JP2010242109A6 - パイロクロア相と酸化物とを有する2層層組織 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な断熱特性と基材への良好な結合とを有し、従って層組織全体の長い寿命を有する層組織を提供する。
【解決手段】基材(4)と、特に、基材(4)上のNiCoCrAlX合金を含有して成る金属結合層(7)と、金属結合層(7)上又は基材(4)上の内側セラミック層(10)、特に安定化酸化ジルコニウム層、全く特別にはイットリウム安定化酸化ジルコニウム層とを含有してなる層組織であって、内側セラミック層(10)上に外側セラミック層(13)が設けられており、この層(13)が少なくとも92重量%、特に100重量%のパイロクロア相を含有して成り、また、この層(13)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の40%以下の層厚を有する層組織。
【選択図】図1

Description

本発明は、パイロクロアを有する層組織に関する。
このような層組織は、ニッケル基又はコバルト基の金属合金を含有してなる基材を有する。このような製品は、なかんずく、ガスタービンの部材として、特にガスタービン翼又は遮熱体として利用される。これらの部材は侵食性燃焼ガスの高温ガス流に曝されており、それゆえに大きな熱負荷に耐えることができなければならない。更に、これらの部材は耐酸化性及び耐食性であることが必要である。更に、なかんずく、可動部材、例えばガスタービン翼は、しかし静的部材も、機械的特性を満たさねばならない。高温ガスに曝され得る部材が使用されているガスタービンの出力と効率は、動作温度の上昇に伴って増大する。
高い効率と高い出力とを達成するために、特に高温に曝されるガスタービン部材は、セラミック材料で被覆される。この材料は、高温ガス流と金属基材との間で断熱層として働く。
金属基体が被覆によって侵食性高温ガス流から保護される。この意味では、最近の部材は、大抵の場合、複数の被覆を有し、被覆はそれぞれ特殊な役目を果たす。こうして多層組織が設けられている。ガスタービンの出力及び効率が動作温度の上昇に伴って増大するので、被覆系の改良によってガスタービンの一層高い性能を達成することが再三再四試みられてきた。
特許文献1は、パイロクロアを断熱層として使用することを開示している。しかし、或る材料を断熱層として利用するには良好な断熱特性だけでなく、基材への良好な結合も不可欠である。
特許文献2は、酸化ガドリニウムと酸化ジルコニウムとから成る断熱層組織を開示しているが、この断熱層組織はパイロクロア構造を意図してはいない。
欧州特許第0944746号明細書 欧州特許出願公開第0992603号明細書
そこで本発明の課題は、良好な断熱特性と基材への良好な結合とを有し、従って層組織全体として長い寿命を有する層組織を提供することである。
本発明は、長い寿命を得るためには、全組織を全体として考慮せねばならず、個々の層又はいくつかの層を別々に考慮して最適化してはならないという知見に基づいている。
この課題は、基材(4)と、特に、基材(4)上のNiCoCrAlX合金を含有して成る金属結合層(7)と、金属結合層(7)上又は基材(4)上の内側セラミック層(10)、特に安定化酸化ジルコニウム層、全く特別にはイットリウム安定化酸化ジルコニウム層とを含有してなる層組織であって、内側セラミック層(10)上に外側セラミック層(13)が設けられており、この層(13)が少なくとも92重量%、特に100重量%のパイロクロア相を含有して成り、また、この層(13)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の40%以下の層厚を有する層組織によって解決される。
その他の有利な諸方法は、これらは任意のやり方で有利に組合せることができるが、従属請求項に記載されている。
図1は、本発明に係る層組織1を示す。
層組織1は、金属基材4を含有して成る。金属基材4は、特に高温用部材の場合、ニッケル基又はコバルト基の超合金(図2)からなる。
有利には、特にNiCoCrAlX型の金属結合層7が、直接基材4上に存在し、この結合層は有利には、11〜13重量%のコバルト、20〜22重量%のクロム、10.5〜11.5重量%のアルミニウム、0.3〜0.5重量%のイットリウム、1.5〜2.5重量%のレニウム、及び残部ニッケルを含有してなるか、又は有利には、24〜26重量%のコバルト、16〜18重量%のクロム、9.5〜11重量%のアルミニウム、0.3〜0.5重量%のイットリウム、1〜1.8重量%のレニウム、及び残部ニッケルを含有してなるかのいずれかである。
