JP2010241201A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の電磁式のショックアブソーバを備えた車両用サスペンションシステムの実用性を向上させる。
【解決手段】 複数の電磁アブソーバ20に電力を供給する電源装置152を、複数の給電系統148a,148bを有するように構成する。そして、そのシステムを、それら複数の給電系統の各々が、複数の電磁アブソーバのうちの1以上のものに電力を供給し、かつ、複数の電磁アブソーバの各々が、それら複数の給電系統のうちのいずれか1つのみから電力の供給を受けるように構成する。複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合であっても、一部の電磁アブソーバへの電力の供給を維持できることから、その一部の電磁アブソーバの作動が確保される。その結果、実用性の高いシステムが構築される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁式ショックアブソーバを備えた車両用サスペンションシステムに関する。
昨今、下記特許文献に記載されたような車両用サスペンションシステム、つまり、前後左右の4つの車輪に対応して4つの電磁式ショックアブソーバを備えたシステム(以下、「電磁式サスペンションシステム」という場合がある)が検討されている。それら電磁式ショックアブソーバ(以下、「電磁アブソーバ」と略す場合がある)は、電源装置から電力の供給を受けることによって作動し、例えば、スカイフックダンパ理論に基づくばね上振動の減衰を効果的に行うことが可能とされている。
国際公開2007/049633号パンフレット(図12)
上記特許文献に開示されている電磁式スペンションシステムでは、1つの電源装置、詳しく言えば、1つの電力供給系統(以下、「給電系統」と略す場合がある)しか有しない電源装置から、4つの電磁アブソーバに電力が供給されるようにされている。このようなシステムでは、例えば、その給電系統が失陥した場合に、4つのアブソーバのすべてに対して、電力の供給を停止するといった措置しかとり得ないことになる。つまり、従来検討されているシステムは、失陥への対処という観点における改良の余地を多分に残すものとなっており、なんらかの改良によって、電磁式サスペンションシステムの実用性を向上させることできると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑み、実用性の高い電磁式サスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用サスペンションシステムは、(A) それぞれが、電磁モータを有してその電磁モータが発生させる力に依拠してばね上部とばね下部との相対動作に対する力を発生させる複数の電磁式のショックアブソーバと、(B) 複数の給電系統を有してそれら複数のショックアブソーバに電力を供給する電源装置とを備えた車両用サスペンションシステムであって、それら複数の給電系統の各々が、複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに電力を供給し、かつ、複数のショックアブソーバの各々が、それら複数の給電系統のうちのいずれか1つのみから電力の供給を受けるように構成されたことを特徴とする。
本発明の車両用サスペンションシステムによれば、例えば、複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合であっても、一部の電磁アブソーバへの電力の供給を維持できることから、その一部の電磁アブソーバの作動が確保されることになる。つまり、本発明によれば、失陥への対処に関して優れた車両用サスペンションシステムが構築され、その結果、実用性の高いシステムが構築されるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(7)項が請求項3に、(8)項が請求項4に、(9)項が請求項5に、(10)項が請求項6に、(11)項が請求項7に、(12)項が請求項8に、(13)項が請求項9に、それぞれ相当する。
(1)それぞれが、電磁モータを有してその電磁モータが発生させる力に依拠してばね上部とばね下部との相対動作に対する力を発生させる複数の電磁式のショックアブソーバと、
複数の給電系統を有して前記複数のショックアブソーバに電力を供給する電源装置と
を備えた車両用サスペンションシステムであって、
前記複数の給電系統の各々が、前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに電力を供給し、かつ、前記複数のショックアブソーバの各々が、前記複数の給電系統のうちのいずれか1つのみから電力の供給を受けるように構成された車両用サスペンションシステム。
本項の態様の電磁式サスペンションシステムは、簡単に言えば、複数の電磁アブソーバへの電力の供給を複数の給電系統に分担させたシステムである。言い換えれば、複数の電磁アブソーバが、複数の給電系統の各々ごとにグループ分けされた態様と考えることができる。
本項の態様の車両用サスペンションシステムによれば、例えば、複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合においても、残りの1以上の給電系統からの複数の電磁アブソーバの一部に対しての適切な電力の供給を維持することができる。また、例えば、複数のアブソーバに対応して各電磁アブソーバと電源装置との間に駆動回路が配設されたような後述のシステムにおいては、いずれかの駆動回路が失陥したときには、その駆動回路に繋がる給電系統による電力の供給を停止せざるを得ない場合もあり、そのような場合においても、他の給電系統からの複数の電磁アブソーバの一部に対しての適切な電力の供給を維持できる。このように、システムの各部の失陥に対して複数の電磁アブソーバの一部への電力の供給を維持できることから、その一部の電磁アブソーバの作動は確保されることになるのである。したがって、本態様のシステムによれば、失陥への対処に関して優れた車両用サスペンションシステムが構築され、その結果、実用性の高いシステムが構築されるのである。特に、上述したグループ分け、つまり、複数の電磁アブソーバの各々を複数のグループのいずれに属すかを適切化することにより、失陥の生じていない給電系統,駆動回路等に対応するグループを構成する1以上の電磁アブソーバが複数存在する場合には、それら複数の電磁アブソーバが発生させる力を車体に対してバランスよく作用させることができ、より優れたシステムが構築されることになる。
本項の態様における「電磁式のショックアブソーバ」は、電磁モータを有し、その電磁モータの発生させる力によって、ばね上部とばね下部との相対動作に対する力を発生させるものである限り、それの具体的構成が特に限定されるものではない。従来から検討されている各種の電磁アブソーバを、広く採用可能である。電磁アブソーバが発生させる力は、ばね上部とばね下部との相対動作に対する抵抗力にのみ限定されるものではない。その相対動作に対する推進力であってもよく、また、ばね上部とばね下部との上下方向における距離(以下、「ばね上ばね下間距離」という場合がある)を維持するような力であってもよい。上述のことに関連して言えば、電磁アブソーバは、電源装置から供給された電力のみによって力を発生させるものである必要はない。例えば、ばね上ばね下間距離の変動に伴って電磁モータが動作させられたときに、その電磁モータが発電し、その発電電力が制御されることで、電磁アブソーバの発生させる力が制御されるように構成されていてもよいのである。
本項の態様における「電源装置」は、複数の給電系統を有するものであればよく、それの具体的構成が特に限定されるものではない。ただし、「複数の給電系統」は、互いに独立して電力を供給可能であることを要する。言い換えれば、電源装置は、複数の給電系統のうちの1つが失陥した場合であっても、他の給電系統がその失陥した給電系統からの影響を受けずに電力を供給できるように構成されていることが望ましいのである。なお、電源装置は、複数の給電系統の各々について、電力の供給を許容する状態と電力の供給を許容しない状態とを選択的に実現可能に構成することも可能である。ちなみに、電磁アブソーバが、上述のように電磁モータが発電可能なように構成されている場合に、電源装置は、その発電によって得られる電気エネルギーを回生可能に構成されていてもよい。
(2)当該車両用サスペンションシステムが、
前記複数のショックアブソーバに対応して設けられ、それぞれが、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものの前記電磁モータと前記複数の給電系統のうちの対応するものとの間に配設されてその電磁モータを駆動するための複数の駆動回路と、
それら複数の駆動回路を介して前記複数のショックアブソーバの各々が有する電磁モータの作動を制御することで、それら複数のショックアブソーバの各々が発生させる力を制御するアブソーバ力制御部を有する制御装置と
を備えた(1) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、電磁アブソーバの制御手段に関する限定を加えた態様である。「駆動回路」として、例えば、インバータ等を採用することができる。「制御装置」は、例えば、コンピュータ等を主体として構成されるものを採用することが可能である。なお、先に説明したこととに関連して言えば、本項の態様における電磁モータの作動の制御は、専ら電源装置からの供給電力を制御することによって行われる制御に限定されず、電磁モータが発電する電力をも制御することによって行われる制御を含むものであってもよい。
(3)前記アブソーバ力制御部が、前記複数のショックアブソーバの各々が発生させる力を、その力の少なくとも一部がその各々に対応するばね上部の振動を減衰させるためのばね上振動減衰力となるように制御するものである(2) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
(4)前記アブソーバ力制御部が、前記複数のショックアブソーバの各々が発生させる力を、その力の少なくとも一部が車両の旋回に起因する車体のロールを抑制するためのロール抑制力となるように制御するものである(2) 項または(3) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
