JP2010238301A - 磁気転写方法および磁気転写用マスター担体 - Google Patents

磁気転写方法および磁気転写用マスター担体 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気転写により信号が転写される垂直磁気記録媒体の転写信号品質を向上させる。
【解決手段】転写パターンを構成する多数の微細なエレメント30の平面形状が、同心円状に設けられる各トラック28において、それぞれ円周方向接線tに平行な2辺31aと、円周方向接線tとのなす角度が90°±5°である2辺31bとからなる四角形31がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、エレメント30の平面視形状の、各トラック28における円周方向接線tと交わる辺の実効的な傾きが、各トラック28における記録再生ヘッドのスキュー角θに応じた傾きである磁気転写用マスター担体と、垂直磁気記録媒体との重畳体に、垂直磁気記録媒体の反転磁界より小さい開始磁界から、最大転写磁界に到達した後に反転磁界より小さい終了磁界へと単一パルス状に強度変化する磁界を、開始磁界から終了磁界へと変化する時間が、100msec以下となるように印加する。
【選択図】図5A

Description

本発明は、垂直磁気記録媒体に情報を磁気転写するための磁気転写方法および磁気転写用マスター担体に関するものである。
情報を高密度で記録可能な磁気記録媒体として、垂直磁気記録媒体が知られている。この垂直磁気記録媒体の情報記録領域は、狭トラックで構成されている。そのため、垂直磁気記録媒体では、狭いトラック幅において正確に磁気ヘッドを走査し、高いS/N比で信号を再生するためのトラッキングサーボ技術が重要となる。このトラッキングサーボを行うためには、トラッキング用のサーボ信号、アドレス情報信号、再生クロック信号等のサーボ情報を、所定間隔で垂直磁気記録媒体に、いわゆるプリフォーマットとして記録しておく必要がある。
垂直磁気記録媒体に、サーボ情報をプリフォーマットする方法としては、例えば、サーボ情報に対応した、磁性層を含むパターンが形成されたマスター担体を、該磁気記録媒体に密着させた重畳体に転写用磁界を印加し、マスター担体のパターンを磁気記録媒体に磁気転写する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
転写用磁界の印加方法としては、垂直磁気記録媒体の面に垂直な方向の磁界を印加する垂直着磁方式(特許文献1参照)と、垂直磁気記録媒体の面に水平(平行)な方向の磁界を印加する水平着磁方式(特許文献2参照)とがある。
上記特許文献1に開示された垂直着磁方式による磁気転写方法は、面に垂直な一方向に予め初期磁化させた垂直磁気記録媒体を、凹凸パターンを有するマスター担体に密着させた状態で、垂直転写用磁界を印加する方法である。この垂直転写用磁界の印加時、垂直磁気記録媒体の、マスター担体の凸部と接触している領域の磁束密度が、それ以外の領域の磁束密度と比較して大きくなるために、マスター担体の凸部と接触している領域の磁化の向きが転写用磁界の向きに揃い、初期磁化の向きと逆向きに反転する。これにより、マスター担体の凹凸パターンに応じた磁化パターンが垂直磁気記録媒体の磁性層に転写される。
他方、特許文献2に開示された水平着磁方式による磁気転写方法は、垂直磁気記録媒体を、凹凸パターンを有するマスター担体に密着させた状態で、水平転写用磁界(ディスクの面に平行で略円周方向に沿った磁界)を印加する方法である。水平転写用磁界の印加時、マスター担体の凸部のエッジ部において磁束の吸い込みおよび吐き出しにより、そのエッジ部と密着している垂直磁気記録媒体の領域の磁化が磁束の向きに沿った方向に揃い、1つの凸部に対して、磁化の向きが互いに異なる1対の磁区が形成される。これにより、マスター担体の凹凸パターンに応じた磁化パターンが垂直磁気記録媒体の磁性層に転写される。
なお、水平着磁は、従来から、面内磁気記録媒体への磁気転写を行う方法として知られており、水平な転写磁界を発生させる方法および装置は種々提案されている。例えば、特許文献1、3に記載のような、半径方向に延びる永久磁石もしくは電磁石をマスター担体とスレーブ媒体との重畳体に相対的に一回転以上させる方法が一般的である。その他、特許文献4には、重畳体の片面もしくは両面に環状電磁石を配設し円周方向に沿った磁界を生じさせる方法が提案されており、特許文献5には、重畳体の中心に導線を配置し、導線に電流を流すことにより、円周方向に沿った磁界を生じさせる方法が提案されている。
特開平10−40544号公報 特開2001−297433号公報 特開2001−14667号公報 特開2001−67663号公報 特開2005−182920号公報
磁気記録媒体の記録再生装置においては、一般に記録再生ヘッドをディスクの半径方向に移動させる駆動機構として、ディスク上を円弧状に移動させるロータリ・アクチュエータが採用されている。そのため、記録再生ヘッドの長辺の方向とトラック方向(円周方向)接線に垂直な方向との間に形成される角度(スキュー角θ、図4参照)に基づいて、ディスク上の磁化パターンを構成する個々の磁区形状は、そのトラック方向接線(円周方向接線)と交わる辺の延びる方向と、ヘッドのギャップ間隔の方向とがほぼ一致するように(アジマス損失を抑制できるように)、円周方向接線に垂直な方向から所定の傾きを有するように形成する必要がある。
従って、このような磁化パターンを磁気記録媒体に転写するため、磁気転写用マスター担体は、表面に形成される転写パターンとして、磁気転写時に垂直磁気記録媒体と接触する凸部の面形状をヘッドのスキュー角に応じ、その円周方向接線と交わる辺が、円周方向接線に垂直な方向から所定の傾きを有する形状としておく必要がある。
しかしながら、本発明者は、垂直磁気記録媒体への水平着磁方法による磁気転写を行なうに際に、上述のようなパターン形状の傾きにより、実効的な転写磁界強度の低下、転写磁界幅の広がりが生じ、磁気転写により信号が転写された磁気記録媒体における転写信号品質の劣化に繋がっていることを見いだした。
特許文献2に記載するように、転写用磁界を印加するための転写ヘッドの形状をサーボ領域の形状に沿った円弧状とすれば、転写用磁界をパターン形状の傾きに対して略垂直とすることができ転写磁界強度の低下を抑えるように思われる。しかしながら、本発明者の実験によれば、転写ヘッドの形状を円弧状にしても、実効的な磁界方向はほぼ円周方向に沿ったものとなり、やはり十分な転写信号品質が得られなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、磁気転写により信号が転写された磁気記録媒体における転写信号品質の劣化を抑制することができる磁気転写方法、および磁気転写用マスター担体を提供することを目的とするものである。