結合層7は、特に、これら2つの合金の1つから成る。
この金属結合層7上に、有利には他のセラミック層を被着するよりも前に既に酸化アルミニウム層が生成しているか、又は動作中にそのような酸化アルミニウム層(TGO)が生成する。
金属結合層7上に、又は(図示しない)酸化アルミニウム層上に、又は基材4上に、内側セラミック層10、有利には完全に又は部分的に安定化された酸化ジルコニウム層が存在する。
有利にはイットリウム安定化酸化ジルコニウムが、有利には6重量%〜8重量%のイットリウムを有するものが使用される。
同様に、酸化ジルコニウムを安定させるために酸化カルシウム、酸化セリウム及び/又は酸化ハフニウムを使用することができる。
酸化ジルコニウムは、有利にはプラズマ溶射層として被着され、有利には柱状構造として電子ビーム蒸着(EBPVD)によって被着することもできる。
安定化酸化ジルコニウム層10上に、外側セラミック層13、特に(高温ガスに直接曝される)最も外側の層が被着されており、この層は、主としてパイロクロア相から成っている。即ち、有利には、ハフニウム酸ガドリニウム、特にGd2Hf27、又はジルコン酸ガドリニウム、特にGd2Zr27、を含有してなるパイロクロア相を少なくとも92重量%含有して成る。
有利には、外側層13は、100重量%が上記2つのパイロクロア相の一方から成る。パイロクロア相を有していない非晶質相、純GdO2、純ZrO2若しくは純HfO2、又はGdO2とZrO2もしくはHfO2との混合相は、この場合望ましくなく、最小限に減らさねばならない。
しかし有利には、最も外側のセラミック層13は、8重量%以下、特に0.5重量%〜8重量%、まったく特別には1重量%〜8重量%の二次酸化物を含有して成る。
この場合、二次酸化物は、セラミック層13用粉末に又はセラミック層13に意識的に添加され、従って、二次酸化物の測定技術的検出限界よりもかなり上であり、つまり二次酸化物の検出限界の少なくとも2倍の値を有する。
有利には、二次酸化物は層13内に分布し、特に均一に分布している。
有利には、二次酸化物は酸化物(二次相)として存在する。
特にパイロクロア相がジルコン酸ガドリニウムの場合、セラミック層13は、有利には1.5重量%〜2.5重量%、まったく特別には2重量%の割合の二次酸化物、特に酸化ハフニウムを含有してなる。酸化ハフニウムは、有利には、純粋な酸化物又は混晶形成の相手としてパイロクロア相内に存在することができる。同様に、二次酸化物は、パイロクロア相と共に混晶を完全に形成することができる。
特にハフニウム酸ガドリニウムの場合、セラミック層13は、有利には、5重量%〜7重量%の割合、特に6重量%の割合の二次酸化物、特に酸化ジルコニウムを含有して成る。
酸化ジルコニウムは、有利には、純粋な酸化物として存在していてもよく、又は完全に又は部分的に混晶を形成していてもよい。
セラミック層13は、0.05重量%以下の酸化ケイ素、0.1重量%以下の酸化カルシウム、0.1重量%以下の酸化マグネシウム、0.1重量%以下の酸化鉄、0.1重量%以下の酸化アルミニウム、及び0.08重量%以下の酸化チタンを、焼結助剤として含有していてもよい。これらの焼結助剤は、塗布時、又はその後に高温下で利用するとき、層の結合を促進する。セラミック層13は、有利には、その他の焼結助剤を含有していない。
特に、セラミック層13用層組織は、ただ1つのパイロクロア相を含有してなる。
下側にある層又は基材に対する外側セラミック層の膨張率の適合を達成するために、ただ2つだけのパイロクロア相が存在していてもよく、その場合、パイロクロア相は、有利には、ジルコン酸ガドリニウムとハフニウム酸ガドリニウムとの混合物から形成される。
同様に有利には、単一のパイロクロア相として、混晶、特にx+y≒2のGd2(HfxZry)O7を使用することができる。というのも、ここでは様々な元素の混合によって、拡散はもはや生じておらず、高い相安定性が達成されるからである。
化学量論組成A227からの逸脱は、常に起こり得るし、又は意識的に調整することができる。
同様に、それぞれ別のパイロクロア相を有する2つの粉末から成る粉末混合物を使用することができる。ここでは、特にジルコン酸ガドリニウム及びハフニウム酸ガドリニウムが使用される。
有利には、セラミック層13内に、ただ1つの二次酸化物が存在する。このことが有利であるのは、特に、ただ1つのパイロクロア相が存在するときである。
しかし、膨張率の適合を達成するために、3以上の又はただ2つだけの二次酸化物を使用することもできる。
有利には、層組織は基材4、金属結合層7、場合によりTGO、内側セラミック層10及び外側セラミック層13から成る。
