JP2010239787A - コア絶縁部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア絶縁部材をより薄い肉厚で簡単に製造する技術を提供する。
【解決手段】コアに巻き付けられたコイルを絶縁するために前記コアのスロットに対して絶縁するスロット絶縁部51とコアのスロット延在方向の端面に対して絶縁するコア端面絶縁部52とを有するコア絶縁部材の製造方法。樹脂シートのシート本体50に絞り成形を行うことで、少なくともコア端面絶縁部のための特定面を含む絞り部510を形成する絞りステップと、スロット絶縁部を作り出すためにシート本体がスロットの断面形状に適合する断面形状となるように絞り部の突出方向とは逆の方向にシート本体を折り込む折り込みステップと、コア端面絶縁部を作り出すために絞り部における特定面を折り返す折り返しステップとを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステータ等のコアに巻き付けられたコイルをコアから絶縁するコア絶縁部材の製造方法に関する。
一般に、誘導モータ、直流モータ(ジェネレータを含む)等の回転電機は、産業用、車両用等の動力源等として広く使用されている。回転電機における、分布巻きステータは、コアとコイルとコア絶縁部材とを備え、コイルとコアは、断面U字状のコア絶縁部材によって絶縁されている。コア絶縁部材は、コアのスロット内に装着され、スロットの内面とコイルとの間に介在して、スロットの内面とコイルとを絶縁する。また、コア絶縁部材は、その両端に、横方向に突出した折り返し鍔部を有している。この鍔部は、先端がティースの端面とヨークの端面とからなるコアの端面に接触して、コイルをコア端面から浮き上がらせて、ティースとコイルとを絶縁している。
上記のように構成されたコア絶縁部材として特許文献1には、スロットに挿入されてスロットを絶縁する断面U字状のスロット絶縁部と、このスロット絶縁部の両端に鍔状に外方に突設されて、コアの端面を絶縁するコア側面絶縁部(本願発明のコア端面絶縁部に対応する)とで構成されているがコア絶縁部材が記載されている。そのコア側面絶縁部は、ヨークの側面(端面)に接触するヨーク絶縁部と、ティースの側面に接触するティース絶縁部とが一体に形成されている。また、コア側面絶縁部は、スロット絶縁部との連結部である基端から外端に向かうにしたがってスロット絶縁部から離れる方向に反っている。このコア絶縁部材の特徴的なことは、樹脂成型品であり、全体的に弾性を備えていることである。
特開2002‐199641号公報(段落番号〔0069−0071〕、図2)
回転電機を小型化するための有効な方策の1つは、コアの軸長を短縮することであるが、そのためにはスロット内の銅の占積率を向上させることが有効である。しかしながら、上述したコア絶縁部材は射出成型による樹脂成型品であるため、0.3mm以下の肉厚のものを作るのが困難である。また、逆に軸長方向に長いコア絶縁部材が要求された場合、薄肉で長手方向に長いものを射出成型で作ることは困難であり、製造上の問題が残っている。
本発明の目的は、上述したような構成のコア絶縁部材をより薄い肉厚で簡単に製造する技術を提供することである。さらに、その際、最終的な製品として付加的な補強材を必要としないことである。
上記目的を達成するため、コアに巻き付けられたコイルを絶縁するために前記コアのスロットに対して絶縁するスロット絶縁部と前記コアのスロット延在方向の端面に対して絶縁するコア端面絶縁部とを有するコア絶縁部材の、本発明に係わる製造方法は、シート状の樹脂フィルムのシート本体に絞り成形を行うことで、少なくとも前記コア端面絶縁部のための特定面を含む絞り部を形成する絞りステップと、前記スロット絶縁部を作り出すために前記シート本体が前記スロットの断面形状に適合する断面形状となるように前記絞り部の突出方向とは逆の方向に前記シート本体を折り込む折り込みステップと、前記コア端面絶縁部を作り出すために前記絞り部における前記特定面を折り返す折り返しステップとを含む。
