JP2010238513A - 固体高分子形燃料電池用触媒粒子含有凝集体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、触媒粒子の活性面積の低下を抑え、長期耐久性に優れた固体高分子形燃料電池を得ることができる触媒粒子含有凝集体を提供することを課題とする。
【解決手段】触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の表面上に樹脂被覆層が形成されてなる、固体高分子形燃料電池用触媒粒子含有凝集体。触媒層形成用ペースト組成物を調製する際には、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び前記触媒粒子含有凝集体を含ませることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用触媒粒子含有凝集体に関する。
燃料電池は、電解質膜の両面に電極が配置され、水素と酸素の電気化学反応により発電する電気化学システムであり、発電時に発生するのは水のみである。このように、従来の内燃機関と異なり、燃料電池は、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないため、次世代のクリーンエネルギーシステムとして普及が見込まれている。その中でも、特に固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、電解質の抵抗が少ないことに加え、活性の高い触媒を用いるので、小型でも高出力を得ることができ、家庭用コージェネレーションシステム等として早期の実用化が見込まれている。
この固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を用い、この電解質膜の両面に触媒層が配置され、さらにその外側にガス拡散層が配置された構造をしている。そして、この触媒層及びガス拡散層からなる電極の周囲を囲むようにガスケットを配置し、さらにこれをセパレータで挟んだ構造を有している。
固体高分子形燃料電池で用いられる電極は、触媒粒子とイオン伝導性電解質材料の混合物から形成される。電極反応は触媒粒子の表面で起こるため、反応面積を大きくすることが望ましい。即ち、金属触媒粒子の粒子径を小さくし、均一かつ高分散させることが必要である。そのためには、高い比表面積を有する基体上に触媒微粒子を担持させた担持触媒が有効であり、これはシンタリングの抑制にも効果があることが知られている。
しかしながら、長期間の燃料電池運転においては、担体の腐蝕や触媒金属の溶解・再析出等により触媒金属の粒子径が大きくなり、活性面積が減少していくことは避けがたい問題となっている。そのため、電池特性の耐久性に優れた燃料電池は得られていない。
その対策として、例えば、特許文献1では、白金微粒子の近傍にルテニウム微粒子を配置したり、白金微粒子をルテニウムと合金化したりすることで、触媒粒子である白金微粒子の凝集を抑制する方法が提案されている。しかしながら、長時間発電を施すと、ルテニウムも溶出により失われるため、白金の凝集抑制効果も失われてしまう。その結果、活性面積の低下は避けられず、燃料電池に充分な耐久性を付与し得ない。また、特許文献2では、白金と固溶しない金属化合物等を共存させることで、シンタリングを抑制する方法が提案されている。特許文献2の技術では、白金微粒子同士の間に、白金の拡散に対する障壁となるように物質を配置することで、シンタリングの抑制には一定の効果が得られるが、電気化学的な白金の溶解・再析出に対しては、充分な効果が得られず、その結果、活性面積の低下は不可避であり、燃料電池に充分な耐久性を付与できない。
特開2002−231255号公報 特許第4061575号
本発明は、触媒粒子の活性面積の低下を抑え、長期耐久性に優れた固体高分子形燃料電池を得ることができる触媒粒子含有凝集体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の表面上に樹脂被覆層を形成した触媒粒子含有凝集体を使用することで、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下の触媒粒子含有凝集体、ペースト組成物、触媒層、触媒層付き電極、触媒層−電解質膜積層体、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池に係る。
項1.触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の表面上に樹脂被覆層が形成されてなる、固体高分子形燃料電池用触媒粒子含有凝集体。
項2.樹脂被覆層を形成する樹脂が、酢酸セルロース及び/又はエチルセルロースである、項1に記載の触媒粒子含有凝集体。
項3.平均粒子径が0.05〜10μmである、項1又は2に記載の触媒粒子含有凝集体。
