JP2010242381A - 建物の制振構造及びこれを備えた建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】作用する振動エネルギーの大きさにかかわらず(特大地震、中小地震にかかわらず)、確実にエネルギー吸収効果を発揮させて建物の応答を低減させることが可能な建物の制振構造及びこれを備えた建物を提供する。
【解決手段】建物Sの架構2、3に一端10a側を繋げて上下方向H1に突設されたエネルギー伝達部材10と、建物Sの架構3に一端11a側を繋げて上下方向H1に突設されるとともにエネルギー伝達部材10と上下方向H1に並設され、エネルギー伝達部材10と互いの他端10b、11c側同士の横方向H2の間に所定の隙間Gが形成されるように配設されたギャップ機構11と、一端12a側を建物Sの架構2に、他端12b側をエネルギー伝達部材10にそれぞれ繋げて架設された制振ダンパー12とを備えて制振構造Bを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の架構面内に設置され、地震などによって建物に作用した振動エネルギーを減衰させて建物の応答を低減させるための制振構造及びこれを備えた建物に関する。
例えば中高層建物が特大地震を受けると、建物の最弱層に損傷が生じて耐力が低下し始め、この層に地震エネルギー(振動エネルギー)が集中して層崩壊が生じ、他の層は健全性が確保されているにもかかわらず、層崩壊モードによって建物が崩壊に至るという現象が発生する。また、崩壊に至らない場合においても、最弱層の被害が甚大となり、補修による復旧が困難になる。
これに対し、従来から、建物の架構面内(例えば柱と梁で囲まれた架構面内)に種々の制振ダンパー(エネルギー吸収機構)を設置することにより地震時あるいは強風時の建物の応答を低減させる対策が多用されている。例えば図23に示すように、建物Tの架構面T1内にV型ブレース(エネルギー伝達部材)1を設置するとともに、V型ブレース1と架構(柱2、梁3)にオイルダンパー(制振ダンパー)4を繋げて構成した制振構造Aが多用されている。そして、このような制振構造Aを設置した場合には、建物Tに振動エネルギーが作用して層間変形が生じると、V型ブレース1からオイルダンパー4にこの層間変形(振動エネルギー)が伝達され、ダンパー4内に封入されたオイルの粘性抵抗力によって振動エネルギーが吸収される。これにより、制振構造Aによって建物Tに作用した振動エネルギーが減衰され、建物Tの応答が低減する。
ここで、オイルダンパーには、ピストンの過大変位時にダンパーが損傷することを防止するためのリリーフ機構が設けられている。このため、オイルダンパーは、ピストン速度やピストン変位量が設定値を超えると、リリーフ機構が働いてダンパーで生じる減衰力が抑えられ、ピストンが過大に変位するような層間変形が生じた場合であってもダンパーの損傷を防止するように構成されている。
そして、このようなオイルダンパーを建物の架構内に設置した場合、特大地震を受けた際にリリーフ機構が働いて減衰力が抑えられてしまうため、ダンパーによる応答低減効果が頭うちとなり、やはり、建物の最弱層に損傷が集中することを避けることが難しい。
一方、特許文献1に開示されるように、交点が上部梁と対峙するようにV型(K型)ブレース(エネルギー伝達部材)を設け、上部梁に鋼材ダンパー(制振ダンパー)を設け、さらに鋼材ダンパーとの間にギャップ(所定の隙間)が形成されるように、V型ブレースの交点にギャップ機構(突起)を設けて構成した制振構造もある。
この制振構造においては、ギャップ幅以上の層間変形が生じた際に、鋼材ダンパーとギャップ機構が接触し、鋼材ダンパーの剛性によって梁の水平力がV型ブレースに伝達され、このV型ブレースがせん断力を負担する層せん断耐力増強部材(層せん断力増強機構)として機能する。これにより、制振構造を設置した層の剛性が高められ、振動エネルギーを建物の各層に分散させることが可能になる。また、層間変形がさらに大きくなり、鋼材ダンパーの剛性が限界点を超えると、鋼材ダンパーが塑性変形することによって振動エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構として機能する。これにより、過大な層間変形が阻止される。
このようにギャップ機構を設け、ギャップ幅以上の層間変形が生じた際にV型ブレースや鋼材ダンパーを層間変形量に応じて層せん断耐力増強機構、エネルギー吸収機構として機能させることにより、建物全体で振動エネルギーを吸収することが可能になる。よって、この制振構造を建物の架構内に設置することにより、地震時に建物の層間変形を平準化し、建物の層崩壊を防止することが可能になりうる。
