以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
〔1〕使い捨ておむつの製造方法:
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、例えば、図1A〜図1Cに示すような、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成され、おむつのウエスト周りにて、前身頃2と後身頃6とがメカニカルファスナー11によって着脱可能に構成された使い捨ておむつ1Aを製造する方法である。
図1A〜図1Cに示す使い捨ておむつ1Aは、着用者の排泄物を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体14と、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材16とから構成され、外装部材16の内側に吸収性本体14が配置された2ピースタイプの使い捨ておむつである。吸収性本体14は、吸収体22、トップシート18及びバックシート20を構成要素として備えた部材である。
なお、図1A〜図1Cに示す使い捨ておむつ1Aは、一方のメカニカルファスナー11aがおむつの後身頃6の内側面38に配設され、且つ他方のメカニカルファスナー11bがおむつの前身頃2の外側面39に配設され、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)が互いに係合するメカニカルファスナー(第一のメカニカルファスナー11a,第二のメカニカルファスナー11b)によって接合され、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12(12a,12b)が形成されている(図1A参照)。なお、本発明の使い捨ておむつの製造方法によって製造される使い捨ておむつは、おむつのウエスト周りにて、前身頃と後身頃とがメカニカルファスナーによって着脱可能に構成された使い捨ておむつであれば、それぞれのメカニカルファスナーが配設される面は、おむつの内側の面であってもよいし、おむつの裏側の面であってもよい。
なお、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
ここで、図1Aは、本発明の使い捨ておむつの製造方法の一の実施形態によって製造された使い捨ておむつを示す斜視図である。また、図1Bは、図1Aに示す使い捨ておむつが展開された状態を、おむつの吸収性本体側(即ち、おむつの内側となる面)から見た状態を示す平面図であり、図1Cは、図1Aに示す使い捨ておむつが展開された状態を、おむつの外装部材側(即ち、おむつの外側となる面)から見た状態を示す平面図である。
図1A〜図1Cに示す使い捨ておむつ1Aを着用する際には、第一のメカニカルファスナー11aと第二のメカニカルファスナー11bとが係合したパンツ型の状態(例えば、図1A参照)で、下着を着用するのと同様に、おむつの脚周り開口部12(12a,12b)に着用者の脚を通して着用することもできるし、また、予めメカニカルファスナー11の係合が解除されている場合には、図1Bに示すような展開状態の使い捨ておむつ1Aを、従来公知のテープ型のおむつのように、着用者に宛がった後に、上記メカニカルファスナー11を係合させて着用することもできる。
勿論、既にメカニカルファスナーが係合し、予めパンツ型に構成されている場合であっても、例えば、一旦メカニカルファスナーの係合を解除しておむつを展開させた後に着用することもできる。
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、図2に示すように、後に使い捨ておむつを構成する長尺のシート材40を用意し、長尺のシート材40の両側縁40a,40b側の、長尺のシート材40を切断する際の切断予定線90の近傍に、互いに係合するメカニカルファスナー52,54(以下、一方のメカニカルファスナーを「第一のメカニカルファスナ52」といい、他方のメカニカルファスナーを「第二のメカニカルファスナ54」ということがある)をそれぞれ配設して互いに係合する止着部52a,54aを形成する工程(A)と、この止着部52a,54aを形成した長尺のシート材40を、おむつの内側となる面42aを内側として長尺のシート材40の長手方向に沿って二つ折りに折り畳み、二つ折りに折り畳んだ長尺のシート材40を、切断予定線90に沿って切断して使い捨ておむつを得る工程(B)と、を備え、止着部52a,54aを形成する工程(A)において、メカニカルファスナー52,54を、長尺のシート材40の長手方向Yからの引張力に対する係合力が、長尺のシート材40の長手方向に直交する方向Xからの引張力に対する係合力よりも大きくなる向きに配設する。
なお、図2においては、第一のメカニカルファスナー52を、長尺のシート材40のおむつの内側となる面42aに配設し、第二のメカニカルファスナー54を、長尺のシート材40のおむつの外側となる面42bに配設し、第一止着部52aと第二止着部54aとを係合させない状態で長尺のシート材40を二つ折りに折り畳み、二つ折りに折り畳んだ長尺のシート材40を、切断予定線90に沿って切断することによって展開状態の使い捨ておむつ70を製造する場合の例を示しているが、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上記工程(A)において、メカニカルファスナー52,54を、長尺のシート材40の長手方向Yからの引張力に対する係合力が、長尺のシート材40の長手方向に直交する方向Xからの引張力に対する係合力よりも大きくなる向きに配設して、前身頃と後身頃とがメカニカルファスナーによって着脱可能に構成された使い捨ておむつを製造するものであれば、各メカニカルファスナーを長尺のシート材のいずれの面(おむつの内側となる面又は外側となる面)に配設してもよい。また、長尺のシート材に配設したメカニカルファスナーを係合させてパンツ型に構成された使い捨ておむつを製造してもよいし、メカニカルファスナーを係合させない状態で展開状態の使い捨ておむつを製造してもよい。
ここで、図2は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の一の実施形態を模式的に示す概略平面図である。
上記した本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、得られる使い捨ておむつを着用した際に、前身頃と後身頃とを固定するメカニカルファスナーの係合力がより強く発現するため、おむつの固定が外れたり、係合したメカニカルファスナーがずれておむつの固定が緩んでしまうことを有効に防止することができる。
上記した「メカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)」とは、機械的結合を用いた面状ファスナーであり、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成された凸部材(フック材)と、表面にループ状の繊維が配置された凹部材(ループ材)とを組み合わせたもの等が用いられることが多い。このメカニカルファスナーは、ループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させることにより、両部材を取外し可能な状態に、且つ、強固に固着させることができるものである。