項4.触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の平均粒子径が0.05〜10μmである、項1〜3のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体。
項5.樹脂被覆層の厚みが0.005〜0.2μmである、項1〜4のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体。
項6.触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び項1〜5のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体を含む、固体高分子形燃料電池の触媒層形成用ペースト組成物。
項7.触媒粒子含有凝集体の濃度が、固形分換算で30〜50体積%である、項6に記載のペースト組成物。
項8.項6又は7に記載のペースト組成物から形成される固体高分子形燃料電池用触媒層。
項9.ガス拡散層の片面に、項8に記載の触媒層が形成されてなる、触媒層付き電極。
項10.電解質膜の片面又は両面に、項8に記載の触媒層が形成されてなる、触媒層−電解質膜積層体。
項11.電解質膜の片面又は両面に、項9に記載の触媒層付き電極が、電解質膜と触媒層とが接するように形成されてなる、膜−電極接合体。
項12.項10の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、ガス拡散層が、触媒層とガス拡散層とが接するように形成されてなる、膜−電極接合体。
項13.項11又は12に記載の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池。
1.触媒粒子含有凝集体
本発明の触媒粒子含有凝集体は、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の表面上に樹脂被覆層が形成されてなる。
<触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体>
触媒担持炭素粒子及び水素イオン伝導性電解質は公知又は市販のものを使用することができる。
触媒としては、燃料電池の電極反応を生じさせるものであればよく、例えば、白金、白金合金、白金化合物等が挙げられる。白金合金の具体例としては、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群より選択される少なくとも1種の金属と白金との合金が挙げられる。
イオン伝導性電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、特に、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。このような電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。
触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体において、その含有割合は、前者1重量部に対して、後者を0.1〜5重量部程度、好ましくは0.2〜4重量部程度とすればよい。触媒担持炭素粒子とイオン伝導性電解質の比率が上記範囲内にあることにより、イオン伝導性と電子伝導性のバランスが良好であり、電極反応がより円滑に進行する。
この触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の平均粒子径は、本発明の触媒粒子含有凝集体を大きくしすぎることがないため触媒層中の抵抗成分とならず、燃料電池を作製したときに良好な発電性能が得られることから、0.05〜10μm程度が好ましく、0.1〜1μm程度がより好ましい。なお、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の平均粒子径は、例えば、レーザー散乱/回折方式の粒度分布計、電子顕微鏡画像観察等により、測定することができる。
<樹脂被覆層>
樹脂被覆層を形成する樹脂は、電子伝導性がない絶縁性のものが好ましく、体積抵抗率が1010〜1020Ω・cm程度のものが好ましい。このように、絶縁性のものを使用することで、本発明の触媒粒子含有凝集体中の触媒粒子は、周囲の触媒層とは断絶しているので、仮に水素、メタノール、エタノール等の燃料、空気、酸素等の酸化剤等が樹脂被覆層を浸透して触媒まで到達しても、電気化学的に反応を引き起こすことはなく、溶解・再析出による粒子成長等の触媒性能を劣化させる現象は起こりにくい。
さらに、樹脂被覆層を形成する樹脂は、燃料電池が発電を続けることで、副生成物として生じる酸、ラジカル等の影響を受けて徐々に劣化、腐食するものが好ましい。このように、酸、ラジカル等により劣化、腐食することで、燃料電池が長時間の発電を続けると、樹脂被覆層の厚みが薄くなる。ある程度樹脂被覆層の厚みが薄くなると、樹脂被覆層の内外で電子及びイオンが伝導するようになり、触媒粒子含有凝集体中の触媒粒子が電極触媒反応に寄与するようになる。これにより、発電に寄与していた触媒粒子が劣化しても、触媒粒子含有凝集体中の触媒粒子が触媒反応に寄与できるため、長期間の発電に耐えうる耐久性が得られる。