特開2000−17887号公報
しかしながら、特許文献1に開示された制振構造においては、中小地震時など建物の層間変形量がギャップ幅未満である場合に、鋼材ダンパーとギャップ機構が接触しないため、鋼材ダンパーが全く制振効果を発揮しない。このため、特大地震対応のためだけに制振構造を架構面内に設置することになり、不効率であるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、作用する振動エネルギーの大きさにかかわらず(特大地震、中小地震にかかわらず)、確実にエネルギー吸収効果を発揮させて建物の応答を低減させることが可能な建物の制振構造及びこれを備えた建物を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の建物の制振構造は、建物の架構面内に設置され、前記建物に作用した振動エネルギーを減衰させて前記建物の応答を低減させるための制振構造であって、前記建物の架構に一端側を繋げて上下方向に突設されたエネルギー伝達部材と、前記建物の架構に一端側を繋げて上下方向に突設されるとともに前記エネルギー伝達部材と上下方向に並設され、前記エネルギー伝達部材と互いの他端側同士の横方向の間に所定の隙間が形成されるように配設されたギャップ機構と、一端側を前記建物の架構に、他端側を前記エネルギー伝達部材にそれぞれ繋げて架設された制振ダンパーとを備えて構成されていることを特徴とする。
この発明においては、エネルギー伝達部材とギャップ機構とが直列配置され、ギャップ機構に対して制振ダンパーが並列配置されており、例えば地震時に層間変形が生じると、エネルギー伝達部材とギャップ機構が相対的に変位し、互いの他端側同士の横方向の隙間の大きさ(ギャップ幅)が変化する。そして、例えば特大地震によって層間変形がギャップ幅以上になり、エネルギー伝達部材とギャップ機構が接触すると、エネルギー伝達部材とギャップ機構が層せん断力を負担し、過大な層間変形を阻止することが可能になる。
一方、例えば特大地震時にエネルギー伝達部材とギャップ機構が接触するまでの間、また、例えば中小地震時に層間変形がギャップ幅以内に収まっている場合には、層間変形がエネルギー伝達部材から制振ダンパーに伝達され、制振ダンパーで振動エネルギーを吸収して減衰させることが可能になる。
また、本発明の建物の制振構造においては、前記隙間を挟んで対向する前記エネルギー伝達部材の一面及び/又は前記ギャップ機構の一面に緩衝材が固設されていることが望ましい。
この発明においては、層間変形がギャップ(隙間)幅以上になり、エネルギー伝達部材とギャップ機構が接触する際に、緩衝材によって衝撃が緩和される。これにより、エネルギー伝達部材とギャップ機構の衝突現象による加速度の増大を防止できる。
本発明の建物は、上記の建物の制振構造が前記架構面内に設置されていることを特徴とする。
この発明においては、上記の建物の制振構造を架構面内に設置することにより、確実に建物の応答を低減させることが可能になる。
また、本発明の建物においては、前記建物が多層構造で形成されており、少なくとも、前記建物の制振構造がない場合に層間変形が前記所定の隙間以下となる層を除く前記建物の高さの0.6倍以下の高さ範囲に配された各層にそれぞれ、前記建物の制振構造が同数設置されていることが望ましい。
この発明においては、上記の建物の制振構造を、少なくとも建物の高さの0.6倍以下の高さ範囲に配された各層にそれぞれ同数設置することにより、確実に建物の応答を平準化することが可能になり、建物の層崩壊を防止することが可能になる。なお、一般に、上層にギャップ幅を超える層間変形が生じる場合であっても、例えば建物の最下層は変形が小さく、ギャップ幅以下の変形量になることが多い。このため、この発明において、建物の高さの0.6倍以下の高さ範囲に配されているとしても、このようなギャップ幅以下(所定の隙間以下)の変形量になる層には建物の制振構造を同数設置しなくてもよい。
本発明の建物の制振構造及びこれを備えた建物においては、例えば特大地震によって層間変形がギャップ幅以上になり、エネルギー伝達部材とギャップ機構が接触すると、エネルギー伝達部材とギャップ機構が層せん断力を負担し、過大な層間変形を阻止することが可能になる。また、例えば特大地震時にエネルギー伝達部材とギャップ機構が接触するまでの間や例えば中小地震時に層間変形がギャップ幅以内に収まっている場合には、層間変形がエネルギー伝達部材から制振ダンパーに伝達され、制振ダンパーで振動エネルギーを吸収して減衰させることが可能になる。
これにより、特大地震だけでなく中小地震時にもエネルギー吸収効果を発揮させることができ、作用する振動エネルギーの大きさにかかわらず、確実に建物の応答を低減させることが可能になる。
