JP2010238570A - プラズマディスプレイパネルおよび該パネルの電極形成用ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によって提供されるプラズマディスプレイパネル1の電極形成用ペーストは、銀または銀主体の合金からなる銀系金属粉末と、複数の酸化物成分からなるガラス粉末であって該ガラス粉末全体の1.5質量%〜5質量%をアルカリ金属酸化物からなるアルカリ成分が占めるガラス粉末と、を含んでおり、該ペースト全体を100質量%として1質量%〜3質量%の割合で酸化マンガン粉末を含む。
【選択図】図1
Description
このうち前面パネルは、パネル本体であるガラス(例えばソーダガラス)基板上に、複数対の表示電極と誘電体層と保護層とを備える。誘電体層は、硼珪酸ガラス等の低融点ガラスから構成され、上記表示電極を覆うように形成されている。上記保護層は、表面保護層とも呼ばれ、典型的にはマグネシア等から構成されて上記誘電体層上に形成されている。上記表示電極は、典型的にはITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極と、該透明電極の導電性を補うために該透明電極上に設けられた膜状のバス電極とから構成されている。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)の電極形成用ペーストは、アルカリ金属酸化物からなるアルカリ成分を上記割合で含むガラス(いわゆるアルカリガラス)粉末を含有する。このため、かかるペーストを用いることにより耐酸性に優れた電極を形成することができる。他方、上記アルカリ成分を含むガラスは、銀イオンのマイグレーションを促進するように作用する虞があるが、本発明に係る上記ペーストでは上記割合で酸化マンガン粉末が含まれることにより、銀系金属粉末に係る銀イオンのマイグレーションが抑制され、耐マイグレーション性が向上した電極の形成が実現され得る。
また、本発明に係るペーストは、上記のように低い割合で上記アルカリ成分と酸化マンガン粉末を含むことにより、耐酸性と耐マイグレーション性とがともに優れる好適な電極の形成を実現することができる。
したがって、本発明に係るペーストを用いることにより、耐酸性とマイグレーション性を両立する電極を形成し、かかる電極を備えた好ましいPDPを提供することができる。
また、より好ましくは、上記酸化マンガン粉末は三二酸化マンガン(Mn2O3)である。
かかる構成のペーストを用いることにより、耐酸性と耐マイグレーション性とがより一層高いレベルで両立した電極を形成することができる。また数種の酸化マンガンのうち特に三二酸化マンガンを用いることによって耐マイグレーション性をより一層向上させることができる。
かかる構成のペーストを用いることにより、ガラス基板に対して精細なパターンを有する電極を正確に形成することができるとともに、ガラス基板から剥離せず耐久性の高い電極を形成することができる。
かかる構成のペーストを用いることにより、光化学的作用に基づいて電極を形成する方法(典型的にはフォトリソグラフィ法)を用いて、精細なパターンの膜状電極(導電膜)を容易に且つ精確に形成することができる。
以上のようなAg系金属粉末は、上記ペースト全体の40質量%〜80質量%(より好ましくは50質量%〜75質量%)の割合で含有されることが好ましい。このような組成であることにより、かかるペーストを用いて電極として好適な導電率を有する導電被膜(電極層)を形成することができる。
かかるガラス粉末は、複数の金属酸化物から構成されており、特に該金属酸化物のうちアルカリ金属酸化物(以下、「アルカリ成分」ということもある。)を含有している。かかるガラス粉末がアルカリ成分を含むことにより、ここで開示されるペーストを用いてなる電極の耐酸性(例えば耐硝酸性)を向上させ得る。
ここで、SiO2はガラス形成酸化物(すなわちガラスマトリックスの骨格を作る成分)であり、必須の構成成分である。SiO2が少量であるとガラスの耐水性、耐酸性等の耐化学性が不十分になり、含有率の増加に伴い熔融温度(融点)が上がり、粘度が高くなる。またSiO2が過剰量であると緻密性や機械的強度が低下する。上記ガラス粉末全体に占めるSiO2の含有率は、上記性質を考慮しつつ適宜調整され得る。
上述した酸化物成分以外にも、上記ガラス粉末の構成成分(典型的には本質的ではない成分)として、例えばP2O5、MoO2、SrO、BaO、SnO、SnO2、CuO、Cu2O、TiO2、ZrO2、La2O3等の酸化物をはじめとする種々の成分を適宜添加してもよく、上記特性を備えた好適なPDP電極形成用ペーストを実現し得る範囲において、特に制限されない。