本発明の磁気転写方法は、ディスク上を同心円状トラックと交差する円弧状に走査するロータリ型の記録再生ヘッドを備えた記録再生装置において使用される垂直磁気記録媒体に所望の情報を転写するための転写パターンを表面に備えた磁気転写用マスター担体であって、前記転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、該円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、該エレメントの平面形状の、該各トラックにおける前記円周方向接線と交わる辺の実効的な傾きが、該各トラックにおける前記記録再生ヘッドのスキュー角に応じた傾きである磁気転写用マスター担体と、垂直磁気記録媒体とを前記転写パターンの中心と該垂直磁気記録媒体の中心とを一致させて密着した重畳体に、該重畳体と同心の円周磁界であって、前記垂直磁気記録媒体の反転磁界より小さい開始磁界から、最大転写磁界に到達した後に前記反転磁界より小さい終了磁界へと単一パルス状に強度変化する磁界を、前記開始磁界から前記終了磁界へと変化する時間が、100msec以下となるように印加し、
該円周磁界の印加により前記転写パターンを前記垂直磁気記録媒体に磁気転写することを特徴とする。
なお、ここで円周磁界は、重畳体の全転写領域に亘って円周状に同時に発生する磁界をいうものとし、半径方向に延びる棒磁石などの磁界印加手段により重畳体に対して水平磁界を印加した状態で、磁界印加手段と重畳体とを相対的に移動させることにより全面に対して水平磁界を印加させるものは含まない。
また、反転磁界とは、垂直磁気記録媒体の静的な磁気ヒステリシスにおいて、磁化が、反転を開始する強度の磁界をいう(図9参照)。
前記円周磁界の前記開始時間から前記終了磁界へと変化する時間は100ms以下、さらには、1ms以下であることが望ましい。
前記円周磁界は、前記重畳体の少なくとも一方の面側に配設した環状電磁石により発生させることができる。また、前記磁気転写用マスター担体および前記垂直磁気記憶媒体として、それぞれ中心孔を有するものを用い、それぞれの中心孔を一致させて密着させることにより前記重畳体とし、前記円周磁界を、前記重畳体の中心孔内に、該重畳体に略垂直な軸方向に電流を流すことにより発生させてもよい。
本発明の磁気転写用マスター担体は、ディスク上を同心円状トラックと交差する円弧状に走査するロータリ型の記録再生ヘッドを備えた記録再生装置において使用される垂直磁気記録媒体に所望の情報を転写するための転写パターンを表面に備えた磁気転写用マスター担体であって、
前記転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、該円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、該エレメントの平面形状の、該各トラックにおける前記円周方向接線と交わる辺の実効的な傾きが、該各トラックにおける前記記録再生ヘッドのスキュー角に応じた傾きであることを特徴とするものである。
なお、本発明の磁気転写方法で用いられる磁気転写用マスター担体、および本発明の磁気転写用マスター担体においては、前記四角形の前記トラック幅方向の長さが、該トラック幅のN分の1の長さであり、前記エレメントは、前記四角形がN個トラック幅方向に並べられて構成されていることが望ましい。
また、所望の情報の具体例としては、サーボ情報が挙げられる。
本発明の磁気転写方法は、転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状である磁気転写用マスター担体と垂直磁気記録媒体との重畳体に、転写用磁界として、短時間で強度変化する円周磁界を印加することにより、実効的な反転磁界および保磁力を高め、マスター担体の凸部領域のエッジ部に対応する所望の磁化領域のみを精度よく、磁化させることができる。また、上述の磁気転写用マスター担体を用いていることから、水平磁界である円周磁界を印加した際に、磁界とエレメント平面形状を構成する複数の四角形の、円周方向接線と交差する2辺はほぼ直交するため、転写精度をさらに向上させることができる。
また、磁気転写用マスター担体として、エレメントの平面形状の、該各トラックにおける前記円周方向接線と交わる辺の実効的な傾きが、該各トラックにおける記録再生ヘッドのスキュー角に応じた傾きのものを用いているので、転写パターンが転写された垂直磁気記録媒体において、ヘッドのアジマス損失を抑制し、S/Nの良好な信号検出が可能である。
また、円周磁界として、垂直磁気記録媒体の反転磁界より小さい開始磁界から、最大転写磁界に到達した後に前記反転磁界より小さい終了磁界へと単一パルス状に強度変化する磁界を、前記開始磁界から前記終了磁界へと変化する時間が、100msec以下となるように印加することにより、磁気転写後の垂直磁気記録媒体から、非常に品質のよい再生信号を得ることができる。
従来の転写用磁界としては、重畳体に継続的に(概ね1秒超)一定磁界を印加する直流磁界、もしくは、所定方向に向いた磁界の強度を周期的に変動させて印加する交流磁界が採用されていた。しかしながら、直流磁界、交流磁界のいずれを採用した場合にも、転写信号品質が十分ではなかった。これは、磁気記録媒体の磁性層は、必ずしも均一ではなく部分的に保磁力の低い箇所があるために、マスター担体の凸部のエッジ部に相当する領域のみならず、凹部に相当する、磁束密度の低い領域であっても、部分的に磁化が磁束の向きに変化し、転写パターンの分離度が悪くなっていたためであると考えられる。
一方、本発明のように、短時間で強度変化する単一パルス状の磁界を一度だけ印加することにより磁気転写を行えば、磁気記録媒体の磁性層において、静的な保磁力が低い箇所であっても動的な磁気特性により磁性層の動的保磁力が大きくなり、磁束密度が低い領域での磁化の移動が抑制されるため、転写信号品質を向上させることができる。
このように、本発明の磁気転写方法によれば、マスター担体に形成されている凹凸パターン形状に正確に対応した磁化パターンを垂直磁気記録媒体に精度よく磁気転写することができるため、垂直磁気記録媒体の信号特性が向上して、特に転写パターンがサーボ情報である場合には良好なトラッキングサーボ機能を発揮することができることになる。
すなわち、円周方向の磁界に対して好ましいパターンを備えた磁気転写用マスター担体を用い、かつ、100msec以下の短時間で円周磁界を印加することで磁気転写がなされるため、非常に短時間で、良好な転写精度のプリフォーマット済み垂直磁気記録媒体を生産することができる。
