JP2010240729A - クランク装置、シート製品製造装置、熱成形装置、及び、過負荷検出機能付きコンロッド - Google Patents

クランク装置、シート製品製造装置、熱成形装置、及び、過負荷検出機能付きコンロッド Download PDF

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Abstract

【課題】クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することを課題とする。
【解決手段】クランク装置10に、クランク軸20と、分割されたクランク軸側部位32及びスライド側部位36を有してクランク軸20の回転運動をスライド90の往復運動に変換するためのコンロッド31と、クランク軸側部位32とスライド側部位36とを連結する連結手段40と、クランク軸20を回転駆動してコンロッド31を介してスライド90を往復運動させる回転駆動手段50と、連結手段40に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段60と、過負荷が検出されたときにクランク軸20の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う過負荷対応手段80とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、クランク装置、並びに、クランク装置を有するシート製品製造装置及び熱成形装置に関する。
クランク装置を設けた機械として、樹脂製品をトリミングする装置が知られている。このトリミング装置は、下テーブルの下方にクランク軸(crankshaft)が水平に配置され、このクランク軸を回転駆動するモータが設けられている。また、このクランク軸のクランクピン(crank pin)に対してコンロッド軸受を介してコンロッド(connecting rod)の下端がクランク軸に対する垂直面内で回転可能に取り付けられている。一方、コンロッドの上端は、トリミング用の型を取り付けた上テーブル(スライド)に対して軸受を介してクランク軸に対する垂直面内で回転可能に取り付けられ、この上テーブルが昇降可能とされている。
以上より、クランク軸の回転運動が上テーブルの往復運動に変換され、トリミング用の型が昇降して成形シート等にトリミングが行われる。特許文献1には、このようなトリミング装置が開示されている。
また、特許文献2に記載されるように、上型支持ロッドのスライド側端部を油圧ピストンとした油圧式過負荷安全装置を設けた機械プレスも知られている。
特開2001−071297号公報 特開昭57−025912号公報
しかし、上型支持ロッドのスライド側端部に油圧式過負荷安全装置を設けると、機械の構成が複雑になる。
以上を鑑み、本発明は、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、型取り付け用のスライドを往復駆動するクランク装置であって、
クランク軸と、
分割されたクランク軸側部位及びスライド側部位を有し、前記クランク軸の回転運動を前記スライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
前記クランク軸側部位と前記スライド側部位とを連結する連結手段と、
前記クランク軸を回転駆動して前記コンロッドを介して前記スライドを往復運動させる回転駆動手段と、
前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段と、
前記過負荷が検出されたとき、前記クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う過負荷対応手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、コンロッドは、連結手段によりクランク軸側部位とスライド側部位とが連結された状態でクランク軸の回転運動をスライドの往復運動に変換する。ここで、連結手段に加わる過負荷が検出されると、クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方が行われる。従って、クランク装置を設けた機械が簡易な構成で保護される。
ところで、スライドに取り付けられる型には、トリミング用の型、ミシン目付け用といった切れ目付け用の型、熱成形用の型、等が含まれる。
上記連結手段は、クランク軸側部位とスライド側部位と近付ける向きに付勢する付勢手段を有していてもよいし、クランク軸側部位とスライド側部位と引き離す向きに付勢する付勢手段を有していてもよい。
上記過負荷検出手段は、クランク軸側部位とスライド側部位とを引き離す向きの過負荷を検出してもよいし、クランク軸側部位とスライド側部位とを近付ける向きの過負荷を検出してもよい。
また、本発明は、型取り付け用のスライドを往復駆動するクランク装置であって、
前記スライドが当該スライドの往復方向に分割された第一の部位及び第二の部位を有し、
前記第一の部位と前記第二の部位とを連結する連結手段と、
クランク軸と、
このクランク軸の回転運動を前記スライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
前記クランク軸を回転駆動して前記コンロッドを介して前記スライドを往復運動させる回転駆動手段と、
前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段と、
前記過負荷が検出されたとき、前記クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う過負荷対応手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、スライドは、連結手段により第一の部位と第二の部位とが連結された状態で往復運動する。ここで、連結手段に加わる過負荷が検出されると、クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方が行われる。従って、クランク装置を設けた機械が簡易な構成で保護される。