外側セラミック層13は、有利には、単数又は複数のパイロクロア相及び二次酸化物から成り、焼結助剤を有しない。
セラミック層13は、有利には、パイロクロア、特にハフニウム酸ガドリニウム及び/又はジルコン酸ガドリニウム及び/又は二次酸化物、特に酸化ハフニウム及び/又は酸化ジルコニウムから成る。
外側セラミック層13は、有利には、単数又は複数のパイロクロア相及び二次酸化物とから成り、焼結助剤を有しない。
しかし、二次酸化物と焼結助剤との以下の組合せが好ましい。
・ジルコン酸ガドリニウム+酸化ハフニウム、
・ハフニウム酸ガドリニウム+酸化ジルコニウム、
・又はこれらの(粉末混合物又は混晶としての)混合。
ハフニウム酸ガドリニウムは、層13用粉末として、43重量%〜50重量%、有利には44.7重量%〜47.7重量%の酸化ガドリニウムを含有して成り、残部は酸化ハフニウム、場合により二次酸化物、有利には酸化ジルコニウム、及び、場合により焼結助剤である。
ジルコン酸ガドリニウムは、粉末として、56重量%〜63重量%、有利には58重量%〜61重量%の酸化ガドリニウムを含有して成り、残部は酸化ジルコニウム、場合により二次酸化物、有利には酸化ハフニウム、及び場合により焼結助剤である。
これらの成分は、混晶又は粉末混合物においてHfとZrとの比に従って存在する。
層組織が、より高温で短時間、使用される場合には、より良い断熱特性を有する外側層13は、断熱特性の劣る内側層10よりも薄く形成することができる。内側層10の層厚は、内側層10及び外側層13の合計層厚の60%〜90%である。
有利には、内側層10の層厚は、合計層厚の60%〜80%である。
同様に、内側層10の層厚が合計層厚の60%〜70%であると有利である。
同様に、内側層10の層厚が合計層厚の70%〜<100%又は70%〜90%であると有利である。
合計層厚に占める内側層10の割合が70%〜80%であるとき、同様に有利な結果が達成される。
同様に、内側層10の層厚が合計層厚の80%〜90%であると有利である。
同様に、内側層10の層厚が合計層厚の90%〜<100%であると有利である。
内側層10及び外側層13の合計層厚は、有利には300μm又は有利には450μmである。最大合計層厚は有利には800μm、又は有利には600μmである。
図3は、縦軸線121に沿って延びた流体機械の動翼120又は静翼130を斜視図で示す。
流体機械は、電気を生成するための発電所の若しくは飛行機のガスタービン、蒸気タービン又は圧縮機であり得る。
翼120、130は長手軸線121に沿って、順に、取付部400、これに隣接する翼プラットホーム403、そして翼板406を有する。
翼130は、静翼130として、その翼端415に他のプラットホーム(図示せず)を有することができる。
動翼120、130を軸又はディスク(図示せず)に取付けるのに使用される翼付根183は、取付部400に形成される。
翼付根183は、例えばハンマ頭部形に形成されている。他に、クリスマスツリー形又はダブテール形付根としての形成が可能である。
翼120、130は、翼板406を通流する媒体用に前縁409と後縁412とを有する。
従来の翼120、130では、翼120、130のすべての部分400、403、406において、例えば中実金属材料、特に超合金が使用されている。
そのような超合金は、例えば欧州特許第1204776号明細書、欧州特許第1306454号明細書、欧州特許出願公開第1319729号明細書、国際公開第99/67435号パンフレット又は国際公開第00/44949号パンフレッにより公知である。これらの文献は、合金の化学組成に関して本発明の開示の一部である。
その際、翼120、130は鋳造法によって、方向性凝固によって、鍛造法によって、フライス加工法によって、又はそれらの組合せによって作製することができる。
単数又は複数の単結晶構造を有する工作物は、動作時に高い機械的、熱的及び/又は化学的負荷に曝される機械用の部材として利用される。
このような単結晶工作物の作製は、溶融体から、例えば方向性凝固によって行われる。これらは、液状金属合金が凝固されて、単結晶構造を形成する、即ち、単結晶工作物を形成する、つまり方向性を持って凝固される鋳造法である。
この場合、樹枝状結晶が熱流束に沿って整列し、柱状結晶質粒状構造(柱状。即ち、工作物の全長にわたって延びる粒子。ここでは、一般的用語法により、方向性凝固されたという。)又は単結晶構造のいずれかを形成する。即ち、工作物全体が単一の結晶から成る。この方法では、球状(多結晶)凝固への移行を避けねばならない。というのも、非方向性成長によって不可避的に横方向及び縦方向粒界が生じ、これが、方向性凝固部材又は単結晶部材の良好な特性を無にするからである。