この製造方法では、コア絶縁部材は、シート状の樹脂フィルムからなるシート本体に対する特定面を有する絞り部を形成する絞り処理と、シート本体をスロットの断面形状に適合する断面形状を有するように折り込むとともに絞り部の特定面を折り返す折り曲げ処理とによって完成する。この完成したコア絶縁部材において、折り返された特定面がコア端面を絶縁するためのコア端面絶縁部を作り出しており、それ以外の折り曲げられたシート本体の部分がスロット絶縁部を作り出している。つまり、本発明によるコア絶縁部材製造方法は、実質的には、シート状の樹脂フィルムを出発材料として、絞り加工と折り曲げ加工とによって製造されるので、従来のような射出成形による製造方法に比べて、0.3mm以下の肉厚を有するコア絶縁部材を問題なく作り出すことができる。また、スロット絶縁部はシート本体を折り込むだけで作り出されるので、長い軸方向の長さを有するスロットに対しても問題なく対処することができる。
製造すべきコア絶縁材料に形状によっては、出発材料としての樹脂シートから不要部分が生じる。そのような不要部分は適切な製造段階で切り離す必要がある。そのような形態の1つとして、絞り加工によって作り出される特定面を有する絞り部においてその底面が不要部分となるものがある。このような不要部分の切り離しを、その絞り部の形成時に底面を切り離すような絞り加工を採用することで実施すると、1つの絞り加工で、絞り部の形成と不要部分の切り離しが完了するという利点が得られる。もちろん、製造工程上の都合、あるいは切り離し精度の都合などで、絞り下降に続く、トリミング(切断)加工を通じて正確な位置で不要部分を切り離すことも好適な形態である。
コアの種類に応じて、特に種々の形状のコア絶縁部材が要求される。その要求通りの形状をもつコア端面絶縁部を正確に作り出すためには、独立したトリミング(切断)加工として行うことが好適である。そのため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記折り込みステップの前ステップまたは後ステップとして、所望形状のコア端面絶縁部を作り出すために、前記絞り部の一部を含む前記シート本体の前記スロット絶縁部に対する端部側の領域に対してトリミングを行うトリミングステップが含まれる。
適切な絞り部の形状を設定することで、つまり絞り部によって形成される特定面に完成後のコア絶縁部材の各領域を割り当てておくと、コア絶縁部材の製造が簡単化する。そのため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記絞り部が第1側面と前記第1側面の一方の側端と接続する第2側面と前記第1側面の他方の側端と接続する第3側面とを有するように前記絞りステップが実施され、前記第1側面が前記コア端面絶縁部のヨーク絶縁領域となり、前記折り返しステップによって前記第2側面と前記第3側面とがそれぞれ前記コア端面絶縁部の左側ティース絶縁領域と右側ティース絶縁領域となる。さらに、前記絞り部が前記第1側面に対向する前記第2側面及び前記第3側面の側端に接続する第4側面も有するように前記絞りステップが実施され、前記折り返しステップの前に前記第4側面を含む前記スロット絶縁部に対する端部側の領域が前記シート本体から切り離されるようにすると好適である。
絞り加工によってコア端面絶縁部の構成領域を作り出すための具体例として、コア端面絶縁部がヨーク端面に面状に接当する仕様の場合には前記第1側面と前記第2側面と第3側面のうちの少なくとも1つが前記シート本体に対して直交した直交面として形成されると好都合である。最終的に前記第2側面と第3側面とを第1側面と一平面となるように折り返すことでスロット絶縁部に直角に延びる平面状のコア端面絶縁部が作り出されるからである。具体的な一例としては、前記折り返しステップにおいて、前記第1側面の延長上に折り線を設定して前記第2側面を含む前記特定面及び前記第3側面を含む前記特定面が折り返される方法が挙げられる。
また、コア端面絶縁部の構成する領域の少なくとも1つが外方に張り出しながらコア端面上を延びるような仕様の場合、前記第1側面と前記第2側面と第3側面のうちの少なくとも1つが前記シート本体に対して傾斜した傾斜面として形成されると好都合である。そのような傾斜面の形成と折り加工での折り具合によってスロット内面やコイルの形状に適合した形状の作り出しが可能となる。
折り込みステップに関しても、コア端面絶縁部やスロット絶縁部に対する形状仕様に応じて、適切な折り線を設定することで、種々の形状のコア端面絶縁部やスロット絶縁部を作り出すことができる。前記第2側面及び第3側面の延長上に折り線を設定して前記シート本体を折り込むことで、スロット絶縁部とコア端面絶縁部の形成が同時的に実現する。
