JP2010238597A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転状況を示す状態量が変動した場合に、運転停止すべきか運転継続すべきかを的確に判断することが可能な燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】この燃料電池システムFCSは、燃料電池セルの温度T及び改質器の圧力Pの変化率又は変化量が第1許容範囲Tra,Praを逸脱するか否かを判定する第1異常判定(ステップS07,S10)を実行し、当該第1異常判定の実行の結果、温度T又は圧力Pの変化率又は変化量が第1許容範囲Tra,Praを逸脱した場合には、電力取出手段における電力の取出を停止し、温度T及び圧力Pの監視は継続して第2異常判定を実行する(ステップS12〜S17)。
【選択図】図4
【解決手段】この燃料電池システムFCSは、燃料電池セルの温度T及び改質器の圧力Pの変化率又は変化量が第1許容範囲Tra,Praを逸脱するか否かを判定する第1異常判定(ステップS07,S10)を実行し、当該第1異常判定の実行の結果、温度T又は圧力Pの変化率又は変化量が第1許容範囲Tra,Praを逸脱した場合には、電力取出手段における電力の取出を停止し、温度T及び圧力Pの監視は継続して第2異常判定を実行する(ステップS12〜S17)。
【選択図】図4
Description
本発明は、固体電解質形燃料電池(SOFC)セルを含む燃料電池システムに関する。
従来、このような燃料電池システムとしては、固体電解質形燃料電池(以下、SOFCともいう)セルを無底又は有底の筒形状等に構成し、そのセルの内側又は外側に水素を含む燃料ガスを通すと共に、反対側には酸化剤ガス(空気)を通すことで発電反応を行わせるものが知られている。燃料ガスは、都市ガスといった被改質ガスを改質して得られるものであって、その改質を行う改質器においてはいわゆる水蒸気改質が行われている。被改質ガスを改質して得られた燃料ガスと空気とが上述したようにセルに供給され、発電反応が行われて電力を得ることができる。この発電反応に寄与しなかった燃料ガスと空気はセル上方の燃焼部において混合燃焼されて、その燃焼における排気ガスが外部へ放出される。この外部に放出される排気ガスが人や動物に対して放出されることを防止するため、排気ガスの排気口にセンサを設けるものが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
下記特許文献1では、排気口のセンサによって人や動物が近づいたことを検出した場合には、燃料電池システムの運転を停止して対応することが記載されている。また、下記特許文献2には、改質器に水蒸気を供給するための蒸発部の出口温度が閾値を超えると燃料電池システムの運転を停止するものが記載されている。
上述したように従来は、何らかの異常が発生した場合には燃料電池システムの運転を停止する技術が知られている。ところで、固体電解質形燃料電池セルを含む燃料電池システムにおいては、改質器に空気、水(水蒸気)、及び被改質ガスを適切な分量且つ適切なタイミングで供給する必要がある。特に、燃料電池システムから取り出す電力を求められる電力に応じて変動させるいわゆる負荷追従運転を行うと、改質器において必要とされる空気、水(水蒸気)、及び被改質ガスの分量や供給すべきタイミングが変動するので、より精度良くそれらの供給量や供給タイミングを制御する必要がある。一方で、固体電解質形燃料電池セルを含む燃料電池システムは、その効率を上げるために固体電解質形燃料電池セルの数を増やす等することがあり、固体電解質形燃料電池セルの数が増えれば燃料ガスや空気が行き渡るのに時間がかかる場合がある。また、燃料電池システムの効率を上げると、改質器に供給すべき空気、水(水蒸気)、及び被改質ガスは少量なものとなり、精度良くそれらの供給量や供給タイミングを制御するのは困難である。
上述したように、固体電解質形燃料電池セルの数が増えることで、それぞれのセルに燃料ガスや空気が行き渡るのに時間がかかるということは、その供給量を変更しようとしても安定化するまでにある程度の時間がかかってしまうことに繋がっている。また、改質器において必要となる空気、水(水蒸気)、及び被改質ガスの量は少量であり、それらの変動と固体電解質形燃料電池セル周辺の状態量の変動とが狙い通りに同期せずに、瞬間的に許容範囲を超える異常値を示す場合があり、多くの場合その異常値の出力が頻発する。このような異常値を示すことは、上述したようなSOFC特有の状況に起因する一時的なものなのか、それとも真に異常状態に陥ってしまい何らかの対処が必要なのかが判断できないものである。
このような状況に対して、燃料電池システムの運転状況を示す状態量(セルの温度や、セルに供給される燃料ガスの温度、改質器の圧力や、改質器に供給される空気、水(水蒸気)、及び被改質ガスの温度等)が許容範囲を超えた場合に燃料電池システムを停止していたのでは、その停止頻度が高くなり実用上の問題が出てくる。一方、許容範囲を広くして対応した場合には、燃料電池システムが真に異常状態に陥っている場合に、燃料電池システムに深刻なダメージを与えることが想定される。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、SOFCを含む燃料電池システムであって、運転状況を示す状態量が変動した場合に、運転停止すべきか運転継続すべきかを的確に判断することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、固体電解質形の燃料電池セルを含む燃料電池システムであって、被改質ガスを水蒸気改質して複数の前記燃料電池セルに供給する燃料ガスと成す改質器と、前記改質器に水を供給する水供給手段と、前記改質器に被改質ガスを供給するガス供給手段と、前記複数の燃料電池セルから電力を取り出す電力取出手段と、前記水供給手段、前記ガス供給手段、及び前記電力取出手段を制御する制御手段と、を備え、前記複数の燃料電池セルの上方には、前記複数の燃料電池セルにおいて発電反応に寄与しなかったオフガスを燃焼させる燃焼部が形成され、