JP2010238427A - 直流超電導ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】インダクタンスが大きい直流超電導ケーブルを提供する。
【解決手段】直流超電導ケーブルCは、単心のケーブルコア1を断熱管5内に収納した構造である。ケーブルコア1は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、帰路導体層14、絶縁保護層15を同軸状に配置した構造である。そして、フォーマ11は、少なくとも一部が鉄などの強磁性体で構成されている。また、超電導導体層12は、フォーマ11の外周に超電導線材をスパイラル巻きすることで形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流送電に利用される超電導ケーブルに関する。特に、インダクタンスが大きい直流超電導ケーブルに関する。
従来、交流送電に超電導ケーブルを利用した交流超電導送電の研究及び実証試験が進められている。超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアを二重管構造の断熱管内に収納し、この断熱管内に冷媒(例、液体窒素(LN2))を流通させることで、超電導導体層を冷却して超電導状態とする構造のものが代表的である。
図8は、交流超電導ケーブルの代表的な基本構造を示す概略図である。交流超電導ケーブルCは、3心のケーブルコア100を撚り合わせた状態で断熱管5内に一括に収納した構造である。断熱管5は、ステンレス製の内管51と外管52とからなる二重管構造のコルゲート管であり、両管51、52の間が真空引きされると共に、その間にスーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材53が配置されている。また、断熱管5(外管52)の外周には防食層54が形成されている。
一方、ケーブルコア100は、中心から順にフォーマ101、超電導導体層102、絶縁層103、超電導シールド層104、常電導保護層105を同軸状に配置した構造である。フォーマ101は、銅やアルミニウムといった非磁性の導電材料で構成され、撚り線状或いは棒状の中実タイプのものや管状の中空タイプのものがあり、一般的には絶縁被覆を施した銅素線を複数本撚り合わせて形成されていることが多い。また、超電導導体層102及び超電導シールド層104はそれぞれ、フォーマ101及び絶縁層103の外周に複数のテープ状の超電導線材110をスパイラル巻きすることで形成されている。超電導線材110としては、例えばBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材が利用されている。
ところで最近では、長距離送電に適した直流超電導送電の検討がなされつつある。直流送電には、単極(モノポール)送電と双極(バイポール)送電の2つの方式がある(例えば、特許文献1、2を参照)。
また、断熱管の外管をステンレス管から鉄管に代え、超電導ケーブルのインダクタンスを大きくすることで、ケーブルに保持される磁気エネルギーを増大させる技術が、例えば特許文献3に開示されている。特許文献3には、保持できる磁気エネルギーを大きくすることで、ケーブルにSMESの効果を持たせ、伝送効率の向上を図ることが記載されている。
特開2006‐12776号公報 特開2007‐28710号公報(段落0027,0028) 特開2006‐210263号公報
ところで、長距離の直流超電導送電において、超電導ケーブルのインダクタンスを大きくすることで、ケーブルに電力を貯蔵させる機能を持たせることができ、例えば、負荷変動を補償することができる。
また最近では、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーによる発電の普及促進が期待されている。しかし、自然エネルギー発電は、天候に左右されるなど出力電力の変動が大きい。そのため、自然エネルギー発電を送電系統に接続する場合は、安定した電力供給が困難である。そこで、超電導ケーブルのインダクタンスを大きくすることで、出力電力を平滑化することができ、安定した電力供給が可能となる。
しかし、従来技術では超電導ケーブルのインダクタンスが十分ではなく、超電導ケーブルのインダクタンスを効果的により大きくすることが望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、インダクタンスが大きい直流超電導ケーブルを提供することにある。
本発明の直流超電導ケーブルは、フォーマと、その外周に超電導線材をスパイラル巻きして形成された超電導導体層と、を有するケーブルコアを備える。そして、フォーマは、少なくとも一部が強磁性体で構成されている。
