JP2010238589A - 燃料電池システム - Google Patents

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俊春 大江
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Abstract

【課題】改質器に少量の水を正確に供給することができ、確実に運転継続できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】この燃料電池システムFCSでは、貯水タンクは、逆浸透膜20を挟んで燃料電池モジュールFCM(改質器)と反対側に配置されている第1貯水タンクWP2aと、逆浸透膜20よりも燃料電池モジュールFCM(改質器)側に配置されている第2貯水タンクWP2bとによって構成され、ポンプは、第1貯水タンクWP2aに溜められた水を第2貯水タンクWP2bに圧送するポンプ111と、第2貯水タンクWP2bに溜められた水を燃料電池モジュールFCM(改質器)に圧送するパルスポンプ131とによって構成され、パルスポンプ131の圧送能力はポンプ111の圧送能力よりも低いことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体電解質形燃料電池(SOFC)セルを含む燃料電池システムに関する。
従来、このような燃料電池システムとしては、固体電解質形燃料電池(以下、SOFCともいう)セルを無底又は有底の筒形状等に構成し、そのセルの内側又は外側に水素を含む燃料ガスを通すと共に、反対側には酸化剤ガス(空気)を通すことで発電反応を行わせるものが知られている。燃料ガスは、都市ガスといった被改質ガスを改質して得られるものであって、その改質を行う改質器においてはいわゆる水蒸気改質反応(以下、SRともいう)が行われている。その改質器に純水を供給する技術が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
下記特許文献1では、純水を改質器に迅速に供給することが記載されている。また、断水時にあっても燃料電池システムの運転継続が可能なように、タンクに水を供給する技術が下記特許文献2に記載されている。
特開2008−135271号公報 特開2008−53209号公報
ところで、SOFCは発電効率が高く、使用する燃料ガスが少なくて済むため、非改質ガスも水蒸気も非常に少なくて済むという利点がある。例えば、上述した水蒸気改質反応SRでは、必要とされる水の量が毎分約8ml前後である。
一方、SOFCを含む燃料電池システム特有の起動方法に着目すると、上述した水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるから、起動当初において即座に水蒸気改質反応SRを行わせてしまうとSOFCモジュールの温度が上がらず、安定した運転温度まで上昇しないものである。そこで、起動当初は改質器に空気と被改質ガスのみを送り込み、発熱反応としての部分酸化改質反応(以下、POXともいう)を行わせている。部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとを比較すると、水素の発生効率は水蒸気改質反応SRの方が高いため、SOFCモジュールの温度上昇に合わせて水蒸気改質反応SRへと徐々に移行することが求められている。従って、改質器に供給する水量に着目すれば、全く水を用いない状態から毎分約8mlの給水へと円滑に移行させる必要がある。このような移行途中においては、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとが併用されたオートサーマル改質反応ATRを進行させる場合もある。
上述した事情を鑑みれば、改質器に供給する水量を可能な限り少ない量から徐々に増やしていくことが好ましいはずであるが、実際にそのような給水を行うことは極めて困難である。SOFCを含む燃料電池システムは上述したように効率の高いものであると同時に、非常に高温(約700℃)になるものでもある。例えば、一度起動し停止した後に再起動する場合には、改質器へ水を供給する給水管の温度が高くなり、その給水管内の水は蒸発してしまっている可能性が高い。そのように水の全く無い状態の給水管に、少ない水を正確に供給することは極めて難しいものであるが、改質器へ水を正確に供給できないことを放置すれば、水が足りない場合には改質器において炭素析出が発生してセルや触媒が破損する場合があり、水が多い場合には燃料電池の温度が上がらずに安定した運転が行えない場合がある。少ない水を正確に供給することは重要であり、少ない水を正確に供給するためには流量測定方法やその測定結果を利用した制御について工夫することも必要であるけれども、少量の水を圧送するポンプが不具合無く作動する環境を整えることも重要なことである。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、SOFCを含む燃料電池システムであって、改質器に少量の水を正確に供給することができ、確実に運転継続できる燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、固体電解質形の燃料電池セルを含む燃料電池システムであって、前記燃料電池セルに供給する燃料ガスの水蒸気改質を行う改質器と、前記改質器に水を供給するための水供給手段と、を備え、前記水供給手段は、前記改質器に供給する水を貯水する貯水タンクと、前記改質器に供給する水を純水とするための逆浸透膜と、を有し、前記貯水タンクは、前記逆浸透膜よりも上流側に配置されている第1タンクと、前記逆浸透膜よりも下流側である前記改質器側に配置されている第2タンクとによって構成され、前記第1タンクに溜められた水を前記逆浸透膜を通して前記第2タンクに圧送する第1ポンプと、前記第2タンクに溜められた水を前記改質器に圧送する第2ポンプとが設けられており、前記第2ポンプの圧送能力は前記第1ポンプの圧送能力よりも低いことを特徴とする。