前記改質器が前記燃焼部から燃焼熱を受け取るように配置されており、前記制御手段は、少なくとも前記複数の燃料電池セル又は前記改質器における状態量測定値の変化率又は変化量が第1許容範囲を逸脱するか否かを判定する第1異常判定を実行し、当該第1異常判定の実行の結果、前記状態量測定値の変化率又は変化量が前記第1許容範囲を逸脱した場合には、前記電力取出手段における電力の取出を停止し、前記状態量測定値の監視は継続して第2異常判定を実行することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムのように、複数の燃料電池セルの上方に複数の燃料電池セルにおいて発電反応に寄与しなかったオフガスを燃焼させる燃焼部が形成され、改質器が燃焼部から燃焼熱を受け取るように配置されている場合、燃料電池システムから取り出す電力に対して負荷追従運転を行うと各部の運転状況を示す値が変動しやすくなる。例えば、電力の取出量を変えるとそれに追従して供給する燃料ガスの量を変化させるが、改質器の吸熱が先行してしまって燃焼部における燃焼による熱供給が追いつかずに改質器の温度が急激に低下する場合もある。これは一例であるけれども、燃料電池システムにおいて電力を取り出すことは、それが負荷追従であるか否かを問わず大きな変動要因である。また、燃料電池システムにおいて真に不具合が発生した場合においても電力の取出をそのまま継続すると、過重な負荷がかかってしまい燃料電池セルの破損等に繋がる恐れがある。そこで本発明では、第1異常判定の実行の結果、状態量測定値の変化率又は変化量が第1許容範囲を逸脱した場合には、電力取出手段における電力の取出を停止し、変動要因を取り除くと共に運転を継続した場合にも燃料電池システムの破損には直接的に繋がらないようにしている。このように、変動要因を取り除くと共に運転を継続した場合にも燃料電池システムの破損には直接的に繋がらないようにした状態を維持し、その状態のもとで第2異常判定を実行することで燃料電池システムの破損は回避しつつ、第2異常判定を実行することが可能となる。従って、状態量測定値の変化率又は変化量がその許容範囲を逸脱する事態が頻発したとしても、燃料電池システムをその都度運転停止させる必要がなく、燃料電池システムの破損も回避して適切な対応をとることできる。
本願請求項2に係る燃料電池システムは、前記第2異常判定の実行は、前記電力取出手段における電力取出の停止の後、所定時間後に行われることを特徴とする。
上述したように本発明では、状態量測定値の変化率又は変化量が第1許容範囲を逸脱した場合に、燃料電池システムの破損を回避しつつ第2異常判定を実行して、固体電解質形燃料電池セルを含む燃料電池システム特有の状況に対応している。この態様では、電力取出を停止した後、所定時間後に第2異常判定を実行するので、電力取出に起因する状態量測定値の揺らぎへの影響を確実に排除して第2異常判定を実行することができる。
本願請求項3に係る燃料電池システムは、前記第2異常判定の実行中において、前記状態量測定値の変化率又は変化量が前記第1許容範囲を逸脱することが所定回数以上発生するか、前記状態量測定値の変化率又は変化量が第2許容範囲を逸脱した場合には前記燃料電池システムの運転を停止することを特徴とする。
第2異常判定の実行中において、状態量測定値の変化率又は変化量が第1許容範囲を逸脱することが所定回数以上発生するか、状態量測定値の変化率又は変化量が第2許容範囲を逸脱した場合には、燃料電池システムに本質的な異常が発生している蓋然性が高いものと推定される。そこでこの態様では、このような状況となった場合には燃料電池システムの運転を停止し、燃料電池システムの破損を防止している。
本発明によれば、運転状況を示す状態量が変動した場合に、運転停止すべきか運転継続すべきかを的確に判断することが可能な燃料電池システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、本発明の一実施形態である燃料電池システムについて説明する。図1は、一実施形態としての燃料電池システムFCSの全体構成を示す概略構成図である。図1に示すように、燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、補器ユニットADUと、貯水タンクWP2と、温水製造装置HWとを備えている。
まず、燃料電池モジュールFCMについて説明する。燃料電池モジュールFCMは、燃料電池FCと、改質器RFと、制御ボックスCBと、一酸化炭素検知器CODと、可燃ガス検知器GD1とを備えている。燃料電池FCは、固体電解質形の燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)であって、発電室FC1と燃焼室FC2とを備えている。発電室FC1には複数本の燃料電池セルCEが配置されている。燃料電池セルCEは、電解質を挟んで燃料極と空気極とが設けられているものであって、燃料極側に燃料ガスを通し、空気極側に酸化剤ガスとしての空気を通すことで発電反応を起こすことができるように構成されている。本実施形態の燃料電池FCは固体電解質形燃料電池(SOFC)であるので、電解質を構成する材料としては、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートといった酸素イオン導電性酸化物を用いている。
燃料極を構成する材料としては、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体といった材料が用いられる。空気極を構成する材料としては、例えば、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀といった材料が用いられる。もっとも、電解質や燃料極及び空気極を構成する材料はこれらに限られるものではない。
発電室FC1において発電された電気は電力取出ラインEP1によって発電電力として取り出されて利用される。燃焼室FC2は、発電室FC1に配置された燃料電池セルCEによって発電反応に利用された残余の燃料ガスを燃焼させる部分である。燃焼室FC2において燃料ガスが燃焼した結果生じる排気ガスは、改質器RFと熱交換をした後に温水製造装置HWへと供給される。温水製造装置HWへと供給された排気ガスは更に熱交換を行い、水道水を昇温して温水とした後に外部へと排出される。