以上のような条件を満たす樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリシクロオレフィン等が、特に酢酸セルロース及びエチルセルロースが好ましい。具体的には、「ゼオノア1600(日本ゼオン(株)製)」、「アートン(JSR(株)製)」、「エトセルSTD(日新化成(株)製)」等が挙げられる。なお、これらの樹脂は、1種又は2種以上を用いることができる。
樹脂被覆層の厚みは、発電初期から触媒反応に寄与する触媒粒子が劣化する前に樹脂被覆層が消失したり、樹脂被覆層が消失する前に発電初期から触媒反応に寄与する触媒粒子が劣化したりしないように、0.005〜0.2μm程度とすることが好ましく、0.01〜0.1μm程度とすることがより好ましい。なお、樹脂被覆層の厚みは、例えば、透過電子顕微鏡による断面観察画像から測定したり、樹脂被覆前後の粒子径変化から概算したりすることにより得ることができる。
このような構成を有する本発明の触媒粒子含有凝集体の平均粒子径は、触媒層中の抵抗成分とならず、燃料電池を作製したときに良好な発電性能が得られることから、0.05〜10μm程度が好ましく、0.1〜1μm程度がより好ましい。なお、平均粒子径は、例えば、レーザー散乱/回折方式の粒度分布計や電子顕微鏡画像観察等により測定できる。
<触媒粒子含有凝集体の製造方法>
本発明の触媒粒子含有凝集体は、例えば、
(1)触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含むペースト組成物(1)を調製する工程、
(2)ペースト組成物(1)から、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体を形成する工程、並びに
(3)触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体に樹脂被覆層を形成する工程
により得られる。
工程(1)において、ペースト組成物(1)は、例えば、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び分散媒を混合することで調製できる。ここで、混合、分散方法は特に制限されるものではなく、公知の手法を用いて実施することができる。例えば、ボールミル、スターラー撹拌、ペイントシェイカー、ホモジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。この際、必要に応じて、炭素繊維(例えば気相成長炭素繊維(VGCF))、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の導電性炭素材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化カーボン、フッ化ピッチ等の撥水材等の公知の添加剤を加えてもよい。また、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び分散媒の混合順序も、特に制限されない。例えば、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び分散媒を順次又は同時に混合し、触媒粒子を分散させることにより、触媒層形成用インクを調製できる。
この際使用する分散媒としては、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、各種アルコール、各種エーテル、各種ジアルキルスルホキシド、水又はこれらの混合物等が挙げられる。これらのうちでも、炭素数1〜4のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。
ペースト組成物(1)中に含まれる触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び分散媒の割合は限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択できる。例えば、触媒粒子1重量部に対して、イオン伝導性電解質が0.1〜2重量部(好ましくは0.2〜1重量部)程度、分散媒が5〜35重量部(好ましくは10〜25重量部)程度含まれていればよい。
工程(2)において、ペースト組成物(1)から分散媒を除去し、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体を形成する。
その方法として、例えば市販の造粒装置を用いることができる。また、簡便な手法としては、ペースト組成物(1)を適当な基材上に塗布・乾燥させることで塗膜を形成し、この塗膜を粉砕してもよい。この際に使用する基材は、ペースト組成物(1)を変性させることがなく、かつ、塗膜が容易に剥離できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ガラス板、金属板、金属箔、プラスチックフィルム、樹脂シート、樹脂板、セラミックス板等を適宜用いることができる。