本発明では、改質器に供給する水を貯水する貯水タンクを第1タンクと第2タンクに分離形成し、第2タンクへは第1タンクに溜められた水を第1ポンプによって送り込み、改質器へは第2タンクに溜められた水を第2ポンプによって送り込んでいる。従って、第2タンクの水が少なくなっても第1タンクから補充することができるので、改質器へ供給される水の貯留量が全体として増えることになり、燃料電池システムの運転を確実に継続することができる。更に、第1タンクから第2タンクへと水を送り込み、第2タンクから改質器へと水を送り込んでいることに加えて、改質器に水を送りこむ第2ポンプの圧送能力を第2タンクに水を送りこむ第1ポンプの圧送能力よりも低くすることで、逆浸透膜を確実に通過させて純水を生成すると共に第1ポンプの圧送の影響を第2ポンプに及ぼさずに、少量の水を確実に改質器に供給することができる。
本願請求項2に係る燃料電池システムでは、前記第1タンクに溜められる水は、上水道から供給される水又は前記燃料電池システムに備えられた熱交換器において結露する水であることを特徴とする。
この態様では、上水道から供給される水を第1タンクに溜めるので、熱交換器において結露水が生成されないような状況にあっても第1タンクに確実に水を溜めることができる。また、熱交換器において結露する水も第1タンクに溜めるので、断水時等に上水道から水が供給されないような状況にあっても第1タンクに確実に水を溜めることができる。従って、燃料電池システムの運転を確実に継続することができる。更に、第1タンクと第2タンクとを分離形成しているので、上水道から水を供給する場合であっても、上水道圧の影響を改質器への圧送に影響を及ぼさないようにすることができ、少量の水を確実に改質器に供給することができる。
本願請求項3に係る燃料電池システムでは、前記貯水タンクは、一体的に構成されたタンクを内部で分割して前記第1タンクと前記第2タンクとが構成されていることを特徴とする。
上述したように本発明では第2タンクに純水を溜めて、圧送能力の低い第2ポンプで少量の水を改質器に供給している。従って、気温の低い冬季等にあっては凍結しやすくなるので、この態様では第1タンクと第2タンクとを一体的に構成されたタンクを内部で分割することで形成し、全体の熱容量を大きくして凍結しにくくしている。更に、第1タンクと第2タンクとを一体的に構成することで、貯水タンクを小型化し、ひいては燃料電池システム全体を小型化することが可能となる。
本願請求項4に係る燃料電池システムでは、前記第2タンクは前記第1タンクよりも温度が高くなる側に配置されていることを特徴とする。
この態様では、純水を貯留する第2タンクを第1タンクよりも高温となる側に配置しているので、より凍結しやすい第2タンクを凍結しにくい環境に配置することで、凍結しにくくしている。
本願請求項5に係る燃料電池システムでは、前記第2タンクが前記第1タンクよりも前記燃料電池及び前記改質器を含む燃料電池モジュールの内側寄りに配置されていることを特徴とする。
この態様では、純水を貯留する第2タンクを第1タンクよりも高温となる燃料電池モジュールの内側寄りに配置しているので、より凍結しやすい第2タンクを凍結しにくい環境に配置することで、凍結しにくくしている。
本願請求項6に係る燃料電池システムでは、前記第1タンク及び前記第2タンクを加熱するように設けられた一体のタンク加熱部を備えることを特徴とする。
この態様では、一体的に形成された第1タンクと第2タンクとを加熱するタンク加熱部を一体のものとして設けているので、加熱制御がしやすくなると共に、燃料電池システム全体を小型化することが可能となる。
本願請求項7に係る燃料電池システムでは、前記第1タンク及び前記第2タンクは前記燃料電池及び前記改質器を含む燃料電池モジュールの下方に配置され、前記第2タンクから前記燃料電池モジュールへ配管が立ち上がり、その配管の前記燃料電池モジュール寄りに前記第2ポンプが配置されていることを特徴とする。
この態様では、燃料電池モジュールの下方に配置されている第2タンクから立ち上がる配管の燃料電池モジュール寄りの位置に第2ポンプを配置しているので、第2ポンプを燃料電池モジュールの改質器近傍に配置することができる。従って、第2ポンプを作動させるとすぐに水を改質器に供給することができ、改質器の水枯れを防止できる。また、送り出す水量が少なく、純水を送り出す第2ポンプを燃料電池モジュールの近傍に配置することで、燃料電池モジュールが発する熱を第2ポンプが受けることが可能となり、第2ポンプや配管を凍結しにくくしている。
本願請求項8では、前記配管の前記第2タンク寄りの領域にのみ配管加熱部を備えることを特徴とする。
この態様では、第2タンクから燃料電池モジュールへと立ち上がる配管の第2タンク寄りの領域にのみ配管加熱部を設けているので、配管の下方を加熱することでその熱を上方に伝達させることができ、少ないエネルギーで配管全体を効率的に暖めることができる。
本願請求項9では、前記タンク加熱部は第1作動温度以下になると作動し、前記配管加熱部は第2作動温度以下になると作動するものであって、前記第1作動温度よりも前記第2作動温度が高いことを特徴とする。
本発明では、第1タンクと第2タンクとを一体的に構成して熱容量を大きくし比較的凍結しにくいように構成する一方で、第2タンクから改質器へと供給する水は純水でありその流れは少なく比較的凍結しやすい。そのため、第2タンクから改質器へと向う配管を加熱する配管加熱部の第2作動温度をタンク加熱部の第1作動温度よりも高くすることで、配管の凍結を確実に防止することができる。このように凍結しやすい配管を効果的に暖めることに加え、タンク加熱部の第1作動温度を低くすることで、比較的凍結しにくい貯水タンクを無駄に暖めることがないので、無駄なエネルギーを使うことなく効果的に凍結防止を図ることができる。
本発明によれば、改質器に少量の水を正確に供給することができ、確実に運転継続できる燃料電池システムを提供することができる。