(5)前記アブソーバ力制御部が、前記複数のショックアブソーバの各々が発生させる力を、その力の少なくとも一部が車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制するためのピッチ抑制力となるように制御するものである(2) 項ないし(4) 項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
上記3つの項に記載の態様は、電磁アブソーバが発生させる力の種類の限定に関する態様である。最前の態様は、電磁アブソーバが、いわゆるスカイフックダンパ理論による減衰力を発生させるように構成された態様であってもよい。また、最前の態様においては、例えば、ばね上部の上下方向における速度(以下、「ばね上絶対速度」、若しくは、単に「ばね上速度」という場合がある)に応じた大きさのばね上振動減衰力を発生させるようにしてもよい。同様に、2番目の態様においては、車体に作用するロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させるようにしてもよく、3番目の態様においては、車体に作用するピッチモーメントに応じた大きさのピッチ抑制力を発生させるようにしてもよい。なお、上記3つの態様のうちの2つ以上を複合させた態様、つまり、電磁アブソーバが、上記ばね上振動減衰力,ロール抑制力,ピッチ抑制力のうちの2つ以上を同時に発生させ得る態様を実現させることも可能である。さらに、上記ばね上振動減衰力,ロール抑制力,ピッチ抑制力のうちの1以上のものに加えてそれら以外の力を発生させるような態様、例えば、ばね下部の振動を減衰させるためのばね下振動減衰力をも発生させる態様を実現させることも可能である。
(6)当該車両用サスペンションシステムが、
前記複数のショックアブソーバに対応して設けられ、それぞれが、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものの前記電磁モータと前記複数の駆動回路のうちの対応するものとの間に配設されて、(A) その電磁モータとその複数の駆動回路のうちの対応するものとの間での電力のやりとりが可能な状態である電力受給可能状態と、(B) その電磁モータとその複数の駆動回路のうちの対応するものとの間での電力のやりとりが不能な状態である電力受給不能状態とを、選択的に実現する複数のスイッチ装置を備えた(2) 項ないし(5) 項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様では、上記スイッチ装置の作動によって、例えば、複数の給電系統のいずれか1つのもの、若しくは、複数の駆動回路のいずれか1つのものが失陥したような場合において、その1つの給電系統若しくはその1つの駆動回路の失陥に起因して生じるところの、それらに対応する電磁アブソーバへの電源装置からの過電流を効果的に防止でき、また、電磁モータが発電可能に構成されたシステムにおいては、上記失陥したその1つの給電系統若しくはその1つの駆動回路に対して、それらに対応する電磁アブソーバから過大な発電電流が流入することを効果的に防止できることになる。
本項に記載の「スイッチ装置」は、上記1つの電磁モータと上記1つの駆動回路とを接続状態とすることによって上記電力受給可能状態を実現し、それら1つの電磁モータと1つの駆動回路の接続が断たれた状態とすることによって上記電力受給不能状態を実現するように構成することができる。また、例えば、その電磁モータの複数の通電端子が相互に短絡していない状態において上記電力受給可能状態を実現し、それら複数の通電端子を相互に短絡させることによって、それら電磁モータと駆動回路との接続を維持したままで上記電力受給可能状態を実現させるように構成することも可能である。
(7)前記複数のスイッチ装置の各々が、前記電力受給不能状態を実現する場合において、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものが有する前記電磁モータの複数の通電端子間が相互に導通する状態を実現するように構成された(6) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様によれば、上記電力受給不能状態とされた場合においても、その状態を実現したスイッチ装置に対応する電磁アブソーバが有する電磁モータは、ばね上部とばね下部との相対動作に伴う発電電流を発生させることが可能である。つまり、その電磁アブソーバは、ばね上部とばね下部との相対動作に対して、その電磁モータの起電力に依拠した大きさの抵抗力を発生させることができるのである。したがって、本項の態様によれば、給電系統,駆動回路等の失陥の際、ある電磁アブソーバが電力受給不能状態とされた場合であっても、その電磁アブソーバは、ばね上部とばね下部との相対振動に対して、何某かの減衰力を発生させることができることになる。
本項の態様において、電磁モータが有する通電端子間の導通は、電気抵抗が殆どない状態での導通、つまり、通電端子間を短絡させるような導通であってもよく、また、何某かの電気抵抗が存在する状態での導通、つまり、抵抗器等を介在させた状態での導通であってもよい。なお、通電端子間を短絡させるような導通を実現させれば、ばね上部とばね下部との相対振動に対して、比較的大きな減衰力を発生させることができる。
(8)前記制御装置が、
前記複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合と、前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合との少なくとも一方において、その失陥に対処する失陥対処部を有する(6) 項または(7) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、制御装置が、上述した失陥に対処するための機能部を有する態様である。本項の態様によれば、後に詳しく説明するように、給電系統の失陥,駆動回路の失陥等への効果的な対処が可能となる。
(9)前記失陥対処部が、
前記複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合において、前記複数のショックアブソーバのうちの前記失陥した給電系統が電力を供給すべき1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御する(8) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様によれば、失陥した1つの給電系統から電力が供給される1以上の電磁アブソーバ、つまり、失陥した給電系統に対応したグループに属する1以上の電磁アブソーバのすべてに対して、上記電力受給不能状態が実現される。その結果、失陥に伴って発生する不具合、例えば、その1つの給電系統からのその1以上の電磁アブソーバへの過剰電流の流入、その1以上の電磁アブソーバからのその1つの給電系統への過剰な発電電流の流入等が、効果的に防止されることになる。また、複数の電磁アブソーバの適切なグループ化により、失陥した給電系統に対応したグループ以外のグループに属する電磁アブソーバが複数存在する場合に、それら複数の電磁アブソーバが発生させる力をバランスよく車体に作用させることが可能となる。
(10)前記失陥対処部が、
前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合において、前記複数の給電系統のうちの前記失陥した駆動回路に繋がるものが電力を供給すべき前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御する(8) 項または(9) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様によれば、失陥した1つの駆動回路を介して電力が供給される1以上の電磁アブソーバ、つまり、失陥した駆動回路が繋がる1つの給電系統に対応したグループに属する1以上の電磁アブソーバのすべてに対して、上記電力受給不能状態が実現される。その結果、その1つの駆動回路に対応する電磁アブソーバからの発電電流がその駆動回路に入力されることが効果的に防止され、また、上記1つの供給系統からその駆動回路を通ってそれに対応する電磁アブソーバに電力が供給されることが効果的に防止される。また、先の態様と同様に、複数の電磁アブソーバの適切なグループ化により、失陥した駆動回路が繋がる1つの給電系統に対応したグループ以外のグループに属する電磁アブソーバが複数存在する場合に、それら複数の電磁アブソーバが発生させる力をバランスよく車体に作用させることが可能となる。
(11)前記電源装置が、1つのバッテリと、それぞれがその1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものとの間に配設された複数のコンバータとを有し、前記複数のコンバータの各々によって前記複数の給電系統の各々が構成されたものである(1) 項ないし(10) 項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、給電系統の複数化についての具体的手段を限定した1つの態様であり、複数のコンバータごとに、複数の電磁アブソーバがグループ化された態様である。本項の態様によれば、1つのコンバータが失陥した場合でも、他のコンバータからのそのコンバータに対応するグループに属する1以上の電磁アブソーバへの電力の供給が可能となる。
(12)前記電源装置が、1つのバッテリと、その1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバとの間に配設された1つのコンバータとを有し、
その1つのコンバータが、
複数の出力部と、
それら複数の出力部に対応して設けられ、それぞれが、前記複数の出力部のうちの対応するものから前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものへ電力の供給を許容する状態と、許容しない状態とを切り換える複数の供給・非供給切換部とを有し、
前記電源装置が、前記コンバータの複数の出力部の各々によって前記複数の給電系統が構成されたものである(1) 項ないし(7) 項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、給電系統の複数化についての具体的手段を限定したもう1つの態様であり、1つのコンバータに設けられた複数の出力部ごとに、複数の電磁アブソーバがグループ化された態様である。ちなみに、複数の出力部に対応して設けられた複数の供給・非供給切換部により、複数の出力部のうちの任意1つのからの電力の供給を許容しない状態を、他の出力部からの電力の供給を許容した状態のままで実現させることができるのである。本項の態様は、特に、複数の駆動回路のうちの1つが失陥したような場合において、有効である。