本発明では、コア端面絶縁部やスロット絶縁部が折り加工によって最終的に形に整えられるので、射出成型では困難であった、薄肉の略直角な屈曲部も簡単に作り出すことができる。本発明では、要望される略直角な屈曲部は、前記折り線に沿って略直角に折り曲げられる折り加工を適用するだけでよい。
コア絶縁部材のコア端面絶縁部を形成する少なくとも2つの面領域がスロット絶縁部から連続してコア端面上を延びるような形態の場合、その製造方法は、シート状の樹脂フィルムのシート本体に絞り成形を行うことで、少なくとも前記コア端面絶縁部のための特定面を含む絞り部を形成する絞りステップと、前記スロット絶縁部を作り出すために前記シート本体が前記スロットの断面形状に適合する断面形状となるように前記絞り部の突出方向とは逆の方向に前記シート本体を折り込む折り込みステップとを含むだけの簡単なものとすることができる。さらに具体的には、前記折り込みステップの前ステップまたは後ステップとして、所望形状のスロット絶縁部を作り出すために前記スロット絶縁部に対応する領域に対してトリミングを行うトリミングステップを含ませることができる。このように本発明によるコア絶縁部材の製造方法では、コア絶縁部材の形状に応じて非常に簡単な製造ステップによって当該コア絶縁部材を完成させることが可能となる。
本発明に係わるコア絶縁部材を備えたステータの一部分を示す平面図である。 ステータコアとコア絶縁部材を示す斜視図である。 標準形状のコア絶縁部材の製造方法を示す製造工程流れ図である。 図3の製造方法の別形態を示す製造工程流れ図である。 コア絶縁部材の第1変形例の製造方法を示す製造工程流れ図である。 コア絶縁部材の第2変形例の製造方法を示す製造工程流れ図である。 コア絶縁部材の第3変形例の製造方法を示す製造工程流れ図である。
まず、本発明に係るコア絶縁部材を用いたステータの一例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、このステータ1は、ステータコア(以下単にコアと称する)2及びコイル11を備えている。コア2は、複数枚の円環板状のヨークと呼ばれる電磁鋼板20を軸方向に積層して構成されており、略円筒形状に形成されている。コア2の内周面には、その軸方向に延びる複数のスロット3が周方向Cに分散配置される。加えて、各スロット3は径方向内方側に開口する内周開口部31を有する。各スロット3は互いに同じ断面形状であって、所定の周方向幅及び径方向深さを有している。この実施形態においては、コイル11は、その断面が略矩形状の単一の角型導線を用いた線状導体により構成されている。
図2から理解できるように、コア2の互いに隣接するスロット3間には、ティース4が形成されることになる。ティース4の径方向内方側端部には、周方向に突出する突出部がティース4の周方向の両側に設けられている。したがって、ここでのスロット3は、径方向内方側に開口する内周開口部31の周方向幅がスロット内部の周方向幅よりも狭く形成されたセミオープンスロットとなっている。スロット内部14には、コイル11が配置されて、スロット3にコイル11が巻装される。このとき、スロット3とコイル11との間にはコア絶縁部材5が配置される。
コア2は、リング状のヨーク20を積層して構成されているが、ヨーク20は、ヨーク本体部21と、当該ヨーク本体部21からヨーク20の内方に突出した多数の周方向に並んだ突起部と有し、この突起部が積層されることによりティース4が形成され、そのティース4の間にスロット3が作り出される。スロット3の径方向内側の開口部(入口)は、それより径方向外側となる内部よりも狭く形成されている。
コア絶縁部材5は、シート状の樹脂フィルムである樹脂シートからの加工品であり、樹脂シートとしての弾性を備えている。コア絶縁部材5は、スロット3に挿入された状態でスロット3をコイル11から絶縁する断面コの字状のスロット絶縁部51と、このスロット絶縁部51の両端に鍔状に外方に突き出ていることによってヨーク本体部の表面であるコア2の端面21を絶縁するコア端面絶縁部52との一体品として構成されている。
スロット絶縁部51は、スロット3の底面41に向き合う底面絶縁領域53と、スロット3の左側面つまりティース4の右側側面42に向き合うスロット左側絶縁領域54と、スロット3の右側面つまりティース4の左側側面43に向き合うスロット右側絶縁領域55とからなる。