本発明の磁気転写用マスター担体は、特に、上記本発明の磁気転写方法において好適に用いられるものであり、転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、水平磁界を印加した場合に、円周方向接線と交差する2辺は磁界とのなす角度が90°±5°でほぼ直交するため、転写精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図 図1に示すマスター担体の一部拡大斜視図 スレーブ媒体である垂直磁気記録媒体と磁気ヘッドとを説明するための説明図 図3の垂直磁気記録媒体と磁気ヘッドとの一部拡大模式図 転写パターンを構成する一エレメントの平面形状を示す図(外周側) 転写パターンを構成する一エレメントの平面形状を示す図(内周側) 一エレメントを構成する四角形の説明図 磁気転写工程を示す説明図 転写用磁界印加工程を説明するための断面図 単一パルス状の転写用磁界を定義するための波形図 垂直磁気記録媒体における動的磁化曲線の特性と、静的磁化曲線との比較説明図 第1の実施形態の転写用磁界発生装置の要部斜視図 図10の転写用磁界発生装置により生じる円周磁界を示す図 磁気転写装置における電流回路の例を示す図 第2の実施形態の転写用磁界発生装置の要部斜視図
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(磁気転写用マスター担体)
図1は、本発明の実施形態に係る磁気転写用マスター担体20の平面図であり、図2はその部分拡大斜視図である。図3および図4は、マスター担体20により磁気転写がなされる被転写媒体である垂直磁気記録媒体10を説明するため説明図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の磁気転写用マスター担体20は、中心孔20aを有する円盤状に形成されており、片面の内周部および外周部を除く円環状領域に、垂直磁気記録媒体に転写すべき情報に応じた複数の凹部32および凸部30からなる微細凹凸パターン35を表面に備えている。
被転写媒体である垂直磁気記録媒体10は、ディスク上を同心円状トラックと交差する円弧状に走査するロータリ駆動型の記録再生ヘッド70を備えた記録再生装置において使用されるものであり、凹凸パターン35は、この垂直磁気記録媒体10にサーボ情報などの所望の情報を転写するための転写パターンである。
記録再生ヘッド70は、いわゆる複合型ヘッドであり、ライトヘッドとリードヘッドとを含み、図3に示すようにヘッド70は、ヘッドスライダ72に組み込まれて、アクチュエータアーム71の先端に取り付けられている。アクチュエータアーム71は図示しないボイスコイルモータによって駆動され、図3中両矢印方向にヘッドをトラックに交差する円弧状に走査するものである。図4に示すように、例えばヘッドスライダ72が、垂直磁気記録媒体の外周側に移動すると、ヘッドスライダは記録トラック11に対して傾いて配置される。ここで、ヘッドのスキュー角θとは、記録再生ヘッド70の長辺の方向Aとトラック方向(円周方向)接線tに垂直な方向r(rはディスクの半径方向)との間に形成される角度である。
本実施形態のマスター担体20は、サーボ領域24とデータ領域25とがトラック方向(円周方向)に交互に形成されており、サーボ領域24には、サーボ情報に応じた凹凸パターン35が形成されている。サーボ領域24は、記録再生装置のヘッドの円弧状の軌跡に応じた円弧状に形成される。
マスター担体20の、サーボ領域に形成される凹凸パターン35を構成する多数の微細なエレメント(凸部30)の平面形状について図5A〜図5Cを参照して説明する。凸部30の平面形状は、磁気転写時に磁気記録媒体と接触する領域となることから転写精度に大きく寄与するものとなり、重要である。
図5Aはディスク外周側における凸部30の平面形状、図5Bはディスク内周側における凸部30の平面形状を示す。図5Aおよび図5Bに示すように、凸部の平面形状は、トラック28において、それぞれ円周方向接線tに平行な2辺31aと、該円周方向接線tとのなす角度が90°±5°である2辺31bとからなる四角形31がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、該平面形状の、トラック28における円周方向接線tと交わる辺30aの実効的な傾きは、該各トラック28における記録再生ヘッドのスキュー角θに応じた傾きである。凸部30の平面形状は図5Aおよび図5Bにおいて実線で囲まれた形状であるが、転写に際しての実効的な傾きは点線で示す辺30aであり、垂直磁気記録媒体10において形成される磁区の円周方向接線tに対する傾きは辺30aに沿ったものとなる。
図5Cは、四角形31の形状をより詳細に説明するための図である。四角形31は、その2辺31bの円周方向接線tとなす角度が90°±5°、すなわち、円周方向接線tに垂直な方向rに対してα≦5°の範囲で傾きを有していてもよい。なお、α≦3°であることがより好ましい。図5A〜図5Cに示すように、四角形31のトラック幅方向の長さは、トラック幅LのN分の1であることが好ましい。すなわち、凸部の平面形状は、トラック幅方向L/Nの長さの四角形31がN個トラック幅方向に連続的に並べられた形状であることが好ましい。Nは2以上の整数であり、図5A〜図5Cの例においては、N=3である。
図2に示すように、このマスター担体20は、主として、基材21とこの基材21の表面上に形成される磁性層22とを備える。該基材21は、その表面に、凸部30および凹部32からなる微細凹凸パターンを有し、磁性層22は、微細凹凸パターンの表層に全面に亘って一様に形成されている。本実施形態においては、製造が容易である等の理由により、凹部32の表面にも磁性層22が形成されているが、磁性層は凸部30の表面に形成されていればよく、凹部32の表面には磁性層22はなくてもよい。マスター担体20は、さらに、後述の保護層、潤滑剤層、下地層等を備えていることが好ましい。
なお、マスター担体としては、基材の表面に上記と逆の凹凸パターンを備え、凹部に磁性層が埋め込まれて、表面が平坦に形成されたもの、あるいは平坦な表面を有する基材上に上記の凸部に相当する領域に磁性ビットを備え、磁性ビットの配列により表面に凹凸が形成されてなるものを用いてもよい。前者の場合、凹部に埋め込まれた磁性層が、後者の場合は磁性ビットが、それぞれ本発明における転写パターンを構成する「エレメント」に相当し、それらの平面形状がそれぞれ上述の凸部30の平面形状と同様に形成されていることが重要である。
基材21は、ガラス、ポリカーボネート等の合成樹脂、ニッケル、アルミニウム等の金属、シリコン、カーボン等の公知の材料を用いて製造される。
磁性層48の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt、NiPtなどが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。磁性層48の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、5nm〜30nm程度である。また、磁性層48の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができ、例えば、スパッタリング法、電着(電着法)等により行うことができる。