なお、上記した「メカニカルファスナーの係合力(単に、「係合力」ということがある)」とは、一方のメカニカルファスナー(例えば、フック材)に、互いに係合する他方のメカニカルファスナー(例えば、ループ材)を係合し、他方のメカニカルファスナーを引っ張った場合に、係合が外れる(解除される)のに要する単位面積あたりの力(応力)のことをいう。
また、上記「長尺のシート材40の長手方向Yからの引張力に対する係合力が、長尺のシート材40の長手方向に直交する方向Xからの引張力に対する係合力よりも大きくなる向きに配設する」とは、長尺シート材に一方のメカニカルファスナー(例えば、フック材)を配置した場合に、そのメカニカルファスナーに、互いに係合する他方のメカニカルファスナー(例えば、ループ材)を係合し、他方のメカニカルファスナーを、長尺のシート材40の長手方向Yに向けて引っ張った場合に、係合が外れる(解除される)のに要する応力σy(即ち、Y方向における180°剪断強度)が、長尺のシート材40の長手方向に直交する方向Xに向けて引っ張った場合に、係合が外れる(解除される)のに要する応力σx(即ち、X方向における180°剪断強度)よりも大きくなるような向きに配置することをいう。
これにより、図1A〜図1Cに示すような使い捨ておむつ1Aを着用した状態で、互いに係合したメカニカルファスナー11を、着用者の上下方向に引っ張って引き剥がす際に必要となる応力よりも、ウエスト周り方向に引っ張って引き剥がす際に必要となる応力が大きくなる。このため、おむつのずれや外れの原因となり易い、ウエスト周り方向におけるメカニカルファスナーの係合力がより強く発現し、おむつをずれ難く且つ外れ難くすることができる。また、上述したように、着用者が上下方向に引っ張って引き剥がす際に必要となる応力が比較的に弱くなることによって、使い捨ておむつを脱ぐ際に、メカニカルファスナーの係合を引き剥がし易くすることができる。これにより、着用者が上下方向に引っ張ってメカニカルファスナーの係合を引き剥がす際にループ材を構成する繊維が破壊してしまうことを有効に防止でき、特に、繰り返し使用される大人用の使い捨ておむつに好適である。
メカニカルファスナーの係合力は、例えば、以下の方法によって測定することができる。まず、一方のメカニカルファスナーとしてのループ材を、固定された板等の表面に両面テープで貼り付けて固定し、このループ材の係合面に、25mm×25mmの大きさに切断したフック材を配設して、メカニカルファスナー(ループ材とフック材)を互いに係合させる。次に、配設したフック材の裏面側から、2kgのローラーを一往復させ、その後、係合したループ材とフック材とに、その剪断方向(180°方向)に1kgの荷重を2秒間かける。このような状態のメカニカルファスナーを、引っ張り試験機で300mm/minの条件で引っ張り、その平均荷重を測定することにより、メカニカルファスナーの係合力(N/25mm)を測定することができる。なお、互いに係合したメカニカルファスナーのフック材を、90°方向(剪断方向に直交する方向)に剥がすようにして平均荷重を測定することにより、メカニカルファスナーの剥離力(N/25mm)を測定することができる。
なお、「メカニカルファスナーを着用者の上下方向に引っ張って引き剥がす」とは、例えば、おむつの後身頃側を着用者の上方(又は下方)に引っ張り、且つおむつの前身頃側を着用者の下方(又は上方)に引っ張って、互いに係合したメカニカルファスナーを引き剥がすことをいう。また、「メカニカルファスナーをウエスト周り方向に引っ張って引き剥がす」とは、例えば、おむつの右脇腹(又は左脇腹)側の後身頃をウエスト周り方向に沿って背側に引っ張り、且つおむつの右脇腹(又は左脇腹)側の前身頃をウエスト周り方向に沿って腹側に引っ張って、互いに係合したメカニカルファスナーを引き剥がすことをいう。
互いに係合するメカニカルファスナーの一方を構成するフック材は、上述したように、その表面に多数の突起が形成されており、この突起の先端部分は、ループ材との係合に際して、特定の方向に対して180°剪断強度を良好に発現させることができるように方向性を有している。即ち、フック材に形成された突起の先端部分は、例えば、楕円形状や鉤状等の形状となっており、係合力が大きく作用する方向と比較的に小さく作用する方向とを有している。
また、上記ループ材についても、ループ状の繊維は一定の方向に配列しているため、ループ状に配置された繊維に対して、直交する方向からフック材の突起部分が引っ掛かるような場合には、その180°剪断強度が大きく発現し、一方、ループ状に配置された繊維に沿ってフック材の突起部分が係合された場合には、180°剪断強度が比較的に小さくなってしまう。
本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、長尺のシート材の長手方向Yからの引張力に対する係合力が、長尺のシート材の長手方向に直交する方向Xからの引張力に対する係合力よりも大きくなるように、ループ材の突起の先端部分の形状や、ループ状に配置されたループ状の繊維の配置方向を考慮して、各メカニカルファスナーを長尺シート材の側縁の所定の位置に配設する。
なお、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、図3に示すように、止着部を形成する工程(A)において、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナー51から引き出されたメカニカルファスナー51aを所定の長さに切断し、切断したメカニカルファスナー51bを、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナー51aの引き出し方向に対応する軸Pが、切断予定線90と平行になるように(即ち、長尺のシート材40の長手方向Yに垂直な方向に)、長尺のシート材40の側縁40aに配置することが好ましい。
一般的な使い捨ておむつの製造方法においてメカニカルファスナーを使用する場合には、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーが用いられている。このような、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーは、メカニカルファスナーの引き出し方向に対応する軸方向に対して直交する方向に、180°剪断強度が大きく発現するような状態で巻き取られているため、図3に示すように、長尺のメカニカルファスナー51aの引き出し方向に対応する軸Pが、切断予定線90と平行になるように、長尺のシート材40の側縁40aに配置することよって、各メカニカルファスナー52,54(図2参照)を、長尺のシート40の長手方向Yからの引張力に対する係合力が、長尺のシート材40の長手方向に直交する方向Xからの引張力に対する係合力よりも大きくなるように配置することができる。
ここで、図3は、メカニカルファスナーを長尺シート材に配設する工程の一例を模式的に示す概略平面図である。なお、図3において、図2に示す使い捨ておむつの製造方法における各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナー51を、長尺のシート材40の長手方向Yに対して平行に引き出して、引き出されたメカニカルファスナー51aを所定の長さに切断し、切断したメカニカルファスナー51bを、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーの引き出し方向に対応する軸Pが、切断予定線90と平行になるように、90°回転させて長尺のシート材40の側縁40aに配置することが更に好ましい。
