JP2010240150A - スチーム機器用加熱装置 - Google Patents

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年男 河原
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Abstract

【課題】スチームアイロン1の噴出孔5,5,…からのスチームの噴出を停止しても、その再開時にアイロン1から温度低下したスチームや凝縮水が噴出しないようにして、常に安定したスチームを噴出できるようにする。
【解決手段】加熱ヒータ43内蔵の加熱装置20をアイロン1のスチーム入口12に直接に接続し、その加熱装置20によってスチームをアイロン1の使用停止状態でも加熱保持するようにする。
【選択図】図10

Description

本発明は、工業用のスチームアイロンやスチームプレス等のスチーム機器に用いられて、そのスチームの凝縮水等がスチーム機器から噴出するのを防ぐための加熱装置に関する。
現在の工業用スチームアイロンを使用するシステムでは、一般的に1次側にボイラータンク(スチーム供給源)を用いて、そのボイラータンクでスチームを発生させ、このボイラータンクからスチームを供給用ホースを介して末端の各アイロンまで送るようにしている(例えば特許文献1〜3参照)。
このようなシステムは、工業用スチームアイロンに限らず、工業用スチームプレスにおいても同様のものである。
そして、この工業用スチームアイロン等を用いてアイロン掛け等の作業を行う場合、作業者が手元でスチームアイロン等の操作弁を開閉操作することで、スチーム(蒸気)の噴出及び噴出停止の切換えを行うようにしている。
特開平9−271600号公報 特開2000−33200号公報 特開2003−1000号公報
ところで、スチームアイロン等の使用中(スチームを噴出させているとき)は問題が生じないが、そのスチームアイロン等の使用停止のために操作弁を閉じて、スチームアイロン等からスチームが噴出されなくなると、その状態では供給用ホースの内部でスチームの滞留が起こる。そして、時間の経過に伴い、その滞留したスチームが放熱により冷却されて温度低下するとともに、この温度低下によりスチームの一部が凝縮して水滴(凝縮水)へ変化し、アイロン等の噴出側へ流れる。その後、スチームアイロン等の使用を再開して操作弁を開放したときに、上記滞留により温度低下したスチームや凝縮水の水滴がスチームアイロン等から噴出され、その結果、対象となる衣類等の製品へ水滴がかかったり、温度不足のスチームにより製品の仕上がりが安定しなかったりするという問題が生じる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記したスチームアイロンやスチームプレス等のスチーム機器を使用するシステムに工夫を凝らすことにより、そのスチーム機器からのスチームの噴出を停止しても、その再開時にスチーム機器から温度低下したスチームや凝縮水が噴出しないようにして、常に安定したスチームを噴出できるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、スチーム供給源からスチーム機器にスチームを供給するスチーム供給経路の途中に加熱装置を接続し、その加熱装置によってスチームをスチーム機器の使用停止状態でも加熱保持するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、スチーム供給源と該スチーム供給源からのスチームを噴出させるスチーム機器との間のスチーム供給経路に配置されたスチーム機器用加熱装置として、内部に上記スチーム供給経路の一部をなすスチーム通路が形成された装置本体と、この装置本体の外側から上記スチーム通路を加熱する加熱ヒータとを備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明では、スチーム供給源からスチーム機器に至るスチーム供給経路に加熱ヒータを備えたスチーム機器用加熱装置が配置され、この加熱装置の加熱ヒータにより装置本体内のスチーム通路が加熱される。そのため、スチーム機器の使用停止に伴うスチームの滞留が生じて、そのスチーム自体の温度低下や凝縮水が生じたとしても、スチーム機器の使用再開によってスチームを噴出させたときには、そのスチームがスチーム機器に供給される前に加熱装置のスチーム通路を通過して加熱され、この加熱により、温度低下していたスチームが設定温度に戻るとともに、生じていた凝縮水の水滴を加熱装置の内部で受けて設定温度のスチーム状態に戻すことができる。その結果、スチーム機器から低い温度のスチームが噴出されたりスチームに凝縮水が混じったりすることはなく、温度差の少ない安定したスチームがスチーム機器に供給されるようになり、スチーム機器の作業効率を上げることができる。