一般に方向性凝固組織というとき、それは、粒界を有しないか又はせいぜい小角粒界を有する単結晶と、縦方向に延びる粒界を有するが横方向粒界を持たない柱状結晶構造も意味している。後者の結晶構造は方向性凝固組織(directionally solidified structures)とも称される。
このような方法は、米国特許第6024792号明細書及び欧州特許出願公開第0892090号明細書により公知である。これらの明細書は、本発明の開示の一部である。
同様に、翼120、130は腐食又は酸化に備えた被覆、例えば、MCrAlX(Mは鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、Xは活性元素であり、イットリウム(Y)及び/又はケイ素及び/又は少なくとも1つの希土類元素、或いはハフニウム(Hf)である)、を有することができる。このような合金は欧州特許第0486489号明細書、欧州特許第0786017号明細書、欧州特許第0412397号明細書又は欧州特許出願公開第1306454号明細書により公知であり、これらは合金の化学組成に関して本発明の開示の一部となるものである。
MCrAlX層上には、更に、本発明に係るセラミック断熱層13が存在してもよい。
好適な被覆法、例えば電子ビーム蒸着(EB‐PVD)、によって、断熱層内に柱状粒子が生成される。
再処理(磨き直し)とは、場合によっては、タービン翼120、130、遮熱要素155から、それらの利用後に、保護層を(例えばサンドブラストによって)取り除かねばならないことを意味する。その後、腐食層及び/又は酸化層ないし腐食生成物及び/又は酸化生成物の除去が行われる。場合によっては、タービン翼120、130又は遮熱要素155の亀裂も、また、修理される。その後、タービン翼120、130、遮熱要素155の再被覆と、タービン翼120、130又は遮熱要素155の再利用が行われる。
翼120、130は中空又は中実に設計しておくことができる。翼120、130が冷却されねばならない場合、翼は中空であり、場合によっては、膜冷却孔418(破線で示す)を有していてもよい。
図4は、ガスタービン100(図5)の燃焼室110を示す。
燃焼室110は、例えば所謂環状燃焼室として形成されており、そこでは、回転軸線102を中心として円周方向に配置された、火炎156を発生する複数のバーナ107が、共通燃焼室空間154に開口している。このために、燃焼室110は、全体として、回転軸線102の周りに配置された環状構造体として設計されている。
比較的高い効率を達成するために、燃焼室110は、作動媒体Mの比較的高い温度、即ち、約1000℃〜1600℃の温度用に設計されている。材料にとって不都合なこれらの動作パラメータのもとでも比較的長い動作時間を可能とするために、燃焼室壁153は、作動媒体Mに向き合う側に、遮熱要素155で形成される内張りを備えている。
合金製の各遮熱要素155は、作動媒体側に特別耐熱性の保護層(MCrAlX層及び/又はセラミック被覆)を備えているか、又は耐火材料(中実セラミック煉瓦)から作製されている。
これらの保護層はタービン翼と類似させることができる、つまり、例えばMCrAlXを意味する:Mは鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、Xは活性元素であり、イットリウム(Y)及び/又はケイ素及び/又は少なくとも1つの希土類元素、或いはハフニウム(Hf)である。このような合金は、欧州特許第0486489号明細書、欧州特許第0786017号明細書、欧州特許第0412397号明細書又は欧州特許出願公開第1306454号明細書により公知であり、これらの明細書は合金の化学組成に関して本発明の開示の一部となるものである。
再処理(磨き直し)とは、場合によっては、遮熱要素155から、その利用後に、保護層を(例えばサンドブラストによって)取り除かねばならないことを意味する。その後、腐食層及び/又は酸化層もしくは腐食生成物及び/又は酸化生成物の除去が行われる。場合によっては、遮熱要素155の亀裂も、また、修理される。その後、遮熱要素155の再被覆が行なわれ、遮熱要素155の再利用が行われる。
燃焼室110の内部の高い温度のゆえに、遮熱要素155用又はその保持要素用に、冷却システムを設けておくことができる。その場合、遮熱要素155は、例えば中空であり、場合によっては、燃焼室空間154に開口する膜冷却孔(図示せず)を有していてもよい。
図5は、例示的にガスタービン100を縦部分断面図で示す。
