JP2010238666A - 線材及び線材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、より安価に製造することが可能な、渦電流を低減させる渦電流低減線の製造方法を提供すること。
【解決手段】
コイルに使用される線材の製造方法において、平角素線19に3本のカッター51を有する溝形成装置50を用いて、平角素線19の平面19aに、3本の溝20を形成する第1工程と、溝20に絶縁材を注入又は挿入する第2工程と、溝20に絶縁材を有している線材20を所定の断面形状に加工する第3工程とを備えた、線材の製造方法である。
【選択図】図13
【解決手段】
コイルに使用される線材の製造方法において、平角素線19に3本のカッター51を有する溝形成装置50を用いて、平角素線19の平面19aに、3本の溝20を形成する第1工程と、溝20に絶縁材を注入又は挿入する第2工程と、溝20に絶縁材を有している線材20を所定の断面形状に加工する第3工程とを備えた、線材の製造方法である。
【選択図】図13
Description
本発明は、モータや変成器に使用されるコイル、それに用いる線材、及びその製造方法等に関する。
モーター等に用いられるコイルは、交流電流あるいはパルス電流により駆動されるので、一般に鉄損に起因する発熱が少ないこと及び渦電流による有効磁束の減少が少ないことが要求される。
この渦電流を小さくするために、細線を複数本束ね、渦電流の発生する面積を細分化することにより、渦電流を小さくする低損失コア部材を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記特許文献1の低損失コア部材は、細線を所定の長さに切り揃え、束ねた後、その外周をグラスファイバーで巻き、外周を拘束することにより作成されており、製造工程が複雑となり、時間及び費用がかかり、コストがかかっていた。
本発明は、上記従来の課題を考慮し、より安く製造することが可能な、渦電流を減少させる線材、コイル、ステータコイル、ロータコイル、変成器、及び線材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、第1の本発明は、
コイルに使用される線材において、
表面に、溝部が線材方向に沿って形成されていることを特徴とする、線材である。
コイルに使用される線材において、
表面に、溝部が線材方向に沿って形成されていることを特徴とする、線材である。
又、第2の本発明は、
前記溝部は、複数本形成されている、第1の本発明の線材である。
前記溝部は、複数本形成されている、第1の本発明の線材である。
又、第3の本発明は、
前記溝部には、前記線材とは異なった部材が挿入されている、第1の本発明の線材である。
前記溝部には、前記線材とは異なった部材が挿入されている、第1の本発明の線材である。
又、第4の本発明は、
前記異なった部材とは、絶縁材である、第3の本発明の線材である。
前記異なった部材とは、絶縁材である、第3の本発明の線材である。
又、第5の本発明は、
前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、くさび形である、第1の本発明の線材である。
前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、くさび形である、第1の本発明の線材である。
又、第6の本発明は、
前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、矩形である、第1の本発明の線材である。
前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、矩形である、第1の本発明の線材である。
又、第7の本発明は、
前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に向かって形成されている、第5又は6の本発明の線材である。
前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に向かって形成されている、第5又は6の本発明の線材である。
又、第8の本発明は、
前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に対して逸れた状態で形成されている、第5又は6の本発明の線材である。