工程(3)において、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体に樹脂被覆層を形成する方法は特に限定されるものではなく、市販の造粒装置やコーティング装置を用いることができる。例えば、キャリアガス及び回転翼により密閉容器内を対流しつつ、浮遊する凝集体に対して、樹脂溶液又は樹脂分散液を噴霧、付着させることで、凝集体表面に樹脂被覆層を形成させることができる。また、熱硬化性樹脂を用いる場合には、凝集体表面に付着させた後、所望の温度(例えば、50〜200℃程度)に加熱することで、樹脂被覆層を形成することができる。
樹脂溶液又は樹脂分散液を使用する場合には、樹脂を溶解又は分散させる溶媒としては、例えば、水、各種アルコール、各種エーテル、各種ケトン、各種ジアルキルスルホキシド等、公知の分散媒を用いることができ、特に制限されない。また、これらの混合物を使用することもできる。また、噴霧の方法も特に限定されることはなく、スプレー、超音波噴霧装置、気化器等を使用できる。
2.ペースト組成物
本発明の固体高分子形燃料電池の触媒層形成用ペースト組成物は、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び前記の触媒粒子含有凝集体を含む。
これにより、発電初期には、触媒粒子含有凝集体外部の触媒粒子が発電に寄与する。そして、この触媒粒子が劣化してきた際には、樹脂被覆層が徐々に消失し、触媒粒子含有凝集体内部の触媒粒子が発電に寄与することとなるため、充分な耐久性が得られる。
触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質については、触媒粒子含有凝集体の形成に使用したものと同様のものを使用できる。触媒粒子含有凝集体中の触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質と同じものを使用してもよいし、異なるものを使用してもよいが、電極内の発電分布を均一にし、発電性能を低下させないためには、同等性能を有する構成即ち同一の材料を用いることが好ましい。
本発明の触媒粒子含有凝集体は、発電初期においては、異物にすぎず、電子伝導及びイオン伝導の観点から、抵抗となる。したがって、充分な発電性能を発現するためには、本発明の触媒粒子含有凝集体の量は必要最小限にとどめることが好ましいが、少なすぎても長期耐久性が得られないことから、本発明のペースト組成物中の触媒粒子含有凝集体の濃度は、固形分換算で30〜50体積%程度が好ましく、35〜45体積%程度がより好ましい。また、本発明のペースト組成物において、触媒担持炭素粒子の濃度は、固形分換算で10〜60体積%程度が好ましく、15〜50体積%程度がより好ましい。さらに、イオン伝導性電解質の濃度は、固形分換算で5〜60体積%程度が好ましく、10〜40体積%程度がより好ましい。
本発明のペースト組成物には、触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び前記の触媒粒子含有凝集体以外にも、必要に応じて、炭素繊維(例えば気相成長炭素繊維(VGCF))、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の導電性炭素材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化カーボン、フッ化ピッチ等の撥水材等の公知の添加剤を含有していてもよい。
<ペースト組成物の製造方法>
本発明のペースト組成物は、例えば、
(4)本発明の触媒粒子含有凝集体、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含むペースト組成物(2)を調製する工程
により調製できる。
ここで、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質は、上記で説明したものと同様のものとすることができる。
また、ペースト組成物(2)を調製する際には、例えば、触媒粒子含有凝集体、触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を混合することで調製できる。ここで、混合、分散方法は、特に制限されることはなく、ペースト組成物(1)の調製の際と同様とすることができる。
3.触媒層
本発明の固体高分子形燃料電池用触媒層は、本発明のペースト組成物から形成される。
本発明の触媒層の厚みは限定的ではなく、固体高分子形燃料電池の触媒層として一般的に採用される範囲とすればよい。例えば、5〜120μm程度、好ましくは10〜50μm程度、より好ましくは15〜30μm程度とすればよい。
<触媒層の製造方法>
本発明の触媒層は、本発明のペースト組成物を、基材に塗布した後、乾燥させることにより、製造することができる。
塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
乾燥方法は、熱乾燥及び減圧乾燥のいずれであってもよい。
熱乾燥を採用する場合では、乾燥温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは60〜120℃程度とすればよく、乾燥時間は、乾燥温度等に応じて適宜選択されるが、通常2分〜1時間程度、好ましくは5分〜30分時間程度とすればよい。
減圧乾燥を採用する場合は、乾燥圧力は、10hPa〜200hPa程度、好ましくは30hPa〜120hPa程度とすればよく、乾燥時間は乾燥圧力等に応じて適宜選択されるが、通常2分〜1時間程度、好ましくは5分〜30分程度とすればよい。
4.触媒層付き電極
本発明の触媒層付き電極は、ガス拡散層の片面に、本発明の触媒層が形成されてなる。
ガス拡散層に使用される導電性多孔質基材としては、水素、メタノール、エタノール等の燃料、空気、酸素等の酸化剤等を浸透させることができ、かつ、電子伝導性を有する多孔質基材が使用される。一般に、金属材料や炭素材料等が選択されるが、耐久性、コスト等の観点から、炭素繊維からなるカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト、カーボン不織布等が好ましく使用される。
この導電性多孔質基材の厚みは、固体高分子形燃料電池のガス拡散層として一般的に採用される範囲とすればよく、一般的には、50〜1000μm程度、好ましくは100〜400μm程度である。
なお、ガス拡散層に使用される導電性多孔質基材には、過剰な水の排水を促すため、撥水処理が施されていてもよい。この撥水処理は、公知の方法により施すことができる。
また、ガス拡散層には、ミクロポーラスレイヤーが形成されていてもよい。このミクロポーラスレイヤーを形成することで、燃料及び酸化剤の供給、過剰な水分の排出等を電極内部で均一化することができる。その結果、電極内に分布が生じることで発電性能が低下することを抑制する効果が得られる。さらに、ミクロポーラスレイヤーに親水化処理又は撥水化処理を施すことにより、電極近傍で保持する水分を調節する機能を持たせてもよい。
このミクロポーラスレイヤーは、ミクロポーラスレイヤー形成用ペースト組成物を用い、公知の方法で形成できる。ミクロポーラスレイヤー形成用ペースト組成物は、例えば、導電性炭素粒子及び分散媒の混合物からなる。ミクロポーラスレイヤー形成用ペースト組成物には、さらに、撥水剤、分散剤等が添加されていてもよい。
導電性炭素粒子としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、活性炭等の粒子状又は粉末状の炭素材料等が用いられる。炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を用いてもよい。
分散媒としては、公知の溶剤を用いることができる。一般的に、水、エタノール等のアルコール類等が好ましく用いられる。
撥水剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化カーボン、フッ化ピッチ等が使用される。
分散剤は、いわゆる界面活性剤が用いられ、特に限定されない。分散剤は、分散媒中に導電性炭素粒子、撥水剤等を均一に分散させるために用いられる。撥水剤は、水分の滞留によるフラッディング減少を抑制する目的で、ミクロポーラスレイヤーの撥水性を高めるために添加されることがある。一般に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化カーボン、フッ化ピッチ等が用いられる。
ミクロポーラスレイヤーの厚みは限定的ではないが、一般的に10〜100μm程度が好ましい。
<触媒層付き電極の製造方法>
本発明の触媒層付き電極は、例えば、ガス拡散層上に、本発明のペースト組成物を塗布した後、乾燥させることにより、製造することができる。塗布方法、乾燥方法及び乾燥条件については、上記の「触媒層の製造方法」において説明したものと同様とすることができる。
また、本発明の触媒層付き電極は、転写基材上に、本発明のペースト組成物を塗布した後、乾燥させることにより、触媒層転写フィルムを作製し、その後、ガス拡散層上に触媒層を転写させることによっても、製造することができる。
触媒層転写フィルムの転写基材としては、離型処理が可能であり、取り扱い性及び経済性に優れれば特に材質は問わない。また、基材フィルム自身が離型性を有していてもよい。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパラバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを挙げることができる。また、基材フィルムは、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性樹脂を用いることもできる。