また、かかる酸化マンガン粉末は、充填率向上の観点からは、平均粒径が5μm以下および/または最大粒径が20μm以下の粉末が好ましい。特に好ましくは、平均粒径が1μm以下および/または最大粒径が5μm以下のものである。また、比表面積が少なくとも5m2/gである粉体が好ましく、10m/g以上(典型的には10〜50m2/g)である粉体が特に好ましい。
ここで、上記電極形成用ペーストを感光性ペーストとして調製するために上記光重合性化合物および光重合開始剤を含有させる場合には、該電極形成用ペースト全体を100質量%として3質量%〜20質量%(例えば6質量%〜12質量%)程度の割合で光重合性化合物を含有させればよく、5質量%以下(例えば0.2質量%〜1.5質量%))程度の割合で光重合開始剤を含有させればよい。
なお、上記以外にもPDP電極形成用ペーストには、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、重合禁止剤等を適宜添加することができる。これらの添加剤は、従来の電極形成用ペーストの調製に用いられ得るものであればよく、特に制限なく用いることができる。
アドレス電極の形成方法は、ここで開示されるPDP電極形成用ペーストを用意する工程と、該ペーストをガラス基板の表面に付与(塗布)して所定厚の導電被膜を形成する工程と、当該導電被膜を焼成する工程を包含する。このアドレス電極の形成方法自体については、従来のアドレス電極形成用ペーストを用いる場合と同様でよく、特に制限はない。
以上の一連の工程を行うことによって、後述する図1および図2に示されるようなアドレス電極24をガラス基板の表面上に形成することができる。
なお、アドレス電極24を形成する材料以外のPDP構成材料ならびにPDPの構築方法自体は従来と全く同様であるため詳細な説明は省略する。
図1に示されるように、前面パネル10は、例えばソーダガラス等から構成される高い透明性の前面ガラス基板12(例えば厚み1.8mm程度)を備える。前面ガラス基板12における背面パネル20と対向する側の面には、PDP1の表示電極を構成する透明電極(ITO電極)14と該透明電極14上に形成されたバス電極15が形成されている。透明電極14およびバス電極15を覆うようにして低融点ガラスからなる誘電体層16が形成され、該誘電体層16の表面にはマグネシアからなる保護層18が形成されている。バス電極15は、典型的には二層構造に構成されている。なお、本実施形態では、ここで開示されるPDP電極形成用ペーストをアドレス電極の形成用ペーストとして用いたが、かかるペーストを上記二層構造のバス電極15のうち例えば上層部分を形成するペーストとして用いることも可能である。
また、アドレス電極24を覆うようにして低融点ガラスからなる誘電体層26が形成されている。この誘電体層26の表面上には隔壁30が所定の間隔で形成されている。これにより、背面パネル20と前面パネル10との間に、隔壁30で仕切られた多数のセル40が形成されている。各セル40の内壁面には蛍光体層32が設けられている。蛍光体層32として、従来公知の赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体等がそれぞれのセル40に所定の順序で配置されている。各セル40内には放電ガスが充填されている。放電ガスとしては従来公知のガスを使用すればよい。例えば、キセノンガス(Xe)、ネオンガス(Ne)、ヘリウム−キセノン(He−Xe)混合ガス、ネオン−キセノン(Ne−Xe)混合ガス等を用いることができる。
なお、上記のガラス基板12,22、隔壁30、蛍光体層32、透明電極14、誘電体層16,26、保護層18としては、上記の構成に限られず一般的なPDPに適用可能な従来公知の構成を特に制限なく適宜選択して用いることができる。また、PDPに適用可能なこれら以外の他の構成を備えていてもよい。
(種類の異なる酸化マンガン粉末を含有するPDP電極形成用ペーストの調製)
複数種の酸化マンガンのうち、PDP電極形成用ペーストに含有される酸化マンガンとして最適なものを評価するべく、種類の異なる酸化マンガン粉末を含むPDP電極形成用ペーストを調製した。