前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に対して逸れた状態で形成されている、第5又は6の本発明の線材である。
又、第9の本発明は、
前記溝部は、前記線材方向に沿って、らせん形状に形成されている、第1の本発明の線材である。
前記溝部は、前記線材方向に沿って、らせん形状に形成されている、第1の本発明の線材である。
又、第10の本発明は、
前記複数本の溝部は、交差している箇所を有している、第2の本発明の線材である。
前記複数本の溝部は、交差している箇所を有している、第2の本発明の線材である。
又、第11の本発明は、
前記線材は平角線であり、線材方向に厚みと巾が変化している、第1の本発明の線材である。
前記線材は平角線であり、線材方向に厚みと巾が変化している、第1の本発明の線材である。
又、第12の本発明は、
前記線材は、高周波用の線材である、第1の本発明の線材である。
前記線材は、高周波用の線材である、第1の本発明の線材である。
又、第13の本発明は、
第1の本発明の線材を複数回、捲き回した、コイルである。
第1の本発明の線材を複数回、捲き回した、コイルである。
又、第14の本発明は、
第11の本発明の線材を複数回、巻き回したコイルであって、断面形状が実質上台形形状のコイルである。
第11の本発明の線材を複数回、巻き回したコイルであって、断面形状が実質上台形形状のコイルである。
又、第15の本発明は、
複数のコアを有する実質上円筒形状のステータと、
前記コアに配置される、複数の第13又は14の本発明のコイルとを備えた、ステータコイルである。
複数のコアを有する実質上円筒形状のステータと、
前記コアに配置される、複数の第13又は14の本発明のコイルとを備えた、ステータコイルである。
又、第16の本発明は、
複数のコアを有するロータと、
前記コアに配置される、複数の第13又は14の本発明のコイルとを備えた、ロータコイルである。
複数のコアを有するロータと、
前記コアに配置される、複数の第13又は14の本発明のコイルとを備えた、ロータコイルである。
又、第17の本発明は、
第13又は14の本発明のコイルと、
コアとを備えた、変成器である。
第13又は14の本発明のコイルと、
コアとを備えた、変成器である。
又、第18の本発明は、
コイルに使用される線材の製造方法において、
線材に溝部を形成する第1工程と、
前記溝部に絶縁材を注入又は挿入する第2工程と、
前記溝部に前記絶縁材を有している前記線材を所定の断面形状に加工する第3工程とを備えたことを特徴とする、線材の製造方法である。
コイルに使用される線材の製造方法において、
線材に溝部を形成する第1工程と、
前記溝部に絶縁材を注入又は挿入する第2工程と、
前記溝部に前記絶縁材を有している前記線材を所定の断面形状に加工する第3工程とを備えたことを特徴とする、線材の製造方法である。
本発明によれば、より安く製造することが可能な、渦電流を減少させる線材、コイル、ステータコイル、ロータコイル、変成器、及び線材の製造方法を提供することが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1(a)、(b)は、本発明にかかる実施の形態1における電線部材の正面図及び断面図である。
図1(a)、(b)は、本発明にかかる実施の形態1における電線部材の正面図及び断面図である。
図1は、本発明の線材の一例である電線部材として、丸線1を示しており、その中心軸を1aとする。この丸線1には、その表面に中心軸1aに沿って4本の溝2が形成されている。この溝2は、中心軸1aと実質上直行する断面形状がくさび形であり、その深さ方向が中心軸1aに向かって形成されている。又、4本の溝2のそれぞれの深さ方向と中心軸1aを結ぶ線が、中心軸1aを中心にして、90度間隔になるように4本の溝は形成されている。
この丸線1の材料としては、銅等の導電性の材料を選択することが可能である。この溝2には、丸線1の材料とは異なった材料を挿入又は注入されていてもよい。この異なった材料としては、丸線1の材料とは、抵抗値の異なった材料を選択することが出来る。例えば、丸線1の材料として、銅を用いた場合には、溝2に挿入又は注入される材料としては、アルミニウム等を選択することが出来る。このように異なった抵抗値の材料を挿入することによって表皮面積を増すことが可能となる。