改質器RFは、被改質ガスを改質して燃料ガスとし、燃料電池FCの発電室FC1へと供給する部分である。被改質ガスの改質態様としては、部分酸化改質反応(POX;Partial Oxidation Reforming)、オートサーマル改質反応(ATR;Auto Thermal Reforming)、水蒸気改質反応(SR;Steam Reforming)があり、運転状況に応じて選択的に実行される(詳細は後述する)。改質器RFは、改質部RF1と、蒸発部RF2とを備えている。
蒸発部RF2は、補器ユニットADU側から供給される純水を蒸発させて水蒸気とし、その水蒸気を改質部RF1に供給する部分である。改質部RF1は、補器ユニットADU側から供給される被改質ガス、空気及び蒸発部RF2から供給される水蒸気を用いて被改質ガスを改質して燃料ガスとする部分である。改質部RF1には、改質触媒が封入されている。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したもの、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したもの、が適宜用いられる。本実施形態の場合、これらの改質触媒は球体である。
制御ボックスCBは、燃料電池システム制御部をその内部に収納し、操作装置や表示装置、報知装置が設けられているものである。燃料電池システム制御部、操作装置、表示装置、報知装置については後述する。
一酸化炭素検知器CODは、本来排気ガス通路等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUを覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。可燃ガス検知器GD1は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUに取り付けられている。
続いて、補器ユニットADUについて説明する。補器ユニットADUは、燃料電池モジュールFCMに水、被改質ガス、及び空気を供給するための補器を備えるユニットである。補器ユニットADUは、空気供給部として空気ブロワや流量調整弁等を含む流量調整ユニットAP1a,AP1b、及び電磁弁AP2と、燃料供給部として燃料ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットFP1、脱硫器FP2、ガス遮断弁FP4、及びガス遮断弁FP5と、水供給部として水ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットWP1と、可燃ガス検知器GD2と、を備えている。
外部の空気供給源から供給される空気は、電磁弁AP2が閉じていれば流量調整ユニットAP1a,AP1bに供給されず、電磁弁AP2が開いていれば流量調整ユニットAP1a,AP1bに供給される。流量調整ユニットAP1aによって流量調整された空気は改質用空気として、ヒータAH1によって昇温され、被改質ガスとの混合部MVに供給される。流量調整ユニットAP1bによって流量調整された空気は発電用空気として、ヒータAH2によって昇温され、燃料電池モジュールFCMの発電室FC1に供給される。発電室FC1に供給された発電用空気は、燃料電池セルCEの空気極に供給される。
外部の燃料供給源から供給される都市ガスは、2連電磁弁であるガス遮断弁FP4及びガス遮断弁FP5によってその流入が制御される。ガス遮断弁FP4,FP5のいずれもが開いていれば、都市ガスは脱硫器FP2に供給され、ガス遮断弁FP4,FP5のいずれかが閉じていれば、都市ガスは遮断される。脱硫器FP2に供給された都市ガスは、硫黄成分を除去されて被改質ガスとなり、流量調整ユニットFP1に供給される。流量調整ユニットFP1によって流量調整された被改質ガスは、改質用空気との混合部MVに供給される。混合部MVにおいて混合された被改質ガスと改質用空気とは、燃料電池モジュールFCMの改質器RFに供給される。
外部の水供給源から供給される水道水は、純水とされてから貯水タンクWP2に貯水される。貯水タンクWP2に貯水されている純水は、流量調整ユニットWP1によって流量が調整されて燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される。
可燃ガス検知器GD2は、燃料供給部としての系統であるガス遮断弁FP5、ガス遮断弁FP4、脱硫器FP2、流量調整ユニットFP1において、ガス漏れが発生していわゆる生ガスが外部に放出されないか検知するためのセンサである。
続いて、図2を参照しながら本実施形態の燃料電池システムFCSの制御的な構成について説明する。図2は、燃料電池システムFCSの制御的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、燃料電池モジュールFCMに空気を供給する空気供給部APと、燃料電池モジュールFCMに燃料ガスとなる被改質ガスを供給する燃料供給部FPと、燃料電池モジュールFCMに水を供給する水供給部WPと、燃料電池モジュールFCMから電力を取り出す電力取出部EPとを備えている。空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは補器ユニットADUに収められている。