ガスタービン100は、内部に、軸101を備えて回転軸線102の周りで回転可能に支承されるロータ103を有し、このロータはタービンロータとも称される。
ロータ103に沿って、順に、吸込ケーシング104、圧縮機105、同軸に配置される複数のバーナ107を備えた例えば円環体状の燃焼室110、特に環状燃焼室、タービン108、そして排気ケーシング109が続く。
環状燃焼室110は、例えば環状の高温ガス通路111と連通している。そこでは、例えば、直列接続された4つのタービン段112がタービン108を形成する。各タービン段112は、例えば2つの翼輪で形成されている。作動媒体113の流れ方向に見て、高温ガス通路111内で、静翼列115に動翼120で形成される列125が続く。
静翼130がステータ143の内部ケーシング138に固定されており、一方、翼列125の動翼120は、例えばタービンディスク133によってロータ103に取付けられている。ロータ103に発電機又は作業機械(図示せず)が連結されている。
ガスタービン100の動作中、空気135が、圧縮機105によって吸込ケーシング104を通して吸い込まれ、圧縮される。圧縮機105のタービン側末端で供給される圧縮空気は、バーナ107へと送られ、そこで燃料と混合される。次に混合気は、燃焼室110内で燃焼させられて作動媒体113を形成する。そこから、作動媒体113は、高温ガス通路111に沿って静翼130及び動翼120を通流する。動翼120で作動媒体113が膨張して運動量を伝達し、動翼120がロータ103及びロータに連結された作業機械を駆動する。
ガスタービン100の動作中、高温作動媒体113に曝される部材は、熱負荷を受ける。作動媒体113の流れ方向に見て最初のタービン段112の静翼130及び動翼120は、環状燃焼室110に内張りされる遮熱要素とともに、最大の熱負荷を受ける。
そこでの温度に耐えるために、それらは、冷却材によって冷却することができる。
同様に、部材の基材は配向構造を有することができる。即ち、基材は単結晶(SX構造)であるか、又は縦配向粒子(DS構造)のみから成る。
部材用、特にタービン翼120、130及び燃焼室110の部材用、の材料として、例えば鉄基、ニッケル基又はコバルト基超合金が使用される。
そのような超合金は、例えば欧州特許第1204776号明細書、欧州特許第1306454号明細書、欧州特許出願公開第1319729号明細書、国際公開第99/67435号パンフレット又は国際公開第00/44949号パンフレットにより公知である。これらの文献は、本発明の開示の一部である。
静翼130はタービン108の内部ケーシング138に向き合う静翼付根(ここには図示せず)と静翼付根とは反対側の静翼端とを有する。静翼端はロータ103に向き合い、ステータ143の固定輪140に固定されている。
本発明に係る層組織を示す。 超合金の一覧表である。 タービン翼の斜視図である。 燃焼室の斜視図である。 ガスタービンを示す。
符号の説明
1 層組織
4 基材
7 結合層
10 内側セラミック層
13 外側セラミック層

Claims (30)

  1. 基材(4)と、特に、基材(4)上のNiCoCrAlX合金を含有して成る金属結合層(7)と、金属結合層(7)上又は基材(4)上の内側セラミック層(10)、特に安定化酸化ジルコニウム層、全く特別にはイットリウム安定化酸化ジルコニウム層とを含有してなる層組織であって、内側セラミック層(10)上に外側セラミック層(13)が設けられており、この層(13)が少なくとも92重量%、特に100重量%のパイロクロア相を含有して成り、また、この層(13)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の40%以下の層厚を有する層組織。
  2. パイロクロア相としてジルコン酸ガドリニウム、特にGd2Zr27を含有してなる請求項1記載の層組織。
  3. パイロクロア相としてハフニウム酸ガドリニウム、特にGd2Hf27を含有してなる請求項1記載の層組織。
  4. 外側層(13)が二次酸化物を、特に0.5重量%〜8重量%の割合で、全く特別には1重量%〜8重量%の割合で、含有して成る請求項1、2又は3記載の層組織。
  5. 二次酸化物が1.5重量%〜2.5重量%、特に2重量%の割合を有する請求項1又は4記載の層組織。
  6. 二次酸化物が0.5重量%〜7重量%、特に6重量%の割合を有する請求項1又は4記載の層組織。
  7. 二次酸化物として酸化ハフニウムが存在する請求項4、5又は6記載の層組織。
  8. 二次酸化物として酸化ジルコニウムが存在する請求項4、5、6又は7記載の層組織。