さらに、本発明のシート製品製造装置は、上述したクランク装置を有し、型を取り付けた前記スライドを往復駆動して材料シート(成形シートを含む)に対してトリミングと切れ目付けの少なくとも一方を行ってシート製品を形成することを特徴とする。ここで、材料シートは、成形されたシートでもよいし、成形されていないシートでもよい。また、シートは、フィルムを含むものとする。
さらに、本発明の熱成形装置は、上述したクランク装置を有し、熱成形用の型を取り付けた前記スライドを往復駆動して熱成形用シートを熱成形して熱成形品を形成することを特徴とする。
さらに、本発明の過負荷検出機能付きコンロッドは、
分割されたクランク軸側部位及びスライド側部位を有し、クランク軸の回転運動を型取り付け用のスライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
前記クランク軸側部位と前記スライド側部位とを連結する連結手段と、
前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段とを備えることを特徴とする。
請求項1、請求項4に係る発明によれば、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
請求項2、請求項3に係る発明では、クランク装置を設けた機械をさらに簡易な構成で保護することができる。
請求項5に係る発明では、クランク装置を有するシート製品製造装置を簡易な構成で保護することができる。
請求項6に係る発明では、クランク装置を有する熱成形装置を簡易な構成で保護することができる。
請求項7に係る発明によれば、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護する新規な過負荷検出機能付きコンロッドを提供することができる。
クランク装置10を有する熱成形品製造装置1の概略を例示する正面図である。 シート製品製造装置3に設けられたクランク装置10を例示する正面図である。 過負荷検出機能付きコンロッド30を例示する背面図である。 過負荷検出機能付きコンロッド30の要部を一部断面視して例示する正面図である。 過負荷検出機能付きコンロッド30の要部を一部断面視して例示する分解斜視図である。 クランク装置10の要部を一部断面視して例示する平面図である。 クランク装置10がスライド90を駆動している様子を例示する正面図である。 熱成形品製造装置1の電気回路構成の概略を例示するブロック図である。 熱成形品製造装置1が行う製造処理を例示するフローチャートである。 クランク軸側部位32とスライド側部位36との連結部に過負荷が加わった過負荷検出機能付きコンロッド30の様子を模式的に例示する正面図である。 (a)はクランク装置10を有するトリミング装置3Aの要部を例示する垂直端面図、(b)はクランク装置10を有するハーフカット装置3Bの要部を例示する垂直端面図である。 クランク装置10を有するミシン目付け装置3Cの要部を例示する垂直断面図である。 クランク装置110を有する熱成形品製造装置101の概略を例示する正面図である。 (a)は変形例に係る過負荷検出機能付きコンロッド130の要部を示す正面図、(b)はクランク軸側部位132とスライド側部位136との連結部に過負荷が加わった過負荷検出機能付きコンロッド130の様子を模式的に例示する正面図である。 変形例に係るクランク装置210の要部を示す正面図である。 変形例に係るクランク装置310の要部を示す正面図である。 変形例に係る熱成形品製造装置が行う製造処理を例示するフローチャートである。 変形例に係る熱成形品製造装置が行う製造処理を例示するフローチャートである。
(1)熱成形品製造装置1の説明:
図1は、本発明の一実施形態に係るクランク装置10を有する熱成形品製造装置1の概略を示している。本実施形態の熱成形品製造装置1は、熱成形装置2及びシート製品製造装置3を備え、熱成形用シートS1を巻いたロールをほどき、熱成形装置2で熱成形用シートS1を熱成形し、シート製品製造装置3で成形シート(材料シート)S2からシート製品P1を形成する。熱成形品製造装置1は、両装置2,3に共用されるシート搬送装置4を有し、搬送方向D1に沿ったシートS1〜S3の両縁部を保持して該シートS1〜S3を搬送する。シート搬送装置4は、制御盤80の制御に従って断続的に動作し、熱成形装置2及びシート製品製造装置3の動作に合わせて間欠的にシートS1〜S3を搬送方向D1へ移送する。また、シート搬送装置4は、スクラップ回収装置4aを有し、スクラップシートS3を成形シートS2に繋がった状態で回収する。
本明細書において、シートは、薄く、一般にその厚さが長さと幅の割には小さい平らなものをいい、フィルムを含むものとする。フィルムは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らなものをいい、通常、厚さが0.25mm未満とされる。
熱成形用シートS1は、熱成形可能な材料であればよく、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなるシートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。シートS1の素材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、等を利用可能である。シートの厚みは、1〜5mm程度、0.25〜1mm程度、0.05〜0.25mm程度、等、様々な厚みとすることが可能である。
熱成形装置2は、クランク装置10を有し、熱成形用の上型2bを取り付けたスライド2sを往復駆動して熱成形用シートS1を熱成形して成形シート(熱成形品)S2を形成する。本実施形態の熱成形装置2は、加熱エリアに加熱装置2aを有し、成形エリアに上型2b及び下型2cを有している。加熱装置2aは、シートS1を輻射加熱するヒータを有している。上型2bは、クランク装置10により上下方向D3へ往復駆動されるスライド2sに取り付けられている。従って、シートS1は、加熱装置2aで加熱され、上下に離間した型2b,2cの間に搬入された後、近接した型2b,2cにより熱成形される。熱成形には、差圧成形やプレス成形が含まれる。差圧成形には、真空成形や真空圧空成形や圧空成形が含まれる。