更に、異なった材料として絶縁材を選択することも可能である。このように絶縁材を選択することによって、電線部材の断面積が分割され、渦電流の発生を抑制することが可能となる。
又、図1に示す電線部材の溝の断面形状は、くさび形であるが、この形状に限らず、例えば図2(a)の正面図及び(b)の断面図に示すような、矩形状の溝3であってもよい。
更に、図3に示すような断面形状であってもよい。図3(a)は、正面図を、図3(b)は断面図を示している。図3に示す溝4は、図2の溝3と異なり深さ方向が中心軸1aに向かって形成されていない。図3(b)の断面図に示すように、溝4の入り口部を4aとすると、入り口部4aと中心軸1aを結ぶ線と、深さ方向4bによって、所定の角度θが形成されている。尚、4本の溝とも同一方向に角度θを有している。本発明の軸に対して逸れた状態で形成されている矩形の断面形状の一例は、溝4に相当する。この溝4は上述した、くさび形状であってもよい。
尚、本実施の形態1で説明した溝の形状及び本数に限らなくてもよく適宜変更可能であり、例えば図1に示す溝の本数を8本とし、等間隔に設けてもよい。
(実施の形態2)
以下に、本発明にかかる実施の形態2の電線部材について説明する。本実施の形態2において示す、本発明の一例である電線部材は、実施の形態1の丸線と異なり平角線であり、基本的な構成は同じである。
以下に、本発明にかかる実施の形態2の電線部材について説明する。本実施の形態2において示す、本発明の一例である電線部材は、実施の形態1の丸線と異なり平角線であり、基本的な構成は同じである。
図4(a)は、本実施の形態2における電線部材の正面図である。又、図4(b)は、本実施の形態2における電線部材のXX´間の矢印方向を見た断面図である。図4に示す電線部材は、平角線5であり、幅5aと厚さ5bを有している。平角線5の幅5aを有する一方の平面5cに2つの溝6a、6bが、その深さ方向が平面と実質上垂直になるように形成されており、他方の平面5dに溝6cが、その深さ方向が平面と実質上垂直になるように形成されている。
又、溝6a、6b及び6cは、平角線5の線材方向と実質上平行に形成されており、その断面形状がくさび形である。溝6cが幅5aの実質上中央に形成されており、溝6a及び6bが、溝6cと平角線5の両端との間に形成されている。
このような溝部分に、実施の形態1で説明したのと同様に、アルミニウムや、絶縁材等を注入又は挿入することが出来る。
次に、溝の形状、形成位置、及び本数を変化させた変形例について以下に説明する。尚、以下の図5〜11は、全て図4と同じ方向を見た断面図である。
図5(a)、(b)は、図4(a)、(b)で説明した平角線5に対して、厚さが5b1と厚くなり、その厚さ5b1を有する両端面5e、5fに溝6d及び6eを更に形成した電線部材の正面図と断面図である。この溝6d及び6eは、厚さ5b1の実質上中央に、端面に対して、その深さ方向が垂直になるように形成されている。
又、図6(a)、(b)は、図4(a)、(b)で説明した3本の溝の代わりに、レーザーによって切り込み7a、7b、7cを入れた状態を示した正面図と断面図である。尚、レーザーによる切り込みに代わり、ワイヤーカットによる切り込みであってもよい。
又、図7(a)、(b)は、くさび形状の2本の溝8を平角線5の線材方向に沿ってらせん状に形成した電線部材の正面図及び断面図である。(b)は(a)のWW´間の矢印方向を見た側断面図である。又、溝8の深さ8aは平角線5の厚み5bの半分よりも深くなっているが、浅くてもよい。
又、図8(a)の正面図及び図8(b)の断面図に示す電線部材のように、図4(a)、(b)で説明した電線部材において、断面がくさび形状の溝6a、b、cの代わりに、矩形状の溝10a、b、cが形成されていてもよい。
又、図9(a)の正面図及び図9(b)の断面図に示す電線部材のように、図5(a)、(b)で説明した電線部材において、断面がくさび形状の溝6a、b、c、d、eの代わりに、矩形状の溝11a、b、c、d、eが形成されていてもよい。
又、図10(a)の正面図及び図10(b)の断面図に示す電線部材のように、図7(a)、(b)で説明した電線部材において、断面がくさび形状の溝8の代わりに、矩形状の溝12が形成されていてもよい。
尚、本実施の形態2で説明した溝の形状及び本数に限らなくてもよく適宜変更可能である。
又、実施の形態1及び2において、複数本の溝が互いに交差していてもよい。
(実施の形態3)