燃料電池モジュールFCM、空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは、燃料電池システム制御部CSから出力される制御信号に基づいて制御される。燃料電池システム制御部SCは、CPU、ROM及びRAMといったメモリ、及び制御信号やセンサ信号を授受するためのインターフェイスによって構成されている。燃料電池システム制御部SCには、操作装置CS1、表示装置CS2、及び報知装置CS3が取り付けられている。操作装置CS1から入力される操作指示信号は燃料電池システム制御部CSに出力され、燃料電池システム制御部CSは、その操作指示信号に基づいて、燃料電池モジュールFCM等を制御する。燃料電池システム制御部CSが制御した情報や、所定の警告情報は、表示装置CS2及び報知装置CS3に出力される。操作装置CS1、表示装置CS2、及び報知装置CS3の具体的なハードウェア構成は特に限定されるものではなく、必要となる機能に応じて最適なハードウェア構成が選択される。一例としては、操作装置CS1として、キーボード、マウス、タッチパネルといったハードウェアが用いられる。表示装置CS2としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイといった表示系のハードウェアが用いられる。報知装置CS3としては、スピーカー、点灯器といったハードウェアが用いられる。燃料電池システム制御部CSは制御ボックスCBに収められている。また操作装置CS1、表示装置CS2、報知装置CS3は、図示しないボックスに収められ屋内に配置されている。
燃料電池システム制御部CSには、燃料電池システムFCSの各所に設けられたセンサからセンサ信号が出力される。燃料電池システム制御部CSに信号を出力するセンサとしては、改質器温度センサDS1、スタック温度センサDS2、排気温度センサDS3、改質器内圧力センサDS4、水位センサDS5、水流量センサDS6、燃料流量センサDS7、改質用空気流量センサDS8、発電用空気流量センサDS9、電力状態検出部DS10、貯湯状態検出センサDS11、一酸化炭素検出センサDS12、可燃ガス検出センサDS13が設けられている。
改質器温度センサDS1は、改質器RFの温度を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は2つ設けられている。スタック温度センサDS2は、発電室FC1に配置されている燃料電池セルCEの温度を測定するためのセンサであって、複数の燃料電池セルCEからなる燃料電池セルスタック近傍に配置されている。排気温度センサDS3は、燃焼室FC2から排出される排気ガスの温度を測定するためのセンサであって、燃焼室FC2から改質器RF近傍を通って温水製造装置HWに至る経路に配置されている。改質器内圧力センサDS4は、改質器RF内の圧力を測定するためのセンサである。
水位センサDS5は、貯水タンクWP2の水位を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は4つ設けられている。水流量センサDS6は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される純水の流量を測定するためのセンサである。燃料流量センサDS7は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される被改質ガスの流量を測定するためのセンサである。改質用空気流量センサDS8は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される改質用空気の流量を測定するためのセンサである。発電用空気流量センサDS9は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される発電用空気の流量を測定するためのセンサである。
電力状態検出部DS10は、センシング手段の集合体であって、燃料電池モジュールFCMから取り出す発電電力の状態を検出する部分である。貯湯状態検出センサDS11は、センシング手段の集合体であって、温水製造装置HWの貯湯状態を検出する部分である。
一酸化炭素検出センサDS12は、一酸化炭素検知器CODに備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM内における一酸化炭素のハウジング内への漏れを検出するセンサである。可燃ガス検出センサDS13は、可燃ガス検知器GD1,GD2に備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADU内における可燃ガスの漏洩を検出するセンサである。
続いて、燃料電池システムFCSの起動時(起動モード)における各種改質反応の切り替えについて図3を参照しながら説明する。図3は、燃料電池システムFCSの起動時における各部の温度や各部の制御電圧を示すグラフである。
本実施形態における燃料電池システムFCSの起動モードにおいては、燃焼運転と、部分酸化改質反応POXと、第1オートサーマル改質反応ATR1と、第2オートサーマル改質反応ATR2と、水蒸気改質反応SRとを順次切り替えながら改質反応を進行している。図3を説明するのに先立って、各改質反応について説明する。
部分酸化改質反応POXは、改質器SRに被改質ガスと空気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(1)に示す反応が進行する。
CmHn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (1)
部分酸化改質反応POXは、発熱反応であるので起動性が高く、燃料電池システムFCSの起動当初において好適な改質反応である。ただし、部分酸化改質反応POXは、水素収率が理論上少なく、発熱反応を制御するのも難しいことから、燃料電池モジュールFCMへ熱供給が必要な起動当初においてのみ利用されるのが好ましい改質反応である。尚、部分酸化改質反応POXのみに着目すれば、空間速度を高く設定するので、例えば改質器RFを分割形成して部分酸化改質反応POX専用の改質器を設ける場合には、その専用の改質器を小型化することができる。
CmHn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (1)
部分酸化改質反応POXは、発熱反応であるので起動性が高く、燃料電池システムFCSの起動当初において好適な改質反応である。ただし、部分酸化改質反応POXは、水素収率が理論上少なく、発熱反応を制御するのも難しいことから、燃料電池モジュールFCMへ熱供給が必要な起動当初においてのみ利用されるのが好ましい改質反応である。尚、部分酸化改質反応POXのみに着目すれば、空間速度を高く設定するので、例えば改質器RFを分割形成して部分酸化改質反応POX専用の改質器を設ける場合には、その専用の改質器を小型化することができる。