(13)前記電源装置が、1つのバッテリと、その1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバとの間に配設された1つのコンバータとを有し、
その1つのコンバータが、
複数の出力部と、
それら複数の出力部に対応して設けられ、それぞれが、前記複数の出力部のうちの対応するものから前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものへ電力の供給を許容する状態と、許容しない状態とを切り換える複数の供給・非供給切換部とを有し、
前記電源装置が、前記コンバータの複数の出力部の各々によって前記複数の給電系統が構成されたものであり、
前記失陥対処部が、
前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合において、前記複数の給電系統のうちの前記失陥した駆動回路に繋がるものが電力を供給すべき前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御し、かつ、前記複数の出力部のうちの前記失陥した駆動回路に繋がる1つのものに対応する前記複数の供給・非供給切換部のうちの1つを、その1つの出力部からの電力の供給を許容しないように切り換えるように制御する(8) 項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、複数の出力部を有する1つのコンバータを備えた電源装置を採用した場合において、複数の駆動回路のうちの1つのものの失陥に対処するための具体的手法に関する一態様である。本項の態様によれば、失陥した1つの駆動回路を介して電力が供給される1以上の電磁アブソーバ、つまり、失陥した駆動回路が繋がる1つの給電系統に対応したグループに属する1以上の電磁アブソーバのすべてに対して、上記電力受給不能状態が実現され、かつ、他の給電系統に対応するグループに属する1以上の電磁アブソーバのすべてへの電力の供給が維持可能となる。その結果、上記1つの駆動回路に対応する電磁アブソーバからの発電電流がその駆動回路に入力されることが効果的に防止され、また、上記1つの給電系統からその駆動回路を通ってそれに対応する電磁アブソーバに電力が供給されることが効果的に防止される。また、先の態様と同様に、失陥した駆動回路が繋がる1つの給電系統に対応したグループ以外のグループに属する電磁アブソーバが複数存在する場合に、それら複数の電磁アブソーバが発生させる力をバランスよく車体に作用させることが可能となる。
(14)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数のショックアブソーバとして、車両の前後左右の4つの車輪に対応して設けられた4つのショックアブソーバを備え、
前記電源装置が、前記複数の給電系統として、2つの給電系統を有し、
それら2つの給電系統のうちの一方が、前記4つのショックアブソーバのうちの2つのものに接続されてそれらに電力を供給し、それら2つの給電系統のうちの他方が、前記4つのショックアブソーバのうちの他の2つのものに接続されてそれらに電力を供給するように構成された(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、電源装置が2つの給電系統を有する態様であり、それら2つの給電系統に対応して2つずつの電磁アブソーバごとにグループ化された態様である。本項の態様によれば、2つの給電系統の一方の失陥,4つの駆動回路のうちの1つの失陥等の際に、2つの電磁アブソーバへの電力の供給を維持できることから、それらの失陥への効果的な対処が可能となる。
(15)前記2つの給電系統のうちの一方が、右前輪および左後輪に対応して設けられた2つのショックアブソーバに接続されてそれらに電力を供給し、前記2つの給電系統のうちの他方が、左前輪および右後輪に対応して設けられた2つのショックアブソーバに接続されてそれらに電力を供給するように構成された(14)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、4つの電磁アブソーバが互いに対角位置にある2つの電磁アブソーバごとにグループされたである。2つの給電系統のいずれが失陥した場合であっても、また、複数の駆動回路のいずれが失陥した場合であっても、対角位置にある2つの電磁アブソーバへの電力の供給を維持することが可能である。本項の態様は、複数の電磁アブソーバの各々が前述したロール抑制力とピッチ抑制力との一方を発生させるように制御される場合において、特に有効である。詳しく言えば、上記対角位置にある2つの電磁アブソーバによって、車体に対してバランスよくロール抑制力とピッチ抑制力との一方を作用させることができ、上述した失陥の際においても、車体のロールとピッチとの少なくとも一方を、ある程度ではあるが効果的に抑制することが可能となる。
請求可能発明の第1実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図1に示すサスペンションシステムが備えるスプリング・アブソーバAssyを示す正面断面図である。 図1に示すサスペンションシステムの回路図である。 図1に示すサスペンションシステムが備えるサスペンション電子制御ユニットによって実行される失陥対処プログラムを表すフローチャートである。 図1に示すサスペンションシステムが備えるサスペンション電子制御ユニットによって実行されるアクチュエータ制御プログラムを表すフローチャートである。 請求可能発明の第2実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図6に示すサスペンションシステムが備えるコンバータの回路図である。 図6に示すサスペンションシステムが備えるサスペンション電子制御ユニットによって実行される失陥対処プログラムを表すフローチャートである。 請求可能発明の車両用サスペンションシステムにおいて採用可能なスイッチ装置の変形例を示す回路図である。 請求可能発明の車両用サスペンションシステムにおいて採用可能な電源装置の変形例を示す図である。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
<サスペンションシステムの構成>
図1に、請求可能発明の第1実施例である車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、前後左右の車輪12の各々に対応する独立懸架式の4つのサスペンション装置を備えており、それらサスペンション装置の各々は、サスペンションスプリングと電磁式ショックアブソーバとが一体化されたスプリング・アブソーバAssy20を有している。車輪12,スプリング・アブソーバAssy20は総称であり、4つの車輪のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。なお、総称で呼ばれる他の構成要素についても、同様の添え字を付す場合がある。
スプリング・アブソーバAssy20は、図2に示すように、車輪12を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアーム22と、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部24との間に、それらを連結するようにして配設されている。スプリング・アブソーバAssy20は、電磁式ショックアブソーバとして機能する電磁式のアクチュエータ30と、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング32とを含んで構成されており、それらが一体化されたものとなっている。
アクチュエータ30は、ねじ溝が形成された雄ねじ部としてのねじロッド40と、ベアリングボールを保持してねじロッド40と螺合する雌ねじ部としてのナット42とを含んで構成されるボールねじ機構と、動力源としての電磁モータ44(以下、単に「モータ44」という場合がある)と、そのモータ44を収容するケーシング46とを備えている。そのケーシング46は、ねじロッド40を回転可能に保持するとともに、外周部において防振ゴム48を介してマウント部24に連結されている。モータ44は、中空とされたモータ軸50を有しており、そのモータ軸50には、それの内側を貫通して上端部においてねじロッド40が固定されている。つまり、モータ44は、ねじロッド40に回転力を付与するものとなっている。
また、アクチュエータ30は、アウターチューブ60と、そのアウターチューブ60に嵌入してそれの上端部から上方に突出するインナチューブ62とを含んで構成されるシリンダ64を有している。アウターチューブ60は、それの下端部に設けられた取付ブシュ66を介してロアアーム22に連結され、インナチューブ62は、上記ねじロッド40を挿通させた状態で上端部がケーシング46に固定されている。インナチューブ62には、それの内底部にナット支持筒68が立設され、それの上端部の内側には、上記ナット42が、ねじロッド40と螺合させられた状態で固定されている。
さらに、アクチュエータ30は、カバーチューブ70を有しており、そのカバーチューブ70が、上端部において防振ゴム72を介してマウント部24の下面側に、上記シリンダ64を挿通させた状態で連結されている。なお、このカバーチューブ70の上端部には、フランジ部74(上部リテーナとして機能する)が形成されており、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング32は、そのフランジ部74と、アウタチューブ60の外周面に設けられた環状の下部リテーナ76とによって挟まれる状態で、支持されている。
上述のような構造から、アクチュエータ30は、ねじロッド40,モータ44,ケーシング46,インナチューブ62,カバーチューブ70等を含んでマウント部24に連結されるばね上部側ユニットと、ナット42,インナチューブ60,ナット支持筒68等を含んでロアアーム22に連結されるばね下部側ユニットとを有する構造のものとなっている。そして、ばね上側ユニットとばね下側ユニットとが、相対回転不能、かつ、ばね上部とばね下部との相対動作、つまり、ばね上部とばね下部との接近・離間動作に伴って、軸線方向に相対移動可能となっており、換言すれば、アクチュエータ30は、伸縮可能な構造とされているのである。