また、例えば特大地震時にも(大きな振動エネルギーが作用した場合にも)、エネルギー伝達部材がギャップ機構に接触してギャップ幅を大きく超えない範囲以内で変位することになるため、このエネルギー伝達部材から層間変形が伝達される制振ダンパーがギャップ幅に応じたストロークで作動することになる。これにより、制振ダンパーに過大な変形が生じることを防止でき、損傷が生じることを確実に防止できる。よって、制振ダンパーに、常にエネルギー吸収効果を発揮させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る建物の制振構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る建物の制振構造をモデル化した図である。 本発明の一実施形態に係る建物の制振構造の復元力特性を示す図である。 シミュレーションに用いた入力地震波(検討波1〜9)の変位応答スペクトルを示す図である。 制振構造を設置していない場合のシミュレーション結果を示す図である。 検討波1に対して従来の制振構造を最適配置した場合(d1)のシミュレーション結果を示す図である。 検討波2に対して従来の制振構造を最適配置した場合(d2)のシミュレーション結果を示す図である。 検討波3に対して従来の制振構造を最適配置した場合(d3)のシミュレーション結果を示す図である。 検討波4に対して従来の制振構造を最適配置した場合(d4)のシミュレーション結果を示す図である。 検討波5に対して従来の制振構造を最適配置した場合(d5)のシミュレーション結果を示す図である。 従来の制振構造を各階(層)に8台ずつ均等配置した場合(d6)のシミュレーション結果を示す図である。 従来の制振構造を各階(層)に12台ずつ均等配置した場合(d7)のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る制振構造を各階(層)に4台ずつ均等配置した場合(g1)のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る制振構造を各階(層)に8台ずつ均等配置した場合(g2)のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る制振構造を各階(層)に12台ずつ均等配置した場合(g3)のシミュレーション結果を示す図である。 建物の構造諸元を0.7倍にし、制振構造を設置していない場合(g4)のシミュレーション結果を示す図である。 建物の構造諸元を0.7倍にし、本発明に係る制振構造を各階(層)に8台ずつ均等配置した場合(g5)のシミュレーション結果を示す図である。 建物の構造諸元を1.3倍にし、制振構造を設置していない場合(g6)のシミュレーション結果を示す図である。 建物の構造諸元を1.3倍にし、本発明に係る制振構造を各階(層)に8台ずつ均等配置した場合(g7)のシミュレーション結果を示す図である。 建物の高さの0.6倍以下の高さ範囲の各階(層)に本発明に係る制振構造を均等配置した場合(g8)のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る建物の制振構造の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る建物の制振構造の変形例を示す図である。 従来の制振構造を示す図である。
以下、図1から図20を参照し、本発明の一実施形態に係る建物の制振構造及びこれを備えた建物について説明する。
本実施形態の建物の制振構造Bは、図1に示すように、例えばオフィスビルやマンションなどの多層構造の建物Sの柱2と梁3(架構)で囲まれた架構面S1内に設置されて、地震時(あるいは強風時)に建物Sに作用した地震エネルギー(振動エネルギー)を吸収して減衰させ、建物Sの応答を低減させるためのものである。
そして、この制振構造Bは、V型ブレース(エネルギー伝達部材)10と、ギャップ機構11と、オイルダンパー(制振ダンパー)12とを備えて構成されている。
V型ブレース10は、一端10a側を柱2と上部梁3の接合部に繋げ、他端10b側が架構面S1の内側に配されるように上下方向H1に突設されている。また、このV型ブレース10は、他端10b側に接触体10cを設けて形成され、一対のブレースを接触体10cを介して接続して形成されている。
