JP2010238665A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 負極活物質としてシリコン酸化物を用いた場合には、初回の充放電における不可逆容量が大きくなることがあり、電池容量が減少してしまう。また、負極の利用率を制限する場合も、電池の容量密度が低下してしまう。
【解決手段】 負極集電体上にシリコンと酸素を含む薄膜を負極活物質としてスパッタリング法により堆積した負極と正極と電解質を備えたリチウム二次電池であって、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質の酸素含有量は、シリコンと酸素の和に対して15質量%以上30質量%以下の範囲であり、負極の最大利用率は、50%以上70%以下の範囲内であることを特徴とするリチウム二次電池を用いる。
【選択図】 図7
【解決手段】 負極集電体上にシリコンと酸素を含む薄膜を負極活物質としてスパッタリング法により堆積した負極と正極と電解質を備えたリチウム二次電池であって、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質の酸素含有量は、シリコンと酸素の和に対して15質量%以上30質量%以下の範囲であり、負極の最大利用率は、50%以上70%以下の範囲内であることを特徴とするリチウム二次電池を用いる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、構成元素としてケイ素(Si)を含む負極活物質層を有するリチウム二次電池に関する。
近年、高出力及び高エネルギー密度を実現する二次電池として、リチウム二次電池の研究がなされている。リチウム二次電池は、非水電解液が用いられ、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させることにより、充放電を行う。このようなリチウム二次電池の負極活物質として、シリコンやゲルマニウム、スズ等のリチウムと合金化することにより、リチウムを吸蔵する材料が検討されている。この中でもシリコンを含んだものは、理論容量が大きいため、高い容量を示す電池用負極として有望である。
しかし、リチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたリチウム二次電池においては、充放電に伴って負極活物質の膨張収縮が生じるため、負極活物質と集電体との接触不良が生じ、充放電サイクル寿命が低下する場合がある。そこで、充放電にともなう負極活物質の体積変化を抑制するために、特許文献1及び2には、負極活物質にシリコン酸化物を用いることや、負極の利用率(負極に吸蔵させるリチウムの量)を制限することが記載されている。
特許文献3には、リチウム二次電池用負極を作製する方法として、シリコン等を負極活物質として用い、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などの薄膜形成方法により、集電体上に微結晶や非晶質材料を形成することが記載されている。
負極活物質としてシリコン酸化物を用いた場合には、初回の充放電における不可逆容量が大きくなることがあり、電池容量が減少してしまう。また、負極の利用率を制限する場合も、電池の容量密度が低下してしまう。したがって、本発明が解決しようとする課題は、シリコン酸化物を負極活物質に用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル寿命の改善を図ると共に、容量密度の低下が抑制された リチウム二次電池を提供することである。
本願に係る発明は、リチウム二次電池に係る発明であって、負極集電体上にシリコンと酸素を含む薄膜を負極活物質としてスパッタリング法により堆積した負極と正極と電解質を備えたリチウム二次電池であって、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質の酸素含有量は、シリコンと酸素の和に対して15質量%以上30質量%以下の範囲であり、負極の最大利用率は、50%以上70%以下の範囲内であることを特徴とする。ただし、負極の最大利用率とは、リチウム二次電池の満充電状態において負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する量をAとし、負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する最大量をBとした場合における、Bに対するAの割合(A/B)である。
集電体上にシリコンと酸素を含む薄膜を活物質としてスパッタリング法により堆積した負極を備えたリチウム二次電池においては、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質が、充放電前にシリコンと酸素の和に対して15質量%以上の酸素を含有している場合、負極の最大利用率60%近傍において、その充放電サイクル寿命が最大となる。したがって、このようなリチウム二次電池においては、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質の酸素含有量をシリコンと酸素の和に対して15質量%以上とし、負極の最大利用率を50%以上70%以下の範囲内とすることで、充放電サイクル寿命が優れたリチウム二次電池とすることができる。