上記のように、アクチュエータ30は、ばね上部とばね下部とが接近・離間動作する場合に、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとが軸線方向に相対移動可能とされており、ねじロッド40とナット42とが軸線方向に相対移動可能とされている。そして、その相対移動に伴って、ねじロッド40がナット42に対して回転し、そのロッド40の回転に伴って、モータ軸50も回転する。モータ44は、ねじロッド40に回転トルクを付与可能とされ、この回転トルクによって、ねじロッド40とナット42との相対回転に対して、その相対回転を阻止する方向の抵抗力を発生させることが可能である。この抵抗力を、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対移動に対する抵抗力、ひいては、ばね上部とばね下部との接近・離間動作に対する抵抗力として作用させることで、アクチュエータ30は、ばね上部とばね下部との相対振動に対する減衰力発生させるための電磁式のショックアブソーバとして機能するものとなっているのである。
また、アクチュエータ30は、ばね上部とばね下部との相対動作に対する推進力をも発生させることが可能とされており、いわゆるスカイフックダンパ理論,擬似的なグランドフック理論等に基づく制御を実行することが可能とされている。さらに、モータ44の回転トルクによって、ばね上部とばね下部との間の距離(以下、「ばね上ばね下間距離」という場合がある)を任意の距離に維持することが可能であり、車両旋回時の車体のロール,車両加減速時の車体のピッチ等を効果的に抑制することや、車両の高さ、つまり、いわゆる車高を調整すること等が可能とされている。
本サスペンションシステム10は、制御装置としてのサスペンション電子制御ユニット140(以下、「ECU140」という場合がある)を備えており、そのECU140によって、アクチュエータ30の制御、詳しく言えば、アクチュエータ30が発生させる力の制御が行われる。ECU140は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたものである。
また、各アクチュエータ30が有するモータ44に対応して設けられて、それぞれが、対応するモータ44を制御駆動する駆動装置としての4つのモータ電子駆動ユニット144(以下、「EDU144」という場合がある)を備えている。それらEDU144は、ECU140に接続されている。詳しくは、それらECU140および4つのEDU144は、通信ラインとしてのバス146に接続されており、それらは、CAN(Controller Area Network)によって接続されているのである。
本サスペンションシステム10においては、4つのEDU144は、2つのコンバータ[CONV]148を介して、主バッテリ[BAT](公称電圧:288V)150に接続されている。詳しく言えば、4つのEDU144のうちの2つが、第1コンバータ148aを介して、他の2つが第2コンバータ148bを介して、それぞれ、主バッテリ150に接続されている。つまり、それら第1コンバータ148a,第2コンバータ148b,主バッテリ150によって、4つのアクチュエータ30の電源装置152が構成されているのである。ちなみに、第1コンバータ148a,第2コンバータ148bは、主バッテリ150の放電電圧を設定された電圧(例えば、46V)にまで降圧して、主バッテリ150からの電力を各アクチュエータ30に供給する。
さらに説明すれば、第1コンバータ148aから出力される電力は、右前輪12FRに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20FRを構成するアクチュエータ30と、左後輪12RLに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20RLを構成するアクチュエータ30とに、それぞれ、EDU144FR,EDU144RLを介して供給される。一方、第2コンバータ148bから出力される電力は、左前輪12FLに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20FLを構成するアクチュエータ30と、右後輪12RRに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20RRを構成するアクチュエータ30とに、それぞれ、EDU144FL,EDU144RRを介して供給される。したがって、電源装置152は、2つのコンバータ148a,148bによって構成された2つの電力供給系統、すなわち、2つの給電系統を有しているのである。
別の観点から説明すれば、本サスペンションシステム10においては、互いに対角の位置にある2つの車輪12に対応する2つのスプリング・アブソーバAssy20が1つのグループを構成することで、4つのスプリング・アブソーバAssy20が2つにグループ分けされており、その各々のグループに属する2つのスプリング・アブソーバAssy20ごとに、つまり、2つのアクチュエータ30ごとに分担して、2つの給電系統からの電力が供給されるようになっているのである。
なお、本サスペンションシステムでは、もう1つの電源として、副バッテリ[bat](公称電圧:12V)154を備えている。副バッテリ154は、各EDU144に接続されており、各EDU144に、各EDU144を作動させるための制御用電力を供給する。
車両には、イグニッションスイッチ[I/G]160,車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ[v]162,ステアリングホイールの操作角を検出するための操作角センサ[δ]168,車体に実際に発生する前後加速度である実前後加速度を検出する前後加速度センサ[Gx]170,車体に実際に発生する横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ[Gy]172,各車輪12に対応する車体の各マウント部24の縦加速度(上下加速度)を検出する4つのばね上縦加速度センサ[Gzs]174,各車輪12の縦加速度を検出する4つのばね下縦加速度センサ[Gzg]176,アクセルスロットルの開度を検出するスロットルセンサ[Sr]178,ブレーキのマスタシリンダ圧を検出するブレーキ圧センサ[Br]180等が設けられており、それらはECU140のコンピュータに接続されている。ECU140は、それらのスイッチ,センサからの信号に基づいて、アクチュエータ30の作動の制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]の文字は、上記スイッチ,センサ等を図面において表わす場合に用いる符号である。また、ECU140のコンピュータが備えるROMには、アクチュエータ30の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
図3に、1つのアクチュエータ30に関する電気回路図を示す。この図に示すように、各アクチュエータ30のモータ44は、コイルがスター結線(Y結線)された3相DCブラシレスモータであり、上述したようにEDU144(図には、1つのみ示している)によって制御される。EDU144が有する駆動回路としてのインバータ190は、図3に示すような一般的なものであり、high側(高電位側),low側(低電位側)のそれぞれに対応し、かつ、モータ44の3つの相であるU相,V相,W相のそれぞれに対応する6つのスイッチング素子HUS,HVS,HWS,LUS,LVS,LWSを備えている。
また、EDU144は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ192を有し、そのコントローラ192には、モータ44に設けられてモータ44の回転角を検出するレゾルバ[θ]194と、インバータ190内にモータ44の3つの相の各々を流れる電流である実通電電流を測定する3つの通電電流センサ[I]196とが、インバータ190が有するスイッチング素子制御回路198を介して接続されている。スイッチング素子制御回路198は、そのレゾルバ194によりモータ44の回転位置(電気角)を判断し、そのモータ回転位置に応じてスイッチング素子を開閉作動させる。
EDU144は、いわゆる正弦波駆動によってモータ44を駆動するのであり、モータ44の3つの相の各々に流れる電流が、それぞれが正弦波状に変化し、その位相差が電気角で120°ずつ異なるように、スイッチング素子がスイッチング素子制御回路198によって制御される。また、インバータ190は、起電力によって発電された電力(電流)を主バッテリ150に回生可能な構造とされており、モータ44は、供給電流に依存したモータ力だけでなく、発電電流に依存したモータ力を発生させる場合がある。つまり、インバータ190は、主バッテリ150からの供給電流であるか、起電力によって生じる発電電流であるかに拘わらず、モータ44を流れる電流、つまり、モータ44の通電電流を調整して、モータ力を制御する構造とされている。なお、通電電流の調整は、各インバータ190がPWM(Pulse Width Modulation)制御によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって行われる。
さらに、本サスペンションシステム10では、4つのEDU144の各々とその各々に対応するモータ44との間に、そのモータ44の3つの相の通電端子199U,199V,199Wの相互の間、詳しくは、U相とV相との通電端子199U,199Vの間,V相とW相との通電端子199V,199Wの間の各々を接続した状態と、それらの各々を切断した状態とを切り換える4つのスイッチ装置[Sw]200(図1には4つ、図3には1つのみ示している)が設けられている。それら4つのスイッチ装置200の各々は、2つのリレーによって構成されている。2つのリレーは、導通路202によって、EDU144のコントローラ192に接続されており、スイッチ装置200の作動は、コントローラ192によって制御される。
イグニッションスイッチ160がON状態とされている場合、通常は、副バッテリ154から供給される電力によって、2つのリレーの電磁コイルが励磁されており、モータ44のU相,V相,W相の各通電端子199U,199V,199Wの間の導通を断った状態(非短絡状態)が実現されている。後に詳しく説明するが、2つの給電系統のいずれか1つ、若しくは、4つのEDU144のいずれか1つが失陥した際には、その失陥した給電系統から電力の供給を受けるべき2つのアクチュエータ30に対応した2つのスイッチ装置200、若しくは、失陥したEDU144に繋がる給電系統から電力の供給を受けるべき2つのアクチュエータ30に対応した2つのスイッチ装置200が有する2つのリレーの電磁コイルが消磁され、それら2つのアクチュエータ30の各々が有するモータ44のU相,V相,W相の各通電端子199U,199V,199Wの間が短絡された状態(短絡状態)が実現される。ちなみに、非短絡状態においては、モータ44とインバータ190との間の電力のやりとりが可能な状態である電力受給可能状態が実現され、短絡状態においては、それらの間の電力のやりとりが不能な状態である電力受給不能状態が実現されることになる。