以下に、本発明にかかる実施の形態3における線材の製造方法について説明する。
以下に、本発明にかかる実施の形態3における線材の製造方法について説明する。
図16は、本発明の実施の形態3における線材の製造方法を説明するための図である。
図16(a)は、ダイス28によって丸素線27に溝を形成している状態の正面図である。図16(b)は、(a)の矢印方向を見た図である。図16(c)は(a)の矢印方向を見たダイスの内形形状を示す図である。このダイス28によって図1に示した丸線1の溝2が形成される。
図16(a)〜(c)に示すように、ダイス28は丸素線60を通過させる貫通孔である線材通過部29を備えている。この線材通過部29は、丸素線60の断面形状と実質上同一形状の線材挿入口30と、線材挿入口30より小さい線材出口31とを有している。又、図16(c)に示すように、図1で説明した、くさび形状の4本の溝2を形成するための溝形成部32が形成されている。
ダイス28の線材挿入口30に本発明の線材の一例である丸素線60を挿入し、矢印方向に引き抜くことによって、丸素線60はプレスされながら、図1に示す形状の溝2が形成される(本発明の第1工程の一例に相当する。)。
次に、溝2に絶縁フィルムを挿入する(本発明の第2工程の一例に相当する。)。
次に、絶縁フィルムが挿入された丸素線60を、その外径より少し小径のダイスに通すことによって、ダイスからの圧力で溝2と絶縁フィルムの間にあった隙間がなくなる(本発明の第3工程の一例に相当する。)。
上記のように本発明の線材の製造方法は、ダイスで溝を形成し、絶縁フィルムを挿入し、再度プレスするだけでよく、従来のように細線を束ねたり拘束するような複雑な工程を必要としないため、コストを抑えることが出来る。
又、絶縁フィルムを溝に挿入した後、ダイスによって更に加工を加え、溝と絶縁フィルムの間にあった隙間をなくすことによって、導体の密度が上がり導体の単位面積が増える。
尚、本実施の形態3では、絶縁フィルムを用いたが、絶縁材料や、実施の形態1で説明した線材と抵抗値の異なる材質を溝18に挿入又は注入してもよい。
又、本実施の形態3では、溝の形成時に線材をプレスしていたが、プレスせずに単に溝を形成するだけでもよい。
又、本実施の形態3では、溝2に絶縁フィルムの挿入された丸素線60から、それより小径の丸線を製造したが、ローラープレスすることによって平角線を製造しても良い。この場合も、ローラープレスによって溝と絶縁フィルムの間にあった隙間がなくなるため、導体の密度が上がり導体の単位面積が増える。尚、上記ダイスによる線材の引き抜きやローラープレスによる加工は、既成方法であり図示していない。
尚、絶縁フィルムは、第3工程後には線材内に封止されていてもよい。
又、本実施の形態3では、丸素線60に溝2を形成する方法について述べたが、図15に示すように平角素線23に溝を形成してもよい。
図15(a)は、ダイス22によって平角素線23に溝を形成している状態の正面図である。図15(b)は、(a)の矢印方向を見た図である。図15(c)は、(a)の矢印方向を見たダイスの内形形状を示す図である。このダイス22によって図4に示した形状の溝6a、6b、6cを有する平角線5が作成される。
図15(a)〜(c)に示すように、ダイス22は、平角素線23を通過させる貫通孔である線材通過部24を備えており、その線材通過部24は、平角素線23の断面形状と実質上同一形状の線材挿入口25と、線材挿入口25より小さい線材出口26とを有している。又、図4に示した断面がくさび形状の溝6a、6bを形成するための溝形成部27a、27bが、線材通過部24の上面から下方に向かって形成されている。更に、溝6cを形成するための溝形成部27cが、線材通過部24の下面から上方に向かって形成されている。図15(a)に示す矢印方向に平角素線23を移動させることにより、溝形成部27a、b、cによって溝6a、b、cが形成されるとともに断面形状が線材出口26の大きさに合わせて小さくなり、図4に示した平角線5が形成されることになる。
尚、このダイス28の内径に形成されている溝形成部32は、丸素線27の進行方向に対して並行に形成されている。この溝形成部32を進行方向に対して斜めに形成し、その斜めの方向に線材を回転させながら引くことによって線材方向に沿ってらせん状に溝を形成することが出来る。このらせん状の溝が形成された丸素線を平角線に加工することによって図7に示した溝8が形成された平角線を成形することが出来る。