ギャップ機構11は、断面コ字状に形成され、一端11a側の底部11bを下部梁(スラブ)3に繋げ、開口部が形成された他端11c側が架構面S1の内側に配されるように上下方向H1に突設されている。また、このとき、ギャップ機構11は、V型ブレース10の接触体10cを側壁部11dで内包するように配設され、V型ブレース10と上下方向H1に並設されている。さらに、ギャップ機構11は、V型ブレース10の接触体10cとギャップ機構11の側壁部11d(V型ブレース10とギャップ機構11の互いの他端10b、11c側同士)の横方向H2の間に所定幅のギャップ(所定の隙間)Gが形成されるように配設されている。
また、本実施形態においては、前記ギャップGを挟んで対向するV型ブレース10の接触体10cの側面(一面)とギャップ機構11の側壁部11dの内面(一面)のうち、ギャップ機構11の側壁部11dの内面に例えばゴムや粘弾性体などの緩衝材15が固設されている。なお、緩衝材15は、V型ブレース10の接触体10cの側面とギャップ機構11の側壁部11dの内面の両面に設けてもよく、また、接触体10cの側面にのみ設けるようにしてもよい。
一方、オイルダンパー12は、一端12a側を一方の柱2に、他端12b側をV型ブレース10の接触体10cにそれぞれ繋げて、水平(横方向H2)に架設されている。
このように構成した制振構造Bは、V型ブレース10とギャップ機構11とが直列配置され、ギャップ機構11に対してオイルダンパー12が並列配置されて、モデル化すると図2のように表すことができる。
そして、この制振構造Bは、特大地震によってギャップ幅G以上の層間変形が生じると、接触体10cがギャップ機構11の側壁部11dに接触して梁3の水平力がV型ブレース10に伝達され、V型ブレース10とギャップ機構11が層せん断力を負担する。これにより、制振構造Vを設置した層の剛性が高められ、地震エネルギーが各層に分散される。
また、特大地震によって架構2、3に層間変形が生じ、V型ブレース10の接触体10cがギャップ機構11の側壁部11dに接触するまでの間、すなわち、架構2、3の層間変形がギャップ幅Gに達するまでの間、この層間変形がV型ブレース10からオイルダンパー12に伝達される。そして、オイルダンパー12のピストンが作動し、封入したオイルの粘性抵抗力によって地震エネルギーが吸収される。このとき、特大地震によって接触体10cがギャップ機構11に接触してギャップ幅Gを大きくは超えない範囲以内で変位するまでピストンが作動して地震エネルギーが吸収される。すなわち、オイルダンパー12は、ギャップ幅Gに応じたストロークで作動することになる。このため、従来の制振構造Aのように、ピストンが過大に作動するようなことがなく、特大地震時に損傷等が発生するおそれがない。
一方、中小地震時には、すなわち接触体10cがギャップ機構11に接触しない層間変形時には、接触体10cとギャップ機構11の接触による層せん断力の負担が行われないが、このギャップ幅Gを大きくは超えない範囲以内で接触体10cが変位することにより、制振ダンパー12で地震エネルギーの吸収が行われる。
これにより、中小地震や特大地震時の層間変形がギャップ幅Gに達するまでは制振ダンパー12による地震エネルギーの吸収効果が発揮され、層間変形がギャップ幅G以上になったときにはV型ブレース10とギャップ機構11によって層せん断力が負担され、層間変形の増大が抑制される。このため、本実施形態の制振構造Bを建物Sに設置することで、特大地震時の建物S全体の応答を平準化することができ、特大地震時の層崩壊モードによって建物Sが崩壊に至るという現象、すなわち建物Sの最弱層に損傷が生じその耐力が低下することによって層崩壊が生じる現象、あるいは最弱層の被害が甚大となり補修による復旧が困難になる事態を防止できる。さらに、特大地震に対してだけではなく、長周期地震動によって高層建物(多層構造の建物)Sが共振し応答が大きくなるような場合においても、同様に応答低減効果、応答平準化の効果が発揮される。
また、本実施形態では、緩衝材15が設けられているため、層間変形がギャップ幅G以上になり、接触体10cがギャップ機構11に接触する際には、緩衝材15によって衝撃が緩和される。これにより、接触体10cとギャップ機構11の接触によって加速度が増大することがなく、確実に建物Sの応答低減効果が発揮される。
ここで、本実施形態の制振構造B及びこれを備えた建物Sの優位性を明らかにするために行ったシミュレーションについて説明する。
このシミュレーションでは、40階の建物Sを想定し、この建物Sを1本棒せん断モデルでモデル化している。また、建物Sの構造躯体諸元は表1に示すようにした。さらに、建物Sの減衰は、建物Sの1次固有周期(0.26Hz)及び2次固有周期(0.71Hz)で2%のレーリー減衰とし、さらに、建物Sの復元力特性はノーマルトリリニアとした。また、Qc(ひび割れ時層せん断力)及びQu(終局層せん断力)は、静的載荷解析の荷重係数1.0及び2.15の点とし、Qy(降伏層せん断力)は復元力特性の面積が等価になるように設定した。