シート製品製造装置3は、クランク装置10を有し、上型3bを取り付けたスライド3sを往復駆動して成形シートS2に対してトリミングと切れ目付けの少なくとも一方を行ってシート製品P1を形成する。本実施形態のシート製品製造装置3は、上下の型3b,3cが例えば図11(a)に示すようなトリミング用の型とされ、成形シートS2から打ち抜いた熱成形品(シート製品)P1を取り出す製品取出装置3aが設けられている。上型3bは、クランク装置10により上下方向D3へ往復駆動されるスライド3sに取り付けられている。従って、成形シートS2は、上下に離間した型3b,3cの間に搬入された後、近接した型3b,3cにより打ち抜かれ、熱成形品P1が取り出される。
図11(a)は、クランク装置10、並びに、トリミング用の上型DI11及び下型DI13を有するトリミング装置3Aの要部の垂直端面を示している。図11(a)は、打抜刃DI12の垂直端面となる位置で切断して示している。このトリミング装置3Aの上型DI11は、トムソン刃といった打抜刃DI12を有している。成形シートS2を間に配置した両型DI11,DI13が近接すると、打抜刃DI12の刃先が下型DI13の刃受けに接触し、成形シートS2が打抜刃DI12に沿った切断部C1で切断され、シート製品P1が打ち抜かれる。
(2)クランク装置10の説明:
両装置2,3に設けられるクランク装置10は、同じ構成とすることができる。そこで、シート製品製造装置3に設けられるクランク装置10を例にとって、説明する。
図2〜5には、シート製品製造装置3の正面側に設けられたクランク装置10が示されている。シート製品製造装置3の背面側にも、正面側と同様のクランク装置が設けられている。
図2に示すように、クランク装置10に往復駆動される型取り付け用スライド90は、ラムとも呼ばれ、ガイド部材94に沿って昇降可能な上テーブルとされている。本明細書において、スライドは、クロスヘッド等の部品を含むものとする。スライド90の下面91は、上型3bの取り付け面とされている。スライド90の幅方向D2の両側面には、コンロッド31,31の上端部36a,36aを回転可能に取り付けるための凸部92,92が設けられている。これらの凸部92,92は、軸受92a,92aを介してコンロッドの下端部32a,32aが接続される。一方、スライド90の下方には、下テーブル98が配置されている。下テーブル98の上面は、下型3cの取り付け面とされている。
クランク装置は、クランクピンが下死点又は上死点に到達したときに最も大きな負荷が加わることがある。本実施形態のクランク装置10の場合、上型3bが最も下がる下死点でクランク装置に最も大きな負荷が加わり易く、この負荷はコンロッドを軸方向(図2のAX1の方向)に引き伸ばす方向に加わることになる。クランク装置に過負荷が加わると、クランク軸に接続される減速機を劣化させることがある。そこで、本実施形態では、コンロッド31を分割し、コンロッド31に加わる過負荷を検出し、制御盤80で過負荷時の処理を行うようにしている。
図2〜6に示すように、クランク装置10は、クランク軸(crankshaft)20、過負荷検出機能付きコンロッド(connecting rod)30、回転駆動手段50、制御盤(過負荷対応手段)80、を備えている。過負荷検出機能付きコンロッド30は、コンロッド31、連結手段40、過負荷検出センサ(過負荷検出手段)60、を備えている。
図6に示すように、クランク軸20は、クランク主軸21、一対の円板22,22、一対のクランクピン(crank pin)23,23、を有する構造とされている。
クランク主軸21は、クランク軸20の主な部分を構成する長尺な部位とされ、長手方向をシートの搬送方向D1に直交する幅方向D1に向けて配置されている。クランク主軸21の形状は、略円柱状、略円筒状、等とすることができる。クランク主軸21は、シート製品製造装置3の固定された支持部材29に主軸受(main bearing)21aを介して支持され、支持部材29に対し幅方向を回転軸として回転可能とされている。クランク主軸21の中間部分は、回転駆動手段50の減速機51に接続されている。
円板22,22は、クランク主軸21の両端部に設けられ、シートの幅方向D2に直交する鉛直面内で回転可能とされている。
クランクピン23,23は、クランク主軸21から偏心した位置で軸方向を幅方向D2に向けて円板22,22の幅方向外側部分に設けられている。クランクピン23,23には、コンロッド軸受23a,23aを介してコンロッド31,31の下端部32a,32aが接続されている。
コンロッド31は、クランク軸20の回転運動を前記スライド90の往復運動に変換するための部材である。本実施形態のコンロッド31は、分割されたクランク軸側部位32及びスライド側部位36を有している。
クランク軸側部位32は、コンロッド31の下側部分を構成している。クランク軸側部位32の下縁部32aは、コンロッド軸受23aを介してクランクピン23に取り付けるための円形の開口が形成されている。また、クランク軸側部位32は、コンロッド31の軸方向AX1からずれた方向へ凸とされたクランク軸側凸部33を上縁部に有している。ここで、コンロッドの軸方向AX1は、クランク主軸21の軸方向に直交する面内でクランクピン23の中心軸の位置とスライドの凸部92の中心軸の位置とを結ぶ方向とする。本実施形態のクランク軸側部位32は、コンロッドの軸方向AX1からクランク主軸21に沿った両方向へそれぞれ凸とされたクランク軸側凸部33,33を有している。各クランク軸側凸部33には、ボルト42の頭部42aを除く部分を軸方向AX1へ通すことの可能なボルト挿通穴33a,33aが形成されている。また、シートの幅方向外側となるクランク軸側凸部33には、シートの幅方向外側へ延出したクランク軸側延出部34が設けられている。このクランク軸側延出部34には、軸方向AX1の下側へ凹んだ被突き当て部34aが形成されている。この被突き当て部34aは、過負荷検出センサ60の検出部61を突き当てるための部位である。