又、図11及び図13に示すような、ローラー又はカッターを用いて溝を形成してもよい。
図11(a)及び(b)は、平角素線に断面がくさび形状の溝を形成するために用いるローラーの正面図及び側面図である。図11に示す、上下一対のローラー13、14によって溝が形成される。このローラー13とローラー14の間は、平角素線を挿入するための挿入口15を形成している。また、ローラー13には4本の溝形成部16がローラー13の表面に沿って設置されている。又、4本の溝形成部のそれぞれの間に位置するように、ローラー14の表面に沿って3本の溝形成部17が設置されている(S部拡大図である図11(c)参照)。この溝形成部16と溝形成部17は同一形状である。
この挿入口15に線材を挿入することによって、線材はプレスされながら、図12に示される形状の溝18が形成することが出来る。
図13(a)及び(b)は、溝形成に用いる溝形成装置50の要部及び加工される平角素線19の正面図及び側面図である。又、図13(c)は、(a)のT部拡大図である。この平角素線19は、本発明の線材の一例である。
図13(a)に示す溝形成装置50は、平角素線19の幅を保持する1対の円柱形状の保持部材52と、保持部材52の間に位置する3枚のカッター51と、これらのカッター51を保持部材52間に固定する4つのカラー53とを備えている。3枚のカッター51の幅は、カラー53によって支持されている。尚、このカッター51は、矩形状の溝を形成するものである。
図13(a)、(b)に示すように溝形成装置50の保持部材52の間に、図14(a)に示す断面形状の平角素線19を配置する。そして、図13(b)に示す矢印方向に平角素線19を引くことにより、図14(b)に示すように、片方の平面19aにカッター51に対応した溝20が形成される。
次に、平面19aに対向する平面19bを表に向け、2枚のカッターを有する溝形成装置を用いることによって、平面19bに2つの溝21が形成される。尚、この2本の溝21は、3本の溝20の間に位置するように形成されている。
尚、このカッター51としては、ダイヤモンドカッター等を用いることが出来る。
又、溝形成装置50では、図13(c)に示すように、平角素線19とカラー53の間に隙間Lを持たせることによって図11のローラーと異なり、線材をプレスせずに溝を形成することが出来る。
(実施の形態4)
以下に、本発明にかかる実施の形態4におけるコイルについて説明する。本実施の形態4のコイルは、実施の形態1において説明した電線部材を捲き回すことにより形成したものである。
以下に、本発明にかかる実施の形態4におけるコイルについて説明する。本実施の形態4のコイルは、実施の形態1において説明した電線部材を捲き回すことにより形成したものである。
図17(a)、(b)は、図4に示した平角線5の溝6cが形成されていない平角線33を捲き回したコイルの側面図と正面図である。又、図17(c)は、(a)に示すu部拡大図である。又、図17(d)は、平角線33の断面図である。図17(d)に示すように、平角線33は、図4と同様の断面がくさび形状の溝33a、bを有している。この溝33a、33bが形成されている面を面33cとし、左右の端面を33d、33eとする。図17(a)、(b)、(c)に示すコイルは、平角線33が、面33cを外向きにして、端面33dが端面33eと対向するように捲き回されて形成されたものである。尚、面33cが内向きであってもよい。
又、図18(a)、(b)は、図4に示した平角線5を捲き回したコイルの側面図及び正面図である。又、図18(c)は、(a)に示すv部拡大図である。又、図18(d)は、平角線5の断面図である。図18(d)に示すように、端面を5e、5fとすると、このコイルは、端面5fが外側、端面5eが内側になり、平面5cと5dが対向するように捲き回されて形成されたものである。尚、端面5eが内側、端面5fが外側であってもよい。
上記コイルを作成する線材としては、上記平角線に限らず実施の形態2で述べた平角線を適宜用いることが可能である。又、いうまでもなく、実施の形態1で説明した丸線でコイルを形成してもよい。
