JP2010242168A - 金属板の製造方法、金属板の補強方法および金属板 - Google Patents

金属板の製造方法、金属板の補強方法および金属板 Download PDF

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Abstract

【課題】金属板と塗料層との密着性を向上させることができながら、金属板において補強が必要な箇所を確実に補強でき、しかも、省スペース化を図りながら、簡易な構成で補強することのできる、金属板の製造方法、金属板の補強方法および金属板を提供すること。
【解決手段】金属板1を用意し、通電装置2から金属板1の被補強部24を通電させることにより、その金属板1の被補強部24を加熱して焼入れる(焼入工程)。焼入工程では、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を、被補強部24に直接接触させながら、第1支持部4および第2支持部13により第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を金属板1に対して転動させるとともに、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を金属板1に対して押圧する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属板の製造方法、金属板の補強方法および金属板に関する。
従来より、鋼板などの金属板を、加熱炉に投入して高温に加熱し、その後、これを急冷する焼入れ方法が広く知られている。
このような焼入れ方法では、通常、金属板の表面に酸化スケールが生成されるところ、酸化スケールの厚みが厚い場合には、その後に実施される塗装工程において、金属板の上に酸化スケールを介して形成された塗料層が、金属板から剥離し易くなる。
そのため、上記剥離を有効に防止すべく、焼入れ方法における加熱速度を急速に高くして、酸化スケールの厚みを薄くすることが知られている。
例えば、加熱速度を急速に高くすべく、高周波誘導加熱装置を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、特許文献1では、金属板を搬送する搬送路と、それの周囲に配置された加熱コイルとが設けられており、加熱コイルに高周波電流を通電させて、加熱コイルを加熱しながら、搬送路に金属板を搬送させている。
特開平6−188068号公報
しかしながら、特許文献1の高周波誘導加熱装置は、大型で、装置構成が複雑である。そのため、省スペース化を図ることができず、製造コストが増大するという不具合がある。
本発明の目的は、金属板と塗料層との密着性を向上させることができながら、金属板において補強が必要な箇所を確実に補強でき、しかも、省スペース化を図りながら、簡易な構成で補強することのできる、金属板の製造方法、金属板の補強方法および金属板を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の金属板の製造方法は、金属板を用意する工程、および、前記金属板の一部を通電させることにより、その金属板の一部を加熱して焼入れる焼入工程とを備えることを特徴としている。
また、本発明の金属板の製造方法において、前記焼入工程では、前記金属板の一部を通電させるための給電部と、前記給電部を、前記金属板に対して回転移動可能に支持するための支持部とを備える通電装置の前記給電部を、前記金属板の一部に直接接触させながら、前記支持部により前記給電部を転動させることが好適であり、さらに、前記焼入工程では、前記給電部を前記金属板に対して押圧させることにより、前記金属板に凹部を形成することが好適である。
また、本発明の金属板の製造方法では、前記焼入工程における電流密度が、40A/mm以上であり、前記焼入工程後、前記金属板の表面に塗料を塗装する塗装工程をさらに備えていることが好適である。
また、本発明の金属板の補強方法は、金属板の一部を通電させることにより、その金属板の一部を加熱して焼入れる焼入工程を備えることを特徴としている。
また、本発明の金属板は、上記した金属板の製造方法により得られることを特徴としている。
本発明の金属板の製造方法および補強方法によれば、金属板の一部を通電させることにより金属板の一部を加熱するので、加熱速度を急速に高くすることができ、酸化スケールの生成を抑制することができる。そのため、本発明の金属板と塗料層との密着性を向上させることができる。
また、金属板において補強したい部分のみを通電させて、その金属板の一部を加熱するので、補強したい部分のみを確実に補強することができる。
さらに、金属板の一部のみを通電させるだけなので、省スペース化を図りながら、簡易な構成で金属板の一部を補強することができる。
本発明の金属板の製造方法および補強方法の一実施形態を示す製造工程図であって、(a)は、金属板を用意する工程、(b)は、金属板を焼入れる工程、(c)は、塗料層を形成する工程を示す。 図1(b)において、通電装置を用いる焼入工程を説明する断面図である。 図1(b)において、通電装置を用いる焼入工程を説明する斜視図である。 図1(b)の焼入工程後における金属板の斜視図である。 本発明の金属板の製造方法および補強方法の他の実施形態(1本の電極配線と1つの給電ローラとを用いる態様)の焼入工程を説明する断面図である。 本発明の金属板の製造方法および補強方法の他の実施形態(2つの給電ローラが1つの支持部および1つの軸により支持される態様)の焼入工程を説明する断面図である。 実施例1の金属板の断面の光学顕微鏡写真の画像処理図である。 比較例1の金属板の断面の光学顕微鏡写真の画像処理図である。