転写基材の厚みは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常5〜100μm程度、好ましくは10〜60μm程度とするのがよい。
また、転写基材には、離型層が積層されていてもよい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成されたもの、公知のフッ素系樹脂でコーティングされたプラスチックフィルム等が挙げられる。
転写する際には、転写フィルムの転写基材側から、公知のプレス機等を用いて加圧すればよい。その際の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、通常30〜200℃、好ましくは135〜150℃とすればよい。
5.触媒層−電解質膜積層体
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、電解質膜の片面又は両面に、本発明の触媒層が形成されてなる。
電解質膜は、水素イオン伝導性のものであれば限定的ではなく、公知又は市販のものを使用できる。電解質膜の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」膜、旭硝子(株)製の「Flemion」膜、旭化成(株)製の「Aciplex」膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」膜等が挙げられる。
電解質膜の膜厚は、通常10〜500μm程度、好ましくは15〜300μm程度、より好ましくは20〜150μm程度とすればよい。
<触媒層−電解質膜積層体の製造方法>
本発明の触媒層−電解質膜積層体は、例えば、電解質膜上に、本発明のペースト組成物を直接塗布した後、乾燥させることにより製造することができる。塗布方法、乾燥方法及び乾燥条件については、上記の「触媒層の製造方法」において説明したものと同様とすることができる。
また、本発明の触媒層−電解質膜積層体は、転写基材上に、本発明のペースト組成物を塗布した後、乾燥させることにより、触媒層転写フィルムを作製し、その後、電解質膜上に触媒層を転写させることによっても、製造することができる。この際、使用する転写基材、転写条件等については、上記の「触媒層付き電極の製造方法」において説明したものと同様とすることができる。
6.膜−電極接合体
本発明の膜−電極接合体は、電解質膜の片面又は両面に、本発明の触媒層付き電極が、電解質膜と触媒層とが接するように形成されてなる。この本発明の膜−電極接合体は、電解質膜と本発明の触媒層付き電極とを、電解質膜と触媒層とが接するように配置し、熱プレスすることにより、製造することができる。
熱プレスする際の加圧レベルは、限定的ではないが、通常0.5〜20MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度で加圧すればよい。
この際の加熱温度は、限定的ではないが、通常30〜200℃程度、好ましくは135〜150℃程度に加熱すればよい。
また、プレス時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるが、例えば、通常10〜600秒程度、好ましくは30〜300秒程度とすればよい。
また、本発明の膜−電極接合体は、本発明の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、ガス拡散層が、触媒層とガス拡散層とが接するように形成されてなるものでもよい。この本発明の膜−電極接合体は、本発明の触媒層−電解質膜積層体とガス拡散層とを、触媒層とガス拡散層とが接するように配置し、熱プレスすることにより、製造することができる。熱プレスの条件は、前記と同様とすることができる。
7.固体高分子形燃料電池
本発明の膜−電極接合体に公知又は市販のセパレータを設けることにより、本発明の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池を得ることができる。
本発明によれば、触媒粒子の活性面積の低下を抑え、長期耐久性に優れた固体高分子形燃料電池を得ることができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1
導電性多孔質基材には、カーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−090)に撥水処理を施して用いた。具体的には、撥水処理は、純水で5重量%に希釈したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液(ALDRICH社、60重量%分散液)にカーボンペーパーを浸漬した後、350℃で1時間焼成することで行った。
次に、以下のように、導電性多孔質基材上にミクロポーラスレイヤーを形成した。
ミクロポーラスレイヤー形成用ペースト組成物は、カーボンブラック(CABOT社製、VULCAN XC−72)3重量部と、PTFE分散液(ALDRICH社製、60重量%)1.66重量部、純水35.3重量部を混合、分散して調製した。