このように構成することによって、長尺のシート材40の流れ方向(即ち、長手方向Y)と、長尺のメカニカルファスナー51aの引き出し方向(即ち、軸Pの方向)とを同一の方向としつつ、各メカニカルファスナー(図2におけるメカニカルファスナー52,54)を適切な方向にて長尺のシート材40に配設することができ、製造設備が大きくなり過ぎず、使い捨ておむつを高い生産性で生産することが可能となる。
また、このように、切断したメカニカルファスナーを90°回転させて長尺のシート材40の側縁40aに配置する場合には、メカニカルファスナー51aの裏面に長尺のシート材40に接着するための接着剤64を塗布する際に、メカニカルファスナー51aの幅方向(軸Pに対して垂直な方向)の両側縁部分には接着剤64を塗布せずに、その中央部分に沿って接着剤64を塗布することができる。このように両側縁部分に接着剤64を塗布しない非接着部分(非接着ゾーン)を形成することにより、メカニカルファスナーを長尺のシート材に接着した際に、メカニカルファスナーの両側縁部分から接着剤がはみ出したり、染み出したりして、着用者の肌に付着することを有効に防止することができる。
一方、メカニカルファスナーの軸P方向の端部は、長尺のシート材にしっかりと接着されていることが好ましい。即ち、互いに係合したメカニカルファスナーを引き剥がす場合には、軸P方向の端部からメカニカルファスナーを引き剥がすため、この端部に非接着部分が形成されていると、メカニカルファスナーの接着が剥れてしまうことがある。このことは、特に、メカニカルファスナーがループ材の場合に顕著である。このため、メカニカルファスナーを長尺のシート材に接着するための接着剤は、メカニカルファスナーの軸P方向の端部にまで塗布されていることが好ましい。このような状態に接着剤を塗布するためには、図3に示すように、長尺のメカニカルファスナー51aの裏面に接着剤64を塗布し、所定の長さに切断した後に、切断したメカニカルファスナー51bを90°回転させることによって、メカニカルファスナー51bの軸P方向の端部にまで接着剤64を良好に塗布することができる。図1B、図1C、及び図3においては、破線にて囲われた斜線で示す領域に、メカニカルファスナーを接着するための接着剤(接着剤64)が塗布されている。
なお、切断したメカニカルファスナーを90°回転させる方法については、例えば、図4に示すような、変向搬送装置200によって行うことができる。この変向搬送装置200は、図4の紙面に垂直に配置された第一軸201の周りに複数(図4においては、4本)の第二軸202が第一軸201に対して垂直に配設されており、上記第二軸202の先端には、被搬送物を搬送するための搬送体203が配設されている構造を有するものである。そして、上記第二軸202が第一軸201の周りを180°回転する間に搬送体203は第二軸202の周りを、第二軸202に垂直な平面上左右何れかの方向に90°回転する。搬送体203は、例えば、被搬送物(例えば、切断されたメカニカルファスナー)を吸着可能に構成されており、被搬送物を吸着によって保持した状態で被搬送物を搬送する。なお、変向搬送装置200の更に詳しい形態としては、特開2008−44796号公報に開示のものを例示することができる。
ここで、図4は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の一の実施形態において、メカニカルファスナーを長尺のシート材に配設する工程を模式的に示す概略平面図である。なお、符号205は長尺のシート材を示し、符号205aは巻回された(ロール状に巻き取られた)長尺のシート材を示し、符号206は長尺のメカニカルファスナーを示し、符号206aは、巻回されたメカニカルファスナーを示し、符号207a及び207bはサクションロールを示し、符号208はサクションコンベアを示す。なお、サクションロール及びサクションコンベアは、吸引により各被搬送物を保持することが可能に構成されたロール及びコンベアである。
上述した本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナー51を、長尺のシート材40の長手方向Yに対して平行に引き出して、引き出されたメカニカルファスナー51aを所定の長さに切断し、切断したメカニカルファスナー51bを、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーの引き出し方向に対応する軸Pが、切断予定線90と平行になるように、90°回転させて長尺のシート材40の側縁40aに配置したが、これに限らず、長尺のメカニカルファスナーの引き出し方向が切断予定線90と平行になるように、長尺のメカニカルファスナーをロール状に巻取り、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナー51を切断予定線90と平行に引き出し、引き出されたメカニカルファスナー51aを所定の長さに切断し、切断したメカニカルファスナー51bを方向変換(90°回転)することなくそのまま長尺のシート材40の側縁40aに配置するようにしてもよく、この場合には上述のような変向搬送装置200が不要となる。
なお、この場合にも、メカニカルファスナー51aの裏面に長尺のシート材40に接着するための接着剤64を塗布する際に、メカニカルファスナー51aの幅方向(軸Pに対して垂直な方向)の両側縁部分には接着剤64を塗布せずに、その中央部分に沿って接着剤64を塗布するようにすれば、上述同様に、メカニカルファスナーを長尺のシート材に接着した際に、メカニカルファスナーの両側縁部分から接着剤がはみ出したり、染み出したりして、着用者の肌に付着することを有効に防止することができる。
本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上記止着部を形成する工程(A)において、互いに係合するメカニカルファスナーのうちの一方として、メカニカルファスナーのフック材を用い、長尺のシート材の幅方向(即ち、長手方向に直交する方向X)に、二以上のフック材を間欠的に配置してもよい。図5に示す使い捨ておむつの製造方法においては、第一のメカニカルファスナー52として、メカニカルファスナーのフック材58を用い、長尺のシート材40の幅方向に、二つのフック材58を間欠的に配置した場合の例を示している。
このような製造方法によって製造される使い捨ておむつは、フック材によって形成される止着部が間欠部位にて容易に折れ曲がるようになるため、おむつのフィット性が向上する。特に、メカニカルファスナーのフック材は、ループ材と比較して硬い材質の場合が多いため、上述したように二以上のフック材を間欠的に配置した場合に特に有効である。
ここで、図5は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の他の実施形態を模式的に示す概略平面図である。なお、図5において、図2に示す使い捨ておむつの製造方法における各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。また、図5においては、第一のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのフック材を用いた場合の例を示しているが、例えば、第二のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのフック材を用いてもよい。