図1は、本発明の金属板の製造方法および補強方法の一実施形態を示す製造工程図、図2は、図1(b)において、通電装置を用いる焼入工程を説明する断面図、図3は、通電装置を用いる焼入工程を説明する斜視図、図4は、図1(b)の焼入工程後における金属板の斜視図である。
金属板1の製造方法および補強方法では、図1(a)に示すように、まず、金属板1を用意する。
金属板1は、鋼板であって、特に限定されず、例えば、冷延鋼板などが用いられる。また、金属板1の表面は、公知のメッキ液によってメッキ処理されていてもよい。
金属板1の形状は、特に限定されず、図1〜図4には、一実施形態として、長手方向に沿って延びる断面略ハット形状のメンバが例示されている。
金属板1は、具体的には、互いに間隔を隔てて対向配置される第1壁15および第3壁17と、第1壁15および第3壁17の一端部(上端部)を連結する第2壁16と、第1壁15および第3壁17の他端部(下端部)から幅方向(長手方向に直交する方向)外側に向かってそれぞれ延びる第1フランジ31および第2フランジ32とを連続して備えている。
また、金属板1において、第1壁15と第2壁16との連続部、第2壁16と第3壁17との連続部、第1壁15と第1フランジ31との連続部、および、第3壁17と第2フランジ32との連続部は、金属板1が成形加工(折曲)によって成形されており(後述)、それぞれ、第1折曲部18、第2折曲部19、第3折曲部33、および、第4折曲部34とされている。
金属板1は、例えば、略矩形状平板を、例えば、プレス、折曲などの成形加工によって、上記形状に成形されている。
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、金属板1の一部としての被補強部24を加熱して焼入れる(焼入工程)。
金属板1の被補強部24は、図1(b)、図3および図4に示すように、第1折曲部18を含む第1被補強部25と、第2折曲部19を含む第2被補強部26としてそれぞれ区画されている。
第1被補強部25は、第1折曲部18と、第1壁15の第1折曲部18側端部および第2壁16の第1折曲部18側端部とに連続する領域として区画されている。
第2被補強部26は、第2折曲部19と、第2壁16の第2折曲部19側端部および第3壁17の第2折曲部19側端部とに連続する領域として区画されている。
金属板1の被補強部24を加熱するには、金属板1の被補強部24を通電させる。
金属板1の被補強部24を通電させるには、例えば、図2および図3にて示す通電装置2を用いる。
通電装置2は、図2に示すように、電源5と、第1電極部21と、第2電極部22とを備えている。
電源5は、第1電極部21と、第2電極部22とにそれぞれ電気的に接続されている。電源5は、直流電源として構成することができ、あるいは、交流電源として構成することもできる。
第1電極部21は、支持部としての第1支持部4と、第1支持部4に相対回転可能に支持される第1軸10と、第1軸10に相対回転不能に支持される給電部としての第1給電ローラ3とを備えている。
第1支持部4は、断面視略コ字形状に形成されている。また、第1支持部4の両遊端部には、貫通孔(図示しない)が形成されている。
第1軸10は、その両端部が第1支持部4の両遊端部の貫通孔に相対回転可能に支持されている。
第1給電ローラ3は、金属板1の被補強部24を通電させるための電極であって、例えば、金属材料などから形成されている。
また、第1給電ローラ3は、幅狭(薄肉)の円板(円盤)状に形成されている。詳しくは、第1給電ローラ3の径方向外側部は、断面視において、外側(周)端縁に向かう従って幅狭となるテーパ形状に形成されている。また、第1給電ローラ3は、第1配線6および第1支持部4を介して、電源5の一端子に電気的に接続されている。
第1給電ローラ3は、第1支持部4の両遊端部の間において、第1軸10に対して相対回転不能に支持されており、これにより、第1給電ローラ3は、第1支持部4の両遊端部に対して相対回転可能に支持されている。
第1給電ローラ3の周面の幅は、例えば、2〜50mm、好ましくは、2〜10mmである。また、第1給電ローラ3の直径は、例えば、5〜200mm、好ましくは、50〜100mmである。
第2電極部22は、第1電極部21と同様に構成されており、具体的には、支持部としての第2支持部13と、第2支持部13に相対回転可能に支持される第2軸14と、第2軸14に相対回転不能に支持される給電部としての第2給電ローラ12とを備えている。なお、第2給電ローラ12は、第2配線20および第2支持部13を介して、電源5の他端子に電気的に接続されている。
金属板1の被補強部24を、通電装置2を用いて通電するには、図2および図3に示すように、第1給電ローラ3を、金属板1の長手方向一端部において、第1壁15の第1折曲部18側端部に対向配置させる。詳しくは、第1給電ローラ3の周面を、第1壁15の第1折曲部18側端部の表面に直接接触させる。
また、第2給電ローラ12を、金属板1の長手方向一端部において、第2壁16の第2折曲部19側端部に対向配置させる。詳しくは、第2給電ローラ12の周面を、第2壁16の第2折曲部19側端部の表面に直接接触させる。
第1給電ローラ3および第2給電ローラ12の金属板1に対する接触と同時に、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12に、電源5からの電流を第1配線6および第2配線20を介してそれぞれ印加する。