基材21と磁性層22間に磁性層配向用の結晶配向層、軟磁性下地層を適宜形成してもよい。特に軟磁性下地層は単層、あるいは複数層にて構成してもよい。
マスター担体20の表面には、機械的、摩擦特性、耐候性を改善するために保護層が形成されている。この保護層の材料としては、硬質な炭素膜が好ましく、スパッタ法により形成した無機カーボン、ダイヤモンドライクカーボン等を用いることができる。この硬質保護層上には、更に、潤滑剤からなる層(潤滑剤層)を形成してもよい。この種の潤滑剤としては、一般的に、パーフルオロポリエーテル(PFPE)等のフッ素系樹脂が用いられる。
(マスター担体の製造方法)
表面が平滑なシリコンウエハーである原板(Si基板)を用意し、この原板の上に、電子線レジスト液をスピンコート法等により塗布して、レジスト層を形成し、ベーキング処理(プレベーク)を行う。
次いで、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた不図示の電子ビーム露光装置のステージ上に原板をセットし、原板を回転させながら、サーボ信号に対応して変調した電子ビームを照射し、レジスト層の略全面に所定のパターン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に描画露光(電子線描画)する。
レジスト層を現像処理し、露光(描画)部分を除去して、残ったレジスト層による所望厚さの被覆層を形成する。この被覆層が次工程(エッチング工程)のマスクとなる。なお、基板上に塗布されるレジストはポジ型、ネガ型のどちらでも使用可能であるが、ポジ型とネガ型では、露光(描画)パターンが反転することになる。この現像処理の後には、レジスト層と原板との密着力を高めるためにベーキング処理(ポストベーク)を行う。
次いで、レジスト層の開口部より原板を表面より所定深さだけ除去(エッチング)する。このエッチングにおいては、アンダーカット(サイドエッチ)を最小にすべく、異方性のエッチングが望ましい。このような、異方性のエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)が好ましく採用できる。
次に、レジスト層を除去する。レジスト層の除去方法は、乾式法としてアッシングが採用でき、湿式法として剥離液による除去法が採用できる。以上のアッシング工程により、所望の凹凸パターンの反転型が形成された原盤が作製される。
その後、原盤の表面に均一厚さに導電層を形成する。この導電層の形成方法としては、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法等が適用できる。
このように、導電膜の層を1層形成すれば、次工程(電鋳工程)の金属の電着が均一に行えるという効果が得られる。導電層としては、Niを主成分とする膜であることが好ましい。このようなNiを主成分とする膜は、形成が容易であり、且つ、硬質であるため、導電膜としてふさわしい。この導電層の膜厚として、特に制限はないが、数十nm程度が一般的に採用できる。
次いで、原盤の表面に、電鋳により所望の厚さの金属(ここでは、Ni)による金属板を積層する(反転板形成工程)。この工程は、電鋳装置の電解液中に原盤を浸し、原盤を陽極とし、陰極との間に通電することにより行われるが、このときの電解液の濃度、pH、電流のかけ方等は、積層された金属板(基材21)に歪みのない最適条件で実施されることが求められる。
そして、上記のようにして金属板の積層された原盤が電鋳装置の電解液から取り出され、剥離槽(図示略)内の純水に浸される。剥離槽内において、金属板を原盤から剥離し、原盤から反転した凹凸パターンを有する基材21を得る。
次いで、基材21の凹凸表面上に磁性層22を形成する。該磁性層の材料は、例えば、FeCoからなる。該磁性層22の厚みは、10nm〜320nmの範囲が好ましく、20nm〜300nmの範囲がより好ましく、30nm〜100nmが更に好ましい。該磁性層22は、上記材料のターゲットを用いスパッタリングにより形成される。
その後、基材21の内径および外径を、所定のサイズに打抜き加工する。以上のプロセスにより、磁性層22が設けられた凹凸パターンを有するマスター担体20が作製される。
マスター担体20の表面には、凹凸パターンからなるサーボパターンが形成される。また、図には示さないが、マスター担体20表面の磁性層22の上にダイヤモンドライクカーボン等の保護膜(保護層)や、更に、保護膜上に潤滑剤層を設けてもよい。
該保護層を形成する目的は、マスター担体20と磁気記録媒体10とを密着させた際に磁性層22が傷つきやすく、マスター担体20として使用できなくなってしまうことを防止するためである。また、潤滑剤層は、磁気記録媒体10との接触の際に生じる摩擦による傷の発生などを防止し、耐久性を向上させる効果がある。
具体的には、保護層として、厚さが2〜30nmのカーボン膜を形成し、更にその上に潤滑剤層を形成した構成が好ましい。また、磁性層48と、保護層との密着性を強化するため、磁性層48上にSi等の密着強化層を形成し、その後に保護層を形成してもよい。
(垂直磁気記録媒体)
図3において示される、垂直磁気記録媒体10は、円盤状の基板の片面或いは、両面に磁性層が形成されたものであり、具体的には、高密度ハードディスク等が挙げられる。
磁気記録媒体10は、ガラスなど非磁性の基板11上に、軟磁性層(軟磁性下地層;SUL)、非磁性層(中間層)、磁性層(垂直磁気記録層)12が順次積層形成された構造からなり、磁性層の上は更に保護層と潤滑層とで覆われている。
円盤状の基板は、ガラスやアルミニウム等の非磁性材料から構成されており、この基板上に軟磁性層を形成した後、非磁性層と、磁性層を形成する。
軟磁性層は、磁性層の垂直磁化状態を安定させ、記録再生時の感度を向上させるために有益である。軟磁性層に用いられる材料は、CoZrNb、FeTaC、FeZrN、FeSi合金、FeAl合金、パーマロイなどFeNi合金、パーメンジュールなどのFeCo合金等の軟磁性材料が好ましい。この軟磁性層は、ディスクの中心から外側に向かって半径方向に(放射状に)磁気異方性が付けられている。
軟磁性層の厚さは、20nm〜2000nmであることが好ましく、40nm〜400nmであることが更に好ましい。