また、リチウム二次電池の初回充放電前における負極活物質の酸素含有量がシリコンと酸素の和に対して30質量%を超えると、電池の容量密度を高くすることが困難となる。
本願に係る発明の別の態様としては、上述のリチウム二次電池において、負極活物質が、リチウム二次電池の初回充放電前にリチウムを含有していることを特徴とする。
本願に係る発明の別の態様としては、上述のリチウム二次電池において、負極活物質の最大充電容量が、負極活物質の面積1cm2かつ充放電前の負極活物質の厚み1μmに対し0.6mAh/cm2・μm以上であることを特徴とする。
集電体上に前記負極活物質薄膜を堆積する方法として、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などの薄膜形成法があるが、負極活物質薄膜をスパッタリング法により形成することで、負極活物質の最大充電容量を、0.6mAh/cm2・μm以上に制御することができる。
本発明によれば、シリコン酸化物を負極活物質層として用いたリチウム二次電池において、充放電サイクル特性に優れ、かつ容量密度の低下が抑制されたリチウム二次電池とすることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
<実験1>
1.負極の作製
負極集電体として、電解法により表面が粗面化されたC7025合金圧延箔を用いた。
粗面化前の圧延箔の厚みは、18μmであり、粗面化された後の圧延箔の厚みは、28μmであった。尚、合金圧延箔の表面は、電解法にて銅を析出させることにより粗面化される。レーザー顕微鏡により負極集電体表面の算術平均粗さRaを測定したところ、Raは、0.6μmであった。
1.負極の作製
負極集電体として、電解法により表面が粗面化されたC7025合金圧延箔を用いた。
粗面化前の圧延箔の厚みは、18μmであり、粗面化された後の圧延箔の厚みは、28μmであった。尚、合金圧延箔の表面は、電解法にて銅を析出させることにより粗面化される。レーザー顕微鏡により負極集電体表面の算術平均粗さRaを測定したところ、Raは、0.6μmであった。
負極活物質は、シリコンと酸素とを含んでいる。スパッタリング法もしくは電子ビーム蒸着法により、負極集電体の両面にシリコンと酸素とを含む活物質薄膜を形成し、負極を作成した。
尚、負極集電体は、リチウムと合金化しない金属を用いることが好ましい。このような金属としては、銅や銅を含む合金、ニッケルやステンレスなどが挙げられる。また、集電体として、これらの材料のうち2種以上を積層したものを用いることもできる。
また、表面が粗面化された負極集電体を用いることにより、活物質層と負極集電体との接触面積を増加させることができるため、充放電サイクル中において、柱状に分離された活物質層と負極集電体との密着状態を良好に保つことができる。なお、Raは、日本工業規格(JISB0601−1994)に定められており、例えば、表面粗さ計によっても測定することができる。
(1)スパッタリング法
スパッタリング法により、負極1〜10を作成した。
スパッタリング法により、負極1〜10を作成した。
スパッタリング中の酸素ガスとアルゴンガスの供給量を変えることにより、薄膜の酸素含有量を変えることができる。また、スパッタリング時間を変えることで、活物質層の厚みを変えることができる。表1および表2には、スパッタリング条件を示した。スパッタリング法では、DCパルス電源と、ターゲットと対向する直径700mmの回転ドラムを備えたスパッタリング装置を用いた。 ターゲットには、比抵抗0.01Ω・cmのボロンドープ単結晶シリコンを使用した。
(2)電子ビーム蒸着法
電子ビーム蒸着法により、負極11と12を作成した。
電子ビーム蒸着法により、負極11と12を作成した。
蒸着装置は、巻き取り式の電子ビーム蒸着装置を使用した。蒸着材料として、純度99.99%の単結晶シリコンを用いた。集電体走行速度は、負極11を0.20m/minとし、負極12を0.26m/minとした。集電体の走行速度を変えることにより、活物質の厚みを変えることができる。表3には、電子ビーム蒸着条件を示した。
なお、原料として酸素を用いていないが、成膜後のシリコン薄膜が空気と反応することにより薄膜中に酸素が取りこまれ、活物質薄膜が形成される。
2.酸素含有量の評価
負極1〜12の酸素含有量を評価した。
負極1〜12の酸素含有量を評価した。
まず、LECO社RO−600型酸素分析装置を用いて、10mm×20mmの大きさに切り抜いた負極1〜12の酸素含有量(質量)を測定した。次に、集電体を20mm×100mmの大きさに切り抜き、それぞれ秤量した。そして、負極1〜12と活物質薄膜が形成されていない集電体との質量差から、負極活物質の質量を算出した。酸素含有量と負極活物質の質量から、負極活物質の酸素含有量(質量%)を算出した。表4に、負極活物質の酸素含有量(質量%)を示した。