そして、第1給電ローラ3を、第1壁15の長手方向一端部に接触させた後、第1給電ローラ3を、第1壁15に対して、長手方向他方側に転動させる。すなわち、第1給電ローラ3は、ロボットが第1支持部4を移動させることによって、第1支持部4に回転可能に支持されながら、第1壁15の表面を、長手方向一端部から他端部に向かって転動する。
また、上記と同時に、第2給電ローラ12を、第2壁16の長手方向一端部に接触させた後、第2給電ローラ12を、第2壁16に対して、長手方向他方側に転動させる。すなわち、第1給電ローラ3は、ロボットが第2支持部13を移動させることによって、第2支持部13に回転可能に支持されながら、第2壁16の表面を、長手方向一端部から他端部に向かって転動する。
また、第1給電ローラ3の第1壁15に対する転動とともに、第1給電ローラ3を第1壁15に対して押圧させる。すなわち、ロボットが第1支持部4を押圧して、第1軸10により押圧される第1給電ローラ3が、第1壁15を厚み方向一方側に押圧する。
また、上記と同時に、第2給電ローラ12の第2壁16に対する転動とともに、第2給電ローラ12を第2壁16に対して押圧させる。すなわち、ロボットが第2支持部13を押圧して、第2軸14により押圧される第2給電ローラ12が、第2壁16を厚み方向一方側に押圧する。
第1給電ローラ3の第1壁15に対する押圧によって、第1壁15の第1折曲部18側端部には、凹部7が形成される。また、第2給電ローラ12の第2壁16に対する押圧によって、第2壁16の第1折曲部18側端部には、凹部7が形成される。
これら凹部7は、図3および図4に示すように、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12の金属板1に対する転動に伴って、長手方向に沿って延びるように形成される。
そして、第1被補強部25を通電させるための通電条件としては、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を通電する電流量が、後述する電流密度によって適宜設定され、例えば、2〜20kA、好ましくは、5〜10kAである。つまり、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12間を流れる電流の電流密度が、好ましくは、40kA/mm以上である。
電流密度が、上記範囲を満たすことによって、加熱速度(後述)を急速に高めることができ、そのため、金属板1の表面における酸化スケール30(図7および図8参照)の生成を十分に抑制することができ、その結果、その後に形成される塗料層11と金属板1との密着性を十分に高めることができる。
また、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12の転動速度は、互いに同一であり、例えば、0.1〜2.0m/分、好ましくは、0.5〜1.5m/分である。
また、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12の押圧(加圧)力は、例えば、10〜3000N、好ましくは、300〜2000Nである。
そして、第1被補強部25では、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12間で通電する電流が、第1被補強部25によって電気抵抗を受け、そのため、第1被補強部25が加熱される。詳しくは、第1被補強部25は、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12間における加熱速度が高く、具体的には、100〜800℃/秒、好ましくは、200〜800℃/秒である。
また、第1被補強部25は、例えば、850℃以上、好ましくは、950℃以上、通常、1000℃以下の温度(最高到達温度)にまで加熱された後、そのまま室温で放置させることにより、室温に冷却される。
その後、上記と同様にして、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を用いて、金属板1の第2被補強部26を通電させることによって、第2被補強部26を加熱する。すなわち、第1給電ローラ3を第2壁16の第2折曲部19側端部に対向配置させて転動させるとともに、第2給電ローラ12を第3壁17の第2折曲部19側端部に対向配置させて転動させる。これにより、第2壁16の第2折曲部19側端部および第3壁17の第2折曲部19側端部に、凹部7を形成する。
第2被補強部26における通電条件、転動速度、押圧力および加熱条件は、第1被補強部25のそれらと同様である。
なお、この焼入工程後の金属板1の被補強部24の表面には、図7が参照されるように、酸化スケール30の生成が実質的に抑制されているか、あるいは、極めて薄い(具体的には、5μm以下。)酸化スケール30が生成される。
これにより、被補強部24を補強することができる。
その後、金属板1の製造方法では、必要により、図1(c)に示すように、金属板1の表面に塗料を塗装する(塗装工程)。
塗装工程では、例えば、電着塗装などの塗装方法が用いられる。
これにより、金属板1の表面に塗料層11が形成される。なお、金属板1の表面に酸化スケール30が形成されている場合には、塗料層11は、金属板1の表面側および裏面側の両側に、酸化スケール30を介して形成されている。