<アクチュエータの制御>
i) 制御の概要
本サスペンションシステム10では、4つのスプリング・アブソーバAssy20が有するアクチュエータ30の各々を独立して制御することが可能となっている。それらスプリング・アブソーバAssy20の各々において、アクチュエータ30のアクチュエータ力が独立して制御されて、定められた規則に従った制御が実行される。詳しく言えば、車体および車輪12の振動、つまり、ばね上振動およびばね下振動を減衰するための制御(以下、「振動減衰制御」という場合がある),車両の旋回に起因する車体のロールを抑制するための制御(以下、「ロール抑制制御」という場合がある),車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制するための制御(以下、「ピッチ抑制制御」という場合がある)の3つが、並行して実行される。上記振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御は、各制御ごとのアクチュエータ力の成分である振動減衰成分,ロール抑制成分,ピッチ抑制成分を合計して制御目標値である目標アクチュエータ力が決定され、アクチュエータ30がその目標アクチュエータ力を発生させるように制御されることで、総合的に実行される。なお、以下の説明において、アクチュエータ力およびそれの成分は、ばね上部とばね下部とを接近させる方向(バウンド方向)の力に対応するものが正の値,ばね上部とばね下部とを離間させる方向(リバウンド方向)の力に対応するものが負の値となるものとして扱うこととする。
ii)振動減衰制御
振動減衰制御では、車体および車輪12の振動を減衰するためにその振動の速度に応じた大きさのアクチュエータ力を発生させるべく、アクチュエータ力の振動減衰成分FVが決定される。つまり、いわゆるスカイフックダンパ理論に基づいた制御と、擬似的なグランドフックダンパ理論に基づいた制御との両者を総合して行う制御である。具体的には、車体のマウント部24に設けられたばね上縦加速度センサ174によって検出されるばね上縦加速度から得られる車体のマウント部24の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね上絶対速度Vsと、ロアアーム22に設けられたばね下縦加速度センサ176によって検出されるばね下縦加速度から得られる車輪12の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね下絶対速度Vgとに基づいて、次式に従って、振動減衰成分FVが演算される。
V=Cs・Vs−Cg・Vg
ここで、Csは、車体のマウント部24の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインであり、Cgは、車輪12の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインである。つまり、Cs,Cgは、いわゆるばね上,ばね下絶対振動に対する減衰係数と考えることができる。ちなみに、上記式の右辺の第1項が、ばね上振動減衰力であり、第2項がばね下振動減衰力である。
iii)ロール抑制制御
車両の旋回時においては、その旋回に起因するロールモーメントによって、旋回内輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、旋回外輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ロール抑制制御では、その旋回内輪側の離間および旋回外輪側の接近を抑制すべく、旋回内輪側のアクチュエータ30にバウンド方向のアクチュエータ力を、旋回外輪側のアクチュエータ30にリバウンド方向のアクチュエータ力を、それぞれ、ロール抑制力として発生させる。具体的に言えば、まず、車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標として、ステアリングホイールの操舵角δと車速vとに基づいて推定された推定横加速度Gycと、横加速度センサ172によって実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定される。
Gy*=K1・Gyc+K2・Gyr (K1,K2:ゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、ロール抑制成分FRが、次式に従って決定される。
R=K3・Gy* (K3:ゲイン)
iv)ピッチ抑制制御
車両の制動時等の減速時において車体のノーズダイブが生じる場合には、そのノーズダイブを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが接近させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが離間させられる。また、車両の加速時において車体のスクワットが生じる場合には、そのスクワットを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ピッチ抑制制御では、それらの場合のばね上ばね下間距離の変動を抑制すべく、アクチュエータ力をピッチ抑制力として発生させる。具体的には、車体が受けるピッチモーメントを指標するピッチモーメント指標として、前後加速度センサ170によって実測された実前後加速度Gxが採用され、その実前後加速度Gxに基づいて、ピッチ抑制成分FPが、次式に従って決定される。
P=K4・Gx (K4:ゲイン)
なお、ピッチ抑制制御は、スロットルセンサ178によって検出されるスロットルの開度、あるいは、ブレーキ圧センサ180によって検出されるマスタシリンダ圧が、設定された閾値を超えることをトリガとして実行される。
v)制御目標値の決定とモータの制御
アクチュエータ30の制御は、それが発生させるべきアクチュエータ力である目標アクチュエータ力に基づいて行われる。詳しく言えば、上述のようにして、アクチュエータ力の振動減衰成分FV,ロール抑制成分FR,ピッチ抑制成分FPが決定されると、それらに基づき、次式に従って制御目標値である目標アクチュエータ力F*が決定される。
*=FV+FR+FP
そして、ECU140は、上述のように決定された目標アクチュエータ力F*を含む制御情報を、設定された通信プロトコルに従って時間間隔をおいてバス146に送信し、4つのEDU144は、それら制御情報をバス146から受信する。4つのEDU144では、それら制御情報のうちから自身に対応するものが識別され、その識別された制御情報に含まれる目標アクチュエータ力F*に基づいて目標となるデューティ比が決定される。EDU144は、その適切なデューティ比の下、インバータ190の備えるスイッチング素子の開閉を制御して、目標アクチュエータ力を発生させるようにモータ44の通電電流を制御するのである。なお、EDU144において目標となるデューティ比を決定する際には、ECU140からの目標アクチュエータ力F*に応じた目標となる通電電流である目標通電電流i*が演算され、その目標通電電流i*と3つの通電電流センサ196の検出結果から演算されたモータ44の実際の通電電流である実通電電流irとの偏差Δi(=i*−ir)に基づくフィードバック制御が行われるようになっている。
<失陥への対処>
本サスペンションシステム10においては、先に説明したように、電源装置152は、2つのコンバータ148を有しており、その2つのコンバータ148の各々によって構成される2つの給電系統を備えている。また、上述したように、4つのアクチュエータ30の制御は、4つのEDU144の各々、詳しく言えば、それらの各々が備えるインバータ190によって行われる。
上記2つの給電系統のうちのいずれか1つが失陥した場合、例えば、2つのコンバータ148のいずれか1つが失陥した場合には、その失陥した給電系統から、その給電系統に繋がる2つのEDU144に、過剰な電流が流入する可能性や、それを介して2つのアクチュエータ30の各々のモータ44に、過剰な電流が供給される可能性がある。また、それら2つのアクチュエータ20の各々のモータ44によって発電された発電電流が、失陥した給電系統に流入する可能性もある。失陥した給電系統に関連するそれらの電流は、アクチュエータ30,EDU144,給電系統に大きなダメージを与えることにもなりかねない。
一方、上記4つのEDU144のいずれか1つが失陥した場合、例えば、それが有するインバータ190が失陥した場合には、同様に、その失陥したEDU144に過剰な電流が流入する可能性や、その失陥したEDU144を介して、それに対応するモータ44に過剰な電流が供給される可能性がある。また、失陥したEDU144に対応するアクチュエータ30のモータ44によって発電された電流が、そのEDU144に通過する可能性もある。失陥したEDU144に関連するそれらの電流は、同様に、アクチュエータ30,EDU144,給電系統に大きなダメージを与えることにもなりかねない。
そこで、本サスペンションシステム10では、上記失陥に対処するための作動が実行されるようになっている。以下に、その作動について、具体的に説明する。
2つの給電系統の各々、つまり、2つのコンバータ148の各々は、ECU140に接続されており、それら2つのコンバータ148の各々は、自身が有する自己診断機能によって自身が失陥したと判断した場合に、その旨の信号を、ECU140に送信するようにされている。2つの給電系統のいずれか1つが失陥した場合には、その失陥の旨の信号を受けたECU140は、その失陥したコンバータ148に対して、自身の作動を停止する旨の信号を送信する。その信号に基づき、失陥したコンバータ148は、自身の作動、つまり、自身からの電力の供給を停止させる。
その一方で、ECU140は、バス146を介して、失陥したコンバータ148から電力が供給されるべき2つのアクチュエータ30に対応する2つのEDU144に対して、対応する2つのスイッチ装置200によって、短絡状態を実現させる旨の信号が送信される。この信号を受けた2つのEDU144の各々は、つまり、その各々が有するコントローラ192は、対応するスイッチ装置200のリレーの電磁コイルを消磁させることで、その2つのアクチュエータ30について、短絡状態、つまり、電力受給不能状態が実現されるのである。