コア端面絶縁部52は、ヨーク20の端面21に接触するヨーク絶縁領域56と、スロット3に対して左側のティース4の端面40に接触する左ティース絶縁部57と、スロット3に対して右側のティース4の端面40に接触する右ティース絶縁部58とが一体的に形成されている。
このような構成を有するコア絶縁部材5の製造方法を図3の製造工程流れ図を用いて説明する。
このコア絶縁部材5は、適用されるコア3の形状に応じて裁断された短冊状の樹脂シート50を出発材料として、プレス加工と折り加工と、必要に応じて行われるトリミング(切断)加工とを通じて製造される。以下の説明で、長手方向は短冊形状の長辺に沿った方向で、幅方向は短冊形状の短辺に沿った方向である。
まず、最終的にスロット絶縁部51となるシート本体500の長手方向の両方の外側領域においてその幅方向の中央にプレスや真空引きによる絞り加工を通じて絞り部としての矩形断面を有する凹部510が形成される(#01)。この凹部510は、シート本体500の長手方向中央側に位置する第1側面511と、第1側面511の左側の側端と接続して長手方向に延びている第2側面512と、第1側面511の右側の側端と接続して長手方向に延びている第3側面513と、第1側面511の対面としての第4側面514と、凹部510の底面としての凹部底面515とによって規定されている。この実施形態では、凹部510は、実質的には、正方体を含む直方体であり、第1側面511、第2側面512、第3側面513、第4側面514はシート本体500に直交した直交面であり、互いには隣接同士で直角に交わっている。凹部底面515はシート本体500と平行となっている。もちろん、この凹部510はこの形状に限定されるわけでなく、種々の変形が可能である。また、この凹部510を形成する絞り加工の最終段階で、あるいはこの絞り加工に続くトリミング加工により、凹部底面515が切り離される(#02)。
次に続くトリミング加工(切断加工)及び折り込み加工(折り加工)は、その順番を交換することが可能である。図3では、トリミング加工を経て折り込み加工を行う手順と、トリミング加工を経て折り込み加工を行う手順とが併記されている。まず、トリミング加工を経て折り込み加工を行う手順を説明する。トリミング加工では上記コア端面絶縁部52の形成に関して不要となる不要部分501が切り離される(#03)。ここでの不要部分501は、第4側面514を含む上記スロット絶縁部51となるシート本体500に対する長手方向の両方の外側領域(端部側領域)である。この不要部分501には、最終的に要望されるコア端面絶縁部52の形状に応じて、第2側面512及び第3側面513の一部を含めることができる。このトリミング加工を経て行われる折り込み加工では、第2側面512の延長とシート本体500との交線を折り線として幅方向でシート本体500の左側が谷折りされ、第3側面513の延長とシート本体500との交線を折り線として幅方向でシート本体500の右側が谷折りされる(#04)。いずれも、その折角度は略直角である。なお、この明細書では、凹部510が突出する側を樹脂シート50の裏面とし、その反対側を表面とし、この折り加工において表面同士が近づく折りを「谷折り」、裏面同士が近づく折りを「山折り」と定義しておく。
これとは逆に、折り込み加工を経てトリミング加工を行う手順でも、各加工は実質的には同じである。折り込み加工では、上述した不要部分501も含めて、第2側面512の延長とシート本体500との交線を折り線としてシート本体500の左側が谷折りされ、第3側面513の延長とシート本体500との交線を折り線としてシート本体500の右側が谷折りされる(#03a)。トリミング加工では、折り曲げられた不要部分502が、切り離される(#04a)。
最終加工である折り返し加工(折り加工)では、第1側面511の延長と略直角に折り込まれたシート本体500との交線を折り線として第2側面512を含むシート本体500の左側端部分が略直角の山折りで折り返され、第1側面511の延長と略直角に折り込まれたシート本体500との交線を折り線として第3側面513を含むシート本体500の右側端部分が略直角の山折りで折り返される(#05)。この折り返しにより、第2側面512と第3側面513とは第1側面511と実質的に同一平面となる。これにより、コア絶縁部材5が完成し、第1側面511は、コア端面絶縁部52のヨーク絶縁領域56となり、第2側面512と第3側面513とはそれぞれコア端面絶縁部52の左ティース絶縁部57と右ティース絶縁部58となる。また、コア端面絶縁部52以外の折り曲げられたシート本体500は、それぞれ、スロット絶縁部51の底面絶縁領域53、スロット左側絶縁領域54、スロット右側絶縁領域55となる。