本願発明の実施形態である燃料電池システムの全体構成を示す概略構成図である。 図1に示す燃料電池システムの制御的な構成を示すブロック図である。 図1に示す燃料電池システムの起動時における各部の温度や各部の制御電圧を示すグラフである。 図1に示す貯水タンクから流量調整ユニットを経由して燃料電池モジュールに至る配管経路を模式的に示した図である。 図4に示す第1貯水タンクと第2貯水タンクとが横並びになるように一体的に構成した例を示す図である。 図4に示す第1貯水タンクと第2貯水タンクとが縦並びになるように一体的に構成した例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、本発明の一実施形態である燃料電池システムについて説明する。図1は、一実施形態としての燃料電池システムFCSの全体構成を示す概略構成図である。図1に示すように、燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、補器ユニットADUと、貯水タンクWP2と、温水製造装置HWとを備えている。
まず、燃料電池モジュールFCMについて説明する。燃料電池モジュールFCMは、燃料電池FCと、改質器RFと、制御ボックスCBと、一酸化炭素検知器CODと、可燃ガス検知器GD1とを備えている。燃料電池FCは、固体電解質形の燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)であって、発電室FC1と燃焼室FC2とを備えている。発電室FC1には複数本の燃料電池セルCEが配置されている。燃料電池セルCEは、電解質を挟んで燃料極と空気極とが設けられているものであって、燃料極側に燃料ガスを通し、空気極側に酸化剤ガスとしての空気を通すことで発電反応を起こすことができるように構成されている。本実施形態の燃料電池FCは固体電解質形燃料電池(SOFC)であるので、電解質を構成する材料としては、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートといった酸素イオン導電性酸化物を用いている。
燃料極を構成する材料としては、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体といった材料が用いられる。空気極を構成する材料としては、例えば、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀といった材料が用いられる。もっとも、電解質や燃料極及び空気極を構成する材料はこれらに限られるものではない。
発電室FC1において発電された電気は電力取出ラインEP1によって発電電力として取り出されて利用される。燃焼室FC2は、発電室FC1に配置された燃料電池セルCEによって発電反応に利用された残余の燃料ガスを燃焼させる部分である。燃焼室FC2において燃料ガスが燃焼した結果生じる排気ガスは、改質器RFと熱交換をした後に温水製造装置HWへと供給される。温水製造装置HWへと供給された排気ガスは更に熱交換を行い、水道水を昇温して温水とした後に外部へと排出される。
改質器RFは、被改質ガスを改質して燃料ガスとし、燃料電池FCの発電室FC1へと供給する部分である。被改質ガスの改質態様としては、部分酸化改質反応(POX;Partial Oxidation Reforming)、オートサーマル改質反応(ATR;Auto Thermal Reforming)、水蒸気改質反応(SR;Steam Reforming)があり、運転状況に応じて選択的に実行される(詳細は後述する)。改質器RFは、改質部RF1と、蒸発部RF2とを備えている。
蒸発部RF2は、補器ユニットADU側から供給される純水を蒸発させて水蒸気とし、その水蒸気を改質部RF1に供給する部分である。改質部RF1は、補器ユニットADU側から供給される被改質ガス、空気及び蒸発部RF2から供給される水蒸気を用いて被改質ガスを改質して燃料ガスとする部分である。改質部RF1には、改質触媒が封入されている。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したもの、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したもの、が適宜用いられる。本実施形態の場合、これらの改質触媒は球体である。
制御ボックスCBは、燃料電池システム制御部をその内部に収納し、操作装置や表示装置、報知装置が設けられているものである。燃料電池システム制御部、操作装置、表示装置、報知装置については後述する。
一酸化炭素検知器CODは、本来排気ガス通路等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUを覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。可燃ガス検知器GD1は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUに取り付けられている。
続いて、補器ユニットADUについて説明する。補器ユニットADUは、燃料電池モジュールFCMに水、被改質ガス、及び空気を供給するための補器を備えるユニットである。補器ユニットADUは、空気供給部として空気ブロワや流量調整弁等を含む流量調整ユニットAP1a,AP1b、及び電磁弁AP2と、燃料供給部として燃料ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットFP1、脱硫器FP2、ガス遮断弁FP4、及びガス遮断弁FP5と、水供給部として水ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットWP1と、可燃ガス検知器GD2と、を備えている。
外部の空気供給源から供給される空気は、電磁弁AP2が閉じていれば流量調整ユニットAP1a,AP1bに供給されず、電磁弁AP2が開いていれば流量調整ユニットAP1a,AP1bに供給される。流量調整ユニットAP1aによって流量調整された空気は改質用空気として、ヒータAH1によって昇温され、被改質ガスとの混合部MVに供給される。流量調整ユニットAP1bによって流量調整された空気は発電用空気として、ヒータAH2によって昇温され、燃料電池モジュールFCMの発電室FC1に供給される。発電室FC1に供給された発電用空気は、燃料電池セルCEの空気極に供給される。