塗料層11の厚みは、特に限定されず、例えば、10〜30μmである。
そして、この方法によれば、金属板1の被補強部24を通電させることにより金属板1の被補強部24を加熱するので、加熱速度を急速に高くすることができ、酸化スケールの生成を抑制することができる。そのため、金属板1と塗料層11との密着性を向上させることができる。
また、金属板1において補強したい部分、つまり、被補強部24のみを通電させて、その金属板1の被補強部24を加熱するので、被補強部24のみを確実に補強することができる。
さらに、金属板1の被補強部24のみを通電させるだけなので、高周波誘導加熱装置を用いる場合に比べ、省スペース化を図りながら、簡易な構成で金属板1の被補強部24を補強することができる。
なお、上記した説明では、焼入工程において、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を、金属板1に対して押圧させて、凹部7を形成しているが、例えば、図示しないが、凹部7を形成しないように、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を、金属板1に当接させて、金属板1の表面を転動させることもできる。
好ましくは、凹部7を形成するように、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を、金属板1に対して押圧させる。これにより、被補強部24の強度をより一層向上させることができる。
図5は、本発明の金属板の製造方法および補強方法の他の実施形態(1本の電極配線と1つの給電ローラとを用いる態様)の焼入工程を説明する断面図、図6は、本発明の金属板の製造方法および補強方法の他の実施形態(2つの給電ローラが1つの支持部および1つの軸により支持される態様)の焼入工程を説明する断面図である。
なお、上記した部材に対応する部材については、以降の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した説明では、第2給電ローラ12を、金属板1に対して移動可能に設けているが、例えば、図5に示すように、第2給電ローラ12に代えて、電極配線29を、金属板1に対して相対移動不能に設けることができる。
図5において、第2電極部22は、電極配線29を備え、電極配線29は、長手方向に沿って延びる配線であって、金属板1の表面に固定されて設置されている。なお、第2電極部22は、第2支持部13と第2軸14とを備えていない。
焼入工程では、第1給電ローラ3のみを金属板1に対して転動させながら、第1給電ローラ3のみが金属板1を押圧する。これにより、第1壁15の第1折曲部18側端部のみに、凹部7を形成する。
さらに、図示しないが、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12に代えて、2つの電極配線29を、金属板1に対して相対移動不能にそれぞれ設けることもできる。
上記したように、電極配線29を用いれば、第1電極部21および第2電極部22に支持部および軸をそれぞれ設ける必要がないので、装置構成を簡易化することができる。
一方、図2および図3に示すように、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を用いれば、金属板1に対応するように長手方向に延びる電極配線29を別途設置する必要が無く、第1給電ローラ3および第2給電ローラ12を金属板1に対して転動させるだけでよいので、被補強部24を簡単に通電させることができる。
また、上記した図2および図3の説明では、2つの給電ローラ(第1給電ローラ3および第2給電ローラ12)に対応して、2つの支持部(第1支持部4および第2支持部13)と、2つの軸(第1軸10および第2軸14)とをそれぞれ設けているが、例えば、図6に示すように、1つの支持部4および1つの軸10のみを設けることもできる。
図6において、2つの給電ローラ(第1給電ローラ3および第2給電ローラ12)は、1つの軸10を共有し、1つの支持部4によって相対回転可能に支持されている。
この方法では、1つの支持部4および1つの軸10で、2つの給電ローラを共有することにより、装置構成をより一層簡易化することができる。
また、図1および図3に示す説明では、被補強部24を、各折曲部(第1折曲部18および第2折曲部19)を含む領域として区画しているが、例えば、図6に示すように、折曲部を含まず、壁(第2壁16)の幅方向ほぼ全体の領域(第1折曲部18側端縁および第2折曲部19側端縁を除く領域)として区画することもできる。
図6において、被補強部24は、第2壁16において、長手方向に沿って区画されている。
これによって、第1折曲部18および第2折曲部19に比べて、強度が低下し易い平坦状の第2壁16を、確実に補強することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
幅220mm、長さ700mm、厚み1.2mmの矩形状の金属板を用意し、第1壁(幅70mm)と、第2壁(幅50mm)と、第3壁(幅70mm)と、第1フランジ(幅15mm)と、第2フランジ(幅15mm)とを備えるように折曲加工した(図1(a)参照)。
次いで、電源、第1電極部および第2電極部を備える通電装置を用いて、金属板の被補強部を通電した。この通電では、第1給電ローラおよび第2給電ローラを金属板に対して長手方向に沿って転動させながら、第1給電ローラおよび第2給電ローラを金属板に対して押圧した。これにより、被補強部を焼入れた(焼入工程。図1(b)参照)。