3.最大充電容量の評価
(1)3極式セルの作製
作用極14は、20mm×20mmの大きさの負極1〜12にニッケルからなるリード線を取り付けた後、真空下において110℃で2時間乾燥させたものを用いた。電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解させたものを用いた。
(1)3極式セルの作製
作用極14は、20mm×20mmの大きさの負極1〜12にニッケルからなるリード線を取り付けた後、真空下において110℃で2時間乾燥させたものを用いた。電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解させたものを用いた。
図1は、三極式のビーカーセル(3極式セル)の模式図である。3極式セルは、容器11に電解液12を入れ、これに対極13、作用極14および参照極15を浸漬することにより作製される。対極13と参照極15には、リチウム金属を用いている。
(2)最大充電容量の評価
3極式セルを、室温にて、作用極の電位が0(V vs.Li/Li+)に達するまで0.25mA/cm2の定電流で充電し、最大充電容量を測定した。最大充電容量は、負極活物質に吸蔵されるリチウムの最大量に相当するものであり、金属リチウムに対する負極の電位が0Vになるまで電流を流したときの充電容量である。なお、ここでは、作用極の還元を充電としている。
3極式セルを、室温にて、作用極の電位が0(V vs.Li/Li+)に達するまで0.25mA/cm2の定電流で充電し、最大充電容量を測定した。最大充電容量は、負極活物質に吸蔵されるリチウムの最大量に相当するものであり、金属リチウムに対する負極の電位が0Vになるまで電流を流したときの充電容量である。なお、ここでは、作用極の還元を充電としている。
表4には、負極活物質の面積1cm2に対する最大充電容量と、負極活物質の面積1cm2かつ充放電前の活物質厚み1μmに対する最大充電容量を示した。
4.活物質薄膜の厚みの評価
まず、負極作製の際に、表面の一部をテープで覆ったシリコンウェーハを集電体に貼り付けた状態で活物質薄膜を形成し、薄膜形成後にテープを剥がした。テープで覆っていた領域と覆っていなかった領域の段差を段差計により測定し、この差を活物質薄膜の厚みとした。表4に活物質薄膜の厚み(μm)を示した。
まず、負極作製の際に、表面の一部をテープで覆ったシリコンウェーハを集電体に貼り付けた状態で活物質薄膜を形成し、薄膜形成後にテープを剥がした。テープで覆っていた領域と覆っていなかった領域の段差を段差計により測定し、この差を活物質薄膜の厚みとした。表4に活物質薄膜の厚み(μm)を示した。
負極1、2の活物質薄膜は、酸素を供給せずに形成した。負極1、2の活物質に含まれる0.9質量%の酸素は、スパッタリング法で形成されたシリコン膜に不純物として含まれるレベルの量である。 なお、表4には示していないが、活物質薄膜を形成していない集電体の酸素含有量は、負極1および2の酸素含有量の1/30未満の量である。したがって、負極1から12に含まれる酸素の大部分は、活物質薄膜中に存在するものと考えられる。
スパッタリング法で形成した負極1から10は、スパッタリング時の酸素供給量の増加に伴い、酸素含有量と活物質薄膜の厚みが増加している。
5.サイクル特性の評価
(1)負極の作製
負極1〜12を横30mm、縦25mmの大きさに切り抜き、横方向の端部に負極タブとなるニッケル平板を取り付けた。
5.サイクル特性の評価
(1)負極の作製
負極1〜12を横30mm、縦25mmの大きさに切り抜き、横方向の端部に負極タブとなるニッケル平板を取り付けた。
(2)正極の作製
LiCoO2で表されるリチウムコバルト複合酸化物(平均粒子径13μm)の表面にジルコニウムが固着されたものを正極活物質として用いた。具体的には、Li2CO3、Co3O4とZrO2とを石川式らいかい乳鉢で混入し、その後、空気雰囲気中で850℃、24時間熱処理した後、粉砕したものを正極活物質として用いた。
LiCoO2で表されるリチウムコバルト複合酸化物(平均粒子径13μm)の表面にジルコニウムが固着されたものを正極活物質として用いた。具体的には、Li2CO3、Co3O4とZrO2とを石川式らいかい乳鉢で混入し、その後、空気雰囲気中で850℃、24時間熱処理した後、粉砕したものを正極活物質として用いた。
分散剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに、正極活物質と、導電剤としての炭素材料粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、活物質:導電剤:結着剤の重量比が94:3:3となるように加えた後、これを混練して、正極合剤スラリーを作製した。
