検出範囲B内に存在する測定対象物がトロリ線4であるかノイズであるかを判定するようにしている。
例えば、図5に示すように時刻t5における測定対象物の偏位に対し、時刻t5の直前に測定した数点(ここでは、時刻t1〜t4に測定した4点p1,p2,p3,p4)の測定結果に基づいて最小二乗法により次式(1)を求める。
x=x(t) ・・・(1)
そして、測域センサ2により求めた時刻t5における偏位(以下、実測偏位という)と、上記(1)式にt=t5を代入して得られた値(以下、予測偏位という)とを比較し、実測偏位と予測偏位との差が予め設定する所定値αより大きい場合はこれをノイズと判定し、トロリ線4の測定値としてカウントしないようにする。
ここで、所定値αの設定方法としては以下の二通りの方法が考えられる。
第一に、測定対象物の座標の実測偏位をx0、予測偏位をxeとしたとき、これら実測偏位x0と予測偏位xeとの関係が下式(2)を満たす場合、即ち、実測偏位x0と予測偏位xeとの差αが予め設定する一定値(本実施例では、α=100mm)より大きい場合に測定対象物をノイズとみなすものである。
Figure 2010243416
即ち、x0とxeとの関係が下式(3)を満たす場合はツインシンプルカテナリ式により並行して敷設された隣のトロリ線を検出している可能性が高いと考えられる。
Figure 2010243416
そのため、測定対象物の実測偏位x0と予測偏位xeとの関係がツインシンプルカテナリ式により並行して敷設された二つのトロリ線の間隔よりも大きく、上記(2)式を満たす場合はこの測定対象物をノイズとみなす。
第二の方法は、一次近似式の傾きと測域センサの測定誤差を用いてノイズの判定を行うものである。
図6に示すように、例えば、時刻t1〜t4において測定した結果に基づいて算出した一次近似式が下式(4)に示すように傾きa(>0)であったとする。
x(t)=at+b ・・・(4)
ただし、a,bは定数。
ここで、t=t4における測定箇所が丁度ハンガ6に対応する位置であった場合、t=t5における測定点p5’とt=t4における測定点p4とから得られる一次近似式の傾きは概ね−aとなる。また、測域センサ2固有の測定誤差を±δとすると、上記(4)式にt=t5を代入して得られる予測偏位xeから、t=t4における測定箇所が丁度ハンガ6に対応する位置であった場合の実測偏位x0との間の誤差は最大で約2aΔt+δとなる(ここで、Δt=t5−t4)。
更に、折り返さない場合を考慮して、最大誤差として2aΔt+2δを見込んでおけば十分である。よって、実測偏位x0と予測偏位xeとの関係が下式(5)を満たす場合、即ち、実測偏位x0と予測偏位xeとの差が近似式及び測域センサ2固有の測定誤差から得られる値(本実施例では、α=2aΔt+2δ)より大きい場合は測定対象物をノイズとみなしてよい。
Figure 2010243416
このような処理を行うことにより、測域センサ2による測定におけるノイズを、トロリ線4の測定を行いながら取り除くことができる。
上述した本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、測定値のノイズをトロリ線4の測定を行いつつ取り除くことができるので、例えば、測定終了後に測定値に何らかの操作を加える際、ノイズによる精度低下を抑制することができる。また、トロリ線の偏位が直線状になることが事前に分かっているので、複雑な計算をせずに測定値がノイズであるか否かの判定ができる。また、ノイズを判定する際、すべての測定値を必要としないので、リアルタイムにトロリ線の高さや偏位を求め、これを表示することができる。
本発明に係るトロリ線検測装置及びトロリ線検測方法の第2の実施例について説明する。
本実施例は、上述した実施例1とはノイズ判定処理部308における処理が異なるものである。その他の構成は図1乃至図3に示し上述したものと概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材については同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
本実施例はトロリ線4の敷設の条件を利用することによって簡便な方法でノイズを除去するようにしたものである。即ち、トロリ線4は表1に示すようにレールから決まった高さと偏位に存在しなければならないことが定められている。
Figure 2010243416