Figure 2010242381
また、V型ブレース10は、250×250×9×14mm(高さ×幅×ウェブ厚×フランジ厚)のH形鋼を用いて形成し、高さを3m、幅を6mとしている。このとき、剛性kを435×10N/m(k=αEA/L;α(角度補正)=0.5、E(縦弾性係数)=200×10N/m、A(面積)=2(H形鋼2本分)×92.18×10−4、L(長さ)=3(高さ)×√2m)とした。
さらに、制振ダンパー12には、建物周期3.0sec時の最大減衰力が200tonf、ストローク±60mm、ダンパー剛性440×10N/mのオイルダンパーを用いている。また、このオイルダンパー12は、リリーフ速度が3.4cm/s、リリーフ荷重が170tonfのものを用いている。
そして、上記のように設定した制振構造Bの復元力特性を表2に示す。なお、図3に示すように、立ち上がり層間変形角から頭打ち層間変形角の間(すなわち接触体10cとギャップ機構11が当接している間)はcosカーブで補間している。また、頭打ち層間変形角のときの制振構造Bの1台あたりの負担せん断力は、ダンパーリリーフ荷重の1.5倍としている。
Figure 2010242381
さらに、本シミュレーションで用いた入力地震動には、入力波形が図4の周期と変位応答スペクトルの関係となる9つの検討波を用いた。ここで、建物の一次固有周期は3.91秒であった。
ついで、図5は、上記の検討波(検討波1〜9)の地震波をそれぞれ、制振構造を備えていない建物Sに入力した場合の各層(各階)の層間変形角を示している。この図から、検討波1〜3を入力した場合には、20階と30階で層間変形角が大きくなり、検討波6を入力した場合には、7階で層間変形角が大きくなり、7階より上層はそれほど層間変形角が大きくならないことが確認された。一方、検討波5、8、9を入力した場合には、35階より上層で層間変形角が大きくなる結果となった。
一方、表3はV型ブレース1とオイルダンパー4で構成した従来の制振構造A(図23参照)、表4は本発明に係る制振構造Bの配置(各層への設置数)を示している。そして、表3において、d1は検討波1、d2は検討波2、d3は検討波3、d4は検討波4、d5は検討波5の各地震動に対し、モーダルアナリシスから設定した最適配置(目標層間変形角0.01)である。このモーダルアナリシスによる最適化では、線形モデルによる応答解析を行い、最大層間変形角によって等価剛性を修正しながら最適配置を求めている。なお、検討波6〜9の各地震波に対しては、モーダルアナリシスによる最適化では制振ダンパー不要との結果となっている。
Figure 2010242381
Figure 2010242381
そして、図6から図10は、従来の制振構造Aを各検討波1〜5に対してそれぞれ最適配置した解析モデル(表3のd1〜d5)に、検討波1〜9の地震波をそれぞれ入力した際の層間変形角を示している。検討波1を対象としてモーダルアナリシスにより制振構造Aを最適配置した結果を示す図6(d1)では、制振構造Aを集中配置した7階〜22階で層間変形角が0.01以下となっているが、制振構造Aを配置していない2階と30階付近で層間変形角が大きくなっている。また、検討波2〜5を対象としてそれぞれ制振構造Aを最適配置した図7(d2)、図8(d3)、図9(d4)、図10(d5)の結果から、最適配置の対象とした地震波に対しても最適化の目標値(最大層間変形角0.01)を満たすことができないことが確認された。さらに、従来の制振構造Aを設置した場合には、各階の層間変形角に大きな差(各階の層間変形角の分布にでこぼこ)が生じる結果となった。すなわち、建物Sの応答を平準化することができないことが確認された。
この結果から、従来の最適化手法であるモーダルアナリシスによる最適化では、本シミュレーションで用いた大きな地震波の入力に対してあまり有効ではないことが確認された。なお、この結果は、等価線形化の適用範囲を逸脱しており、適切な最適手法とはなっていないことが要因として挙げられる。
ここで、図11は、表3で示した従来の制振構造Aを各層に8台ずつ均等配置(同数設置)したd6、図12は、各層に制振構造Aを12台ずつ均等配置したd7の解析モデルに対して検討波1〜9の地震波をそれぞれ入力した際の層間変形角を示している。なお、制振構造Aを設置していない場合において(図5において)、層間変形角が0.005以下となった1階には制振構造Aを設置せず、2階から40階までの各層に制振構造Aを均等配置している。すなわち、上層にギャップ幅Gを超える層間変形が生じる場合であっても、建物Sの1階(最下層)は変形が小さく、制振構造Aを設置しなくてもギャップ幅G以下の変形量になる。このため、ここでは、1階を除く各層に制振構造Aを均等配置している。