フォーマの一部が比透磁率の高い強磁性体で構成されていることで、超電導ケーブルのインダクタンスを効果的に大きくすることができる。超電導線材をスパイラル巻きした超電導導体層に電流が流れると、超電導導体層の中心(内側)に位置するフォーマに軸方向の磁場が印加される(以下、この方向の磁場のことを「ケーブルコアの軸方向の磁場」という)。そして、フォーマを構成する強磁性体がこの磁場を捕捉することにより、ケーブルコア(超電導ケーブル)のインダクタンスが増加する。結果として、超電導ケーブルが保持できる磁気エネルギーが増大し、例えばケーブルの持つ電力貯蔵能力を向上させることができる。
強磁性体としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、珪素鋼、パーマロイ、フェライト、強磁性ステンレス(例、SUS430)などが挙げられる。また、強磁性体は比透磁率で定義することもできる。本発明に用いる強磁性体は、例えば比透磁率が100以上が望ましく、鉄の比透磁率は5000、コバルトの比透磁率は250、ニッケルの比透磁率は600、である。
フォーマは、単一或いは複数の強磁性体で構成してもよいし、強磁性体と非磁性体(常磁性体、反磁性体を含む)とを組み合わせて構成してもよい。また、フォーマは、中実タイプでも、中空タイプのいずれでもよい。複数の材料を用いてフォーマを構成する場合は、例えば各種材料を同軸状に配置した構造とすることが挙げられる。
本発明において、超電導導体層の外側に強磁性体を含む強磁性体層を有することが好ましい。
超電導線材(超電導導体層)に電流が流れると、ケーブルコアの周方向にも磁場が発生する。この構成によれば、超電導導体層の外側の位置で強磁性体層を構成する強磁性体がこの磁場を捕捉することにより、ケーブルコア(超電導ケーブル)のインダクタンスがさらに増加する。結果として、超電導ケーブルが保持できる磁気エネルギーがより増大し、例えばケーブルの持つ電力貯蔵能力をより向上させることができる。
超電導導体層の外側の強磁性体層がケーブルコアの周方向の磁場を捕捉するという点で、強磁性体層を超電導導体層の近接に配置することが望ましく、強磁性体層を超電導導体層の直上に配置することがより望ましい。
本発明において、超電導導体層の外側に導電線材をスパイラル巻きして形成された外部導体層を有し、超電導導体層と外部導体層との巻き方向が異なることが好ましい。
直流超電導ケーブルでは、超電導導体層の外側に同軸状に外部導体層を配置することがある(図1の帰路導体層14、図3の接地層24、図6の超電導導体層22nなど)。この外部導体層には通常、超電導導体層に流れる電流と逆方向の電流が流れる。この構成によれば、超電導導体層と外部導体層との巻き方向が異なることで、フォーマに印加される軸方向の磁場が大きくなる。そのため、ケーブルコア(超電導ケーブル)のインダクタンスをより効果的に大きくすることができる。
なお、巻き方向が異なるとは、一方がS巻きの場合は、他方がZ巻きであることを指す。
また、超電導導体層と外部導体層のそれぞれについて、外側に強磁性体層を配置することで、インダクタンスをさらに大きくすることが可能である。
本発明において、超電導線材の一部が強磁性体で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、超電導線材を構成する強磁性体がケーブルコアの軸方向或いは周方向の磁場を捕捉することにより、ケーブルコア(超電導ケーブル)のインダクタンスをさらに大きくすることが可能である。
従来、超電導線材としてBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材が利用されている。例えば、Bi系銀シース線材は、銀又は銀合金のシース内に例えばBi2Sr2CaCu2Ox(Bi2212)或いは(BiPb)2Sr2Ca2Cu3O10+d(Bi2223)で表される超電導体の原料粉末を充填し、伸線・焼結・圧延加工することで製造されている。また、RE123系薄膜線材は、ステンレスやハステロイ(登録商標)の基板上に例えばREBa2Cu3O7-d(RE123(REはY、Ho、Nd、Sm、Gdなどの希土類元素))で表される超電導体を蒸着することで製造されている。
本発明の直流超電導ケーブルは、フォーマの一部が強磁性体で構成されていることで、超電導ケーブルのインダクタンスを効果的に大きくすることができ、例えばケーブルに電力貯蔵機能を持たせることができる。
モノポール送電に用いる直流超電導ケーブルの一例を示す概略断面図である。 モノポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す概略断面図である。 バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの一例を示す概略断面図である。 バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す概略断面図である。 バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルのさらに別の例を示す概略断面図である。 バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルのさらに別の例を示す概略断面図である。 バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルのさらに別の例を示す概略断面図である。 交流超電導ケーブルの基本構造を説明するための概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。また、図中において同一部材には同一符号を付している。