スライド側部位36は、コンロッド31の上側部分を構成している。スライド側部位36には、型3b,3cを通すことが可能な開口36bが形成されている。これにより、シート製品製造装置3からコンロッド31を外さなくても容易に型3b,3cを交換することができる。また、スライド側部位36の上縁部36aは、軸受92aを介してスライドの凸部92に取り付けるための円形の開口が形成されている。さらに、スライド側部位36は、コンロッドの軸方向AX1からずれた方向へ凸とされたスライド側凸部37を下縁部に有している。本実施形態のスライド側部位36は、コンロッドの軸方向AX1からクランク主軸21に沿った両方向へそれぞれ凸とされたスライド側凸部37,37を有している。すなわち、スライド側凸部37は、クランク軸側凸部33と同じ方向へ凸とされている。各スライド側凸部37には、ボルト42の頭部42aを除く部分を軸方向AX1へ通すことの可能なボルト挿通穴37a,37aが形成されている。また、シートの幅方向外側となるスライド側凸部37には、シートの幅方向外側へ延出したスライド側延出部38が設けられている。このスライド側延出部38には、軸方向AX1に貫通した貫通穴38aが形成されている。スライド側延出部38は、貫通穴38aに検出部61を通した過負荷検出センサ60を固定するための部位である。
連結手段40は、クランク軸側部位32とスライド側部位36とを連結している。本実施形態の連結手段40は、ボルト42、ナット43、ばね(付勢手段)44、及び、座金46の組み合わせを複数備えている。
図4に示すように、各ボルト42は、スライド側凸部37の側から順に、座金46、ばね44,44、座金46、ボルト挿通穴37a,33a、に通されている。ボルト挿通穴33aからクランク軸側凸部33の側へ出たボルト42のねじ部には、ナット43が螺合している。クランク軸側凸部33とスライド側凸部37とに通したボルト42、及び、該ボルト42に螺合したナット43は、クランク軸側凸部33とスライド側凸部37とを所定の範囲R1内で離間可能に連結している。この範囲R1は、ばね44,44が軸方向AX1に圧縮可能な範囲に相当する。
各ナット43には、ロックナット等を用いることができる。ナット43は、ボルト42に対して所定の締め付けトルクで締め付けられる。
ばね44は、ボルト42を通して当該ボルト42の頭部42aとスライド側凸部37との間でクランク軸側凸部33とスライド側凸部37とを近付ける向き、すなわち、クランク軸側部位32とスライド側部位36と近付ける向きに付勢している。過負荷検出機能付きコンロッド30に過負荷が加わっていないとき、両凸部33,37は接触しており、ばね44は、クランク軸側凸部33をスライド側凸部37の方へ押し付けスライド側凸部37をクランク軸側凸部33の方へ押し付ける向きに力を加えている。ばね44には、皿ばね等を用いることができる。図4に示す連結手段40では、各ボルト42を2枚の皿ばねに通している。むろん、ボルトを通す皿ばねの数は、ボルトを通してナットを螺合することが可能な枚数内であれば様々な数とすることができる。ここで、シート製品製造装置3に過負荷検出機能付きコンロッド30が2つ設けられ、各過負荷検出機能付きコンロッド30にボルト42が4本設けられている。クランク装置10に対してクランク軸側部位32とスライド側部位36とを引き離す向きに加わる荷重の上限をNmaxとすると、各ボルト42を通したばね44,44に必要な応力は、Nmax/8以上となる。そこで、この条件を満たすばね44を連結手段40に採用すればよい。
なお、ボルト42とナット43とばね44は、様々な位置関係とすることができる。
例えば、ボルト42を逆向きにして、クランク軸側凸部33の側から順に、座金46、ばね44,44、座金46、ボルト挿通穴33a,37aに通し、スライド側凸部37の側へ出たボルト42のねじ部にナット43を螺合してもよい。この場合、ばね44は、ボルトの頭部42aとクランク軸側凸部33との間で両凸部33,37を近付ける向きに付勢することになる。
また、ボルト42をスライド側凸部37の側から順に、ボルト挿通穴37a,33a、座金46、ばね44,44、座金46に通し、最後の座金46を出たボルト42のねじ部にナット43を螺合してもよい。この場合、ナット43とクランク軸側凸部33との間で両凸部33,37を近付ける向きに付勢することになる。逆に、ボルト42をクランク軸側凸部33の側から順に、ボルト挿通穴33a,37a、座金46、ばね44,44、座金46に通し、ナット43を螺合してもよい。この場合、ナット43とスライド側凸部37との間で両凸部33,37を近付ける向きに付勢することになる。
さらに、ナットは、クランク軸側凸部33又はスライド側凸部37と一体化されていてもよい。
コンロッド31の両部位32,36は、連結手段40で連結された状態でクランク軸20とスライド90とに架け渡される。具体的には、クランク軸側部位の下端部32aがコンロッド軸受23aを介してクランクピン23に対して鉛直面内で回転可能に取り付けられ、スライド側部位の上端部36aが軸受92aを介してスライドの凸部92に対して鉛直面内で回転可能に取り付けられる。
回転駆動手段50は、クランク軸20を回転駆動してコンロッド31を介してスライド90を往復運動させる。図6に示すように、本実施形態の回転駆動手段50は、クランク主軸21の中間部分に接続された減速機51、この減速機51を介してクランク軸20を回転駆動する型駆動モータ52、を備えている。減速機51は、例えば、クランク主軸21の軸周りに設けた比較的歯数の多いクランク軸側歯車と、モータの回転軸周りに設けた比較的歯数の少ないモータ側歯車と、クランク軸側歯車とモータ側歯車とに掛け回したチェーン又は歯付きベルトとから構成することができる。型駆動モータ52は、サーボモータとされ、制御盤80の制御に従って減速機51を断続的に駆動する。
過負荷検出センサ60は、連結手段40に加わる過負荷を検出する。図4に示すように、本実施形態の過負荷検出センサ60は、クランク軸側延出部34の被突き当て部34aに検出部61を突き当てた変位センサとされている。過負荷検出センサ60は、検出部61をスライド側延出部38の貫通穴38aに通して被突き当て部34aに突き当てた状態でスライド側延出部38に固定され、検出部61から離れる方向の被突き当て部34aの変位量を検出する。すなわち、過負荷検出センサ60は、クランク軸側部位32とスライド側部位36とを引き離す向きの過負荷を検出する。本実施形態の制御盤80は、過負荷検出センサ60で検出される変位量が所定の設定変位量以上となったときに過負荷時の処理を行う。この場合、検出部61からの被突き当て部34aの変位量を所定の設定変位量以上にする連結手段40への負荷が過負荷となる。
上記設定変位量は、例えば、クランク軸側凸部33とスライド側凸部37とが1/100〜10/100mm程度離間する変位量とすることができる。
なお、過負荷検出センサ60は、検出部61が被突き当て部34aに接触しているか否かを検出するセンサでもよい。この場合、制御盤は、過負荷検出センサ60で検出部61が被突き当て部34aから離間していると検出されたときに過負荷時の処理を行えばよい。