まず、以下に示す材料を用意した。すなわち、Ag系金属粉末としてほぼ球形のAg粉末(平均粒径2.1μm、比表面積0.4m2/g)を用意した。また、ガラス粉末としてSiO2、Bi2O3、B2O3に加えてアルカリ成分としてLi2O、Na2OおよびK2Oの各成分を主成分として含み、その他の副成分としてZrO2、TiO2、Al2O3を含むガラス粉末であって上記アルカリ成分が該ガラス粉末全体の0.1質量%を占めるように調製されたガラス粉末(平均粒径約1μmのガラスフリット)を用意した。さらに、酸化マンガン粉末として三二酸化マンガン(Mn2O3、平均粒径0.5μm、比表面積約10m2/g)、光重合性化合物として多官能モノマー、光重合開始剤としてイルガキュア369(登録商標)(チバスペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、分散媒における有機バインダとしてエチルセルロース等のセルロース系高分子およびアクリル樹脂、有機溶媒としてターピネオールを用意した。次に、最終的なペーストの配合比がAg系金属粉末54質量%、ガラス粉末6質量%(このうち3.3質量%がアルカリ成分で占められる。)、酸化マンガン粉末1質量%、光重合性化合物10質量%、光重合開始剤0.5質量%、有機バインダ5質量%、および残部が有機溶媒となるように、上記各原料(材料)を秤量し、混練機(三本ロールミル)を用いて混練した。これにより、粘度が約20Pa・sである電極形成用ペースト(サンプル1)を調製した。
酸化マンガン粉末として、上記三二酸化マンガン(Mn2O3)に代えて二酸化マンガン(MnO2)を用い、それ以外の原料および配合比は全て上記サンプル1と同様にしてサンプル2を調製した。
酸化マンガン粉末として、上記三二酸化マンガン(Mn2O3)に代えて四三酸化マンガン(Mn3O4)を用い、それ以外の原料および配合比は全て上記サンプル1と同様にしてサンプル3を調製した。
また、酸化マンガン粉末を含まない電極形成用ペースト(サンプル4)であって最終的なペーストの配合比がAg系金属粉末54質量%、ガラス粉末6質量%(このうち3.3質量%がアルカリ成分で占められる。)、光重合性化合物9質量%、光重合開始剤0.2質量%、有機バインダ5質量%、および残部が有機溶媒となる組成の電極形成用ペースト(サンプル4)を調製した。
次に、上記得られた4種類のペースト(サンプル1〜4)を用いて以下のようにして電極を形成した。
まず、市販のガラス基板(ここでは旭硝子株式会社から入手可能なカラーPDP用ガラス基板、商品名「PD200」を使用した。)上に、上記サンプル1を膜状に塗布した。その後、熱風式乾燥機により110℃で10分間の乾燥処理を行い、ガラス基板上に導電被膜を形成した。次いで、樹脂印刷版「Poly#355」を使用して、10mm幅のライン状の導電被膜が1mmの間隔で複数本形成されるようなパターンになるように、露光機により300mJ/cm2の強度で露光した。露光後、0.4%のNa2CO3現像した後に、純水で15秒間洗浄した。これにより、複数本のラインが1mmの間隔で並んだパターンの導電被膜(電極)が形成された。その後、最高焼成温度(590℃)で焼成した(最高焼成温度の継続時間:20分)。
サンプル2〜4についても、上記サンプル1と同様にして電極を形成した。
上記サンプル1〜4に係る電極の耐マイグレーション性を評価した。評価試験方法としては、ウォータードロップ法(脱イオン水滴下法ともいう。)を採用した。まず、サンプル1を用いてなる電極が形成されたガラス基板において、その電極間に所定量の水滴100μLを滴下した。次に、5Vの電圧を該電極に印加した。このとき、Agイオンによるマイグレーションの発生状況を所定の印加時間毎(すなわち、印加20秒後、40秒後および60秒後)に実体顕微鏡にて確認した。サンプル2〜4に係る電極についても、上記と同様に評価した。ここで、印加時間20秒後におけるサンプル1〜4に係る電極の各顕微鏡像を図3、40秒後の顕微鏡像を図4、および60秒後の顕微鏡像を図5に示す。
以上の結果より、PDP電極形成用ペーストに最も耐マイグレーション性を付与し得る酸化マンガンはMn2O3であることが確認された。
(ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率が異なるPDP電極形成用ペーストの調製および電極の形成)
PDP電極形成用ペーストに含有される酸化マンガンの含有率とガラス粉末中のアルカリ成分の含有率とが、該ペーストの耐酸性および耐マイグレーション性にどのように影響を及ぼすかを評価するべく、ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率、および酸化マンガン粉末の含有率が異なるPDP電極形成用ペーストを調製した。