上述したコア絶縁部材5の図3による製造方法は、図4に示すように、絞り加工において凹部510を長手方向の端部に一致させる製造方法を採用することにより、第4側面514が生じないようにすれば、不要部501または502をシート本体500の一部とともに切り離すトリミング加工が不要となる。つまり、図4による製造方法では、図3における#03または#04aが不要となり、製造工程が簡単化される。また、ここでも、絞り加工の最終段階で凹部底面515が切断されるような加工を行うことも可能であり、これによりその製造工程はさらに簡単化される。
〔別実施の形態〕
本発明によるコア絶縁部材製造方法は、製造すべきコア絶縁部材5の形状によって、上記した実施の形態以外に以下のような方法を含んでいる。上述した形状を有するコア絶縁部材5は基本形状であり、この基本形状をベースとして種々の変形例が以下にしめされるが、その基本形状と実質的に同じ機能を有するものには、共通の図番を付すことでその詳細な説明は省くことにする。このことは、製造工程の説明においても同様である。
(1)図5には、コア絶縁部材5の第1変形例の製造方法を示す製造工程流れ図が示されている。この第1変形例のコア絶縁部材5は、製造完了状態の図から理解できるように、コア端面絶縁部52がヨーク20の端面21に面状に接触するのではなく、端面21上で側方に広がって上方に延びている形状となっている。つまり、ヨーク絶縁領域56に相当する領域(56)はスロット絶縁部51の底面絶縁領域53の延長としてそのままヨーク20の端面21から軸方向に立ち上がる形態である。さらに、左ティース絶縁部57及び右ティース絶縁部58に相当する領域(57)及び(58)はスロット側面から離れるように斜めに延びてその後屈曲してシート本体500の長手方向に延びる形態である。左ティース絶縁部57に相当する領域からシート本体500の中央に延びている領域がスロット絶縁部51のスロット左側絶縁領域54に相当する領域となり、右ティース絶縁部58に相当する領域からシート本体500の中央に延びている領域がスロット絶縁部51のスロット右側絶縁領域55に相当する領域となる。
この第1変形例も、図5に示されているように、適用されるコア3の形状に応じて裁断された短冊状の樹脂シート50を出発材料として、絞り(プレス)加工と折り加工とトリミング(切断)加工とを通じて製造される。最初の絞り加工では、シート本体500の長手方向の両方の外側領域においてその幅方向に並んだ2つの凹部510が形成される(#10)。図3による基本形状ものと異なる点は、凹部510の第1側面511がシート本体中央側に向いた傾斜面となっていることである。なお、この絞り加工で形成された凹部510の凹部底面515は切り離されることはなく、そのまま製造完了の状態において残される。
続いて行われる折り込み加工では、左側の凹部510の第3側面513の延長とシート本体500との交線を折り線として幅方向でシート本体500の左側が谷折りされ、右側の凹部510の第2側面512の延長とシート本体500との交線を折り線として幅方向でシート本体500の右側が谷折りされる(#20)。ここでも、その折角度はそれぞれ略直角である。
続くトリミング加工では、シート本体500を縦方向で2カ所切断する縦切断とシート本体500を横方向で2カ所切断する横切断が行われる(#30)。縦切断(#31)では、左側の凹部510の第2側面512の延長とシート本体500との交線を切り取り線として縦方向でシート本体500の左側端部が不要部分として切断され、右側の凹部510の第3側面513の延長とシート本体500との交線を切り取り線として縦方向でシート本体500の右側端部が不要部分として切断される。横切断(#32)では、左右の凹部510の第4側面514を含むシート本体500に対する長手方向の両方の外側領域(端部側領域)が不要部分として切り離される。