また、過負荷検出センサ60は、変位量に対応するアナログの検出電圧を出力するセンサでもよいし、該検出電圧をデジタルの電圧値に変換して出力するセンサでもよい。
さらに、過負荷検出センサ60を逆向きに設置するため、スライド側延出部に突き当て部を設けクランク軸側延出部に貫通穴を設けてもよい。この場合、検出部をクランク軸側延出部の貫通穴に通して被突き当て部に突き当てて過負荷検出センサをクランク軸側延出部に固定すればよい。
以上より、過負荷検出センサ60は、クランク軸側凸部33とスライド側凸部37とが引き離されたことを過負荷として検出する。
図8は、制御盤80を中心とした熱成形品製造装置1の電気回路構成を示している。制御盤80には、シート搬送装置4、型駆動モータ52A,52B、過負荷検出センサ60A,60B、等が電気的に接続されている。ここで、熱成形装置2に設けられたクランク装置10に熱成形用型駆動モータ52Aと過負荷検出センサ60Aとが設けられ、シート製品製造装置3に設けられたクランク装置10に製品形成用型駆動モータ52Bと過負荷検出センサ60Bとが設けられている。制御盤80は、該制御盤全体の動作を制御する中央制御回路81、シート搬送装置4の動作を制御するシート搬送制御部82a、型駆動モータ52A,52Bの動作を制御するモータ制御部82b,82c、過負荷検出センサ60A,60Bに対して信号を入出力するI/O回路(入出力回路)82d,82e、警報出力部83、情報出力部84、操作部85、等を備えている。
中央制御回路81は、内部のバスに、CPU(Central Processing Unit)81a、半導体メモリ81b,81c、タイマ回路81d、不揮発性メモリ81e、等が接続された回路とされている。CPU81aは、ROM(Read Only Memory)81bや不揮発性メモリに記録された制御プログラムに基づいてRAM(Random Access Memory)81cをワークエリアとして利用しながら熱成形品製造装置1の各部を制御する。
警報出力部83は、警報を外部へ出力する。警報を外部へ出力することには、ブザー音等の所定の警報音を外部へ出力すること、電球等の照明を点灯すること、印刷用紙に所定の警報内容を印刷すること、これらの組み合わせ、等が含まれる。情報出力部84は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンタで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や熱成形品製造装置1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。操作部85は、例えば複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。
本実施形態の制御盤80は、過負荷対応手段を構成し、過負荷検出センサ60で過負荷が検出されたとき、クランク軸20の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う。
(3)熱成形品製造装置1の動作、並びに、クランク装置10の作用及び効果:
本実施形態の制御盤80は、図9に示すフローチャートに従ってシート製品P1を製造する処理を行う。以下、熱成形品製造装置1の動作、並びに、過負荷検出機能付きコンロッド30を有するクランク装置10の作用及び効果を説明する。
図9に示す製造処理は、シート製品P1の製造を開始させる所定の操作が操作部85に対して行われたときに開始する。処理を開始すると、制御盤80は、型駆動モータ52A,52Bに対して駆動指令を出力してクランク軸20を回転駆動させるとともに、シート搬送装置4に対して所定のタイミングに従った駆動指令を出力してシートS1〜S3を間欠的に搬送させる(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。すると、図7に示すように、コンロッド31は、連結手段40によりクランク軸側部位32とスライド側部位36とが連結された状態でクランク軸20の回転運動をスライド2s,3sの往復運動に変換し、熱成形用の上型2b及びシート製品形成用の上型3bを昇降させる。シート搬送装置4は、熱成形装置の型2b,2cが離間しシート製品製造装置の型3b,3cが離間しているときにシートS1〜S3を搬送方向D1へ搬送する。この間、熱成形装置2に設けられた過負荷検出センサ60Aとシート製品製造装置3に設けられた過負荷検出センサ60Bとがそれぞれ検出部61からの被突き当て部34aの変位量を検出している。
S104では、過負荷検出センサ60A,60Bで検出される変位量に基づいてそれぞれ連結手段40に過負荷が加わっているか否かを判断する。図10に示すように、クランク軸側部位32とスライド側部位36とが離間する過負荷が連結手段40へ加えられると、ばね44がコンロッドの軸方向AX1に縮められ、過負荷検出センサ60A,60Bの検出部61が被突き当て部34aから離れる。本実施形態では、検出部61からの被突き当て部34aの変位量を過負荷検出センサ60A,60Bで検出し、検出された変位量の少なくとも一方が所定の設定変位量以上である場合に過負荷が連結手段40に加わったと判断し、S106〜S112の処理を行うことにしている。一方、連結手段40に過負荷が加わっていないと判断した場合、S114に進んで製造処理を継続する。
S106では、型駆動モータ52A,52Bに対して停止指令を出力してクランク軸20の回転駆動を停止させるとともに、シート搬送装置4に対して停止指令を出力してシートS1〜S3の搬送を停止させる。S108では、警報出力部83から警報を出力する。ここで、熱成形装置の過負荷検出センサ60Aで過負荷が検出されたのかシート製品製造装置の過負荷検出センサ60Bで過負荷が検出されたのかを判別することができるように警報を出力するとよい。S110では、警報を解除する所定の操作が操作部85に対して行われるまで待機する。このように、連結手段40に加わる過負荷が検出されたときにクランク軸20の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理が行われるので、クランク装置10を設けた装置2,3を簡易な構成で保護することができる。