そして、この図11及び図12の結果から、従来の制振構造Aを各層に均等配置することにより、15階〜20階付近で層間変形角が0.01を大きく超えているが、全般的に各層の層間変形が小さくなることが確認された。そして、これらの図を参考にして、制振構造Aの配置を見直しながら非線形時刻歴応答解析を何度も繰り返し行うことで、最適な配置を求めることが可能であるが、複数の地震波のすべてに対して最適な制振構造Aの配置を求める作業は多大な労力を要することになる。
一方、図13から図15は、表4で示した本発明に係る制振構造Bを各層に4台ずつ均等配置したg1、8台ずつ均等配置したg2、12台ずつ均等配置したg3の解析モデルに対して検討波1〜9の地震波をそれぞれ入力した際の層間変形角を示している。なお、このケースにおいても、制振構造Bを設置していない場合において(図5において)、層間変形角が0.005以下となった1階には制振構造Bを設置せず、2階から40階までの各層に制振構造Bを均等配置している。すなわち、上層にギャップ幅Gを超える層間変形が生じる場合であっても、建物Sの1階(最下層)は変形が小さく、制振構造Bを設置しなくてもギャップ幅G以下の変形量になる。このため、1階を除く各層に制振構造Bを均等配置している。
そして、図13の結果から、制振構造Bを各層に4台ずつ均等配置することにより、制振構造無しの場合と比較し、層間変形角が全体的に小さくなることが確認された。
また、制振構造Bを8台ずつ均等配置した図14の結果から、検討波1においては6階〜26階で層間変形角が0.01を超え、検討波3で僅かに層間変形角が0.01を超える階が存在するが、それ以外の階では層間変形角が0.01以下となり、層間変形角が全体的に小さくなる平準化が確認された。
さらに、制振構造を12台ずつ均等配置した図15の結果から、検討波1においては、6階〜21階で層間変形角が0.01を僅かに超えているが、図14よりもさらに層間変形角の平準化効果が確認された。また、層間変形角の分布は、建物高さの6割(40階×0.6=24階)以下の高さで均等な層間変形角となり、それ以上の高さ(24階以上)では、上層に向けて層間変形角が小さくなる傾向が確認された。
さらに、制振構造A、Bを同数設置(8台ずつ)した従来の制振構造Aの図11と本発明の制振構造Bの図14、制振構造A、Bを12台ずつ設置した従来の制振構造Aの図12と本発明の図15を比較すると、本発明に係る制振構造Bの層間変形角が小さく、平準化効果が大きいことが確認された。
ここで、実際の建物は、積載荷重の変化や経年劣化による剛性低下などで、設計時の構造諸元と異なる可能性がある。このため、建物Sの剛性及び耐力(構造諸元)を0.7倍、1.3倍にした場合に対し、本発明に係る制振構造Bの効果を検証した。そして、表4のg4、g5は構造諸元を0.7倍にした解析ケースであり、g4は制振構造無しの場合、g5は本発明に係る制振構造Bを各層に8台ずつ均等配置した場合である。また、g6、g7は構造諸元を1.3倍にした解析ケースである。なお、このケースにおいても、2階から40階までの各層に制振構造Bを均等配置している。
そして、構造諸元を0.7倍にし、制振構造無しのg4の解析ケースの結果を示した図16から、構造諸元を0.7倍にすることで、図5と比較して、建物Sの上部で層間変形角が大きくなることが確認された。
また、構造諸元を0.7倍にし、制振構造Bを各層に8台ずつ均等配置したg5の解析ケースの結果を示した図17から、同じく制振構造Bを8台ずつ均等配した図14と比較し、制振構造Bによる平準化効果がより大きくなることが確認された。すなわち、構造諸元を小さくし、本発明の制振構造Bを均等配置することにより、建物全体の層間変形角を小さくすることが可能になることが確認された。これは、建物本体が負担するせん断力の割合が小さくなった分、制振構造Bが負担するせん断力の割合が大きくなり、効果的に制振構造Bによる応答低減効果が発揮されることで、平準化効果がより大きくなるためである。
また、構造諸元を1.3倍にし、制振構造無しのg6の解析ケースの結果を示した図18では、構造諸元を1.3倍にすることで全般的に層間変形角が小さくなっているが、構造諸元を0.7倍にしたときほど大きな層間変形角の分布の変化が生じていない。すなわち、単に建物Sの構造諸元を大きくしても層間変形角を平準化する効果が期待できないことが確認された。