これによって、ヨーク20の端面21上で側方に広がって上方に延びている形状のコア絶縁部材5が完成する。なお、上記折り込み加工(#20)とトリミング加工(#30)は、その順番を交換することが可能である。また、上述した基本形状の製造方法においても提案されたように、2つの凹部510を形成する絞り加工において、凹部510を長手方向の端部に一致させて形成することにより、第4側面514が生じないようにすれば、横切断(#32)によって不要部を切り離す処理が不要となる。
(2)図6には、コア絶縁部材5の第2変形例の製造方法を示す製造工程流れ図が示されている。この第2変形例のコア絶縁部材5は、製造完了状態の図から理解できるように、標準形状のコア絶縁部材5においてコア端面絶縁部52が折り返されていない状態、つまり図3における#05で示された状態のものに類似している。異なる点は、凹部底面515が残されていることと、第1変形例の凹部510と同様に凹部510の第1側面511がシート本体中央側に向いた傾斜面となっていることである。その結果、この第2変形例も前記第1変形例と同様、コア端面絶縁部52がヨーク20の端面21に面状に接触するのではなく、端面21から軸方向に延びている形状となっており、特にヨーク絶縁領域56はスロット3から遠ざかるように斜めに延びてその後屈曲して軸方向に延びる拡がり形状となっている。
従って、この第2変形例の製造方法は、図3に示されている標準形状のコア絶縁部材5の製造工程において、ステップ#02の凹部底面515の切り離し処理と、ステップ#05の折り返し処理が省略されたものと実質的に同一である。つまり、シート本体500の長手方向の両方の外側領域においてその幅方向の中央にプレスや真空引きによる絞り加工を通じて絞り部としての矩形断面を有する凹部510が形成される(#01)。その凹部510の第1側面511がシート本体中央側に向いた傾斜面となっており、この絞り加工では凹部510の凹部底面515は切り離されることはなく残される。
その後は折り込み加工と不要部分502を切り離すトリミング加工が行われる。ここでも、この順序は逆にすることができるが、ここでは折り込み加工を経てトリミング加工を行う手順を説明する。折り込み加工では、第2側面512の延長とシート本体500との交線を折り線としてシート本体500の左側が谷折りされ、第3側面513の延長とシート本体500との交線を折り線としてシート本体500の右側が谷折りされる(#03a)。続いて行われるトリミング加工では、第4側面514を含む上記スロット絶縁部51となるシート本体500に対する長手方向の両方の外側領域(端部側領域)である上記コア端面絶縁部52の形成に不要となる折り曲げられた不要部分502が切り離される(#04a)。
(3)図7には、コア絶縁部材5の第3変形例が示されている。これは標準形状のコア絶縁部材5から長手方向一端側のヨーク絶縁部52が省かれた片側形状のものである。従って、図3で示した製造方法に基づいて製造することができる。このような片側形状のものは、図5で示された第1変形例や図6で示された第2変形例のコア絶縁部材5でも同様に製造することができる。
本発明は、回転電機用電機子が備えるコアスロット領域におけるコイルと絶縁を確保するためのコア絶縁部材に利用することができる。
2 コア
3 スロット
4 ティース
11 コイル
20 ヨーク
21 ヨークの端面
40 ティースの端面
41 ティースの底面
42 ティースの左側側面
43 ティースの右側側面
5 コア絶縁部材
50 樹脂シート(樹脂フィルム)
51 スロット絶縁部
52 コア端面絶縁部
53 底面絶縁領域
54 スロット左側絶縁領域
55 スロット右側絶縁領域
56 ヨーク絶縁領域
57 左ティース絶縁部
58 右ティース絶縁部
500 シート本体
501 不要部
502 不要部
510 凹部
511 第1側面
512 第2側面
513 第3側面
514 第4側面
515 凹部底面

Claims (12)

  1. コアに巻き付けられたコイルを絶縁するために前記コアのスロットに対して絶縁するスロット絶縁部と前記コアのスロット延在方向の端面に対して絶縁するコア端面絶縁部とを有するコア絶縁部材の製造方法であって、
    シート状の樹脂フィルムのシート本体に絞り成形を行うことで、少なくとも前記コア端面絶縁部のための特定面を含む絞り部を形成する絞りステップと、