図1は、モノポール送電に用いる直流超電導ケーブルの一例を示す図である。図1の直流超電導ケーブルCは、単心のケーブルコア1を断熱管5内に収納した構造である。断熱管5は、図8を用いて説明した交流超電導ケーブルの断熱管と同じ構成であり、ここでは説明を省略する。
図1のケーブルコア1は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、帰路導体層14、絶縁保護層15を同軸状に配置した構造である。
フォーマ11は、少なくとも一部が鉄などの強磁性体で構成されており、例えば強磁性体を細線状に加工した強磁性体素線を複数本撚り合わせて形成することが挙げられる。このような撚り線状体とすることで、フォーマに適度な可撓性を持たせることができる。また、棒状体とすることで、フォーマを緻密な構造にして軸方向に直交する断面における強磁性体が占める割合を高めることができる。一方、管状体とすることで、フォーマを冷媒流路に利用することができる。
フォーマを銅やアルミニウムの導電材料で構成した場合、低抵抗であり電流を流し易いが、磁気エネルギーを保持できない点で問題がある。一方、鉄などの強磁性体のみでフォーマを構成した場合、磁気エネルギーを保持できるが、高抵抗である。そこで、フォーマの一部に銅やアルミニウムの導電材料を用いた複合フォーマとすることで、低抵抗と磁気エネルギーの保持との両立を図ることができる。このような複合フォーマとすることで、短絡事故が発生した際に短絡電流をフォーマに分流させ易く、ケーブルコアの損傷を防止することができる。例えば、鉄素線と銅素線とを混合して撚り線状体としたり、一方の素線を中心にして他方の素線をその外周に配置した撚り線状体としたりすることが挙げられる。
その他、銅やアルミニウムのコルゲート管を芯材に用い、コルゲート管表面の波型を平滑化するように強磁性体素線を巻回した構成のフォーマとしてもよい。このようなフォーマは、コルゲート管が冷媒流路となる他、短絡電流経路の確保を可能にし、強磁性体素線が磁気エネルギーの保持とフォーマ表面の平滑化とを可能にする。また、コルゲート管を用いることで適度な可撓性を持たせることができる。
超電導導体層12は、フォーマ11の外周に超電導線材をスパイラル巻きすることで形成されている。この超電導導体層12には往路電流が流れる。また、超電導線材は、公知のBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材を利用している。
絶縁層13は、超電導導体層12と後述する帰路導体層14との間の絶縁を確保するために設けられており、例えばPPLP(登録商標)などの複合絶縁紙を超電導導体層12の外周に巻回することで形成されている。
帰路導体層14は、超電導導体層12の外側、具体的には絶縁層13の外周に導電線材をスパイラル巻きして形成した外部導体層である。この帰路導体層14には帰路電流が流れる。また、導電線材には、銅やアルミニウムの導電材料を用いてもよいが、往路と帰路の電流の大きさは同じであるので、超電導線材を利用することが好ましい。
絶縁保護層15は、ケーブルコア1の最外周に配置され、ケーブルコア1を保護するために設けられている。絶縁保護層15は、例えばPPLP(登録商標)などの複合絶縁紙を帰路導体層14の外周に巻回することで形成されている。
図1の直流超電導ケーブルCでは、超電導導体層12及び帰路導体層14に電流が流れると、フォーマ11に軸方向の磁場が印加される。そして、このケーブルコアの軸方向の磁場を、フォーマ11を構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスが大きくなる。
図2は、モノポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す図である。ここでは、図1の直流超電導ケーブルとの相違点を中心に説明する。
図2のケーブルコア1は、超電導導体層12及び帰路導体層14の外周直上にそれぞれ強磁性体層m(m:m及びm)が配置されている。強磁性体層mは、例えば強磁性体を含むテープ状の強磁性体テープを各層12、14の外周に巻回することで形成することができる。具体例としては、強磁性体テープを超電導導体層12と同じようにスパイラル巻きして形成することが挙げられる。このとき、隣り合う強磁性体テープ間にギャップ(隙間)を設けておくことで、ケーブルコア1に可撓性を持たせることができる。また、強磁性体を含むリング状の強磁性体リングを各層12、14の外周にケーブルコアの軸方向に配列して形成してもよい。このときも、隣り合う強磁性体リング間にギャップ(隙間)を設けておくことで、ケーブルコア1に適度な可撓性を持たせることができる。また他には、強磁性体素線を編組した編組体を各層12、14の外周に配置して形成してもよい。