これを利用して、図1に示したようにトロリ線4を検出するための検出範囲Bを設けることができる。さらに実施例1でも示したように、トロリ線4はハンガ6間において直線状に支持されている。ハンガ6間の距離は3.5mあるいは5mであり、表1に示すようにこの区間での高さは在来線で400mm、新幹線で500mm変動する可能性がある。また、偏位方向には在来線で500mm、新幹線で600mm移動する可能性がある。
ここで、ハンガ6間の距離をd[mm]、ハンガ6間で変動するトロリ線4の高さ又は偏位をW[mm]、車両1の速度をV[km/h]、角度分解能をω[msec]とすると、ある時刻tで検出されたトロリ線4が次の時刻までに変動する距離Dは、下式(6)で表される。
Figure 2010243416
例えば、トロリ線4がハンガ6間でより大きく変動するような値を採用することとして、在来線がd=3.5mで最大W=500mm、新幹線がd=3.5mで最大W=600mm変動する可能性があるとする。在来線を走る電車の速度は最高V=160km/h、新幹線の速度は最高V=300km/hであるので、これらの値と測域センサ2の時間分解能がω=0.25msec程度であることとを利用して、ある時刻でスキャンしたトロリ線4の位置(高さ又は偏位)が、次の時刻にどの程度変動する可能性があるかを求めると、その最大値Dmaxは在来線で1.6mm、新幹線で3.57mmとなる。
即ち、実施例1と同様に測域センサ2固有の誤差を±δ[mm]と考えると、ある時刻tにおいて測定したトロリ線の偏位または高さが、時刻t−1において測定した値に比較して3.57+2δmmあるいは1.6+2δmmよりも離れていれば、その測定値をノイズとみなすことができる。
このように構成される本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、測定値のノイズをトロリ線4を測定しつつ取り除くことができるので、測定値を用いて何らかの作業を行う際の精度低下を抑制することができる。また、上述した実施例1と併用し、ノイズ判定処理部308においてノイズの判定に用いる所定値αとして用いれば、ノイズ判定の精度を向上させることができる。
図7及び図8を用いて本発明に係るトロリ線検測装置及びトロリ線検測方法の第3の実施例について説明する。
本実施例は、実施例1とはノイズ判定処理部308の構成が異なるものである。その他の構成は図1乃至図3に示し上述したものと概ね同様であり、以下、同様の作用を奏する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
本実施例においてノイズ判定処理部308はトロリ線4が直線状に敷設されることを利用し、全ての測定が終了した後にハフ(Hough)変換を利用してノイズの判定を行う。ハフ変換は画像上の点列から直線を検出する技法であり、大多数が正しいデータの場合にはノイズに対して頑健であるという特徴を有する。
図7に示すように、本実施例においてノイズ判定処理部308は、蓄積されたログLに対して各々がノイズであるか否かを判定する処理を行い、ノイズであると判定された履歴データはこれを消去する。
図8を用いてノイズ判定処理部308における処理を詳しく説明すると、ノイズ判定処理部308では、まず、全ての測定を終えた後、下式(8)によりログLに蓄積されている全ての履歴データに対して各々に対応するハフ曲線ρiを求める。
ρi=xicosθ+yisinθ ・・・(8)
続いて、最も多くのハフ曲線ρiが通過する点Q(θ,ρ)を探す。そして、この点Q(θ,ρ)を順次(8)式のρiに代入し、(8)式が成立しないハフ曲線(図8ではρ3)、換言すると、点Q(θ,ρ)を通らないハフ曲線ρiに変換された測定点(図8ではp3)をノイズとみなす。このような処理によりログLに蓄積された履歴データの中からノイズ(ここでは、点p3)を検出し、これを削除する。
本実施例は、ハフ変換において、同じ直線上にある任意の点から得られるハフ曲線が相互に一点で交わるという性質を利用している。図8から、同じ直線上の点p1,p2,p4,p5から得られるハフ曲線ρ1,ρ2,ρ4,ρ5は同一点Q(θ,ρ)で交わるが、同じ直線上にないp3から得られるハフ曲線ρ3と、他のハフ曲線ρ1,ρ2,ρ4,ρ5とは、それぞれ点Q(θ,ρ)とは異なる点で交わっていることがわかる。
測域センサ2によるトロリ線4の検出では、ハンガ6等の誤検出がノイズとなる。したがってほとんどのデータはトロリ線4の高さ・偏位を表しており、ハフ変換を利用することはこのようなデータ群に有効である。つまり、このように構成された本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、多数決の原理により少数のノイズの影響を受けずにハンガ6間の測定データから直線を得ることができるため、トロリ線4の測定中にノイズを除去する上述した実施例1、実施例2に係るトロリ線検測装置と同程度の精度が得られる。