尚、巾と厚みが線材の長さ方向に変化している電線部材を用いてコイルを作成してもよい。図19(a)は線材の長さ方向に巾と厚みが変化している電線部材の平面図であり、図19(b)は断面図である。図19(a)、(b)に示す平角線34を捲き回したコイルの平面図が図20(a)であり、側面図が図20(b)である。図19に示す平角線34は、図8の平角線5と同様の矩形状の溝35a、35b、35cを有しており、幅35dが連続的に小さくなるとともに、厚み35eは厚くなっており、任意の箇所における線材方向に対して垂直な断面積は同一になるように構成されている。図20(a)、(b)に示されているコイルは、図18で述べたのと同様に、平角線34を、幅35dを有する平面同士が対向するように捲き回したものである。
図21(a)は、図19において説明したコイル36の模式図の正面図であり、図21(b)は上断面図である。図21(b)に示すように、本構成のコイルの断面図は実質上台形形状となっている。又、図22(a)、(b)、(c)は、それぞれステータコア37の正面図、上面図、及び側面図を示している。又、ステータコア37に図21のコイルが実装されたステータコイルの平面図が、図23である。尚、図21〜23において、溝35a、35b、35cは図示していない。
尚、図21のコイルを、ステータの内周表面に向かって、ローターの外周表面に形成された複数のコアに実装することによって、ローターコイルに適用してもよい。又、図21のコイルに限らず、図17及び図18で説明したコイルをステータコイル及びローターコイルに用いても良いし、実施の形態1及び2で説明した線材を用いたコイルを適用してもよい。又、これらのコイルを変成器に適用しても良い。
本発明の線材、コイル、ステータコイル、ロータコイル、変成器、及び線材の製造方法によれば、より安く製造することが可能な、渦電流を減少させる線材及びその製造方法を提供することが出来、コイル、ステータコイル、ロータコイル、変成器等として有用である。
1 丸線
1a 中心軸
2、3、4 溝
4a 入り口部
4b 深さ方向
5 平角線
5a 幅
5b 厚さ
6a、6b、6c、6d、6e 溝
1a 中心軸
2、3、4 溝
4a 入り口部
4b 深さ方向
5 平角線
5a 幅
5b 厚さ
6a、6b、6c、6d、6e 溝
Claims (18)
- コイルに使用される線材において、
表面に、溝部が線材方向に沿って形成されていることを特徴とする、線材。 - 前記溝部は、複数本形成されている、請求項1記載の線材。
- 前記溝部には、前記線材とは異なった部材が挿入されている、請求項1記載の線材。
- 前記異なった部材とは、絶縁材である、請求項3記載の線材。
- 前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、くさび形である、請求項1記載の線材。
- 前記溝部の、前記線材方向に実質上直交する方向における断面形状が、矩形である、請求項1記載の線材。
- 前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に向かって形成されている、請求項5又は6記載の線材。 - 前記線材は、丸線であり、
前記溝部の、前記くさび形又は矩形の断面形状は、前記線材の軸に対して逸れた状態で形成されている、請求項5又は6記載の線材。 - 前記溝部は、前記線材方向に沿って、らせん形状に形成されている、請求項1記載の線材。
- 前記複数本の溝部は、交差している箇所を有している、請求項2記載の線材。
- 前記線材は平角線であり、線材方向に厚みと巾が変化している、請求項1記載の線材。
- 前記線材は、高周波用の線材である、請求項1記載の線材。
- 請求項1記載の線材を複数回、捲き回した、コイル。
- 請求項11記載の線材を複数回、巻き回したコイルであって、断面形状が実質上台形形状のコイル。
- 複数のコアを有する実質上円筒形状のステータと、
前記コアに配置される、複数の請求項13又は14記載のコイルとを備えた、ステータコイル。 - 複数のコアを有するロータと、
前記コアに配置される、複数の請求項13又は14記載のコイルとを備えた、ロータコイル。 - 請求項13又は14記載のコイルと、
コアとを備えた、変成器。 - コイルに使用される線材の製造方法において、
線材に溝部を形成する第1工程と、
前記溝部に絶縁材を注入又は挿入する第2工程と、
前記溝部に前記絶縁材を有している前記線材を所定の断面形状に加工する第3工程とを備えたことを特徴とする、線材の製造方法。
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