被補強部の幅、給電ローラ、大きさ、通電条件、転動条件および押圧条件を以下に示す。
<被補強部>
(第1被補強部) :第1壁における幅15mm
:第2壁における幅15mm
(第2被補強部) :第2壁における幅15mm
:第3壁における幅15mm
<給電ローラ(第1給電ローラ、第2給電ローラ)>
:直径、100mm
:周面の幅、8mm
<通電条件>
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流量 :8kA
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流密度 :50kA/mm
<転動条件>
第1給電ローラおよび第2給電ローラの転動(移動)速度:1.0m/分
<押圧条件>
押圧力(加圧力) :1470N(150kgf)
これにより、被補強部を焼入れた。
焼入条件を以下に記載する。
<焼入条件>
加熱速度 :300℃/秒
最高到達温度 :950℃
その後、金属板の表面に電着して、厚み25μmの塗料層を形成した。
実施例2
焼入工程において、金属板に凹部を形成することなく、第1給電ローラおよび第2給電ローラを金属板に単に当接させることにより、被補強部を焼入れた。すなわち、第1給電ローラおよび第2給電ローラの当接力を294N(150kgf)に変更した(低減させた)以外は、実施例1と同様に処理した。
実施例3
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流密度を、40kA/mmに変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
実施例4
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流密度を、30kA/mmに変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
実施例5
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流密度を、20kA/mmに変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
実施例6
第1給電ローラおよび第2給電ローラ間の電流密度を、10kA/mmに変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
比較例1
焼入工程において、金属板を950℃の加熱炉に120秒間投入し、その後、水冷することにより、金属板を焼入れた。なお、加熱速度は20℃/秒であった。
比較例2
焼入工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様に処理した。
(評価)
(1) 酸化スケールの厚み
実施例1〜6および比較例1の被補強部の断面サンプルを採取し、光学顕微鏡にて観察することにより、酸化スケールの厚みを測定した。その結果を表1に示す。
また、実施例1および比較例1の光学顕微鏡写真の画像処理図を図7および図8にそれぞれ示す。
(2) 密着性試験
実施例1〜6および比較例1の被補強部において、金属板と塗料層との密着性試験を実施した。
密着性試験は、JIS K5400に記載の碁盤目テープ法に準拠して、以下の評価基準に従って、金属板と塗料層との密着性を評価した。その結果を表1に示す。
◎ :評点6以上
○ :評点4以上、6未満
× :評点4未満
(3) 補強試験
実施例1〜6および比較例1の金属板を、万能試験機により、支点間距離(固定スパン)を500mmとし、第2壁の中央(長さ方向および幅方向中央)を直径150mmの圧子で1000mm/分の速度で押圧する三点曲げ試験により、最大曲げ強度を測定した。その結果を表1に示す。
1 金属板
2 通電装置
3 第1給電ローラ
4 第1支持部
7 凹部
12 第2給電ローラ
13 第2支持部
24 被補強部

Claims (6)

  1. 金属板を用意する工程、および、
    前記金属板の一部を通電させることにより、その金属板の一部を加熱して焼入れる焼入工程と
    を備えることを特徴としている、金属板の製造方法。
  2. 前記焼入工程では、前記金属板の一部を通電させるための給電部と、前記給電部を、前記金属板に対して回転移動可能に支持するための支持部とを備える通電装置の前記給電部を、前記金属板の一部に直接接触させながら、前記支持部により前記給電部を転動させることを特徴とする、請求項1に記載の金属板の製造方法。
  3. 前記焼入工程では、前記給電部を前記金属板に対して押圧させることにより、前記金属板に凹部を形成することを特徴とする、請求項2に記載の金属板の製造方法。
  4. 前記焼入工程における電流密度が、40A/mm以上であり、
    前記焼入工程後、前記金属板の表面に塗料を塗装する塗装工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属板の製造方法。
  5. 金属板の一部を通電させることにより、その金属板の一部を加熱して焼入れる焼入工程を備えることを特徴とする、金属板の補強方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載金属板の製造方法により得られることを特徴とする、金属板。
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