一方、構造諸元を1.3倍にし、本発明の制振構造Bを各層に8台ずつ均等配置したg7の解析ケースの結果を示す図19から、同じく制振構造Bを8台ずつ均等配置した図14と比較し、制振構造Bによる層間変形角の平準化効果が小さくなることが確認された。このことから、建物Sが現設計時よりも剛構造になる場合には、制振構造Bの効果が小さくなることが確認された。
ここで、本発明の制振構造Bを均等配置した図13から図15の結果により、層間変形角の平準化効果が確認され、層間変形角の分布が建物Sの高さの6割(40階×0.6=24階)以下の高さで均等な層間変形角となり、それ以上の高さ(24階以上)では、上層に向けて層間変形角が小さくなる傾向が確認された。これに基づいて、下層部に対し上層部の制振構造Bの設置数を減らした最適配置が可能であるかを検証した。そして、ここでは、建物Sの高さの0.6倍の位置の階(40階×0.6=24階)を境に、制振構造Bを均等配置する下層部(建物高さの0.6倍の高さ範囲)と、直線的に制振構造Bの設置数を減らす上層部とに分けたg8の解析ケース(表4)で検証を行った。なお、このケースにおいても、制振構造Bを設置していない場合において(図5において)、層間変形角が0.005以下となった1階には制振構造を設置していない。すなわち、建物Sの高さの0.6倍以下の高さ範囲であっても、ギャップ幅G以下(所定の隙間以下)の変形量になる1階(最下層)には制振構造Bを設置していない。また、制振構造Bの設置総数が、表3で示したモーダルアナリシスによる検討波1に対する最適配置(d1)における従来の制振構造Aの設置総数とほぼ同等になるようにしている。
このg8の解析ケースの結果を示す図20から、上層部における制振構造の個数を直線的に減らすことにより、さらなる層間変形角の平準化が図られ、検討波1の場合においても、ほぼ層間変形角が0.01以内に納まることが確認された。
したがって、本実施形態の建物の制振構造B及びこれを備えた建物Sにおいては、制振構造Bが架構2、3に繋がるV型ブレース10に対しギャップ機構11を直列に配置し、このギャップ機構11に対しオイルダンパー(制振ダンパー)12を並列に配置して構成されていることにより、中小地震や特大地震時の層間変形がギャップ幅Gに達するまではオイルダンパー12による地震エネルギーの吸収効果が発揮され、層間変形がギャップ幅G以上になったときにはV型ブレース10とギャップ機構11によって層せん断力が負担され、層間変形の増大を抑制することが可能になる。また、ギャップ機構11と接触体10cのギャップ幅Gに応じてオイルダンパー12のストロークが決まるため、特大地震時にオイルダンパー12に大きな変形が加わることが防止され、オイルダンパー12の損傷等を防止することも可能になる。これにより、オイルダンパー12に、常にエネルギー吸収効果を発揮させることが可能になる。
そして、この制振構造Bを建物Sの架構面S1内に設置することで、従来の制振構造Aを設置した場合と比較し、特大地震時の建物全体の応答を平準化することができ、特大地震時の層崩壊モードによって建物Sが崩壊に至るという現象、あるいは最弱層の被害が甚大となり補修による復旧が困難になる事態を防止することが可能になる。さらに、特大地震に対してだけではなく、長周期地震動によって高層建物が共振し応答が大きくなるような場合においても、同様に応答低減効果、応答平準化の効果を発揮させることが可能である。
また、本実施形態の制振構造Bは、オイルダンパー12を設置するためのV型ブレース10を利用してギャップ機構11を設ける構成であるため、ギャップ機構11の設置が容易であり、従来のオイルダンパー12の設置方法を変更する必要がない。このため、施工性を行うことなく安価に制振構造Bを設置することが可能である。
さらに、ギャップ機構11の側壁部11dの内面に緩衝材15が固設されているため、層間変形がギャップ(隙間G)幅以上になり、V型ブレース10の接触体10cとギャップ機構11が接触する際に、緩衝材15によって衝撃が緩和される。これにより、V型ブレース10とギャップ機構11の衝突現象による加速度の増大が発生することを防止でき、より確実に建物Sの応答を低減させることが可能になる。
また、建物Sが多層構造で形成され、少なくとも、建物Sの制振構造Bがない場合に層間変形がギャップ幅G以下となる層(本実施形態では最下層)を除く建物Sの高さの0.6倍以下の高さ範囲に配された各層にそれぞれ、建物Sの制振構造Bを同数設置することにより、確実に建物Sの応答を平準化することが可能になり、建物Sの層崩壊を防止することが可能になる。そして、建物Sの高さの0.6倍以上の上層部に設置する制振構造Bの設置数を上層に向かうに従い漸次(直線的あるいは曲線的に)減らして、効率的に建物Sの応答低減効果を発揮させることが可能になる。
