JP2010238304A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】片面加工品の磁気ディスク用基板においても従来の触針式測定機や光学式/干渉系測定機を使用した品質の測定を行うことができる磁気ディスク用基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、片面加工された磁気ディスク用基板10を検査する検査工程において、磁気ディスク用基板10の非加工面を天側に、加工面を地側になるように磁気ディスク用基板10を固定し、磁気ディスク用基板10の加工面である主表面の品質を、該主表面を基準として、触針式測定機100を使用して磁気ディスク用基板10の主表面に下方に配置し、触針を上向きに設置すると共に接触圧を上向きにかけて測定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ装置に搭載される磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
ハードディスクドライブ装置(HDD装置)に搭載される磁気記録媒体として磁気ディスクがある。磁気ディスクは、アルミニウム−マグネシウム合金などで構成された金属板上にNiP膜を被着した基板、ガラス基板、セラミックス基板上に磁性層や保護層を積層したりして作製される。従来では、磁気ディスク用の基板としてアルミニウム合金基板が広く用いられていたが、近年の磁気ディスクの小型化、薄板化、高密度記録化に伴って、アルミニウム合金基板に比べて表面の平坦度や薄板での強度に優れたガラス基板が用いられるようになってきている。
このような磁気ディスク用基板は、素材加工工程及び第1ラッピング工程;端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び/又は内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));端面研磨工程(外周端部及び内周端部);第2ラッピング工程;主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程;検査工程などの工程を経て製造される。
上述した検査工程においては、光学的又は機械的に品質を測定する方法が採用されている。光学的測定には光学式/干渉系測定機と呼ばれる機器が用いられており、機械的測定には触針式測定機と呼ばれる機器が用いられている。これらの機器を用いて基板表面の粗さや端部形状などが測定される。
これまで磁気ディスク用基板においては、表面と裏面の両面に対して加工を行い、両面で同品質な製品を製造してきているが、記録密度の増加とともに、コスト削減の点から、片面加工品の需要が高まり、加工技術として確立し始めている(特許文献1参照)。片面のみ記録面として使用することで、記録面として使用しない面に対する磁気記録層の形成を省くことができ、コスト削減が可能となる。
磁気ディスク用基板の品質の測定においては、全てのサンプル品を両面加工品として考え、治具に関してもサンプル品の測定面と反対側の加工面で平行/平坦をとり、該加工面を使用して測定面の品質の測定を行っている。図3は触針式測定機100を使用した磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。また、図4は光学式/干渉系測定機101を使用した磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。両面加工された磁気ディスク用基板10は両面共研磨されているので、裏面10bを基準に測定することで表面10aの品質を把握することができる。
特開2001−351229号公報
しかしながら、磁気ディスク用基板が片面加工品である場合においては、非加工面である裏面がきちんと研磨されていないので、裏面を基準に測定しても表面の品質を把握することができない。すなわち、従来の方法(測定する面の反対側の面を使用して測定する面の面出しを行う方法)では片面加工品の磁気ディスク用基板には対応できない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、片面加工品の磁気ディスク用基板においても従来の触針式測定機や光学式/干渉系測定機を使用した品質の測定を行うことができる磁気ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、片方の面のみ加工された磁気ディスク用基板を検査する検査工程を含む磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記検査工程において、前記磁気ディスク用基板の加工面の品質を、前記加工面を基準として、触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を使用して測定することを特徴とする。
この方法によれば、片面加工された磁気ディスク用基板を検査する検査工程において、磁気ディスク用基板の加工面(表面)の品質を、該加工面を基準として、触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を使用して測定を行うので、片面加工品の磁気ディスク用基板においても従来の触針式測定機や光学式/干渉系測定機を使用した品質の測定を行うことができる。
なお、前記検査工程において、前記磁気ディスク用基板の非加工面を天側に、加工面を地側になるように前記磁気ディスク用基板を固定し、前記触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を前記磁気ディスク用基板の加工面に下方に配置し、前記触針式測定機の場合は、触針を上向きに設置すると共に接触圧を上向きにかけ、前記光学式/干渉系測定機の場合は、測定用レーザをファイバにて前記磁気ディスク用基板の加工面へ照射するようにするのが望ましい。