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上記した止着部を形成する工程(A)において、互いに係合するメカニカルファスナーのうちの少なくとも一方のメカニカルファスナーを基材シートに配設し、メカニカルファスナーを配設した基材シートを、長尺のシート材の側縁に配置してもよい。図6に示す使い捨ておむつの製造方法においては、第一のメカニカルファスナー52としてフック材58を用い、このフック材58を基材シート56に配設し、この基材シート56を長尺のシート材40の側縁40aに配置した場合の例を示している。このように構成することによって、長尺のシート材にメカニカルファスナーを簡単に配設することができる。
ここで、図6は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の更に他の実施形態を模式的に示す概略平面図である。なお、図6において、図2に示す使い捨ておむつの製造方法における各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。また、図6においては、第一のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのフック材を用いた場合の例を示しているが、例えば、第二のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのフック材を用いてもよい。
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上記した止着部を形成する工程(A)において、長尺基材シートに、互いに係合するメカニカルファスナーのうちの少なくとも一方のメカニカルファスナーを所定間隔で配設して、メカニカルファスナーの連続体を形成し、得られた連続体を、配設したメカニカルファスナーの間で切断して、基材シートに配置されたメカニカルファスナーを作製してもよい。
例えば、第一のメカニカルファスナーとしてのフック材を基材シートに配置して用いる場合には、例えば、図6及び7に示すように、長尺基材シート57に、フック材58を所定間隔で間欠的に配設して、第一のメカニカルファスナーの連続体52xを形成し、得られた第一のメカニカルファスナーの連続体52xを、配設したフック材58の間で切断することによって、第一のメカニカルファスナー52(フック材28)を配設した基材シート56を作製することができる。このように構成することによって、効率よく基材シート56にフック材58を配設することができる。
このように構成することによって、上記した二以上のフック材を間欠的に配置した場合と同様に、おむつのフィット性を向上させることができるとともに、フック材の配置が容易となり、製造工程を簡略化することができる。
更に、図6及び7に示すように、長尺シート材40の長手方向Yに対して平行に配置された長尺基材シート57に、フック材58を所定間隔で間欠的に配設して第一のメカニカルファスナーの連続体52xを製造した場合には、第一のメカニカルファスナーの連続体52xを切断して、第一のメカニカルファスナー52を配設した基材シート56を作製した後に、長尺シート材40の長手方向Yに対して90°回転させ、その状態で基材シート56を長尺のシート材40の側縁40aに配設することが好ましい。このように構成することによって、メカニカルファスナーの係合力を良好に発現させることができる。
ここで、図7は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の更に他の実施形態を模式的に示す概略平面図である。なお、図7において、図2に示す使い捨ておむつの製造方法における各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、上述した本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、長尺シート材40の長手方向Yに対して平行に配置された長尺基材シート57に、フック材58を所定間隔で間欠的に配設して第一のメカニカルファスナーの連続体52xを製造し、その第一のメカニカルファスナーの連続体52xを所定の長さに切断して、第一のメカニカルファスナー52を配設した基材シート56を作製した後に、長尺シート材40の長手方向Yに対して90°回転させ、その状態で基材シート56を長尺のシート材40の側縁40aに配設したが、これに限らず、長尺基材シート57の引き出し方向が切断予定線90と平行になるように、長尺基材シート57を切断予定線90と平行に配置し、当該長尺基材シート57にフック材58を所定間隔で間欠的に配設して第一のメカニカルファスナーの連続体52xを製造し、その第一のメカニカルファスナーの連続体52xを所定の長さに切断して、第一のメカニカルファスナー52を配設した基材シート56を作製し、その基材シート56を方向変換(90°回転)することなくそのまま長尺のシート材40の側縁40aに配設するようにしてもよい。この場合にも上述のような変向搬送装置200が不要となる。
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、互いに係合するメカニカルファスナーの一方として、メカニカルファスナーのループ材を用い、このループ材を、長尺のシート材を切断する際の切断予定線を跨ぐように配置し、長尺のシート材の切断とともにループ材を切断して、隣り合う二つのおむつにおける両脇腹の部位近傍に、切断されたそれぞれのループ材によって二つの止着部を形成してもよい。
このように、ループ材を、長尺のシート材の切断予定線を跨ぐように配置することによって、一枚のシート状のループ材から、隣り合う二つのおむつにおける両脇腹の部位近傍にそれぞれ止着部を製造することができ、ループ材の配置が容易となり、製造工程を簡略化することができる。
また、互いに係合するメカニカルファスナーの一方として、複数のフック材を用い、このフック材を基材シートに配設して長尺のシート材の側縁に配設する場合には、例えば、図8に示すように、基材シート56の縦横にフック材58を複数配置し(例えば、図8においては、基材シート56に、縦2列、横2列となるように合計四つのフック材58を配置し)、この基材シート56を、配置されたフック材58同士の隙間(即ち、長尺のシート材40の長手方向に隣接するフック材58同士の隙間)が、長尺のシート材40を切断する際の切断予定線90を跨ぐように配置し、長尺のシート材40の切断とともに基材シート56を切断して、隣り合う二つのおむつにおける両脇腹の部位近傍に、切断されたそれぞれの基材シート56とこれらの表面に配置された各フック材58とによって第一止着部52aを形成してもよい。
このように構成することによって、一枚の基材シートを二つに分断して、隣り合う二つのおむつにおける両脇腹の部位近傍にそれぞれ止着部を製造することができ、フック材の配置が容易となり、製造工程を簡略化することができる。
ここで、図8は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の更に他の実施形態を模式的に示す概略平面図である。なお、図8において、図2に示す使い捨ておむつの製造方法における各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