正極集電体としての厚み15μmのアルミニウム箔の片面に正極合剤スラリーを塗布し、乾燥した後、圧延したものを正極極板とした。正極極板を横50mm、縦20mmの大きさに切り抜き、横方向の中央部分の10mm幅の領域の正極合剤層を剥離し、剥離部分に正極タブとしてアルミニウム平板を取り付けた。
なお、正極集電体上の正極合剤層量は、作製する電池における負極の最大利用率を変えるため、表5に示す11〜24mg/cm2の範囲で調整した。また、充填密度は、3.75g/cm3とした。
(3)電解液の作製
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネートを体積比27:63:10で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させたものを電解液として用いた。
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネートを体積比27:63:10で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させたものを電解液として用いた。
(4)電池の作製
負極1〜12と正極合剤層量の異なる正極との組み合わせにより、35種類の電池を作製した。
負極1〜12と正極合剤層量の異なる正極との組み合わせにより、35種類の電池を作製した。
具体的には、まず、アルミニウムからなる金属シートの両面をポリプロピレンからなる樹脂で被覆したラミネートフィルムを用いて、電池容器4を作製した。そして、図2に示すように、負極活物質1aと正極活物質2aがセパレーター3を介して対向するように、負極1の両面を正極2で挟み、この状態のまま電池容器4に収納した。なお、1bは、負極集電体であり、2bは、正極集電体である。電池容器4の外部に負極タブ1 c 及び正極タブ2 c を取り出し、電池容器4の内部に電解液600μlを注入した後、電池容器4を熱融着させて封止し、リチウム二次電池を作製した。なお、正極と負極の対向面積は
8cm2とした。
8cm2とした。
(5)充放電試験(充放電サイクル寿命の評価)
各リチウム二次電池について、以下の手順により、充放電試験を行った。
各リチウム二次電池について、以下の手順により、充放電試験を行った。
まず、各電池について初回の充放電を行った。初回の充放電は、各電池を室温において、表5に示す電流値で4.2Vになるまで充電(定電流充電)し、続けて4.2Vに保持したまま表5に示す充電停止電流値になるまで充電(定電圧充電)した後、表5に示す電流値で2.75Vになるまで放電(定電流放電)した。なお、各電池が初回の充放電における単位面積に対する充電容量が、満充電状態において、負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する量に相当する。
次に、定電流充電および放電における電流値を、各電池が初回の充放電における放電容量を1時間で使い切るのに相当する電流値に変更し、定電圧充電における充電停止電流値を、各電池が初回の充放電における放電容量を20時間で使い切るのに相当する電流値に変更し、初回の充放電と同様の手順にて2サイクル目以降の充放電サイクルを行った。各電池について、2サイクル目の放電容量を100とした場合の容量維持率(%)を求め、容量維持率が70%未満に低下するまで充放電サイクルを継続した。但し、例外的に、500サイクルまで充放電サイクルを継続しても容量維持率が70%未満に達しない場合は
、500サイクルで終了した。
、500サイクルで終了した。
容量維持率が80%未満に低下したときのサイクル数を充放電サイクル寿命として、表6に示した。なお、実施例3−1の電池は、500サイクル後の容量維持率が84%であった。
表6には、各電池の、初回の充放電における正負極対向面積1cm2かつ充放電前の負極活物質薄膜の厚み1μmに対する初回放電容量と、初回の充放電における正負極対向面積1cm2かつ充放電前の負極活物質薄膜の厚み1μmに対する不可逆容量と、負極の最大利用率(%)も合わせて示した。
負極の最大利用率は、初回の充放電における単位面積に対する充電容量を各電池で使用した負極の単位面積に対する最大充電容量(表4)で除した値(%)である。なお、初回の充放電における単位面積に対する充電容量とは、初回放電容量と不可逆容量とを足し合わせたものである。すなわち、負極の最大利用率とは、リチウム二次電池の満充電状態において負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する量をAとし、負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する最大量をBとした場合における、Bに対するAの割合(A/B)である。なお、負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する最大量とは、負極と金属リチウムを対向させた3極式セルにおいて、前記金属リチウムに対する前記負極の電位が0Vになるまで電流を流したときに、前記負極活物質内に吸蔵される前記リチウムの単位面積に対する量のことである。