請求項2の発明では、上記装置本体は、長さ方向の両側に入口及び出口が開口されかつ内部に該入口及び出口に連通する空洞を有する中空円筒状のケースと、このケースの空洞内に外周面が空洞内壁面と当接するように収容された円柱状の挿入体とを備え、上記ケース内の空洞に上記挿入体によってスチーム通路が形成されている一方、上記ケースの外側に加熱ヒータが配置されている。そして、上記挿入体の外周面に長さ方向に延びる多数の凹溝が周方向に並んで形成されていて、その凹溝内とケース内壁面との間にスチーム通路の一部を構成する多数の分岐通路が区画形成されていることを特徴とする。
この請求項2の発明では、加熱装置における装置本体のケース内の空洞に挿入体が嵌合されて、その挿入体によって空洞にスチーム通路が形成され、挿入体外周面の多数の凹溝とケース内壁面との間にスチーム通路の一部となる多数の分岐通路が区画形成されている一方、ケース外側に加熱ヒータが配置されているので、この加熱ヒータによりケース内空洞のスチーム通路、特に、挿入体外周面の凹溝とケース内壁面との間の分岐通路(スチーム通路の一部)が加熱される。すなわち、入口からケース内のスチーム通路に入ったスチームは挿入体外周面の凹溝とケース内壁面との間の分岐通路を通り、その間に加熱ヒータにより加熱される。このことで、スチームの温度低下が防止されるとともに、凝縮水が生じていてもそれは加熱されてスチームに戻り、そのスチームが出口を経てケース外に流出する。
そのとき、上記分岐通路は挿入体外周面の多数の凹溝とケース内壁面との間に形成されているので、その分岐通路の伝熱面積を大きくでき、加熱ヒータの熱を効率よく分岐通路に伝達してスチームを加熱することができる。
しかも、装置本体は円筒状のケース内に挿入体が挿入されたものであるので、その挿入体として、予め外周面に凹溝が形成されたものを用いることで、上記伝熱面積の大きい分岐通路(スチーム通路)を容易に形成することができる。
請求項3の発明に係るスチーム機器用加熱装置は、スチーム機器のスチーム入口に直接に接続されていることを特徴とする。
この請求項3の発明では、スチーム機器のスチーム入口に直接に加熱装置が接続されているので、スチーム機器に流入する直前のスチームや凝縮水を加熱することができ、より一層温度差の少ない安定したスチームをスチーム機器に供給して、スチーム機器の作業効率をさらに上げることができる。
請求項4の発明では、上記加熱ヒータは、スチーム通路の温度を検出しかつ該検出温度が設定温度になるように加熱ヒータを制御する自己温調型センサに接続されていることを特徴とする。
この請求項4の発明では、加熱装置におけるスチーム通路の温度が自己温調型センサにより検出され、この自己温調型センサにより、その検出温度が設定温度になるように加熱ヒータが制御される。このことで、スチーム通路及びその内部のスチームを常に一定の設定温度に加熱保持することができる。
請求項5の発明では、上記スチーム機器はスチームアイロンとする。また、請求項6の発明では、スチーム機器はスチームプレスとする。
この請求項5又は6の発明では、上記請求項1〜4の発明の効果が有効に発揮される最適なスチーム機器が得られる。
以上説明した如く、請求項1の発明によると、スチーム供給源とスチーム機器との間のスチーム供給経路に、そのスチーム供給経路の一部をなすスチーム通路を有する装置本体と、この装置本体外側からスチーム通路を加熱する加熱ヒータとを備えたスチーム機器用加熱装置を接続したことにより、スチーム機器の使用を停止した後に再開させてスチームを噴出させたときに、そのスチームをスチーム機器に供給される前に加熱装置のスチーム通路を通過させて加熱でき、スチーム機器から低い温度のスチームが噴出されたりスチームに凝縮水が混じったりすることはなく、温度差の少ない安定したスチームをスチーム機器に供給して、スチーム機器の作業効率の向上を図ることができる。