超電導導体層12及び帰路導体層14に電流が流れると、ケーブルコアの軸方向に磁場が印加される他、ケーブルコアの周方向にも磁場が発生する。図2の直流超電導ケーブルでは、このケーブルコアの周方向の磁場を、強磁性体層mを構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスが増加する。さらに、帰路導体層14の内側に位置する強磁性体層mには帰路導体層14に電流が流れることに起因するケーブルコアの軸方向の磁場が印加されることにもなり、この強磁性体層mがこの磁場を捕捉することでもインダクタンスが増加する。
また、超電導導体層12の外周にのみ強磁性体層mを配置してもよいが、超電導導体層12に電流が流れることに起因するケーブルコアの周方向の磁場がこの強磁性体層mの飽和磁場を超えない場合がある。その場合、超電導導体層12に起因するケーブルコアの周方向の磁場が帰路導体層14側に漏れることがない。そこで、帰路導体層14の外周にも強磁性体層mを配置することで、この強磁性体層mが磁気シールド層として機能し、ケーブルコア1の外部に磁場を漏らさない完全EMI(Electro Magnetic Interference:電磁波障害)フリーを実現することができる。
上述したモノポール送電に用いる直流超電導ケーブルにおいては、次の手段を利用してケーブルコアの軸方向の磁場を大きくすることが可能であり、インダクタンスの増加を図ることができる。
手段1:超電導導体層12及び帰路導体層14の少なくとも一方の巻きピッチを小さくすることで、フォーマ11に印加される軸方向の磁場を大きくする。
手段2:超電導導体層12と帰路導体層14との巻き方向を異ならせることで、フォーマ11に印加される軸方向の磁場を大きくする。
これら手段は、後述するバイポール送電に用いる直流超電導ケーブルについても適用可能である。
図3は、バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの一例を示す図である。図3の直流超電導ケーブルCは、二心のケーブルコア1を断熱管5内に収納した構造である。図3中、フォーマ21、絶縁層23、絶縁保護層25及び断熱管5は、図1のフォーマ11、絶縁層13、絶縁保護層15及び断熱管5と同じ構成であり、ここでは説明を省略する。
一方のケーブルコア1の超電導導体層22pは、フォーマ21の外周に超電導線材をスパイラル巻きすることで形成されている。この超電導導体層22pには正極の電流が流れる。他方のケーブルコア1の超電導導体層22nも、フォーマ21の外周に超電導線材をスパイラル巻きすることで形成されている。この超電導導体層22nには負極の電流が流れる。いずれも超電導線材は、公知のBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材を利用している。
また、各ケーブルコア1の絶縁層23の外周には、電気的に接地された接地層24が設けられている。接地層24は、例えば銅やアルミニウムの導電線材をスパイラル巻きして形成した外部導体層である。
図3の直流超電導ケーブルCでは、各ケーブルコア1の超電導導体層22p、22nに電流が流れると、それぞれのフォーマ21に軸方向の磁場が印加される。そして、各ケーブルコア1において、このケーブルコアの軸方向の磁場を、フォーマ21を構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスが大きくなる。
また、バイポール送電では、正極と負極の電流を同じ大きさとする場合は接地層24に電流が流れないため、接地層24の一部に鉄などの強磁性体を用いてもよい。接地層24を図2の強磁性体層mと同じように形成し、ケーブルコアの周方向の磁場を、接地層24を構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスの増加を図ることができる。
図4は、バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す図である。ここでは、図3の直流超電導ケーブルとの相違点を中心に説明する。
図4のケーブルコア1は、超電導導体層22p、22nの外周直上にそれぞれ強磁性体層mが配置されている。強磁性体層mは、図2の強磁性体層mと同じ構成であり、ここでは説明を省略する。
各ケーブルコア1の超電導導体層22p、22nに電流が流れると、ケーブルコアの軸方向に磁場が印加される他、ケーブルコアの周方向にも磁場が発生する。図4の直流超電導ケーブルでは、このケーブルコアの周方向の磁場を、強磁性体層mを構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスが増加する。
図5は、バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す図である。ここでは、図4のケーブルコアとの相違点を中心に説明する。