図3から図7は、負極1から10を用いた電池について、負極活物質の酸素含有量別に負極の最大利用率と充放電サイクル寿命との関係を示したものである。図8は、負極11、12を用いて作製した電池における負極の最大利用率と充放電サイクル寿命との関係を示したものである。図中の破線は、最小2乗法による近似曲線である。なお、図7において、実施例3−1の電池の充放電サイクル寿命は、500サイクルとして示した。
図9は、表6に示された負極の最大利用率と初回放電容量との関係を示したものであり、最小2乗法による近似直線を合わせて示した。
図10は、表6に示す負極の最大利用率と初回の充放電における面積1cm2あたりおよび負極活物質厚み1μmあたりの不可逆容量との関係を示したものである。また、図10には、最小2乗法による近似直線を合わせて示す。不可逆容量は、主に、充電時に負極活物質中に吸蔵されたリチウムが、活物質内で捕獲され、以後の充放電反応に関与しなくなるために生じると考えられる。負極活物質の酸素含有量の増加に伴って初回の充放電における不可逆容量が増加するのは、酸素含有量の増加に伴って活物質内のリチウム捕獲サイトが増加することを示す。
6.平面SEM像と断面反射電子像
図11には、負極活物質の酸素含有量0.9質量%の電池(負極1及び2/比較例1−1、1−3、1−6)、図13には、負極活物質の酸素含有量16.5質量%の電池(負極5及び6/参考例1−1、1−4、実施例1−1)、図15には、負極活物質の酸素含有量26.7質量%の電池(負極9及び10/参考例3−1、3−3、実施例3−1)の初回の充放電後とサイクル特性評価後の負極活物質の断面反射電子像と平面SEM像を示した。図12には、負極活物質の酸素含有量9.5質量%の電池(負極3及び4/比較例2−1、2−3、2−6)、図14には、負極活物質の酸素含有量23.7質量%の電池(負極7及び8/参考例2−1、2−3、実施例2−1)のサイクル特性評価後の負極活物質の断面反射電子像と平面SEM像を示した。断面反射電子像には、集電体表面の凹凸が反映された柱状の断面が示されている。平面SEM像には、充放電によって形成される
クラックにより負極活物質が分割されている様子が示されている。
図11には、負極活物質の酸素含有量0.9質量%の電池(負極1及び2/比較例1−1、1−3、1−6)、図13には、負極活物質の酸素含有量16.5質量%の電池(負極5及び6/参考例1−1、1−4、実施例1−1)、図15には、負極活物質の酸素含有量26.7質量%の電池(負極9及び10/参考例3−1、3−3、実施例3−1)の初回の充放電後とサイクル特性評価後の負極活物質の断面反射電子像と平面SEM像を示した。図12には、負極活物質の酸素含有量9.5質量%の電池(負極3及び4/比較例2−1、2−3、2−6)、図14には、負極活物質の酸素含有量23.7質量%の電池(負極7及び8/参考例2−1、2−3、実施例2−1)のサイクル特性評価後の負極活物質の断面反射電子像と平面SEM像を示した。断面反射電子像には、集電体表面の凹凸が反映された柱状の断面が示されている。平面SEM像には、充放電によって形成される
クラックにより負極活物質が分割されている様子が示されている。
7.考察
(考察1)
負極1及び2(図3)、負極3及び4(図4)、負極11及び12(図8)に係る電池は、負極の最大利用率の増加にともない、充放電サイクル寿命は、単調に低下した。これより、負極1及び2、負極3及び4、負極11及び12を用いた電池では、従来考えられていた通り、負極の最大利用率が大きいほど充放電に伴う活物質と電解液との不可逆な反応の進行が大きくなり、負極の最大利用率の増加に対して充放電サイクル寿命が低下したものと考えられる。したがって、負極活物質の酸素含有量がシリコンと酸素の和に対して15質量%未満の負極を用いる場合には、充放電サイクル寿命を極力長くしようとすると、負極の最大利用率が低い状態で用いる必要があった。
(考察1)
負極1及び2(図3)、負極3及び4(図4)、負極11及び12(図8)に係る電池は、負極の最大利用率の増加にともない、充放電サイクル寿命は、単調に低下した。これより、負極1及び2、負極3及び4、負極11及び12を用いた電池では、従来考えられていた通り、負極の最大利用率が大きいほど充放電に伴う活物質と電解液との不可逆な反応の進行が大きくなり、負極の最大利用率の増加に対して充放電サイクル寿命が低下したものと考えられる。したがって、負極活物質の酸素含有量がシリコンと酸素の和に対して15質量%未満の負極を用いる場合には、充放電サイクル寿命を極力長くしようとすると、負極の最大利用率が低い状態で用いる必要があった。
一方、負極5及び6(図5)、負極7及び8(図6)、負極9及び10(図7)を用いた電池は、負極の最大利用率60%近傍において、充放電サイクル寿命が最大になった。また、負極5及び6(図5)、負極7及び8(図6)、負極9及び10(図7)を用いた電池の充放電サイクル寿命の最大値は、他の電池のものよりも大きかった。したがって、シリコンと酸素を含む負極活物質を用いる場合には、負極活物質の酸素含有量をシリコンと酸素の和に対して15質量%以上とし、負極の最大利用率を50%から70%の範囲として用いることで、充放電サイクル寿命を長寿命化することができる。