また、4つのEDU144の各々は、バス146を介して接続 ECU140に接続されており、それら4つのEDU144の各々は、自身が有する自己診断機能によって自身が有するインバータ190が失陥したと判断した場合に、その旨の信号を、ECU140に送信するようにされている。4つのEDU144のいずれか1つのインバータ190が失陥した場合には、その失陥の旨の信号を受けたECU140は、その失陥したインバータ190を有するEDU144に繋がる2つのコンバータ148のうちの1つに対して、自身の作動を停止する旨の信号を送信する。その信号に基づき、そのコンバータ148は、自身の作動、つまり、自身からの電力の供給を停止させる。
その一方で、ECU140は、バス146を介して、失陥したインバータ190に繋がる2つのコンバータ148のうちの1つから電力が供給されるべき2つのアクチュエータ30に対応する2つのEDU144に対して、対応する2つのスイッチ装置200によって、短絡状態を実現させる旨の信号が送信される。この信号を受けた2つのEDU144の各々は、つまり、その各々が有するコントローラ192は、対応するスイッチ装置200のリレーの電磁コイルを消磁させることで、その2つのアクチュエータ30について、短絡状態、つまり、電力受給不能状態が実現されるのである。
上記のような対処の結果、本サスペンションシステム10では、失陥した給電系統,失陥したEDU144に関連した前述の電流の流れを効果的に防止することが可能となる。その一方で、上記失陥が発生したとしても、失陥していない給電系統、若しくは、失陥したEDU144に繋がる給電系統とは別の給電系統から、2つのアクチュエータ30への電力の供給は確保されるため、それら2つのアクチュエータ30は、通常どおりのアクチュエータ力を発生させることができる。つまり、2つのアクチュエータ30の作動は確保されることになるのである。
本サスペンションシステム10では、先に述べたように、4つのアクチュエータ30が、それぞれが、互いに対角の位置にある2つのアクチュエータ30が属する2つのグループに分けられている。本サスペンションシステム10では、前述したように、ロール抑制制御,ピッチ抑制制御が実行されているが、4つのアクチュエータ30を、例えば、前輪側の2つのアクチュエータ30、後輪側の2つのアクチュエータ30に、それぞれグループ分けした場合には、いずれか1つのグループに属する2つのアクチュエータ30によっては、車両加減速に起因する車体のピッチをバランスよく抑制できない。同様に、例えば、右輪側の2つのアクチュエータ30、左輪側の2つのアクチュエータ30に、それぞれグループ分けした場合には、いずれか1つのグループに属する2つのアクチュエータ30によっては、車両旋回に起因する車体のロールをバランスよく抑制できない。それに対して、本サスペンションシステムでは、互いに対角の位置ある2つのアクチュエータ30が属する2つのグループに分けられているため、上記失陥が発生した際でも、いずれかのグループに属する2つのアクチュエータ30のロール抑制力,ピッチ抑制力は、通常と変らない。したがって、その2つのアクチュエータ30が発生させるアクチュエータ力によって、車体のロールについても、また、車体のピッチについても、バランスよく抑制することができることになる。
ちなみに、失陥した給電系統、若しくは、失陥したEDU144に繋がる給電系統から電力が供給されるはずの2つのアクチュエータ30の各々においては、上述のように、その各々が有するモータ44の通電端子199U,199V,199Wの間が相互に短絡されられている。したがって、それら2つのアクチュエータ30の各々は、ばね上部とばね下部との相対動作に応じたモータ44の動作によって、そのモータの44の起電力に依拠して、その相対動作に対する抵抗力を発生させることができる。つまり、本サスペンションシステム10では、失陥の際、失陥に関係する2つのアクチュエータ30は、上記振動減衰制御による振動減衰力を発生させることができないが、ばね上ばね下間距離の変動に対する減衰力、言い換えれば、ばね上部とばね下部との相対振動に対するある程度の減衰力を発生させることができるのである。
<制御プログラム>
先に述べたような各アクチュエータ30のアクチュエータ力の制御および失陥への対処は、図4にフローチャートを示す失陥対処プログラム、および、図5にフローチャートを示すアクチュエータ制御プログラムが、イグニッションスイッチ160がON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec〜数十msec)をおいてECU140により繰り返し実行されることによって、行われる。以下に、それら制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
i)失陥対処プログラム
ECU140において実行される失陥処理プログラムによる処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と略し、他のステップも同様とする)において、電源装置152の2つの給電系統、つまり、2つのコンバータ148のいずれかに失陥が発生しているか否かが、2つのコンバータ148からの失陥信号の有無に基づいて判断される。いずれかのコンバータ148に失陥が発生している場合には、S2において、失陥を生じているコンバータ148が、第1コンバータ148aであるか第2コンバータ148bであるかが判断される。第1コンバータ148aに失陥が生じている場合には、S3〜S5において、第1コンバータ148aに対して電力の供給を停止させる旨の指令が発せられ、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するスイッチ装置200FR,200RLよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FR,144RLに発せられ、そして、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するアクチュエータ30FR,30RLのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。一方、第2コンバータ148bに失陥が生じている場合には、S6〜S8において、第2コンバータ148bに対して電力の供給を停止させる旨の指令が発せられ、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するスイッチ装置200FL,200RRよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FL,144RRに発せられ、そして、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するアクチュエータ30FL,30RRのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。
次に、S9において、4つのEDU144のいずれか、詳しく言えば、そのいずれかが有するインバータ190に失陥が発生しているか否かが、4つのEDU144からの失陥信号の有無に基づいて判断される。いずれかのEDU144に失陥が発生している場合には、S10において、失陥を生じているEDU144が、右前輪12FRに対応するEDU144FR若しくは左後輪12RLに対応するEDU144RLであるか、左前輪12FLに対応するEDU144FL若しくは右後輪12RRに対応するEDU144RRであるかが判断される。EDU144FR若しくはEDU144RLに失陥が生じている場合には、S11〜S13において、第1コンバータ148aに対して電力の供給を停止させる旨の指令が発せられ、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するスイッチ装置200FR,200RLよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FR,144RLに発せられ、そして、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するアクチュエータ30FR,30RLのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。一方、EDU144FL若しくはEDU144RRに失陥が生じている場合には、S14〜S16において、第2コンバータ148bに対して電力の供給を停止させる旨の指令が発せられ、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するスイッチ装置200FL,200RRよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FL,144RRに発せられ、そして、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するアクチュエータ30FL,30RRのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。
ii)アクチュエータ制御プログラム
アクチュエータ制御プログラムは、4つのアクチュエータ30の各々に対して実行される。つまり、アクチュエータ制御プログラムによる処理は、4つのアクチュエータ30の各々に対して、それぞれ、独立して実行される。ここでは、1つのアクチュエータ30に対する処理を代表して説明することにする。
ECU140において実行されるアクチュエータ制御プログラムによる処理では、まず、S21において、先に説明した失陥対処プログラムの処理において当該アクチュエータ30の制御をスキップする旨の認定がなされているが否かが判断される。スキップの認定がなされている場合には、アクチュエータ制御プログラムの実行が終了させられる。
スキップの認定がなされていない場合には、S22〜S24において、先に説明したような手法で、振動減衰成分FV,ロール抑制成分FR,ピッチ抑制成分FPが決定され、S25において、それら3つの成分を足し合わせて、制御目標値である目標アクチュエータ力F*が決定される。そして、S26において、決定された目標アクチュエータ力F*を含んだ制御情報が、バス146を介して、対応するEDU144に送信される。
iii)制御装置の機能構成