    前記スロット絶縁部を作り出すために前記シート本体が前記スロットの断面形状に適合する断面形状となるように前記絞り部の突出方向とは逆の方向に前記シート本体を折り込む折り込みステップと、
    前記コア端面絶縁部を作り出すために前記絞り部における前記特定面を折り返す折り返しステップと、
    を含むコア絶縁部材の製造方法。
  2. 前記絞りステップに、前記絞り部における底面が切り離される底面切り離しステップが含まれる請求項1に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  3. 前記折り込みステップの前ステップまたは後ステップとして、所望形状のコア端面絶縁部を作り出すために、前記絞り部の一部を含む前記シート本体の前記スロット絶縁部に対する端部側の領域に対してトリミングを行うトリミングステップが含まれる請求項1または2に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  4. 前記絞り部が第1側面と前記第1側面の一方の側端と接続する第2側面と前記第1側面の他方の側端と接続する第3側面とを有するように前記絞りステップが実施され、前記第1側面が前記コア端面絶縁部のヨーク絶縁領域となり、前記折り返しステップによって前記第2側面と前記第3側面とがそれぞれ前記コア端面絶縁部の左側ティース絶縁領域と右側ティース絶縁領域となる請求項1から3のいずれか一項に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  5. 前記絞り部が前記第1側面に対向するとともに、前記第2側面及び前記第3側面の側端に接続する第4側面も有するように前記絞りステップが実施され、前記折り返しステップの前に前記第4側面を含む前記スロット絶縁部に対する端部側の領域が前記シート本体から切り離される請求項4に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  6. 前記第1側面と前記第2側面と第3側面のうちの少なくとも1つが前記シート本体に対して直交した直交面として形成されている請求項4または5に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  7. 前記第1側面と前記第2側面と第3側面のうちの少なくとも1つが前記シート本体に対して傾斜した傾斜面として形成されている請求項4または5に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  8. 前記折り込みステップにおいて、前記第2側面及び第3側面の延長上に折り線を設定して前記シート本体が折り込まれる請求項4から7のいずれか一項に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  9. 前記折り返しステップにおいて、前記第1側面の延長上に折り線を設定して前記第2側面を含む前記特定面及び前記第3側面を含む前記特定面が折り返される請求項4から8のいずれか一項に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  10. 前記折り線に沿って略直角に折り曲げられる請求項8または9に記載のコア絶縁部材の製造方法。
  11. コアに巻き付けられたコイルを絶縁するために前記コアのスロットに対して絶縁するスロット絶縁部と前記コアのスロット延在方向の端面に対して絶縁するコア端面絶縁部とを有するコア絶縁部材の製造方法であって、
    シート状の樹脂フィルムのシート本体に絞り成形を行うことで、少なくとも前記コア端面絶縁部のための特定面を含む絞り部を形成する絞りステップと、
    前記スロット絶縁部を作り出すために前記シート本体が前記スロットの断面形状に適合する断面形状となるように前記絞り部の突出方向とは逆の方向に前記シート本体を折り込む折り込みステップと、
    を含むコア絶縁部材の製造方法。
  12. 前記折り込みステップの前ステップまたは後ステップとして、所望形状のスロット絶縁部を作り出すために前記スロット絶縁部に対応する領域に対してトリミングを行うトリミングステップが含まれる請求項11に記載のコア絶縁部材の製造方法。

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