また、図2においては、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aの一方の側縁40a側の、切断予定線90の近傍に、第一のメカニカルファスナー52を配設して第一止着部52aを形成し、且つ、長尺のシート材40におけるおむつの外側となる面42bの他方の側縁40b側の、切断予定線90の近傍に、第二のメカニカルファスナー54を配設して第二止着部54aを形成し、第一止着部52a及び第二止着部54aを形成した長尺のシート材40を、第一止着部52aと第二止着部54aとを係合させない状態で、且つおむつの内側となる面42aが内側となるように、長尺のシート材40の長手方向に沿って二つ折りに折り畳み、折り畳んだ長尺のシート材40を切断予定線90に沿って切断して、展開状態の使い捨ておむつ70を得る場合の例を示しているが、本発明の使い捨ておむつの製造方法は、このようなおむつを製造する方法に限定されるものではない。
即ち、本発明の使い捨ておむつの製造方法は、例えば、図9に示すように、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aの一方の側縁40a側の、切断予定線90の近傍に、第一のメカニカルファスナー52を配設して第一止着部52aを形成し、且つ、長尺のシート材40におけるおむつの外側となる面42bの他方の側縁40b側の、切断予定線90の近傍に、第一のメカニカルファスナー52と係合可能な第二のメカニカルファスナー54を配設して第二止着部54aを形成し、第一止着部52a及び第二止着部54aを形成した長尺のシート材40を、第一止着部52aと第二止着部54aとを係合させない状態で、且つおむつの内側となる面42aが内側となるように、長尺のシート材40の長手方向Yに沿って二つ折りに折り畳み、折り畳んだ長尺のシート材40における、得られるおむつの両側縁部に相当する部位を、第一止着部52a及び第二止着部54aが両側縁部近傍に配置されるように接合して側縁接合部92を形成し、折り畳んだ長尺のシート材40を切断予定線90に沿って切断して使い捨ておむつ71を得るものであってもよい。
図9に示す製造方法においては、図10A及び図10Bに示すような使い捨ておむつ1Bを製造することができる。この使い捨ておむつ1Bは、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成され、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)が接合された側縁接合部8によって、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12(12a,12b)が形成された使い捨ておむつ1Bである。
そして、この使い捨ておむつ1Bは、前身頃2と後身頃6とのうちの一方(図10A及び図10Bにおいては、後身頃6)の、側縁接合部8近傍におけるおむつの内側面38に配置された、第一のメカニカルファスナー11aからなる第一止着部と、前身頃2と後身頃6とのうちの他方(図10A及び図10Bにおいては、前身頃2)の、側縁接合部8近傍におけるおむつの外側面39に配置された、第一のメカニカルファスナー11aと係合可能な第二のメカニカルファスナー11bからなる第二止着部と、を更に備えたものである。
このように構成された使い捨ておむつ1Bは、使用する最初の状態においては、着用者の脚を一対の脚周り開口部12(12a,12b)を通してパンツ型の使い捨ておむつとして使用することができる一方で、おむつをパンツ型に構成している側縁接合部8を引き剥がして展開させた後、前身頃2と後身頃6とを止着部(第一止着部及び第二止着部)によって固定することができるように構成されているため、例えば、テープ型おむつのように衣類を脱がずとも着用者に宛がって使用することもできる。なお、図10Bにおける符号8aは、接合が解除された側縁接合部を示している。
即ち、上記使い捨ておむつ1Bは、最初の状態(使用開始状態)において、側縁接合部8によって前身頃2と後身頃6とが接合されてパンツ型に構成されている。そして、おむつをパンツ型に構成している側縁接合部8(図10A参照)を引き剥がして展開させた後、前身頃2と後身頃6とを第一のメカニカルファスナー11aと第二のメカニカルファスナー11bとを係合させることによって固定して、おむつを着用することもできる。このため、例えば、着用者が自らおむつを着用することができる場合にはパンツ型のおむつとして、また、例えば、介護者等が着用者におむつを着用させる場合には、おむつの前身頃と後身頃とを一旦引き剥がして展開させた後、着用者におむつを宛がって着用させることができる。
ここで、図9は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の更に他の実施形態を模式的に示す概略平面図であり、図10Aは、図9に示す使い捨ておむつの製造方法によって製造された使い捨ておむつを示す斜視図であり、図10Bは、図10Aに示す使い捨ておむつが展開された状態を、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図である。
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法は、図11に示すように、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aの一方の側縁40a側の、切断予定線90の近傍に、第一のメカニカルファスナー52を配設して第一止着部52aを形成し、且つ、二つ折りに折り曲げられた状態で仮止めされた基材シート55を作製し、この基材シート55の片側面に、第一のメカニカルファスナー52と係合可能な第二のメカニカルファスナー54を配設し、第二のメカニカルファスナー54を配設した基材シート55を、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aの他方の側縁40b側の、切断予定線90の近傍に配設して第二止着部54aを形成し、第一止着部52a及び第二止着部54aを形成した長尺のシート材40を、第一止着部52aと第二止着部54aとを係合させるように、おむつの内側となる面42aを内側として長尺のシート材40の長手方向Yに沿って二つ折りに折り畳み、折り畳んだ長尺のシート材40を切断予定線90に沿って切断して使い捨ておむつ72を得るものであってもよい。
図11に示す製造方法においては、図12A及び図12Bに示すような使い捨ておむつ1Cを製造することができる。この使い捨ておむつ1Cは、おむつの前身頃2と後身頃6とがウエスト周りにおいてメカニカルファスナー11(第一のメカニカルファスナー11a,第二のメカニカルファスナー11b)によって着脱可能に係合されてパンツ型に構成された使い捨ておむつ1Cである。おむつを着用する際には、パンツ型のまま下着を着用するのと同様に、おむつの脚周り開口部12(12a,12b)に着用者の脚を通して着用することもできるし、また、メカニカルファスナー11の係合を解除して、図12Bに示すような展開状態の使い捨ておむつを、従来公知のテープ型のおむつのように、着用者に宛がって着用した後に、上記メカニカルファスナー11を再度係合させて着用することもできる。