請求項2の発明によると、加熱装置の装置本体は、外側に加熱ヒータが配置された中空円筒状のケースと、このケースの空洞内に収容された円柱状の挿入体とを備え、その挿入体外周面の多数の凹溝内とケース内壁面との間にスチーム通路の一部を構成する多数の分岐通路を区画形成したことにより、その分岐通路の伝熱面積を大きし、加熱ヒータの熱を効率よくスチーム通路に伝達してスチームを加熱することができるとともに、その挿入体として、予め外周面に凹溝が形成されたものを用いて、伝熱面積の大きい分岐通路を容易に形成することができる。
請求項3の発明によると、加熱装置をスチーム機器のスチーム入口に直接に接続したことにより、スチーム機器に流入する直前のスチームや凝縮水を加熱して、より一層温度差の少ない安定したスチームをスチーム機器に供給することができ、スチーム機器の作業効率をさらに上げることができる。
請求項4の発明によると、加熱装置におけるスチーム通路の温度を検出し、その検出温度が設定温度になるように加熱ヒータを制御する自己温調型センサに加熱ヒータを接続したことにより、スチーム通路及びその内部のスチームを常に一定の設定温度に加熱保持することができる。
請求項5の発明では、スチーム機器はスチームアイロンとした。また、請求項6の発明では、スチーム機器はスチームプレスとした。これら請求項5又は6の発明によると、上記請求項1〜4の発明の効果が有効に発揮される最適なスチーム機器が得られる。
図1は、本発明の実施形態に係るスチーム機器用加熱装置における装置本体を示す一部破断正面図である。 図2は、図1のII−II線拡大断面図である。 図3は、挿入体の正面図である。 図4は、挿入体の側面図である。 図5は、挿入体の端部を示す断面図である。 図6は、図5のVI−VI線断面図である。 図7は、加熱装置における自己温調型センサ、加熱ヒータ、断熱層及び表面外装材の取付状態を示す図である。 図8は、加熱装置において加熱ヒータ及び自己温調型センサの接続状態を示す図である。 図9は、加熱ヒータ及び自己温調型センサの電気回路図である。 図10は、スチームアイロン及びそのスチーム供給経路に配置された加熱装置を示す一部破断正面図である。 図11は、加熱装置の昇温時の各部位の温度変化を例示する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図10は本発明の実施形態を示し、1はスチーム機器としての工業用スチームアイロン(以下、この実施形態では単にアイロンとも称する)であって、このアイロン1は内部にスチーム室3(蒸気室)を有する中空状のアイロン本体2を有する。このアイロン本体2の上面後部には上方に突出する突起部2aが一体に形成され、この突起部2aには前方に延びる棒状の把手部11が取付固定されている。
また、アイロン本体2の下面(底面)には平面からなるコテ面4(アイロン処理面)が形成され、このコテ面4には多数のスチーム噴出孔5,5,…(蒸気噴出孔)が開口されており、このスチーム噴出孔5,5,…からスチームを噴出させながらコテ面4により衣類等の製品を加圧してアイロン加工をするようにしている。
アイロン本体2には、スチーム室3とスチーム噴出孔5,5,…とを連通する連通路6が形成され、この連通路6の途中には噴出スチーム操作弁7が配置されている。この操作弁7は、気密シールされてアイロン本体2の上面に突出する上下方向の軸部8aを有しかつ該軸部8a回りに揺動して連通路6を開閉する弁体8を備え、この弁体8の上端にレバー10が揺動一体に連結されており、このレバー10の開閉操作により弁体8を揺動させて連通路6を開閉し、連通路6を開いたときには、連通路6を介してスチーム室3をスチーム噴出孔5,5,…に連通させて、そのスチーム噴出孔5,5,…からスチームを噴出させる一方、連通路6を閉じたときには、連通路6によるスチーム室3とスチーム噴出孔5,5,…との連通を遮断して、スチーム噴出孔5,5,…からのスチームを噴出を停止させるようにしている。