水蒸気改質反応SRは、改質器SRに被改質ガスと水蒸気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(2)に示す反応が進行する。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (2)
水蒸気改質反応SRは、水素収率が最も高く、高効率な反応である。ただし、水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるので熱源が必要であり、燃料電池システムFCSの起動当初よりはある程度温度が上昇した段階において好適な改質反応である。尚、水蒸気改質反応SRのみに着目すれば、空間速度を低く設定するので、改質器RFが大型化する傾向にある。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (2)
水蒸気改質反応SRは、水素収率が最も高く、高効率な反応である。ただし、水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるので熱源が必要であり、燃料電池システムFCSの起動当初よりはある程度温度が上昇した段階において好適な改質反応である。尚、水蒸気改質反応SRのみに着目すれば、空間速度を低く設定するので、改質器RFが大型化する傾向にある。
第1オートサーマル改質反応ATR1及び第2オートサーマル改質反応ATR2からなるオートサーマル改質反応ATRは、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとの中間的な改質反応であって、改質器RFに被改質ガスと空気と水蒸気とを供給して行う改質反応であり、化学反応式(3)に示す反応が進行する。
CmHn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
オートサーマル改質反応ATRは、水素収率が部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとの中間であり、反応熱のバランスが取りやすく、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとを繋ぐ反応として好適な改質反応である。本実施形態の場合は、水を少なく供給して部分酸化改質反応POXにより近い第1オートサーマル改質反応ATR1を先に行い、温度が上昇した後に水を増やすように供給して水蒸気改質反応SRにより近い第2オートサーマル改質反応ATR2を後に行っている。
CmHn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
オートサーマル改質反応ATRは、水素収率が部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとの中間であり、反応熱のバランスが取りやすく、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとを繋ぐ反応として好適な改質反応である。本実施形態の場合は、水を少なく供給して部分酸化改質反応POXにより近い第1オートサーマル改質反応ATR1を先に行い、温度が上昇した後に水を増やすように供給して水蒸気改質反応SRにより近い第2オートサーマル改質反応ATR2を後に行っている。
図3に戻って、燃料電池システムFCSの起動モードについて説明する。図3は、横軸に起動開始後の経過時間を取り、左縦軸には各部の温度を取っている。制御電圧であるため特段の目盛りは付していないが、改質用空気を供給するための流量調整ユニットAP1aに含まれる改質用空気ブロワの制御電圧、発電用空気を供給するための流量調整ユニットAP1bに含まれる発電用空気ブロワの制御電圧、被改質ガスを供給するための流量調整ユニットFP1に含まれる燃料ポンプの制御電圧、及び純水を供給するための流量調整ユニットWP1に含まれる水ポンプの制御電圧は、図中上方に行くほど電圧が高くなる(供給量が増える)ように示している。図3には、改質器RFの温度、燃料電池セルCEのスタック温度、燃焼室FC2の温度(改質器RFの温度等から推定している)、流量調整ユニットAP1aに含まれる改質用空気ブロワの制御電圧、流量調整ユニットAP1bに含まれる発電用空気ブロワの制御電圧、流量調整ユニットFP2に含まれる燃料ポンプの制御電圧、流量調整ユニットWP1に含まれる水ポンプの制御電圧を示している。
まず、改質用空気を増やすように流量調整ユニットAP1a、電磁弁AP2、ヒータAH1、及び混合部MVを制御し、改質器RFに空気を供給する。また、被改質ガスの供給を増やすように流量調整ユニットFP1、ガス遮断弁FP4,FP5、及び混合部MVを制御し、改質器RFに被改質ガスを供給する。このように、空気と被改質ガスを供給し、イグナイタによって着火して燃焼運転を実行する(尚、条件によっては自然着火によって着火して燃焼運転を実行する)。この場合の、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分10.0L(リットル)、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分6.0Lである。また、起動モード全体を通して、発電室FC1に供給する発電用空気の流量は毎分100.0Lとなるように流量調整ユニットAP1bが制御される。発電室FC1上方の燃焼室FC2においては、改質器RFを通過した燃料ガスと発電用空気とが混合して燃焼しており、燃焼室FC2の温度が徐々に上昇する。