外部の燃料供給源から供給される都市ガスは、2連電磁弁であるガス遮断弁FP4及びガス遮断弁FP5によってその流入が制御される。ガス遮断弁FP4,FP5のいずれもが開いていれば、都市ガスは脱硫器FP2に供給され、ガス遮断弁FP4,FP5のいずれかが閉じていれば、都市ガスは遮断される。脱硫器FP2に供給された都市ガスは、硫黄成分を除去されて被改質ガスとなり、流量調整ユニットFP1に供給される。流量調整ユニットFP1によって流量調整された被改質ガスは、改質用空気との混合部MVに供給される。混合部MVにおいて混合された被改質ガスと改質用空気とは、燃料電池モジュールFCMの改質器RFに供給される。
外部の水供給源から供給される水道水は、純水とされてから貯水タンクWP2に貯水される。貯水タンクWP2に貯水されている純水は、流量調整ユニットWP1によって流量が調整されて燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される。
可燃ガス検知器GD2は、燃料供給部としての系統であるガス遮断弁FP5、ガス遮断弁FP4、脱硫器FP2、流量調整ユニットFP1において、ガス漏れが発生していわゆる生ガスが外部に放出されないか検知するためのセンサである。
続いて、図2を参照しながら本実施形態の燃料電池システムFCSの制御的な構成について説明する。図2は、燃料電池システムFCSの制御的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、燃料電池モジュールFCMに空気を供給する空気供給部APと、燃料電池モジュールFCMに燃料ガスとなる被改質ガスを供給する燃料供給部FPと、燃料電池モジュールFCMに水を供給する水供給部WPと、燃料電池モジュールFCMから電力を取り出す電力取出部EPとを備えている。空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは補器ユニットADUに収められている。
燃料電池モジュールFCM、空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは、燃料電池システム制御部CSから出力される制御信号に基づいて制御される。燃料電池システム制御部SCは、CPU、ROM及びRAMといったメモリ、及び制御信号やセンサ信号を授受するためのインターフェイスによって構成されている。燃料電池システム制御部SCには、操作装置CS1、表示装置CS2、及び報知装置CS3が取り付けられている。操作装置CS1から入力される操作指示信号は燃料電池システム制御部CSに出力され、燃料電池システム制御部CSは、その操作指示信号に基づいて、燃料電池モジュールFCM等を制御する。燃料電池システム制御部CSが制御した情報や、所定の警告情報は、表示装置CS2及び報知装置CS3に出力される。操作装置CS1、表示装置CS2、及び報知装置CS3の具体的なハードウェア構成は特に限定されるものではなく、必要となる機能に応じて最適なハードウェア構成が選択される。一例としては、操作装置CS1として、キーボード、マウス、タッチパネルといったハードウェアが用いられる。表示装置CS2としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイといった表示系のハードウェアが用いられる。報知装置CS3としては、スピーカー、点灯器といったハードウェアが用いられる。燃料電池システム制御部CSは制御ボックスCBに収められている。また操作装置CS1、表示装置CS2、報知装置CS3は、図示しないボックスに収められ屋内に配置されている。
燃料電池システム制御部CSには、燃料電池システムFCSの各所に設けられたセンサからセンサ信号が出力される。燃料電池システム制御部CSに信号を出力するセンサとしては、改質器温度センサDS1、スタック温度センサDS2、排気温度センサDS3、改質器内圧力センサDS4、水位センサDS5、水流量センサDS6、燃料流量センサDS7、改質用空気流量センサDS8、発電用空気流量センサDS9、電力状態検出部DS10、貯湯状態検出センサDS11、一酸化炭素検出センサDS12、可燃ガス検出センサDS13が設けられている。
改質器温度センサDS1は、改質器RFの温度を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は2つ設けられている。スタック温度センサDS2は、発電室FC1に配置されている燃料電池セルCEの温度を測定するためのセンサであって、複数の燃料電池セルCEからなる燃料電池セルスタック近傍に配置されている。排気温度センサDS3は、燃焼室FC2から排出される排気ガスの温度を測定するためのセンサであって、燃焼室FC2から改質器RF近傍を通って温水製造装置HWに至る経路に配置されている。改質器内圧力センサDS4は、改質器RF内の圧力を測定するためのセンサである。なお、ここでは改質器RF内の圧力をセンサで測定するようにしているが、改質器RFの前段で燃料と水が混合される部分の圧力を検出するものであっても良い。
水位センサDS5は、貯水タンクWP2の水位を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は4つ設けられている。水流量センサDS6は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される純水の流量を測定するためのセンサである。燃料流量センサDS7は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される被改質ガスの流量を測定するためのセンサである。改質用空気流量センサDS8は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される改質用空気の流量を測定するためのセンサである。発電用空気流量センサDS9は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される発電用空気の流量を測定するためのセンサである。