上記アイロン本体2の上面後端部には、該後端部の他の部分よりも低い段差部2bが形成され、この段差部2bに対応するスチーム室3は底面が他のスチーム室3よりも低いドレン室3aに形成されている。段差部2b前側の上面後端部にはスチーム室3の上部に連通するねじ孔からなるスチーム入口12が、また段差部2bにはドレン室3a(スチーム室3)に連通するねじ孔からなるドレン口13がそれぞれ開口されている。そして、スチーム入口12には後述する加熱装置20を介してスチーム供給ホース14が気密状に連結され、このスチーム供給ホース14はスチーム供給源としてのボイラータンク15に接続されている。一方、ドレン口13にはスチームドレンホース18が螺合により気密状に連結されており、ボイラータンク15から供給されたスチームをスチーム入口12からスチーム室3に流入させ、そのスチーム室3から操作弁7の開弁によって噴出孔5,5,…から噴出させるとともに、その噴出されなかったスチームをドレン口13からスチームドレンホース18を介して排出するようにしている。
上記ボイラータンク15(スチーム供給源)からアイロン1に至るまでの、スチーム供給ホース14を含む部分はスチーム供給経路16に形成され、このスチーム供給経路16に本願発明の実施形態に係るスチーム機器用加熱装置20が配置されている。具体的に、この加熱装置20は、アイロン1のスチーム入口12とスチーム供給ホース14との間、すなわちアイロン1のスチーム入口12に直接に接続されている。
上記加熱装置20は、例えば操作弁7の閉じ操作によりアイロン1の使用を停止したときに加熱装置20上流側(ボイラータンク15側)のスチーム供給経路16で温度低下したスチームないしスチームの凝縮により生じた凝縮水が、操作弁7の開き操作によりアイロン1の使用を再開した際にアイロン1の噴出孔5,5,…から噴出するのを防ぐためのものである。
加熱装置20は、図7及び図8に拡大して示すように、装置本体21と、この装置本体21の外側に配置された加熱ヒータ43とを備えている。
上記装置本体21は、図1及び図2に拡大詳示するように、内部に空洞を有する中空円筒状のケース22と、このケース22の空洞内に収容された円柱状の挿入体31とを備えている。これらケース22及び挿入体31は、スチームの温度や腐食に耐え得る金属製の材質が用いられる。
上記ケース22は、一端が開口する有底円筒状のケース本体23と、このケース本体23に開口を気密シールして閉じるように嵌合された円柱状のアダプタ27とからなる。ケース本体23の底部には、開口と反対側に同心状に延びるナット部23a及びねじ部23bが形成され、このナット部23a及びねじ部23bの中心部には、ケース本体23内とねじ部23bの先端とに亘って貫通する貫通孔からなる出口24が形成されている。また、ケース本体23の開口側の内壁面にはねじ孔23cが形成されている。
一方、アダプタ27の一側部外周面には、上記ケース本体23のねじ孔23cに螺合されるねじ部27aが、また他側部外周面にはホース連結用ねじ部27bがそれぞれ形成され、両ねじ部27a,27b間にはナット部27cが一体に設けられている。さらに、アダプタ27の中心部には一端から他端に貫通する貫通孔からなる入口28が形成されており、ナット部27cを回し操作してアダプタ27一端側のねじ部27aをケース本体23のねじ孔23cにシール材(図示せず)を介して気密状に螺合締結することにより、ケース本体23の開口をアダプタ27で封閉して中空円筒状のケース22を形成するようにしている。
以上の構造により、ケース22の長さ方向の両側にそれぞれ入口28及び出口24が開口され、ケース22の内部には入口28及び出口24に連通する空洞が形成されている。そして、ケース本体23底部のナット部23aを回し操作してねじ部23bをアイロン1のスチーム入口12に気密状に螺合締結することで、ケース22内の空洞を出口24を介してアイロン1のスチーム入口12に連通させる一方、アダプタ27他端側のホース連結用ねじ部27bをスチーム供給ホース14の端部(下流端)に気密状に螺合締結することで、ケース22の空洞を入口28を介してスチーム供給ホース14に連通させるようになっている。
上記挿入体31は、ケース22におけるケース本体23の内径よりも若干小さい外径を有するもので、そのケース22の空洞内(ケース本体23の内部)に外周面が空洞内壁面と当接するように密嵌合されて収容されている。尚、この挿入体31は、アダプタ27を除去したケース本体23内に開口側から挿入された後にアダプタ27がケース本体23の開口を封止することで、ケース22の空洞内に収容される。