図5のケーブルコア1は、接地層24が、超電導導体層と同じように超電導線材をスパイラル巻きして形成されており、さらにこの接地層24の外周直上には強磁性体層mが配置されている。
バイポール送電では、正極と負極との間で電流にアンバランスが生じたり、一方の極に異常が生じてバイポール送電からモノポール送電に変更したりする場合が想定される。その場合、接地層24にアンバランス電流を流したり、帰路電流を流す(即ち、接地層24をモノポール送電用直流超電導ケーブルにおける帰路導体層として機能させる)必要がある。そこで、このような場合を想定して、接地層24を超電導線材で形成しておくことが好ましい。
図5の各ケーブルコア1は、図2を用いて説明したケーブルコアと同じ構造であり、例えばバイポール送電からモノポール送電に切り替えた場合に図2の直流超電導ケーブルと同じ効果が得られる。
図6は、バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す図である。図6中、フォーマ21、絶縁層23、接地層24及び絶縁保護層25は、図4のケーブルコアと同じ構成であり、ここでは相違点を中心に説明する。
図6のケーブルコア1は、超電導導体層22pと超電導導体層22nとを同軸状に配置した構造である。また、超電導導体層22p、22nの外周直上にそれぞれ強磁性体層mが配置され、超電導導体層22nの外側には絶縁層23を挟んで接地層24が設けられている。
図6のケーブルコア1では、単心のケーブルコアでバイポール送電を行うことができると共に、強磁性体層mを有することで図2及び図4を用いて説明した直流超電導ケーブルと同じ効果が得られる。
図7は、バイポール送電に用いる直流超電導ケーブルの別の例を示す図である。図7中、フォーマ21、絶縁層23、接地層24及び絶縁保護層25は、図5のケーブルコアと同じ構成であり、ここでは相違点を中心に説明する。
図7のケーブルコア1は、超電導導体層22pと超電導導体層22nとを同軸状に配置し、超電導導体層22p、22nの外周直上にそれぞれ強磁性体層mが配置された構造である。また、超電導導体層22nの外側には絶縁層23を挟んで接地層24が設けられており、この接地層24の外周直上にも強磁性体層mが配置されている。
図7のケーブルコア1では、単心のケーブルコアでバイポール送電を行うことができると共に、強磁性体層mを有することで図2及び図5を用いて説明した直流超電導ケーブルと同じ効果が得られる。
上記した例では、公知の超電導線材を利用しているが、一部が強磁性体で構成された超電導線材を利用してもよい。このような超電導線材を利用し、ケーブルコアの軸方向或いは周方向の磁場を、超電導線材を構成する強磁性体が捕捉することで、インダクタンスの増加を図ることができる。
超電導線材の一部を強磁性体で構成する具体的な手段としては、Bi系銀シース線材の場合であれば、例えば強磁性体を含む板状の強磁性体板をシースに貼り付けることが挙げられる。このとき、強磁性体板は補強材としても機能する。一方、RE123系薄膜線材の場合であれば、例えば基板に強磁性体板を貼り付けたり、基板自体を強磁性体で構成したりすることが挙げられる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。実施の形態では強磁性体層を超電導導体層の直上に配置する例を説明したが、強磁性体層を超電導導体層外側の絶縁層の中間や外周に配置してもよい。
本発明の直流超電導ケーブルは、直流超電導送電の分野に好適に利用可能である。
C 交流超電導ケーブル C 直流超電導ケーブル
1 ケーブルコア
11,21 フォーマ 12 超電導導体層 13,23 絶縁層
14 帰路導体層 15,25 絶縁保護層 m,m,m 強磁性体層
22p 超電導導体層(正極) 22n 超電導導体層(負極)
24 接地層
5 断熱管
51 内管 52 外管 53 断熱材 54 防食層
100 ケーブルコア
101 フォーマ 102 超電導導体層 103 絶縁層
104 超電導シールド層 105 常電導保護層
110 超電導線材

Claims (4)

  1. フォーマと、その外周に超電導線材をスパイラル巻きして形成された超電導導体層と、を有するケーブルコアを備える直流超電導ケーブルであって、
    前記フォーマは、少なくとも一部が強磁性体で構成されていることを特徴とする直流超電導ケーブル。
  2. 前記超電導導体層の外側に強磁性体を含む強磁性体層を有することを特徴とする請求項1に記載の直流超電導ケーブル。
  3. 前記超電導導体層の外側に導電線材をスパイラル巻きして形成された外部導体層を有し、
    前記超電導導体層と前記外部導体層との巻き方向が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の直流超電導ケーブル。
  4. 前記超電導線材の一部が強磁性体で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の直流超電導ケーブル。
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