図9乃至図10を用いて本発明に係るトロリ線検測装置及びトロリ線検測方法の第4の実施例について説明する。本実施例は、上述した実施例1乃至実施例3において説明したいずれかの演算部3における処理に、距離データベース作成処理及び補正式作成処理を行うようにしたものである。
測域センサ2はレーザ光を利用したものであることから、測定対象物の色や素材によって、測定値が変わる可能性がある。このような場合、真値を横軸にとり、測定値を縦軸にとってプロットしたときに、二次までの関数で特性を表現することができれば近似した関数を使って測定距離を補正することができる。
そこで、本実施例では、図9に示すように演算部3に距離データベース作成部3A及び補正式作成部3Bを設け、測域センサ2により計測する測定距離をトロリ線4に対して予め測定し、補正式を求めておくことによって、トロリ線4をリアルタイムに検測する際に測域センサ2の固有の特性を吸収するようにしている。以下、上述した実施例1乃至実施例3において説明した部材と同一の部材については同一符号を用いて重複する説明を省略し、異なる点を中心に説明する。なお、図9において、図2または図7に示し上述した構成については一部図示を省略している。
図9に示すように、距離データベース作成部3Aは、制御部301、真値入力部311、第一メモリ312、代表距離統計部313、第二メモリ314、真値・測定値対応関係出力部315、第三メモリ316、及び距離データベース317を備えている。一方、補正式作成部3Bは、第四メモリ318、近似関数作成部319、第五メモリ320、逆関数作成部321、第六メモリ322、及びログL3Bを備えている。
距離データベース作成部3Aでは、真値入力部311にレーザ測距計等を用いて作業者により予め測定された測域センサ2からトロリ線4までの距離DH(図1参照)が入力され、この測定値が距離の真値として第三メモリ316に格納される。制御部301は測域センサ2の操作を行い、測域センサ2による測定を複数回実行する。測域センサ2によって検出された測定対象物の複数回分の測定距離のデータは第一メモリ312に格納される。代表距離統計部313は、第一メモリ312から取り出した複数の測定距離のデータに対して統計処理を施し、すべての測定距離のデータの平均値を測定距離として出力する。代表距離統計部313から出力された測定距離は第二メモリ314に格納される。
真値・測定値対応関係出力部315は第二メモリ314から取り出した測定距離と、第三メモリ316から取り出した距離の真値とを対応させ、対応結果を真値・測定値対応関係として出力する。この真値・測定値対応関係に基づいて、距離データベース317が更新される。
また、補正式作成部3Bでは、距離データベース317から出力された全ての真値・測定対応関係が第四メモリ318に格納される。近似関数作成部319は第四メモリ318から取り出した全ての真値・測定対応関係に基づいて近似関数を作成し、近似関数係数を出力する。近似関数作成部319から出力された近似関数係数は第五メモリ320に格納される。
逆関数作成部321は第五メモリ320から取り出した近似関数係数に基づいて逆関数を作成し、逆関数係数を出力する。逆関数作成部321から出力された逆関数係数は第六メモリ322を経てログL3Bとして蓄積される。
以下、図10を用いて本実施例に係る演算部における補正式を算出する流れを説明する。図10に示すように、本実施例に係るトロリ線検測装置においては、まず、測域センサ2から測定対象物(ここでは、トロリ線4)までの距離DHの真値を取得する(ステップP1)。測域センサ2からトロリ線4までの距離DHの測定は、例えば、レーザ測距計等の適切な測定器具を用いて作業者により行う。この測定結果を真値入力部311により入力し、これを距離の真値として第三メモリ316に格納する。
続いて、制御部301により測域センサ2を操作してトロリ線4の測定を開始し、測域センサ2によってこの測定センサ2からトロリ線4の下面までの距離を一点につき複数回測定して、すべての測定結果を複数回測定距離(距離データ)として第一メモリ312に格納する(ステップP2)。
続いて、代表距離統計部313において第一メモリ312から取り出した複数回測定距離に対する統計処理を行い、代表距離として測定距離の平均を求めてこれを第三メモリ316に格納し、且つ、真値・測定値対応関係出力部315において第三メモリ316から取り出した距離の真値と測定距離の平均とから真値と測定値の対応関係を求め、得られた真値・測定値対応関係により距離データベースを更新する(ステップP3)。