(考察2)
図9、図10によると、負極活物質の酸素含有量が大きくなるほど、全体的に、初回の充放電における不可逆容量が大きくなり、初回放電容量が小さくなることが分かる。したがって、負極活物質の酸素含有量が30質量%を超える負極を用いた場合には、初回放電容量が十分に得られなくなるため、容量密度が高い電池の作製が困難となる。
図9、図10によると、負極活物質の酸素含有量が大きくなるほど、全体的に、初回の充放電における不可逆容量が大きくなり、初回放電容量が小さくなることが分かる。したがって、負極活物質の酸素含有量が30質量%を超える負極を用いた場合には、初回放電容量が十分に得られなくなるため、容量密度が高い電池の作製が困難となる。
(考察3)
図11から図15の平面SEM像から、負極活物質の酸素含有量が大きいほど、負極活物質の分割サイズが大きいことがわかる。酸素含有量が多い活物質ほど分割サイズが大きくなった理由は、活物質内の酸素の含有量の違いが、集電体表面(粗面)の被覆性や充放電に伴う活物質の体積変化に影響を与えたためと考えられる。
図11から図15の平面SEM像から、負極活物質の酸素含有量が大きいほど、負極活物質の分割サイズが大きいことがわかる。酸素含有量が多い活物質ほど分割サイズが大きくなった理由は、活物質内の酸素の含有量の違いが、集電体表面(粗面)の被覆性や充放電に伴う活物質の体積変化に影響を与えたためと考えられる。
負極活物質中の酸素含有量が多い負極を用いた電池ほど、充放電サイクル寿命の最大値が大きくなった理由は、充放電サイクル中における負極活物質と電解液との不可逆な反応の進行が抑制されたためと考えられる。負極活物質と電解液との不可逆な反応の進行が抑制された一因として、負極活物質の分割サイズが大きくなることにより、活物質と電解液との接触面積が減少し、結果的に負極活物質と電解液との反応量が減少したことが考えられる。
(考察4)
図11、図13及び図15の初回の充放電後の反射電子像は、全ての電池において、活物質の柱状断面内で明暗差はみられず、活物質全体が明るい色調であった。
図11、図13及び図15の初回の充放電後の反射電子像は、全ての電池において、活物質の柱状断面内で明暗差はみられず、活物質全体が明るい色調であった。
図11および図12のサイクル特性評価後の反射電子像は、その負極の最大利用率によらず、柱状断面の外側部分と内側部分とで明暗が分かれている。すなわち、外側部分は、暗い色調であるのに対し、内側部分は明るい色調である。このような明暗は、活物質構造(主に組成)の差異により表れる。具体的には、充放電にともなうリチウムの吸蔵放出を繰り返すことにより活物質と電解液との不可逆な反応が生じ、負極活物質の表面(柱状活物質の外側)から内側に向かって、負極活物質が変質したものと考えられる。したがって、この不可逆な反応の進行に伴い、負極活物質内にリチウムが捕獲され、サイクル特性の劣化が進んだものと考えられる。
図13から図15に示された電池のうち、負極の最大利用率が約60%および約80%の電池は、サイクル特性評価後の負極活物質断面の反射電子像において、明暗がみられる。図13から図15に示された電池のうち、負極の最大利用率が約30%の電池は、サイクル特性評価後の負極活物質断面の反射電子像には、明暗は見られなかった。
したがって、図13から図15に示された負極の最大利用率が約30%の電池は、図11および図12に示された電池とは異なる機構により、サイクル特性が低下したものと考えられる。
(考察5)
次に、負極5及び6(図5)、負極7及び8(図6)、負極9及び10(図7)を用いた電池が負極の最大利用率が50%未満の場合において、充放電サイクル寿命の最大値を得られなかった理由について考察する。
次に、負極5及び6(図5)、負極7及び8(図6)、負極9及び10(図7)を用いた電池が負極の最大利用率が50%未満の場合において、充放電サイクル寿命の最大値を得られなかった理由について考察する。
図10より、負極活物質の酸素含有量が大きくなるのにしたがい、負極の最大利用率の増加に対する不可逆容量の増加の度合い(近似直線の傾き)が大きくなっていることが分かる。負極活物質の酸素含有量が大きな電池では、負極の最大利用率を下げて充放電をした場合、初回の充放電後にも、負極活物質内に元来存在するリチウム捕獲サイトが、リチウムを捕獲しない状態で数多く残っていると考えられる。
負極5及び6、負極7及び8、負極9及び10に係る電池で負極の最大利用率が50%未満で用いた場合に、負極の最大利用率が50%以上で用いた場合と比較して、充放電サイクル寿命が低下した理由としては、2回目以降の充放電サイクルにおいて、充電時に活物質内に吸蔵されたリチウムが、活物質内に元来存在するリチウムの捕獲サイトに捕獲され、以降の充放電に関与できなくなる影響が強く表れたことが考えられる。