前記の撥水処理を施したカーボンペーパー上に、ミクロポーラスレイヤー形成用ペースト組成物を塗布し、80℃で30分乾燥した後、350℃で1時間焼成することにより、導電性多孔質基材上にミクロポーラスレイヤーを形成した。これをガス拡散層として使用した。
白金担持カーボン(Pt:45.6重量%、田中貴金属工業(株)製、TEC10E50E)1重量部及び5重量%電解質溶液(5重量%Nafion溶液、Aldrich社製、分散媒「水:1−プロパノール:2−プロパノール=1:1.5:2(重量比)」)
10重量部を、2−プロパノール10重量部に添加し、混合及び分散を行い、触媒層形成用ペースト組成物(1)を調製した。
この触媒層形成用ペースト組成物(1)を、ガラス板上にバーコーターで塗布し、80℃で30分乾燥した後、剥離、粉砕することで、触媒粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体を作製した。この凝集体の平均粒子径をレーザー散乱/回折方式粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)により測定したところ、約0.6μmであった。
得られた触媒粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体を、微粒子コーティング・造粒装置((株)パウレック、SFP−01)を用いて、エタノールで希釈したエチルセルロース(日新化成(株)、エトセルSTD、体積抵抗率:約1012Ω・cm)でコーティングすることにより、樹脂被覆された凝集体(実施例1の触媒粒子含有凝集体)を作製した。この樹脂被覆された凝集体の平均粒子径をレーザー散乱/回折方式粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)により測定したところ、約0.8μmであった。なお、触媒粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の平均粒子径と、実施例1の触媒粒子含有凝集体の平均粒子径から、樹脂被覆層の厚みは約0.1μmであると見積もられた。
次いで、上記の触媒層形成用ペースト組成物(1)に樹脂被覆された凝集体を、固形分換算で約40体積%となるように加え、触媒層形成用ペースト組成物(2)(実施例1のペースト組成物)を調製した。さらに、2−プロパノールを加えながら粘度を調節した後に、上記のガス拡散層上にバーコーターで塗布し、80℃で30分乾燥することで、実施例1の触媒層付き電極を作製した。この際、触媒量が、0.5mg−Pt/cmとなるように塗布量を調節した。重量から概算した内訳は、樹脂被覆された凝集体に含まれる触媒量が0.11mg−Pt/cm、その他の触媒層に含まれる触媒量が0.39mg−Pt/cmであった。
電解質膜には、Nafion112膜(デュポン)を用いた。一組の触媒層付き電極を、触媒層同士が向き合うように配置し、その間にNafion膜を挟んで熱プレスを施すことにより、実施例1の膜−電極接合体を作製した。熱プレスの際のプレス温度は150℃、プレス圧は3.0MPaとした。
実施例2
触媒層形成用ペースト組成物(1)に樹脂被覆された凝集体を、固形分換算で約30%となるように加えたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例2の触媒層付き電極及び膜−電極接合体を作製した。概算した触媒量の内訳は、樹脂被覆された凝集体に含まれる触媒量が0.08mg−Pt/cm、その他の触媒層に含まれる触媒量が0.42mg−Pt/cmであった。
実施例3
触媒層形成用ペースト組成物(1)に樹脂被覆された凝集体を、固形分換算で約50%となるように加えたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例3の触媒層付き電極及び膜−電極接合体を作製した。概算した触媒量の内訳は、樹脂被覆された凝集体に含まれる触媒量が0.14mg−Pt/cm、その他の触媒層に含まれる触媒量が0.36mg−Pt/cmであった。
比較例1
白金担持カーボンの代わりに導電性炭素粒子(ライオン(株)、ケッチェンブラック・カーボンECP)を用いて、実施例1に記載の触媒層形成用ペースト組成物(1)と同様の方法でペースト組成物を調製した。このペースト組成物を用いて、実施例1と同様の方法で凝集体を作製し、実施例1と同様に樹脂被覆を施すことで、樹脂被覆された擬似凝集体を作製した。
実施例1で用いた樹脂被覆された凝集体のかわりに、上記の擬似凝集体を用いた他は、実施例1と同様の方法により触媒層形成用ペースト組成物(2)を調製し、次いで触媒層付ガス拡散電極及び膜−電極接合体を作製した。概算した触媒層に含まれる触媒量は0.43mg−Pt/cmであった。
比較例2