電力状態検出部DS10は、センシング手段の集合体であって、燃料電池モジュールFCMから取り出す発電電力の状態を検出する部分である。貯湯状態検出センサDS11は、センシング手段の集合体であって、温水製造装置HWの貯湯状態を検出する部分である。
一酸化炭素検出センサDS12は、一酸化炭素検知器CODに備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM内における一酸化炭素のハウジング内への漏れを検出するセンサである。可燃ガス検出センサDS13は、可燃ガス検知器GD1,GD2に備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADU内における可燃ガスの漏洩を検出するセンサである。
続いて、燃料電池システムFCSの起動時(起動モード)における各種改質反応の切り替えについて図3を参照しながら説明する。図3は、燃料電池システムFCSの起動時における各部の温度や各部の制御電圧を示すグラフである。
本実施形態における燃料電池システムFCSの起動モードにおいては、燃焼運転と、部分酸化改質反応POXと、第1オートサーマル改質反応ATR1と、第2オートサーマル改質反応ATR2と、水蒸気改質反応SRとを順次切り替えながら改質反応を進行している。図3を説明するのに先立って、各改質反応について説明する。
部分酸化改質反応POXは、改質器SRに被改質ガスと空気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(1)に示す反応が進行する。
mn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (1)
部分酸化改質反応POXは、発熱反応であるので起動性が高く、燃料電池システムFCSの起動当初において好適な改質反応である。ただし、部分酸化改質反応POXは、水素収率が理論上少なく、発熱反応を制御するのも難しいことから、燃料電池モジュールFCMへ熱供給が必要な起動当初においてのみ利用されるのが好ましい改質反応である。尚、部分酸化改質反応POXのみに着目すれば、空間速度を高く設定するので、例えば改質器RFを分割形成して部分酸化改質反応POX専用の改質器を設ける場合には、その専用の改質器を小型化することができる。
水蒸気改質反応SRは、改質器SRに被改質ガスと水蒸気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(2)に示す反応が進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (2)
水蒸気改質反応SRは、水素収率が最も高く、高効率な反応である。ただし、水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるので熱源が必要であり、燃料電池システムFCSの起動当初よりはある程度温度が上昇した段階において好適な改質反応である。尚、水蒸気改質反応SRのみに着目すれば、空間速度を低く設定するので、改質器RFが大型化する傾向にある。
第1オートサーマル改質反応ATR1及び第2オートサーマル改質反応ATR2からなるオートサーマル改質反応ATRは、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとの中間的な改質反応であって、改質器RFに被改質ガスと空気と水蒸気とを供給して行う改質反応であり、化学反応式(3)に示す反応が進行する。
mn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
オートサーマル改質反応ATRは、水素収率が部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとの中間であり、反応熱のバランスが取りやすく、部分酸化改質反応POXと水蒸気改質反応SRとを繋ぐ反応として好適な改質反応である。本実施形態の場合は、水を少なく供給して部分酸化改質反応POXにより近い第1オートサーマル改質反応ATR1を先に行い、温度が上昇した後に水を増やすように供給して水蒸気改質反応SRにより近い第2オートサーマル改質反応ATR2を後に行っている。
図3に戻って、燃料電池システムFCSの起動モードについて説明する。図3は、横軸に起動開始後の経過時間を取り、左縦軸には各部の温度を取っている。制御電圧であるため特段の目盛りは付していないが、改質用空気を供給するための流量調整ユニットAP1aに含まれる改質用空気ブロワの制御電圧、発電用空気を供給するための流量調整ユニットAP1bに含まれる発電用空気ブロワの制御電圧、被改質ガスを供給するための流量調整ユニットFP1に含まれる燃料ポンプの制御電圧、及び純水を供給するための流量調整ユニットWP1に含まれる水ポンプの制御電圧は、図中上方に行くほど電圧が高くなる(供給量が増える)ように示している。図3には、改質器RFの温度、燃料電池セルCEのスタック温度、燃焼室FC2の温度(改質器RFの温度等から推定している)、流量調整ユニットAP1aに含まれる改質用空気ブロワの制御電圧、流量調整ユニットAP1bに含まれる発電用空気ブロワの制御電圧、流量調整ユニットFP2に含まれる燃料ポンプの制御電圧、流量調整ユニットWP1に含まれる水ポンプの制御電圧を示している。