したがって、負極5及び6(図5)、負極7及び8(図6)、負極9及び10(図7)を用いた電池において、負極の最大利用率が60%前後において、充放電サイクル寿命が最大となり、負極の最大利用率を小さくするにつれ、充放電サイクル寿命が低下したものと考えられる。
(考察6)
表4より、負極11および12の面積1cm2かつ負極活物質厚み1μmに対する最大充電容量の平均値は、約0.55mAh/cm2・μmであり、負極1から10のものと比較して小さい。これは、電子ビーム蒸着法で形成した負極活物質の密度が、スパッタリング法で形成したものと比べて小さいことを示している。
表4より、負極11および12の面積1cm2かつ負極活物質厚み1μmに対する最大充電容量の平均値は、約0.55mAh/cm2・μmであり、負極1から10のものと比較して小さい。これは、電子ビーム蒸着法で形成した負極活物質の密度が、スパッタリング法で形成したものと比べて小さいことを示している。
また、表6より負極11と12を用いた電池は、これと同程度の酸素含有量を有する負極7と8、負極9と10よりも、サイクル寿命の最大値が小さい。
したがって、シリコンと酸素とを含む薄膜を負極活物質薄膜として用いた電池においては、負極の最大利用率と充放電サイクル寿命との関係に対して、活物質の密度が影響を与えると考えられる。
<実験2>
以下の実験2においては、リチウム二次電池の組み立て前にリチウムを含有させた負極活物質を用い、リチウム含有率と充放電サイクル寿命との関係について検討した。
以下の実験2においては、リチウム二次電池の組み立て前にリチウムを含有させた負極活物質を用い、リチウム含有率と充放電サイクル寿命との関係について検討した。
1.負極の作製及び活物質薄膜の厚みの評価
以下の手順で負極活物質にリチウムを含有させた。
以下の手順で負極活物質にリチウムを含有させた。
(1)2極式セルの作製
アルミニウムからなる金属シートの両面をポリプロピレンからなる樹脂で被覆したラミネートフィルムを用いて、電池容器を作製した。そして、負極活物質の全体がセパレーターを介して対極と対向するように、負極の両面を対極で挟み、この状態のまま電池容器に収納した。電池容器の外部に負極タブ及び対極タブを取り出し、電池容器の内部に電解液1mlを注入した後、電池容器を熱融着させて封止し、2極式セルを作製した。なお、負極としては、実験1において作製した負極5及び10を、横30mm×縦25mmに切り抜き、横方向の端部に負極タブとなるニッケル平板を取り付けた後、真空下110℃で2時間乾燥させたものを用いた。対極としては、リチウム金属箔を横80mm×縦35mmに切り抜き、横方向の中央部に対極タブとなるニッケル平板を取り付けたものを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させたものを用いた。
アルミニウムからなる金属シートの両面をポリプロピレンからなる樹脂で被覆したラミネートフィルムを用いて、電池容器を作製した。そして、負極活物質の全体がセパレーターを介して対極と対向するように、負極の両面を対極で挟み、この状態のまま電池容器に収納した。電池容器の外部に負極タブ及び対極タブを取り出し、電池容器の内部に電解液1mlを注入した後、電池容器を熱融着させて封止し、2極式セルを作製した。なお、負極としては、実験1において作製した負極5及び10を、横30mm×縦25mmに切り抜き、横方向の端部に負極タブとなるニッケル平板を取り付けた後、真空下110℃で2時間乾燥させたものを用いた。対極としては、リチウム金属箔を横80mm×縦35mmに切り抜き、横方向の中央部に対極タブとなるニッケル平板を取り付けたものを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7で混合した溶媒に対し、LiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させたものを用いた。
(2)充電(負極活物質中へのリチウムの含有)
上記作製した2極式セルを、室温にて、0.25mA/cm2の定電流で充電し、負極活物質中にリチウムを含有させた。なお、ここでは、負極の還元を充電としている。充電時間を変えて、負極活物質中に添加するリチウムの量を制御した。表7に、作製した負極のリチウム含有前の酸素含有量とリチウム含有率を示す。負極5にリチウムを含有させたものを負極5A〜5C、負極10にリチウムを含有させたものを負極10A〜10Dとした。
上記作製した2極式セルを、室温にて、0.25mA/cm2の定電流で充電し、負極活物質中にリチウムを含有させた。なお、ここでは、負極の還元を充電としている。充電時間を変えて、負極活物質中に添加するリチウムの量を制御した。表7に、作製した負極のリチウム含有前の酸素含有量とリチウム含有率を示す。負極5にリチウムを含有させたものを負極5A〜5C、負極10にリチウムを含有させたものを負極10A〜10Dとした。