続いて、改質器RFの温度が約300℃程度になった際に改質器がPOX運転可能な状態になることから300℃前後になった時に成行きで部分酸化改質反応POXが進行する。部分酸化改質反応POXは発熱反応なので、各部の温度が上昇する。部分酸化改質反応POXを開始してから所定時間が経過した後、改質用空気の供給量を更に増やして部分酸化改質反応POXをより進行させる。具体的には、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分18.0L、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分5.0Lである。
続いて、改質器RFの温度が約600℃以上になり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約250℃を超えたことを条件として、第1オートサーマル改質反応ATR1へと移行させる。第1オートサーマル改質反応ATR1では、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分8.0Lに減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分5.0Lを維持する。更に、毎分1.0mlの極微量な純水を改質器RFに供給する。オートサーマル改質反応ATRは、部分酸化改質反応ATRと水蒸気改質反応SRとを混合した反応であって、熱的に内部バランスが取れるので改質器RF内では熱自立しながら反応が進行する。また、第1オートサーマル改質反応ATR1は,空気が比較的多く部分酸化改質反応POXに近い反応であり、発熱が支配的な反応となっている。尚、第1オートサーマル改質反応ATR1中において、燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度は約250℃から約400℃である。
続いて、改質器RFの温度が600℃以上となり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約400℃を超えたことを条件として、第2オートサーマル改質反応ATR2へと移行させる。第2オートサーマル改質反応ATR2では、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分4.0Lに減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量も毎分4.0Lに減らす。更に、毎分3.0mlの微量な純水を改質器RFに供給する。第2オートサーマル改質反応ATR2は,空気が比較的少なく水が多いため水蒸気改質反応SRに近い反応であり、吸熱が支配的な反応となっている。しかしながら、発電室FC1内の温度を示すセルスタック温度が約400℃を超えているため、吸熱反応が支配的であっても大幅な温度低下を招くことはない。尚、第2オートサーマル改質反応ATR2中において、蒸発部RF2の温度は約100℃以上である。
続いて、改質器RFの温度が650℃以上となり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約600℃を超えたことを条件として、水蒸気改質反応SRへと移行させる。水蒸気改質反応SRでは、改質器RFに供給する改質用空気は遮断し、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分3.0Lに減らす。更に、毎分8.0mlの純水を改質器RFに供給する。この水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるので、燃焼室FC2からの燃焼熱による熱バランスをとりながら反応が進行する。この段階では、既に起動の最終段階であるため、発電室FC1内が十分高温に昇温されているので、吸熱反応を主体としても大幅な温度低下を招くことはない。また水蒸気改質反応SRが進行しても燃焼室FC2では継続して燃焼反応が持続する。
上述したように着火から燃焼工程の進行に合わせて改質工程を切り替えていくことで、発電室FC1内の温度が徐々に上昇する。発電室FC1の温度(セルスタックの温度)が、燃料電池モジュールFCMを安定的に作動させる定格温度(約700℃)よりも低い所定の発電温度に達したら、燃料電池モジュールFCMを含む電気回路を閉じる。それにより、燃料電池モジュールFCMは発電を開始し、回路に電流が流れて外部に電力を供給することができる。燃料電池セルCEの発電により、燃料電池セルCE自体も発熱し、更に、燃料電池セルCEの温度が上昇する。その結果、燃料電池モジュールFCMを作動させる定格温度、例えば700〜800℃になる。
その後、定格温度を維持するために、燃料電池セルCEで消費される燃料ガス及び空気の量よりも多い量の燃料ガス及び空気を供給し、燃焼室FC2での燃焼を継続させる。尚、発電中は、改質効率の高い水蒸気改質反応SRで発電が進行する。水蒸気改質反応SR自体は厳密には400℃〜800℃程度で行われるが、燃料電池セルCEとの組み合わせにおいては500℃〜700℃程度で反応が進行するように設定している。
本実施形態では、燃料電池システムFCSの異常判定を実行し、燃料電池システムFCSが過度に運転停止をしたり、燃料電池システムFCSが壊れたりしてしまうようなことがないような制御を行っている。その制御実行フローについて、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。図4において、フラグFは、「0」が通常制御状態であることを示す、「1」が異常判定制御状態であることを示している。「P」は改質器RF内の圧力を示し、「Pra」は異常判定制御を行う際に第1許容範囲を特定するための境界値の圧力変化率を示す値であり、「Prb」は異常判定制御を行う際に第2許容範囲を特定するための境界値の圧力変化率を示す値であり、「Pvb」は異常判定制御を行う際に第2許容範囲を特定するための境界値の圧力変化量を示す値であり、「Prs」は緊急停止をする際の境界値となる圧力変化率を示す値であり、「Pvs」は緊急停止をする際の境界値となる圧力変化量を示す値である。本実施形態の場合、Prs>Pra>Prbであり、Pvs>Pvbである。