図3〜図6に示すように、挿入体31は、外周面に挿入体31の長さ方向に互いに平行に延びる多数の凹溝32,32,…が周方向に並んで形成された歯車状のものとされている。挿入体31の両端寄り部分の外周面にはそれぞれ所定深さの断面矩形状の環状溝33,33が形成され、この各環状溝33の底面には、挿入体31の直径方向に対向する2つの貫通孔34,34が挿入体31の軸線方向から見て互いに直交するように開口され、両貫通孔34,34は挿入体31の中心部で互いに連通している。また、挿入体31の両端面には、それぞれ上記貫通孔34,34の位置を越える深さの有底穴35が穿設され、この有底穴35は両貫通孔34,34に連通している。
このような挿入体31をケース22の空洞内に挿入体31の外周面(凹溝32,32,…以外の部分)が空洞内壁面と当接するように密嵌合することで、その空洞内にスチーム供給経路16の一部をなすスチーム通路38を区画形成している。
このスチーム通路38は、図2にも示すように、挿入体31外周面の環状溝33,33間に位置する多数の凹溝32,32,…の各々の内部とケース22内壁面との間に区画形成された多数の分岐通路39,39,…を主たる部分として備え、その他、挿入体31の各端部における有底穴35内の空間及びその各有底穴35に連通する2つの貫通孔34,34内の空間と、各環状溝33及びケース22内壁面の間に区画形成された2つの環状空間とが含まれ、これらは互いに連通している。そして、入口28からケース22内に入ったスチームがスチーム通路38を流れ、このスチーム通路38において、スチームは、まず、主として挿入体31の一端部における有底穴35内の空間からそれに連通する2つの貫通孔34,34内を通り半径方向外側に向かって一方の環状空間に流入し、次いで、その環状空間から多数の分岐通路39,39,…に分岐して流れて他方の環状空間に流れ、その他方の環状空間から主として2つの貫通孔34,34の空間及びそれに連通する有底穴35内を経て出口24に至るように流れる。
尚、挿入体31は、予め外周面に凹溝32,32,…が形成されている歯車状の棒材を所定長さに切断し、その両端部にそれぞれ環状溝33の加工、貫通孔34,34や有底穴35の孔開け加工をすることによって作製することができるが、そのような方法には限定されない。
さらに、上記ケース22におけるケース本体23の外周部にはその底部側及び開口側の端部にそれぞれ互いに同じ突出高さのフランジ部23d,23dが一体に突設されている。このフランジ部23d,23d間のケース22外面には、テープ状の絶縁フィルム等の電気絶縁材(図示せず)が配置され、その上にスチーム通路38の温度を検出する自己温調型センサ42が配置されている。また、この自己温調型センサ42も電気絶縁材(図示せず)で覆われ、その自己温調型センサ42及びそれ以外のフランジ部23d,23d間のケース22外面には、上記電気絶縁材の上から上記加熱ヒータ43がスパイラル状に多層に巻き付けられている。この加熱ヒータ43の外側には電気絶縁材(図示せず)を介して断熱層44が積層され、この断熱層44は表面外装材45で覆われており、加熱ヒータ43の発熱によって装置本体21外側からケース22内部のスチーム通路38を加熱するようになっている。
上記自己温調型センサ42は、スチーム通路38の温度を検出するとともに、その検出温度が設定温度よりも低いときにはON状態になって加熱ヒータ43に通電し、設定温度よりも高いときにはOFF状態に切り換わって加熱ヒータ43への通電を停止することで、スチーム通路38が設定温度になるように加熱ヒータ43を制御するもので、図9に示すように、加熱ヒータ43と電源41(例えばAC100Vの商用電源)とに対し直列に接続されている。
図7、図8及び図10では、電源41は図示せず、その電源41に接続する部分の回路のみを電源線として示している。このように、加熱装置20ではセンサ42と加熱ヒータ43とが一体化され、その加熱装置20から電源線のみが引き出されているので、アイロン1に付随した加熱装置20周りの配線の取回しが簡略となり、その分、アイロン1の取扱操作性を高めることができる。
したがって、上記実施形態においては、ボイラータンク15に接続されたスチーム供給ホース14とスチームアイロン1との間にスチーム機器用加熱装置20が接続されているので、アイロン1を使用するために操作弁7を開弁すると、ボイラータンク15で発生したスチームはスチーム供給ホース14からアイロン1に流入する前に加熱装置15を流れ、この加熱装置20における装置本体21のケース22内に入口28から入った後、スチーム通路38を経て出口24に至り、その出口24からアイロン1のスチーム入口12を経てスチーム室3に流入する。その後、このスチーム室3のスチームが操作弁7により開いた連通路6を通って噴出孔5,5,…から噴出する。このスチーム噴出孔5,5,…からスチームが噴出した状態でコテ面4により製品が加圧されてアイロン加工される。