非磁性層は、後に形成する磁性層の垂直方向の磁気異方性を大きくする等の理由により設けられる。非磁性層に用いられる材料は、Ti(チタン)、Cr(クロム)、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)、Ta、Pt等が好ましい。非磁性層は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。非磁性層の厚さは、10nm〜150nmであることが好ましく、20nm〜80nmであることが更に好ましい。
磁性層は、垂直磁化膜(磁性膜内の磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向したもの)により形成されており、この磁性層に情報が記録される。磁性層に用いられる材料は、Co(コバルト)、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Co合金-SiO2、Co合金-TiO2、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)等が好ましい。これらの材料は、磁束密度が大きく、成膜条件や組成を調整することにより垂直の磁気異方性を有している。磁性層は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。磁性層の厚さは、10nm〜500nmであることが好ましく、20nm〜200nmであることが更に好ましい。
(磁気転写方法)
次に、上記磁気転写用マスター担体を用い、垂直磁気記録媒体に転写パターンを転写する本発明の実施形態に係る磁気転写方法について説明する。図6は磁気転写工程を示す図である。
<初期磁化工程>
図6(A)に示されるように、垂直磁気記録媒体10の初期磁化(直流磁化)は、垂直磁気記録媒体10の表面に対し垂直な磁界を印加することができる装置(不図示の磁界印加手段)により初期化磁界Hiを発生させることにより行う。具体的には、初期化磁界Hiとして磁気記録媒体10の保磁力Hc以上の強度の磁界を発生させることにより行う。この初期磁化工程により、磁気記録媒体10の磁性層12の磁化をディスク面と垂直な一方向に初期磁化させる。なお、この初期磁化工程は、磁界印加領域がディスク面より狭い場合には、磁気記録媒体10を磁界印加手段に対し相対的に移動させることにより行ってもよい。また、原理上は必ずしも初期磁化工程を経る必要はない。しかしながら、初期磁化させておくことにより、磁気転写後の垂直磁気記録媒体からよりよい再生信号を得ることができる。
<密着工程>
次に、初期磁化工程後の垂直磁気記録媒体10に対して、磁気転写用マスター担体20を密着させる。この密着工程では、マスター担体20の凹凸パターンが形成されている面と、磁気記録媒体10の磁性層12が形成されている面とを所定の押圧力で密着させる。
磁気記録媒体10には、マスター担体20に密着させる前に、グライドヘッド、研磨体等により、表面の微少突起又は付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシング等)が必要に応じて施される。
なお、密着工程は、図6(B)に示すように、磁気記録媒体10の片面のみにマスター担体20を密着させる場合と、両面に磁性層(記録層)を備えた磁気記録媒体に対して、両面からマスター担体を密着させる場合とがある。後者の場合では、両面を同時転写することができる利点がある。
<転写用磁界印加工程>
次に、垂直磁気記録媒体10と磁気転写用マスター担体20とを密着させた重畳体40に対して、転写用磁界として重畳体の円周に沿った円周磁界Hdを印加して垂直磁気記録媒体にマスター担体20の転写パターンに応じた磁気情報を転写する。円周磁界Hdの発生方法については後述するが、円周磁界Hdは垂直磁気記録媒体およびマスター担体20の内外周に同心円状に同時に発生され、この円周磁界Hdにより生じた磁束が磁気記録媒体10とマスター担体20に進入することにより磁気転写が行われる。
図7は、重畳体40への円周磁界Hdの印加時における転写磁化の状態を模式的に示す円周方向に沿った断面図である。円周磁界Hdの印加時、マスター担体20の凸部30のエッジ部36a、36bにおいて磁束の吸い込みおよび吐き出しが生じ、これにより、そのエッジ部36a、36bと密着している垂直磁気記録媒体10の磁性層12の領域12a、12bの磁化が磁束の向きに沿った方向に揃い、1つの凸部30に対して互いに異なる向きの1対の磁区が形成される。これにより、マスター担体の凹凸パターンに応じた磁化パターンが垂直磁気記録媒体の磁性層に転写される。本発明のマスター担体20は、全域に亘って、その凹凸パターンを形成する微細なエレメント(ここでは凸部30)の平面形状が、そのトラック方向に交差する2辺が水平磁界(円周磁界)に対して略垂直であるため、その凸部30のエッジ部36a、36bにおける、磁束の集中が急峻なものとなり、転写精度を向上させることができる。
円周磁界Hdとしては、垂直磁気記録媒体10の反転磁界Hnより小さい開始磁界Hsから、最大転写磁界Haに到達した後に反転磁界Hnより小さい終了磁界Heへと単一パルス状に強度変化する磁界であって、開始磁界Hsから終了磁界Heまでの時間(開始磁界Hsから終了磁界Heへと強度変化する時間が、100msec以下となるように印加する。
図8は、単一パルス状に変化する転写用磁界(円周磁界)Hdの例を示す波形図である。図8に示すように、円周磁界Hdは、垂直磁気記録媒体10の反転磁界Hn(図9の静的特性参照)より小さい開始磁界Hsから強度が増加し、最大転写磁界Haに1度だけ到達した後、上記反転磁界Hnより小さい終了磁界Heに強度が減少する磁界である。なお、本発明の転写方法は、このような単一パルス状の円周磁界を1度だけ印加することにより磁気転写を行うものである。
この単一パルス状の円周磁界Hdは、開始磁界Hsから転写磁界Haに到達するまでの時間trと、転写磁界Haに到達している時間taと、転写磁界Haから終了磁界Heに低下する時間tfの合計で表され、この始点tsから終点teまでの時間幅(パルス幅)が100msec以下である。1回の単一パルス状の円周磁界Hdの印加で磁気転写を完了する。時間幅は、好ましくは、1msec以下、さらに好ましくは、0.1msec以下であるが、垂直磁気記録媒体10の磁気特性(特に保磁力Hc)によってこの時間幅および、最大転写磁界Haは適宜定められる。なお、最大転写磁界Haは、図8においては、垂直磁気記録媒体の静的保磁力Hcより大きいものとしているが、垂直磁気記録媒体10の磁性層12の静的保磁力Hcの60〜130%、好ましくは、70〜120%の強度の範囲であればよい。
さらに、最大転写磁界Haに到達している時間ta内に生じる磁界の変動σhは、転写磁界Haの±5%以内である。開始磁界Hsから転写磁界Haに到達するまでの磁界の時間変化および転写磁界Haから終了磁界Heに到るまでの磁界の時間変化は任意である。