警報を解除する操作が行われると、制御盤80は、型駆動モータ52A,52Bに対して駆動指令を出力してクランク軸20を再び回転駆動させるとともに、シート搬送装置4に対して駆動指令を出力してシートS1〜S3を再び間欠的に搬送させる(S112)。
S114では、シート製品P1の製造を終了するか否かを判断し、製造を終了しない場合にはS104〜S114の処理を繰り返し、製造を終了する場合には製造処理を終了する。例えば、シート製品P1の取り出し数をカウントし、カウントした取り出し数が生産予定数未満であればS104に戻り、カウントした取り出し数が生産予定数に到達すれば製造処理を終了すればよい。
以上説明したように、過負荷検出機能付きコンロッド30を有するクランク装置10は、クランク装置10を設けた機械に過負荷が加わることを抑止する。従って、本発明によると、油圧式過負荷安全装置を設けることなく、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。むろん、本クランク装置は、熱成形装置にのみ設けられてもよく、この場合に熱成形装置を簡易な構成で保護することができる。また、本クランク装置は、シート製品製造装置にのみ設けられてもよく、この場合にシート製品製造装置を簡易な構成で保護することができる。
(4)変形例:
本発明は、様々な変形例が考えられる。
例えば、下型2c,3cは、上型2b,3bとともに上下方向D3へ往復駆動されてもよい。この場合、下型2c,3cを取り付ける下テーブルをスライドとして本発明のクランク装置により駆動してもよい。
また、本発明のクランク装置を設ける熱成形装置は、熱成形と同時にトリミングを行う熱成形トリミング装置でもよい。本発明のクランク装置を設けるシート製品製造装置は、ラベル打抜機等、成形されていない材料シートを打ち抜くシート打抜機でもよい。この場合の材料シートは、紙シート等、熱可塑性シートでなくてもよい。シート製品には、食品容器等の容器、容器のラベルに用いられるフィルム製品、紙製品、等が含まれる。
図9で示した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、S106の停止処理とS108の警報出力処理とは、順番が逆にされてもよいし、同時に行われてもよい。
図11(b)は、クランク装置10を有するハーフカット装置3Bの要部の垂直端面を示している。図11(b)は、押切刃DI22の垂直端面となる位置で切断して示している。このハーフカット装置3Bは、ハーフカット用の上型DI21及び下型DI23を有し、上型DI21にトムソン刃といった押切刃DI22が設けられている。しかし、両型DI11,DI13が近接したときに成形シートS2の厚みよりも狭い間隔で離間するように配置されている。従って、成形シートS2を間に配置した両型DI21,DI23が近接すると、押切刃DI22に沿ったハーフカット部(切れ目)C2が成形シートS2に生じ、シート製品が形成される。
なお、成形シートの代わりに、成形されていない材料シートにハーフカット部を形成してもよい。
上述したハーフカット装置に本発明のクランク装置を設けても、上述した作用、効果が得られる。むろん、トリミングと同時にハーフカット部を形成するトリミング装置に本発明のクランク装置を設けてもよい。
図12は、クランク装置10を有するミシン目付け装置3Cの要部の垂直断面を示している。ただし、図12は、図11と異なり、ミシン目形成用の押切刃の側面となる位置で断面視している。このミシン目付け装置3Cは、ミシン目付け用の上型DI31及び下型DI33を有し、上型DI31にミシン目(切れ目)を形成するための刃部DI32が設けられている。成形シートS2を間に配置した両型DI31,DI33が近接すると、刃部DI32が下型DI33の刃受けに接触し、刃部DI32に沿ったミシン目(切れ目)C3が成形シートS2に生じ、シート製品が形成される。
なお、成形シートの代わりに、成形されていない材料シートにミシン目を形成してもよい。
上述したミシン目付け装置に本発明のクランク装置を設けても、上述した作用、効果が得られる。むろん、トリミングと同時にミシン目を形成するトリミング装置に本発明のクランク装置を設けてもよい。
図13,14は、クランク軸側部位とスライド側部位とを近付ける向きの過負荷を検出するクランク装置110を有する熱成形品製造装置101の概略を示す正面図である。本クランク装置110は、上型2b,3bが固定される一方、下型2c,3cがスライド2s,3sに取り付けられている。
本クランク装置110に設けられる過負荷検出機能付きコンロッド130は、分割されたクランク軸側部位132及びスライド側部位136を有するコンロッド、連結手段40、過負荷検出センサ60、を備えている。
図14(a)に示すように、本変形例のクランク軸側部位132は、コンロッドの軸方向AX1からずれた方向へ凸とされたクランク軸側凸部33,33を有している。一方のクランク軸側凸部33には、過負荷時に過負荷検出センサ60の検出部61を近接させるクランク軸側延出部34が設けられている。また、スライド側部位136は、クランク軸側凸部33,33と同じ方向へ凸とされたスライド側凸部37,37を有している。一方のスライド側凸部37には、検出部61を貫通させる貫通穴を有して過負荷検出センサ60を固定するためのスライド側延出部38が設けられている。
本変形例では、クランク軸側部位132とスライド側部位136と引き離す向きに付勢する皿ばね44がクランク軸側凸部33とスライド側凸部37との間に配置されている。各ボルト42は、スライド側凸部37の側から順に、スライド側凸部37のボルト挿通穴、ばね44、クランク軸側凸部33のボルト挿通穴、に通され、ナット43と螺合している。むろん、ばね44は複数積層されてもよいし、ボルトが座金に通されてもよい。また、ボルト及びナットの向きは、逆向きとされてもよい。
本変形例では、検出部61を僅かにクランク軸側延出部34から離間させて過負荷検出センサ60をスライド側延出部38に固定し、検出部61へ近づく向きのクランク軸側延出部34の変位を過負荷検出センサ60で検出するようにしている。本変形例の制御盤は、過負荷検出センサ60で検出される変位量が所定の設定変位量以上となったときにクランク軸20の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う。