上記2つのプログラムを実行する制御装置としてのECU140は、その機能に鑑みれば、図1に示すように、アクチュエータ制御部250,失陥対処部252の2つの機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、上記アクチュエータ制御プログラムによる処理を実行する部分が、アクチュエータ制御部250に相当し、上記失陥対処プログラムによる処理を実行する部分が、失陥対処部252に相当する。ちなみに、アクチュエータ30は、電磁式のショックアブソーバとして機能し、アクチュエータ力は、アブソーバ力に相当するものであることから、アクチュエータ制御部250は、アブソーバ力制御部として機能するものとなっている。
<サスペンションシステムの構成>
図6に、請求可能発明の第2実施例である車両用サスペンションシステム300を模式的に示す。本サスペンションシステム300は、電源装置310を除いて、他の構成が第1実施例のサスペンションシステム10の構成と同様のものとなっている。そのため、電源装置310に関する構成のみを説明し、他の構成についての説明は省略する。
本サスペンションシステム300が備える電源装置310は、1つの主バッテリ[BAT]150と、1つのコンバータ[CONV]312を有している。コンバータ312は、2つの給電系統を有し、先のサスペンションシステム10と同様に、その1つから出力される電力は、右前輪12FRに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20FRを構成するアクチュエータ30と、左後輪12RLに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20RLを構成するアクチュエータ30とに、それぞれ、EDU144FR,EDU144RLを介して供給される。一方、もう1つの給電系統から出力される電力は、左前輪12FLに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20FLを構成するアクチュエータ30と、右後輪12RRに対応して設けられたスプリング・アブソーバAssy20RRを構成するアクチュエータ30とに、それぞれ、EDU144FL,EDU144RRを介して供給される。つまり、本サスペンションシステム300においても、先の本サスペンションシステム10と同様、互いに対角の位置ある2つの車輪12に対応する2つのスプリング・アブソーバAssy20が1つのグループを構成することで、4つのスプリング・アブソーバAssy20が2つにグループ分けされており、その各々のグループに属する2つのスプリング・アブソーバAssy20ごとに、つまり、2つのアクチュエータ30ごとに分担して、2つの給電系統からの電力が供給されるようになっているのである。
図7に、電源装置310が有するコンバータ312の構成を、模式的に示す。この図から解るように、コンバータ312は、変換回路314と、それぞれが出力端子316を含んで構成された2つの出力部318と、それぞれが開閉器320を含んで構成された2つの切換部322とを有している。変換回路312は、主バッテリ150に接続され、それの出力電圧を降圧する機能を有しており、当該コンバータ312の中心的な役割を果たす。この変換回路314は、2つの+側出力端子と、1つの−側出力端子とを有している。2つの+側出力端子は、それぞれが、対応する開閉器320を介して、対応する出力部316が有する+側の出力端子316に接続されている。ちなみに、2つの出力部318の一方である第1出力部318aが、EDU144FR,EDU144RLに接続され、その第1出力318aからの電力の供給の許容・非許容は、2つの切換部322の一方である第1切換部322aによって切り換えられる。また、2つの出力部318の他方である第2出力部318bが、EDU144FL,EDU144RRに接続され、その第2出力318bからの電力の供給の許容・非許容は、2つの切換部322の一方である第2切換部322bによって切り換えられる。
開閉器320の各々は、通常、閉状態(ON状態)とされており、コンバータ312は、2つの出力部318の各々からの電力の供給が許容される状態となっている。2つの開閉器320は、コンバータ312自身によって、いずれも、独立して作動可能とされている。後に説明するが、4つのEDU144のいずれか1つの失陥の際に、2つの開閉器320の対応するものが開状態(OFF状態)とされ、コンバータ312は、対応する出力部316からの電力の供給が許容されない状態とされる。このような作動に鑑みれば、それぞれが開閉器320を有する2つの切換部322の各々は、対応するグループに属する2つのアクチュエータ30への電力の供給を許容する状態と、許容しない状態とを切り換える供給・非供給切換部として機能するものとなっている。
<アクチュエータの制御>
本サスペンションシステム300におけるアクチュエータ30の制御は、先に説明したサスペンションシステム10の制御と同様であるため、ここでの説明は省略することとする。
<失陥への対処>
本サスペンションシステム300においては、先に説明したように、電源装置310は、2つの出力部320を有するコンバータ312を備えており、それら出力部320によって構成される2つの給電系統を備えている。本サスペンションシステム300は、主として、前述したところの4つのEDU144のいずれかの失陥を対象とし、その失陥に対処するようになっている。
本サスペンションシステム300では、4つのEDU144のいずれか1つのインバータ190が失陥した場合には、その失陥の旨の信号を受けたECU140は、コンバータ312に、その失陥したインバータ190を有するEDU144に繋がる2つの出力部322の一方からの電力の供給を許容しない状態とする旨の信号を送信する。その信号を受けたコンバータ312は、対応する切換部322を作動させて、その出力部322からの電力の供給を停止させる。
その一方で、先のサスペンションシステム10と同様、ECU140は、バス146を介して、失陥したインバータ190に繋がる2つのコンバータ148のうちの1つから電力が供給されるべき2つのアクチュエータ30に対応する2つのEDU144に対して、対応する2つのスイッチ装置200によって、短絡状態を実現させる旨の信号が送信される。この信号を受けた2つのEDU144の各々は、対応するスイッチ装置200のリレーの電磁コイルを消磁させることで、その2つのアクチュエータ30について、短絡状態、つまり、電力受給不能状態が実現されるのである。
上記のような対処の結果、本サスペンションシステム300では、失陥したEDU144に関連した前述の電流の流れを効果的に防止することが可能となる。その一方で、失陥したEDU144に繋がる給電系統とは別の給電系統から、2つのアクチュエータ30への電力の供給は確保されるため、それら2つのアクチュエータ30の作動は、通常どおり確保されることになるのである。なお、本サスペンションシステム300でも、互いに対角位置に配置された2つのアクチュエータ30を1つのグループとして、4つのアクチュエータ30をグループ分けしているため、上記失陥が発生した場合であっても、車体のロール,ピッチについても、バランスよく抑制することができるのである。
<制御プログラム>
本サスペンションシステム300における各アクチュエータ30のアクチュエータ力の制御は、図5を参照して先に説明したアクチュエータ制御プログラムの実行によって行われる。このプログラムによる処理は、先に説明したのと同様であるため、ここでの説明は省略する。
EDU144の失陥への対処は、図8にフローチャートを示す失陥対処プログラムが、イグニッションスイッチ160がON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec〜数十msec)をおいてECU140により繰り返し実行されることによって、行われる。このプログラムによる処理では、まず、S31において、4つのEDU144のいずれか、詳しく言えば、そのいずれかが有するインバータ190に失陥が発生しているか否かが、4つのEDU144からの失陥信号の有無に基づいて判断される。いずれかのEDU144に失陥が発生している場合には、S32において、失陥を生じているEDU144が、右前輪12FRに対応するEDU144FR若しくは左後輪12RLに対応するEDU144RLであるか、左前輪12FLに対応するEDU144FL若しくは右後輪12RRに対応するEDU144RRであるかが判断される。
EDU144FR若しくはEDU144RLに失陥が生じている場合には、S33〜S35において、第1出力部322aによる電力の供給を停止させる旨の指令がコンバータ312に発せられ、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するスイッチ装置200FR,200RLよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FR,144RLに発せられ、そして、右前輪12FR,左後輪12RLに対応するアクチュエータ30FR,30RLのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。一方、EDU144FL若しくはEDU144RRに失陥が生じている場合には、S36〜S38において、第2出力部322bによる電力の供給を停止させる旨の指令がコンバータ312に発せられ、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するスイッチ装置200FL,200RRよって短絡状態を実現させる旨の指令が、対応するEDU144FL,144RRに発せられ、そして、左前輪12FL,右後輪12RRに対応するアクチュエータ30FL,30RRのアクチュエータ力の制御をスキップする旨の認定がなされる。
なお、第1実施例のサスペンションシステム10と同様、本サスペンションシステム300の制御装置であるECU140は、図6に示すように、アブソーバ力制御部として機能するアクチュエータ制御部250および失陥対処部252を有していると考えることができる。
変形例
i)スイッチ装置に関する変形例
上記2つの実施例のサスペンションシステム10,300において、EDU144とアクチュエータ30との間、詳しくは、EDU144のインバータ190とアクチュエータ30のモータ44との間に配設されたスイッチ装置200は、モータ44の通電端子199U,199V,199Wの間を相互に短絡させる状態とすることで、EDU144とアクチュエータ30との間で電力のやりとりが不能な電力受給不能状態を実現させるように構成されていた。このような構成のスイッチ装置200に代えて、図9に示すようなスイッチ装置330を採用することも可能である。