まず、酸化マンガン粉末を含まない電極形成用ペースト(サンプル11〜17)を調製した。Ag系金属粉末であるAg粉末を54質量%、例1と同じ酸化物を含むガラス粉末を6質量%、光重合性化合物である多官能モノマーを10質量%、光重合開始剤であるイルガキュア369(登録商標)(チバスペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5質量%、有機バインダであるエチルセルロース等のセルロース系高分子およびアクリル樹脂を5質量%、および残部が有機溶媒となる組成となるように上記各原料(材料)を秤量し、混練した。このようにして電極形成用ペースト(サンプル11)を調製した。ここで、サンプル11に含まれる上記ガラス粉末は、アルカリ成分であるアルカリ金属酸化物を含んでいない。
次に、アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の0.1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル12を調製した。
また、アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル13を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の1.8質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル14を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の3.3質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル15を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の4.5質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル16を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス粉末全体の5.1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル11と同一であるサンプル17を調製した。
次に、アルカリ成分の含有率がガラス全体の0.1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル22を調製した。
また、アルカリ成分の含有率がガラス全体の1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル23を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス全体の1.8質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル24を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス全体の3.3質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル25を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス全体の4.5質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル26を調製した。
アルカリ成分の含有率がガラス全体の5.1質量%となるように調製されたガラス粉末を用いること以外は、サンプル21と同一であるサンプル27を調製した。
また、酸化マンガン粉末であるMn2O3粉末がペースト全体の0.7質量%の含有率で含まれるとともに、ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率が上記のように異なる電極形成用ペースト(サンプル41〜47)を調製した。
また、酸化マンガン粉末であるMn2O3粉末がペースト全体の1質量%の含有率で含まれるとともに、ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率が上記のように異なる電極形成用ペースト(サンプル51〜57)を調製した。
また、酸化マンガン粉末であるMn2O3粉末がペースト全体の2.5質量%の含有率で含まれるとともに、ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率が上記のように異なる電極形成用ペースト(サンプル61〜67)を調製した。
また、酸化マンガン粉末であるMn2O3粉末がペースト全体の3質量%の含有率で含まれるとともに、ガラス粉末中のアルカリ成分の含有率が上記のように異なる電極形成用ペースト(サンプル71〜77)を調製した。