触媒層形成用ペースト組成物(1)に樹脂被覆された凝集体を、固形分換算で約60%となるように加えたこと以外は、実施例1と同様の方法で比較例2の触媒層付き電極及び膜−電極接合体を作製した。概算した触媒量の内訳は、樹脂被覆された凝集体に含まれる触媒量が0.19mg−Pt/cm、その他の触媒層に含まれる触媒量が0.31mg−Pt/cmであった。
試験例1:PEFC発電性能耐久性評価
燃料として純水素、酸化剤として空気を、燃料利用率Uf/空気利用率Uo=70%/40%でそれぞれ供給し、セル温度80℃、燃料極露点80℃、空気極露点70℃での単セル試験を行った。
短期間で長期耐久性をモニターする方法として、負荷サイクル試験を採用した。条件は、(1)無負荷時×30s、(2)負荷時(500mA/cm)×30sを1組で1サイクルとし、15000サイクルまで行った。
劣化の度合いをはかるパラメータとして、電気化学的に活性な白金表面積をサイクリックボルタンメトリー(CV:Cyclic−Voltammetry)法にて測定した。空気極側(以降、電極Aと記載)に窒素を、燃料極側(以降、出電極Bと記載)に水素を充分に加湿した状態で流し、電極Bを基準電極とする。電極電位を、例えば、0.07Vから1.00V(vs RHE)の範囲で電位走査することにより、クリーニング処理を行う。その後、0.1V/sの走査速度で、0.07Vから0.60V(vs RHE)の範囲で電位走査を行うことにより得られるCV曲線から水素の吸脱着電気量を求める。白金1原子に水素1原子が吸着すると仮定して、多結晶白金表面の単位面積あたりの電気量(210μC/cm)から白金の活性表面積を算出する。このようにして得られた白金の活性表面積を、触媒層に含まれる白金触媒の重量で割ることにより、重量当たりの活性表面積を算出できる。
表1及び2に、実施例1〜3及び比較例1〜2における測定結果をまとめる。表1では、サイクル試験開始時(0サイクル)の白金表面積を100として、5000サイクル毎の相対値を示した。また、表2では、0サイクル、5000サイクル、10000サイクルにおけるセル電圧(mV)を示した。
Figure 2010238513
Figure 2010238513
表1では、実施例1〜3及び比較例1〜4のいずれも、サイクル数の増加に伴い白金表面積が減少していく。5000サイクルの時点では、いずれも類似した面積減少を示すが、以降実施例1〜3に比べて比較例1〜4の方が表面積の減少が著しい傾向を示す。これは、実施例1〜3では、樹脂被覆された凝集体中の触媒が徐々に表出し、発電に寄与したために白金表面積の減少が抑制されていることが示唆されている。
また、上記サイクル試験の実施中、5000サイクル毎に電流密度1A/cmにおけるセル電圧を測定した表2でも、セル電圧(mV)が徐々に低下していくことがわかる。比較例に比べて実施例の方がセル電圧の低下は小さく、耐久性に優れることが示唆された。

Claims (13)

  1. 触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の表面上に樹脂被覆層が形成されてなる、固体高分子形燃料電池用触媒粒子含有凝集体。
  2. 樹脂被覆層を形成する樹脂が、酢酸セルロース及び/又はエチルセルロースである、請求項1に記載の触媒粒子含有凝集体。
  3. 平均粒子径が0.05〜10μmである、請求項1又は2に記載の触媒粒子含有凝集体。
  4. 触媒担持炭素粒子及びイオン伝導性電解質を含む凝集体の平均粒子径が0.05〜10μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体。
  5. 樹脂被覆層の厚みが0.005〜0.2μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体。
  6. 触媒担持炭素粒子、イオン伝導性電解質及び請求項1〜5のいずれかに記載の触媒粒子含有凝集体を含む、固体高分子形燃料電池の触媒層形成用ペースト組成物。
  7. 触媒粒子含有凝集体の濃度が、固形分換算で30〜50体積%である、請求項6に記載のペースト組成物。
  8. 請求項6又は7に記載のペースト組成物から形成される固体高分子形燃料電池用触媒層。
  9. ガス拡散層の片面に、請求項8に記載の触媒層が形成されてなる、触媒層付き電極。
  10. 電解質膜の片面又は両面に、請求項8に記載の触媒層が形成されてなる、触媒層−電解質膜積層体。
  11. 電解質膜の片面又は両面に、請求項9に記載の触媒層付き電極が、電解質膜と触媒層とが接するように形成されてなる、膜−電極接合体。
  12. 請求項10の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、ガス拡散層が、触媒層とガス拡散層とが接するように形成されてなる、膜−電極接合体。
  13. 請求項11又は12に記載の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池。
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