第二のメカニカルファスナー11bは、使用開始時には、二つ折りに折り曲げられた状態で仮止めされた基材シート55上に配置され、第一のメカニカルファスナー11aと係合されているが、おむつの着用時においては、第二のメカニカルファスナー11bが配置された基材シート55の仮止めが解除されて、おむつの側縁(例えば、おむつの前身頃2の側縁2a,2b)から基材シート55が延出され、基材シート55の先端側に第二のメカニカルファスナー11bが配置される状態となる。このような使い捨ておむつ1Cは、外装部材16に第二のメカニカルファスナー11bを直接接合した使い捨ておむつと比較して、第二のメカニカルファスナー11bを剥離し難くすることができる。
ここで、図11は、本発明の使い捨ておむつの製造方法の更に他の実施形態を模式的に示す概略平面図であり、図12Aは、図11に示す使い捨ておむつの製造方法によって製造された使い捨ておむつを示す斜視図であり、図12Bは、図12Aに示す使い捨ておむつが展開された状態を、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図である。
なお、上記した基材シートとしては、通気性や肌触りの観点より、不織布を用いることが好ましく、特には引張強度の観点より、SB(スパンボンド)又はSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)不織布を用いることが好ましい。
また、基材シートの大きさは特に制限はないが、二つ折りに折り曲げられた状態において、上述した第一止着部の大きさと同程度以上であることが好ましい。
このような基材シートは、二つ折りに折り曲げた後、折り曲げ状態が保持されるように、折り曲げられて重なり合う部位の一部を仮止めする。なお、「仮止め」とは、人の手の力で剥離可能に固定されていることを意味する。このような仮止めを行うことによって、おむつ製造時において、折り曲げた基材シートが再度広がってしまうことを有効に防止することができ、長尺のシート材を長手方向に沿って二つ折りに折り畳むことによって、第一のメカニカルファスナーと第二のメカニカルファスナーとを良好に係合させることができる。このため、基材シートの仮止めを行う際には、おむつ製造時において、折り曲げた基材シートが広がってしまうことを防止することができる程度に、且つ、おむつを着用する際には、おむつのウエスト周り開口部を広げることによって、上記基材シートの仮止めが容易に解除される程度の力で固定することが好ましい。
仮止めの固定手法は特に限定されず、エンボス加工等による極めて弱い溶着又は圧着、ホットメルト接着剤等の接着剤による接着等の各種手法が含まれる。圧着、溶着、接着のパターンとしては、ドット状等の間欠パターンとすることができる。なお、仮止めにおける上記パターンは、第二のメカニカルファスナーが潰れて係合機能が低下しないように、その表面の面積に対して、50%以下の範囲に行われていることが好ましく、25%以下の範囲に行われていることが更に好ましい。
以上説明したように、本発明の使い捨ておむつの製造方法は、おむつの前身頃と後身頃とがウエスト周りにおいてメカニカルファスナーの係合によって着脱可能に構成された種々の使い捨ておむつ(展開型のパンツ型おむつ)を製造する方法に適用することができる。即ち、図9及び図11に示す使い捨ておむつの製造方法において、例えば、二以上のメカニカルファスナーを間欠的に配置することによって、一つの止着部を形成する等の方法を併用することもできる。
以下、本発明の使い捨ておむつの製造方法を、図2に示す製造方法を例として、各工程毎に更に具体的に説明する。
〔1−1〕工程(A):
まず、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、図2に示すように、後に使い捨ておむつを構成する長尺のシート材40を用意し、この長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aの一方の側縁40a側の、長尺のシート材40を切断する際の切断予定線90の近傍に、第一のメカニカルファスナー52を配設して第一止着部52aを形成し、おむつの外側となる面42bの他方の側縁40b側の、切断予定線90の近傍に、第二のメカニカルファスナー54を配設して第二止着部54aを形成する。
このように、長尺シート材に互いに係合するメカニカルファスナー(第一のメカニカルファスナー及び第二のメカニカルファスナー)を配設して、おむつのウエスト周りにおける一方の止着部(第一止着部)と他方の止着部(第二止着部)を形成する。なお、各メカニカルファスナーを長尺シート材に配設する際には、例えば、メカニカルファスナーの裏面にホットメルト接着剤等を塗布して接合することができる。
長尺のシート材としては、従来の2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつを製造する際に使用される長尺のシート材と同様に構成されたものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、おむつの外装部材を構成するインナーシートとアウターシートの組み合わせを挙げることができる。このようなインナーシート及びアウターシートは、不織布等によって構成することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等からなるシートを好適例として挙げることができる。
第一のメカニカルファスナー52及び第二のメカニカルファスナー54は、長尺のシート材40を長手方向Yに対して垂直に切断する際の切断予定線90の両側にそれぞれ配置して、第一止着部52a及び第二止着部54aが、得られる使い捨ておむつの両脇腹の部位近傍にそれぞれ配置されるようにする。なお、上記した「切断予定線90」とは、長尺のシート材40から個々の使い捨ておむつを切り離す際に、切断が予定される仮想的に設定された線のことである。
この第一止着部52aと第二止着部54aとは、長尺のシート材40の幅方向にて対向する位置にそれぞれ形成され、第一止着部52aと第二止着部54aと係合することによって得られるおむつの前身頃と後身頃とを固定し、おむつのウエスト周りを構成可能なものとする。
メカニカルファスナーの大きさについては特に制限はないが、得られる使い捨ておむつの側縁の接合部分を形成し得る大きさであることが好ましい。
また、図2においては、後に外装部材のアウターシートとなる長尺アウターシート40xと、外装部材のインナーシートとなる長尺インナーシート40yとの間に、後に形成される脚周り開口部に沿って、後に脚周り伸縮材となる長尺伸縮材Er1を配置し、また、後に形成される前身頃部分と後身頃部分に、後にウエスト周り伸縮材となる長尺伸縮材Er2,Er3と、後に腹周り伸縮材となる長尺伸縮材Er4,Er5も併せて配置し、接着剤によって伸張状態で固定することによって長尺のシート材40を形成した例を示している。
上記した脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材であり、この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
また、上記ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材であり、ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。
更に、上記腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材であり、腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。