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、製造された磁気ディスク用基板を検査する検査工程において、磁気ディスク用基板の加工面の品質を、該加工面を基準として、触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を使用して測定を行うので、片面加工品の磁気ディスク用基板においても従来の触針式測定機や光学式/干渉系測定機を使用した品質の測定を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用基板の製造において用いられる触針式測定機による磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用基板の製造において用いられる光学式/干渉系測定機による磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。 触針式測定機を用いた従来の磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。 光学式/干渉系測定機を用いた従来の磁気ディスク用基板の品質測定を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、磁気ディスク用基板の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用基板を提供することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
磁気ディスクの製造工程は、素材加工工程及び第1ラッピング工程;端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び/又は内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));端面研磨工程(外周端部及び内周端部);第2ラッピング工程;主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程;検査工程などの工程を含む。
以下に、磁気ディスクの製造工程の各工程について説明する。
(1)素材加工工程及び第1ラッピング工程
まず、素材加工工程においては、例えば溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの方法うち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。
第1ラッピング工程においては、板状ガラスをラッピング加工し、ディスク状のガラス基材とする。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス基板を得ることができる。
(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
(3)第2ラッピング工程
第2ラッピング工程においては、得られたガラス基板について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態になる。
(5)主表面研磨工程(第1研磨工程)
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。第1研磨工程は、前述のラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。ここでは、記録層を形成する主表面のみに対して研磨加工を行う。
(6)化学強化工程
化学強化工程においては、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施す。化学強化に用いる化学強化液としては、例えば、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)の混合溶液などを用いることができる。化学強化においては、化学強化液を300℃〜400℃に加熱し、洗浄済みのガラス基板を200℃〜300℃に予熱し、化学強化溶液中に3時間〜4時間浸漬することによって行う。この浸漬の際には、ガラス基板の両表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中の相対的にイオン半径の大きなナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
(7)主表面研磨工程(最終研磨工程)
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒やコロイダルシリカなどを用いることがきる。ここでも、記録層を形成する主表面のみに対して研磨加工を行う。
(8)検査工程
検査工程においては、片面のみ研磨された磁気ディスク用基板を触針式計測機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方の機器を用いて加工面(表面)の品質を測定する。この測定においては、これまで使用していた測定面(即ち加工面)と反対面を使用して測定面の面出しを行うのではなく、測定面において面出しを行う。従来の測定においては、図3及び図4に示すように磁気ディスク用基板10の上部より測定を行うものであったが、本発明の測定においては、図1又は図2に示すように磁気ディスク用基板10の下部より測定を行う。図1は触針式測定機100を用いた場合であり、触針100aを上向きにして設置し、接触圧を上向きにかけて磁気ディスク用基板10の加工面である表面10aの品質を測定する。図2は光学式/干渉系測定機101を用いた場合であり、測定用レーザをファイバ110にて磁気ディスク用基板10の下部より照射して磁気ディスク用基板10の加工面である表面10aの品質を測定する。このように、片面加工された磁気ディスク用基板10の加工面を基準にして、該加工面の粗さや端部形状などの品質の測定を行う。この測定においては、従来の触針式測定機100や光学式/干渉系測定機101をそのまま使用することができる。
なお、この検査工程では、磁気ディスク用基板10の加工面の品質を測定する以外に、光学式自動外観検査(AOI;Automated Optical Inspection)による外観検査装置(図示略)を用いた磁気ディスク用基板10の欠陥検出を行うのが望ましい。