続いて、測定範囲Aのうち、測定対象物(トロリ線4)を検出可能な最小距離と最大距離、及びその間の予め設定されるトロリ線4の複数の位置(以下、これらを総称して予め設定した測定点という)に対してそれぞれ複数回ずつ測定を行ったか否かの判定を行う(ステップP4)。ステップP4において、予め設定した測定点における測定が終了していない場合(NO)はステップP1に戻り、予め設定した複数点における測定が終了するまで上記ステップP1からステップP4の処理を繰り返す。
一方、ステップP4において予め設定した測定点における測定が終了している場合(YES)は近似関数作成部319において距離データベース317から第四メモリ318を経て入力される全ての測定点における真値・測定距離対応関係に基づき、最小二乗法などにより測定値を真値の関数で表した近似関数を導出する(ステップP5)。導出した近似関数から得られる係数は第五メモリ320に格納される。
続いて、逆関数作成部321において、第五メモリ320から入力される近似関数係数に基づき補正式となる逆関数を求める(ステップP6)。得られた逆関数の係数は第六メモリ322を経てログL3Bとして蓄積される。
即ち、図11に一例を示すように測域センサ2から測定対象物(トロリ線4)までの距離の真値をx、測域センサ2による測定値をyとすると、測定値yを、最小二乗法で求めたときのxとyの関係はy=f(x)で表される。そこで、このy=f(x)の逆関数x=f-1(y)を求め、この逆関数x=f-1(y)を補正式として用いることで測定値yから真値xを得ることができる。
ここで、ログL3Bに最終的に記録される内容は二つ又は三つの数値となる。より詳しくは、近似関数が一次式の場合にログL3Bに記録される内容は二つ、二次式の場合にログL3Bに記録される内容は三つとなる。
このようにして保存されたログL3Bは、例えば、図2または図7に示す第一メモリ302に格納され、検出範囲抽出部303において対象物座標を抽出する際に用いられる。すなわち、本実施例では、ログL3Bから取り出した係数を用いて測域センサ2によって得られた測定値を真値に補正するための補正式を構成し、検出範囲抽出部303において、測域センサ2からトロリ線4までの距離を変数として補正式に代入することで各材質に合わせて補正された距離の真値を取得し、取得した距離の真値に基づいて対象物座標を抽出するようにする。
このように構成されることにより、本実施例に係るトロリ線検測装置によれば、事前に一度補正式を求めておくことで、同じ形状・材質の被測定物に対しては同一の補正式を用いればよく、これにより高精度に測定を行うことができる。
なお、上述したステップP5における処理は、演算部3において自動判定を行う、または、測定を終了するか否かを作業者により判断し、作業者が測定の終了の可否を演算部3に入力することにより行うなど、必要に応じて種々の手段を用いるようにすればよい。
例えば、演算部3において自動判定を行う場合は、まず、測定物を検出可能な最小距離dmin[mm]と最大距離dmax[mm]、測定幅dw[mm]を入力し、続いて、測定回数N(NはN<(dmax−dmin)/dw+2を満たす最大の自然数)を求め、作業者により測域センサ2からトロリ線4までの距離の真値を測定するごとに測定回数をカウントし、測定回数がN回に達したら測定を終了する、というような処理を行えばよい。
ここで、使用する測域センサ2の測定可能範囲や測定対象物、また実験時の状況によって作業者が測定点の数を変更するような場合はステップP5の判定は作業者によって行う方がよい。
本発明は、トロリ線検測装置及び検測方法に適用して好適なものである。
1 車両
2 測域センサ
3 演算装置
301,311 制御部
302,304,306,312,314,316,318,320,322 メモリ
303,313 検出範囲抽出部
305 トロリ線座標検出部
306 ログ出力部
308 ノイズ判定処理部
313 代表距離統計部
315 真値・測定値対応表作成部
319 近似関数作成部
321 逆関数作成部
4 トロリ線
5 ちょう架線
6 ハンガ
A 測定範囲
B 検出範囲
L,L3B ログ
DB 距離データベース

Claims (10)