本発明の製造方法においては、脚周り伸縮材、ウエスト周り伸縮材、及び腹周り伸縮材は、従来の使い捨ておむつで使用されてきた各種伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。そして、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。なお、図1A〜図1Cに示す使い捨ておむつ1Aは、おむつのウエスト周り開口部10に沿って、3本のウエスト周り伸縮材82が配置され、また、ウエスト周り開口部10と脚周り開口部12との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に、着用者の腹周りを取り囲むように6本の腹周り伸縮材84が配置され、更に、おむつの脚周り開口部12a,12bのカーブに沿って曲線的にそれぞれ2本の脚周り伸縮材80が配置された場合の例を示している。
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上述したような長尺のシート材の長手方向に沿って、伸張状態の伸縮材を配置する工程を更に含む場合には、第一のメカニカルファスナー及び第二のメカニカルファスナーのうちの少なくとも一方を、伸張状態の伸縮材が配置されていない領域、又は伸張状態の伸縮材の一部を切断して伸縮材が非伸張状態で配置された領域に配置することが好ましい。特に、そのメカニカルファスナーがループ材の場合に特に有効である。
例えば、第二のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのループ材を用いた場合において、図13に示すように、このループ材59を、長尺のシート材40(製造されたおむつの外装部材16)の、伸縮材Er(図1Aにおける伸縮材84)が配置されていない領域W1(より具体的には、伸張状態の伸縮材Erが配置されていない領域)、又は伸張状態の伸縮材Erの一部を切断して伸縮材Erが非伸張状態で配置された領域W2に配置することが好ましい。なお、図13における符号W3は、「伸縮材が伸張状態で配置された領域」を示している。
図2に示すような長尺伸縮材Er2,Er3,Er4,Er5によって、おむつのウエストギャザーやタミーギャザーが形成されるが、上記したウエストギャザーやタミーギャザー上にメカニカルファスナー、特に、メカニカルファスナーのループ材を配置すると、ギャザーの形状に沿って配置されるために、ループ材がしわになり、フック材との係合力が低下することがある。このため、メカニカルファスナーを配置する場合には、伸張状態の伸縮材が配置されていない領域、又は伸張状態の伸縮材の一部を切断して伸縮材が非伸張状態で配置された領域の少なくとも一方の領域に配置して、ギャザーによるしわがメカニカルファスナー(特にループ材)の表面に出現しないようにすることが好ましい。
上述した、伸張状態の伸縮材が配置されていない領域、及び伸張状態の伸縮材の一部を切断して伸縮材が非伸張状態で配置された領域を形成する場合には、例えば、伸張状態の伸縮材を配置する際に、ループ材を配置する部位(以下、ループ材の配置領域ともいう)においては、伸縮材を長尺のシート材に対して固定せず、或いは、伸縮材を長尺のシート材に対して弱い接着力で固定しておき、切断予定線にて長尺のシート材とともに伸縮材を切断することにより、ループ材の配置領域にて伸縮材をスナップバックさせる方法を挙げることができる。このような方法により、ループ材の配置領域を、伸縮材が配置されていない状態、又は伸張状態の伸縮材の一部を切断して伸縮材が非伸張状態で配置された状態とすることができる。
ここで、図13は、図1Cに示す使い捨ておむつのA−A’断面を示す概略断面図である。なお、図1Cに示す使い捨ておむつにおける各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図13においては、第二のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのループ材を用いた場合を例として説明したが、例えば、第一のメカニカルファスナーとして、メカニカルファスナーのループ材を用いた場合も同様である。
〔1−1a〕吸収性本体の配設:
また、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、図2に示すように、第一のメカニカルファスナー52及び第二のメカニカルファスナー54を配設して各止着部52a,54aを形成するとともに、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aに、吸収性本体14を配置する。吸収性本体14は、例えば、ホットメルト接着剤等を用いて、長尺のシート材40におけるおむつの内側となる面42aに対して固定することができる。
なお、吸収性本体14は、図1Bに示すように、吸収体22がトップシート18とバックシート20との間に介装された、パッド状のものであり、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、バックシートの上面に、ティシュ(親水性シート)に包まれた吸収体を配置し、更にその上面にトップシートを配置する。次に、吸収体の周縁部をトップシートとバックシートとで挟み込むように封着することによって、図2に示すような吸収性本体14を製造することができる。
この際、吸収性本体は、少なくとも得られるおむつの股下部をカバーするサイズに構成することが好ましい。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層又は複層のマット状として用いる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合してもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置してもよい。
吸収体は、その全体が、ティシュ等の親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)を液透過性材料により構成することが好ましい。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成することが好ましい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
また、図2に示すように、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザー26を製造し、これを吸収性本体14に付設してもよい。立体ギャザー26は、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、複数の撥水性シートの層間に、伸縮材(立体ギャザー伸縮材)が挟み込まれて固定された構造のものであることが好ましい。図1Bに示す使い捨ておむつ1Aは、撥水性シート32(32a,32b)の折り返し部分に立体ギャザー伸縮材36(36a,36b)を挟み、この撥水性シート32の一部によって立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。上記した撥水性シートは、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
〔1−2〕工程(B):