まず、改質用空気を増やすように流量調整ユニットAP1a、電磁弁AP2、ヒータAH1、及び混合部MVを制御し、改質器RFに空気を供給する。また、被改質ガスの供給を増やすように流量調整ユニットFP1、ガス遮断弁FP4,FP5、及び混合部MVを制御し、改質器RFに被改質ガスを供給する。このように、空気と被改質ガスを供給し、イグナイタによって着火して燃焼運転を実行する(尚、条件によっては自然着火によって着火して燃焼運転を実行する)。この場合の、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分10.0L(リットル)、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分6.0Lである。また、起動モード全体を通して、発電室FC1に供給する発電用空気の流量は毎分100.0Lとなるように流量調整ユニットAP1bが制御される。発電室FC1上方の燃焼室FC2においては、改質器RFを通過した燃料ガスと発電用空気とが混合して燃焼しており、燃焼室FC2の温度が徐々に上昇する。
続いて、改質器RFの温度が約300℃程度になった際に改質器がPOX運転可能な状態になることから300℃前後になった時に成行きで部分酸化改質反応POXが進行する。部分酸化改質反応POXは発熱反応なので、各部の温度が上昇する。部分酸化改質反応POXを開始してから所定時間が経過した後、改質用空気の供給量を更に増やして部分酸化改質反応POXをより進行させる。具体的には、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分18.0L、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分5.0Lである。
続いて、改質器RFの温度が約600℃以上になり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約250℃を超えたことを条件として、第1オートサーマル改質反応ATR1へと移行させる。第1オートサーマル改質反応ATR1では、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分8.0Lに減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分5.0Lを維持する。更に、毎分1.0mlの極微量な純水を改質器RFに供給する。オートサーマル改質反応ATRは、部分酸化改質反応ATRと水蒸気改質反応SRとを混合した反応であって、熱的に内部バランスが取れるので改質器RF内では熱自立しながら反応が進行する。また、第1オートサーマル改質反応ATR1は,空気が比較的多く部分酸化改質反応POXに近い反応であり、発熱が支配的な反応となっている。尚、第1オートサーマル改質反応ATR1中において、燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度は約250℃から約400℃である。
続いて、改質器RFの温度が600℃以上となり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約400℃を超えたことを条件として、第2オートサーマル改質反応ATR2へと移行させる。第2オートサーマル改質反応ATR2では、改質器RFに供給する改質用空気の流量は毎分4.0Lに減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量も毎分4.0Lに減らす。更に、毎分3.0mlの微量な純水を改質器RFに供給する。第2オートサーマル改質反応ATR2は,空気が比較的少なく水が多いため水蒸気改質反応SRに近い反応であり、吸熱が支配的な反応となっている。しかしながら、発電室FC1内の温度を示すセルスタック温度が約400℃を超えているため、吸熱反応が支配的であっても大幅な温度低下を招くことはない。尚、第2オートサーマル改質反応ATR2中において、蒸発部RF2の温度は約100℃以上である。
続いて、改質器RFの温度が650℃以上となり、且つ燃料電池セルCEによって構成されるセルスタックの温度が約600℃を超えたことを条件として、水蒸気改質反応SRへと移行させる。水蒸気改質反応SRでは、改質器RFに供給する改質用空気は遮断し、改質器RFに供給する被改質ガスの流量は毎分3.0Lに減らす。更に、毎分8.0mlの純水を改質器RFに供給する。この水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるので、燃焼室FC2からの燃焼熱による熱バランスをとりながら反応が進行する。この段階では、既に起動の最終段階であるため、発電室FC1内が十分高温に昇温されているので、吸熱反応を主体としても大幅な温度低下を招くことはない。また水蒸気改質反応SRが進行しても燃焼室FC2では継続して燃焼反応が持続する。
上述したように着火から燃焼工程の進行に合わせて改質工程を切り替えていくことで、発電室FC1内の温度が徐々に上昇する。発電室FC1の温度(セルスタックの温度)が、燃料電池モジュールFCMを安定的に作動させる定格温度(約700℃)よりも低い所定の発電温度に達したら、燃料電池モジュールFCMを含む電気回路を閉じる。それにより、燃料電池モジュールFCMは発電を開始し、回路に電流が流れて外部に電力を供給することができる。燃料電池セルCEの発電により、燃料電池セルCE自体も発熱し、更に、燃料電池セルCEの温度が上昇する。その結果、燃料電池モジュールFCMを作動させる定格温度、例えば700℃〜800℃になる。
その後、定格温度を維持するために、燃料電池セルCEで消費される燃料ガス及び空気の量よりも多い量の燃料ガス及び空気を供給し、燃焼室FC2での燃焼を継続させる。尚、発電中は、改質効率の高い水蒸気改質反応SRで発電が進行する。水蒸気改質反応SR自体は厳密には400℃〜800℃程度で行われるが、燃料電池セルCEとの組み合わせにおいては500℃〜700℃程度で反応が進行するように設定している。
本実施形態では、図3に示す第1オートサーマル改質反応ATR1の開始時に、毎分1mlという極めて微量な水を改質器SRに供給している。このように微量な水を正確に供給するための一実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、図1に示す貯水タンクWP2から流量調整ユニットWP1を経由して燃料電池モジュールFCMに至る配管経路を模式的に示した図である。