「T」は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度を示し、「Tra」は異常判定制御を行う際に第1許容範囲を特定するための境界値の温度変化率を示す値であり、「Trb」は異常判定制御を行う際に第2許容範囲を特定するための境界値の温度変化率を示す値であり、「Tvb」は異常判定制御を行う際に第2許容範囲を特定するための境界値の温度変化量を示す値であり、「Trs」は緊急停止をする際の境界値となる温度変化率を示す値であり、「Tvs」は緊急停止をする際の境界値となる温度変化量を示す値である。本実施形態の場合、Trs>Tra>Trbであり、Tvs>Tvbである。
ステップS01では、改質器RF内の圧力Pと、燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tとを取得する。ステップS01に続くステップS02では、フラグFが「1」であるか判断する。フラグFが「1」すなわち異常判定制御状態であればステップS12の処理に進み、フラグFが「1」でないすなわち「0」であって通常制御状態であればステップS03の処理に進む。
ステップS03では、改質器RF内の圧力Pの変化率の絶対値がPrsを超えたか判断する。圧力Pの変化率の絶対値がPrsを超えていればステップS11の処理に進み、圧力Pの変化率の絶対値がPrs以下であれば、ステップS04の処理に進む。Prsは緊急停止をする際の境界値となる圧力変化率を示す値であるので、圧力Pの変化率の絶対値がPrsを超えている場合に実行するステップS11では、燃料電池システムFCSの緊急停止処理を実行する。緊急停止処理は、燃料電池システムFCSからの電力取出を停止し、燃料ガスとなる被改質ガスの供給を停止し、水の供給も停止する。
ステップS04では、改質器RF内の圧力Pの変化量の絶対値がPvsを超えたか判断する。圧力Pの変化量の絶対値がPvsを超えていれば、上述したステップS11の処理に進み、圧力Pの変化量の絶対値がPvsを超えていなければ、ステップS05の処理に進む。
ステップS05では、燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率の絶対値がTrsを超えたか判断する。温度Tの変化率の絶対値がTrsを超えていれば、上述したステップS11の処理に進み、温度Tの変化率の絶対値がTrsを超えていなければ、ステップS06の処理に進む。
ステップS06では、燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化量の絶対値がTvsを超えたか判断する。温度Tの変化量の絶対値がTvsを超えていれば、上述したステップS11の処理に進み、温度Tの変化量の絶対値がTvsを超えていなければ、ステップS07の処理に進む。
ステップS07では、改質器RF内の圧力Pの変化率の絶対値がPraを超えたか判断する。圧力Pの変化率の絶対値がPraを超えていればステップS08の処理に進み、圧力Pの変化率の絶対値がPra以下であれば、ステップS10の処理に進む。Praは異常判定処理制御に移行する際の境界値となる圧力変化率を示す値であるので、圧力Pの変化率の絶対値がPraを超えている場合に実行するステップS08では、燃料電池システムFCSからの電力取出を停止し、熱自立運転に必要な最小限の燃料ガスが供給されるように被改質ガスの供給を制限する。図5に、燃料電池システムFCSから取り出す電力(要求電力)と燃料電池セルに供給する燃料ガスの供給量との関係を示す。図5に示すように、要求電力が多くなると燃料電池セルに供給する燃料ガスも多くなるが、要求電力が0の場合は熱自立運転が可能な最低燃料量であるQ0で安定状態となるようにしている。
図4に戻り、ステップS08に続くステップS09では、フラグFを「1」としてリターンする。ステップS10では、燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率の絶対値がTraを超えたか判断する。温度Tの変化率の絶対値がTraを超えていればステップS08の処理に進み、温度Tの変化率の絶対値がTra以下であればリターンする。
ステップS12では、改質器RF内の圧力Pの変化量の絶対値がPvbを超えたか判断すると共に、燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化量の絶対値がTvbを超えたか判断する。いずれかが超えていれば、ステップS11の処理に進み、いずれも越えていなければステップS13の処理に進む。
ステップS13では、改質器RF内の圧力Pの変化率又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率が低下しているか判断する。この判断は、改質器RF内の圧力Pの変化率の絶対値がPrbを超えているか又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率の絶対値がTrbを超えているかで判断する。改質器RF内の圧力Pの変化率又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率が低下していればステップS14の処理に進み、改質器RF内の圧力Pの変化率又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率が低下していなければステップS17の処理に進む。
ステップS14では、所定時間継続して改質器RF内の圧力P又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tが安定しているか判断する。所定時間継続して改質器RF内の圧力P又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tが安定していればステップS15の処理に進み、所定時間継続して改質器RF内の圧力P又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tが安定していなければリターンする。
ステップS15では、燃料電池システムFCSに本質的な異常がないと判断し、通常制御状態への復帰処理を行う。具体的には、燃料ガスの供給を回復し、電力の取出を回復する。ステップS15に続くステップS16では、フラグFを「0」に戻してリターンする。