また、本実施形態の制振構造Bを建物Sに設置した場合には、建物本体の構造諸元を小さくするほど、優れた応答低減効果を得ることが可能である。
以上、本発明に係る建物の制振構造及びこれを備えた建物の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、本発明の建物の制振構造に係るエネルギー伝達部材がV型ブレース、制振ダンパーがオイルダンパーであるものとして説明を行ったが、エネルギー伝達部材をV型ブレース、制振ダンパーをオイルダンパーに限定する必要はない。
例えば、図21に示すように、一端20a側を架構(下部梁3、スラブ)に繋げ、架構面S1内の内側に向けて上下方向H1に突設した壁状部材20をエネルギー伝達部材とし、この壁状部材20の他端20b側に形成した凹所20cに他端21a側が所定の隙間(ギャップG)をあけて挿入されるように一端21b側を架構(上部梁3)に繋げて上下方向H1に突設したブロック状部材21をギャップ機構とし、オイルダンパー12を、一端12a側を架構(一方の柱2)に、他端12b側を壁状部材20にそれぞれ繋げて架設し、本発明に係る建物の制振構造Bを構成するようにしてもよい。
さらに、図22に示すように、一端22a側を架構3に繋げて上下方向H1に突設され、他端22b側に凹所22cを備えた第1壁状部材22をエネルギー伝達部材とし、一端23a側を架構3に繋げて上下方向H1に突設した第2壁状部材23の他端23b側に一体にブロック状のギャップ機構24を設け、第2壁状部材23を介してこのギャップ機構24の一端24a側を架構3に繋げ、第1壁状部材22と第2壁状部材23に架け渡して鋼材ダンパーなどの制振ダンパー25を設け、この制振ダンパー25の一端25a側を第2壁状部材23を介して架構3に繋げて、本発明に係る建物の制振構造Bを構成するようにしてもよい。
すなわち、本発明に係る建物の制振構造は、エネルギー伝達部材とギャップ機構が直列配置され、ギャップ機構に対して制振ダンパーが並列配置されて、図2のようにモデル化することが可能であればよく、このように構成することで本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
1 V型ブレース
2 柱(架構)
3 梁(架構)
10 V型ブレース(エネルギー伝達部材)
10a 一端
10b 他端
10c 接触体
11 ギャップ機構
11a 一端
11b 底部
11c 他端
11d 側壁部
12 オイルダンパー(制振ダンパー)
12a 一端
12b 他端
15 緩衝材
20 壁状部材(エネルギー伝達部材)
20a 一端
20b 他端
20c 凹所
21 ブロック状部材(ギャップ機構)
21a 他端
21b 一端
22 第1壁状部材(エネルギー伝達部材)
22a 一端
22b 他端
22c 凹所
23 第2壁状部材
23a 一端
23b 他端
24 ギャップ機構
24a 一端
25 制振ダンパー
25a 一端
A 従来の制振構造
B 建物の制振構造
G 隙間(ギャップ)
H1 上下方向
H2 横方向
S 建物
S1 架構面
T 建物
T1 架構面

Claims (4)

  1. 建物の架構面内に設置され、前記建物に作用した振動エネルギーを減衰させて前記建物の応答を低減させるための制振構造であって、
    前記建物の架構に一端側を繋げて上下方向に突設されたエネルギー伝達部材と、
    前記建物の架構に一端側を繋げて上下方向に突設されるとともに前記エネルギー伝達部材と上下方向に並設され、前記エネルギー伝達部材と互いの他端側同士の横方向の間に所定の隙間が形成されるように配設されたギャップ機構と、
    一端側を前記建物の架構に、他端側を前記エネルギー伝達部材にそれぞれ繋げて架設された制振ダンパーとを備えて構成されていることを特徴とする建物の制振構造。
  2. 請求項1記載の建物の制振構造において、
    前記隙間を挟んで対向する前記エネルギー伝達部材の一面及び/又は前記ギャップ機構の一面に緩衝材が固設されていることを特徴とする建物の制振構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物の制振構造が前記架構面内に設置されていることを特徴とする建物。
  4. 請求項3記載の建物において、
    前記建物が多層構造で形成されており、少なくとも、前記建物の制振構造がない場合に層間変形が前記所定の隙間以下となる層を除く前記建物の高さの0.6倍以下の高さ範囲に配された各層にそれぞれ、前記建物の制振構造が同数設置されていることを特徴とする建物。
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