また、アイロン1の操作弁7が閉じ操作されると、スチーム室3のスチームが噴出孔5,5,…から噴出するのが停止し、アイロン1の使用停止状態となる。
上記加熱装置20では、そのスチーム通路38の温度が自己温調型センサ42により検出され、その検出温度が設定温度よりも低い場合には加熱ヒータ43が通電される一方、設定温度よりも高い場合には加熱ヒータ43への通電が停止され、スチーム通路38が設定温度になるように加熱ヒータ43が制御される。このことで、スチームは加熱装置20を通過する間に加熱ヒータ43によって設定温度に加熱保持され、温度差の少ない安定したスチームがアイロン1に供給され、そのアイロン1の作業効率を上げることができる。
そして、上記アイロン1の停止状態では、スチーム供給ホース14からスチームアイロン1までの間でスチームの流れが滞留するので、停止状態が比較的長時間であると、スチームの温度が設定温度よりも大きく低下したり、その温度低下に伴いスチームの一部が凝縮して凝縮水が生じたりする。
仮に、上記加熱装置20がない場合には、アイロン1の使用を再開してアイロン1の噴出孔5,5,…からスチームを噴出させると、このように温度低下したスチームや凝縮水がそのまま噴出孔5,5,…から噴出する。
しかし、この実施形態では、加熱装置20が接続されているので、上記滞留したスチームや凝縮水が加熱装置20を経てアイロン1に流れるときに、そのスチームや凝縮水は加熱装置20において自己温調型センサ42の検出に伴う加熱ヒータ43の作動によって加熱され、温度低下していたスチームが設定温度に加熱され、或いは凝縮水が加熱されて元の設定温度のスチーム状態に戻り、その後にアイロン1に流入して噴出孔5,5,…から噴出する。その結果、アイロン1から低い温度のスチームが噴出したりスチームに凝縮水が混じって噴出したりすることはなく、温度差の少ない安定したスチームがアイロン1に供給されるようになり、その作業効率を上げることができる。
また、上記加熱装置20はアイロン1のスチーム入口12に直接接続されているので、アイロン1に流入する直前のスチームや凝縮水を加熱することができる。そのため、アイロン1よりもボイラータンク15に近い箇所に加熱装置20を接続した場合に比べて、アイロン1との距離が近い分だけ、より一層温度差の少ない安定したスチームをアイロン1に供給でき、アイロン1の作業効率をさらに上げることができる。
さらに、上記加熱装置20における装置本体21のケース22内に形成されているスチーム通路38は、挿入体31外周面の多数の凹溝32,32,…とケース22内壁面との間に形成されている分岐通路39,39,…を有し、その分岐通路39の伝熱面積が大きいので、加熱ヒータ43の熱を効率よくスチーム通路38に伝達してスチームを加熱することができる。
また、上記スチーム通路38は、多数の分岐通路39,39,…の他に、挿入体31の各端部における有底穴35内の空間及びその各有底穴35に連通する2つの貫通孔34,34内の空間と、各環状溝33及びケース22内壁面の間に区画形成された2つの環状空間とを有しているので、これらの空間にスチームに混じった凝縮水を溜めることができ、残ったスチームのみを効率よく加熱することができる。
しかも、装置本体21は円筒状のケース22内に挿入体31が挿入されたものであるので、その挿入体31として、予め外周面に凹溝32,32,…が形成されたものを用いることができ、上記伝熱面積の大きい分岐通路39,39,…(スチーム通路38)を容易に形成することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、加熱装置20をアイロン1のスチーム入口12に直接に接続しているが、この加熱装置20の接続位置は、ボイラータンク15(スチーム供給源)からアイロン1に至るまでのスチーム供給経路16の途中であればよい。しかし、アイロン1に流入する直前のスチームを加熱できる点で、上記実施形態のようにアイロン1のスチーム入口12に直接に接続するのが好ましい。