図4に示すように、貯水タンクWP2は、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとを備えている。第1貯水タンクWP2aには、上水が供給される給水管10が繋がれている。給水管10には電磁弁101が設けられており、電磁弁101を開閉することで第1貯水タンクWP2aに上水を供給したり停止したりすることができる。第1貯水タンクWP2aは、温水製造装置HWの熱交換器HW1において結露した水を受け入れることが可能なように配置されている。従って、第1貯水タンクWP2aには、温水製造装置HWの熱交換器HW1において結露した水を貯めつつ、水量が不足した場合には給水管10から水を補給することが可能である。第1貯水タンクWP2aにはヒータH1が設けられていて、第1貯水タンクWP2a内の水が凍結しないように構成されている。
第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとを繋ぐ管路11には、ポンプ111(第1ポンプ)と逆浸透膜20とが設けられている。ポンプ111は、毎分1Lの水を第1貯水タンクWP2aから第2貯水タンクWP2bへと送り込むことができる。ポンプ111にて、逆浸透膜20を通して水を第2貯水タンクWP2b側へと押し込むので、逆浸透膜20を通過した水は純水となって第2貯水ダンクWP2bへ貯水される。第2貯水タンクWP2bにはヒータH2が設けられていて、第2貯水タンクWP2b内の水が凍結しないように構成されている。
第2貯水タンクWP2bと燃料電池モジュールFCMとを繋ぐ管路13には、パルスポンプ131(第2ポンプ)と水流量センサDS6とが設けられている。従って、管路13は、第2貯水タンクWP2bからパルスポンプ131までの管路13aと、パルスポンプ131から水流量センサDS6までの管路13bと、水流量センサDS6から燃料電池モジュールFCMまでの管路13cとによって構成されている。管路13aの第2貯水タンクWP2b近傍にはヒータH3が設けられていて、管路13a内の水、特に燃料電池モジュールFCMから離れた位置の水が凍結しないように構成されている。
上述した第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとは、その熱容量を増大させて凍結防止を図る観点から一体的に構成することがより好ましく、ヒータH1及びヒータH2も一体的に構成することが好ましい。その例を図5及び図6に示す。図5は、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとが横並びになるように一体的に構成し、第2貯水タンクWP2bを燃料電池モジュールFCMの内側に近くなるように配置した例を示している。図6は、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとが縦並びになるように一体的に構成し、第2貯水タンクWP2bを燃料電池モジュールFCM側(上側)になるように配置した例を示している。また、図4に示したヒータH1及びヒータH2を一体的なヒータH12として構成し、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとの双方を暖めることができるように配置している。
本実施形態では、第2貯水タンクWP2bに純水を溜めて、圧送能力の低いパルスポンプ131で少量の水を燃料電池モジュールFCM(改質器RF)に供給している。従って、気温の低い冬季等にあっては凍結しやすくなるので、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとを一体的に構成されたタンクを内部で分割することで形成し、全体の熱容量を大きくして凍結しにくくしている。更に、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bとを一体的に構成することで、貯水タンクWPを小型化し、ひいては燃料電池システムFCS全体を小型化することが可能となる。
また、純水を貯留する第2貯水タンクWP2bを第1貯水タンクWP2aよりも高温となる側に配置しているので、より凍結しやすい第2貯水タンクWP2bを凍結しにくい環境に配置することで、凍結しにくくしている。具体的には、図5に示すように、第2貯水タンクWP2bが第1貯水タンクWP2aよりも燃料電池モジュールFCMの内側寄りに配置されている。純水を貯留する第2貯水タンクWP2bを第1貯水タンクWP2aよりも高温となる燃料電池モジュールFCMの内側寄りに配置しているので、より凍結しやすい第2貯水タンクWP2bを凍結しにくい環境に配置することで、凍結しにくくしている。
また、図5及び図6に示すように、第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bを加熱するように設けられた一体のヒータH12(タンク加熱部)を第1貯水タンクWP2a及び第2貯水タンクWP2bの外側に備えている。このように、一体的に形成された第1貯水タンクWP2aと第2貯水タンクWP2bを加熱するヒータH12を一体のものとして設けているので、加熱制御がしやすくなると共に、燃料電池システムFCS全体を小型化することが可能となる。
また、図5及び図6に示すように、第1貯水タンクWP2a及び第2貯水タンクWP2bは燃料電池モジュールFCMの下方に配置され、第2貯水タンクWP2bから燃料電池モジュールFCMへ配管が立ち上がり、その配管の燃料電池モジュールFCM寄りに第2ポンプが配置されている。燃料電池モジュールFCMの下方に配置されている第2貯水タンクWP2bから立ち上がる配管の燃料電池モジュールFCM寄りの位置にパルスポンプ131を配置しているので、パルスポンプ131を燃料電池モジュールFCMの改質器RF近傍に配置することができる。従って、パルスポンプ131を作動させるとすぐに水を改質器RFに供給することができ、改質器RFの水枯れを防止できる。また、送り出す水量が少なく、純水を送り出すパルスポンプ131を燃料電池モジュールFCMの近傍に配置することで、燃料電池モジュールFCMが発する熱をパルスポンプ131が受けることが可能となり、パルスポンプや配管を凍結しにくくしている。