図9は、垂直磁気記録媒体の磁気記録層に用いられる磁性層の磁気ヒステリシスの静的特性(鎖線)および動的特性(実線)を模式的に示す図である。磁気記録媒体の磁性層の磁気特性は、外部磁界の走査速度(掃引速度)により、大きく変化する。図9において鎖線で示す静的特性は、掃引速度が十分小さい(遅い)である場合のヒステリシスであり、掃引速度が大きく(早く)なるほど、動的特性により実線で示すようにヒステリシスは矩形状に近づき、角形比が大きくなる傾向にある。動的特性においては、保磁力Hc’が静的保磁力Hcと比較して大きくなり、同様に反転磁界も静的反転磁界Hnより大きくなり、ヒステリシスがほぼ矩形に近づくにつれ、反転磁界は保磁力Hc’に近づく。
上述した、パルス幅が100msec以下の単一パルス状の磁界を印加することは、すなわち、非常に早い掃引速度で磁界を変化させていることに相当し、単一パルス状の磁界印加時には、磁気記録媒体10の磁性層の磁化特性は動的なものとなり、保磁力や反転磁界が大きくなる。従って、磁界印加時に、凸部のエッジ部により磁束が非常に強められた部分においてのみ磁化がその磁束方向に揃う精度が高められるため、結果として転写信号品位が向上する。
なお、上述した本発明の実施形態に係る転写方法によりサーボ情報が転写されて生産されるプリフォーマット済の垂直磁気記録媒体は、例えば、ハードディスク装置等の磁気記録再生装置に組み込まれて使用される。これにより、サーボ精度が高く、良好な記録再生特性の高記録密度磁気記録再生装置を得ることができる。
(円周磁界発生方法)
転写用磁界である円周磁界の発生方法について説明する。
第1の円周磁界発生方法は、図10に示すように、磁気記録媒体10とマスター担体20とをそれぞれの中心孔10a、20aが一致するように密着させた重畳体40の中心孔の中心に位置するように導線50を通した状態で、導線50に電流を流すことにより該導線50の周囲に円周磁界を発生させる方法である。なお、導線50は重畳体40の中心孔内に、重畳体40に対して略垂直となるように通される。
図11に模式的に示すように、導線50に電流を流すことにより導線50の周りには、円周磁界Hd=I/2πr(I:電流、r:電流中心からの距離)が発生する。磁気記録媒体10のサイズ、磁性層の磁気記録特性(例えば、保磁力Hc)などに応じて導線50に流す電流値は適宜設定する。
導線50は、図12に示すような、電源51、キャパシタ52、スイッチ53、52を備えた電流回路に接続されている。スイッチ53を開放した状態でスイッチ53を閉じてキャパシタ52に蓄電させ、その後、導線50に通電する際に、スイッチ54を閉じれば、キャパシタ52に蓄積された電荷が一気に流れるために、瞬間的に大電流を導線50に通すことが可能となる。十分な容量のキャパシタ52を備えることにより出力の比較的小さな電源51を使用することが可能である。導線50への大電流の瞬間的な通電により、パルス状に短時間で強度変化する円周磁界を生じさせることができる。
第2の円周磁界発生方法は、図13に示すように、リング状コア部材61と、該コア部材61の表面に巻きつけられたコイル62とからなる環状電磁石60を用いる方法である。環状電磁石60を重畳体40の片面、もしくは両面に配置し、コイル62に電流を流すことにより、円周磁界を発生させる。環状電磁石60においては、主としてコア部材61内部に主として磁束が集中するが、転写用磁界としては、このコア部材61の外部に漏れる磁束による円周磁界を用いる。
環状電磁石60は、トラック面積(転写パターン領域)と同程度の大きさ、もしくはその面積よりも大きいものを用いる。このような大きさのものを用いることにより、重畳体40に均一な磁界を与えることが可能となる。なお、コイル62は、図示しないパルス電源に接続されており、図8に示すような特性の単一パルス状の磁界が発生するように調整された電流が通電される。環状電磁石60から重畳体40に与えられる磁界の強度は、環状電磁石60に通電する電流の強度、環状電磁石60と重畳体40との間隔を変化させることにより調整することができる。
このような、環状電磁石60を用いることにより、磁界強度は全トラック位置において均一なものとすることができる。なお、環状電磁石としては、空芯型ソレノイドコイルを用いてもよい。
以下、本発明の磁気転写方法の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
まず、実施例1〜11および比較例1〜7で用いるマスター担体および垂直磁気記録媒体の作製方法について説明する。
(マスター担体の作製)
8インチのSi(シリコン)ウェハー(基板)上に、電子線レジストを、スピンコート法により、80nmの厚みで塗布した。塗布後、基板上の該レジストを、回転式電子線露光装置を用いて露光し、露光後の該レジストを現像して、凹凸パターンを有するレジストSi基板を作製した。
その後、該レジストをマスクとして用い、該基板に対して、反応性イオンエッチング処理を行い、凹凸パターンの凹部を掘り下げた。該エッチング処理後、該基板上に残存するレジストを可溶溶剤で洗浄し、除去した。除去後、該基板を乾燥したものを、マスター担体を調製するための原盤とした。
なお、本実施例1で用いたパターンは、サーボ部からなる。サーボ部は、基準信号長:60nm、総セクタ数:128、プリアンブル(38bits)/SAM(6bits)/Sectorcode(16bits)/CylinderCode(32bits)/Burstパターンで構成されている。該SAM部は、”001010”であり、SectorはBinary変換、CylinderはGray変換を用いている。Burst部は一般的な4バースト(各バーストは16bits)である。SAM部、変換後のアドレス部はマンチェスター変換を使用した。
上記原盤上に、スパッタ法を用いてNi(ニッケル)導電性膜を20nm形成した。該導電性膜を形成した後の原盤を、スルファミン酸Ni浴に浸漬し、電解メッキにより、220μmの厚みのNi膜を形成した。その後、原盤よりNi膜を引き剥がし、洗浄して、Ni製のマスター担体中間体を得た。
上記マスター担体中間体上に、アルゴン圧力0.12Pa条件下で、スパッタリング法により、Fe70at%Co30at%からなる磁性層を50nm形成して、マスター担体を得た。
なお、凹凸パターンの凸部形状の辺と円周磁界の垂直な方向のなす角度が同一および、異なる複数の磁気転写用マスター担体を作製し、下記の実施例1〜8よび比較例1〜3において用いた。
(凸部平面形状の辺と円周磁界に垂直な方向とのなす角度の測定)
セクタ番号0の角度位置で、最内周(半径:20mm)および最外周(半径:32mm)のバーストパターン部に対して、走査型電子顕微鏡(FE−SEM S800、日立製作所(株)製)を用いて、マスター担体の磁気情報(サーボ情報)に対応した凹凸パターン形状の高分解能での観察を実施した。