次に、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、図2に示すように、第一止着部52a及び第二止着部54aを形成した長尺のシート材40を、第一止着部52aと第二止着部54aとを係合させない状態で、且つ上記おむつの内側となる面42aが内側となるように長尺のシート材40の長手方向Yに沿って二つ折りに折り畳み、折り畳んだ長尺のシート材40を、第一止着部52aと第二止着部54aが、おむつ着用時における両脇腹の部位近傍に配置されるように切断して(即ち、切断予定線90に沿って切断して)、展開状態の使い捨ておむつ70を得る。このように構成することによって、展開状態の使い捨ておむつ70が股下部4にて二つ折りに折り畳まれた状態の使い捨ておむつ70を簡便に製造することができる。
より具体的には、まず、第一止着部52a及び第二止着部54aを形成した長尺のシート材40を、この長尺のシート材40の側縁同士が互いに重なるように二つ折りに折り畳み、得られる使い捨ておむつ70が、おむつの側縁部で連結された状態(即ち、おむつの側縁部で切断されていない状態)のおむつの連続体を製造する。
次に、このおむつの連続体を、おむつの側縁部に相当する部分(即ち、切断予定線90)で切り離すことにより、股下部4にて二つ折りに折り畳まれた複数の展開状態の使い捨ておむつ70を得ることができる。
なお、この工程(B)においては、第一止着部及び第二止着部を形成した長尺のシート材を長手方向に沿って二つ折りに折り畳む前、又は、二つ折りに折り畳んだ後に、おむつの脚周り開口部を形成するように長尺のシート材を切断し、脚周り開口部を形成する。図2においては、第一のメカニカルファスナー52、第二のメカニカルファスナー54、及び吸収性本体14を断続的に配置・固定した後、脚周り開口部62を形成する領域を切除して、脚周り開口部62を形成した例を示している。
なお、上述したように、本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、例えば、図9に示すように、折り畳んだ長尺のシート材40における、得られるおむつの両側縁部に相当する部位を、第一止着部52a及び第二止着部54aが両側縁部近傍に配置されるように接合して側縁接合部92を形成し、側縁接合部92にて長尺のシート材40を切断して使い捨ておむつ71を製造するものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例においては、メカニカルファスナーとして、ループ材とフック材とを用い、このループ材とフック材とを係合させる方向(即ち、所定の方向からの引張力に対する係合力が大きく作用する方向)を変えて配置し、各条件におけるメカニカルファスナーの係合力をそれぞれ測定した。
(実施例1)
まず、メカニカルファスナーのループ材を、固定された板の表面に両面テープで貼り付けて固定した。また、メカニカルファスナーのフック材を25mm×25mmの大きさに切断し、引っ張り試験用の機材に固定した。なお、ループ材としては、住友スリーエム社製の「CS600(商品名)」を用い、フック材としては、住友スリーエム社製の「Hyper KLL(商品名)」を用いた。
次に、ループ材の係合面に上記フック材を配置し、フック材が固定された機材の裏面側から、2kgのローラーを一往復させて、ループ材とフック材とを係合させた。なお、実施例1においては、ループ材及びフック材のそれぞれについて、おむつを製造する際における、長尺のシート材の長手方向からの引張力に対する係合力が、その長尺のシート材の長手方向に直交する方向からの引張力に対する係合力よりも大きくなる向きに対応するように配置した。本実施例においては、このような「長尺のシート材の長手方向からの引張力に対する係合力が、その長尺のシート材の長手方向に直交する方向からの引張力に対する係合力よりも大きくなる向き」を「正方向」とし、一方、「上記正方向から90°ずれた(90°回転した)向き」を「90°ずれ方向」とする。
次に、係合したループ材とフック材とに、その剪断方向(180°方向、即ち、係合力を測定する方向)に1kgの荷重を2秒間かけ、その後、メカニカルファスナー(係合したループ材とフック材)を、引っ張り試験機で300mm/minの条件で引っ張り、その平均荷重を測定を測定した。この値を、メカニカルファスナーの係合力(N/25mm)とした。また、同じ方法で係合されたループ材とフック材に対して、90°方向(上記剪断方向に直交する方向)にフック材を剥がすように引っ張って平均荷重を測定した値を、メカニカルファスナーの剥離力(N/25mm)とした。それぞれの測定結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
フック材とループ材の配置方向を、表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法によって、メカニカルファスナーの係合力及び剥離力を測定した。測定結果を表1に示す。なお、比較例1においては、フック材を正方向から90°ずれた方向とし、比較例2においては、ループ材を正方向から90°ずれた方向とし、更に。比較例3においては、ループ材とフック材とのそれぞれを正方向から90°ずれた方向とした。
(結果)
実施例1におけるメカニカルファスナーの係合力は、比較例1〜3のメカニカルファスナーの係合力と比較して大きく、おむつのウエスト周りにて前身頃と後身頃とを固定する際の係合力として十分なものであった。また、剥離力についても、おむつ着用時においては係合が外れ難く、且つ、おむつを脱ぐ際には、適度な力で係合を解除することができる程度の良好な大きさであった。即ち、使い捨ておむつの製造方法において、メカニカルファスナーのループ材とフック材とを、長尺のシート材の長手方向からの引張力に対する係合力が、長尺のシート材の長手方向に直交する方向からの引張力に対する係合力よりも大きくなる向きに配設することによって、良好なメカニカルファスナーの係合力を有する使い捨ておむつを製造することができる。
一方、比較例1におけるメカニカルファスナーの係合力は、16.2N/25mmと小さく、例えば、使い捨ておむつの係合手段として用いた場合には、着用時にメカニカルファスナーが外れ易くなってしまう。また、比較例2及び3については、メカニカルファスナーの係合力が実施例1と比較して小さくなっているとともに、使い捨ておむつの係合手段として用いた場合には、メカニカルファスナーの係合を解除しておむつを脱ぐ際に必要となる剥離力が大きくなり過ぎて、メカニカルファスナーが使い捨ておむつから外れてしまったり、メカニカルファスナーの係合を外す際に、ループ材を構成する繊維を破壊してしまったりするおそれがある。
なお、本実施例における「正方向」は、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーを、その引き出し方向に対して90°回転させた状態における配置方向であり、「90°ずれ方向」は、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーを、引き出し方向に平行な状態における配置方向である。このため、使い捨ておむつの製造方法において、前身頃と後身頃とを固定するためのメカニカルファスナーとして、例えば、ロール状に巻き取られた長尺のメカニカルファスナーを使用する際には、長尺のメカニカルファスナーの引き出し方向に対応する軸が、長尺のシート材の切断予定線と平行になるように90°回転させて配置することによって、良好な係合力を有する使い捨ておむつをより簡便に製造することが可能となる。