また、図5及び図6に示すように、第2貯水タンクWP2bから燃料電池モジュールFCMに至る配管の第2貯水タンクWP2b寄りの領域にのみヒータH3(配管加熱部)を備えている。このようにヒータH3を設けているので、配管の下方を加熱することでその熱を上方に伝達させることができ、少ないエネルギーで配管全体を効率的に暖めることができる。
また、上述した本実施形態では、ヒータH12(タンク加熱部)は第1作動温度以下になると作動し、ヒータH3(配管加熱部)は第2作動温度以下になると作動するものであって、第1作動温度よりも第2作動温度が高いように構成されている。
本実施形態では、第1貯水タンクWP2a及び第2貯水タンクWP2bを一体的に構成して熱容量を大きくし比較的凍結しにくいように構成する一方で、第2貯水タンクWP2bから改質器RFへと供給する水は純水でありその流れは少なく比較的凍結しやすい。そのため、第2貯水タンクWP2bから改質器RFへと向う配管を加熱するヒータH3(配管加熱部)の第2作動温度をヒータH12(タンク加熱部)の第1作動温度よりも高くすることで、配管の凍結を確実に防止することができる。このように凍結しやすい配管を効果的に暖めることに加え、ヒータH12(タンク加熱部)の第1作動温度を低くすることで、比較的凍結しにくい貯水タンクWP2を無駄に暖めることがないので、無駄なエネルギーを使うことなく効果的に凍結防止を図ることができる。
ADU:補器ユニット
AH1:ヒータ
AH2:ヒータ
AP:空気供給部
AP1a,AP1b:流量調整ユニット
AP2:電磁弁
ATR:オートサーマル改質反応
ATR1:オートサーマル改質反応
ATR2:オートサーマル改質反応
CB:制御ボックス
CE:燃料電池セル
COD:一酸化炭素検知器
CS:燃料電池システム制御部
CS1:操作装置
CS2:表示装置
CS3:報知装置
DS1:改質器温度センサ
DS2:スタック温度センサ
DS3:排気温度センサ
DS4:改質器内圧力センサ
DS5:水位センサ
DS6:水流量センサ
DS7:燃料流量センサ
DS8:改質用空気流量センサ
DS9:発電用空気流量センサ
DS10:電力状態検出部
DS11:貯湯状態検出センサ
DS12:一酸化炭素検出センサ
DS13:可燃ガス検出センサ
EP:電力取出部
EP1:電力取出ライン
FC:燃料電池
FC1:発電室
FC2:燃焼室
FCM:燃料電池モジュール
FCS:燃料電池システム
FP:燃料供給部
FP1:流量調整ユニット
FP2:脱硫器
FP4,FP5:ガス遮断弁
GD1,GD2:可燃ガス検知器
HW:温水製造装置
MV:混合部
POX:部分酸化改質反応
RF:改質器
RF1:改質部
RF2:蒸発部
SC:燃料電池システム制御部
SR:水蒸気改質反応
WP:水供給部
WP1:流量調整ユニット
WP2:貯水タンク

Claims (9)

  1. 固体電解質形の燃料電池セルを含む燃料電池システムであって、
    前記燃料電池セルに供給する燃料ガスの水蒸気改質を行う改質器と、前記改質器に水を供給するための水供給手段と、を備え、
    前記水供給手段は、
    前記改質器に供給する水を貯水する貯水タンクと、
    前記改質器に供給する水を純水とするための逆浸透膜と、を有し、
    前記貯水タンクは、前記逆浸透膜よりも上流側に配置されている第1タンクと、前記逆浸透膜よりも下流側である前記改質器側に配置されている第2タンクとによって構成され、
    前記第1タンクに溜められた水を前記逆浸透膜を通して前記第2タンクに圧送する第1ポンプと、前記第2タンクに溜められた水を前記改質器に圧送する第2ポンプとが設けられており、
    前記第2ポンプの圧送能力は前記第1ポンプの圧送能力よりも低いことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記第1タンクに溜められる水は、上水道から供給される水又は前記燃料電池システムに備えられた熱交換器において結露する水であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記貯水タンクは、一体的に構成されたタンクを内部で分割して前記第1タンクと前記第2タンクとが構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第2タンクは前記第1タンクよりも温度が高くなる側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第2タンクが前記第1タンクよりも前記燃料電池及び前記改質器を含む燃料電池モジュールの内側寄りに配置されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1タンク及び前記第2タンクを加熱するように設けられた一体のタンク加熱部を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第1タンク及び前記第2タンクは前記燃料電池及び前記改質器を含む燃料電池モジュールの下方に配置され、
    前記第2タンクから前記燃料電池モジュールへ配管が立ち上がり、その配管の前記燃料電池モジュール寄りに前記第2ポンプが配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記配管の前記第2タンク寄りの領域にのみ配管加熱部を備えることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記タンク加熱部は第1作動温度以下になると作動し、前記配管加熱部は第2作動温度以下になると作動するものであって、
    前記第1作動温度よりも前記第2作動温度が高いことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
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