上記観察結果を基に、凸部平面形状の辺と円周磁界に垂直な方向とのなす角度(図5Cにおける角度α)を算出した。10バーストパターンに対して同作業を実施し、平均値を算出した。最内周および最外周の平均値を比較し、大きい方を磁界とパターンがなす絶対値最大角度αと定義した。
なお、実施例および比較例の磁気転写用マスター担体の作製の、回転式電子線露光装置を用いたレジスト露光描画において、マスター担体の凸部に対応する領域を描画する際に、凸部の平面形状を、複数の四角形を描画することにより描画した。この描画時に、四角形のトラック方向と交わる辺の、円周方向に垂直な方向とのなす角度を調整して、それぞれ表1に示す角度αを有するマスター担体を作製した。
例えば、実施例1で用いたマスター担体は、上記評価の結果、内周:2.7°、外周2.9°であったため、αを2.9°としたものである。
実施例2〜11、比較例1〜7で用いたマスター担体はそれぞれ、同様にして下記表1に示すように、それぞれ角度αを算出した。
(垂直磁気記録媒体の作製)
2.5インチのガラス基板上に、スパッタリング法を用いて、軟磁性層、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層および保護層を、この順に形成した。更に、該保護層の上に、ディップ法により潤滑剤層を形成した。
軟磁性層の材料として、CoZrNbを用いた。該軟磁性層の厚みは、100nmであった。ガラス基板をCoZrNbターゲットと対向させて配置し、Arガスを0.6Pa圧になるように流入させ、DC1500Wで成膜した。
第1非磁性配向層としてTi:5nm、第2非磁性配向層としてRu:6nmを形成した。第1非磁性配向層は、Tiターゲットと対向配置し、Arガスを0.5Pa圧になるように流入し、DC1000Wで放電し、5nmの厚さになるように、Tiシード層を成膜した。第1非磁性配向層形成後にRuターゲットと対向させて配置し、Arガスを0.8Pa圧になるように流入させ、DC900Wで放電し、6nmの厚さになるように第2非磁性配向層Ruを成膜した。
磁気記録層として、CoCrPtO:18nmを形成した。CoCrPtOターゲットと対向させて配置し、Oを0.06%を含むArガスを14Pa圧になるように流入させ、DC290Wで放電し磁気記録層を作製した。
磁気記録層を形成した後に、C(カーボン)ターゲットと対向させて配置し、Arガスを0.5Pa圧になるように流入させ、DC1000Wで放電し、C保護層(4nm)を形成した。この記録媒体の保磁力は、334kA/m(4.2kOe)とした。
更に、該媒体にディップ法により、PFPE潤滑剤を2nmの厚さで塗布した。
以上のようにして、垂直磁気記録媒体を調製した。
(実施例1)
実施例1の磁気転写方法は、α=2.9°のパターン形状を有するマスター担体を用い、下記の手順で行った。
1)初期磁化工程
上記垂直磁気記録媒体に対して、初期磁化を行った。初期磁化の際に印加する磁界は、垂直磁気記録媒体のディスク面に垂直な垂直磁界とし、その強度(初期磁界強度)は10kOeとした。
2)密着工程
初期磁化済み垂直磁気記録媒体に対して、上記マスター担体を対向して配置し、これらを1.5MPaの圧力にて30秒間密着させた。
3)転写用磁界印加工程
互いに密着した状態で、転写用磁界を印加した。ホルダー中央部に直径10mmの導電線を配置し、電流を導通させることで転写用磁界として単一パルス状に強度変化をする円周磁界(パルス磁界)を発生させた。転写用磁界の磁界強度はサーボ信号最内周(半径:10mm)で、4.6kOeとした。転写用磁界の印加時間(単一パルス状磁界の時間幅)は、0.0125msとした。
4)剥離工程
転写用磁界印加終了後、マスター担体を、垂直磁気記録媒体から剥離した。
(実施例2)
実施例2の磁気転写方法は、α=3.7°のパターン形状を有するマスター担体を用いた点を除き実施例1と同様とした。
(実施例3)
実施例3の磁気転写方法は、α=4.7°のパターン形状を有するマスター担体を用いた点を除き実施例1と同様とした。
(実施例4〜8)
実施例4〜8の磁気転写方法は、実施例2と同様のα=3.7°のパターン形状を有するマスター担体を用い、転写用磁界の印加時間(単一パルス状磁界の時間幅)を、それぞれ表1に示すように変化させた点を除き実施例1と同様とした。
(実施例9〜11)
実施例9〜11の磁気転写方法は、転写用磁界の印加時間を、それぞれ表1に示すように変化させた点を除き実施例1と同様とした。
(比較例1〜4)
比較例1〜4の磁気転写方法は、転写用磁界の印加時間を、本発明の範囲外(100msecより大きい値)とし、それぞれ表1に示すように変化させた点を除き実施例1と同様とした。
(比較例5)
比較例5の磁気転写方法は、実施例1と同様のマスター担体を用い、転写用磁界として直流磁界を印加した点を除き実施例1と同様とした。なお、ここで、直流磁界とは、同一領域に対して最大転写磁界を1秒以上印加する場合をいうものとする。直流磁界は、図13に示すような環状電磁石60を用いる方法を採用して印加した。磁界印加時間が、開始磁界から最大磁界への到達時間、最大磁界から終了磁界への減衰時間がそれぞれ0.5秒程度であり、4秒程度最大磁界強度を重畳体に印加している。
(比較例6)
比較例6の磁気転写方法は、α=5.5°のパターン形状を有するマスター担体を用いや点を除き実施例7と同様とした。
(比較例7)
比較例7の磁気転写方法は、α=5.5°のパターン形状を有するマスター担体を用いた点を除き比較例5と同様とした。すなわち、本比較例7においても転写用磁界として直流磁界を印加した。
(信号評価)
上記の実施例および比較例の磁気転写方法で得られた磁気転写済みの磁気記録媒体からの再生サーボ信号品位を振幅均一性(PRSIGMA)およびサーボPESの測定に基づいて評価した。各実施例および比較例についてのマスター担体のαおよび評価は下記表1に示す。
<PRSIGMAの測定>
磁気転写後の垂直磁気記録媒体に対して、プリアンブル部の波形を検出した。波形検出には、リード巾110nm、ライト巾180nmのGMRヘッドを装着した評価装置(協同電子社製 LS−90)を用いた。半径20mm〜32mmの領域を1mm間隔で測定し、水平磁界印加により転写パターンの凸部エッジに対応して形成された磁化領域のうち、磁束吸込み側信号および磁束吐き出し側信号の全平均値(PRAM)をそれぞれ算出し、各半径位置での振幅均一性の指標として、平均値からのずれ(PRSIGMA=3σ/PRAM(%))を測定し、プリアンブル部のPRSIGMAに基づいてサーボ信号品位を評価した。なお、磁束吸込み側信号とは、図7において、エッジ部に対応して形成された磁化領域12a、12bのうち、磁束の吸込み方向に磁化された領域12aからのパルス信号であり、磁束吐き出し側信号とは、磁束の吐き出し方向に磁化された領域12bからのパルス信号である。