  1. 車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置により前記トロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測装置であって、前記演算装置が、前記測域センサの操作を行う制御手段、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する検出範囲抽出手段、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出するトロリ線座標検出手段、前記トロリ線座標を特定のフォーマットで出力するログ出力手段、及び、複数の前記トロリ線候補座標からなる近似式と前記トロリ線候補座標とを比較することにより前記トロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定するノイズ判定処理手段を備えることを特徴とするトロリ線検測装置。
  2. 前記ノイズ判定処理手段が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて前記近似式を求め、該近似式に基づいて前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする請求項1記載のトロリ線検測装置。
  3. 前記ノイズ判定処理手段が、前記車両の走行速度および前記トロリ線の配設条件に基づいて前記トロリ線座標検出手段において検出された測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトロリ線検測装置。
  4. 前記ノイズ判定処理手段が、前記トロリ線座標検出手段において検出された前記測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することを特徴とする請求項1記載のトロリ線検測装置。
  5. 前記測域センサによって測定した測定値を、前記測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出する手段を備え、前記検出範囲抽出手段が、前記補正式を用いて前記測定値を真値に補正した後、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるものを抽出するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトロリ線検測装置。
  6. 車両の屋根上に設置される測域センサと、前記車両の内部に設置される演算装置とを備え、前記測域センサの検出結果に基づいて前記演算装置により前記トロリ線の高さ及び偏位を求めるトロリ線検測方法であって、前記測域センサを操作して前記測域センサからのデータを取得する第一の工程と、前記測域センサによって測定される測定対象物のうちその位置が予め設定した検出範囲内にあるもののみを抽出してその座標を出力する第二の工程と、前記測域センサによる一回のスキャンにおいて検出される一又は複数の前記測定対象物の座標からトロリ線候補座標を検出する第三の工程と、前記トロリ線座標を特定のフォーマットで出力する第四の工程と、複数の前記トロリ線候補座標からなる近似式と前記トロリ線候補座標とを比較することにより前記トロリ線候補座標がノイズであるか否かを判定する第五の工程とからなることを特徴とするトロリ線検測方法。
  7. 前記第五の工程が、ある測定値を検出する直前に検出した複数の測定値に基づいて前記近似式を求め、該近似式に基づいて前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする請求項6記載のトロリ線検測方法。
  8. 前記第五の工程が、前記車両の走行速度および前記トロリ線の配設条件に基づいて前記トロリ線座標検出手段において検出された測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のトロリ線検測方法。
  9. 前記第五の工程が、前記トロリ線座標検出手段において検出された前記測定対象物の測定値から得られるハフ曲線を利用して前記測定値が前記トロリ線のものであるかノイズであるかを判定することにより行われることを特徴とする請求項6記載のトロリ線検測方法。
  10. 前記測域センサによって測定した測定値を、前記測定対象物の実際の位置である真値に補正するための補正式を算出し、該補正式を用いて前記測域センサによって得られる測定値を真値に補正した後、前記第二の工程を行うことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のトロリ線検測方法。
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