以上、上記サンプル11〜77におけるMn2O3粉末の含有率とガラス粉末のアルカリ成分の含有率の関係を表1に示す。
次に、上記サンプル11〜77に係る電極の耐酸性を評価した。評価試験方法としては、硝酸に浸漬後、スクラッチ試験により電極とガラス基板との密着強度を測定し、その強度の大きさから耐酸性を評価するものである。密着強度が大きいほど耐酸性に優れることが言える。本評価試験では以下の手順で行った。まず、上記各サンプルに係る電極が形成されているガラス基板を60℃に加熱した硝酸(6%の硝酸水溶液)に6分間浸漬し、純水で洗浄した。次いでかかるガラス基板を乾燥して水分を除去した後に、スクラッチ試験機におけるタングステン製のスクラッチ端子を上記電極の表面に対して直角になるように当接させて、上記端子の先端部を2mm/秒、負荷過重100gで水平に(すなわち上記電極表面上で)微小振動させた。これにより上記電極における剥離、断線、破壊等の損傷の状況を観察し、その損傷の状況から上記各電極とガラス基板との密着強度を評価した。その結果を表2に示す。表2において、「○」とは、電極がガラス基板から剥離しなかったことを表しており、「×」とは、電極がガラス基板から剥離したことを表している。
上記のようにして得られたサンプル11〜77に係る電極の耐マイグレーション性を評価した。評価試験方法としては、高温および高湿の環境条件下で所定の電圧を印加し、電流値をモニタリングして電極間で短絡するまでに要した時間を測定し、その所要時間(短絡時間)の長短から耐マイグレーション性を評価するものである。かかる短絡時間が長いものほど耐マイグレーション性が高いことがいえる。本評価試験では、温度が80℃且つ相対湿度が80%の環境下で、上記0.1mm間隔で並んだライン状の電極(すなわちサンプル11〜77に係る電極)に100Vの電圧をかけた際に、短絡するまでに要した時間(短絡時間)を測定した。その結果を表3に示す。表3における「○」とは、短絡時間が20分以上であったことを表しており、「△」とは短絡時間が10分以上20分未満だったことを表しており、「×」とは短絡所間が10分未満であったことを表している。
したがって、ガラス粉末全体の2質量%〜4質量%(ペースト全体の0.1質量%〜0.25質量%)という低い含有率でアルカリ成分を含むガラス粉末と、ペースト全体の1質量%〜2質量%という低い含有率で含まれるMn2O3粉末とを含有するPDP電極形成用ペーストは、耐酸性と耐マイグレーション性とを特に高いレベルで両立した好適なPDP電極を提供し得る。
10 前面パネル
12 前面ガラス基板
14 透明電極
15 バス電極
16 誘電体層
18 保護層(マグネシア層)
20 背面パネル
22 背面ガラス基板
24 アドレス電極
26 誘電体層
30 隔壁
32 蛍光体層
40 セル
Claims (6)
- プラズマディスプレイパネルにおける電極を形成するために用いられる電極形成用ペーストであって、
銀または銀主体の合金からなる銀系金属粉末と、
複数の酸化物成分からなるガラス粉末であって該ガラス粉末全体の1.5質量%〜5質量%をアルカリ金属酸化物からなるアルカリ成分が占めるガラス粉末と、
を含んでおり、
前記ペースト全体を100質量%として1質量%〜3質量%の割合で酸化マンガン粉末を含むことを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの電極形成用ペースト。 - 前記ガラス粉末は、該ガラス粉末全体の2質量%〜4質量%のアルカリ成分を含み、且つ前記酸化マンガン粉末は前記ペースト全体の1質量%〜2質量%で含むことを特徴とする、請求項1に記載のペースト。
- 前記酸化マンガンは、三二酸化マンガン(Mn2O3)であることを特徴とする、請求項1または2に記載のペースト。
- 前記ガラス粉末の含有率が、前記ペースト全体の5質量%〜20質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のペースト。
- 光重合性化合物と光重合開始剤をさらに含む感光性組成物として調製されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のペースト。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電極形成用ペーストを用いて形成された電極を備えたプラズマディスプレイパネル。
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