図14(b)に示すように、両部位132,136が近接する過負荷が連結手段40へ加えられると、ばね44がコンロッドの軸方向AX1に縮められ、過負荷検出センサの検出部61がクランク軸側延出部34へ近づく。熱成形装置2の過負荷検出センサ60とシート製品製造装置3の過負荷検出センサ60の少なくとも一方が所定の設定変位量以上であることを検出すると、図9で示した製造処理により、型駆動モータ及びシート搬送装置が停止し、警報が出力される。従って、本変形例でも、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
図15は、コンロッド231をクランク軸側(下方)へ引っ張る過負荷を検出するクランク装置210の要部を示す正面図である。本変形例のクランク装置210は、コンロッド231が分割されておらず、スライド270が分割されている。図15に示すように、スライド270は、当該スライド270の往復方向(上下方向D3)に分割された第一の部位272及び第二の部位276を有している。本クランク装置210は、上述したクランク装置10と同様のクランク軸、回転駆動手段、及び、制御盤(過負荷対応手段)の他、連結手段240、コンロッド231、過負荷検出センサ(過負荷検出手段)60、を備えている。
連結手段240は、第一の部位272と第二の部位276とを連結している。連結手段240は、両部位272,276を引き離す向きに付勢する皿ばね44を両部位272,276の間に有している。各ボルト42は、第一の部位272の側から順に、第一の部位272のボルト挿通穴、ばね44、第二の部位276のボルト挿通穴、に通され、ナット43と螺合している。むろん、ばね44は複数積層されてもよいし、ボルトが座金に通されてもよい。また、ボルト及びナットの向きは、逆向きとされてもよい。
コンロッド231は、クランク軸の回転運動をスライド270の往復運動に変換する。回転駆動手段は、クランク軸を回転駆動してコンロッド231を介してスライド270を上下方向D3へ往復運動させる。
本変形例では、検出部61を僅かに第二の部位276から離間させて過負荷検出センサ60を第一の部位272に固定し、検出部61へ近づく向きの相対的な第二の部位276の変位を過負荷検出センサ60で検出するようにしている。本変形例の制御盤は、過負荷検出センサ60で検出される変位量が所定の設定変位量以上となったときにクランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う。
コンロッド231に下向きの過負荷が加えられると、過負荷が連結手段240へ加えられ、ばね44が上下方向D3に縮められ、過負荷検出センサの検出部61が第二の部位276へ近づく。熱成形装置2の過負荷検出センサ60とシート製品製造装置3の過負荷検出センサ60の少なくとも一方が所定の設定変位量以上であることを検出すると、図9で示した製造処理により、型駆動モータ及びシート搬送装置が停止し、警報が出力される。従って、本変形例でも、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
図16は、コンロッド231をスライド側(上方)へ押す過負荷を検出するクランク装置310の要部を示す正面図である。本クランク装置310は、上述したクランク装置10と同様のクランク軸、回転駆動手段、及び、制御盤(過負荷対応手段)の他、連結手段340、コンロッド231、過負荷検出センサ(過負荷検出手段)60、を備えている。
スライド370の分割された第一の部位372及び第二の部位376を連結する連結手段340は、両372,376を引き離す向きに付勢する皿ばね44を両部位372,376の間に有している。各ボルト42は、第二の部位376の側から順に、第二の部位376のボルト挿通穴、ばね44、第一の部位372のボルト挿通穴、に通され、ナット43と螺合している。むろん、ばね44は複数積層されてもよいし、ボルトが座金に通されてもよい。また、ボルト及びナットの向きは、逆向きとされてもよい。
本変形例では、検出部61を僅かに第一の部位372から離間させて過負荷検出センサ60を第二の部位376に固定し、検出部61へ近づく向きの第一の部位372の変位を過負荷検出センサ60で検出するようにしている。コンロッド231に上向きの過負荷が加えられると、過負荷が連結手段340へ加えられ、ばね44が上下方向D3に縮められ、過負荷検出センサの検出部61が第一の部位372へ近づく。熱成形装置2の過負荷検出センサ60とシート製品製造装置3の過負荷検出センサ60の少なくとも一方が所定の設定変位量以上であることを検出すると、図9で示した製造処理により、型駆動モータ及びシート搬送装置が停止し、警報が出力される。従って、本変形例でも、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
図17(a)に示す製造処理のように、過負荷が検出されたときに警報を出力せずクランク軸の回転駆動を停止させる処理を行ってもよい。本変形例のS110において、制御盤80は、型駆動モータ52及びシート搬送装置4の停止を解除する所定の操作が操作部85に対して行われるまで待機している。このようにして、連結手段に加わる過負荷が検出されたときにクランク軸の回転駆動を停止させる処理が行われるので、本変形例でもクランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
一方、図17(b)に示す製造処理のように、過負荷が検出されたときにクランク軸の回転駆動を停止させず警報を出力する処理を行ってもよい。本変形例では、連結手段40に加わる過負荷が検出されたときにクランク装置10が動作し続けるものの、作業者が過負荷の発生を知って過負荷時の作業を行うことができる。従って、本変形例でも、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
図18は、過負荷検出センサに圧力センサを用いた場合に制御盤80が行う製造処理を示している。本製造処理は、図9で示した製造処理のS104がS202に置き換えられている。本変形例では、ばね44の代わりに圧力センサを配置してもよい。例えば、図2〜4,14〜16に示すばね44を圧力センサに置き換える場合、制御盤80は、圧力センサで検出される圧力が所定の設定圧力以上となったか否かを判断し(S202)、所定の設定圧力以上となったと判断した場合にはクランク軸20の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理の少なくとも一方を行い、所定の設定圧力未満と判断した場合には製造処理を継続する。