ステップS17では、改質器RF内の圧力Pの変化率又は燃料電池セルCEによって構成される燃料電池セルスタックの温度Tの変化率が低下していない状態が所定時間続いているか判断する。低下していない状態が所定時間続いていれば、停止すべきであると判断してステップS11の処理に進み、低下していない状態が所定時間続いていなければリターンする。
上述したような制御を実行すると、図6に示すような制御が可能となる。図6は、改質器RF内の圧力Pと燃料ガスの供給及び電力の取出の一例を示すグラフである。図6のA領域では、圧力Pの変化率が境界値Praを越えたものと判断し、異常判定制御に移行する(上述したステップS07,S08,S09の処理に相当する)。異常判定制御(上述したステップS12,S13,S14,S15,S16,S17)では、圧力Pの変化量がPvb以上とならなかったり、圧力Pの変化率がPrb以上とならなければ熱自立運転を継続し、燃料電池システムFCSの状態を監視する。図6に示す例では、圧力Pの変化率が低下しているので、燃料電池システムFCSの運転を通常制御に戻している。
ADU:補器ユニット
AH1:ヒータ
AH2:ヒータ
AP:空気供給部
AP1:流量調整ユニット
AP2:電磁弁
ATR:オートサーマル改質反応
ATR1:オートサーマル改質反応
ATR2:オートサーマル改質反応
CB:制御ボックス
CE:燃料電池セル
COD:一酸化炭素検知器
CS:燃料電池システム制御部
CS1:操作装置
CS2:表示装置
CS3:報知装置
DS1:改質器温度センサ
DS2:スタック温度センサ
DS3:排気温度センサ
DS4:改質器内圧力センサ
DS5:水位センサ
DS6:水流量センサ
DS7:燃料流量センサ
DS8:改質空気流量センサ
DS9:発電空気流量センサ
DS10:電力状態検出部
DS11:貯湯状態検出センサ
DS12:一酸化炭素検出センサ
DS13:可燃ガス検出センサ
EP:電力取出部
EP1:電力取出ライン
FC:燃料電池
FC1:発電室
FC2:燃焼室
FCM:燃料電池モジュール
FCS:燃料電池システム
FP:燃料供給部
FP1:流量調整ユニット
FP2:脱硫器
FP4,FP5:ガス遮断弁
GD1,GD2:可燃ガス検知器
HW:温水製造装置
MV:混合部
POX:部分酸化改質反応
RF:改質器
RF1:改質部
RF2:蒸発部
SC:燃料電池システム制御部
SR:水蒸気改質反応
WP:水供給部
WP1:流量調整ユニット
WP2:貯水タンク
AH1:ヒータ
AH2:ヒータ
AP:空気供給部
AP1:流量調整ユニット
AP2:電磁弁
ATR:オートサーマル改質反応
ATR1:オートサーマル改質反応
ATR2:オートサーマル改質反応
CB:制御ボックス
CE:燃料電池セル
COD:一酸化炭素検知器
CS:燃料電池システム制御部
CS1:操作装置
CS2:表示装置
CS3:報知装置
DS1:改質器温度センサ
DS2:スタック温度センサ
DS3:排気温度センサ
DS4:改質器内圧力センサ
DS5:水位センサ
DS6:水流量センサ
DS7:燃料流量センサ
DS8:改質空気流量センサ
DS9:発電空気流量センサ
DS10:電力状態検出部
DS11:貯湯状態検出センサ
DS12:一酸化炭素検出センサ
DS13:可燃ガス検出センサ
EP:電力取出部
EP1:電力取出ライン
FC:燃料電池
FC1:発電室
FC2:燃焼室
FCM:燃料電池モジュール
FCS:燃料電池システム
FP:燃料供給部
FP1:流量調整ユニット
FP2:脱硫器
FP4,FP5:ガス遮断弁
GD1,GD2:可燃ガス検知器
HW:温水製造装置
MV:混合部
POX:部分酸化改質反応
RF:改質器
RF1:改質部
RF2:蒸発部
SC:燃料電池システム制御部
SR:水蒸気改質反応
WP:水供給部
WP1:流量調整ユニット
WP2:貯水タンク
Claims (3)
- 固体電解質形の燃料電池セルを含む燃料電池システムであって、
被改質ガスを水蒸気改質して複数の前記燃料電池セルに供給する燃料ガスと成す改質器と、前記改質器に水を供給する水供給手段と、前記改質器に被改質ガスを供給するガス供給手段と、前記複数の燃料電池セルから電力を取り出す電力取出手段と、前記水供給手段、前記ガス供給手段、及び前記電力取出手段を制御する制御手段と、を備え、
前記複数の燃料電池セルの上方には、前記複数の燃料電池セルにおいて発電反応に寄与しなかったオフガスを燃焼させる燃焼部が形成され、前記改質器が前記燃焼部から燃焼熱を受け取るように配置されており、
前記制御手段は、少なくとも前記複数の燃料電池セル又は前記改質器における状態量測定値の変化率又は変化量が第1許容範囲を逸脱するか否かを判定する第1異常判定を実行し、当該第1異常判定の実行の結果、前記状態量測定値の変化率又は変化量が前記第1許容範囲を逸脱した場合には、前記電力取出手段における電力の取出を停止し、前記状態量測定値の監視は継続して第2異常判定を実行することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記第2異常判定の実行は、前記電力取出手段における電力取出の停止の後、所定時間後に行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第2異常判定の実行中において、前記状態量測定値の変化率又は変化量が前記第1許容範囲を逸脱することが所定回数以上発生するか、前記状態量測定値の変化率又は変化量が第2許容範囲を逸脱した場合には前記燃料電池システムの運転を停止することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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- 2009-03-31 JP JP2009086625A patent/JP2010238597A/ja active Pending
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