なお、表7に示すリチウム含有率は、負極の最大充電容量(表1)に対する、2極式セルで負極にリチウムを添加したときの充電容量の割合(%)である。
充電後、2極式セルから取り出した負極を、ジエチルカーボネートで洗浄後、乾燥し、活物質薄膜の厚みを測定した。表7に、各負極の活物質薄膜の厚みを示す。活物質薄膜の厚みは、マイクロメータで測定した負極の厚みと集電体の厚みから算出した。
2.サイクル特性の評価
負極5、5A〜5C、負極10及び10A〜10Dを負極に用いたこと以外は、実験1の「5.サイクル特性の評価」の手順に従い、サイクル特性を評価した。そして、容量維持率が80%未満に低下したときのサイクル数を充放電サイクル寿命として、表8に示した。
負極5、5A〜5C、負極10及び10A〜10Dを負極に用いたこと以外は、実験1の「5.サイクル特性の評価」の手順に従い、サイクル特性を評価した。そして、容量維持率が80%未満に低下したときのサイクル数を充放電サイクル寿命として、表8に示した。
なお、表8には、初回の充放電における正負極対向面積1cm2かつ充放電前の負極活物質薄膜の厚み1μmに対する初回放電容量と、初回の充放電における正負極対向面積1cm2かつ充放電前の負極活物質薄膜の厚み1μmに対する不可逆容量と、負極の最大利用率及び充放電前の負極のリチウム含有率と負極の最大利用率の和も合わせて示した。
3.考察
実施例1−1A〜1−1C及び実施例3−2A〜3−2Dにおいては、充放電前の負極活物質へのリチウム含有率の増加に伴い、サイクル寿命が向上した。また、これらの電池の初回放電容量は、充放電前の負極活物質へのリチウム含有率が増加するにつれて、徐々に低下した。負極のリチウム含有率と負極の最大利用率との和が90%を越えると、以下の理由により初回放電容量低下が顕著となる可能性が考えられる。
実施例1−1A〜1−1C及び実施例3−2A〜3−2Dにおいては、充放電前の負極活物質へのリチウム含有率の増加に伴い、サイクル寿命が向上した。また、これらの電池の初回放電容量は、充放電前の負極活物質へのリチウム含有率が増加するにつれて、徐々に低下した。負極のリチウム含有率と負極の最大利用率との和が90%を越えると、以下の理由により初回放電容量低下が顕著となる可能性が考えられる。
電池の初回の充放電における不可逆容量は、充放電前の負極活物質のリチウム含有率の増加に伴い減少する。これは、充放電前の負極活物質に含有されたリチウムが、負極活物質内のリチウム捕獲サイトに捕獲され、初回の充放電において負極活物質内で捕獲されるリチウム量が減少したためと考えられる。このため、充放電前の負極活物質へのリチウム含有量を増加させると、負極活物質内のリチウム捕獲サイトに入り得るリチウム量が飽和に達したところで、初回の充放電における不可逆容量の低減量は飽和する。一方、充放電前の負極活物質にリチウムを含有させた際に生じる負極活物質の膨張量は、負極活物質内のリチウム捕獲サイトに入り得るリチウム量が飽和に達した後も増加する。したがって、充放電前の負極活物質のリチウム含有率が増加し、リチウム含有率と負極の最大利用率との和が90%を超える電池では、単位面積あたりの放電容量は一定のまま、負極活物質の厚みの増加が進むために、単位面積および単位厚みあたりの放電容量の低下が顕著になると考えられる。
1…負極、1a…負極活物質、1b…負極集電体、1c…負極集電タブ、2…正極、2a…正極活物質、2b…正極集電体、2c…正極集電タブ、3…セパレーター、4…電池容器、11…容器,12…電解液、13…対極、14…作用極、15…参照極
Claims (3)
- 負極集電体上にシリコンと酸素を含む薄膜を負極活物質としてスパッタリング法により堆積した負極と正極と電解質を備えたリチウム二次電池であって、前記リチウム二次電池の初回充放電前における前記負極活物質の酸素含有量は、シリコンと酸素の和に対して15質量%以上30質量%以下の範囲であり、負極の最大利用率は、50%以上70%以下の範囲内であることを特徴とするリチウム二次電池。
ただし、前記負極の最大利用率とは、前記リチウム二次電池の満充電状態において前記負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する量をAとし、前記負極活物質に吸蔵されるリチウムの単位面積に対する最大量をBとした場合における、Bに対するAの割合(A/B)である。 - 前記負極活物質が、リチウム二次電池の初回充放電前にリチウムを含有していることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記負極活物質の最大充電容量が、前記負極活物質の面積1cm2かつ充放電前の前記負極活物質の厚み1μmに対し0.6mAh/cm2・μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
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-
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