このスイッチ装置330は、モータ44の通電端子199U,199V,199Wの各々と、インバータ190との間の導通を断つことによって、上記電力受給不能状態を実現させるように構成されている。詳しく言えば、スイッチ装置330は、各相に対応した3つのリレーを有している。このスイッチ装置330では、それら3つのリレーは、それが有する電磁コイルが励磁状態とされている場合に閉状態とされ、消磁状態とされている場合に開状態とされる。
上記スイッチ装置330では、モータ44の通電端子199U,199V,199Wの間を相互に短絡させるような構成ではないが、さらに、2つのリレーを付加して、先に説明したスイッチ装置200と同様に、通電端子199U,199V,199Wの間を相互に短絡させるような構成のスイッチ装置を採用することも可能である。
ii)給電系統に関する変形例
上記2つの実施例のサスペンションシステム10,300では、電源装置152,310は、いずれも、2つの給電系統を備えている。そして、互いに対角位置に位置する2つのアクチュエータ30を1つのグループとするように、4つのアクチュエータが、2つのグループに分けられ、一方のグループに属する2つのアクチュエータ30に一方の給電系統から、他方のグループに属する2つのアクチュエータ30に他方の給電系統から、それぞれ電力が供給されるように構成されていた。
上記のような構成に代え、図10に示すような給電系統を有する電源装置350,352を採用することができる。それらの電源装置350,352は,いずれも、4つの給電系統を有している。ちなみに、図10(a)に示す電源装置350は、1つの主バッテリ150に対して、4つのコンバータ354を有しており、それら4つのコンバータ354の各々によって、各給電系統が構成されている。一方、図10(b)に示す電源装置352では、1つの主バッテリ150に対して1つのコンバータ356を有しており、そのコンバータ356が、4つの出力部358と、その4つの出力部358に対応した4つの切換部360を有している。この電源装置352は、それら4つの出力部358によって、4つの給電系統が構成されている。
そして、電源装置350,352が採用されるサスペンションシステムでは、前後左右4つの車輪に対応した4つのアクチュエータ30が、1つのグループに1つのアクチュエータ30が属するようにして、4つのグループに分けられ、1のグループに属する1つのアクチュエータ30に対して、4つの給電系統の1つから電力が供給されるように構成されている。
このように、電源装置が複数の給電系統を有し、複数のアクチュエータが複数にグループ分けされている場合において、給電系統の数、アクチュエータのグループの数、各グループに属するアクチュエータの数も、任意に設定することが可能である。
本発明は、例えば、前後左右の4つの車輪に対応して4つの電磁式ショックアブソーバを備えたシステムに対して、そのシステムの実用性を高めるために利用することが可能である。
10:車両用サスペンションシステム 12:車輪 20:スプリングアブソーバAssy 30:アクチュエータ(電磁式ショックアブソーバ) 44:電磁モータ 140:サスペンション電子制御ユニット 144:モータ電子制御ユニット 148:コンバータ 150:主バッテリ 152:電源装置 190:インバータ(駆動回路) 200:スイッチ装置 250:アクチュエータ制御部(アブソーバ力制御部) 252:失陥対処部 300:車両用サスペンションシステム 310:電源装置 312:コンバータ 318:出力部 320:切換部(供給・非供給切換部) 330:スイッチ装置 350:電源装置 352:電源装置 354:コンバータ 356:コンバータ 358:出力部 360:切換部(供給・非供給切換部)

Claims (9)

  1. それぞれが、電磁モータを有してその電磁モータが発生させる力に依拠してばね上部とばね下部との相対動作に対する力を発生させる複数の電磁式のショックアブソーバと、
    複数の給電系統を有して前記複数のショックアブソーバに電力を供給する電源装置と
    を備えた車両用サスペンションシステムであって、
    前記複数の給電系統の各々が、前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに電力を供給し、かつ、前記複数のショックアブソーバの各々が、前記複数の給電系統のうちのいずれか1つのみから電力の供給を受けるように構成された車両用サスペンションシステム。
  2. 当該車両用サスペンションシステムが、
    前記複数のショックアブソーバに対応して設けられ、それぞれが、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものの前記電磁モータと前記複数の給電系統のうちの対応するものとの間に配設されてその電磁モータを駆動するための複数の駆動回路と、
    それら複数の駆動回路を介して前記複数のショックアブソーバの各々が有する電磁モータの作動を制御することで、それら複数のショックアブソーバの各々が発生させる力を制御するアブソーバ力制御部を有する制御装置と、
    前記複数のショックアブソーバに対応して設けられ、それぞれが、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものの前記電磁モータと前記複数の駆動回路のうちの対応するものとの間に配設されて、(A) その電磁モータとその複数の駆動回路のうちの対応するものとの間での電力のやりとりが可能な状態である電力受給可能状態と、(B) その電磁モータとその複数の駆動回路のうちの対応するものとの間での電力のやりとりが不能な状態である電力受給不能状態とを、選択的に実現する複数のスイッチ装置と
    を備えた請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記複数のスイッチ装置の各々が、前記電力受給不能状態を実現する場合において、前記複数のショックアブソーバのうちの対応するものが有する前記電磁モータの複数の通電端子間が相互に導通する状態を実現するように構成された請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記制御装置が、
    前記複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合と、前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合との少なくとも一方において、その失陥に対処する失陥対処部を有する請求項2または請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記失陥対処部が、
    前記複数の給電系統のいずれか1つが失陥した場合において、前記複数のショックアブソーバのうちの前記失陥した給電系統が電力を供給すべき1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御する請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記失陥対処部が、
    前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合において、前記複数の給電系統のうちの前記失陥した駆動回路に繋がるものが電力を供給すべき前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御する請求項4または請求項5に記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記電源装置が、1つのバッテリと、それぞれがその1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものとの間に配設された複数のコンバータとを有し、前記複数のコンバータの各々によって前記複数の給電系統の各々が構成されたものである請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  8. 前記電源装置が、1つのバッテリと、その1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバとの間に配設された1つのコンバータとを有し、
    その1つのコンバータが、
    複数の出力部と、
    それら複数の出力部に対応して設けられ、それぞれが、前記複数の出力部のうちの対応するものから前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものへ電力の供給を許容する状態と、許容しない状態とを切り換える複数の供給・非供給切換部とを有し、
    前記電源装置が、前記コンバータの複数の出力部の各々によって前記複数の給電系統が構成されたものである請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  9. 前記電源装置が、1つのバッテリと、その1つのバッテリと前記複数のショックアブソーバとの間に配設された1つのコンバータとを有し、
    その1つのコンバータが、
    複数の出力部と、
    それら複数の出力部に対応して設けられ、それぞれが、前記複数の出力部のうちの対応するものから前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものへ電力の供給を許容する状態と、許容しない状態とを切り換える複数の供給・非供給切換部とを有し、
    前記電源装置が、前記コンバータの複数の出力部の各々によって前記複数の給電系統が構成されたものであり、
    前記失陥対処部が、
    前記複数の駆動回路のうちのいずれか1つが失陥した場合において、前記複数の給電系統のうちの前記失陥した駆動回路に繋がるものが電力を供給すべき前記複数のショックアブソーバのうちの1以上のものに対応する前記複数のスイッチ装置のうちの1以上のものの各々を、その各々が前記電力受給不能状態を実現するように制御し、かつ、前記複数の出力部のうちの前記失陥した駆動回路に繋がる1つのものに対応する前記複数の供給・非供給切換部のうちの1つを、その1つの出力部からの電力の供給を許容しないように切り換えるように制御する請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
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