このように、本発明によれば、片面加工された磁気ディスク用基板10を検査する検査工程において、磁気ディスク用基板10の非加工面を上側に、加工面を下側になるように磁気ディスク用基板10を固定し、磁気ディスク用基板10の加工面(表面10a)の品質を、該加工面を基準として、触針式測定機100及び光学式/干渉系測定機101のいずれか一方を使用して磁気ディスク用基板10の加工面に下方に配置し、触針式測定機100の場合は、触針を上向きに設置すると共に接触圧を上向きにかけ、光学式/干渉系測定機101の場合は、測定用レーザをファイバにて磁気ディスク用基板10の加工面へ照射することで測定を行うので、片面加工品の磁気ディスク用基板10においても従来の触針式測定機100や光学式/干渉系測定機101を使用した品質の測定を行うことができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例)
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラス素材(ブランクス)を得た。この時点でブランクスの直径は66mmである。次に、このブランクスの両主表面を第1ラッピング加工して後、円筒状のコアドリルを用いて、このガラス基板の中心部に穴部を形成し円環状のガラス基板に加工(コアリング)を実施、そして端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))を施し、その後第2ラッピング加工を行った。
次いで、ガラス基板の外周端部について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
そして、鏡面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。これにより、ガラス基板の直径は65mmとなり、2.5インチ型磁気ディスクに用いる基板とすることができた。
次いで、主表面研磨工程として、ガラス基板に対して第1研磨工程を施した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッドを用いた。また、研磨剤としては、セリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を130g/cmとし、加工回転数を22rpmとした。これにより、ガラス基板の算術平均粗さRaは約1.5nmとなった。
次いで、第2研磨処理を施した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッド(アスカーC硬度:54、圧縮変形量:476μm以上、密度:0.53g/cm以下)を用いた。また、研磨剤としては、平均粒径100nmのセリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を60g/cmとし、加工回転数を20rpmとした。ガラス基板の記録面として使用する主表面の算術平均粗さRaは約0.30nmとなった。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、KOH溶液に浸漬して、超音波を印加して120秒洗浄し、アルカリ洗浄液を用いてスクラブ洗浄を4秒行い、極微量に希釈した希硫酸及び前記アルカリ洗浄液で洗浄を行った後に、IPA(イソプロピルアルコール)の蒸気乾燥を行った。
次いで、上述した第2研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を380°Cに加熱し、その中に洗浄済みのガラス基板を約4時間浸漬することによって行った。そして、この化学強化を終えたガラス基板に対して、酸洗浄、アルカリ洗浄、及び純水洗浄を順次行った。このようにして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
次いで、ガラス基板の加工面である主表面について、品質を検査する検査工程を施した。検査工程においては、図1に示す触針式測定機100又は図2に示す光学式/干渉系測定機101のいずれか一方の機器を用いて主表面の品質を測定した。図1に示す触針式測定機100の場合は、触針100aを上向きにして設置し、接触圧を上向きにかけてガラス基板の主表面の品質を測定した。図2に示す光学式/干渉系測定機101の場合は、測定用レーザをファイバ110にてガラス基板の下部より照射してガラス基板の主表面の品質を測定した。このように、片面加工されたガラス基板の主表面を基準にして、該主表面の粗さや端部形状などの品質の測定を行った。
このように本発明の方法によれば、磁気ディスク用基板の加工面の品質を、該加工面を基準として、触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を使用して測定を行うので、片面加工品の磁気ディスク用基板においても従来の触針式測定機や光学式/干渉系測定機を使用した品質の測定を行うことができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。また、上記実施の形態における材質、個数、サイズ、処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
10 磁気ディスク用基板
10a 磁気ディスク用基板の表面
10b 磁気ディスク用基板の裏面
100 触針式測定機
100a 触針
101 光学式/干渉系測定機
110 ファイバ

Claims (2)

  1. 片方の面のみ加工された磁気ディスク用基板を検査する検査工程を含む磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記検査工程において、前記磁気ディスク用基板の加工面の品質を、前記加工面を基準として、触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を使用して測定することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
  2. 前記磁気ディスク用基板の非加工面を天側に、加工面を地側になるように前記磁気ディスク用基板を固定し、前記触針式測定機及び光学式/干渉系測定機のいずれか一方を前記磁気ディスク用基板の加工面に下方に配置し、前記触針式測定機の場合は、触針を上向きに設置すると共に接触圧を上向きにかけ、前記光学式/干渉系測定機の場合は、測定用レーザをファイバにて前記磁気ディスク用基板の加工面へ照射することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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