  9. 焼結助剤として、0.05重量%以下の酸化ケイ素、0.1重量%以下の酸化カルシウム、0.1重量%以下の酸化マグネシウム、0.1重量%以下の酸化鉄、0.1重量%以下の酸化アルミニウム及び0.08重量%以下の酸化チタンを含有してなる請求項1〜8のいずれか1つ又は複数に記載の層組織。
  10. ただ1つのパイロクロア相が存在する請求項1、2、3、4、7又は8記載の層組織。
  11. ただ2つのパイロクロア相が存在する請求項1、2、3、4、7又は8記載の層組織。
  12. 2つのパイロクロア相、特にジルコン酸ガドリニウム、特にGd2Zr27、とハフニウム酸ガドリニウム、特にGd2Hf27、とから成る混合物が外側セラミック層(13)内に存在する請求項1、2、3、4、7又は8記載の層組織。
  13. 2つのパイロクロア相から成る混晶、特にw≒2、x+y≒2、z=7のGdw(HfxZry)Ozが存在する請求項1、4、7、8又は11記載の層組織。
  14. ただ1つの二次酸化物が存在する請求項4、5、6、7、8又は10記載の層組織。
  15. ただ2つの二次酸化物が存在する請求項4、6、7、8又は11記載の層組織。
  16. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の60%〜90%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  17. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の60%〜80%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  18. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の60%〜70%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  19. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の70%〜90%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  20. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の70%〜80%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  21. 内側層(10)が内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚の80%〜90%の層厚を有する請求項1記載の層組織。
  22. 金属結合層(7)が、重量%表示で、11%〜13%のコバルト、20%〜22%のクロム、10.5%〜11.5%のアルミニウム、0.3%〜0.5%のイットリウム、1.5%〜2.5%のレニウム、及び残部ニッケルの組成を有してなり、特にそれらから成る請求項1記載の層組織。
  23. 金属結合層(7)が、重量%表示で、24%〜26%のコバルト、16%〜18%のクロム、9.5%〜11%のアルミニウム、0.3%〜0.5%のイットリウム、1%〜1.8%のレニウム及び残部ニッケルの組成を有してなり、特にそれらから成る請求項1記載の層組織。
  24. イットリウム安定化酸化ジルコニウム層が6重量%〜8重量%のイットリウムを含有してなる請求項1記載の層組織。
  25. 内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚が少なくとも300μmである請求項1又は16〜21の1つに記載の層組織。
  26. 内側層(10)及び外側層(13)の合計層厚が少なくとも450μm、特に450μmである請求項1又は16〜21の1つに記載の層組織。
  27. 合計層厚が最大800μm、特に最大600μmである請求項1又は16〜21の1つに記載の層組織。
  28. 基材(4)、金属結合層(7)、場合により金属結合層(7)上の酸化物層(TGO)、内側セラミック層(10)及び外側セラミック層(13)から成る請求項1記載の層組織。
  29. セラミック層(13)が、パイロクロア相と二次酸化物とから成り、焼結助剤を含まない請求項1、7、8、10、11、12、13、14又は15記載の層組織。
  30. セラミック層(13)が、パイロクロア相、二次酸化物及び焼結助剤から成る請求項1、7、8、10、11、12、13、14又は15記載の層組織。
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