従って、本変形例でも、クランク装置を設けた機械を簡易な構成で保護することができる。
なお、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置及び方法でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
むろん、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1,101…熱成形品製造装置、
2…熱成形装置、2b…上型、2c…下型、2s…スライド、
3…シート製品製造装置、3b…上型、3c…下型、3s…スライド、
4…シート搬送装置、4a…スクラップ回収装置、
10,110,210,310…クランク装置、
20…クランク軸、
21…クランク主軸、22…円板、23…クランクピン、29…支持部材、
30,130…過負荷検出機能付きコンロッド、
31,231…コンロッド、
32…クランク軸側部位、
33…クランク軸側凸部、33a…ボルト挿通穴、
34…クランク軸側延出部、34a…被突き当て部、
36…スライド側部位、
37…スライド側凸部、37a…ボルト挿通穴、
38…スライド側延出部、38a…貫通穴、
40,240,340…連結手段、42…ボルト、42a…頭部、43…ナット、
44…ばね(付勢手段)、46…座金、
50…回転駆動手段、52…型駆動モータ、
60…過負荷検出センサ(過負荷検出手段)、61…検出部、
80…制御盤(過負荷対応手段)、
90,270,370…スライド、91…下面、92…凸部、
272,372…第一の部位、276,376…第二の部位、
AX1…コンロッドの軸方向、
C1…切断部、C2…ハーフカット部(切れ目)、C3…ミシン目(切れ目)、
D1…搬送方向、D2…幅方向、D3…上下方向、
P1…シート製品、R1…所定の範囲、
S1…熱成形用シート、S2…成形シート(材料シート)、S3…スクラップシート。

Claims (7)

  1. 型取り付け用のスライドを往復駆動するクランク装置であって、
    クランク軸と、
    分割されたクランク軸側部位及びスライド側部位を有し、前記クランク軸の回転運動を前記スライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
    前記クランク軸側部位と前記スライド側部位とを連結する連結手段と、
    前記クランク軸を回転駆動して前記コンロッドを介して前記スライドを往復運動させる回転駆動手段と、
    前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段と、
    前記過負荷が検出されたとき、前記クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う過負荷対応手段とを備えることを特徴とするクランク装置。
  2. 前記連結手段は、前記クランク軸側部位と前記スライド側部位と近付ける向きに付勢する付勢手段を有し、
    前記過負荷検出手段は、前記クランク軸側部位と前記スライド側部位とを引き離す向きの過負荷を検出することを特徴とする請求項1に記載のクランク装置。
  3. 前記クランク軸側部位は、前記コンロッドの軸方向からずれた方向へ凸とされたクランク軸側凸部を有し、
    前記スライド側部位は、前記クランク軸側凸部と同じ方向へ凸とされたスライド側凸部を有し、
    前記連結手段は、前記クランク軸側凸部と前記スライド側凸部とに通したボルトにナットを螺合して前記クランク軸側凸部と前記スライド側凸部とを所定の範囲内で離間可能に連結しており、
    前記付勢手段は、前記ボルトを通して当該ボルトの頭部又は前記ナットと前記クランク軸側凸部又は前記スライド側凸部との間で前記クランク軸側凸部と前記スライド側凸部とを近付ける向きに付勢するばねとされ、
    前記過負荷検出手段は、前記クランク軸側凸部と前記スライド側凸部とを引き離す向きの過負荷を検出することを特徴とする請求項2に記載のクランク装置。
  4. 型取り付け用のスライドを往復駆動するクランク装置であって、
    前記スライドが当該スライドの往復方向に分割された第一の部位及び第二の部位を有し、
    前記第一の部位と前記第二の部位とを連結する連結手段と、
    クランク軸と、
    このクランク軸の回転運動を前記スライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
    前記クランク軸を回転駆動して前記コンロッドを介して前記スライドを往復運動させる回転駆動手段と、
    前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段と、
    前記過負荷が検出されたとき、前記クランク軸の回転駆動を停止させる処理と警報を出力する処理との少なくとも一方を行う過負荷対応手段とを備えることを特徴とするクランク装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のクランク装置を有し、型を取り付けた前記スライドを往復駆動して材料シート(成形シートを含む)に対してトリミングと切れ目付けの少なくとも一方を行ってシート製品を形成することを特徴とするシート製品製造装置。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のクランク装置を有し、熱成形用の型を取り付けた前記スライドを往復駆動して熱成形用シートを熱成形して熱成形品を形成することを特徴とする熱成形装置。
  7. 分割されたクランク軸側部位及びスライド側部位を有し、クランク軸の回転運動を型取り付け用のスライドの往復運動に変換するためのコンロッドと、
    前記クランク軸側部位と前記スライド側部位とを連結する連結手段と、
    前記連結手段に加わる過負荷を検出する過負荷検出手段とを備えることを特徴とする過負荷検出機能付きコンロッド。
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