ここで、PRSIGMAが20%以上となるセクタが5個未満であれば良(○)、PRSIGMAが20%以上となるセクタが5個以上10個未満であれば可(△)、PRSIGMAが20%以上となるセクタが10個以上であれば不良(×)として評価した。なお、使用可能な評価領域は〇および△である。
<サーボPES>
サーボPES(Position Error Signal)についても評価した。該評価装置として、アイメス社製(BitFinder)を用いた。VCMモードとした上記ヘッドを装着し、サーボフォローイングを評価した。サーボフォロー状態でのPESを測定した。50周分の各セクタのPES測定値から標準偏差(σ)を求め、3σ値でトラックピッチ(TP)の15%未満であれば良(○)、15%以上25%未満であれば可(△)、25%以上であれば不良(×)と判断した。
Figure 2010238301
表1に示すように、αが5°以下である本発明の磁気転写用マスター担体を用いた、本発明の磁気転写方法[実施例1〜11]により得られた磁気記録媒体からの信号品質は、本発明の磁気転写方法からはずれた[比較例1〜7]により得られた磁気記録媒体からの信号品質と比べて、PRESIGMAの結果から振幅の均一性が高く、また、サーボフォロー工程でのPES測定においても標準偏差が小さく再生信号の品質が高いという結果が得られた。
また、実施例1〜11と、マスター担体のパターン形状の傾きαのみが5°を超える比較例6との結果から、パターン形状の傾きは5°以下が好ましいという結果が得られた。また、これらのうち特には、αが最も小さいマスター担体を用いた実施例1の転写方法が最も再生信号品質がよかった。したがって傾きはより小さいほうが望ましく、3°以下とすることが好ましいと考えられる。
さらに、実施例1〜11および比較例1〜5からパターン形状傾きαが5°以下のマスター担体を用い、100msec以下の短時間の単一パルス状円周磁界の印加により、非常に精度よく磁気転写を行うことができ、高品質の再生信号を得ることができることが明らかとなった。特に、本実施例において被転写媒体として用いられた垂直磁気記録媒体に対しては、単一パルス状の円周磁界(転写用磁界)の印加時間が0.0125msecのとき、最も転写信号品質がよいという結果が得られた。なお、磁界の印加時間は、垂直磁気記録媒体の磁性層の磁気特性に大きく依存すると考えられる。したがって、本実施例で用いられた垂直磁気記録媒体と異なる被転写媒体を用いた場合には、最適な磁界印加時間は変化するものと考えられる。
10 垂直磁気記録媒体
10a 中心孔
11 基板
12 磁性層
18 記録トラック
20 磁気転写用マスター担体
20a 中心孔
21 基材
22 磁性層
24 サーボ領域
25 データ領域
28 トラック
30 凸部(エレメント)
31 四角形
32 凹部
35 微細凹凸パターン
35 凹凸パターン
36a、36b エッジ部
40 重畳体
50 導線
51 電源
52 キャパシタ
53、54 スイッチ
60 環状電磁石
61 コア部材
62 コイル
70 記録再生ヘッド
71 アクチュエータアーム
72 ヘッドスライダ
r 円周方向接線に垂直な方向(半径方向)
t 円周方向接線
θ スキュー角

Claims (8)

  1. ディスク上を同心円状トラックと交差する円弧状に走査するロータリ型の記録再生ヘッドを備えた記録再生装置において使用される垂直磁気記録媒体に所望の情報を転写するための転写パターンを表面に備えた磁気転写用マスター担体であって、前記転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、該円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、該エレメントの平面形状の、該各トラックにおける前記円周方向接線と交わる辺の実効的な傾きが、該各トラックにおける前記記録再生ヘッドのスキュー角に応じた傾きである磁気転写用マスター担体と、垂直磁気記録媒体とを前記転写パターンの中心と該垂直磁気記録媒体の中心とを一致させて密着した重畳体に、該重畳体の同心の円周磁界であって、前記垂直磁気記録媒体の反転磁界より小さい開始磁界から、最大転写磁界に到達した後に前記反転磁界より小さい終了磁界へと単一パルス状に強度変化する磁界を、前記開始磁界から前記終了磁界へと変化する時間が、100msec以下となるように印加し、
    該円周磁界の印加により前記転写パターンを前記垂直磁気記録媒体に磁気転写することを特徴とする磁気転写方法。
  2. 前記円周磁界を、前記重畳体の少なくとも一方の面側に配設した環状電磁石により発生させることを特徴とする請求項1記載の磁気転写方法。
  3. 前記磁気転写用マスター担体および前記垂直磁気記憶媒体として、それぞれ中心孔を有するものを用い、それぞれの中心孔を一致させて密着させることにより前記重畳体とし、
    前記円周磁界を、前記重畳体の中心孔内に、該重畳体に略垂直な軸方向に電流を流すことにより発生させることを特徴とする請求項1記載の磁気転写方法。
  4. 前記磁気転写用マスター担体において、前記四角形の前記トラック幅方向の長さが、該トラック幅のN分の1の長さであり、前記エレメントは、前記四角形がN個トラック幅方向に並べられて構成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の磁気転写方法。
  5. 前記所望の情報がサーボ情報であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の磁気転写方法。
  6. ディスク上を同心円状トラックと交差する円弧状に走査するロータリ型の記録再生ヘッドを備えた記録再生装置において使用される垂直磁気記録媒体に所望の情報を転写するための転写パターンを表面に備えた磁気転写用マスター担体であって、
    前記転写パターンを構成する多数の微細なエレメントの平面形状が、同心円状に設けられる各トラックにおいて、それぞれ円周方向接線に平行な2辺と、該円周方向接線とのなす角度が90°±5°である2辺とからなる四角形がトラック幅方向に複数、連続的に並べられて構成された形状であり、かつ、該エレメントの平面形状の、該各トラックにおける前記円周方向接線と交わる辺の実効的な傾きはが、該各トラックにおける前記記録再生ヘッドのスキュー角に応じた傾きであることを特徴とする磁気転写用マスター担体。
  7. 前記四角形の前記トラック幅方向の長さが、該トラック幅のN分の1の長さであり、前記エレメントは、前記四角形がN個トラック幅方向に並べられて構成されていることを特徴とする請求項6記載の磁気転写用マスター担体。
  8. 前記所望の情報がサーボ情報であることを特徴とする請求項6または7記載の磁気転写用マスター担体。
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