また、上記実施形態では、スチーム機器がアイロン1の場合であるが、スチーム機器としてスチームプレスであってもよく、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明者が具体的に実施した例について説明する。図11は、自己温調型センサによる設定温度を例えば120℃として加熱装置を加熱作動させたときの、そのケースの内壁面(ケース本体の内周面)、外表面(アダプタのナット部表面)、外側(表面外装材表面)の各部位の温度変化を調べたものであり、概ね10分が経過すると、各部位の温度は一定温度に保持されるようになっている。
そして、135℃タイプの自己温調型センサを内蔵した本発明に係る加熱装置を用いた場合と、そのような加熱装置を用いない場合とに関し、スチームアイロンのスチーム噴出を停止してから15分程度の時間が経過した後にスチーム噴出を再開して凝縮水の水滴噴出発生の有無を比較したところ、加熱装置を設けることで、噴出するスチーム中に凝縮水の水滴がなく、スチーム温度の低下も防止されていることが確認できた。このことから、本願発明に係る加熱装置が有効であることが判る。
本発明は、スチーム機器の噴出スチームの温度を安定させかつ凝縮水の噴出を防止できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1 工業用スチームアイロン(スチーム機器)
2 アイロン本体
3 スチーム室
5 スチーム噴出孔
12 スチーム入口
14 スチーム供給ホース
15 ボイラータンク(スチーム供給源)
16 スチーム供給経路
20 スチーム機器用加熱装置
21 装置本体
22 ケース
23 ケース本体
24 出口
27 アダプタ
28 入口
31 挿入体
32 凹溝
38 スチーム通路
39 分岐通路
42 自己温調型センサ
43 加熱ヒータ

Claims (6)

  1. スチーム供給源と該スチーム供給源からのスチームを噴出させるスチーム機器との間のスチーム供給経路に配置されたスチーム機器用加熱装置であって、
    内部に上記スチーム供給経路の一部をなすスチーム通路が形成された装置本体と、
    上記装置本体の外側から上記スチーム通路を加熱する加熱ヒータと
    を備えたことを特徴とするスチーム機器用加熱装置。
  2. 請求項1において、
    装置本体は、長さ方向の両側に入口及び出口が開口されかつ内部に該入口及び出口に連通する空洞を有する中空円筒状のケースと、
    上記ケースの空洞内に外周面が空洞内壁面と当接するように収容された円柱状の挿入体とを備え、
    上記ケース内の空洞に上記挿入体によってスチーム通路が形成されている一方、上記ケースの外側に加熱ヒータが配置され、
    上記挿入体の外周面に長さ方向に延びる多数の凹溝が周方向に並んで形成されていて、その凹溝内とケース内壁面との間にスチーム通路の一部を構成する多数の分岐通路が区画形成されていることを特徴とするスチーム機器用加熱装置。
  3. スチーム機器のスチーム入口に直接に接続されていることを特徴とする請求項1又は2のスチーム機器用加熱装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    加熱ヒータは、スチーム通路の温度を検出しかつ該検出温度が設定温度になるように加熱ヒータを制御する自己温調型センサに接続されていることを特徴とするスチーム機器用加熱装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    スチーム機器はスチームアイロンであることを特徴とするスチーム機器用加熱装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    スチーム機器はスチームプレスであることを特徴とするスチーム機器用加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108611833A (zh) * 2016-12-13 2018-10-02 Seb公司 包括熨烫表面,加热底板和蒸发室的熨斗
CN112080891A (zh) * 2020-09-07 2020-12-15 湖北欣柔卫生用品股份有限公司 一种制备单向导水棉织物用辊筒

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